<論説>都道府県知事のキャリアパスの変化
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(2) 近畿大学法学. 第55巻 第1号. るか は,地 方 自治 の時 期 ご と にみ られ る状 況 を 反 映 して い た。 知 事 の 経 歴 に高 い関 心 が 集 ま った の は1980年 代 で あ る。1979年 の 統 一 地 方 選 挙 にお いて は,東 京 都 で 美 濃 部 亮 吉 か ら鈴 木 俊 一,大 阪 府 で は黒 田了 一 か ら岸 昌へ と知 事 が 交 代 した。 東 京 ・大 阪 の 両 方 で 革 新 政 党 に擁 立 され た 知事 が 自治 官 僚 出 身 者 に変 わ った こ とは,1960年. 代 か ら70年 代 にお い て. 注 目 され た 革 新 自治 体 の 時 代 の 終 焉 を 印 象 づ け,そ れ に代 わ って 中央 官僚 の 都道 府 県 知事 ポ ス トへ の進 出 を 改 め て 注 目の 対 象 と した。 中央 省庁(特 に 自 治 省)出 身 者 が 知 事 以 下 の 府 県 幹 部 の 多 くを 占 め る状 況 に つ い て ジ ャー ナ リス トに よ る著 作 が い くつ か 出 て い る こ とが,知 事 の経 歴 に つ い て の 当 時 の 関心 の 高 さを示 して い る(田 原1979,神1986)。 この 時期 に考 察 の対 象 とな った の は,な ぜ1970年 代 後 半 とい う時期 に 中 央 官 僚 出身 知 事 が増 加 した の か とい う問題 で あ った。 高 寄 昇 三 は知 事 を 出 身 別 に党 人 ・官 僚 ・学 者 に分 類 しそ れ ぞれ の特 徴 につ い て考 察 す る と同時 に,旧 内務 省 出身 知 事 の数 や府 県 へ の 中央 官 僚 の 出 向状 況 につ い て調 査 し て い る。 官 僚 出身 知 事 が1970年 代 後 半 に増 加 した背 景 と して は,① 中央 官 僚 の行 政 経 験 や対 中央 交 渉 力 へ の 期 待,② 官 僚 の 中立 性 へ の信 奉,③ 政 党 組 織 の 未 発 達,④ 多 党 化,が 指 摘 され て い る(高 寄1981)。. 佐 々木 信 夫 も. 同様 に1983年 の 統 一 地 方 選 終 了 直 後 の 知 事 の 出身 集 団 を,実 務 ・官 僚 型, 政 治 家 型,学 者 ・民 間 型 の 三 類 型 に大 別 し,そ れ ぞ れ の グル ー プの 中で よ り詳 しい 出 自や 経 歴 を 調 査 して い る(2)。 知 事 の 過 半 数 を 国 と地 方 の 行 政 職 員 出 身 者 が 占め て い る こ と につ い て,実 務 家 が 住 民 か ら支 持 され て い る と 佐 々木 は 解 釈 して い る(佐 々木1984)。. 居 安 正 は1980年 代 初 期 の 中 央 官 僚. の 地 方 自治 へ の 進 出 状 況 を 調 査 し,自 治 体 財 政 の 悪 化 に よ って 中 央 へ の パ イ プ と行 政 手 腕 を 持 つ 人 材 が 中 央 省 庁 か ら求 め られ た こ とに そ の 原 因 を 求 め て い る(居 安1983)。. ま た 大 森 彌 も1970年 代 末 の 官 僚 出 身 知事 の 増 加 に. つ い て 考 察 し,中 央 官 僚 出 身 者 が 掲 げ る脱 イ デ オ ロギ ー の 立 場 が 選 挙連 合 一26一.
(3) 都 道 府 県 知 事 の キ ャ リアパ スの 変 化. の形 成 や利 害 調 整 に有 利 で あ った と指 摘 して い る(大 森1986)。 これ らの研 究 とは や や異 な った関 心 か ら,公 選 導 入 以 降 の知 事 選 挙 に お け る有 力 候 補 者 の経 歴 を体 系 的 に検 討 した もの と して 片 岡正 昭 の研 究 が あ る。 こ の研 究 は1947年 か ら1989年 まで の 期 間 の 知 事 選 挙 に お け る 当選 者 お よ び主 要 候 補 者430名 の経 歴 を,政 治 家t官 僚 と中央 ・地 方 の二 つ の 次 元 で分 類 し,こ れ に公 職 未 経 験 者 を付 け加 え た5つ の 集 団 か らの 知 事 候 補 者 の リク ル ー トメ ン トを調 査 して い る。 調 査 デ ー タ に よれ ば候 補 者 に 占め る 官 僚 と政 治 家 の比 率 は ほ ぼ 同数 で あ り,中 央 と地 方 で は 中央 出身 者 が 優 位 に あ る。 ま た ど の よ う な経 歴 を 持 つ 者 が 知 事 候 補 者 とな るか は時 代 に よ っ て 変 化 して お り,知 事 選 挙 の 動 向 を 左 右 す る保 守 政 党 に よ る候 補 者 選 択 は そ れ ぞ れ の 時 期 の 地 方 の ニ ー ズ を 反 映 した もの で あ る とい う。 政 党 の 中 で は地 方 組 織 の 主 導 権 が 徐 々 に定 着 し,中 央 官 僚 も落 下 傘 候 補 で は な く立 候 補 先 で 経 験 を 積 ん だ 者 が 主 流 とな るな ど,知 事 選 挙 にお け る地 方 の 影 響 力 の 増 大 が 観 察 され て い る(片 岡1990)。 以 上 の よ う に,「ど の よ う な経 歴 を 持 つ 者 が 知 事 とな るの か 」とい った 問 題 につ いて は,主. に中 央 対 地 方,官 僚 対 政 治 家 とい った 文 脈 か ら研 究 が 行. わ れ て きた とい う こ とが で き る。 だ が近 年 で は地 方 政 治 の 変 化 を ふ ま え た 地 方 議 員 や 市 長 の 経 歴 につ い て の 研 究 が 登場 す る一 方 で,無 党 派 。改 革 派 な どの 名 称 で 呼 ば れ る新 しい タイ プ の知 事 に つ い て は そ の 政 策 面 に 関心 が 集 中 し,ど の よ う な 経 歴 を 持 つ か は あ ま り注 目 さ れ て い な い③。 本 稿 は 1990年 代 後 半 以 降 に 登 場 した 知事 の経 歴 を,す で に 研 究 の 蓄 積 が あ る55年 体 制 末 期 の 知 事 と比 較 す る こ とで,現 在 で は どの よ うな 属性 や経 歴 を持 っ た 者 が 知 事 と して 選 ば れ て い るの か を 明 らか に し,知 事 の 経 歴 に み られ る 変 化 を もた ら して い る要 因 に つ い て考 察 す る。. 一27一.
(4) 近畿大学法学. 2.知. 第55巻 第1号. 事 の経歴 の変 化. (1)分 析 方 法 と 用語 本 節 で は知 事 職 に就 い た者 の 出身 集 団 と キ ャ リアパ ス を,以 下 の よ うな 方 法 で分 析 す る。 ① 研 究 の対 象 とす る期 間 は1979年 か ら2005年 で あ り,こ の期 間 を1979年 ∼94年 と1995年 ∼2005年 の二 つ に 区分 す る。 前 半 の 期 間 は55年 体 制 末 期 に 対 応 し,後 半 の期 間 が い わ ゆ る無 党 派 知 事 の 時 代 に対 応 す る。1979年 を始 点 と した の は,こ の年 の統 一 地 方 選 に お いて 東 京 。大 阪 の 知 事 が 革 新 知 事 か ら 自治 省 出身 者 に交 替 した こ と に よ る。 ま た1995年 を 区 分 点 と した の は,こ の 年 の知 事 選 挙 で は東 京 ・大 阪 で 無 党 派 候 補 が 当 選 し,ま た 三 重 や 岩 手 で 現 職 な い しその 後 継 者 が 破 れ る と い った 選 挙 結 果 に よ って,従 来 と は異 な っ た タ イ プの 知 事 の 増 加 が み られ た こ と に よ る。 ② 経 歴 を 調 査 した対 象 は,上 記 の 期 間 に新 し く知 事 とな った 者 で あ る。 該 当す る人 数 は1979年 か ら94年 の 間 が53名,1995年. か ら2005年 の 間 が48名. で あ り,合 計101名 につ いて 知 事 就 任 まで の 経 歴 を 調 査 した(4)。4年 単 位 な どで す べ て の 当 選 者 を 調 査 す る とい う方 法 を と らな か った の は,知 事 は 多 選 が 多 い た め に同 一 の 候 補 者 が 何 度 も カ ウ ン トされ る,総 数 で 見 た 場 合 に は 時 期 ご との 特 徴 が 現 れ に くい た め で あ る。 対 象 とす る期 間 に は337回 の 知 事 選 挙 が 行 わ れ て い るの で,全 当 選者 の約70%が. 再 選 な い しそ れ以 上 と. い う こ とに な る。 この よ うに 特 定 の 時 点 で 在職 中 の知 事 す べ て を 調 査 の 対 象 と した 場 合 に は 変 化 が 観 察 しに くくな る の で,新 人 の み を 対 象 と した。 ③ 知 事 の 経 歴 の う ち,出 身 集 団 に つ い て は 中 央 官 僚 ・地 方 官 僚 ・政 治 家 ・そ の 他 に 区分 した 。 「中央 官 僚 」 と は国 家 公 務 員 試 験 に 合 格 して 中央 省 庁 に採 用 さ れ た 行 政 職 員 で あ り公 選 職 に就 い た 経 験 が な い者 を 指 す。 一28一.
(5) 都 道 府 県 知 事 の キ ャ リアパ ス の変 化. 「地 方 官僚 」 とは地 方 公 務 員 試 験 に合 格 して 地 方 自治体 に採 用 され た行 政 職 員 で あ り公 選 職 に就 い た経 験 が な い者 を指 す。 「政 治 家 」 は 議 員 ・首 長 な ど公 選 職 に就 い た 経 験 が あ る者 を 指 す 。 「そ の 他 」 は公 職 を経 験 した こ と が な い者 を 指 す。 この 区分 に従 う と,例 え ば 当初 は行 政 職 員 だ った者 が議 員 を経 て知 事 とな った場 合 に,そ の 出身 集 団 は政 治 家 とな る(5)。 ④ 知 事 に至 るま で の経 歴 は,上 記 の 出身 集 団 を基 礎 と して以 下 の よ うに 区分 した。 官 僚 の経 歴 に つ い て は,「中央 幹 部(中 央 省 庁 の部 長 級 以 上 の役 職)」,「地 方 幹 部(知 事 に就 任 した府 県 の部 長 級 以 上 の役 職 で総 務 部 長 と副 知 事 以 外 の ポ ス ト)」,「総 務 部 長 」,「副 知 事 」,「他 県 幹 部(知 事 に 就 任 し た場 所 以 外 の 府 県 の部 長 級 以 上 の 役 職)」,に 区 分 した(6)。府 県 の ポ ス トを い くつ か に 区分 した の は,知 事 に至 る キ ャ リア に お い て総 務 部 長 と副 知 事 が重 要 と考 え られ て い る こ と と,府 県 幹 部 と して 勤 務 した場 所 と知 事 に就 任 した 場 所 の 関係 を 検 討 す る た め で あ る。 政 治 家 の経 歴 につ い て は,「 衆 議 院議 員 」,「参 議 院議 員 」,「県 議 」,「市 町村 議 」,「市 町村 長 」 に 区 分 した。 ⑤ 上 で分 類 した各 区分 の うち,知 事 が ど の経 歴 を ど の よ うな順 番 で 経 験 して い る か を み る こ とを通 じて知 事 の キ ャ リアパ ス を検 討 す る。 その 際 に 各 区分 の 中 で の ポ ス トの移 動 は経 歴 の 変 化 に含 め な い。 例 え ば市 町 村 議 ・ 県 議 ・衆 議 院 議 員 を経 験 して い る者 につ いて は3つ の 経 歴 が カ ウ ン トされ る が,中 央 省 庁 で審 議 官 ・局 長 ・外 局 の 長 官 を 経 験 した者 の 経 歴 は 中央 幹 部 と して1つ の経 歴 しか カ ウ ン トしな い。 結 果 的 に 中央 官 庁 で 継 続 して 勤 務 した後 に知 事 に就 任 した者 は経 歴 が 少 な くな る と い う問 題 や,中 央 官 僚 の課 長 級 以 下 で の府 県 へ の 出 向経 験 が 含 まれ な い と い う問 題 は あ るが,知 事 に就 任 した者 が それ 以 前 に 当該 府 県 で どの よ うな 活 動 を して いた の か は 上 記 の カ ウ ン ト方 法 でか な りの 程 度 明 らか にな る と思 わ れ る。. 一29一.
(6) 近畿大学法学. 第55巻第1号. (2)出 身 集 団 の 検 討 最 初 に 中央 官 僚 ・地 方 官 僚 ・政 治 家 と い っ た集 団 か らどの 程 度 知 事 が 選 出 さ れ て い る の か を概 観 した い。 表1は 時 期 別 に知 事 選 挙 初 当選 者 の 出身 集 団 の動 向 を ま とめ た もので あ る。 知 事 にな った 者 の 中で は 中央 官 僚 が 最 も多 く,約4割. を 占 め て い る。2番. 目以 降 は政 治 家,地 方 官 僚,そ の 他 の. 順 で あ り,こ の順 番 は時 期 に よ る変 化 はな い。1979-94年 と1995-2005年 を 比 較 した場 合 に,知 事 の 出身 集 団 に 占め る 「中央 官 僚 」 と 「そ の 他 」 は両 方 の期 間 で ほ ぼ 同 じ く らいの 割 合 で あ る。 た だ し中央 官 僚 の 中 で の 出身 省 庁 をみ る と,1979-1994年. に は中 央 官 僚 出身 者25名 中18名(72%)と. 大半を. 占 めて い た 自治 省 出身 者 が1995-2005年 に は21名 中10名(同48%)と. 減少 し. て お り,代 わ って 通 産 ・経 産 省 や 建設 ・国 交 省 が 増 加 して い る(7)。19952005年 の時 期 に大 き く減 少 して い る の は地 方 官 僚 で あ り,そ れ に対 応 して 政 治 家 の 比 率 が 上 昇 して い る。1990年 代 の 後 半 には 国 会 議 員 の 知 事 選 挙 へ の 転 出が 注 目 され たが,実 際 に は国 会 議 員 の 比 率 は そ れ ほ ど増 加 して い る わ けで はな い。 む しろ政 治 家 の 中で 注 目 され るの は,市 町 村 長 の 比 率 が 増 加 して い る こ とで あ る。 国 会 議 員 や 地 方 議 員 の 出 身 者 の 比 率 が 微 増 に と ど ま る 中 で,市 町 村 長 出身 者 は1995年 以 降 に は全 体 の1/8を. 占 め る よ うに. な った 。 出身 集 団 以 外 の 属 性 につ い て も簡 単 に み て お く と,初 当 選 時 の 年 齢 は 1979-94年 が56.3歳,1995-2005年. が54.9歳 で あ り,両 期 間 で 著 しい 変 化 は み. られ な い。 た だ し2003年 以 降 だ けを み る と,40代 で 知 事 に 就 任 した 者 が18 名 中8名 に達 して い る。 中 央 官 僚 の う ち地 元 出 身 者 の 数 は79-94年 (56%),95-05年. が15名(71%)で. が14名. あ り,近 年 の 方 が 地 元 出 身 者 の 比 率 が. 上 昇 して い る。. 一30一.
(7) 都 道 府 県 知 事 の キ ャ リア パ スの 変 化. 表1知 中央官僚. 自治省 それ以 外 (中央官僚計). 地方官僚 政 治家. 事 の出身集団. 1979-1994(%) 1834.0 713.2 (25)(47.2). 1995-2005(%). 1018.9. 国会議 員 地 方議 員 市町村 長 (政治家 計). 1020.8 24.2. (13)(24.6) 59.4. 合計. 612.5 (18)(37.5) 48.3. 53. (3)55年. 1122.9 (21)(43.7) 510.4. 917.0 23.8 23.8. そ の他. 1020.8. 48. 体 制 末 期 の知 事 の経 歴. 本 節 で は1979-94年 に 知 事 に就 任 した53名 の 経 歴 を 検 討 す る。 知 事 に就 任 す る直 前 の職 を み る と,最 も多 い のが 副 知 事 の28名 で あ り,中 央 幹 部6 名,衆 議 院 議 員5名,参. 議 院 議 員4名,市. トされ る経 歴 を持 た な い者 が7名(う. 町 村 長2名,県. 議1名,カ. ち 中央 省 庁 の 課 長 級2名)で. ウン あ る。. 官 僚 出身 者 の場 合 に は 中央 ・地 方 を問 わ ず,副 知 事 を経 て 知 事 にな る者 が この 時 期 に は大 半 を 占 めて い る。 以 下 の 部 分 で は 出身 集 団 別 に この 時 期 に お け る キ ャ リアパ ス の特 徴 を検 討 す る。 ① 中央 官 僚. この 期 間 に お け る 中央 官 僚 出 身 知 事 の 中 で 多 数 を 占め るの. は,府 県 と 中央 省 庁 の 両 方 で 主 要 ポ ス トを 経 験 しな が ら知 事 に就 任 す る府 県 の 副 知 事 を 経 て 知 事 とな る,と い うル ー トで あ る。 代 替 的 な ル ー トは 中 央 省 庁 で 継 続 して 勤 務 し昇 進 した 後 に出 身 地 の 知 事 に就 任 す る とい う もの で あ るが,こ れ は相 対 的 に少 数 で あ る。25名 の 中 央 官 僚 出 身 者 の う ち,当 該 府 県 の 副 知 事 経 験 者 が17名,総 7名,中. 務 部 長 経 験 者 が9名,地. 方幹部経験者が. 央 幹 部 経 験 者 が14名 で あ る。 これ 以 外 に 他 県 の 幹 部 を 経 験 した 者. が8名 い る。 総 務 部 長 を の ぞ い た 地 方 幹 部 ポ ス トに つ い て は 特 定 の 傾 向 は 一31一.
(8) .'4,巳}. 近 畿 大学 法学. 第55巻 第1号. 観 察 さ れ な い。 中央 省 庁 で経 験 した ポ ス トで は審 議 官 が7名 が,事 務 次 官 が3名,外. 局 の長 官 が2名. と最 も多 い. と省 庁 の トップ を経 験 した者 も含. ま れ る。 これ ら省 庁 トップ に い た者 の大 半 は府 県 で の勤 務 経 験 な しに知 事 に 就任 して い る。 な お本 省 の課 長 の 時 に知 事 選 挙 に立 候 補 して 当選 した者 が 中央 官 僚 の 中 に2名 含 ま れ て い る が,こ れ は例 外 的 な事 例 と い え る(8)。 ②地方官僚. 地 方 官 僚 か ら知 事 へ の ル ー トは,府 県 内部 で複 数 の幹 部 ポ. ス トを経 験 しな が ら昇 進 し,副 知 事 を経 て知 事 に就 任 す る と い う もの で あ る。10名 の地 方 官 僚 の全 員 が副 知 事 経 験 者 で あ り,7名. が総 務 部 長 を経 験. して い る。 総 務 部 長 以 外 の幹 部 ポ ス トを経 験 して い る の は9名 で あ るが, 幹 部 ポ ス トの 中 で は教 育 長 ・出納 長 と い っ た重 要 ポ ス トと並 ん で企 画 ・調 整 関係 の部 局 の長 が 多 い。 こ の時 期 に お け る地 方 官 僚 の キ ャ リアパ ス は き わ め て規 則 性 が強 い。 ③政治家. 政 治 家 か ら知 事 へ の ル ー トは,国 会 議 員 か ら知 事 選 挙 に転 出. す る ケ ー ス が13名 中9名 と一 般 的 で あ る。 国 会 議 員 の 中で は衆 議 院 議 員5 名,参 議 院 議 員4名 は 自民 党8名,社. と両 院 の 出身 者 は ほぼ 同 数 で あ り,国 会 で の 所 属 政 党. 会 党1名 で あ る。 年 齢 や 当 選 回 数 に は特 定 の パ ター ン は. み られ な い。 県 議 経 験 者 は3名,市. 長 村 議 経 験 者 は1名,市. 町村長経験者. は4名 で あ るが,こ れ らの 経 歴 はな か ば 国 会 議 員 へ の ステ ップで あ る。 県 議 や 市 町 村 長 が 分 裂 選 挙 の 一 方 の 当 事 者 と して 知 事 選 挙 に立 候 補 す る場 合 が 存 在 す るの で,知 事 選 挙 の 候 補 者 を み た場 合 に 県 議 や 市 町 村 長 は 相 当 程 度 観 察 され るが,当 選 す るケ ー スは そ れ ほ ど多 くな い。 この 時 期 にお け る知 事 ポ ス トへ の ル ー トは,大 別 す る と,① 中央 地 方 の 官 僚 が 当 該 府 県 で 幹 部 を 経 験 し,副 知事 を経 て前 任者 の退 任 に 伴 って知 事 とな る,② 地 元 出 身 の 中 央 官 僚 が 所属 省庁 で幹 部 職 員 とな った 後 に 落下 傘 候 補 と して 知 事 に擁 立 され る,③ 政治 家 の場 合 に は ス ター トライ ンに か か わ らず 国 会 議 員 を 経 て 知 事 に 転 出 す る,と い う3つ に な る。 こ れ 以 外 の 一32一.
(9) 都 道 府 県 知 事 のキ ャ リアパ スの 変 化. ル ー トは例 外 的 で あ り,該 当者 の 数 は上 記 の3つ の ル ー トに比 べ て きわ め て 少 な い。 出身 集 団 ご と に知 事 に至 るル ー トが か な りの 程 度 固 定 化 ・制 度 化 され て い る と い うの が この 時 期 の 特 徴 と いえ る。 な お,各 出 身 集 団 別 の キ ャ リアパ スを 図 示 した の が 図1で あ る。. 中 央官 僚(n=25). 地方 官僚(n=10). 総務部長6 副知事. 地方幹部. 10. 知事. 4. (4)90年. 代後半以降の知事の経歴. 90年 代 後 半 か ら,知 事 の 経 歴 や キ ャ リアパ ス に は規 則 性 が 少 な くな る。 1995年 か ら2005年 の 間 に知 事 に就 任 した48名 の 直 前 の 職 と して,最 も多 い の は 中央 省 庁 幹 部 で11名 で あ る。 そ れ に次 ぐの は 副知 事 と衆 議 院 議 員 の7 一33一.
(10) :隔6ノ't.9.. 近畿大学法学. 第55巻第1号. 名,市 町 村 長 が6名,地 と県 議 が2名,カ. 方 幹 部 ・参 議 院 議 員 ・他 県 幹 部 が3名,総. 務部長. ウ ン トされ る経 歴 を 持 た な い者 が4名 で あ る。 副知 事 出. 身 者 が前 の 時 期 と比 較 して1/4に. 減 少 して お り,そ の一 方 で 知 事 とな る. 府 県 で の 勤 務 経 験 が な い ま ま に中 央 省 庁 や他 県 の幹 部 か ら知 事 に就 任 す る 者 が 増 加 して い る こ とが 注 目 され る。 この よ うな 変 化 か らは,知 事 に求 め られ る要 素 の 中 で 府 県 の 幹 部 と して の経 験 の重 要 性 が低 下 して い るの で は な い か と推 測 され る。 以 下 の部 分 で は 出身 集 団別 の特 徴 を検 討 す る。. 中央 官僚(n=21). 地 方官 僚(n=5). 政治 家(n=18) b. 市町村長. て. ダ. 1. ♪. 衆議院議員 一7. て ↑/'. v. し. 知事 1. 市町村議2. 県議. 惨 議院議員1. 3 2. 図21995-2005年. に お げる 知 事 職 へ の キ ャ リア パ ス 一34一. ↑.
(11) 都 道 府 県知 事 の キ ャ リアパ ス の変 化. ①中央官僚. 中 央 官 僚 の キ ャ リア パ ス は55年 体 制 期 とは大 き く変 化 して. い る。 総 数 の21名 の うち 知事 に就 任 した府 県 に 出 向 して幹 部 ポ ス トを経 験 して い るの は7名 で あ り,そ の うち 副知 事 経 験 者 は3名 にす ぎ な い。 知 事 に 就 任 した 府 県 の総 務 部 長 を 経 験 した 者 も4名 とか な り減 少 して い る(9)。 逆 に 中央 省 庁 の 幹 部 の み を経 験 し,府 県 の幹 部 を経 験 して い な い者 が9名 と最 も数 が 多 い。1979-94年 に は少 数 派 で あ っ た 中央 幹 部 の み とい う経 歴 が1995年 以 降 に は相 対 的 に 多数 を 占 め る よ うに変 化 して い る。 そ の一 方, 中央 省庁 で部 長 級 以 上 の ポ ス トを経 験 して い な い者 も8名 存 在 す る。 経 験 した幹 部 ポ ス トと して は審 議 官 が8名 と多 い の は前 の時 期 と 同様 で あ り,官 庁 トップ級 の ポ ス トに つ い て も事 務 次 官 が2名,外. 局 の長 官 が2. 名,官 房 長 は1名 が経 験 して い る。 ま た地 方 幹 部 の経 験 を持 つ が,知 事 に 就 任 した府 県 で勤 務 して い な い者 は4名 で あ り,こ の う ち2名 は他 の 府 県 の副 知 事 を経 験 して い る。 以 上 の よ う に知 事 に至 る 中央 官 僚 の キ ャ リアパ ス は1990年 代 後 半 に は 多様 化 し,特 定 のパ タ ー ンが 見 い だ しに く くな って い る。 ②地方官僚. 地 方 官 僚 は48名 中5名 と,1979-94年. と比 較 して 半 減 して. い る。 キ ャ リアパ ス は 内部 で の昇 進 に よ って 副 知 事 に至 るの が 一 般 的 で あ る が,総 務 部 長 か らそ の ま ま 知 事 に 就 任 した 者 も存 在 す る。 地 方 官 僚 の キ ャ リアパ ス も不 規 則 に な って い る よ う に も思 わ れ るが,ケ ー ス数 が 少 な い の で判 断 は難 しい。 ③ 政 治 家18名. の政 治 家 出身 者 の 中で,そ れ ぞ れ の 経 歴 を 経 験 して い る. 者 の数 は次 の通 りで あ る。 衆 議 院 議 員 が8名,参 7名,市 長 村 議 が2名,市. 議 院 議 員 が4名,県. 議が. 町 村 長 が7名 で あ る。79-94年 に比 べ る と参 議 院. 議 員 以 外 の 全 て の 区 分 で増 加 が 見 られ る。 政 治 家 に つ い て み られ る変 化 は,従 来 の キ ャ リアパ ス で は国 会 議 員 へ の ステ ップ と い う位 置 づ けで あ っ た県 議 や市 町 村 長 か ら,そ の ま ま知 事 に就 任 す る者 が 増 加 して きた こ とで 一35一.
(12) 近畿大学法学. 第55巻第1号. あ る。 後 の 部 分 で 検 討 す るが 知 事 選 挙 に お け る競 争 は激 し くな る傾 向 に あ り,県 議 や 市 町 村 長 は 選 挙 に お い て 増加 した候 補 者 の主 要 な供 給 源 とな っ て い る。 な お 地 方 議 員 や 市 町 村長 の 中 に は,府 県 の職 員 か ら政 治 家 に転 身 す る者 も含 ま れ て い るが,こ の場 合 に地 方 官 僚 と して の経 験 は 出身 集 団 や 経 歴 と して は 考 慮 して い な い。 以 上 の よ うに,1995年 以 降 の知 事 の経 歴 をみ る と,1979-94年. に比 較 して. 知 事 に 至 る パ タ ー ンが どの集 団 に つ い て も多 様 化 して い る。 こ の時 期 に お け る キ ャ リア パ ス の変 化 を示 した もの が 図2で あ る。. 3.デ. (1)55年. ー タ の検 討. 体 制 下 に お け る キ ャ リアパ スの 制 度 化. 経 歴 デ ー タ が 示 す よ う に,1979-94年. の期 間 には官 僚 出身者 を中心 に. キ ャ リアパ ス の制 度 化 が み られ る。 知 事 の リクル ー トメ ン ト源 と知 事 ポ ス トへ の ル ー トは か な りの程 度 固 定 化 され て い る。55年 体 制 末 期 に は 日本 政 治 の様 々 な部 分 で制 度 化 が 進 行 し,ま た 政 治 的 リクル ー トメ ン トも固 定 化 して い た こ と は様 々な 研 究 の示 す と こ ろ で あ るが(佐 藤 ・松 崎1986,吉 野 ・谷 藤 ・今 村2001),知. 事 につ いて も同様 の現 象 が 見 られ る。 この 時 期. に知 事 とな った 者 の約2/3が. 中央 ・地 方 の 官 僚 で あ り,官 僚 出身 者 の経. 歴 は政 治 家 出身 者 の 経 歴 よ りも規 則 性 が 強 い の で,官 僚 出 身者 を 対 象 と し て 当時 の キ ャ リアパ スの 特 徴 につ い て 検討 した い。 制度 化 され た キ ャ リア パ ス に は二 つ の 特 徴 が あ る。 第 一 に,知 事 ポ ス トは官 僚 と して の昇 進 の延 長 線 上 に 存在 して い る。 中 央 官 僚 の 場 合 に は,中 央 省 庁 の 課 長 か ら府 県 の 部 長(典. 型的 には総務部. 長),中 央 省 庁 の 部 長 級 ポ ス トを 経 て 知 事 とな る府 県 で副 知 事 とな る ル ー トが 一般 的 で あ る。 地 方 官 僚 の場 合 に は府 県 内部 で総 務 部 長 ・企 画 部 長 な 一36一.
(13) 都 道 府 県 知 事 の キ ャ リアパ スの 変 化. ど複 数 の幹 部 ポ ス トを経 て 副 知 事 に昇 格 す る。 そ して 副 知 事 が 前 任 者 の 退 任 に よ って 知 事 と な る。 当時 の 知 事 ポ ス トは,府 県 内 部,あ. るい は 府 県 と. 中央 省 庁 を横 断 す る形 で の 官 僚 の 昇 進 とキ ャ リア 形 成 の 到 達 点 とい う性 格 が 強 か った と いえ る。 しか し知 事 は公 選 職 で あ って 住 民 に よ る選 挙 で選 出 され な け れ ば就 任 で きな い ポ ス トで あ る。 仮 に府 県 組織 の 中 で次 の知 事 と して認 め られ た候 補 者 で あ って も選 挙 で 勝 て な けれ ば知 事 に は な れ な い。 この 問題 の解 決 策 と な り,知 事 ポ ス トが 行政 組織 内 の人 事 の延 長 線 上 に位 置 す る よ うに運 用 さ れ る こ とを 可 能 に した の は,こ の 時 期 以 降 の 知 事 選 挙 に お い て一 般 的 と な った相 乗 り型 選 挙 で あ る。 複 数 の政 党 が一 人 の有 力 な候 補 者 を支 援 す る この形 態 は,誰 が知 事 に な る か とい う問題 に対 す る選 挙 ・有 権 者 の影 響 を 極 め て低 い もの と した。 選 挙 で の競 争 が 抑 制 され る こ とに よ って,行 政 組 織 内 の昇 進 過 程 の延 長 上 に公 選 職 で あ る知 事 ポ ス トを連 結 す る こ とが 可 能 とな った。 第 二 に,中 央 官 僚 が知 事 とな る場 合 で も中央 省 庁 の 幹 部 の み を 経 験 した 者 は少 数 で あ り,大 半 は知 事 とな る府 県 に お いて 総 務 部 長 や 副 知 事 と い っ た ポ ス トを経 験 して い る。 この こ とか らは,知 事 候 補 とな る に は中 央 省 庁 に所 属 し(あ る い は それ に加 え て 地 元 出 身 で あ り),一 般 的 な 意 味 で の 行 政 能 力 が あ る だ けで は不 十 分 で あ り,当 該 府 県 で 長 期 間 勤 務 す る こ とを 通 じ て そ の 地 域 や 府 県 庁 に固 有 の 知 識 や 熟 練 を 習 得 す る こ とが 求 め られ た と考 え られ る。 この 点 は片 岡 正 昭 に よ って 「地 方 化 」 「土 着 化 」 と表 現 さ れ る 現 象 で あ る(片 岡1994b)。. こ こで 官 僚 に 求 め られ て い るの は単 に地 域 の. 実 情 に通 暁 す る こ とだ けで な く,議 会 も含 め た 府 県 組 織 の 個 別 的 な事 情 を ふ まえ た上 で の行 政 運 営 の 能 力 で あ る とい え るだ ろ う⑩。 こ の よ うな経 歴 を 持 つ 中 央 官 僚 に加 え て,70年. 代 後 半 以 降 に は,職 員 と して の 長 期 に わ た. る経 験 を 通 じて 府 県 の 個 別 事 情 に 通 暁 した地 方 官 僚 出身 知 事 も増 加 して い 一37一.
(14) 訴 ど,. 近畿大学法学. 第55巻第1号. る。 こ の時 期 の 知 事 の キ ャ リアパ ス は制 度 化 され て い た だ けで な く地 方 化 され て い た と い う こ とが 可 能 で あ る。. (2)キ. ャ リアパ スの 変 化:3つ. の要因. これ に対 して95年 以 降 には 図2が 示 す よ うに,全 て の 出 身 集 団 に お い て 知 事 へ の 経 路 が 多 様 化 して お り,キ ャ リア パ ス の 制 度 化 とい った特 徴 が み られ な い 。 また 知 事 に就 任 した 府 県 で 副知 事 ・部 長 ク ラス の幹 部 職 員 と し て 勤 務 経 験 を 持 つ 中 央 官 僚 が 大 幅 に 減 少 して お り,政 治 家 出身 者 の増 加 や 地 方 官 僚 出 身 者 の 減 少 も含 め て,新. し く当選 した知 事 の 間 で府 県組 織 内部. の 人 間 は 少 数 派 に な って い る。 この よ うに キ ャ リア パ ス の地 方 化 とい った 特 徴 も現 在 で は 観 察 しに く くな って い る。 田村 秀 は市 長 の経 歴 に つ い て の 調 査 で,自 治 体 外 部 の 人 間 が市 長 に選 ば れ る傾 向 が増 加 して い る と指 摘 し て い るが(田 村2003b),知. 事 に つ い て も同様 の傾 向 が み られ る と い って よ. い だ ろ うaD。 以 上 の よ う に90年 代 後 半 以 降 に お い て 知 事 へ の キ ャ リア パ ス は脱 制 度 化 ・脱 地 方 化 して い る が,こ の よ うな変 化 を もた ら した要 因 と して は三 つ が考 え られ る。 第一 の要 因 は知 事 選 挙 に お け る競 争 の激 化 で あ る。70年 代 末 か ら90年 代 の知 事 選 挙 で は,相 乗 り型 選 挙 が行 われ る こ と に よ って,誰 が 知 事 にな る か とい う問題 に対 して選 挙 の影 響 は わず か な 程 度 に抑 制 され て い た。 相 乗 り型 選 挙 で は,複 数 の政 党 に よ っ て支 援 され た有 力 候 補 者 が 当選 す る確 率 が き わ め て高 い。 こ の よ う な状 況 の下 で は,誰 が 知 事 に選 出 され るか は選 挙 で は な く候 補 者 選 考 の段 階 で相 当程 度 決 ま って い た と いえ るで あ ろ う。 そ して多 くの場 合 に 自治 体 の 行 財 政 の 管 理 能 力 に長 けた 国 と地 方 の 公 務 員 が 相 乗 り候 補 と して 擁 立 され た(河 村2003)。. 府県組織内部での昇進を経. て知 事 と な るル ー トが 制 度 化 され た 条 件 は,上 記 の よ うな メ カ ニ ズ ム に 一38一.
(15) 都 道 府 県 知 事 の キ ャ リアパ スの 変 化. よ って選 挙 に お け る競 争 が抑 制 され て い た こ とで あ った。 だが90年 代 に入 る と一 部 の地 域 で は知 事 選 挙 に お け る競 争 に変 化 が 生 じ,引 退 す る前 職 か ら後 継 者 と して指 名 さ れ た り,複 数 の政 党 の支 援 を受 け た り して い る有 力 な候 補 者 が 選 挙 で 落 選 す る とい う事 態 も生 じる よ うに な る⑫。 以 下 で この よ うな選 挙 競 争 の変 質 を い くつ か の点 か ら検 討 す る。 まず1995年 か ら2005年 に新 た に知 事 に就 任 した48名 の う ち,副 知 事 や 府 県 幹 部,そ. の他 の形 で前 職 の後 継 者 と い う位 置 づ けで 知 事 選 に立 候 補 し当. 選 した者 は22名(全. 体 の45.8%)に. と どま る。 つ ま り知 事 の交 代 の 半 分 以. 上 で,前 任 者 と の間 で 人 的 な不 連 続 が 生 じて い る,あ る い は知 事 ポ ス トの 継 承 が 波 乱 な く行 わ れ て は いな い,と い う こ と にな る。 また 選 挙 にお け る 動 向 をみ る と,1979-94年. には 知 事 に就 任 した者53名 の うち28名(52.8%). が 初 当 選 の 時 か ら相 乗 り候 補 と して複 数 の政 党 か らを 受 け て い る の に 対 し,1995-2005年. に初 当 選 した 知 事48名 の う ち初 当 選 時 か ら相 乗 り候 補 で. あ った 者 は16名(33.3%)で. あ り,そ の比 率 は減 少 して い る。. これ と同 時 に候 補 者 の 数 も増 加 傾 向 にあ る。 表2は 知 事 選 挙 にお け る候 補 者 数 お よ び有 効 候 補 者 数 につ い て4年. ご との 平 均 値 を 示 した もの で あ る. が,こ れ らの 値 は1980年 代 には い った ん 低 下 す る もの の1990年 代 に 入 って か らは上 昇 が 続 い て い る。 実 質 的 な 競 争 の 程 度 を 示 す 指 標 で あ る有 効 候 補 者 数 の 場 合 を み て も2003年 以 降 には 平 均 値 が2を 超 え て お り,競 争 が 激 化 して い る こ とが 示 され て い る⑬。 以 上 の よ う に1990年 代 後 半 以 降 の 時 期 に は,知 事 の 選 出 に お い て 前 任者 との 連 続 性 が 弱 ま るの と並 行 して 選 挙 の 重 要性 が 上 昇 して い る。 相 乗 り型 の 選 挙 も減 少 し,行 政 組 織 の 昇 進 ル ー トの 延 長 上 に 知事 ポ ス トを 位 置 づ け る には 不 確 実 性 が 高 くな った。 そ れ が知 事 の経 歴 の 変 化 に影 響 して い る と い う こ とが 第 一 の 要 因 で あ るω。. 一39一.
(16) 近畿大学法学. 第55巻第1号 表2知. 事選の候補者 数平均. 1979〒82. 1983i86. 1987-90. 2.78. 2.23. 2.43. 2.73. 3.23. 3.44. 3.37. 1.73. 1.54. 1.69. 1.82. 1.96. 1.98. 2.2. 候補者数 有効候補者数. 1991-94. 1995-98 1999-2002 2003-05. 第 二 の要 因 と して は1990年 代 前 半 の地 方 政 治 で生 じた様 々 な不 祥 事 を考 慮 す る必 要 が あ る。 こ の時 期 に は公 共 工 事 を巡 る収 賄 で茨 城 ・宮 城 で 知 事 が逮 捕 され,新 潟 で は不 正 な政 治 献 金 に よ って 知 事 が辞 職 して い る⑮。 こ れ らの県 で事 件 の後 に行 わ れ た選 挙 に お いて 当選 した候 補 者 は,い ず れ も 地 元 出身 で は あ るが 当該 府 県 で 幹 部 職 員 と して 勤 務 した経 験 の な い者 で あ る。 知 事 が 関 係 した不 祥 事 に よ って 当該 府 県 の 組 織 に対 して も住 民 の 不 信 感 が 向 か って い る よ うな 状 況 で は,従 来 型 の リクル ー トメ ン ト方 式 に よ っ て 府 県 の 幹 部 か ら候 補 者 を 選 出 した と して も,選 挙 で 有 権 者 の 支 持 を 得 る こ と は難 しいで あ ろ う。 む しろ府 県 組 織 に と って 部 外 者 で あ る国 会 議 員 や 市 町 村 長,あ. る い は地 元 出身 の 中央 官 僚 が 有 権 者 を 含 む 地 域 の 様 々な 政 治. ア ク ター の 支 持 を 集 め や す い と思 わ れ る。 この よ う に,地 方 政 治 にお いて 不 祥 事 が 特 定 の 時 期 に 集 中 して 起 き る こ とで,府 県 の幹 部 か ら知 事 へ の ル ー トが 各 地 で 遮 断 され る こ と とな った。 しか しな が ら90年 代 以 降 にお い て 知 事 の 経 歴 を 変 化 させ て い る要 素 と し て は,選 挙 競 争 の 激 化 や 不 祥 事 だ けで は 不 十 分 で あ る。 そ れ らの 要 因 が 存 在 せ ず,知 事 の ポ ス トが 前 任 者 に よ って 選抜 され た 後 継 者 へ連 続 的 に継 承 され る よ うな 場 合 に も,知 事 と して 選 出 され る者 の 経 歴 は 従 来 とは 異 な っ て い る。 この 場 合 に も府 県 の幹 部 と して の 経験 を持 た な い者 が 増 加 して い る。 この事 実 か らは キ ャ リア パ スの 変 化 に影 響 して い る第三 の 要 因 が あ る こ とが推 測 され るが,そ れ は地 方政 治 に お け るア ク ター の 選 好 の 変 化 で あ る と思 わ れ る。 どの よ うな者 が 知事 の 候 補者 と して選 択 され,選 挙 で 選 出 され るの か と 一40一.
(17) 都道 府 県知 事 の キ ャ リア パ ス の変 化. い う過 程 には,知 事 に どの よ うな 能 力 が必 要 で あ るか とい う こ とに つ い て の 地 域 の 政 治 ア ク ター の 意 向 が 反 映 され て い る と思 わ れ る。 これ ま で の 時 代 を み て も,高 度 成 長 期 に 生 活 環 境 の 改善 が必 要 な 場 合 に は研 究者 の よ う に 社 会 問 題 へ の 専 門 知 識 を 持 つ と同 時 に地 域 政 界 に 利害 関係 の な い者 が革 新 知 事 と して 登 場 し,そ の 後 の 低 成長 期 に は 限 られ た 資 源 を 有効 に 活用 し 中央 政 府 か ら財 源 を 獲 得 す る能 力 を持 った官 僚 出身 者 が知 事 と して選 出 さ れ て き た。 時 代 ご との地 方 自治 の課 題 に対 応 して,異 な った能 力 と経 歴 を 持 つ者 が地 方 の政 党 や政 治 家 に よ って知 事 候 補 者 と して リ クル ー トさ れ, 住 民 に よ って知 事 に選 出 され て き た とい う こ とが で き る。1990年 代 の地 方 自治 に お い て は 種 々 の政 策 革 新 が一 部 の 自治 体 か ら全 国 に波 及 し,ま た地 方 制 度 の大 幅 な 改革 が進 行 中 で あ る。 こ の よ うな変 化 に対 応 して地 域 の政 治 ア クタ ー の選 考 も変 化 し,そ れ が知 事 の リク ル ー トメ ン トに影 響 を与 え て い る と考 え られ る。 この第 三 の要 因 は上 記 の二 つ に比 べ る と具 体 的 な事 実 か らの観 察 が難 しい が,退 任 す る知 事 に よ る後 継 候 補 の選 択 な ど か らそ の存 在 を推 測 す る こ とが可 能 で あ る。 そ れ で は上 記 の よ うな要 因 に よ る知 事 の経 歴 の変 化 は何 を示 して い る の か。 まず1970年 代 後 半 以 降 の知 事 につ い て考 え る と,知 事 に は行 財 政 の運 営 能 力 と中央 と の交 渉 能 力 が求 め られ て い た。 中央 と交 渉 す る際 に は そ れ に先 だ って地 域 の利 益 を調 整 し集 約 す る こ とが 必 要 で あ る。 特 定 の府 県 で 長 期 間勤 務 しそ の地 域 や組 織 に 固有 の知 識 や 熟 練 を持 り て い る こ とが 調 整 能 力 の基 礎 と な っ て い る た め に,地 方 化 され た キ ャ リアパ ス を持 つ 者 が こ の時 期 に知 事 の 間 で増 加 した と考 え られ る。 これ に対 して1990年 代 以 降 に登 場 して き た知 事 の場 合 に は キ ャ リアパ ス の地 方 化 が 観 察 され な くな っ て い るが,そ. こか らは知 事 に必 要 な能 力 の 中. で 地 域 に固 有 の知 識 や熟 練 に基 づ い た調 整 能 力 の 優 先 順 位 が 従 来 よ りも低 くな って い る こ とが 推 測 さ れ る⑯。1990年 代 以 降 の 地 方 自治 で は政 策 ・制 一41一.
(18) 近畿大学法学. 第55巻第1号. 度 の変 化 が著 し く,知 事 は地 域 に お い て は行 政 の効 率 化 や説 明 責 任 の 向上 の た め の施 策 を採 用 す る必 要 が あ る と 同時 に,国 に対 して は地 方 制 度 の 枠 組 み や財 源 を め ぐ って交 渉 す る こ と も求 め られ て い る。 地 域 に お け る改 革 を行 って い くに は府 県 組 織 の部 外 者 と い っ た経 歴 が 有 利 で あ る だ ろ う し, 国 と の交 渉 に お い て は国 政 や 中央 省 庁 で の 経 験 を 持 つ こ とが プ ラ ス に働 く で あ ろ う。 ま た知 事 に い た る キ ャ リアパ スが 多 様 化 して い る こ と は,現 在 の知 事 が 方 向性 の異 な る複 数 の課 題 に同 時 に直 面 して い る こ とを 反 映 して い る ので は な いか と思 われ る⑰。. 本 稿 で は都 道 府 県 知 事 に至 るキ ャ リア パ ス につ い て,55年. 体 制 末 期以 降. の2つ の 時 期 の 特 徴 を 検 討 した。1980年 代 に は知 事 職 に 至 る3つ の 主 要 な キ ャ リアパ スが 存 在 し,出 身 集 団 ご とに知 事 ポ ス トに 至 る経 路 が か な りの 程 度 固 定 され て いた。 また い ず れ の場 合 に も,知 事 とな る府 県 の 業務 に 関 わ りを 持 つ 職 を 経 由 しな けれ ば な らな い とい う点 で キ ャ リア パ ス は地 方 化 され て い た とい え る。 だ が1990年 代 後半 に は,制 度 化 ・地 方 化 され た キ ャ リアパ ス が 様 々 な 理 由 に よ って 動 揺 して き た。 そ の 原 因 は 地 域 に よ って 様 々で あ るた め に,古 い キ ャ リア パ ス に変 わ って新 しい キ ャ リア パ ス が 明 確 な 形 を持 って登 場 す る こ とは起 き て い な い。 比 較 的 目立 つ事 柄 は,候 補 者 選 定 と選 挙 の 両方 に お い て,府 県 組 織 に 関 わ りを持 って い な い こ とが プ ラス の要 素 とみ な され て い る こ とで あ る。 た だ し府 県 の部 外 者 で あ る こ と に起 因 す る 「無 党 派」 「改 革 派 」 と い った イ メ ー ジが ど の程 度 候 補 者 に対 す る支 持 に つ な が るか は地 域 に よ って大 き く異 な って い る。1990年 代 に登 場 した 「改 革 派 知 事 」 の後 継 者 が有 権 者 の支 持 を得 られず に落 選 す る一 方 で,無 党 派 知 事 が よ うや く登 場 して き た地 域 もあ る。 地 方 政 治 の展 開 も地 域 の抱 え る課 題 もそ れ ぞ れ の地 域 に よ って か な り異 な って い る ので,そ れ らを何 らか の形 で反 映 して い る知 事 の キ ャ リアパ ス もか つ て の よ うに全 国 一42一.
(19) 都 道 府 県知 事 の キ ャ リア パ ス の変 化. 的 にあ る程 度 共 通 した パ ター ンが 観 察 され る こ とは 今 後 は考 え に くい と思 わ れ る。. 注 (1)首 長 の 経 歴 には 当 然 の こ とな が ら地 域 ご と に相 違 が み られ る(片 岡1994a) が,本 稿 で は そ う した 地 域 性 は考 察 の 対 象 と はせ ず,現 代 の首 長 を全 体 と して み た 場 合 の 集 合 的 な特 性 を検 討 す る。 (2)た だ し佐 々木 の 分 類 で は,知 事 に至 る経 歴 の 中で 公 選 職 で あ る市 長 ポ ス トが 政 治 家 で は な く官 僚 の 方 に含 め られ て い る点 が,後 で 検 討 す る片 岡 や筆 者 の分 類 方 法 とは 異 な って い る。 (3)地. 方 議 員 の 経 歴 につ い て は 森 正 の 研 究,市 長 につ いて は 田村 秀 の研 究 が あ る. (森2004,田 (4)知. 村2003a)。. 事 の経 歴 を 調 査 す る 際 に は 『人 事 興 信 録 』を主 に使 用 し,『朝 日新 聞縮 刷 版 』. に 掲 載 され て い る個 々の 知 事 選 挙 に関 連 す る記 事 を用 い て補 足 した。 な お,注 (3)で言 及 して い る森 ・田 村 の 研 究 は特 定 の 時 点 に お け る全 て の議 員 ・市 長 を対 象 と して い る。 (5)官. 僚 に つ い て は 最 初 の 所 属 を 重 視 し,政 治 家 につ いて は最 後 の職 を重 視 す る. とい う分 類 は 一 貫 性 の 点 で 問 題 が あ るか も しれ な いが,官 僚 ・政 治 家 の経 歴 を み る場 合 の 最 も一 般 的 な 見 方 に従 って 分類 を行 った。 (6)中 央 省 庁 に お け る部 長 ポ ス トと府 県 にお け る部 長 ポ ス トの相 対 的 な比 重 を考 慮 して い な い こ と に は問 題 が あ るか も しれ な い。 国 の 職 員 が 府 県 に 出 向す る場 合 の ポ ス トの 上 下 か らみ た 場 合 に,府 県 の 部 長 級 ポ ス トは 中央 省 庁 の課 長 級 な い し課 長 補 佐 級 の ポ ス トと同 等 とみ な され て い る。 この た め に 中央 官 僚 の経 歴 の 非 連 続 が 生 じ る場 合 が あ る。(例 え ば 本 省 課 長 補 佐 → 府 県 部 長 → 本 省 課 長 → 府 県総 務部 長,と い った キ ャ リア を 持 つ 場 合 に は本 省 の 経 歴 を カ ウ ン トで き な い 欠 点 が生 じる。) (7)中. 央 官 僚 出 身 の 市 長 の 場 合 に も,90年 代 以 降 自治 省 の シ ェ アが 低 下 し旧建 設. 省 な どの進 出 が 都 市部 を 中心 に観 察 さ れ る と い う(田 村2003a)。 (8)こ. の 時 期 に 中 央 省 庁 の 課 長 か ら知 事 に就 任 した 者 は,い ず れ もゼ ネ コ ン汚 職. に よ る知事 の逮 捕 後 の選 挙 で 当選 して い る。 (9)総 務 部 長 経験 者 の 減 少 は,中 央 官 僚 内 部 で の 自治 省 出身 者 の比 率 が 減 少 して い る こ と と対応 して い る と思 わ れ る。 ⑩. こ こで 参 考 とな るの は,地 域 の 実 情 を 把 握 して い る一 方 で 府 県 組 織 の外 部 に 位 置 す る 市 町 村 長 が,知 事 へ の 経 路 と して は例 外 的 で あ っ た とい う こ とで あ る。. aDな. お 自治 体 外 部 出 身 の 市 長 の 増 加 傾 向 につ いて 田村 秀 は,住 民 自治 と い う観. 点 か らは 問 題 が あ る とい う指 摘 を 行 って い るが,知 事 につ い て は 同様 の議 論 が 一43一.
(20) 近畿大学法学. 第55巻第1号. 80年 代 に は 存 在 した もの の,現 在 で は み うけ られ な い。 ⑫. この よ う な現 象 が み られ る よ う に な った の は1991年 頃 か らで あ る。 東 京 都 で は 分 裂 選 挙 の 結 果,現 職 の鈴 木 俊 一 が 自民 党 本 部 の推 す磯 村 尚徳 を破 った。 ま た 高 知 県 で は橋 本 大 二 郎 が 副 知 事 を破 って知 事 に 当選 して い る。1990年 代以 降 の 知 事 選 挙 に お いて,現 職 が 落 選 した ケ ー ス が3件,副 が5件,そ. 知 事 が落 選 した ケ ー ス. れ 以 外 の 相 乗 り候 補 が 落 選 した ケ ー ス が4件 あ る。. a3)典 型 的 な 相 乗 り型 選 挙 の 場 合 の 有 効 候 補者 数 は1.2∼1.4程 度 で あ る。 ⑭. な ぜ 近 年 にお いて 首 長 選 挙 全 般 の競 争 が激 し くな って い る の か とい う問題 は そ れ 自体 検 討 が 必 要 で あ るが,そ. の説 明 は本 稿 の範 囲 を超 え る 問題 で あ る。 ま. た 選 挙 競 争 の 激 化 は本 文 中で 検 討 した効 果 の み な らず,府 県 組 織 内 の人 事 に 非 連 続 性 を もた らす こ とで 知 事 と そ の候 補 者 の リク ル ー トメ ン トに影 響 を 与 え て い る とい う効 果 も持 って い る と思 わ れ る。 ⑮. これ 以 外 に は1994年 に愛 知 県 で 副 知 事 が 収 賄 で 逮 捕 さ れ て い る。 よ り最 近 の 事 件 と して は2002年 に は徳 島 県 知 事 が 収 賄 で 逮 捕 さ れ,2006年. に は談 合事 件 で. 福 島 県 知 事 。和 歌 山 県 出 納 長 ・宮 崎 県 知事 が逮 捕 され て い る。 ⑯. 元 三 重 県 知 事 の 北 川 正 恭 は対 談 の 中で 従 来 型 の知 事 を 「利 害 調 整 型」 と表 現 し,自 らの 目指 す ス タ イ ル を 「目的 達 成 型 」 と表 現 して対 比 して い る(浅 野 ・ 北 川 ・橋 本2002)。. ⑰. 文 中 で 挙 げた 事 柄 に加 え て,地 域 内の 利 益 調 整 も優 先 順 位 が下 が った だ け で そ の 必 要 性 が 消 滅 したわ けで は な い。 地 方 自治 に お け る改 革 が一 定 程 度 進 行 し た 後 に は,改 革 の 成 果 を 所 与 と しつ つ 利 益 調 整 に も配 慮 す る とい った知 事 が 増 え るの で は な い か と予 想 も,昨 今 の 知 事 選 挙 の結 果 か らは可 能 で あ る よ うに思 わ れ る。. 参考文献 浅 野 史 郎 ・北 川 正 恭 。橋 本 大 二 郎(2002)『 居安. 正(1983)「. 知 事 が 日本 を変 え る』 文芸 春秋 社 。. 地 域 組 織 と選 挙 」 間場 寿 一 編 『地 域 政 治 の社 会 学 』 世 界 思 想. 社。 大森. 彌(1986)「 『革 新 』 と選 挙 連 合 一 ロ ー カ ル ・オ ポ ジシ ョ ンの軌 跡 」大 森彌 ・. 佐 藤 誠 三 郎 編 『日本 の 地 方 政 府』 東 京 大学 出版 会 。 片 岡 正 昭(1990)「. 知 事 職 を め ぐる政 治 家 と官 僚 一 戦 後 知 事 の キ ャ リア と政 治 競. 争 」 『レ ヴ ァイ ア サ ン』7号 。 片 岡 正 昭(1994a)『. 知 事 職 をめ ぐる官 僚 と政 治 家 』 木 鐸 社 。. 片 岡 正 昭(1994b)「. 知 事 職 を め ぐる 中央 官 僚 と地 方 官 僚 一 県 レベ ル の政 府 内 に お. け るキ ャ リア形 成 の 変 化 一 」 片 岡寛 光 編 『現 代 行 政 国家 と政 策 過 程』 早 稲 田 大 学出版部。 河 村 和 徳(2003)「. 地 方 政 治 」 平 野 浩 ・河 野 勝 編 『ア ク セ ス 日本 政 治 論 』 日本経 済. 評 論 社。 一44一. ,.
(21) 都 道 府 県 知 事 の キ ャ リア パ ス の変 化 佐 々木 信 夫(1984)「. 市 民 管 理 の 構 図 一 首 長 機 能 を 中 心 に」 飯 坂 良 明 ・中 邨 章 編. 『 管 理 とデ モ クラ シー』 学 陽書 房 。 佐 藤誠 三 郎 ・松 崎哲 久(1986)『 神. 一 行(1986)『. 高 寄 昇 三(1981)『 田村. 秀(2003a)『. 田村. 秀(2003b)「. 報 行 政 研 究38公 田原 総 一 朗(1979)『 森. 正(2004)「. 自民 党 政 権 』 中央 公 論 社 。. 自治 官 僚 』 講 談 社 。 地 方 政 治 の保 守 と革 新 』 勤 草 書 房 。 市 長 の 履歴 書』 ぎ ょ うせ い。 市 長 の経 歴 に 関す る実 証 的 研 究 一 分 権 時 代 の リー ダ ー像 」『年 務 員 制 度 改 革 の 展 望 』。 日本 の 官 僚1980』. 文芸春秋社。. 地 方 議 会 に お け る リクル ー トメ ン トー 愛 知 県 議 会 。名 古 屋 市 議. 会 を 中心 に一 」 『選 挙 学 会 紀 要 』 第3号 。 吉野. 孝 ・谷 藤悦 史 ・今 村. 浩(2001)『. 際 比 較 』 早 稲 田大 学 出版 部 。. 一45一. 誰 が 政 治 家 に な るの か. 候補者選びの国.
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