甲状腺機能低下症における
甲状腺機能低下症における
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
の
の
測定意義と臨床的有用性
測定意義と臨床的有用性
すみれ病院
すみれ病院
院長
院長
浜田
浜田
昇
昇
近畿甲状腺フォーラム、共催;第55回和歌山内分泌代謝研究会 和歌山、平成18年9月2日はじめに
はじめに
¾ ¾Tg、TPOは、TSH受容体とともに甲状腺にある主要な抗
Tg、TPOは、TSH受容体とともに甲状腺にある主要な抗
原である。
原である。
¾ ¾しかし、TSH受容体抗体とは異なり、Tg、TPOに対する抗
しかし、TSH受容体抗体とは異なり、Tg、TPOに対する抗
体は、
体は、
pathologic role
pathologic role
(抗体そのものが病態に影響を与え
(抗体そのものが病態に影響を与え
る役割)が明らかでなく、その測定意義は、「甲状腺に対す
る役割)が明らかでなく、その測定意義は、「甲状腺に対す
る自己免疫の存在を意味する」だけであると考えられてい
る自己免疫の存在を意味する」だけであると考えられてい
る。
る。
はたして、甲状腺機能低下症において、
はたして、甲状腺機能低下症において、
¾¾
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
を測定する意義はあるのか
を測定する意義はあるのか
¾
1.TPOAb発見と
1.TPOAb発見と
そこから考えられるもの
そこから考えられるもの
TPOは、
TPOは、
甲状腺ホルモン合成のキーエンザイムである
甲状腺ホルモン合成のキーエンザイムである
マイクゾーム抗原の同定と疑問、1984年
マイクゾーム抗原の同定と疑問、1984年
107K蛋白が抗原? なぜ全例でバンドが 出ないのか? このバンドはマイク ロゾーム抗原では ないのか? 甲状腺に特異的な 蛋白なのか? マイクロゾーム抗体陽性血清によるウエスタンブロット107K
107K
蛋白は、甲状腺に特異的な蛋白なのか
蛋白は、甲状腺に特異的な蛋白なのか
他の臓器には存在しないのか
他の臓器には存在しないのか
a 甲状腺、b 肝臓、c 腎臓 甲状腺にしかない 臓器特異性はあるウエスタンブロット(SDS-PAGE)では、蛋白が
ウエスタンブロット(SDS-PAGE)では、蛋白が
変性した状態で抗体との反応を見ている。しかし、
変性した状態で抗体との反応を見ている。しかし、
変性させない状態で抗原、抗体反応をさせると
変性させない状態で抗原、抗体反応をさせると
免疫沈降するとすべてのマイクロゾーム抗体陽性血清 で107Kバンドが見られた 方法 マイクゾームをアイソトープ でラベルしておいて マイクロゾーム抗体陽性血清 で免疫沈降を行い テアートラジオグラフィー をしたこの結果は何を意味しているか?
この結果は何を意味しているか?
¾ ¾マイクロゾーム抗原は、分子量107Kの蛋白である
マイクロゾーム抗原は、分子量107Kの蛋白である
¾ ¾ウエスタンブロットの結果から、マイクロゾーム抗体の中に
ウエスタンブロットの結果から、マイクロゾーム抗体の中に
は、変性した状態でも結合するものがある
は、変性した状態でも結合するものがある
¾ ¾すなわち、抗体は一種類ではない、少なくとも二種類以上
すなわち、抗体は一種類ではない、少なくとも二種類以上
はある
はある
¾ ¾それを分けて測定すると、これまで以上に、病態と関係した
それを分けて測定すると、これまで以上に、病態と関係した
なにか意味合いがでてくるのではないか?
なにか意味合いがでてくるのではないか?
マイクロゾーム抗原は、
マイクロゾーム抗原は、
甲状腺にしかない、しかも一つの蛋白
甲状腺にしかない、しかも一つの蛋白
機能亢進(バセドウ病)の甲状腺で増加している
機能亢進(バセドウ病)の甲状腺で増加している
甲状腺で重要な働きをしているもの?
甲状腺で重要な働きをしているもの?
健常人IgGを結合させたカラム を通してでてきたもののTPO活性 マイクロゾーム抗体陽性IgGを 結合させたカラムを通してでてきた もののTPO活性 TPO活性が落ちた マイクロゾーム抗体は、 TPOに結合する マイクゾーム抗体を結合さ せたアフィニティカラムに TPO分画を流してみるとこのことから
このことから
どのようなことが考えられるか?
どのようなことが考えられるか?
¾ ¾TPOAb
TPOAb
は、甲状腺ホルモン合成のキーエンザイムに対
は、甲状腺ホルモン合成のキーエンザイムに対
する抗体である
する抗体である
¾ ¾抗体は、酵素活性をおさえる可能性がある
抗体は、酵素活性をおさえる可能性がある
¾ ¾甲状腺の機能低下と関係するのではないか
甲状腺の機能低下と関係するのではないか
Thyroid Peroxidase Activity
Thyroid Peroxidase Activity
-
-
Inhibiting Immunoglobulin
Inhibiting Immunoglobulin
in Patients with Autoimmune Thyroid Disease
in Patients with Autoimmune Thyroid Disease
Y.Okamoto, JCEM 68: 730, 1989 Y.Okamoto, JCEM 68: 730, 1989 In-vitroでTPO抗体陽性 IgGはTPO酵素活性を 抑制する しかし、TPIIは、 橋本病患者だけでなく バセドウ病患者でも みられ マイクロゾーム抗体価と 相関した。TPO抗体は、生体内で甲状腺機能に影響するか
TPO抗体は、生体内で甲状腺機能に影響するか
TPOとTPOAbの位置関係 TPOとTPOAbの位置関係 ¾¾ 正常甲状腺組織を器官培養して、正常甲状腺組織を器官培養して、 TPO TPO抗体はホルモンの合成を抑え抗体はホルモンの合成を抑え ない ない Acta Endocrinol 1990 Acta Endocrinol 1990 吉村弘吉村弘 ¾ ¾ バセドウ病組織の凍結切片でみたバセドウ病組織の凍結切片でみた が、が、inin--vivovivoではではTPOAbTPOAbは抗原に結は抗原に結 合していない
合していない
¾
¾ Acta Endocrinol 1991 Acta Endocrinol 1991 岡本泰之岡本泰之
¾ ¾ TPOAb陽性の母親から生まれたTPOAb陽性の母親から生まれた 新生児の甲状腺機能に異常を見な 新生児の甲状腺機能に異常を見な い。 い。 ¾ ¾ 生体内では、生体内では、TPOAbTPOAbは、その抗原は、その抗原 TPO TPOに近づけないに近づけない 血管 I(ヨード) 甲状腺濾胞 コロイド TPO TSH 受容体
まとめ
まとめ
1.
1.
TPO
TPO
Abの
Abの
Pathologic role
Pathologic role
(病気をひきおこす
(病気をひきおこす
役割)は明らかでない。
役割)は明らかでない。
¾
¾
現在のところ、マーカーとしての意義しかない。
現在のところ、マーカーとしての意義しかない。
2.TPOAbは、多様であるが、それを分けて測定
2.TPOAbは、多様であるが、それを分けて測定
することの臨床的意義は明らかでない。
することの臨床的意義は明らかでない。
¾
¾
現在のところ、ネイティブな抗原に対する抗体を
現在のところ、ネイティブな抗原に対する抗体を
測定することで良い。
測定することで良い。
2.米国甲状腺学会、
2.米国甲状腺学会、
2003
2003
年発表
年発表
ガイドライン
ガイドライン
“
“
Laboratory Medicine Practice Guidelines for the
Laboratory Medicine Practice Guidelines for the
Diagnosis and Monitoring of Thyroid Disease
Diagnosis and Monitoring of Thyroid Disease
”
”
から
から
TgAb, TPOAb
イントロには、
イントロには、
TPOAb, TgAb
TPOAb, TgAbの自己免疫性甲状腺疾患の病態における役割についてはの自己免疫性甲状腺疾患の病態における役割については
¾
¾ The pathologic role of TgAb remains unclear.The pathologic role of TgAb remains unclear.
¾
¾ TgAbが病気を引き起こす役割については分かっていない。TgAbが病気を引き起こす役割については分かっていない。
¾
¾ TPO antibodies (TPOAb) appear involved in the tissue destructiveTPO antibodies (TPOAb) appear involved in the tissue destructive processes processes associated with the hypothyroidism observed in Hashimoto
associated with the hypothyroidism observed in Hashimoto’’s and atrophic s and atrophic thyroiditis. Some studies suggest that TPOAb may be
thyroiditis. Some studies suggest that TPOAb may be cytotoxiccytotoxic to the thyroid. to the thyroid.
¾
¾ TPOAbには、細胞毒性があるといわれていて、橋本病の機能低下症TPOAbには、細胞毒性があるといわれていて、橋本病の機能低下症
に伴う組織破壊と関連しているように思われる。
に伴う組織破壊と関連しているように思われる。
¾
¾ The clinical significance of low levels of thyroid autoantibodieThe clinical significance of low levels of thyroid autoantibodies ins in euthyroid subjects is still unknown. However, the appearance of
euthyroid subjects is still unknown. However, the appearance of
TPOAb usually precedes the development of thyroid dysfunction.
TPOAb usually precedes the development of thyroid dysfunction.
¾
TPOAb Changes with Developing
TPOAb Changes with Developing
Autoimmune Thyroid Dysfunction
TPOAb
TPOAb
はどのようなときに測定するのか
はどのようなときに測定するのか
¾
¾ Diagnosis of Autoimmune Thyroid DiseaseDiagnosis of Autoimmune Thyroid Disease
¾
¾ Risk factor for Autoimmune Thyroid Disease. TPOAb is typically Risk factor for Autoimmune Thyroid Disease. TPOAb is typically the first abnormality to appear in the course of developing
the first abnormality to appear in the course of developing
hypothyroidism secondary to Hashimotos
hypothyroidism secondary to Hashimotos’’ thyroiditis.thyroiditis.
¾
¾ Risk factor for hypothyroidismRisk factor for hypothyroidism during during Interferon alphaInterferon alpha, , Interleukin
Interleukin--22 or or Lithium therapyLithium therapy
¾
¾ Risk factor for thyroid dysfunction during Risk factor for thyroid dysfunction during amiodaroneamiodarone therapy therapy
¾
¾ Risk factor for hypothyroidismRisk factor for hypothyroidism in in DownDown’’s Syndromes Syndrome patientspatients
¾
¾ Risk factor for thyroid dysfunction duringRisk factor for thyroid dysfunction during pregnancy pregnancy and forand for post
post--partum thyroiditispartum thyroiditis
¾
¾ Risk factor for miscarriage and inRisk factor for miscarriage and in--vitro fertilization failurevitro fertilization failure 生体変化、疾患、薬剤による甲状腺機能の変化を予測できる、
甲状腺機能低下症になる患者で最初に出てくる異常である、としている。
抗甲状腺抗体陽性者では、
抗甲状腺抗体陽性者では、
出産後に甲状腺機能異常が起こる率が高い
出産後に甲状腺機能異常が起こる率が高い
SSakaihara akaihara MM. Clinical Endocrinology (2000) 53,487. Clinical Endocrinology (2000) 53,487
対象
対象
甲状腺疾患の病歴のない、甲状 甲状腺疾患の病歴のない、甲状 腺機能正常の妊婦で妊娠初期に 腺機能正常の妊婦で妊娠初期に ¾ ¾ 抗体陽性抗体陽性 131131例(グループ1)例(グループ1) ¾ ¾ 抗体陰性抗体陰性 1,0301,030例(グループ2)例(グループ2)抗体の測定法
抗体の測定法
¾ ¾ サイロイドテストサイロイドテスト ¾ ¾ マイクロゾームテストマイクロゾームテスト方法
方法
1 1ヶ月後、ヶ月後、33ヵ月後の機能異常の頻ヵ月後の機能異常の頻 度を見ると 度を見るとTgAb,TPOAbのどちらが指標になるか?
TgAb,TPOAbのどちらが指標になるか?
橋本病合併妊婦における妊娠初期の抗体価 橋本病合併妊婦における妊娠初期の抗体価 と出産後機能異常症発症の関係 と出産後機能異常症発症の関係 TPOAb TgAb 発症予測には、 TPOAbのほうが有用 TPOAb20U/ml以上の 場合 PPHの予測率は 26/34(84%) 玉置治夫、他 ホルモンと臨床 1995TgAb
TgAb
はどのようなときに測定するのか
はどのようなときに測定するのか
¾
¾ In iodide sufficient areasIn iodide sufficient areas, it is not usually necessary or cost, it is not usually necessary or cost- -effective to order both TPOAb and TgAb, because TPOAb
effective to order both TPOAb and TgAb, because TPOAb- -negative patients with detectable TgAb rarely display thyroid
negative patients with detectable TgAb rarely display thyroid
dysfunction.
dysfunction.
機能異常の予測には、
機能異常の予測には、TPOAbTPOAbだけでよい、だけでよい、TgAbTgAbは必要ない?は必要ない?
¾
¾ In iodide deficient areas, serum TgAb measurements may be In iodide deficient areas, serum TgAb measurements may be useful for detecting autoimmune thyroid
useful for detecting autoimmune thyroid disease when patients disease when patients have a nodular goiter.
have a nodular goiter.
¾
¾ Monitoring iodide therapy for endemic goiter. Monitoring iodide therapy for endemic goiter. since iodinated Tg since iodinated Tg molecules are more immunogenic.
molecules are more immunogenic.
¾
¾ TgAb should be measured in every serum specimen sent to the TgAb should be measured in every serum specimen sent to the
laboratory for Tg testing.
laboratory for Tg testing.
¾
¾ TgTgを測定するときには必ずを測定するときには必ずTgAbTgAbを測定すべきであるを測定すべきである
¾
¾ Serial TgAb values have prognostic significance for monitoring Serial TgAb values have prognostic significance for monitoring response
response to DTC treatment.to DTC treatment.
機能異常の予測には、
機能異常の予測には、
TPOAb
TPOAb
だけでよい、
だけでよい、
TgAb
TgAb
は必要ない?の根拠になっている論文
は必要ない?の根拠になっている論文
¾
¾ A high prevalence of thyroglobulin autoantibodies in adults withA high prevalence of thyroglobulin autoantibodies in adults with and without thyroid disease as measured with a sensitive solid
and without thyroid disease as measured with a sensitive solid- -phase immunosorbent radioassay.
phase immunosorbent radioassay.
Ericsson UB, et al.
Ericsson UB, et al. Clin Clin Immunol Immunol Immunopathol Immunopathol 1985;37:1541985;37:154--62.62.
¾
¾ コントロールにおける陽性率がコントロールにおける陽性率が2727%と高いというデータだけ%と高いというデータだけ
¾
¾ The superiority of The superiority of antimicrosomalantimicrosomal over over antithyroglobulinantithyroglobulin antibodies for detecting Hashimoto
antibodies for detecting Hashimoto’’s thyroiditis. s thyroiditis. Nordyke
Nordyke RA, et al. Arch Intern Med 1993;153:862RA, et al. Arch Intern Med 1993;153:862--5.5.
¾ ¾ 橋本病ではサイロイドテストが陽性のものは、そのほとんどがマイク橋本病ではサイロイドテストが陽性のものは、そのほとんどがマイク ロゾームテストが陽性である。というもので、 ロゾームテストが陽性である。というもので、間接凝集法間接凝集法で測定したで測定した 結果を論議している。 結果を論議している。 これだけでTPOAbだけで良いという根拠にはならない
米国甲状腺学会のガイドラインのまとめ
米国甲状腺学会のガイドラインのまとめ
Laboratory Medicine Practice Guidelines for the Diagnosis and Mo
Laboratory Medicine Practice Guidelines for the Diagnosis and Monitoring of nitoring of Thyroid Disease Thyroid Disease”” ¾ ¾
生体変化、疾患、薬剤による甲状腺機能の変化を予測で
生体変化、疾患、薬剤による甲状腺機能の変化を予測で
きるとしている。
きるとしている。
¾ ¾TPOAbは、甲状腺機能異常に先行して陽性になる。
TPOAbは、甲状腺機能異常に先行して陽性になる。
とはしているが、
とはしているが、
¾ ¾甲状腺機能低下症(の予測)との関係での測定意義につい
甲状腺機能低下症(の予測)との関係での測定意義につい
ては書かれていない
ては書かれていない
3.PUBMED
3.PUBMED
甲状腺機能低下症における
甲状腺機能低下症におけるTgAb, TPOAbTgAb, TPOAbの測定意義、の測定意義、
臨床的有用性に焦点を当てた論文はあるか
TgAbと甲状腺機能低下症、
TgAbと甲状腺機能低下症、
534
534
論文
論文
TPOAbと甲状腺機能低下症、
TPOAbと甲状腺機能低下症、
238
238
論文
論文
、
、
しかし
しかし
機能低下症との関係を詳しく見ている論文は、ほとんどない
機能低下症との関係を詳しく見ている論文は、ほとんどない
¾¾ TPOAbTPOAbののIgGサブクラスIgGサブクラス分析分析、、TgG1/IgG4TgG1/IgG4比は機能低下症の予測に比は機能低下症の予測に 有用。
有用。Silva LM, 2003, Silva LM, 2003, HormHorm ResRes
¾
¾ モノクローナル抗体を用いてモノクローナル抗体を用いてTPOAbエピトープの違いを検討、TPOAbエピトープの違いを検討、甲状腺甲状腺
機能低下症患者と正常患者の間に差はない。
機能低下症患者と正常患者の間に差はない。Carlos JCarlos J JCEM 1995 JCEM 1995
¾
¾ 甲状腺機能低下症発症に関係する甲状腺機能低下症発症に関係するTPOTPOのT細胞エピトープは、ペプチのT細胞エピトープは、ペプチ ド
ド540540--559559にある。にある。Ng HP, 2006, EndocrinologyNg HP, 2006, Endocrinology
¾
¾ TPOAb, TgAbTPOAb, TgAbとと超音波所見超音波所見、、機能低下との関係機能低下との関係 Takamatsu J, Takamatsu J, 1998, Thyroid
1998, Thyroid
¾
¾ TypeType1DM患者において、甲状腺自己抗体の意義、12年間の経過観1DM患者において、甲状腺自己抗体の意義、12年間の経過観 察
タイプ1DM患者において、甲状腺自己抗体の意義
タイプ1DM患者において、甲状腺自己抗体の意義
甲状腺抗体陽性者における甲状腺機能低下症の経年発症率
甲状腺抗体陽性者における甲状腺機能低下症の経年発症率 Vonda K, 2004, J Endocrinol Invest
Vonda K, 2004, J Endocrinol Invest
TPOAbのみが陽性 のときには、それほど 機能低下症にならない TPOAb, TgAb両方陽性 のときは将来機能低下症 になる可能性が高い 将来の機能低下には TgAbが関係深いのか 機能低下症の 頻度
4.橋本病における測定意義
4.橋本病における測定意義
機能低下症と
機能低下症と
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
の関係
の関係
ATAガイドラインにない
ATAガイドラインにない
PUBMEDにもほとんどない
PUBMEDにもほとんどない
この問題に興味を持って研究してきた伊藤病院
この問題に興味を持って研究してきた伊藤病院
でのデータを紹介する
でのデータを紹介する
未治療橋本病患者における
未治療橋本病患者における
甲状腺機能と
甲状腺機能と
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
値の関係
値の関係
未治療橋本病患者における
未治療橋本病患者における
甲状腺機能と
甲状腺機能と
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
値の関係
値の関係
対象;
対象;
¾ ¾未治療橋本病
未治療橋本病
1,614
1,614
名(伊藤病院
名(伊藤病院
2,003
2,003
年初診)
年初診)
検討したい点
検討したい点
¾ ¾甲状腺機能の低下が強いほど、抗体価は高いのか
甲状腺機能の低下が強いほど、抗体価は高いのか
¾ ¾抗体価が高いほど甲状腺機能は低下しているものが多い
抗体価が高いほど甲状腺機能は低下しているものが多い
のか
のか
¾ ¾ TgAb;TgAb; 0.30.3↓↓はは0.10.1に、に、100100↑↑はは100100にに ¾ ¾ TPOAb;TPOAb; 0.30.3↓↓はは0.10.1に、に、5050↑↑はは5050にに甲状腺機能の低下が強いほど、
甲状腺機能の低下が強いほど、
抗体価は高いのか
抗体価が高いほど甲状腺機能は
抗体価が高いほど甲状腺機能は
低下しているものが多いのか
まとめ
まとめ
TgAb
TgAb
と甲状腺機能との関係
と甲状腺機能との関係
¾ ¾抗体価が非常に高い症例は、甲状腺機能が低下している
抗体価が非常に高い症例は、甲状腺機能が低下している
¾ ¾しかし、抗体が陽性であるからといって必ずしも機能が低
しかし、抗体が陽性であるからといって必ずしも機能が低
下してくるわけではない
下してくるわけではない
TPOAb
TPOAb
と甲状腺機能との関係
と甲状腺機能との関係
¾ ¾TgAb
TgAb
と同様の傾向であるが
と同様の傾向であるが
¾ ¾TgAb
TgAb
よりも甲状腺機能低下との関係は強い
よりも甲状腺機能低下との関係は強い
甲状腺機能低下症における
甲状腺機能低下症におけるTgAb, TPOAbTgAb, TPOAbの測定意義の測定意義
この結果からどのような測定意義が考えられるか
この結果からどのような測定意義が考えられるか
¾ ¾甲状腺機能が低下しているかどうかは、甲状腺機能を測定
甲状腺機能が低下しているかどうかは、甲状腺機能を測定
すれば良い。
すれば良い。
¾¾
したがって、
したがって、
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
を測定する意義は、その甲状腺
を測定する意義は、その甲状腺
機能低下症に自己免疫が関係しているかどうかである。
機能低下症に自己免疫が関係しているかどうかである。
¾
¾
すなわち、
すなわち、
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
を測定して現在の甲状腺機能低
を測定して現在の甲状腺機能低
下を知りたいわけではない。
下を知りたいわけではない。
¾
¾
やはり
やはり
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
を測定することによって、これからどう
を測定することによって、これからどう
なるかが知りたいところではないか?
なるかが知りたいところではないか?
¾ ¾機能低下になりやすいのか?
機能低下になりやすいのか?
¾ ¾機能低下が治りにくいのか?
機能低下が治りにくいのか?
甲状腺機能低下の発症、持続と
甲状腺機能低下の発症、持続と
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
値との関係
値との関係
1.甲状腺機能正常の橋本病
1.甲状腺機能正常の橋本病
2.潜在性甲状腺機能低下症の橋本病
2.潜在性甲状腺機能低下症の橋本病
3.甲状腺機能低下症の橋本病
3.甲状腺機能低下症の橋本病
甲状腺機能正常の橋本病
甲状腺機能正常の橋本病
その予後が分かるか?
その予後が分かるか?
具体的には機能低下症に陥るかどうか
具体的には機能低下症に陥るかどうか
追跡調査1
追跡調査1
甲状腺機能正常の橋本病を半年毎
甲状腺機能正常の橋本病を半年毎
10
10
年間観察
年間観察
¾
¾
対象;
対象;
1975
1975
-
-
6
6
年に伊藤病院を受診した未治療の
年に伊藤病院を受診した未治療の
橋本病患者
橋本病患者
622
622
例のうち、
例のうち、
10
10
年以上継続して、半
年以上継続して、半
年毎に甲状腺機能を観察し得た
年毎に甲状腺機能を観察し得た
199
199
例
例
¾
¾
甲状腺機能正常
甲状腺機能正常
76
76
例
例
¾
¾
甲状腺機能低下
甲状腺機能低下
123
123
例
例
甲状腺ホルモンの服用はあっても断続的あるいは 甲状腺ホルモンの服用はあっても断続的あるいはTSHTSHの上昇にの上昇に より、甲状腺機能の評価は出来ている より、甲状腺機能の評価は出来ている橋本病の
橋本病の
10
10
年間の機能の変化
年間の機能の変化
(池本先生)
(池本先生)
初診時甲状腺機能正常であったもの
初診時甲状腺機能正常であったもの
76
76
例
例
¾ ¾常に正常で経過したもの
常に正常で経過したもの
29
29
例(
例(
38
38
.
.
1
1
%)
%)
¾ ¾一過性の機能変動を認めたもの
一過性の機能変動を認めたもの
35
35
例
例
(46
(46
.
.
0
0
%
%
)
)
¾ ¾永続性の機能低下症になったもの
永続性の機能低下症になったもの
12
12
例(
例(
15
15
.
.
9
9
%)
%)
初診時甲状腺機能低下症であったもの
初診時甲状腺機能低下症であったもの
123
123
例
例
¾ ¾機能正常に戻ったもの
機能正常に戻ったもの
49
49
例
例
(39
(39
.
.
8
8
%
%
)
)
¾ ¾機能低下が永続性であったもの
機能低下が永続性であったもの
74
74
例
例
(60
(60
.
.
2
2
%
%
)
)
抗甲状腺抗体価と
抗甲状腺抗体価と
10
10
年後の機能状態の関係
年後の機能状態の関係
409600 409600 102400 102400 ●●●● ●● 25600 25600 5/13,38% 5/13,38% ●● ●●●●●● ● ● ●● ●● ●● ●● ●● 6400 6400 ●●●●●●●● ●● ●●●●●● ● ● ● ●●● ●● ●● 1600 1600 ●●●●●● ●●●●●● ●●●●●● 400 400 ●●●●●●●● ●● ●● ●●● ●●● ● ● ● ● 100 100 ●●●●●●●● ●● ●●●● (-) (-) ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●● ●●●●● ●● ●● (-) (-) 100100 400400 16001600 64006400 2560025600 102400102400 409600409600マ
イ
ク
ロ
ゾ
ー
ム
テ
ス
ト
2万 5千以上 5 / 13( 38%) が 機 能低下症サイロイドテスト
1600以上、5/11(45%)が機能低下症 ● 機能 正 常 ● 機能 低 下追跡調査2
追跡調査2
TgAb,TPOAb
TgAb,TPOAb
が測定されている
が測定されている
甲状腺機能正常例を半年毎5年間観察
甲状腺機能正常例を半年毎5年間観察
¾
¾
1996
1996
年の未治療の甲状腺機能正常(
年の未治療の甲状腺機能正常(
TSH 0.3
TSH 0.3
-
-4.0
4.0μ
μ
U/ml)
U/ml)
の橋本病患者
の橋本病患者
654
654
名のうち、
名のうち、
2000
2000
-
-
1
1
年に伊藤病院を受診している
年に伊藤病院を受診している
160
160
名
名
¾
¾
このうち、線腫様甲状腺腫の合併や甲状腺腫が
このうち、線腫様甲状腺腫の合併や甲状腺腫が
大きいなどのために甲状腺ホルモンの投与が始
大きいなどのために甲状腺ホルモンの投与が始
められた
められた
3
3
0名と癌合併のために手術された
0名と癌合併のために手術された
6
6
名
名
を除く
を除く
124
124
名で分析
名で分析
機能正常の橋本病
機能正常の橋本病
124
124
例
例
5
5
年間の甲状腺機能の経過
年間の甲状腺機能の経過
例
例
%
%
正常で経過したもの
正常で経過したもの
90
90
72.6
72.6
何 何 ら ら か か の の 異 異 常 常一過性の機能低下症
一過性の機能低下症
11
11
8.8
8.8
潜在性機能低下
潜在性機能低下
3
3
2.4
2.4
顕性の機能低下
顕性の機能低下
3
3
2.4
2.4
無痛性甲状腺炎
無痛性甲状腺炎
(機能は正常に回復)
(機能は正常に回復)
12
12
9.6
9.6
バセドウ病
バセドウ病
5
5
4.1
4.1
一度でもTSHの上昇を見たもの 19例 15.3%TgAb
TgAb
1:正常 2:一過性甲状腺機能低下症 3:無痛性甲状腺炎 4:永続性甲状腺機能低下症 5:バセドウ病 U/mlTPOA
TPOA
b
b
1:正常 2:一過性甲状腺機能低下症 3:無痛性甲状腺炎 4:永続性甲状腺機能低下症 5:バセドウ病 U/ml甲状腺機能正常の
甲状腺機能正常の
橋本病の
橋本病の
予後と
予後と
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
の関係
の関係
¾ ¾甲状腺機能正常の橋本病を経過観察すると、
甲状腺機能正常の橋本病を経過観察すると、
甲状腺機能
甲状腺機能
は、
は、
非常に多彩
非常に多彩
に変化することがわかる。しかし、
に変化することがわかる。しかし、
治療が必要に
治療が必要に
なる症例は多くない。診断を間違わないことが大切である。
なる症例は多くない。診断を間違わないことが大切である。
抗体との甲状腺機能異常の発症との関係は、
抗体との甲状腺機能異常の発症との関係は、
¾¾
長期の予後については、
長期の予後については、
TGHA>6
TGHA>6
、
、
400
400
、
、
MCHA>25,600
MCHA>25,600
の
の
ものは機能低下に陥る可能性が高い
ものは機能低下に陥る可能性が高い
¾
潜在性甲状腺機能低下症の
潜在性甲状腺機能低下症の
予後予測における抗体測定の役割
予後予測における抗体測定の役割
Turnbridges WMG
Turnbridges WMG
Natural history of autoimmune thyroiditis
Natural history of autoimmune thyroiditis
Br Med J 282:258,1981
潜在性から顕性機能低下症への進展
潜在性から顕性機能低下症への進展
20
20
年間の経過観察
年間の経過観察
ランダムに選ばれた
ランダムに選ばれた
2779
2779
名の英国人を対象に
名の英国人を対象に
20
20
年間経過観察
年間経過観察
された。
された。
女性の結果
女性の結果
、
、
Whickham
Whickham
survey
survey
顕性機能低下症へ進む
顕性機能低下症へ進む
リスク
リスク
%
%
/
/
年
年
オッヅ比
オッヅ比
20
20
年後に機能
年後に機能
低下症になった
低下症になった
もの、%
もの、%
TSH
TSH
上昇のみ
上昇のみ
2.6
2.6
8
8
(3
(3
-
-
20)
20)
33.0
33.0
抗甲状腺抗体陽性
抗甲状腺抗体陽性
のみ
のみ
2.1
2.1
8
8
(5
(5
-
-
15)
15)
27.0
27.0
TSH
TSH
上昇+
上昇+
抗体陽性
抗体陽性
4.3
4.3
38
38
(22
(22
-
-
65)
65)
55.0
55.0
顕性甲状腺機能低下症の橋本病
顕性甲状腺機能低下症の橋本病
それが一過性なのか、永続性なのかどうか
それが一過性なのか、永続性なのかどうか
鑑別法
鑑別法
永続性が疑われるもの
永続性が疑われるもの
¾ ¾理学的所見で機能低下症による変化が明らかなもの
理学的所見で機能低下症による変化が明らかなもの
¾ ¾コレステロールが高値のもの
コレステロールが高値のもの
¾ ¾放射性ヨード甲状腺摂取率が低いもの
放射性ヨード甲状腺摂取率が低いもの
一過性が疑われるもの
一過性が疑われるもの
¾ ¾出産後の発症
出産後の発症
¾ ¾過剰のヨード摂取
過剰のヨード摂取
¾ ¾無痛性甲状腺炎後
無痛性甲状腺炎後
¾ ¾TSBAb
TSBAb
による機能低下症での抗体の消失
による機能低下症での抗体の消失
¾ ¾放射性ヨード甲状腺摂取率が高いもの
放射性ヨード甲状腺摂取率が高いもの
追跡調査3
追跡調査3
甲状腺機能低下症の予後が抗体で分かるか
甲状腺機能低下症の予後が抗体で分かるか
¾ ¾対象は、
対象は、
1976
1976
年に伊藤病院を受診した未治療の橋本病患
年に伊藤病院を受診した未治療の橋本病患
者で、妊娠中および産後一年未満の症例を除いた
者で、妊娠中および産後一年未満の症例を除いた
396
396
例
例
のうち
のうち
5
5
年後に検査
年後に検査
を施行しえた
を施行しえた
181
181
例。
例。
T4
T4
を服用中の患
を服用中の患
者は原則として
者は原則として
1
1
ヶ月以上服薬を中止して検査を行なった。
ヶ月以上服薬を中止して検査を行なった。
¾ ¾機能正常
機能正常
94
94
例
例
¾ ¾潜在性甲状腺機能低下症
潜在性甲状腺機能低下症
44
44
例
例
¾
¾
顕性甲状腺機能低下症
顕性甲状腺機能低下症
43
43
例
例
初診時
初診時
顕性
顕性
甲状腺機能低下例
甲状腺機能低下例
5
5
年後の
年後の
甲状腺
甲状腺
機能
機能
H(43) 30 7 28 35 Euthyroidism Subclimical Hypothyroidism Unclear 顕性機能低下症 不明 甲状腺機能正常 潜在性甲状腺機能低下症一過性と永続性の違い
永続性機能低下症と一過性機能低下症における
永続性機能低下症と一過性機能低下症における
治療前
治療前
TGHA
TGHA
値と
値と
MCHA
MCHA
値の比較
値の比較
TGHA
永続性 一過性
P <0.001MCHA
永続性 一過性
N.S. 6,400 25,600 <100 1,600 102,400 409,600 400 100初診時および
初診時および
5
5
年後の
年後の
TGHA
TGHA
値、
値、
MCHA
MCHA
値の比較
値の比較
初診時 5年後 N.S. 6,400 25,600 <100 1,600 102,400 409,600 400 100 N.S. 6,400 25,600 <100 1,600 102,400 409,600 400 100 N.S. 初診時 5年後 P <0.02 永続性甲状腺機能低下症 一過性甲状腺機能低下症 TGHA MCHA
機能低下時に高かったマイクロゾームテストが、機能の
機能低下時に高かったマイクロゾームテストが、機能の
正常化とともに低下することが、古くから報告されている
正常化とともに低下することが、古くから報告されている
¾
¾
Transient hypothyroidism associated with
Transient hypothyroidism associated with
increased anti
increased anti
-
-
microsomal
microsomal
antibodies.
antibodies.
EndocrinolEndocrinol JpnJpn.. 19751975 Apr;22(2):141Apr;22(2):141--6. 6.
Amino N
Amino N, , MiyaiMiyai KK, , Fukuchi MFukuchi M, , KumaharaKumahara YY..
¾
¾
Recovery of thyroid function with a decreased
Recovery of thyroid function with a decreased
titre
titre
of
of
antimicrosomal
antimicrosomal
antibody in a hypothyroid man
antibody in a hypothyroid man
with Hashimoto's thyroiditis.
with Hashimoto's thyroiditis.
Acta
Acta Endocrinol (Endocrinol (CopenhCopenh).). 19831983 Apr;102(4):Apr;102(4):
Yamamoto M
Yamamoto M, , Kaise Kaise KK, , Kitaoka Kitaoka HH, , Yoshida KYoshida K, , Kaise Kaise NN, ,
Fukazawa H
一過性か永続性かの見分け方
一過性か永続性かの見分け方
¾ ¾ 理学的所見、コレステロール値理学的所見、コレステロール値 ¾ ¾ 出産後の発症出産後の発症 ¾ ¾ 過剰のヨード摂取過剰のヨード摂取 ¾ ¾ 無痛性甲状腺炎後無痛性甲状腺炎後 ¾ ¾ TSBAbTSBAbの消失の消失 ¾ ¾ 摂取率が高いもの摂取率が高いもの永続性の可能性が高いもの
永続性の可能性が高いもの
¾
¾
50
50
歳以上
歳以上
¾
¾
T
T
3値が低値
3値が低値
¾
これまでのまとめと疑問
これまでのまとめと疑問
¾
¾
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
高値のものは、将来甲状腺機能低下症に
高値のものは、将来甲状腺機能低下症に
陥る可能性は高いしかし、
陥る可能性は高いしかし、
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
は、その時点の
は、その時点の
甲状腺機能低下症とはそれほど強い相関はない。
甲状腺機能低下症とはそれほど強い相関はない。
¾
¾
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
と甲状腺機能とは、関係がありそうである
と甲状腺機能とは、関係がありそうである
が、直接的ではない。
が、直接的ではない。
また米国甲状腺学会のガイドラインでは
また米国甲状腺学会のガイドラインでは
¾ ¾抗体の測定は、感度が上がり、その陽性率は高
抗体の測定は、感度が上がり、その陽性率は高
くなったが、
くなったが、
甲状腺機能が正常で、抗体が弱陽性のものにおいて、そ
甲状腺機能が正常で、抗体が弱陽性のものにおいて、そ
の意味が
の意味が
良く分かっていない
良く分かっていない
。
。
¾ ¾としているが甲状腺組織との関係は?
としているが甲状腺組織との関係は?
¾ ¾TPOAbは、橋本の診断には有用であるが、TgAbは有用
TPOAbは、橋本の診断には有用であるが、TgAbは有用
性は低いといわれている
性は低いといわれている
。
。
¾ ¾しかし、根拠は弱い、本当か?
しかし、根拠は弱い、本当か?
では
では
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
と甲状腺組織の変化
と甲状腺組織の変化
との関係はどうなのか?
との関係はどうなのか?
抗体と組織と機能の関係は?
抗体と組織と機能の関係は?
TgAb, TPOAb
TgAb, TPOAb
と甲状腺組織、
と甲状腺組織、
甲状腺機能との関係
甲状腺機能との関係
方法
方法
¾ ¾1995
1995
年から
年から
1999
1999
年の間に伊籐病院で手術された単結節
年の間に伊籐病院で手術された単結節
性の良性腫瘍
性の良性腫瘍
454
454
例のうち、腺腫様結節、機能性腺腫、非
例のうち、腺腫様結節、機能性腺腫、非
典型的腺腫
典型的腺腫
,
,
悪性腫瘍の合併例、バセドウ病、腺腫様甲状
悪性腫瘍の合併例、バセドウ病、腺腫様甲状
腺腫、甲状腺腫を伴う橋本病の合併例をのぞいた
腺腫、甲状腺腫を伴う橋本病の合併例をのぞいた
¾ ¾純粋な濾胞腺腫
純粋な濾胞腺腫
152
152
例(男性
例(男性
29
29
例、女性
例、女性
117
117
例、年齢
例、年齢
13
13
-
-
76
76
才、平均
才、平均
48
48
才)の周囲組織を観察した。
才)の周囲組織を観察した。
¾ ¾明らかなリンパ球浸潤の見られるものを橋本病
明らかなリンパ球浸潤の見られるものを橋本病
¾ ¾リンパ球浸潤に加えて、濾胞上皮細胞の破壊、好酸性変
リンパ球浸潤に加えて、濾胞上皮細胞の破壊、好酸性変
性、間質の繊維化の少なくとも一つ以上が見られるもの確
性、間質の繊維化の少なくとも一つ以上が見られるもの確
実な橋本病とした。
実な橋本病とした。
結果
結果
橋本病は、
橋本病は、
¾ ¾男性
男性
29
29
例中
例中
6
6
例(
例(
20.6%
20.6%
)
)
¾ ¾女性
女性
117
117
例中
例中
28
28
例
例
(23.9%)
(23.9%)
に認められた。
に認められた。
確実な橋本病は、
確実な橋本病は、
¾ ¾男性
男性
29
29
例中1例(
例中1例(
3.4%
3.4%
)
)
¾ ¾女性
女性
117
117
例中
例中
14
14
例
例
(11.9%)
(11.9%)
に認められた。
に認められた。
周囲組織に橋本病の所見があるものとないものの 腺腫の重量の比較