Liesegang 現象(I) : 理科教材としての実験法及び微細構造
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第二部A). 9巻 第1号 第1. Li esegang. 昭和43年9月. 1 象 ( ). 現. 理科教材としての実験法及び微細構造 武. 女. 田. 司. 北海道教育大学函館分校物理学教室. Bun 1 i TAKEDA : Liesegang’s Phenomenon ( i ). Liesegang’ ine Structure and the Di rect 1ransfer N1ethod on sF. Sc j t i i賃i ter ent c Sub ect Ma. ゼ ラ チ ン中 で の 重 ク ロ ム 酸 カ リ と 硝 酸 銀 と の 化 学 反 応 に よ る Li esegang 現 象 を,. 写真 撮影法. でなく, 理科教材として用いられるような直接転写法で実験測定出来る方法を述 べ, 且つ巨視的 層の間の二次性の層 (微細構造) が, 巨視的一次性の層の内部にも存在する事を報告する. SI. 言. 緒. 8 96年, R egang e s 自然現象には, 周期的変化並びに周期的構造をもつものが多々ある. 1 ,E ,Li. に よ っ て 研 究 さ れ, 其 の 後30年 に わ た っ て 多 数 の 研 究 者 に よ っ て と り あ げ ら れ, 今 日 Liesegang. 現象と称されるものは特に有名である, 研究報告も多岐多数であり, 総括的に取り扱 っ た 参 考 )を用 いるのが便利である, 書i. L i es egang 現象で, 一般的なゼラチ ンや寒天を用 いた実験は,「凝豚体 (g〆) の構造」「溶液の 拡散」「化学反応による沈澱物の生成」 の中高理科教育の教材として, 極めて適切なものと 思われ る. 本稿ではこの点に点目し, 筆者の研究室で案出され, 実験教材としての 取り扱いに極めて便 利な 一方法を報告する.. 亦, 巨視的な一次性の Liesegang 現象に対し, 二次現象としての微細構造 を伴なう場合があ ) )は, 一次性の層自体の内部にも存在する 3 り, 従来報告されている一次性の層の間の微細構造2 事を報告する,. S2 実. 験. 方. 法. 種々の Li e segang 現象の発現性のうち, 本稿では, 理科教材として取扱うため, 入手容易な材 料による方法に限定して述 べる, 1) 層の発現法. ゼラチ ンは温度によっ て内部構造 が不安定になるため, 一定の温度領域で実験をしなくてはな ら な い 適 温 は, 15oC か ら 180C の範囲であり, 定量測定を行なうのでなけれ ば恒温設備を必要 .. としない. 筆者の研究室で用いている ゼラチ ンゲル中 での重クロム酸カリ (内部電解質) と硝酸 5c cに 15mg の 重 ク ロ ム 酸 カ リ と 層 銀 (外部電解質) との最適条件での方法を述 べる, 蒸溜水2 Z4) (‐.
(3) . 武. 田. 司. 女. を 明 瞭に す る た め の ク エ ン酸 カ リ 1~2mg を 入 れ, こ れ に 1 ,5g のゼラチンを入れ一時間 膨潤 さ. せ, 膨潤後約 40oC に温めて ゼラチンを溶解させる, 完全溶解後, 溶液をシャーレ一に流し込み,. 15oC~180C で 1 日 放置 し ゲル 化 さ せ る, シ ャ ー レ- は, 硝 子 の 薄 手 の も の が 顕 微 鏡 観 察 に 便 利 で. あり, 大きさは上記の量で ゼラチンが2m mの厚さになる程度のものを使用 する, 1日放置後, 外 部電解質として濃度28%の硝酸銀溶液をピペッ トで 0,3cc シ ャ ー レ- の 中 央 ゼ ラ チ ン上 に 静 か に 滴下する, 滴下後, 1時間程から層が順次形成される, 以上の条件下では, 約24時間で反応を完 了する, 尚, ゼラチ ンの乾燥を防ぐためにシャー レーに蓋をし, 且つ顕微鏡観察をする場合は,. 銀の光による黒色化を防ぐために, 出来るだけ光をあてないように留意しなければならない, ) 層の観察と転写 2. 層の形成から, 硝酸銀のゼラチンゲル中での拡散速度が得られる Photo l のよ う に, 中 心 か ら 外部に向う程層の間隔は広 く層自体 の幅も増加する, 教材として取り扱うには, ただ観察するば かりでなく, 層の間隔や幅を測定することが 望ましいが, 直接ゼラチ ンの上で測定することは困 難であり, 写真撮影法も中高校での方法としては不適当である, ここ で筆者の研究室で考えた, 直 接 法 に よ る 転 写 を 行 な う と よ い, 転 写 に は, ト レー シ ン グペ ー パ ー や パ ラ フ ィ ン紙 の よ う な 透. 明 で 柔 ら か い 紙 を用 い る.. シ ャ ー レ一 よ り 多 少 小 さ め に 切 り, こ の 紙 を 一 端 か ら 徐々 に ゼ ラ チ ン. 上にのせ, 空泡が出来たり, 中央の硝酸銀がゼラチ ン上を押し流されないように注 意して接着さ せる. 完全に紙がゼラチ ンの全面についたら, 直ちに一端から静かに制し, 厚紙やガラス板にの. せ, セロテー プ等で四隅をおさえて乾燥させる, 転写例を Photolに示す. 転 写例は方眼紙 (ト レーシングペーパー) を用 いたものであり, 方眼紙を用いると測定時の中 心点決定に便利である.. 乾燥した用紙は, 層を含むゼラチ ン乾燥膜が剥離することがなく安定であっ て, 測定が極めて容 易である,. 常 ー. ′ ミニ ゾ養 」 畿もぎ侯零そ i弓 鶴 緩醒 鱗 灘麟 滋 . ・. j .三. ‐山一ムー. f Photo l A t t method rans erof Li e segangs phenomenon by di r ec , ,. 更に, 転写後の試料 (シャ ー レ-の ゼラチン) は, 20時間程度で再度転写可能 となり, 顕微鏡 観察を行なわ ず転写のみを目的とするときは, ゼラチンの厚みを 4~5mm 位にしておくと, かな. りの枚数の転写が出来る,. S3 微. 細. 構. 造. 巨視 的 Li esegang・現 象 と し て の 一 次 性 の 層 は,Photo l に見るようなものであるが, 更に顕徴 Z5) (‐.
(4) . Li 1 esegang 現象 ( ). 理科教材としての実験法及び微細構造. erの, 鏡で観察すると, 一次性 の層の間に 二次性の微細な層が形成されていて, これに関する K6hl. t o2 で示すように一次性の層の内部にも 等は 一次性 の層の間のみに 形成するとしている が, Pho 議 蒋 需三島 審 逢 ′ ド三、瀦テ 灘 サ ー 憲きき 護 き ぎ ざぎ ぎ 茅 三 一 . ざ. 3 ) の 研 究 が あ る 微 細 構造 は, ゼ ラ チ ン中 の 不 純 物 と し て 含 ま れ て い る 塩 化 物 が 硝 酸 Schl eus sner ,. 銀と反応し層状に沈澱を形成すると考えられている. 筆者は, この原因について第2報で報告す l e r る. 微細構造は,S2で転写した用紙を顕 徴鏡で観察しても見える, 二次性の層について,K6h. れ 魯. ; 』 考. . \ 、 一 き ざ も. ‐ Photo 2 Phot t ture ruc omi c 1 ogrsPh of 賃nes , ’ ings be tween Li esegang sr ,. iuc Phot Photo 3 t ture omi crograPh of 行nes . in macroscopi ing a cr l ld space ,. to 3 は, 一次性の層の間に出来た二次性の層の顕 徴鏡写真であるが, 層は粒子の 存 在 す る. Pho. 集合体であること が判然とする. 一次性 の層の形成粒子は, 倍率600倍以下では粒子として認め られないかなりの超微粒子であるのに対し, 二次性の層形成粒子は倍率100倍程度でも楽に観察. 1 oto 2 は, 一次性の層 (幅の広い黒い部分であっ て, 内部に二次性の さ れ る 大 形 粒 子 で あ る. PI. 層を含む) と二次性の層 (幅の狭い, 粒子の集合体による黒線) を示したものである が, 二次性 の層は一次性の層の内外をとわず一定の間隔で形成されており, それ自身独自性を有するものと 考えられ, 両者の層形成に際しては, 全く相互作用はないものと判断される. S4 結 Liesegang. 語. 現象中の1例を実験教材に使用 出来るようにとりあげてみたのである が, 特に転写. 5 ) 6 ) を生徒自身 ) 法を用いることによっ て, 従来報告されている Liesegang 現 象 の 種 々 の 法 則 性4. の手によっ て見出し, 科学的思考並びに考察に役立てば幸である. 文. 献. 1 40 n」(河出, 19 ) ゐ.45 1) ・ 伊勢村寿三 : 化学実験学 「物理学l , d-z l oi 2 ) Kbhler: Kol . ,19(1916) 65 , l l i d-Z. 3) Schl o cussner: Ko ,81 (1922)347 . tk 4 ) Morse, Pierce: Z. Phyi . Chem. ,45 (1903)58 , l id-Z inski Ko l l 5) Jab o cz , ,40 (1926) 22 .. id-z l o 6) Schlcussner: Kol , ,34 (1924) 338 ..
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