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〈東北地方の民俗〉東日本大震災後の福島県相双地方の社会と民俗--津波と原発事故による地域コミュニティと民俗の危機

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Academic year: 2021

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(5) 東 日本 大震 災後 の福 島県相 双 地方 の社会 と民 俗. 混 乱 と 交 通 マヒ ・ガ ソリ ン不 足 の中 を パ ニ ック 映 画 の中 に い る よう な 気 持 ち で全 国 に逃 げ 惑 い、 避 難 先 を 転 々 と し た の であ る。. そ の後 、 何 度 か 区 域 再 編 が あ り 、 平 成 二 五年 五月 一七 日現 在 は、 年 間 被 ぼ く 放 射 線 量 が 五〇 m S V超 の帰 還 困難. 区 域 、 二〇 m S V超 五〇 m S V以 下 の居 住 制 限 区 域 、 二〇 m S V以下 の避 難 指 示 解 除 準 備 区 域 、 伊 達 郡 川俣 町山 木. 屋 の計 画 的 避 難 区 域 (区 域 再 編 今 後 協 議 ) に 設 定 さ れ て い る。 敬言戒 区 域 に 設 定 さ れ た 九 市 町 村 (田村 市 (田村 地. 方 )、 南 相 馬 市 (相 馬 地 方 )、 川 内 村 ・楢 葉 町 ・大 熊 町 ・葛 尾 村 ・富 岡 町 ・浪 江 町 ・双葉 町 (双葉 地 方 ) の避 難 区 域. 合 計 の人 口は 七 六 , 四 二〇 人 に及 ぶ 。 南 相 馬 市 で は震 災 時 の平 成 二 一 二年 三 月 一 一日時 点 の人 口が 七 一, 五六 一人 で. あ った が 、 平 成 二 五 年 五 月 二 日 現 在 、 市 外 避 難 者 が 一六 , 三 二六 人 。 死 亡 ・転 出 ・所 在 不 明 が 八 , 七 八 五 人 であ. る。 相 双地 方 で は原 発 事 故 の関 係 で家 族 が 分 か れ て避 難 し て い る例 が 数 多 く あ る。 震 災 前 ま で 二世 代 ・三世 代 の大. 家 族 で暮 ら し て いた が 、 老 人 だ け で仮 設 住 宅 に避 難 し て い る世 帯 や 、 若 い世 帯 でも 母 親 と 子供 は他 市 町村 や県 外 に. 避 難 し て父 親 は 単 身 で被 災 地 に残 り 仕 事 を 続 け て い る世 帯 も 数 多 く 、 人 口減 だ け でな く 年 齢 構 成 も 急 激 に高 齢 化 し. て い る。 全 国 的 にも 、 以 前 か ら 学 者 や 政 治 家 が ﹁限 界 集 落 ﹂ な ど と呼 ん で い る僻 地 の過 疎 化 ・高 齢 化 が 問 題 に さ れ. てき た 。 だ が 、 避 難 区 域 の急 激 な 人 口減 少 ・高 齢 化 は これ ま で いわ れ てき た ﹁限 界 集 落 ﹂ を は る か に し のぐ スピ ー. ド で進 行 し て い る。 原 発 か ら 二〇 ㎞圏 内 の避 難 区 域 にあ る 双葉 郡 と南 相 馬 市 小 高 区 の、 お お むね 常 磐 線 以東 の 田 ん. ぼ では 、 津 波 の瓦 礫 や 車 が 未 だ に残 さ れ た ま ま であ る。 除 染 も 災 害 瓦 礫 処 理 も 遅 々 と し て進 ま ず 、 避 難 者 は先 の見. 産 業 の停 滞. え な い状 態 で暮 ら し てお り 、 帰 還 の目 処 も 立 た ず に地 域 コミ ュ ニテ ィも 危 機 に瀕 し て いる。. 二. 浜 通 り では 多 彩 な 地 形 と 豊 か な 自 然 を 生 か し、 沿 岸 部 で は漁 業 ・平 野 部 で は農 業 ・山 間 部 で は林 業 を 主 要 産 業 と. 盟.

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(13) 東 日本 大震 災後 の福 島県相 双 地方 の社会 と民 俗. 区 )・中 ノ 郷 (南 相 馬 市 原 町 区 ) の 一部 、 の騎 馬 は 、 出 場 が か な わ な か った 方 が 多 く あ った 。. おわり に. 相 双地 方 の震 災 と 原 発 被 災 地 、 さ ら にそ の周 辺 市 町 村 の放 射 能 避 難 区 域 で は、 民 俗 文 化 の基 盤 とな る地 域 社 会 の. 存 続 が 危 機 的 状 況 にあ る。 産 業 で は沿 岸 部 の漁 業 ・農 業 、 山 間 部 の農 業 ・林 業 と い った中 心 産 業 への被 害 が 甚 大 で. あ る。 市 街 地 で も 、 住 民 の避 難 に よ る 消 費 の激 減 と 商 工業 の停 滞 、 そ れ に連 鎖 し て 就 業 人 口 の減 少 が 起 き て いる 。. 特 に、 放 射 能 被 害 の影 響 が 大 き い 子供 と そ の若 い親 が 避 難 した こ と で、 若 い世 代 の居 住 人 口減 少 が 大 き い。 何 年 続 く か 見 通 せ な い原 発 事 故 の避 難 で、 多 く の住 民 が 帰 還 でき な い で い る。. 福 島 県 の調 査 で は震 災 後 一年 で、 県 内 の 一五歳 以下 の 子供 の減 少 は 一万 五千 人 以上 に及 び 、 少 子化 が 急 加 速 し て. い ると いう 。 原 発 事 故 か ら 数 年 の避 難 生 活 を 経 て、 ふ るさ と へ戻 る の は高 齢 者 ぼ か り で、 超 高 齢 化 社 会 が 駆 け 足 で. や ってき て い る。 津 波 と 原 発 事 故 の複 合 災 害 で急 激 な 人 口減 少 ・少 子高 齢 化 社 会 にな って しま う 。 住 民 の帰 還 時 期. が 不 確 定 な こと や 、 放 射 能 被 害 か ら 将 来 の不 安 も あ り 、 被 災 地 で の新 た な コミ ュ ニテ ィ形 成 は不 確 定 な 点 が 多 い。. 大 量 の災 害 瓦 礫 に つい て は、 中 間 処 分 場 の選 定 が 決 ま ら な い。 特 に避 難 指 示 の続 く 双葉 郡 と南 相 馬 市 小 高 区 で は. 瓦 礫 撤 去 が 遅 々と し て進 ま ず 、 水 田 に は震 災 か ら 二年 以上 経 過 した 現 在 でも 瓦 礫 や車 が 転 が って いる。 南 相 馬 市 の. 災 害 瓦 礫 は 一六 七 ・三 万ト ンと 推 定 さ れ て い る。 原 発 事 故 処 理 の安 定 化 と除 染 ・被 災 建 物 の解 体 ・災 害 瓦 礫 処 理 ・. 道 路 や鉄 道 ( 常 磐 線 )・上 下 水 道 等 の ラ イ フ ラ イ ン の復 旧 等 課 題 は山 積 し て い るが 、 被 災 者 の 安 全 ・健 康 を 確 保 し. た 上 で、 早 急 な 住 民 の帰 還 が な いと 、 地 域 コミ ュ ニテ ィ の復 旧 や 、 地 域 に根 ざ し て生 ま れ 、 伝 承 さ れ てき た生 活 習. 慣 ・信 仰 ・祭 り ・芸 能 等 の民 俗 文 化 は消 滅 し て しま う 。 津 波 被 災 地 や 福 島 第 一原 発 から 遠 く 離 れ た都 会 に住 み、 原. 発 再 稼 動 を 進 め た い政 治 家 や 経 済 界 の方 々 に は、 震 災 と 原 発 事 故 を 遠 隔 地 の他 人 事 と考 えず 、 目先 の経 済 効 果 に と. 泌.

(14) ら わ れ ず 、 被 災 地 と 地 方 社 会 の現 状 を 見 て、 日本 の将 来 のあ り 方 を 真 剣 に考 え て ほ し い。 ま た、 メデ ィ ア や 一般 の. 方 々 には 、 大 規 模 な 各 種 のイ ベ ント で盛 り 上 が る中 通 り や 、 大 河 ド ラ マの影 響 で にぎ わ う 会 津 の観 光 地 を 見 て、 福. 島 県 は 復 興 が 進 ん で い ると 簡 単 に思 わ な い で いた だ き た い。 浜 通 り で は震 災 後 二年 以上 経 過 し た今 でも 、 原 発 事 故 のた め に、 住 民 の帰 還 と 地 域 の復 旧 ・復 興 が 遅 々と し て進 ん で いな い のだ から 。. 江 戸 時 代 の 天 明 の 飢 饅 に は、 中 村 藩 領 内 で 餓 死 者 や逃 亡 者 が 続 出 し 、 人 口が 三 分 の 一程 に な った と いわ れ て い. る。 そ のた め 、 藩 は北 陸 地 方 を 中 心 に浄 土 真 宗 等 の移 民 を 受 け 入 れ た 移 民 政 策 や、 新 軒 取 立 政 策 な ど で農 業 人 口を. 拡 大 し た 。 ま た 、 報 徳 仕 法 と いう 道 徳 を 重 視 した 経 済 政 策 で疲 弊 した 農 村 の復 興 にあ た り、 現 代 の相 双地 方 の礎 を. 築 い てき た 。 現 在 、 相 双地 方 は東 日本 大 震 災 と 原 発 事 故 いう 歴 史 上 稀 に見 る災 害 が 続 いて いるが 、 道 徳 を 伴 った経. 日本民具学会. - 口碑 伝 承 を お ろ そ か に す る な か れー ﹄ 刀水 書 房 ﹄. 東北芸術工科大学. 東 北 文 化 研 究 セ ンタ ー. 東北芸術 工. 済 政 策 ・早 急 な 復 興 対 策 ・相 双地 方 の人 々 の 辛 抱 強 さ と 勤 勉 さ で、 天 明 の飢 饅 以 来 の試 練 を 乗 越 え て い って ほ し い。. 二〇 一三. (参 考 文 献 ・東 日 本 大 震 災 後 発 行 の相 双 地 方 関 連 ) 岩崎真幸. 二〇 = 二 ﹃歴 史 と し て の東 日 本 大 震 災. ﹁民 俗 を 救 う こと は で き る のか ﹂﹃民 具 研 究 ﹄ 第 一四 七 号. 岩本由輝. 二〇 = 二 ﹃相 馬 ・双 葉 の原 風 景. ﹁浜 下 り と 大 震 災 ﹂﹃季 刊 東 北 学 ﹄ 第 二九 号. - 三 か 月 を 経 て の覚 え書 き ﹂﹃季 刊 東 北 学 ﹄ 第 二 八 号. 福 島 県 浜 通 り の歴 史 と 民 俗. 大迫徳行. 二〇 一一. 二〇 一 一. 東 北 文 化 研 究 セ ンタ ー. ﹁原発 事 故 の体 験 と記 録. 大山孝 正 科大学 佐 々木 長 生. 262.

(15) 東 日本 大震 災後 の福 島県相 双 地方 の社会 と民 俗. ま た 、赤 る。. (付 記 ). 坂 憲 雄 氏 ・懸 田弘 訓 氏 ・小 島 美 子 氏 ら の震 災 と 民 俗 に関 す る 論 評 が 、 福 島 民 報 等 に 多 数 掲 載 さ れ て い. 東 日本 大 震 災 と 原 発 事 故 の風 評 で有 名 にな って しま った 南 相 馬 市 に足 を 踏 み入 れ 、 荒 涼 と し た 風景 に変 わ り果 て. た 沿 岸 部 で、 ウ ミガ メ 伝 承 の調 査 を さ れ な が ら 津 波 被 災 地 の痛 みを 感 じ て いた だ いた 、 近 畿 大 学 の藤 井 弘 章 先 生 に. 感 謝 申 し 上 げ ま す 。 ま た 、 今 回 の報 告 の機 会 を 与 え て いた だ き ま した こ と に心 よ り御 礼 申 し上 げ ま す 。. 227.

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