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株式持合と銀行の信用リスク

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Academic year: 2021

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(1)論. 説. 株式持合と銀行の信用リスク 米. 1. 揮. 康. 博. 論文の目的. わが国も遅ればせながら「リスク管理」の重. 鈴. 木. 輝. である.その結果,. 好. (株式持合を離れて)珠式. 保有自体を評価する場合には「それは抑制され るべき」との結論に至っている(例えば日本銀 [3]あるいは大和総研[2]).こ. 要性が認識されるに至っている.リスク管理の. 行「金融研究」. 重要性は一般の企業においても当然ではある. れまでも銀行の株式保有を銀行による産業界支. が,より不可欠なのは金融機関におけるリスク. 配と捉え,その側面から株式保有に異議を唱え. 管理である.特に銀行のそれは銀行の破綻が金. てきたことは多かったが,バブルの崩壊後はリ. 融危機を発生させ,経済全体に対して無視でき. スク管理の側面から保有に対して否定的な見解. ない悪影響を与え得るからである.このような. が多くなっている.. 認識から金融機関のリスク管理,中でも銀行に. おけるリスク管理はその業務の中でも中心的な. しかし,株式持合による場合,当然ながら銀 行の自己資本も増大しているので,総合的な効. 課題とならなくてはならない.ここで,銀行の. 果は必ずしも明らかではなく,銀行の株式保有. リスク管理とは以下では「預金が返済できなく. もこのような持合形成の一環として評価されな. なる確率としての信用リスクを減らす」ことと. くてはならない.銀行保有株が株式の持合の中. 定義する.. で形成されている点を見逃しているいる場合が. ところで銀行にはそのリスク管理の側面から. 多く,そのために誤った結論を導く可能性もあ. 自己資本比率を一定水準以上に維持するような. るからである.. BIS規制が採用されているやゞ,増資が必要とさ れる場合に,機関投資家,あるいは個人等の投. このような問題意識に基づき,この論文の目 的は銀行の自己資本が融資先企業との間の持合. 資家がそれに応じる割合は低く,その大半はい. 強化によって増加された場合を想定(モデル化). わゆる株式の持合の増強という枠組みの中で消. し,それが銀行預金の信用リスクを低めること. 化されるのが実際である.問題はこのような持. ができるか否かを理論的に分析することにす. 合によって銀行の自己資本比率を上昇させた場. る.また,その際,株式のリスクは高まるか否. 合に銀行自体の信用リスクを低下させるという. かも分析することにする.. 本来の目的を遂行することができるか否かの問 題点である.なぜなら持合を強化することは銀. この目的に対する解答が明らかになれば,逆. 行が株式保有を増加させることになるからであ. に持合が解消された場合には信用リスクはどの 様な影響を受けるのかも明かになり,いずれの. る.. ケースにおいてもわが国の銀行の信用秩序を考. 言うまでもなく株式は貸出と並んであるいは それ以上に収益率ボラティリティーの高い資産. 慮する場合の重要な情報を与えてくれることに なる..

(2) (174). 38. 2. 横浜経営研究. 第XX巻. 第3号(1999). 合の強化など財務構成変更の影響を受けないと. 銀行・企業間の株式持合モデル. 仮定する.. 株式の持合とは銀行と融資先企業との珠式の 最初に分析の目的を明確にしておこう.. 持合を想定する.銀行bと企業cとを想定し, 銀行はこの企業に融資を行っている.さらに, 銀行bと企業cとは互いに株式を持ち合ってい. 1.企業cとの株式持合比率(β,. γ)を高め ることによる銀行の自己資本比率上昇は銀行の. る状況を考える.これは図1にまとめられてい る.. Dは期末Tに額面F. (円)受け取る割引貸. 出の時価評価である.. 信用リスク,すなわち「預金返却できない,. S(i)は時点tにおける株 式の時価総額である.銀行bは企業cの借入の. Db(T)<Fbとなる確率」で定義される信用リ. αだけ融資を行い,また企業cの株式のβだけ 保有している.他方,企業cは銀行bの株式の. 2.銀行の保有株式比率βを減らせば銀行の信. スクを本当に低めることができるのか.. 用リスクは低まるのか.. γだけ保有している.要するに銀行の資産を見 ると,企業への貸出αβ。とその企業の株式β∫。 が計上されていることになる.. ところで(1)に関して言えば,. Suzuki[1]に. よって「非金融業の2社(以上)が株式を持ち. βの増加は,銀行bが増資を行か、, その増資資金で企業c株式を買い増すことを意. 合うと両社の利益が密接に相関していない限. 味する.またβの減少は,. ことがあきらかにされている.本論文ではこの. ここで,. り,両社の信用リスクが低まる可能性がある」. c企業株を時価で売 却し,この資金で自社株を消却することを意味. 命題が片方が銀行の場合にも当てはまるか否か. する.. を検討することになる.また,以下の分析の多. γの増減も同様に定義される.よって, b銀行とc企業との間の「株式交換による株式 持合の強化(解消)」はβとγの同時増加(減. るのでそこでの分析手法,分析結果に負ってい. 少)により表現できる.ただし,以下では,辛. る.. くはSuzuki. [1]の応用問題として位置づけられ. 業時価vcの現在価値および将来の分布は,持. 銀行♭. 企業c. Db(i):銀行預金の時価 Sb(i):銀行資本の時価. Dc(i):借入金の時価. Fb:銀行預金の額面. Fc:借入金の額面. Sc(i):企業資本の時価 Vc(i):事業価値. 図1. :バランスシート.

(3) (175). 株式持合と銀行の信用リスク(米滞康博・鈴木輝好). ・vc,. 株式持合と銀行の信用リスク. 3. Db(T). 3.1健全な銀行と不健全な銀行. vc≦吾 %<Vc-c*. Fb,. I. ETb,. まずは,前節で示した持合経済における銀行,. Vc*<Vc. 企業発行証券のペイオフ関数を示す.その後に, 得られたペイオフ関数を用いて,株式持合の強. Vc,. 化および解消が,銀行と企業の信用力に及ぼす. V(:. 影響について前節で述べた2つの目的から分析. Dc(T). vc≦旦 α 7Fb. -. -. 1-αγ. 旦<Ⅴ≦Ⅴ.* α. vc*. Fc,. する.. vc,. <. 各証券のペイオフ関数を求めるにあたって, 以下を仮定する.. vc≦旦 α. 仮定(i)証券の保有比率について, 1,. 0<α≦. Sb(T). "c* (αvc-Fb)/(1-αγ),旦<vc α. =. pvc +(a-P)Fc. 0<γ<1とする・. 0<β<1,. 仮定(ii)負債Db,. -Fb. vJ<vc.. ,. 1-βγ. Dcの満期はともに期末rで. 同一とする.. Ⅴ≦旦 α. 仮定(i)は,銀行bおよび企業cが持合相手. Sc(T). 旦<l.・≦l:. -. α. Vc. の株式(融資)をその証券の発行量を超えて保 有すること,銀行bおよび企業cが相手の全株 式を保有することをそれぞれ排除し,銀行bが 企業cの全融資を担うことについてはこれを許. (ii) αFc≦Fbのとき,. Db(T). -. Db(T). =. -. min[aDc(T). + +. +. min[V2(T) max[V2(T)+. で定式化される.この時,. PSc(T),Fb] PSc(T)- Eb,0]. Fc <Vc. ≦Vc**. Vc**. Fb,. <. Vc. Sb(T). Fc <Vc ,. 0,. b銀行預金およびc. (i) αFc>Fbのときvc*-Fc+γ(Fb-αFc). o,. βVc+(α-β)FcIEb トβγ. 7Sb(T)- Fc,0]. (r), β。(r)は,仮定(i), (ii)から, Suzuki [1]の命題1により以下のように与えられる1).. Vc ≦ Fc. 0, -. 7qb(T),Fc]. 企業負債の期末Tにおけるペイオフ関数Db. として,. i. β(vc-Fc)+aFc,. Scの期末rでのペイオフ. max[叫.(T). -. Dc(T) Sc(T). Vc ≦ Fc. [4]にならない,式. はMerton. Sb(T). Dc,. -Fc+(Fb-α. αVc,. -. であれば,額面Fは,負債返済のために必要な 積立額と考えれば良い. Sb,. 未*. vc. Fb)/βとして,. に必要な仮定である.実際の負債満期がr以降. 証券Db,. Ⅴ.*<Ⅴ.. ,. 1-βγ. している.仮定(ii)は,両社に負債返済能力 があるか否かを,期末Tにおいて判断するため. +(αγ-1)Fc -7Fb. Sc(T). =. vc Vc. <Vc** vc**<vc. Vc ≦ Fc Fc. -Fc,. <. +(αγ-I)Fc -74Tb. トβγ 以降では,上記ペイオフにおける. Vc ≦ Vc**. vJ*<. vc.. 39.

(4) 40. (176). 横浜経営研究. 第】Ⅸ巻 第3号(1999). 場合分け(i)をnetでプラスの自己資本を. ケースと言える.. 持っている「健全な銀行のケース」,. (*). 場合分け(ii)をnetでマイナスの自己資本. 3.2. しかない「不健全な銀行のケース」. ペイオフ関数への効果. 持合経済における銀行,企業発行証券のペイ. (*). と呼ぼう.この場合分けの意味は,表1のよう. オフ関数(式(2))およびその際の場合分けの. に,銀行と企業の倒産・生存をvc(T)の倍で. 意味(*)をふまえて,. 分けて考えると明らかである.このとき株式の. b銀行・c企業の株式 持合強化・解消が両社の信用力および株式のリ. ペイオフ関数値がゼロになると会社は倒産する とした.ケース(i)とケース(ii)の違いは,. スク特性にどのような影響を与えるかを見てみ よう・図2,図3には,ペイオフ関数Db(T),. 事業価値vc(T)の値が下がっていった時の倒 産の順序にある.ケース(i)では企業cの業. sb(T), Dc(T), Sb(T)を,それぞれケース(i), ケース(ii)について描いてある.本論のフレ. 績が悪化したときに,業績悪化の張本人である. ームワークでは,株式持合の強化・解消は,. 企業cが銀行bよりも先に倒産する.これは,. β. の増加・減少とγの増加・減少により表現で き,これによりペイオフ関数が変化する.とこ. 条件α㌔>㌔から,預金全額が本業である融 資で担保されている2)からである.この場合,. ろで,事業価値㌧の確率過程は上のような財 務構成変更の影響を受けないと仮定した.また,. たとえ銀行の保有株式価値sc(T)が0になっ ても(企業cが倒産しても),銀行は倒産せず (預金は返済可能で),貸出金の価値が預金額面. 証券価値は,事業価値過程が定めるリスク中立. を下回ってはじめて銀行が倒産する.これに対. される・よって,. し,ケース(ii)では企業cの業績が悪化した. が各証券のペイオフ関数と価格に及ぼす定性的. とき,企業cに融資・出資をしている銀行bが. 影響(変化の方向)は,. 企業cよりも先に倒産する・これは,条件α㌔. せず,両者は等しい.. 測度に関する,ペイオフ関数値の期待値で算出 β, γなどのパラメータ変化. vcの確率過程に依存. このことを念頭に,ペイオフ関数式(2)お. ≦㌔から,預金の一部が企業cの株式により 担保されているからである(言い換えれば,請. よび図2,図3を見ると,第一に,健全な銀行. 金の一部で株式連用しているからである).こ. のケース(i)における株式持合の強化・解消. の場合,企業cの株式価値sc(T)が,それが担 保すべき額面Fb-αFcより小さくなると,企. が,両社の負債ペイオフに与える影響について, 次のことが分かる(ここで,ペイオフ関数の連. 業cの株式価値が0になる前に(企業cが倒産. 続性からβ,. γの「増加」のみを分析すれば, 全ての結果が得られることに注意しておく).. する前に),銀行が倒産する.以上から(i)は 健全な銀行のケース,. (ii)は不健全な銀行の. 表1 :ケース別の倒産順序 (i)αF(>Fbのとき. *. V'ー≦Fb^aFb/a<Vc<-VL.串vc<v(L. 銀行b. 倒産生存生存. 企業c. 倒産倒産生存. (ii)αF(,≦Fbのとき 銀行b. 企業c. V'.<-FcF(.<V(<-Vc**V(.**<V(.. 倒産倒産生存 L倒産生存生存.

(5) 株式持合と銀行の信用リスク(米揮康博・鈴木輝好) Payoff Value. (注)預金全額が融資で担保される健全な銀行のケース 図2. :負債・株式のペイオフ関数,ケース(i). (αFc>Fb). (注)預金の一部が株式投資で担保される不健全な銀行のケース 図3. :負債・株式のペイオフ関数,ケース(ii). (αFc≦Fb). (177). 41.

(6) 42. 横浜経営研究. (178). 第)Ⅸ巻. (1) βの増加は、両社の負債ペイオフDb(T),. 第3号(1999). の傾きがそれぞれβ/(1-βγ), (1-βγ)だからである.. Dc(T)に影響しない・すなわち,健全. 1/. な銀行のケースでは,. b銀行の増資(減 資)によるc企業株の購入・売却は両社. 第三に,不健全な銀行のケース(ii)における. の信用力に影響しない.. 株式持合の強化・解消が,両社の負債ペイオフ. (2) γの増加はDb(T)には影響しない.一 方,. に与える影響について,以下のことが分かる.. γの増加はDc(T)に影響し,図2 (1') βの増加はβ。(r)には影響しない.一 方, βの増加はDb(T)に影響し,図2. における点x*が水平に左に動く.これ. により,ペイオフDc(T)は無条件に大 きくなるので,企業cの信用力は高くな. における点x**が水平に左に動く.こ. る.. れにより,ペイオフDb(T)は無条件に 大きくなるので,銀行bの信用力は高. (3)上の2つから,健全な銀行のケースにお. くなる.. ける「株式交換による株式持合の強化」 は,特に企業cの信用力を高める.この. (2') γの増加は,両者の負債ペイオフDb(T),. とき, b銀行の信用は変化しない.. Dc(T)に影響しない. (3')上の2つから,不健全な銀行のケース. 第二に,健全な銀行のケース(i)における株. における「株式交換による株式持合の. 式持合の強化・解消が,両社の株式ペイオフに. 強化」はb銀行の信用力を上げる効果. 与える影響について,以下のことが分かる.. がある.このときc企業の信用は変化 しない.. (4)株式のペイオフSb(T),. Sc(T)はβ増加 第四に,不健全な銀行のケース(ii)における. の影響を受ける.区間㌧>Ⅴ*におけ るsb(T), Sc(T)の傾きはそれぞれ, C. β. /(1-βγ),. 1/(1-βγ)なので,. βを増やすと,. sb(T), Sc(T)双方とも. に与える影響について,以下のことが分かる. (6') 「株式交換による株式持合の強化」に. に,傾きが急になる.すなわち,銀行b. が企業c株を買い増すと,. b銀行株, 企業株ともに,よりリスキーなべイオフ. 株式持合の強化・解消が,両社の株式ペイオフ. c. は(6)と同様の効果がある. (6')から 以上(3), (3')および(6),. を持つことになる.特筆すべきは,. b銀. 銀行bと企業cの間の「株式交換による株. 行のみがc企業株を買い増しても,. c企. 式持合の強化」には,どちらか一方のみの. 業の株式特性がハイリスクに変化するこ. 信用力を高め,双方の株式をハイリスクに. とである.. する効果がある. (5)同様のことがγの増加にも言える.すな わちγが増加すると,. b銀行株およびc 企業株ともによりリスキーになる. (6)上の2つから「株式交換による株式持合 の強化」を行うと,両社の株式のペイオ フはよりハイリスクになる.またこの効. ことが分・かった.これとは逆に「株式交換によ る株式持合の解消」には,どちらか一方の信用 力を下げ,両社の株式特性を低リスクにする効 果がある.. 以上の諸結果が得られる原因を直観的に解釈. 果には相乗作用がある.なぜならば,諺. すると次のようになる.持合が効果をもたらす. 当する区間での,両株式のペイオフ関数. 可能性がありうる状況は表の中間の列の場合で.

(7) (179). 株式持合と銀行の信用リスク(米揮康博・鈴木輝好). ある.そこでは銀行,あるいは企業のいずれか. 43. (Ⅲ)預金で株式運用をしている不健全な銀行 の場合には,融資先企業との株式の持合. 一方が生存し他方が倒産しているからである. この場合,倒産している株式を保有すること. の増強による自己資本の増加は保有株式. のメリットはなにもない.したがって健全な銀. の倒産リスクからの影響を弱めることに. 行のケースにおいての銀行,不健全な銀行のケ. よって銀行の信用リスクを低める効果を 持っている.この場合にはその手段が持. ースにおいての企業は生存しているので相手の 倒産の株式を保有(あるいは持ち合い)するこ. 合であろうと,自己資本の増加が急務で ある.. とによる信用改善は期待できない. それに対して倒産の可能性のある銀行,企業. (Ⅳ)健全,不健全を問わず融資先企業との株. 自身,すなわち健全な銀行のケースの企業,お. 式持合の増強は銀行,融資先企業両者の. よび不健全な銀行のケースの銀行は生存してい. 珠式のフィナンシャル・リスクを高める.. る相手企業,あるいは相手銀行の株式を持合保 有することによって倒産の可能性を低め,自社,. 最後に,持合の解消に関して触れておこう.. 自行の信用リスクを低めることが可能となるか. 銀行の保有株式を市場で売却し安全資産相当の. らである.. 資産で保有するいわゆる「株式の流動化」を行 4. 結論. う場合には(それが含み損を出すか否か別にす れば)銀行のリスク資産は減り,自己資本比率. これまでの分析から得られた結論をまとめてお. も高まることになる.この一方的な流動化が可. く.まず主要な結論結果は以下の2点である.. 能であれば銀行の健全性は明らかに高まること になる.. (Ⅰ)貸出が預金と自己資金の一部とから調達. しかし,企業側でこの銀行による自社株の売. されている健全な銀行を前提とする限り,. 却に対して反対することが予想される.それは. 融資先企業との株式の持合の増強による. 銀行との安定した関係を維持することを目的に. 自己資金の増加は銀行の信用リスクに対. 保有してもらっているからであり,それは広い. して何ら影響を及ぼさない.したがって. 意味での安定株主形成を意図しているからであ. このような方法での銀行の自己資本比率. る.・このような状況であり得る解消方法は銀行,. 上昇政策はその目的から見て有効ではな. 企業の双方が同時に株式の交換制度等を用いた. いことがわかる.したがって「分析の目. 株式の同時消却であろう.これは正に本文中で. 的1」に対する答えはノーである.. 触れた持合株式の解消に他ならず,その効果に. (Ⅱ)同様の健全な銀行が株式保有を融資企業. 関しても本文中に明らかにしたように持合形成. との株式持合の過程で行なった場合,そ. の逆となり,信用リスクは不変かあるいは高ま. れの増加は別段,当該銀行の信用リスク. ることがわかる(結論Ⅱ,あるいはⅢ).. を高めるものではない.ただし,融資先. 参考文献. 企業の信用リスクは低める効果を持って いる.したがって「分析の目的2」に対 する答えも,それが銀行の自己資本の減 少の下で行なわれる限りノーである.. 次に副次的な結論である.. [1]. Suzuki, of. T., "Valuing. Cross-Holdings",. JAFEE. Corporate 1999,. InternationalConference,. Debt: The August,. Effect. The. Proceedings. 5th ・. [2]大和総研, 「経済,金融恐慌を回避し,株式市場 を再生させるために一銀行の株式禁止を-」, 1998年10月. [3]日本銀行,金融研究, 1998年10月号 [4] Merton, R.C., "On the Pricing of Corporate Debt:.

(8) 44. (180) The Journal. 横浜経営研究. Risk. of. Structure Finance,. of. lnterest. vo129, May,. Rate",. 第ⅩⅩ巻 第3号(1999) 1974,. pp.449-470.. 注. 2)条件αFc>Fbは「預金全額が融資で担保されて 「貸出が預金と自己資金の一部とから いる」 調達されている」を意味し,条件αFc<_Fbは 「預金の一部が企業cの株式により担保されてい る」 「貸出が預金のみによって調達されてい る」を意味する. 〔よねざわ やすひろ 横浜国立大学経営学部数授〕 てるよし 〔すずき ニッセイ基礎研究所 金融研究部門研究員〕 -. -. max, Dc 1)式(1)を, min演算式を含むDb(T), (T), Sb(T), Sc(T)に関する連立方程式と解釈. し,これを解くことによっても同じ結果が得ら れる..

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