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家庭科教育における自己生成的な学習環境のデザイン

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Academic year: 2021

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(1)学生発表会. 家 庭 科 教 育 にお ける自己 生 成 的 な 学 習 環 境 のデ ザイン . 心理学領域. 平 野 泰 行・有 元 典 文 1. 問題と目的. シスタントティーチャー(以下 AT)として実習中生徒の. Lave(1988)などにみられる近年の状況的認知研究. 指導にあたっていた点であった。本調理実習は,日常. により,学校と日常生活間の非連続性が主張され,学. 調理の熟達者である AT が調理作業の意味や理由を教. 校と学校外の学習の差異が明らかにされている。上野. 授する中で,生徒達が文化的な知にアクセスできる学習. (1990)は,学校特有の談話の構造を「学校の言語ゲー. 環境になっていた。. ム」と呼称し,学校と日常実践との間の学習者の学習. 以上,事例 1 と事例2の調理実習の分析より,家庭. に対するスタンスの質の違いを「自己生成性」の差異. 科教育における自己生成的な学習環境をデザインするた. から説明した。. めに,①活動の意味の理解や吟味にいたるデザイン,②. 本研究が取り上げる家庭科教育は,各々が生活の実. 文化的な知にアクセスできるデザインの必要性を論じた。. 践者として,学習を自己生成的な観点から眺める必要 がある。本研究では,家庭科の授業実践の分析を通し,. 4.実施報告. 状況的認知研究の視座から学習者が家庭科における学. 技術・家庭科領域はなおのこと、他領域の現場の教. 習を自己生成的に捉えるための学習環境のデザインに. 師の方々と議論を交わすことができた。実地に根ざした. ついて考察を加える。. 教育研究であるだけに現場に伝わる研究とすることの難 渋と,その重要性を再認した。. 2. 方法 神奈川の市立 A 中学校における「お雑煮作り」の調 理実習(事例 1)と,神奈川の市立 B 中学校における「イ ンスタントラーメン作り」の調理実習(事例 2)を参与 観察し,ビデオカメラを用いた映像記録,フィールドノー ツの作成,授業資料の収集を行った。 3. 結果と考察 A 中学校における調理実習(事例 1)は,調理に馴 染みのない生徒でも調理に取り組むことができるよう手 順書をはじめとする学習資源の布置がなされていた。し かし,それらがアルゴリズム的に生徒に参照されてしま うことで,活動自体の意味の喪失を招いてしまっていた。 一方で手順書に記載のない「焼き鳥」をつくり出す生 徒がみられた。この行為は調理作業の意味の理解や吟 味に基づいていた。課題に対する捉え方の違いにより、 同じ調理でもその質は大きく異なっていた。 B 中学校における調理実習(事例 2)の特徴は,生 徒自身が調理の計画を立てている点と,父兄が 1 名ア. Figure 1 発表ポスター. 教育デザイン研究 第 5 号 7.

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