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為替切下げの貯蓄・投資接近

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(1)

為替切下げの貯蓄・投資接近  明示していないが、複、利表を使っての簡単な算術計算によるも  ののようである。

②GMIUAW賃金方式では、当初生産性係数による賃上げを

 三セントとし、後四セント、さらに五セントと引上げているが  五五年協約では二・五%とパーセントにかえている。前者につ  いても全国生産性指数を基準としていることは明らかであるが  適用結果においては差異が生ずる。この点に関しては拙稿﹁ゼ  ネラル・モーターズの賃金方式﹂、 滋賀大学経済学部開学十周  年記念論文集所牧、参照。 ③中O.O落日げ①β℃。。饗ゲ90σq団p巳臣①H巳彦鼠巴妻。目冨お  一〇ヨ鴨唱.cQ一● ④”①口免U8器ざ..6冨目Φ亡母Φω○蝕①なり..霜bd.国‘ζ勉ギ  一ロ昌①一80、㍗ひO. 二六

為替切下げの貯蓄・投資接近

 本小稿に於いては為替切下げの貯蓄・投資接近を簡単なモデルに        ①      ② て展開したブラックの所論をアレグザンダーの所得・吸牧接近︵H〒 8ヨ①﹀げωo愚ユ。昌︾富ζω冨︶ と必要な限り対比せしめつつ取上げ る事とする。為替切下げのブラックに見られる様な接近は筆者の狭 い智識に関する限り、殆んど見当らないが、重要性を持っていると 考えられるからである。       ③  所で、一般的にいって貿易差額の理論は一国の輸出入の変化と内 外所得・雇傭水準との関係の説明をもって出発点とする。此の型の         ④ 分析は﹁貿易乗数﹂として周知のものである。  次いで分析は両国の相対価格・賃銀水準の変化が貿易差額に対し 如何なる効果を持つかに注意を払う方向へと進む。此の場合四種の 弾力性即ち輸出品の外国需要︵価格︶弾力.性︵物︶、 その国内供給 弾力性︵6︶、輸入品の国内需要弾力性︵物︶、その外国供給弾力性 ︵2θ︶を使用する。そして相対価格変化分析にてとられる最も単純    ⑥ な形態は、為替切下げの結果、自国︵切下げ国︶通貨表示の輸出価 格は一定であるが︵魯118︶、 その外国通貨表示価格は切下げ率に

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比例して下落し、一方輸入品の外貨表示価格は一定であるが︵鳴。。” 8︶、その自国価格は切下げ率に比例して上昇する場合である。︵ラ ーナー・ケース︶  此の分析は市場均衡理論から周知の需要・供給の弾力性概念を使 用しているのであり、種々の需給弾力性の下に於ける切下げの効果       ⑥ が分類的に論じられている。  更に此の様な弾力性接近︵価格効果︶及び上述の貿易乗数接近       ⑦ ︵所得効果︶結合への努力が払われた。ブラック自身それに直接触 れてはいないが、暗示的な箇所を彼自身の言葉で述べると、﹁或る不 徹底な言及︵℃①臨巨。8蔓話︷長窪8︶が、種夜の弾力性の働きによっ てもたらされる貿易差額の変化が持つ乗数効果になされているが、 それに含まれる貯蓄・投資の変化には殆んど重要性が与えられてい   ⑤ ない。﹂必ずしも﹁般にブランクの云う程貯蓄・投資の意義が考慮の 外に置かれているとは云えないが、為替切下げが両者に如何なる影       ⑨ 響を与えるかを特に取上げて分析しているとは云えないであろう。 然し此の様な分析方向は上述せるアソグザンダーによって提唱さ           れた所得・二三接近によって示めされている。吸牧︵A︶とは消費        ⑭ ︵国内品消費と輸入︶プラス︵国内︶投資、即ち︾110+Hである。ブ ラック自身も此の吸牧接近により示唆を受けたと述べている如く、 彼の分析も一種の吸牧接近と云っても良いであろう。 ①匂.二巴ぎ、、︾Gり昌昌σqきα冒く①ωけ白Φ韓︾℃眉﹃8魯8UΦギ  9。﹃餌鼠oP..国oo口。日8匂。ロ3鋤r甘口①噛一〇$、℃即Pひ刈−認.同氏  の論文として筆者の気付いた限り次のものがある。 為替切下げの貯蓄・投資接近  :国8昌。営8国麟同工霧δ昌習笛H暑Φ巨讐δけ巴↓目巴Φ“諺ζpH。。﹃一  巴匡m5>℃℃Ho主旨.、即Φ急Φ看。略国8戸ωε象①ω、一〇呂lq︻ひ・..>  08ヨ①需8巴︾旨巴冨勝。︷夢Φ閃。目鉱αq挿日轟緒 ]≦巳け一営冨お.、  国oo印。日8一〇口円卍巴︾︸ロβρ一8司.  、、︾娼娼2曲x“︾ζpひΦ日餌江op﹁ZO80昌浮Φ08≦爵oh櫛  ↓話Oあ①。8吋国88ヨメニ○×h.国8P℃ε臼。。℃OO件こ一8刈・  、、男。器齢昌↓冨伍Φ固9。。。畝9け冨ω節口匹U①︿巴β国隊。口”Ω①o筥卑島。巴  肉Φ胃①の①け冨戯oP、.幻①鼠Φ薯9国8p彗島Qo鼠酔.鴇ζ曙−一8。。.  .、H艮鼠臥。⇔き畠い。ロσq−男コ昌08ミひ、..国ooロ。δ8Pζ塁、一80・   猶、池本清・申島潤氏共著、為替安定性ハンドブソク︵国際  経済学研究シリーズ 合併号︶を通じて、及び直接池本清福に  教示を受けた。謝意を表したい。 ② ω.ω■︾﹃メ帥づαΦが、.国津Φo訂。略聾︼︶o<巴自誓同。昌。昌四月冨餌Φ  しd巴蝉昌oρ..QD冨臨勺印唱Φ錺噂﹀胃二一〇G乃ド℃㌘DひOl培。。■円匙㌣  O巳信ワ、、一︶①︿巴ロp鼠oP口①﹃江<①勺詠8。。mロ匙︾σqσq﹁oσq段Φω℃①1  旨岳見αqぎ浄Φ﹀ロ巴団。。置OhUΦく巴ロP翫Oロ、二重B①H8ρ。⇒国OO昌.  菊①︿ご言昌ρ一89℃℃・謡α1刈。。辱 ︵邦訳 大蔵省調査月報 四  四の一〇︶   更に最近アレグザンダーは所得・吸攻接近を弾力性接近と結  合せんとした。︵ω●ω■︾δ×p昌餌霞、:国蹴①臼ωo剛餌U①<三口讐同。コ層。.  諺B霞.国oo口。日●菊①丘Φ芝噛]≦⇔5一8ρ︶︵同様な努力はプレムに  よって行われた。 笛σω話旨P..U①︿巴重爆oP︾]≦㊤員貯σqΦo︷  跨①里p。。。臨臼¢壁匹跨①︾び。・o壱寓。昌﹀︾℃Ho帥。げ①ω層.、国8置。ヨ♂  一〇霞ごζ舞。貫一〇竃.猶、池本・中島氏 前掲書 参照。︶本稿では  最もオリヂナルなアレグザンダーの第一論文のみ対象とする。 二七

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     為替切下げの貯蓄・投資接近 ③単純化の為、資本移動及び財産所得の国際的受払︵利子、配  当、贈与等︶は存在しないと仮定する。従って貿易差額は経常  勘定の黒字・赤字と同義であり、その黒字・赤字が外国為替準  備の増減を示す。 ④キンドルバーガー著﹁国際経済学﹂︵改訂版︶の申で、J・  ヴァネノク︵魯く雪①犀︶によって求められた外国貿易乗数を参  考に凋めすと次の如くである。   A国の国民所得、︵私的︶国内消費、政府支出、︵私的︶国内  投資、輸入、輸出を夫々嘱ヨO聖H3ζぎ×3Gりどとする。  ︵B周についても同様。︶   α11支出函数表の平行的シフトを表すパラメーター。λ11B  国の支出のシフトをA国のそれに関連せしめる任意の定数。   09。糟ζどHき08ωきは確暫 の微分可能な連続函数。︵B  国についても同様。︶   プライムは函数の第一次偏微分を示す。例えば呂僧、け①ζ笑  ω囑曽“A国の限界輸入性向⋮⋮︵四︶︵他の支出・貯蓄函数につい  ても同じ。︶ ω 一般的乗数  ×岡11罫噂×げほζ餌であるから次の如き両国の基本的所得恒等  式を得る。   嘱餌110国十Ω甲十炉十ζσ十臼⋮⋮・⋮⋮⋮⋮・:⋮⋮:⋮:︵一︶   磯σ119斗Oσ+♂+竃瀞ーン食⋮:⋮・::・⋮⋮⋮⋮・⋮:⋮,︹ゆ︶  初期均衡条件食“O所得の各構成要因の平行的シフトはRの微  少変化として表わし得るゆえ、ω、②をαでもって微分し、上  述㈲の記号を使って整理すると、 二八 (一

hQ国IQ騨i詳︶諒適業⊥⋮︵三

︵T。、一。工ご繋・まゲ爺−÷・︵ρ・︺

即ち (一 PQ夢10ゲーード︶ iζゼ ーζ、ご +︵T。で。ゴ山ゴ峯

co ⋮︵ε  連立方程式⑧の左辺の係数の行列式を△とすれば、  匙唄緯  一  則巨レ[︵TO、﹃Q、σi円、げ︶ーンζ、び]⋮・⋮−⋮⋮⋮︵㎝︶     レー1︵TQ国一OバーH、塑×TO、σ一O、σlH、σ︶一鼠、等ζ、σ

②特別乗数

ω 外国反作用︵ho器戯昌冨も①H自ω。・δ昌︶を考慮せざる乗数  此の場合、B国の所得がαの変化と独立的と仮定する。即ち 岱くσ\畠黛”Oとすれば、︵ωL︶が乗数を決定する。

噛﹂﹁Q牝Q9,i困、曽⋮⋮−・⋮⋮⋮⋮・⋮⋮6︶

 政府支出、国内私的投資は所得水準より独立的に決定される とする。即ち○ゴ閃9110とすれば、︵ωド十ζド陛一iOゲであ るから︶ 黍﹂肛Q﹃ζ、聾ω、簿⋮⋮・⋮⋮⋮⋮⋮・⋮−︵e αD@外国反作用︵︷o器剛αq目目8霞8ωωδづ︶を考慮せる乗数  ンー1︻の時、初期条件としてA国の所得の増加はB国の所得 の減少に見合う。

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壁ーー H、噛Ω、HP 山磯”     レ 畠団騨  一 ⑤式より [︵一10ゼーO、σ1一、σ︶1家、σ]⋮⋮⋮⋮⋮⋮︵刈︶ 一lO、けω、十]≦、とすれば、      ω、σ   岱Ri︵同≦ゼ十ωゴ︶︵︼≦ゴ十ω、σ︶一窯ゴ・竃、σ          一   

@ 

@ζ、曽+ω・9・ま、鯉,⋮。⋮.⋮..⋮、⋮.⋮.⋮.⋮.︵刈﹀、  ︵マクループによる算式と同一。 男●竃簿Ω巳二PH艮①醤母団O口巴  目鎚ユ①律山島ΦZ帥ユ。づ巴困⇔ooB¢録巳け昼試2、一〇ホ唱弓●刈。◎俸  ︷09ロ。審・︶  ︵ヴァネックは㈹のケースにて、 7けPO︿ン︿一の場合も求  めている。︶諺ロ℃①昌象×口、、.日ゲ。司。肘Φ戯旨↓轟伍Φ寓¢冒一℃駕oH”.、  言 門戸①Hロ参差〇ロ巴国8”oB皆ω’ρ即囚ぎ巳Φげ2σq①目−困①︿・①9℃  一〇αQQ讐℃℃噸ひ一〇1ひ. ⑤ブラックは脚註にて﹁此の型の分析の古典的展開はJ・ロビ  ンソンによって与えられた分析である﹂としている。︵胴bdず。パ  oや。津﹁弓﹄$hooぎ。前Φ●︶然し最も簡単な形態は鳴﹃S旨8  と仮定されたラーナー・ケースであり、周知の如くその場含の  安定条件は8一十β。。﹀一である。 ︵︾●いΦ目。き↓げΦ国oo昌。旨け。・  O臨OOロ膚○㌍一〇似心、唱℃・GΩ刈cQiO.︶尤もロビンソンもラーナー条  件に触れている。︵旨勾Oび言。。O戸、、目げO団O旨⑦黄P国図Oず碧α曵ρ..  ぼ子①6げ8曙oh国軍覧。団日①歯噛曽儀Φ島こ一£N℃・一&”器℃一  器ぎ&冒夢①目ゲ8麸。州一ロ弓師餌二〇昌亀↓強目ρ門田ρ 邦訳  二〇四頁。︶ 為替切下げの貯蓄.投資接近   ロビンソンが一般に問題にしたケースはO︿鳴く8である。今  O︿魯く8について云えば、輸出品の国内価格は輸出量の増大  と共に上昇する。その外国価格は下落するが、切下げ口程下落は  しない。今、輸出品の国内価格をq、為替相場︵受取勘定︶がkな  る傘にて下落した場合、輸出晶の国丙価格が閃上昇するとせば  輸出品の外国価格の下落はρi︵一−犀︶︵ρ十①ρ︶聾パρ一①ρ であ  る。ロビンソンによって求められた為替切下げの効果を求める

式覧・ミ糞艶之㎞・.舘州網痢︵箏は本文流に変更︶

 であった。︵Uo二〇﹂蕗e邦訳 二〇二一三頁。︶特に輸出入均  衡、即ち×Hζの場合が国際牧支弾力性を求める式であゆ、  メツラーによって示された。即ち    D{・.︵一+㎝諏購鞭華︶+昌・。⊥︶︸  ︵い噸︾■ζ①尻声δ、、↓げΦ8﹃8曼OhH昌夕日9。江O口二日目餌匹ρ二ぎ  蝉Qo員く20貼Oo昌8日℃o餌蔓国8昌。旨8。。℃Φ匹●出■ω9田財のL£o。、  緊旨ρ邦訳 一〇四頁。︶ ⑥例えばロビンソンも弾力性の差異による輸出入及び牧支への  効果を分類的に示している。 ︵O悟冒閃OげぎωO戸OやO淳.’℃緊  一ωc。1心ω邑邦訳一九七一二〇四頁。︶ ⑦例えばハーバ;ガーによって求められた為替安定条件を求め

・豊侭降遥.緒ど︶姻であき・一葺

 。。鳩は夫々限界輸入・限界貯蓄性向。︶諺.○自白げ角αq魯噛、、O〒  霞ΦロO団∪Φ娼同①O冨瓜OP固旨OOヨρm5儀臣Φじd五日昌80馬↓﹁餌窪①”二  匂。ロ鉾。州勺9霊国oo昌;国①﹃・一8ρo。。b①9巴燭℃.αG。.︵記号、符 二九

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為替切下げの貯蓄・投資接近  号は変更。申島・池本 前掲書 三二頁 参照。︶ ⑧旨紫苧置。や葺こりbひ刈. ⑨邦語文献として、筆者の気付いた限り﹁為替安定性理論の研  島国﹂東銀月報︵一九五三年六月差を挙げうる。 ⑩従来の貿易乗数接近との相違として、中島、池本氏は誘発投  資、所得再分配効果の考慮を主なものとして挙げる。 ︵前掲書  四四一五頁 参照。猶、三節 註②参照。︶ ⑪ Aの一因子たるCの中には輸入品に対する支出が含まれてい  る。彼の言葉を引用すれば﹁若し輸入が全吸牧の二〇%を占め  るなら:・⋮﹂ ω.ω.︾冨×鋤ロ臣震りOや.息け二℃.Pご. 二  所で、前節にて触れた如く、ブラックは価格効果︵弾力性接近︶ と所得効果︵貿易乗数接近︶の結合には殆んど言及せず、やや誇張 された云い方であるが次の様に云う。 ﹁学生が貿易差額の説明を先 ず貯蓄・投資によって決定されるもの︵貿易乗数接近︶として受け 入れ、次いで貯著・投資には何んら触れる事なく、輸出入が特定の 市場に於ける需給の相互作用の結果として決定される分析方法︵弾       ① 力性接近︶に切り換える事は智的に満足の行くものではない、﹂と。 ︵括弧内 筆者 以下同じ。︶  以下、為替切下げの貯蓄・投資効.果を分析する。不完全雇傭より       ② 完全雇傭のケースに重点が置かれる。︵三節 参照︶  さてブラックの主張では﹁切下げが如何に作用するかの適切な説       ③ 明の出発点は国民所得理論でなければならない、﹂と。  先ず国民所得を生産面よりみれば、それはω国内消費財生産、② 三〇 輸出品生産、③国内︵新︶投資財生産、換言すれば資本財附加の為

の商品生産iよりの所得の合計である。各々をH、X、1とす

る。次に支出面よりみれば、ω国内消費財の購入、②輸入品購入、 ’       ノ      ④ 圖貯蓄1の形で把握される。各々をH、M、Sとする。   ︵ごーー︵ド︶、であるから   ×⊥−H”ζ.十ω   即ち ×一竃11ω1H  此の意味する所は輸出増大又は輸入減少により貿易差額を改善せ んとする政策は必然的に且つ同時に国内投資に対して貯蓄の増大を 含まなければならない。即ち貯蓄・投資に影響を与え得る如何なる 方法も貿易差額に影響を及ぼすのであり、逆に影響を与え得ない方 法は貿易差額にも効果を与えないのである。これはとられる方策が 為替切下げ、財政・貨幣政策、関税、補助金等如何であれ等しく真       ⑤ 実である。︵アレグザンダーの基本方程式は 団目O十H+×一一脚O 十H旧︾’×fζ蝦bU即ちゆ”欄一﹀である。彼の接近の要点につ いては三節 註② 参照。︶  若し切下げが上述の事柄に徴して考察されるべきとすれは、切下 げが国内投資との関連に於いて貯蓄を増大し得る方法と条件が考察 されねばならない。  先ずブランクは投資について考察する。 ﹁切下げの結果︵投資が 減少する様には見えない。切下げが貿易差額の改善をもたらし、従        け ってその乗数効果が国民所得を増加せしめるとするならば、或る程 度、表面上利潤を増加せしめ、それ故投資量を増加せしめるであろ 舳

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う。かくして切下げの国内投資に対する効果に関しで最も適切な仮       ⑥ 定は、それが実質タームの下では不変にとどまるという事である、L        ⑦ と。明かにブラックは投資を必ずしもケインズ流に自生的とは考え す、或る程度誘発投資︵加速度原理︶を考慮している様に見える。 然し通常の所得分析的トゥールであるブラック式︵×一ζ11ω一一︶ では、不完全雇傭下の為替︵平価︶切下げが所得変動︵﹀磯︶ を通

じて如何なる影響を吸牧︵A︶1即ちO+H一に与えるかの分

       ⑧ 析を行った︵即ち誘発投資を明瞭に考慮せる︶アレグザンダー式 (】 v11網一︾又は>bdけ﹀団一﹀︾︶と違って所得︵Y︶及びその変 動︵レ網︶が薫蒸的に現わされていないのであり、又貯蓄が全く所 得水準に依存するのに比べて、誘発投資を考慮してもやはり投資を 自生的性質の強いものと考え、更に又、後述の如く加速度原理適用 の場の不明確さを考慮して、単純化して投資は実質量で不変と仮定 したのであろう。  猶、アレグザンダーは完全雇傭下の切下げの効果を直接効果︵所 得水準は不変、一般物価水準のみ変動す.ると仮定、﹀団を通じない        の意。︶によって吟味したのである。︵勿論、彼の分析は実質量で行     ⑩ われている。ブランクも同様。︶ 然し誘発投資は激しい失業状態即 ち大なる過剰設備・在庫品の存在する場合には作用せす、却って完 全雇傭に近づく程強く働くと考えられるから、誘発投資を実質所得 の函数と考えるにしても、誘発投資が作用する程度の不完全雇傭か 或は両者間の関係を一定と考えていると看歯しうる。それは加速度 原理適用の場合、暗黙裏に仮定されていると云えよう。︵註⑦のケイ 為替切下げの貯蓄・投資接近 ンズの言葉 参照。勿論完全雇傭の場合、実質所得が増加しない故、 誘発投資.貯蓄の増加は通常問題とならない。その場合、次節で述 べられる如く問題は貯蓄性向を如何にして増加せしめるかである。︶  次にブランクは貯蓄に対する効果について分析する。貯蓄の最大 の決定要因はケインジアン分析及び統計的検証によって熟めされた 如く国民所得水準である。従って切下げによって貿易差額改善をも たらす最も好都合な条件は実質所得水準の増大を来す不完全雇傭状 態である。  此の点アレグザンダーが不完全雇傭の場合、切下げは所得効果を 通じて貿易差額に不利■な効果をもつ︵遊休資源効果、交易条件効 果︶とするとの逆である。だがその基本方程式ゆ11照1>より見れ ば、Yの増加は貿易差額を改善する↓要因である。即ち実質所得水 準の増大は貯蓄の増加をもたらすのであり、此の点、式に陽.表的に は現われていないが、所得増加による誘発投資・消費増大の入超効 果を.打消す程のものであると考えられよう。尤もアソグザンダーは ︵限界︶吸牧性向が一より大であると仮定し、従って差額に不利に 働くと結論するのである。  所でブラックに依れば、有効需要を高める事によって産出高と雇 傭の.増大、従って所得と貯蓄の増加が得られる不完全雇傭下に於い て、有効需要をもたらす為に次の二方法が存在する。  ω ㈱自生的支出の増大、即ち当国の国内投資と政府支出を増加   せしめる事、或は㈲低貯蓄階級に有利な所得分配を行う様な財   政手段により、平均貯蓄性向を減少せしめる事一である。   ︵eD㈲・㈲の政策の結果生ずる実質所得の増大によってもたら ゴニ

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為替切下げの貯蓄・投資接近   される貯蓄増加が、ω㈲の自生的支出︵投資︵政府支出を含   む︶︶を凌駕するとも、又ω㈲の結果生ずる貯蓄減少を償うとも   考えていない。続いてブラックがω㈲・㈲の結果貿易差額は悪   化すると述べる点より明瞭であるし、貿易乗数論からいっても   当然の事である。尤も悪化の程度は夫々限界貯蓄・輸入・消費   性向に依存する事は云うまでもない。︶  ② 自国及び外国の自生的支出の全額が持つ乗数効果を外国資源   から国内資源へと転ずる。これは国内雇傭・所得・貯蓄を増大   せしめるが、同時に外国のそれらを減少せしめる。  これはロビンソンの云う﹁非隣善化的矯正策︵ぴΦσqぴqβ。マ日畷占巴αq−       ⑭ ぽげ。負器BΦ象Φω︶のケースである。然し、②の政策たる切下げがω        ⑫ の政策と関連して使用されるならば、非隣善化政策の非難はあたら ない。というのはωの政策は一国のみによって行われる場合、その 貿易差額を悪化せしめるからである。従ってωの政策即ち自生的文 目の国内拡張政策をとり、貿易差額を溝足の行く状態に維持すべく その国内資源に有効需要を転ずる様充分の切下げを行うか、又は両 方策をとらず、不況のままの状態に放置するかの選択の必要性にせ まられる。外国にとっては何れをとっても同一であるが、その国自 体にとっては後者は好ましくない。一国が経済を拡張して、その利 益を自己に維持する為に為替切下げを行う方法をとっても、外国が       ⑬ それに対して不平を云う合理的な理由は存在しない。

① 旨匹蓉roや

②u9罷ひメ

9件こ℃bひ。。殉 三二 ③Uoこ喝・悼ひ。。・ ④Ω・汐閏.出節ほ09H葺①目印叶団8p。一国8コ。巳。。・LOG。刈Φ似噛も℃.  憲ひ一。。.︵邦訳 二二七r九頁。︶

⑤三節註②参照。

⑥8しu貯。ぎ。や。登唱﹄$・ ⑦尤もハンセンに依れば、ケインズが実際上加速度原理に依拠  している︵明瞭に述べていないが︶少数例の一つとして一般理  論に次の箇所がある。 ﹁然し習慣的な消費性向の増加は一般に     ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   へ  ︵即ち完全雇傭以外の場合に︶同時に投資誘因をも増加せしめ  るであろうから⋮⋮﹂ ︵傍点筆者︶︵↓ぴ①O①昌①h巴↓ず①oqo頃  点燈℃δ団日Φ艮魑H艮Φ話u。け馨傷ζoコΦメちωρ︾.ω蕊■ ︵邦訳 四  五五頁。︶諺.頃・国碧。・Φ戸﹀Ωβ箆Φ8囚①図昌⑦ρお器層娼.bりち  節州OO追口O叶①’︵邦訳  ご六六頁。︶ ⑧⑨ ω・Qo.≧窪き山①お。や簿.噛①ω需。Σ望署bひ㎝一雪μ ⑩9.Upゆω唱①。帖巴ヨや博ひρ ⑪い国。玄ロωo戸:bご①σqけq鎚学ζざ乞皿αqσo舞菊Φ日①餌冨ψho同¢昌甲  日且畠8①暮讐二ぼめ。・ω塁ω一づ夢①日ゲ8qo臨星目℃一〇団8魯梓橘。℃●  o帥什‘話℃民艮⑦側冒幻Φ銭一口直言鋳①8穿8蔓亀H艮①年嵩鋤飢。旨巴  ↓H匙ρo戸。罫 ⑫不完全雇傭の場合、両方策を併用する事についてはアレグザ  ンダーも同様である。 即ち、﹁失業が∼般的となった場合、国  内拡張政策が適切であるという事は一般に認められている。対  外牧支に対する入超効果は⋮⋮切下げによって適切に処理し得  る、﹂と。ψω.﹀冨図き山①50や9r噂℃.鷲ρ ⑳ 然し切下ザと自生納支缶増大政策を併用する場合、前者の詰

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果、輸出増大叉は輸入減少を生じるが、その相手国グループと 後者の結果、輸入需要が増大するが、その供給国グループと一 致しない場合、牧支悪化国より恐らく報復を受けるであろう、 とブラックは云う。トしd冨OFO唱.O罫”緊蛇ρ︷890けρ         三          ①  一方、完全雇傭状態の下に於いては、切下げの結果、貯蓄の増加 は不完全雇傭下に於ける如き方法では望み得ない。切下げの結果貯、 蓄増加の傾向は存在しない。且つ輸出が増大し、国内消費者が輸入 代替品購入を増大するならばその効果はインフレ的であり、切下け によって与えられた内外相対価格差を一掃せしめる傾向を持つ。そ してインフレは累積的に進み易い。  従って完全雇傭下の為替切下げは自国の貯蓄性向の上昇を伴う場 合にのみ貿易差額の改善をもたらす事が期待されうる。その方法は  ω 切下げに伴うインフレ過程が低貯蓄性向階級から高貯蓄性向   階級へと実質所得のシフトを含む.ならば、貯蓄が増加し得る。  これはアレグザンダーの云う切下げの直接効果の内の所得再分配       ② 効果︵H昌OO日①1”Φ幽一ω一目一げ¢触出〇P 曇日︷OO叶︶のケースである。  ② 需要が増大する時、売手が商品価格を引上げる代りに︵又そ       ⑨   れに附加するに︶順番待名簿︵笥置け管σq躍。・件︶の作成又はその   延長を認める事である。  計画された貯蓄・投資より区分されるべき実現された貯蓄・投資 は順番待名簿に於いて輸出註文に与えられる優先の程度によって影 為替切下げの貯蓄・投資接近 響を受ける。即ちブラックは云う。 ﹁国内投資は輸出市場への投資 財の転換を通じて減少せしめられ、一方貯蓄は外国購入者への消費        ④ 財の転換を通じて増加せしめられる、﹂と。  所で、我々は一般的に次の様に云えるであろう。今国民所得を純 で把握すれば一は純国内投資であり、即ち資本財の附加部分、︵建物 設備、在庫品の附加︶である。それが輸出産業の新投資か、輸入代 替産業のそれか、或は国内産業のそれかを問わない。前二者は後者 に比べて貿易差額に有利な作用を持つ事は否めないであろう。然し 一般に国内新投資は貿易差額を減少せしめる要因であり、その内容 を区分しない点が国民所得論の特質でもあり、欠点でもある。これ は輸出をすべて所得創造的要因、輸入をすべて所得消費的要因と看        ⑤ 倣すのと軌を一にするものである。勿論、投資財︵1︶・消費財 ︵C︶産業に使用された資源が輸出財︵X︶産業に移転する場合、産 出物即ち国民所得の構成が変化し、その結果貿易差額が好転する事 は当然の事である。  一方切下げによるインフレが貯蓄及び貿易差額に達して不利な結 果を生ずる。これについてブラックは次の様に云う。例えばインフ レにより固定地代を通じて実質所得が地主から低貯蓄性向の小作人 へと移行する。或は順番待名簿が長くなった場合、企業は輸出市場 の危険性の為国内の雇客に優先権を与えるであろう。  一般的に貿易差額への有利な効果が・インフレによって強制される 貯蓄性向のシフトから起るであろうが、その効果はインフレの社会 的影響を正当化する程充分大である様には見えない。従って完全雇       三三

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為替切下げの貯蓄・投資接近 傭の下では為替切下げのみ単独で使用ざれた場合有効ではない。  此の様な考えはアレグザンダーが完全雇傭の場合、即ち直接効果 を通する場合、切下げは現金残高効果︵OPωず一ゆ二一賞遇POΦ 国︷h①〇一︶、所 得再分配効果、貨幣幻想効果︵竃。旨①団山=q忽。ロ閃中①9︶、その他の ︵直接︶吸攻効果を通じて貿易差額に有利な結果をもたらすと述べ たのと逆である。然し彼も完全雇傭下の切下げの効果は一時的であ り、有利な効果も小であるので、貨騰.信用政策により直接に吸牧 に働きかける事が必要であるとする。  ブラックは次の如く主張する。 ﹁然し完全雇傭下の切下げが切下 げ自身のみならす有効需要水準に影響を与える財政々策及び他の手 段を含む同等な政策︵86a野禽巴唱島畠︶の一部として有効に使         用され得ないと結論すべきではない、﹂と。 此の点アレグザンダー は牧支改善の手段として特に完全雇傭の場合、切下げに代替するも        のとして吸牧を減する方策︵象ωpげωo壱鼠8︶︵デフレ政策より広い︶ を述べるのと異る.即ちブラックは完全雇傭の場合、為替切下げを 貨幣・信用政策と同等な政策と考えるが︵その理由を以下の如く、 後者のみでは苦痛の大なる事を貿易乗数論を使って示す。此の点が ブラックの所論の一ポイントをなすと云えよう。︶、 アレグザンダ ーは後者︵より広い方策を含むが︶を前者に代るものとする。  さて、右の如き政策中切下げの占める地位はブラックによれば、 その国の資源を丁度完全雇傭に維持するに充分な有効需要を持つ国 のケースをとり、且つ有効需要水準引下げの所得水準及び貿易差額 に対する効果を考察する事により最も良く理解しうる。  即ち貿易乗数理論によれば、自国輸出品に対する外国需要及び外 三四 国所得の反作用︵同Φ喝Φ鳳O口ooψ O口︶を無視すれば、国内投資の引下げ の結果生じる輸入減少は所得減少に及ばない。限界輸入性向をm、 限界貯蓄性向をsとする。投資↓単位の引下げは、それより大なる

率・所欝位・低落即ち郭ω単位・低肇生ずる・︵例えば一

壷・芦・霧合、所得は斗←⋮の下落.︶然し芳輸入の

減少は鞠ω単位に過ぎない。︵α.平。’・・︶即ち乳..﹀・v  ヨ 臼十。。VO︵。,>Oなる限り︶即ち導堂守鴇V艶種怪事V趣メ薄鳶 1である。此の意味する所は自生的支出水準の引下げは輸入減少即 ち貿易差額改善の有効な手段ではあるが、その為には輸入一単位の 減少以上・卵単位の所得が減するのであ・。︵郭..誹評−

卵︶従・てmが器嵩い繁もつイ・フ・圧力の場合嘆き、

貿易差額改善の為には極めて高価な手段と云えよう。  以上の如く完全雇傭状態の下に於いては、為替切下げのみでは牧 支改善の手段として有効ではなく、支出水準の引下げ即ち有効需要 の引下げが効果的ではあるが、右に示した如く経済的・社会的費用 からみて極めて高価である。然し両方策を適当に結合した場合、国 内の有効需要水準を減じ、貿易差額に対し有利な効果を持つのみな らず、国内・国外を問わず存在する有効需要を国内資源へと転ず る。これは一方では貿易差額に有利な効果を持つが、他方国内雇傭 水準に対して有効需要減少効果を相殺するのであって、その結果完 全雇傭状態は存続する。

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 然し右の両政策の結合は困難であるβ一つには貿易及び雇傭の現 状に関して得られる智識の不足の為であり、又一つには種々の政策 手段を実施する場合のタイム・ラッグの為である。  所で弾力性に関する考察は﹁安定条件﹂が満たされているか否か をみる為に、且つ又、切下げが需要を他国の商品から自国商品へと 転ずるに於いて如何なる程度有効であるかを見積る為に猶必要とさ れる。即ち若し切下げ国の輸入需要弾力性が小であれば、切下げに よって輸入価格が上昇する場合、輸入品価格騰貴の結果、今迄より 大なる割合の所得が輸入品に支出される事を意味する。同様に輸出 品に対する外国需要弾力性の小なる事は、切下けによって輸出価格 の下落する時、それに対して支出ざれる外国所得の割合の減少を意 済するのである。  此の急な条件が支配的であれば、為替切下げは有効需要を外国資 源から国内資源へと転じないであろう。従って他の条件が好都合で も切下げ国の貯蓄増大を可能にする国民所得の増加は起らないであ ろう。  弾力性は切下げの必要性の程度を示す事に重要性を持つ。という のは一定の切下げの結果、弾力性は切下げ国及び外国の支出に起る 代替効果の大きさを示すからである。然し為替切下げの貿易差額に 対する効果は内外所得・雇傭水準の変化が持つ﹁所得効果﹂に依存 する。 ﹁所得効果﹂は貯蓄の変化の手段と動機をもたらす故、極め て重要である。  然し為替切下けが成功する為に考慮されるべき他の条件として外 為替切下げの貯蓄・投資接近 国の反応の問懸があるゆ今簡単化の為秘外国を一国と考え触その隈界 輸入性向、限界貯蓄性向を夫々㎡、ぎとする。外国の輸出一単位の 変化はその所得の罫ω、単位の変化をもたら究外国の勢霧の 変化、即ち切下げ国一自国1の輸出品に対する外国需要の変化は  ヨ、 日、十。ゆ、である。︵自国の国民所得の更なる誘発的変化、従って外国 の輸出品に対する輸入需要の変化を無視︶かくして、外国の反映比 ⑨       目、 率︵冨融①。鉱。二藍臥。︶は㌃1ーヨ、+ω、であり、外国はその輸出品に対       ω、 する自国の輸入需要の変化の持つ効果をぱ、貯蓄の変化包、+ω、を通

じて吸廻す・.前壁様副ガv一v襲吸﹀。即尊意職溝

へ氏﹀享圖謬庄鼠食﹀享国恩︾夢合tである。  従って切下げを行った場合、外国の輸入減少はその輸出減少に及 ばない。故に外国に最初入超の存在する場合が問題である。通常外 国は為替切下げであれ、関税、デフレ政策等々であれ報復手段を考 えざるを得ない。尤も外国に外為準備の減少を認める用意が存在す れば、話は別である。  所で、先ずω弾力性は世界の有効需要を自国商品の方向へと純転 換せしめる程充分大でなけれはならないi②外国はその牧支が悪化 する事を認める一という二条件を心に留めて、為替切下げの効果の 分析は外国貿易乗数論に沿って、国民所得及び外国貿易に対する︵限 界︶輸入性向の変化の持つ効果の分析として行わるべきである。切 下げに含まれる価格変化は自国及び外国の支出方向の変化をもたら す為の手段と考えられる。  これがブランクの結論である。 三五

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為替切下げの貯書・投資接近 ① 既述の如くブラックは資本移動を除外したが、今これを考慮  すれば完全雇傭状態の好景気には長期資本流入の刺戟が生じる  であろう。通常それは自生的と見徹ざれるので、経常勘定が負  に陥っても全体としての牧支は均衡又は正となり、切下げの必  要性が減少する事もあろう。尤もC・ガットの如く、それが入  超を融資すると云えば、それは自生的資本移動でなくして誘発  的資本移動であるので不均衡の存在を示し、切下げの必要性も  増大すると云えよう。 O︷・OO暮戸、、℃oぽ凶①ω88蒔のU①<5  巴虞通知。旨①臣①6驚くP、.言ζo昌翅噛日冨餌P§住国8旨。日ざ07  0薯貯﹃冒ゴ。⇒oHo︷H出.芝出一冨百ω、一8ご℃b刈・ ②厩にアレグザンダーの所得・吸牧分析に断片的に触れる所は  あったが、今彼の分析の要点を示めす。 ︵マクループの要領を  得たまとめがある。男ζ帥O匿ロ℃”oや。旧習①の唱①息巴︼ざ娼唱﹄α。。  一ひ9以下主として彼の説明による。 O悟ω.ω。︾冨メp旨餌①が  oや9ρ︶   基本方程式は既述の如く鴫110+H十×1ζ旧O十H副﹀剛×1  ζ川ゆ・従ってゆーー鴫1︾・比率で示すとげ”団iP︵マクルー  プはAの申に政府支出︵G︶を入れる。︶   切下げがBに及ぼす影響は次の三者を考えうる。即ちω切下  げは所得︵k︶に如何なる影響を与えるか。②所得変動︵レ磯︶は  吸牧︵︾︶に如何なる影響を与えるか。㈲切下げは吸牧︵︾︶に直 接に︵所得変動を通じないの意、即ち一定の所得水準にてを意  絶する︶如何なる影響を与えるか一である。ω、②は不完全  雇傭、㈲は完全雇傭の場合である。ωはレ嘱、吻、㈲はレ﹀で示  めさ剰る。Aは所得誘発変化働と非所得誘発変化蜘ち頂接効果 三六 ㈲を含む。後者を切歯︵アレグザンダーの記号ではd︶で表 す。前者は濤・レ網で表しうる。︵寝11最塙早笛黒豚穿下︵ヨ軸弓− αqオ巴も8唱⑦郎。。冨蕩け。簿げωo同げ言oo管¢︶アレグザンダーの記号で は。︶  ωレ噌と②智レ鴫を結合して︵︸一篶︶﹀鴫とすれば、それは 所得変動の内、吸牧されなかった部分である。  従ってレしd目︵一1食︶レ績+切︾ ︵マクループ、アレグザンダーは切﹀の符号を負にしているが 正でも可r。︶︵アレグザンダーの記号ではげ”団−効矯 勉一10・団−惣 す果 対効 に接A   δ 牧丘 吸る 3)現金残高効果 (Cash−balance effect) 4>所得再分配効果  (lncome− redistribution effect) 5)貨幣幻想効果 (Money−    illusion effect) 6)他の吸牧効果 (1)所得に対する及び所  得を通ずる効果    (1 一a)AY (1)遊休資源効果 (ldle−resoucres effect) (2)交易条件効果  (Terms−trade effect) 従ってげ口︵一Io︶︽一餌︶  アレグザンダーによれば ωの場合、︵食﹀一即ち一一 黛くOと彼は看干す故︶ 切 下げによって貿易差額は悪 化する。改善の見込のある のは⑳である。然しその効 果は一時的︵例えば貨幣残 高需要に応じて、貨幣供給 が増加すれば、残高効果は 消失する︶且つ不比例的 ︵例えば切下げの程度が小 なる場合、貨幣幻想効果が 働くが、程度が大なればそ の効果は消失する︶であり 差額に有利な効果は小であ

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るび従って貨幣・信用政策︵此の様な政策をU♂節びωo壱江。ロと 呼ぶ︶︵註③参照︶ によってAに直接に作用する事が必要であ る。        − ω、㈹を詳言すれば次の如くである。  ω通常黛﹀ポ従って一i食くOであるから、切下げが遊休資 源に与える効果にもとづき所得が増大する結果、貿易差額は悪 化するであろう。  ω切下げのもつ第一次的交易条件効果︵価格変動を通ずる︶ によりtなる実質所得の減少及び同額の交易条件の悪化を生ず る。次に第二次効果︵所得変動を通ずる︶はαに依存する。実 質所得のtなる減少を通じて飢の干支改善を生ずる。 ︵その場 合輸入が減少し、輸出叉は輸入代替産業へと資源が移転する。 全資源が移転した後︶同額の交易条件の改善。従って切下げの 全交易条件効果は け一§π︵一一食︶叶である。 けくOと仮定、又 一i黛︿Oなる故︵一−食︶梓>O即ち交易条件の改善を意味する。 従って貿易差額の悪化を生ずる。  ㈲切下げは通常︵一般︶物価水準を上昇せしめる。即ち現金 残高の実質価値の下落を意味する。通常人.々はその価値維持を 望むので、残高維持の為、資産・証券の売却を増加し、買入れ を減ずる。即ち㈲実質支出即ちAの減少を意味する。 ︵直接的 効果︶一方㈲証券価格の下落は利子肇を引上げ、Aを減少せし める。 ︵間接的効果︶従って貿易差額に有利な効果をもつ。  ㈲物価水準上昇の結果、定額所得者.層からそれ以外の層、労 働者層より利潤所得者層、納税者層より政府︵先進国では政府 のαは小︶へと所得が移転する。従って貿易差額に有利な効果

 をもつ。      ,

  ㈲貨幣所得が物価水準に比例して上昇しても貨幣幻想効果の  為に人々が後者に注意を向け、支出を減少するなら︵㈲の効果  に帰せられる以上︶貿易差額に有利な効果をもつ。 ︵尤も貨幣  で表した貯蓄が両者の上昇程は増加しないという如く、両者の  上昇が反対方向に作用する場合もある。︶   ㈹、㈲価格期待効果︵唱は。①あ鍛娼①o什⇔隊。旨①︷隔Φ9︶一価格上  昇は在庫補填をもたらし、牧支に不利な効果を与える。㈲投資  費用上昇効果︵げ戯ゲム。ω→Oh⊥暗く島什ヨ①篤無捨9︶1輸入資本  財の価格上昇は投資を減少せしめる。㈹、㈲をあらゆる種類の  輸入品に一般化する一輸入品価格の上昇はそれに対する支出  を抑制する。 ③ 周知の如くハロソドによるインフレの新しい定義に使用され  た言葉である。﹁近代の経験に徴すれば潜在的供給能力︵ω毛℃蔓  ℃08昌謡巴︶ に対する総需要の超過部分は順番待名簿︵≦巴菖⇒砂q  =。。け︶と、註文と引渡との間の時間的隔たり︵寧日①言8莞巴げ甲  汁≦①Φづ。巴餌Φ円山p匹儀①財くΦ曼︶を延長する結果に終る傾向がある  事を強調せねばならぬ。 ⋮⋮﹂ ︵ヵ﹁国包容9H暮①唐鋤島。旨帥一  国oo口。旨8。・噂。や。搾讐℃.一〇心.邦訳 二三九頁。Oh菊.寓妻田。斜  勺○ぎ団僧αq既霧け冒唐画魯鰯一8c。・窓’£一。。=OP︶ ④臼■bd訂。〆oo.鼻二質賠一.アレグザンダーは切下げ或は吸牧  を減ずる方策︵臼。。接ωoぞ識。口︶による輸出産業又は輸入代替産  業への資源の移転について触れている。その場合、価格硬直性、  経済の一般的非伸縮性が問題となる、という。ψψ墨画舗蝉昌一  評説−o騨9δ;眉めbひρゆ刈ひ一8 為替切下げの貯蓄・投資接近 三七

(13)

為替切下げの貯蓄・投資接近 ⑤ これと逆の考えが赤松要博士によって提唱された供給乗数で  ある。 ︵赤松要 世界経済の構造と原理 第八章 参照︶又キ  ンドルバーガーによってハーシュマン効果と呼ばれたのも同様  な考えである。︵︾.O・国冒ωOげ臼餌P..一︶巨⇒虫P畝O戸U冨Oユー  日冒p畝。づき島Uo=費もつず。門富σqρ:︾ヨ①ユ。彗切8昌.國。<.層∪①。.  一£。。−や戸。。c。ひIO一、ρ即内ぎ巳。σ臼αq2、87①Uo一一母ωげoH冨αqρ  一〇㎝O、℃唱﹂O悼IGσ馴︵邦訳 二六i九頁︶拙稿﹁キンドルパーガ  一の弗不足論をめぐりて﹂六甲台論葉一の三参照。︶

⑥Up署.ミOI㎝.

⑦ト国零置。℃■良叶■讐鳴‘覧周. ⑧此の手段は多種であるが、すべて所得に対する吸牧の関係を  変化せしめ、従って貿易差額に影響を与えんとする国内政策と  して特色ずけられる。例えば信用引締めによって投資及び消費  を抑制する貨幣政策・投資許可・消費財割当の如き直接統制に  よる。それは叉販売税・所得税の形で全経済に効果をもたらす  し、投資許可・輸入税の形で経済の一部に効果を与える。︵ω.  ψ︾8鵠口鎚①び。や9一二娼.留伊︶切下げと吸牧を減ずる政策と  何れを選択するかの厳密な基準は一定の牧支改善の為に吸牧  される商品の厚生価値︵≦Φ一︷P同Φ く9一¢①︶でなければならない。  ︵詳しくはUo.、℃℃.鷺αlc。.参照.。︶ 一般的には後者の政策は  完全雇傭時に魅力的政策となる︵H︶Oご 噂.悼刈ひ.︶とずる。 ⑨ポラックによって使用された言葉である。彼の記号を使えば

﹁詐が国際反映紫︵・量邑・尋舞ま・邑・︶であ

 る。︵鳶u最頴趣﹀眸居曽切”三聖醇曝眸酉︶もは輸出量の変化  とそれに続いて起る輸入量の変化との問の比傘を示す。財願Oに 応じても耀一●H旨 8ヨ、おα倉戸心P 四 三八 勺。冨ぎ﹀口冒8ヨ㊤畝。コ9。一国oo旨。日8QD岩−  以上、ブラックの為替切下げの貯蓄・投資接近を筆者の解釈を多 少入れて、アレグザンダーの所得・吸牧接近と対照せしめつつ、批 判的に紹介して来た。       ①  アレグザンダーの結論と一応異ってはいる。即ちブラックの場合 貯蓄と投資の関係にて貿易差額が把握されている故、実質所得水準 の上昇、即ち貯蓄の増加をもたらし易い不完全雇傭の場合、切下げ が牧支に対して有利な効果をもつが、所得効果︵遊休資源効果、交 易条件効果︶を重んずるアレグザンダーでは牧支に不利な効果をも たらす。尤も限界吸牧性向が一より小即ち窺︿一の場合は牧支改善 効果を持つが、彼は9>一を﹁般的と考えるのであるから牧支は悪 化する。一方、ブランクの分析手段である乗数分析ではω+日+ げU一︵ゲ”圖澱恥強堀刈手磨回︶即ちヨ+ず110であるから。。+011一 である。従って両者の相違は限界投資性向︵誘発投資を含む︶と限 界貯蓄性向であるり、 RV一とみるか、ω+。信一とするかである。  一方、完全雇傭下の切下げの場合、ブラノクは貯蓄は増大し難く 従って貿易差額に不利に作用するとした。アレグザンダーは直接効 果︵現金残高効果、所得再分配効果、貨幣幻想効果等︶が差額にほ ぼ有刹に働くと述べたのである。然しその有利な効果も一時的であ り、結局貨幣.信用政策によって冥感に直接納に作用する事が必要

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であるとした。従って完全雇傭の場合の結論はブラックと大差はな い。又ブラックもアレグザンダーの用語を使えば、所得再分配効果 更に順番待名簿の作成・延長による貯蓄・投資への影響を通じて貿 易差額に対する有利な効果を認める。然し、ブラックは完全雇傭の 場合、切下げに貨幣・信用政策と同等の地位を認めるが、アレグザ ンダーは前者に代替するものとして後者を考える傾向が強い。  猶、既述した所であるが、価格効果と所得効・果の結合に殆んど言 及しないのはその接近を全く不完全と考えている為であろうか。だ が、ブラックは為替切下げ効果吟味の中心は所得理論におくべきと し、それを補うものとして弾力性を重視する。そして外国の状態も 一応吟味を加えた。 一方アレグザンダーにては分析はあくまで所得 ・吸牧接近で、而かも自国の分析に集中され、弾力性は全く無視さ       ② れているとは云えないが、勿論陽表的に論じられていない。  然し為替切下げを所得理論に沿って、貯蓄・投資との関連に於い て把握する事は有意義な一接近法である事は多言を要しないであろ う。そして従来め分析が此の側面を重点的に取上げなかった事は否 めない事実である。  アレグザンダーの吸牧接近にても貯蓄は陽表的に分析されていな い。事後的には貯蓄と投資は]致するが、事前的不一致が問題なの である。 ①ブランクはアレグザンダーの吸牧接近について次の如く云  う。即ちアレグザンダーの接近法は入門的論述として使用する  には複雑に過ぎる。又例えば新しい均衡状態への適応の過程の  間に価格が変化する時、現金残高の需要に対して為替相場の一  定変化のもつ比較静学的効果とその変化の一度限りの効果との  間に明瞭な区分を設けていない、と。 9ゆ冨。ぎob.9酔こ℃鳴.  ゆひ。◎iρ︷oo99ρ ②彼の接近を弾力性接近に代るものとしたが、彼は﹁需給分析 ・は部分弾力性の意味に於いて、此の︵所得・吸玉︶分析に於け  る有用な用具であろう、﹂という。︵ω●ω●﹀冨諸壁昼①が。℃●  9ρ、唱■悼ひ刈.︶マクループもアレグザンダーの分析にて強力性は  無視されていないと述べている。︵喝● ]≦簿○げ冨℃りOやO搾鴨  ℃やミひ一。。辱︶ 隔 為替切下げの貯蓄・投資接近 三九

参照

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