フー.ドサrビ ス企 業 と環境問題
一
問 題 の所 在 とマ晶ケテ ィング・:ア
プロ」チ に よ る対 応 論 一
横..川.潤.
Foodservice
Companies
and
Environmental
Problems
~Where
Problems
Exist
and
a Marketing
Approach
to
Them
Jun
YOKOKAWA
Abstract
The purpose of this thesis is to discuss how foodservice companies should react with environmental issues. First of all, I discussed,- problems of environmental issues, especially endocrine disrupters (EDs). I reviewed the definitions of EDs, the mechanism that EDs affect our body, the substances that EDs might be included, and the countermeasures to be executed. Then I discussed how foodservice companies should react with the environmental issues from the view point of marketing . Generally, consumers do not show strong interest in factors other than convenience in case they chose fast-food restaurants. A research conducted in the U.S. shows factor of convenience should be placed the number one priority among factors of quality, variety, value, service, atmosphere, and cleanliness. That is why McDonald's -that is renowned for its convenience- has been so popular for decades in the U.S. But McDonald's has been the target of accusing for its negative influence on environment by environmental activists. The reason McDonald's is likely to be the target by environmental activist is that it is the largest and the most influential company in the foodservice industry. As a matter of fact, McDonald's has worked on many environmental projects, and performed well. So called leader company has the mission of enlarging the market size of the industry. Behavior of leader companies should affect the image and profit of companies in the same industries. Thus, leader companies must react with the environmental problems as quickly.as possible for both their going concern and thrive of the whole industry.
1970年 代 初 頭 か ら徐 々 に産 業 化 を 進 め 、 今 や 自動 車 産 業 を凌 駕 す 』る産 業規 模 を誇 る フ ー.ドサ ー
ビス業 だ が 、 市 場 の成 熟 や 湾 費 者 恵 識 の 進 化 な どを 背 景 に、 従 来 の主 流 とい え た 規模 お よび 利 益 の み の 追 求 を是 とす る経 営 姿 勢 か ら、 社 会 対 応 、 更 には 環 境 対 応 を志 す 動 き が見 え は じめ た 。 本 稿 は フ ー ドサ ー ピス業 が環 境 問 題 とい か に関 連 す るか 、 また 主 に マ ー ケ テ ィソ グ的 視 角 か ら、 フー ドサ ー ビス企 業 が いか に環 境 問 題 に 対 応 す べ きか を 論 じる。 まず フー ドサ ー ビス企 業 と環 境 の 関 係 を包 括 的 に 論 じ、次 に1990年 代 後 半 か ら・にわ か に注 目を 集 め 、 最 も今 日的 話 題 とい え 、 さ らに 今 後 の対 策 が 急 務 とい え る 〈環 境 ホル モ ソ〉 の 問 題 を論 じ る。 環 境 ホル モ ソ問題 につ き整 理 した 後 、 有 機 食 材 の 導 入 を 中心 と した フ ー ドサ ー ピス企 業 の対 応 を論 述 し、 最 後 に マ ー ケ テ ィ ソ グ的 視 角 か ら、 フー ドサ ー ビス企 業 が と る べ き対 策 に つ き論 考 す る。
1フ
ー ドサー ビス企 業 と環境問題 の関連
フー ドサ ー ビス企 業 は 消 費 者 が体 内 に摂 取 す る食 物 を商 品 と し、 また 大 量 の 材 料 を調 達 し、加 工 し、 廃 棄 す る が ゆ え 、 環 境 問 題 とば 抜 き差 しな らぬ 関 係 比 あ る。 フー ドサ ー ビ ス企 業 が い か に 環 境 と関 連 す る か を整 理 す る と、(1)飲 食 店 の 利 用 客 に対 し、 直 積 的 な 問 題 とな る事 柄(食 材 や 容 器 な ど)と 、(2)利 用 客 と非 利 用 客 と を 問 わ ず 、 社 会 一 般 に 対 し、 直 接 的 あ る い は 間 接 的 な問 題 とな る事 柄 と大 別 しう る。 以 下 に、 フー ドサ ー ビ ス企 業 が 関 連 す る環 境 問 題 に つ き検 討 す る。 (A)オ ゾ ソ層 の破 壊 特 定 フ ロ ソの発 生 が オ ゾ ソ層 の 破 壊 に関 連 す るた め 、1995年 末 か ら特 定 フ ロ ソ を使 用 した 機 器 の製 造 が 中 止 とな った。 しか し冷 蔵 庫 、 冷 凍 庫 、冷 房 設 備 な しに フー ドサ ー ピ ス業 は存 立 しえ ず 、 そ の影 響 力 が大 きい た め 、 フ ロ ソガ ス を使 用 した 機 器 か ど うか を 確 認 す る必 要 が あ る。 (B)熱 帯 雨 林 の減 少 地 球 温 暖 化 酸 性 雨 熱 帯 雨 林 の減 少 、地 球 温 暖 化 、酸 性 雨 は相 互 に 関 連 す る。 熱 帯 雨 林 の 減 少 は 大 気 中 の 二 酸 化 炭' 素 層 濃 度 を高 め 、地 球 温 暖 化 を招 来 す る原 因 とな る。 また化 石 燃 料(車 の エ ソ ジ ソや 発 電 用 の石 油 な ど)の 燃 焼 は地 球 温 暖 化 を招 来 し、 同時 に酸 性 雨 の 原 因 とな る。 フー ドサー ビス企 業 の 場 合 、 主 に食 材 等 の輸 送 時 に 問 題 と な る。 ま た穀 物 を 飼 料 に牛 を飼 育 す る と し、 同 じ面 積 の耕 地 か ら人 間 が摂 取 し う る蛋 白質 量 を比 較 す る と、 牛 肉 は 大 豆 の約20分 の1と い う説 が あ る。 更 に 中 南 米 に お け る熱 帯 雨 林 の 半分 ほ ど は 肉 牛 用 の 牧 草 地 に な っ た と との報 告 が あ る。 こ う した デ ー タ に は 尚 検 討 の 要 が あ る とは い え、 しば しば 消 費 者 運 動 団 体 、 環 境 保 護 団 体 が指 弾 す る ポ イ ン トと な る た め 、 フー ドサ ー ビ ス企 業 に は対 応 が 必 要 とい え る。 (C)廃 棄 物 問 題 特 に ゴ ミ焼 却 過 程 に お け る ダイ オ キ シ ソ発 生 が 問 題 とな る。 ダ イ オ キ シ ソに 関 す る問 題 は後 述 す る。 (D)水 質 汚 濁 フー ドサ ー ビス店 舗 か らの排 水 に は廃 油 、 生 ゴ ミ水 分 、食 材 ドリ ップ な どの 有 害 物 質 が存 し、 水 質 汚 濁 の原 因 とな る。 そ の た め 、廃 油 は排 水 溝 に流 さず に回 収 し リサ イ クル す る、 グ リス トラ ッ プ に油 脂 な ど を分 解 す るバ クテ リア を投 入 し浄 化 の うえ 下 水 に流 す 、 環 境 負 荷 が低 い洗 剤 を使 用 す る な どの 対 応 が必 要 と な る。(E)土 壌 汚 染 農 薬 、殺 虫 剤 、 化 学 合 成 肥 料 な どに よ る土 壌 汚 染 が しば しば 問 題 とな る。 フー ドサー ビス 企 業 に は 、有 機 食 材 の 導 入 な どの 対 応 が端 緒 に着 い た 。
2フ
ー ドサー ビス企 業 と環 境 ホル モ ン問題
2-1環 境 ホ ル モ ン と は こ う した 環 境 問題 の うち 、 も っ と も議 論 か ま びす し き問 題 が 環 境 ホル モ ン とい え る。 環 境 ホル モ ソ問 題 は 、 飲 食 店 の利 用 客 に対 し、 直撲 的 な 問題 とな る事柄(食 材 や 容 器 な ど)と 、 利 用 客 と非 利 用 客 と を問 わず 、社 会 一 般 に対 し、 直 接 的 あ る い は 間 接 的 な問 題 とな る事 柄 の 双 方 を含 む 。 以 下 に環 境 ホ ル モ ソ問 題 と は何 か 、 フ ー ドサ ー ビス企 業 と環 境 ホル モ ソ問 題 とは い か に リソ ク す るか を論 じ る◎ ま ず 、 環 境 ホ ル モ ソ と は何 か を 整 理 す る。 環 境 ホル モ ソ と は 、 我 が国 に お け る造 語 と い え 、 英 語 のendocrinedisrupters(EDs)に 相 当 す る とい え る。EDsが 国 際 的 関 心 を 集 め た 端 緒 とは 、19 91年7月 の ウ ィ ソ グ ス プ レ ッ ド宣 言 とい え、 そ の 後 シ ー ア ・コル ボー ソ他 が 著 し、 アル ・ゴ ア副 大 統 領 が 序 文 を 寄 せ たr奪 わ れ し未 来』(1996年3月 発 刊)が 、 ジ ャ ー ナ リズ ム を 巻 き込 む 大 反 響 を 呼 び起 こ し、 世 界 的 関 心 を集 め る契 機 と な った σ 環 境 ホル モ ソの語 は 横 浜 市 立 大 学 の 井 口泰 泉 氏 らが考 案 し、1997年5月 にNHKが 放 映 した番 組 に初 登 場 した。 1998年7月 の文 部 省 学 術 審 議 会 総 会 上 、 バ イ オ サ イ エ ソ ス部 会 長 の井 村 裕 夫 氏 が 、環 境 ホ ル モ ソ に 当 た る英 語 は な い と し、 学 問 用 語 は 〈内 分 泌 か く乱 物 質 〉 に す べ き と報 告 した。 以 後 文 部 省 の 公 式 文 書 か ら環 境 ホ ル モ ソの 語 が 消 え た 。 文 部 省 の 言 い 分 に よ る と、 〈ホル モ ソは 体 内 に 生 成 され るの だ か ら、 環 境 中 に あ る と い うの は 科 学 的 に お か しい 〉。 厚 生 省 も環 境 ホ ル モ ソ の用 語 を 使 用 せ ず 、 〈内 分 泌 か く乱 化 学 物 質 〉 に統 一 。 しか し環 境 庁 は 一 般 社 会 に定 着 した と し、 〈外 因 性 内 分 泌 か く乱 化 学 物 質 、 い わ ゆ る環 境 ホ ル モ ソ〉 と二 つ の 用 語 を 併記 す る。 文 部 省 の 言 い分 は も っ と も と い え るが 、一 般 に定 着 した 用 語 と い え る た め 、 環 境 ホ ル モ ソ の語 を用 い る。 た だ し、 そ の 意 味 す る と ころ は 〈動 物 の生 体 内 に取 り 込 ま れ た場 合 、 本 来 そ の 生 体 内 で営 まれ る正 常 な ホル モ ソ作 用 に影 響 を与 え る外 因 性 の 物 質 〉 と し、 英 語 のendocrin6disrupters(EDs)に 当 た る とす る。 環 境 ホ ル モ ソの 主 た る問 題 は生 殖 に 対 す る影 響 とい え る。 具 体 的 に は 、 メ ス化 、 オ ス 化 、 雌 雄 同 体 、生 殖 器 官 の 異 常 ・疾 病 、繁 殖 力 の 低 下 、死 産 、 奇 形 な ど を含 む。 ホ ル モ ソ に は 化 学 構 造 別 に(1)ス テ ロイ ドホル モ ソ(2)ア ミノ酸 誘 導 体 ホ ル モ ソ(3>ペ プ チ ドホ ル モ ソの 三 つ に大 別 し う る。 (1)ス テ ロイ ドホル モ ソ の代 表 例 は 性 ホ ル モ ソに な る。 男 性 ホル モ ソ(ア ソ ドロ ジ ェ ソ)と 女 性 ホ ル モ ソ(エ ス トロ ジ ェ ソ)が あ る。 ス テ ロイ ド骨 格 とい う独 特 の 構 造 を持 ち、 性 の 決定 や 生 殖 機 能 が 発 達 す る場 面 に 重 要 な役 割 を 果 た す 。 副 腎 皮質 ホル モ ソ もス テ ロイ ドホ ル モ ン に属 す る。 (2)ア ミ ノ酸 誘 導 体 ホル モ ソに は 体 温 機 能 を調 節 す る ア ドレナ リソや 、 体 内 の様 々 な細 胞 の 一121一機 能 を 高 め る役 割 を果 たす 甲状 腺 ホ ル モ ソ が あ る。 (3)ペ プ チ ド本ル モ ン の代 表 例 は 頭 部 に あ る脳 下 垂 体 が 分 泌 す る成 長 ホル モ ソに な る。 こ う した ホル モ ソが 、 細 胞 中 の 遺 伝 子 を形 成 す るDNAに 司 令 を送 る と 、体 内 に蛋 白 質 の生 成 を見 、 ホル モ ソ 自体 は指 令 後 、 分解 、消 滅 す る。 環 境 ホ ル モ ソの作 用 に は 、(1)疑 似 ホ ル モ ン効 果 と(2)抗 ホル モ ン効 果 の 二 つ が あ る。 (1)疑 似 ホル モ ソ効 果 と は 、 内分 泌 か く乱 物 質 が エ ス トロジ ェ ン レセ プ タ ー と結 合 し、 エ ス トロ ジ ェ ソ(女 性 ホル モ ソ)と 類 似 の作 用 を引 き起 こす こ と。 (2)抗 ホ ル モ ソ効 果 と は 、 内分 泌 か く乱 物 質 が ア ソ ドロ ジ ェ ソ レセ プ ター と結 合 し、 ア ソ ド ロ ジ ェ ソ との結 合 を 阻 止 し、 ア ソ ドロ ジ ェ ソ作 用 を 阻 害 す る こ とる 2-2環 境 ホ ル モ ン の 疑 い が あ る 物 質 環 境 ホル モ ソの作 用 別 に見 る と 、環 境 ホ ル モ ンの 疑 い が あ る物 質 は以 下 の ご と くと な る。 1)疑 似 ホル モ ソ効 果 を持 つ 疑 い の あ る化 学 物 質 に 、PCB、DDT、 ノ ニ ル フ ェ ノ ー ル 、 ビス フ ェ ノールA、 フ タル 酸 エ ス テ ル な ど が あ る。 2)抗 ホル モ ソ効 果 を持 つ 疑 い の あ る化 学 物 質 に、DDE(DDTの 代 謝 物)や 農 薬 の ビ ソ ク ロ ゾ リソ が あ る。 ま た 、 ダ イオ キ シ ソ類 の ご と く、 レセ プ ター 結 合 後 に作 用 し、 間 接 的 に ホ ル モ ソ作 用 を邪 魔 す る物 質 が あ る こ と が判 明 した 。 全 般 的 に環 境 ホル モ ソの 疑 い が あ る物 質 と そ の 所 在 を見 る と以 下 の ご と くと な る。 1)農 薬 またEDsの 疑 い が あ る農 薬 の うち 、20物 質 が い ま だ生 産 中 だ が 、 安 全 性 テ ス トを ク リ ア した 物 質 の た め 、農 薬 関 連 会 社 に は 強 い反 発 が あ る 。 ち なみ に環 境 庁 に■よ る1997年7月 の 中 間 報 告 に よる と、67種 の化 学 物 質 にEDsの 疑 い が あ る。 ま た 途 上 国 か らの 輸 入 野 菜 に はDDTな ど国 内使 用 禁 止 に該 当 す る農 薬 を 使 用 した ケ ー ス が あ る た め 、途 上 国 に お け る 環 境 汚 染 と併 せ 、 環 境 ホル モ ソ を含 有 す る危 険 性 が あ る。 また 国 内 の場 合 、 野 菜 の 見 栄 え の た め に 農 薬 を 使 用 す るケ ー ス もあ る。 2)植 物 エ ス トμ ジ ェ ソ 人 為 的環 境 と は 異 な る が 、 天 然 物 質 た る植 物 エ ス トロ ジ ェ ソは30種 以 上 を数 え 、 こ と に大 豆 に は 大 量 に 存 在 す る。 日本 人 が主 食 とす る米 に も存 す る。 3)プ ラス テ ィ ック プ ラス テ ィ ッ クと環 境 ホ ル モ ソ の関 係 は しば しば 問 題 と な る。 た と えば カ ップ麺 の 容 器 や 食 品 トレ イ に使 用 す る ス チ レ ン(発 泡 ス チ ロー ル)を 、環 境 庁 は環 境 ホ ル モ ソ とな る可 能 性 が あ る と指 摘 した 。 ま た プ ラ ス テ ィ ックの 原 材 料 た る ビ ス フ ェ ノー ル Aに は環 境 ホ ル モ ソ の疑 い が あ る。 ビ ス フ ェ ノー ルAは 、 耐 久 性 、 耐 熱 性 、 軽 さ な どの 長 所 を有 し、食 器 、 ほ乳 瓶 、 缶詰 の 内側 を 塗 る塗 料 、 台 所 の 手袋 な ど に使 用 す る ポ リカ ー ボ ネ ー トの原 料 とな る。 ビス フ ェ ノ ー ルAは 弱 女 性 ホル モ ン作 用 の 疑 い を有 す る が 、体 内 に 残 留 しに く く、 発 ガ ソ性 な どに 関 し、 確 実 な る証 拠 が存 在 しな、い 。 しか し プ ラ ス テ ィ ック 製 の 給 食 食 器 の使 用 を 中止 す る 自治 体 が 急 増 した 。 プ ラス テ ィ ックの 用 途 は 広 い た め 》 そ の 研 究 が急 務 ,とい える。 4)塩 化 ビニ ー ル(プ ラ ス テ ィ ッ クの 一 種)酸 素 不 足 の 状 況 下 に塩 化 ビ ニ ー ル を燃 焼 さ せ る と ダ イ オ キ シ ソが 発 生 す る。塩:化 ビニ「 ル が ダ イ オ キ シ ソ類 発 生 の主 要 原 因物 質 と の指 摘 が あ る。 我 が 国 に お け る塩 化 ビニ ー ル の 使 用 量 は 年 間200万 トソ達 し、 プ ラ ス テ ィ ッ ク全 体 の17%を 占 め る(ポ リエ チ レ ソ、 ポ リプ ロ ビ レ ソ次 ぎ、 第3位)。 そ の う ち2割 が ラ ッ
プ、 文 房 具 等 の 日用 品 に な る。 塩 化 ビニ ー ル は ダ イ オ キ シ ソ類 自体 の環 境 ホル モ ソ作 用 の疑 い が あ る上 、 塩 化 ビニ ー ル 製 品 を柔 らか くす るた め に製 造 工 程 中 に加 え る可 塑 剤 の フ タル酸 エ ス テ ル類 に 、 環 境 ホ ル モ ソの 疑 い が あ る。 そ の環 境 ホル モ ソ作 用 に 関 し、 い ま だ議 論 が 未 決 着 の状 態 に あ る。
2-3環
境ホルモンと環境汚染物質
環 境 ホル モ ソ問 題 は広 義 に環 境 汚染 の 問題 と捉 え う る。 次 に環 境 汚 染 の タ イ プ を ま とめ 、 従 来 か ら環 境 汚 染 物 質 に属 し、 更 に環 境 ホル モ ソ と の関 連 の 疑 い を有 す る もの を整 理 す る。 化 学 物 質 に よ る環 境 汚染 に は二 つ の タイ プ が あ る。 1)フ ロー 型 の汚 染 自然 環 境 中 に放 出 した 化 学 物 質 が 大 気 ・水 ・土 壌 な ど を通 過 す る う ち 、 そ の 毒 性 が比 較 短 時 間 に分 解 し、 消滅 す る もの。 2)ス トック型 の汚 染 自然 環 境 中 に放 出 した化 学 物 質 が 、 未 分 解 の うち に 自然 環 境 や 生 物 の 体 内 に 蓄 積 を長 期 間 継 続 させ る もの。 環 境 ホル モ ソは 分解 せ ず 、生 態 系 に安 定 的 に存 在 す る ため 、 食 物 連 鎖 の 結 果 、環 境 ホル モ ソ が濃 縮 す る危 険 性 が あ る(生 物 濃 縮)。 河 川 や 海 が こ う した 化 学 物 質 の最 終 到 着 先 と な るた め 、 エ ラか ら水 を吸 入 す る魚 がEDsの 影 響 を受 け やす い とい え る(建 設 省 の調 査 に よ る と、68%74水 系 の一 級 河 川 に環 境 ホ ル モ ソの 検 出 を 見 た)。 食 物 連 鎖 の 終 点 に位 置 す るた め 、 人 間 に対 す る影 響 が 大 と な る可 能 性 が あ る。 更 にEDsは 極 少:量とい え ど作 用 す る た め 、 注 意 を必 要 とす る。DDTな ど の 農 薬 、 ダ イ オ キ シ ソ類 もス トッ ク型 の 汚 染 を な し う る。 環 境 ホ ル モ ソ と の関 連 の疑 い が あ る、主 要 な環 境 汚 染 物 質 に は以 下 の三 つ が あ る。 1)DDT(ジ ク ロ ロ ジ フ ェ ニル トリ ク ロ ロ エ タ ソ)殺 虫 効 果 を有 し、 伝 染 病 対 策 や 害 虫 駆 除 に大 い に効 果 を上 げ るが 、 発 ガ ソ性 を 高 め る可 能 性 が 明 らか と な る。1981年 に我 が 国 に お け るあ らゆ る用 途 が禁 止 と な った が 、近 海 の魚 介 類 や ム ク ドリ、 ウ ミネ コか ら継 続 的 に 検 出 を見 、 今 な お残 存 の 可 能 性 が あ る。 2)PCB(ポ リ塩 化 ビ フ ェ ニー ル類)科 学 的 安 定 性 、 絶 縁 性 、 耐 火 耐 熱 性 が 高 い た め 、 コ ソ デ ソサ ー 、 トラ ソス な ど の電 気 製 品 の 絶 縁 油 、 印刷 用 イ ソ ク、 機 械 の潤 滑 油 な ど に使 用 。 PCBが 含 有 す る ダイ オ キ シ ソ類 の ひ とつ 〈コ プ ラナ ーPCB>・ が 、1968年 の カ ネ ミ油 症 事 件 を契 機 に 、全 身 に 吹 き 出物 が 出 る奇 病 の 原 因 とな る と判 明 した。 3)ダ イ:オキ シ ソ類(ポ リ塩:化ジ ベ ソゾ ・パ ラ ・ジオ キ シ ソ) 〈ダィ オ キ シ ソ類 とは何 か> POPs12物 質 の う ち 、 製 造 中 止 後 も環 境 中 に 排 出 を認 め た 物 質(非 意 図 的 生 成 物 質)。 ベ トナ ム戦 争 時 、枯 葉 剤 製 造 中 に 不純 物 た る ダ イ オ キ シ ソ類 の生 成 を 見 、 奇 形 児 出産 や 、 従 軍 兵 士 の 生 殖 障 害 多 発 な どを 引 き起 こ し、 そ の 毒 性 が注 目を 集 め た。WH:0が 、 ダイ オ キ シ ソ(PCDD)、 ポ リ塩 化 ジ ベ ソゾ フ ラ ソ(PCDF)、 コプ ラ ナ ーPCBの 三 つ を ダ イ オ キ シ ソ類 と定 義 した 。 〈ダイ オ キ シ ン類 の 発 生 源 〉 ダイ オ キ シ ソ類 の 発 生 源 に は 次 の 三 つ が あ る。 A)焼 却 過 程 発 生 量 全 体 の8∼9割 を ゴ ミ焼 却 施 設 が 占 め る。 一123一B)紙 や パ ル プ を 塩 素 漂 白す る過 程 。 C)農 薬 製 造 過 程 中 に不 純 物 た る生 成 を見 た もの 。 〈ダ イ オ キ シ ソ類 の 作 用 〉 ダ イ オ キ シ ソ類 は 摂 取 す る と即 死 す る もの(例 えば 青 酸 カ リ)と は異 な る。 摂 取 後 に 体 重 が徐 々 に減 少 し、 体 力 が 消 耗 した 結 果 死 に至 る。 ダ イ オ キ シ ソ類 の作 用 に は 次 の 四 つ が あ る。 A)発 ガ ソ性 ダイ オ キ シ ソに は遺 伝 子 に突 然 変 異 を起 こす イ ニ シ エ ー シ ョソの 働 きは 存 在 せ ず 、 ガ ソ細 胞 を増 殖 させ る プ ロモ ー シ ョツ の 働 きの み が 存 す る。 B)免 疫 毒 性 体 内 に侵 入 した ウ ィル スや 最 近 を 攻 撃 し、免 疫 機 能 に悪 影 響 を 与 え る。 C)催 奇 形 性 暴 露 した も の に奇 形 を引 き起 こす 作 用 。 D)環 境 ホ ル モ ソ作 用 〈ダ イ オ キ シ ソの体 内 侵 入 ル ー ト〉 食 事 、 大 気 、 水 、 土 壌 の 四 つ が あ る が、 食 事 が5割 か ら9割 を 占め る。 大 気 は1割 に 過 ぎ な い が 、焼 却 炉 周 辺 に は 更 に 多量 の 存 在 を確 認 し うる。 わ が 国 の 場 合 、 魚介 類 か らの 摂 取 が大 きい と い え 、 食 物 経 由 の 全 摂 取 量 中6割 に達 す る(欧 米 の3倍)。 他 国 の場 合 、 肉 類 、 乳 製 品 、魚 が食 品 群 の7∼9割 、 こと に 肉 、卵 が19∼74%に な る(日 本 は1割 程 度)。 ダ イ オ キ シ ソ類 は 水 溶 性 が 低 い が 、 油 に は可 溶 性 が 高 い た め 、 人 体 に侵 入 す る と脂 肪 に 蓄 積 す る。5∼10年 が 半 減 期 ゆ え 、 日々 の 摂 取 量 が 少 量 に せ よ、 体 内 に お け る ダ イ オ キ シ ソ 類 の 量 は増 加 す る。 2-4環 境 ホ ル モ ン対 策 環 境 ホル モ ソ対 策 は様 々 な る困 難 が つ き ま と う。 くた と えば プ ラス テ ィ ッ ク容器 か ら フ タル 酸 化 合 物 が 溶 け 出 る恐 れ が あ る か ら、 プ ラ ス テ ィ ッ ク容 器 入 りの 牛 乳 を や め て 、 ガ ラ ス瓶 入 りの 牛 乳 に した と して も、 今 度 は瓶 を洗 うの に使 わ れ る 洗 浄 剤 に エ ス トロジ ェ ソ様 化 学 物 質 が含 ま れ て い る か も知 れ ま せ ん 。 同 じよ うに 、 ビ ス フ ェ ノー ルAが 溶 け 出 る可 能 性 か ら、 缶 詰 野 菜 で は な く生 野 菜 を食 べ る と して も、 そ れ に は エ ス トロゲ ソ 様 作 用 を持 つ 農 薬 や 除 草 剤 が 含 ま れ て い るか も知 れ ま せ ん 。〉(テ ボ ラ ・キ ャ ドバ リー 著 古 草 秀 子 訳 『メ ス化 す る 自然 』 集 英 社P270∼27ユ) しか し以 下 に つ き留 意 す る こ と は前 向 き な対 応 とい え る。 A)脂 肪 と プ ラ ス テ ィ ッ クの 問 題 環 境 ホル モ ソ物 質 の 多 くは 脂肪 親 和 性 ゆ え 、脂 肪 組 織 に 蓄 積 す る。DDTな どの 農 薬 、PCB類 、 ダイ オ キ シ ソ類 は いず れ も人 間 の 体 脂 肪 に蓄 積 し、 数 ヶ月 か ら数 年 間 と ど ま る。 食 物 連 鎖 の 終 点 に位 置 す る人 間 が 高 濃 度 の環 境 ホル モ ソを 摂 取 す る こ と は必 至 とい え 、 環 境 ホ ル モ ソ に対 す る暴 露 を減 少 させ る た め に は 、 非 動 物 性 脂 肪 の 摂 取 を控 え る こ とが 有 効 と い え る。 ま た一 部 の プ ラス チ ッ クに用 い る エ ス トロ ジ ェ ソ 様 の 化 学 物 質 が 、 包 装 材 か ら脂 肪 の 多 い食 品 に 溶 出 す る可 能 性 が あ る た め 、 消 費 者 に は プ ラ ステ ィ ッ クラ ップ の 食 品 を購 買 し ない 、 あ るい は 購 買後 す ぐに パ ッケ ー ジか ら 出す な ど の対 応 が 必 要 と な る。 B)農 薬 の 問 題 有 機 農 法 の導 入 、有 機 食 材 の使 用 に、 環 境 ホ ル モ ソ摂 取 の 減 少 を 期 待 し うる。 C)植 物 性 エ ス トロ ゲ ソの 問 題 大 豆 に は 有 益 な成 分 が あ る こ とは 疑 い え な い が 、 安 易 に 発達
途 上 の 子 供 に与 え る こ と に は 問 題 が あ る。 2-5フ ー ドサ ー ビス 企 業 各 社 に よ る 環 境 問 題 へ の 対 応 環 境 ホル モ ソ問 題 自体 に 関 し、 フー ドサ ー ビ ス各 社 の 対 応 は鈍 い と見 え るが 、1980年 代 後 半 か ら始 ま った 有 機 食 材 導 入 が 、環 境 ホ ル モ ソ問 題 に も有 効 とい え る。 以 下 に我 が 国 に お け る農 薬 と 有 機 食 材 を め ぐ る歴 史 を簡 単 に ま と め る。 まず 有 吉 佐 和 子 『複 合 汚 染 』(1974年10月 か ら朝 日新 聞 連 載1976年 単 行 本 化)が 農 薬 使 用 の危 険 性 な どを 問 題 提 起 し,以 後 有 機濃 産 物 問題 が注 目を 集 め る端 緒 とな っ た。 子 供 を持 つ 主 婦 な ど の 間 に無 農 薬 野 菜 へ の ニ ー ズ が増 大 し、 第 一 次 有 機 農産 物 ブ ー ム とな る。 この潮 流 を生 協 に よ る 共 同 購 入 運 動 が引 き継 ぎ、・1970年代 後 半 か ら1980年 代 前 半 に か け 、生'協に よ る無 添 加 、安 全 な食 品 の 開 発 が活 発 化 す る。 1980年 代 に入 る と、 有 機i農産 物 の 宅 配 サ ー ビス が 、就 労 主 婦 な どの ニ ー ズ に合 致 し、会 員 数 を 飛 躍 的 に増 大 さ せ た(「 大 地 を 守 る会 」 「らで い っ しゅぽ 一 や 」 「ポ ラ ソ広 場 」 な ど)。1990年 代 に な る と 、 農 林 水 産 省 が 『有 機 農 産 物 に 係 る青 果 物 特 別 表 示 ガ イ ドライ ソ』(1996年 に 『有 機 農…産 物 及 び 特 別 栽 培 農 産 物 に 係 る表 示 ガ イ ドライ ソ』 に 改定)を 定 め 、 第 二 次 有 機 農 産 物 ブ ー ム が 起 き る契 機 とな っ た。 農 林 水 産 省 が1995年 に実 施 した 「有 機 農 産 物 等 流 通 実 態 調 査 」 の結 果 に よ る と、 既 に百 貨 店 の7割 、 量 販 店 の8割 が 有 機濃 産 物 を商 品 化 した 。 フー ドサ ー ビス企 業 の例 を見 る と、1990年 以 降 、 各社 が 競 うかの ごと くに有 機 食 材 の導入 を キ ャ ッ チ コ ピ ー と し、 有 機 食 材 が 一 般 的 に 関心 を集 め 始 め た社 会 動 向 と連 動 した◎:有機 農 産 物 の問 題 と は 、飲 食 店 の利 用 客 に対 し、 直 接 的 な 問 題 と な る事 柄 と い え る。 こ う した フー ドサ ー ビス 企 業 各 社 に よ る有 機 農 産 物 に対 す る積 極 的 対 応 が 、環 境 ホル モ ソを軽 減 させ る一 助 と な る と期 待 し う る。(図 表)に フー ドサ ー ピ ス企 業 各 社 に よ る有 機 農産 物 に 関 す る導 入 状 況 を示 す 。 3環 境 問 題 へ の マ ー ケ テ ィ ン グ ・ア プ ロ ー チ 次 に 、 フ ー ドサ ー ビス企 業 は こ う した 環 境 問 題 に、 い か に 対 応 す べ き か に つ き、 マ ー ケ テ ィ ソ グ的 視 点 か ら論 じる。 す な わ ち、 消 費者 が フ ー ドサ ー ビス企 業 に 対 し、 ど の程 度 の 対 策 を要 求す る か に つ き、 検 討 す る。
3-1環
境問題に対する消費者意識
た と えば 、 消 費 者 の 有 機 農 産 物 を使 った メ ニ ュー へ の 注 文 意 向 を調 べ る と、 〈価 格 が変 わ らな け れ ば 注 文 す る〉 が58%と 過 半 数 を 占 め た の に 対 し、〈有 機濃 産 物 で あ るか ど うか は 気 に しな い 〉 が23.6%、 〈価 格 が少 々 高 くて も注 文 す る〉 が16.2%、 〈有 機 農産 物 を使 った メニ ュー は 注 文 しな い 〉 が1.4%と い う結 果 に な った 。 す な わ ち 、有 機 農 産 物 を 使 った メ ニ ュ ー に 対 す る消 費者 の態 度 は 、 必 ず し も積 極 的 と は い え な い。 フ ァ ミ リー レス トラ ソの ジ ョナ サ ソは い ち早 く有 機 野 菜 の 積 極 的 導 入 を行 い 、1993年 か ら6年 一125一連 続 増 収 増 益 を 達 成 し 、 有 機 野 菜 ブ ー ム の 追 い 風 を 受 け た と の 味 方 が 強 か っ た が 、 不 況 の 影 響 が 色 濃 く 出 た1998年 上 期 め 決 算 が 、 既 存 店 売 上 高 の 対 前 年 比 マ イ ナ ス に な る な ど 、 有;機 野 菜 導 入 だ け が 業 績 の 伸 張 を 約 し な い こ と が 明 か に な っ た 。 フ ァ ス トフ ー ド業 界 に 目 を 転 じ る と 、 た と え ば 米 国 の 場 合 、 ハ ソ バ ー ガ ー 業 界 に お け る大 手 ブ ラ ソ ドの 消 費 者 認 知 を 見 る と 、 以 下 の ご と く な る(RestaurantsandInstitutions,March・1, 1998)。 採 点 項 目 は 次 の 八 つ 。 総 合 点 、 料 理 の ク ォ リ テ ィ 、 メ ニ ュ ー の バ ラ エ テ ィ 、 お 値 打 ち 度 、 サ ー ビ ス 、 雰 囲 気 、 ク レ ソ リネ ス 、 コ ソ ビ ニ エ ソ ス 。 〈料 理 の ク ォ リテ ィ〉 を 見 る と 、 た と え ば 〈フ ァ ッ ド ラ ッカ ー ズ 〉 が63点 、 〈イ ソ ・ア ソ ド ・ア ウ ト ・バ ー ガ ー 〉 が61点 と い う 高 得 点 に あ る 中 、31点 と い う甚 だ しい 低 得 点 。 ウ ェ ソ デ ィ ー ズ の 55点 、 バ ー ガ ー キ ソ グ の44点 の 後 塵 を 拝 す る 。 〈メ ニ ュ ー の バ ラ エ テ ィ 〉 は 、 ウ ェ ソ デ ィ ー ズ が 47点 を マ ー ク し、 バ ソ バ ー ガ ー 部 門 に お け る 第1位 に あ る 一 方 、 マ ク ドナ ル ドは29点 。 〈お 値 打 ち 度(value)〉 は30点 と 、 ハ ソ バ ー ガ ー 部 門 の 平 均 程 度 。 〈ク レ ソ リネ ス 〉 は34点 。 し か し、 〈コ ソ ビ ニ エ ソ ス 〉 は52点 を マ ー ク し 、 調 査 全 ユ00店 弱 の 全 フ ー ドサ ー ビ ス コ ソ セ プ ト中 、 第1位 に あ る。 マ ク ドナ ル ドを 急 追 す る バ ー ガ ー キ ン グが 、 コ ソ ビ ニ エ ソ ス に お け る ポ イ ソ ト も 50点 と 、 マ ク ド ナ ル ドを 追 い 上 げ る 符 号 が 興 味 深 い 。 こ の よ う に ア メ リ カ に お け る マ ク ドナ ル ドの 強 さ が 、 コ ン ビ ニ エ ソ ス に あ る こ と は 一 目瞭 然 と い え る 。 消 費 者 が フ ァ ス トフ ー ドに 何 を 求 め る の か と い え ば 、 答 え は 自ず と そ の 言 葉 の 中 に あ る 。 フ ァ ス トフ ー ドゆ え 、 ひ と は ま ず 、 そ の ス ピ ー ド、 コ ソ ビ ニ エ ソ ス を 期 待 す る 。 フ ァ ス ト フ ー ド に お け る コ ア ・コ ソ ピ タ ン ス(競 争 上 の 中 核 と な る独 自 の 優 位 性)と は 、 フ ァ ス トあ る い は コ ソ ピ ニ エ ソ ス に 他 な らぬ 。 マ ク ドナ ル ドが 、 人 気 投 票 の 各 ジ ャ ソ ル に お け る 低 得 点 を も の と もせ ず 、 揺 る ぎ な き 王 座 の 位 置 に あ る 所 以 と い え る 。 こ の よ う に フ ァ ス トツ ー ドの 利 用 動 機 を 考 え た 場 合 、 環 境 問 題 の 優 先 順 位 が 自 ず と 下 が る と い え よ う 。 3-2コ ン シ ュ ー マ リズ ム と業 界 リー ダ ー の 使 命 そ の一 方 、 ア メ リカ に お け る マ ク ドナ ル ドの ケ ー ス に見 る ご と ぐ、 消 費 者 運 動 家 達 が マ ク ドナ ル ドが 旧 来 使 用 した ス チ ロ ール 製 パ ッ クを 大 々的 な批 判 の ター ゲ ッ トと し、 包 装 を紙 に 変 え た と い う消 息 が あ る。 また 我 が 国 の場 合 、 『買 っ て は い け な い』(金 曜 日刊)が マ タ ドナ ル ドを批 判 の 対 象 と した 。×心 臓 に悪 い飽 和 脂 肪 が 多 い 〉 〈油 を使 って 牛 肉 を調 理 す る と血 液 が酸 性 に な りや す い 〉 〈肉 自体 が 発 ガ ソ性 物 質〉 〈肉牛 用 の 牧 草 地 確 保 の た め に 熱 帯 雨 林 の 半 分 を破 壊 〉 な ど が論 点 だ が 、 こ う した 問題 点 は フー ドサ ー ビ ス企 業 全体 にい え、 マ ク ドナル ド固 有 の問 題 とは い え な い 。 日米 を問 わ ず 、 マ ク ドナル ドが業 界 の 最 大 手 、 巨大 な る 売 上 高 を誇 るが ゆ え、 そ の影 響 力 と、 消 費 者 運 動 自体 の 昂 揚 の た め 、 コソ シ ュー マ リズ ム の ダー ゲ ッ トと な った とい え る。 この よ うに 業 界 の最 大 手 は 、 消 費者 イ メー ジ の悪 化 ぐ 損 害 賠 償 請 求 の 発 生 等 の リス クを 回 避 す るた め ∼ こ と さ らに環 境 、 健 康 な ど の 社 会 問 題 に は迅 速 に 対 応 す る必 要 が あ る。 日本 マ ク ドナ ル ドの 場 合 、ユ990年 に環 境 担 当 部 を社 長 室 に設 置 し、 ス チ ロー ル パ ッケ ー ジ を部 分 的 に廃 止 し、 紙 製 に 変 更 す る こ と を決 定 した 。 以 後 の 対 応 に は 以 下 が あ る。 塩 化 ビニ ー ル使 用 を減 らす た め の検 討 に 着 手 。 ブ ラ ス チ ッ ク トレー を リサ イ クル 原 料 使 用 品 に変 更 す る こ との 決 定 。 ゴ ミ袋 を東 京 都 指 定 の 炭 酸 カ ル シ ウム混 合 品 に 変 更 。 ア メ リカ最 大 規 模 の 自然 林 開 発 保 護 団体 厂コ ソサ ベ ー シ ョ
ソ ・イ ソ タ ー ナ シ ョナ ル」 日本 事 務 局 を 日本 マ ク ドナル ド社 内 に 開 設 。 一 部 食 材 容 器 を缶 か らパ ウチ に 変 更 。 店 舗 内使 用 済 み廃 油 を 再利 用 す るた め 、 デ ィー ゼ ル 用 燃 料 の テ ス トに 着 手 。 環 境 問 題 へ の対 応 が 劇 的 に業 績 に 貢 献 す る とは 考 えに くい が 、 対 応 を怠 った場 合 の リス クは 甚 大 と い え る。 ま た環 境 問 題 に対 応 す る こ と は 、業 界 を牽 引 す る最 大 手 の 責 務 とい え る。 企 業 を そ の 規 模 に応 じ、 競 争 対 抗 上 の 地 位 に分 類 す る と、 リー ダー 、 チ ャ レ ソ ジ ャー 、 フ ォ ロ. ワ ー、 ニ ッチ ャ ー とな る。 理 論 的 に は 、 各 社 が競 争 上 の地 位 に適 した 戦 略 を採 用 す る。 た と え ば 売 上 高 に応 じ、 市 場 に40%、30%、20%、10%の シ ェア を 占 め る企 業 が あ る と仮 定 す る。 市 場 の 40%を 占 め るマ ー ケ ッ トシ ェ ア最 大 の企 業 を 〈リー ダー〉 と称 す る。30%を 占め る企 業 が、 積 極 的 に マ ー ケ ッ トシ ェア 拡 大 を 図 る 〈チ ャ レソ ジ ャー 〉、20%を 占 め る企 業 が 現 有 シ ェ ア の維 持 を 志 向 す る 〈フ ォ ロ ワー 〉、 残 る10%は 〈ニ ッチ ャー 〉 と称 す る企 業 群 が 占 め 、 大 企 業 が 興 味 を示 さぬ 小 さな セ グ メ ソ トを 対 象 とす る。 ハ ソ バ ー ガ ー 業 界 の シ ェ ア を 見 る と 以 下 と な る(H:OTERES1998 .7.3)。 マ ク ドナ ル ド約 3,337億 円 、 モ ス フー ドサ ー ビ ス約1,286億 円 、 ロ ッテ リア約613億 円 。 ハ ソ バー ガ ー 業 界 に は大 手 チ ェー ソの 他 、 あ ま た の零 細 店 が存 在 す る。 そ の た め業 界 全体 の 売 上 高 算 出 は困 難 を極 め るが 、 各 種 デ ー タ か らハ ソ バ ー ガ ー 業 界 の 市 場 規 模 を5,500億 円程 度 と推 定 す る と、 各 社 の シ ェ ア は 以 下 とな る。 マ ク ドナ ル ド60%、 モ ス フ ー ドサ ー ビス23%、 ロ ッテ リア11%。 リー ダー た るマ ク ド ナ ル ドの シ ェ アは 他 社 を大 き く引 き離 し、 ハ ソバ ー ガー 業 界 は マ ク ドナ ル ドを ガ リバ ー とす る寡 占 的状 態 に あ る。 リー ダ ー の基 本 戦 略 に は 、〈マ ー ケ ッ トシ ェ ア の維 持 〉 と並 び 、〈総 市 場 規 模 の拡 大 〉 が あ る。 総 市 場 規 模 の増 減 に重 大 な る影 響 を及 ぼ し う るた め 、 マ ク ドナル ドの環 境 対 応 が 、 単 に一 社 の 経 営 に 関 す る に と ど ま らず 、 ハ ソバ ー ガー 業 界 、 更 に フー ドサ ー ビ ス業 界 全 体 の存 立 に 影 響 す る と さ え い い え よ うo 〈参 考 文 献> RestaurantsandInstitutionsCahnersPubliationMarch1,1998 佐 藤;淳 著ri環 境 ホ ル モ ン の し くみ 』 日 本 実 業 出 版 社1999年 PhilipKotlerMarketingManagernent』(ユOthEd.),PrinticeHall,1999 デ ボ ラ ・キ ャ ドバ リー 著 古 草 秀 子 訳 『メ ス 化 す る 自 然 』 集 英 社 茂 木 信 太 郎 編 著 『フ ー ドサ ー ビ ス10の 戦 略 』 商 業 界1999年 一127一
(図 表) フ ー ドサ ー ビ ス 企 業 の 有 機 食 材 導 入状 況 ブ ラ ン ド(企 業)名 概 況 導 入 ア イ テ ム 告 知 な ど ガ ス ト ア メ リカ か ら加 工 済 み ホ ウ レ ソ ソ ウ;ト マ ト; メ ニ ュ ー 表 示 (す か い ら一 く) オ ー ガ ニ ッ ク食 材 導 入 大 豆(有 機大 豆100%) 安 全 性 を ア ピ ー ル す る (有機 野菜 の カ レー; 全 面広告(三 大紙1998 オ ー ガ ニ ッ ク ケ ー キ) 年6月) ジ ョナ サ ン 1980年 代 か ら実 験 ホ ウ レ ソ ソ ウ;レ タ ス; メ ニ ュ ー な ど に食 材 情 サ ラ ダバ ー(1999年1 キ ュ ウ リ 報 を記載 月現在25店 舗 実施 中; 1皿480円 フ ァ ミ リ ー 用1皿1,200円) デ ニ ー ズ 農 水 省 の ガ イ ド ラ イ ソ ホ ウ レ ソ ソ ウ;カ ブ; メ ニ ュ ー ブ ッ ク 見 開 き (デ ニ ー ズ ジ ヤ パ ソ) 基 準 にお ける有機 農産 ニ ソ ジ ソ;キ ャ ベ ツ; に有機食 材 の積 極的導 物 の みを採用(有 機野 サ ヅ マ イ モ;ル ッ コ ラ; 入 を説 明 菜 の ス ー プ;有 機 豆 腐 マ ス タ ー ド グ リ ー ソ の サ ラ ダ な ど) etc カー サ 有 機野 菜 を原 料 に した キ ャ ベ ツ;レ タ ス;ザ メ ニ ュ ー な ど に 食 材 情 (西 洋 フ ー ドシ ス テ ム ズ) ソ ー ス ニ ー レ タ ス;ト マ ト; 報 を記 載 グル ープ全業 態 に有機 キ ュ ウ リ;米 一 部 店 舗 に サ ラ ダ バ ー 栽 培米 導入 導 入 北海道 濱町 調 達す る大半 の野 菜 が 『レ タ ス 類;ジ ャ ガ イ モ; サ ラ ダバ ー に 生 産 者 の (平 成 フ ー ドサ ー ビ ス) 農 林 省 ガ イ ドラ イ ソに タマ ネ ギ;白 菜 な ど全 写 真付 き解 説掲 示;メ おけ る有機農 産物;自 般 ニ ュ ー ・ パ ソ フ レ ッ ト 社農場所有 に食 材開発 に対 す る姿 勢 を説 明 和民 複 数 ル ー トか ら の調 達; トマ ト;キ ュ ウ リ;ジ ャ メ ニ ュ ー に くヘ ル シ ー (ワ タ ミ フ ー ドサ ー ビ ス) 契 約 栽 培;資 本 参 加 に 、 ガ イ モ;タ マ ネ ギ;万 &セ イ フ テ ィ ー 〉 を う よる生 産分野 へ の本格 能 ネ ギ;グ リー ソ リ ー たい 、食材 開発 に対 す 進 出 フ;ギ ヤ ベ ヅ;大 根 な ど る姿勢 を説 明 モ ス バ ー ガ ー 全 店 に 有 機 特 別 栽 培 タ マ ネ ギ;ト マ ト;レ 'メニ ュ ー 毎 に ミ ネ ラ ル (モ ス フ ー ド サ ー ビ ス) (減農薬 ・減 化 学肥料 タ ス;サ ニ ー レ タ ス; マ ー ク を添 付;黒 板 な 栽 培)の ミネ ラ ル 野 菜 キ ャ ベ ツ;ピ ー マ ソ どに 日々の生産 者 を告 導入;ア グリ事 業部増 知 強中(現 在15人 以上) ケ ン タ ッキ ー フ ラ イ 総 店 舗 数 の8割 方 に キ ャ ベ ツ;レ タ ス;キ ュ 店 頭 に 「健 康野 菜」 に ドチ キ ン 「健康 野菜」 を導入 ウ リ;ト マ ト;ニ ソ ジ 関す る告知 (日 本 ケ ソ タ ッ キ ー ・ フ ソ な ど9品 目 ラ イ ド ・チ キ ソ) 新 村 直 子 「オー ガ ニ ッ ク ・有 機 食 材 革 命 を推 進 す る」(茂 木 信 太 郎 編 著 『フー ドサ ー ビ ス10の 戦 略 』 商 業 界 と に作 成 所 収)を も