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Academic year: 2021

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光 工 レク トロニ ク ス へ の 応 用 を 目指 した超 高 速

コ ヒー レン ト非 線 形 光 学 現 象

21世 紀 には高速 光エ レク トロニ クスや,さ らに進ん で光情報 処理な どの全 光学のデ バイ スが開発 さ れ,現 在の エ レク トロニク スに部分 的にでも置 き換わる,い わ ゆるフ ォ トニク スの時代 が くる ことが考 えられて いる.こ の ような オプ トピアを実現す るため には,三 次 の非線形 光学材 料の探 索が鍵 となる. 考 え られる物 質のな かで高分 子,半 導体 が有望視 されて いる.こ の分野の 研究 は最 近その 数が急 激に増 加 してお り,と て も全てを網 羅する ことはでき ないので,本 解説 では,主 に,励 起 パル ス幅あ るいは励 起 電子準位,励 起子 などの位 相緩和 時間程度の 時間内 で終 って しまう非常 に高速 に起ぎ るコ ヒー レン ト な非線形光 学現象 について著 した.

Keywords: ultrafast coherent nonlinear optical phenomena, phase space filling, band filling, optical Starkeffect, femtsecond pump-probe spectroscopy, quantum-well structured semiconduc tors, one-dimensional conjugated polymers

1.半 導 体 の 非 線 形 光 学 効 果 の 機 構 半 導 体 の 非 線 形 光 学効 果 を 引 き起 こす 種 々 の機 構 の寄 与 の度 合 い はCWレ ー ザ ー が パ ル ス レ ー ザ ー か あ る い は そ のパ ル ス幅,レ ー ザ ー 波 長,ま た その 半 導体 の型 や種 類, お よび そ のバ ン ド構 造,あ るい は実 験 温 度 な ど に よっ て大 き く異 な る.例 えば,バ ン ドギ ャ ップが2.7eV程 度 の大 き さのZnSeバ ル ク結 晶 を,室 温 にお い てバ ン ド間遷 移 に共 鳴 したinsの 色 素 レ ーザ ー で励 起 した場 合 には,励 起 子 の ク ー ロ ン遮 蔽 効 果 と,Г=Г0+Г1Nで 表 され る励 起 子 遷 移 の荷 電 担 体 密 度(N)に 依 存 す る スペ ク トル 幅 の 広 が りが 主 た る非 線 形 光 学 機 構 で あ る1). InSbやInAsの よ うにバ ン ドギ ャ ッ プ エ ネ ル ギ ー の小 さ な 半 導 体 あ る い はGaAs の よ うに 中程 度 の 大 き さの半 導 体 で は,バ ン ド充 填,お よ び 連 続状 態 の 遮 蔽 効 果 が 重 要 で あ る. Leeら2)に よ る と, GaAsの 非 線 形 性 の50%が バ ン ド充 填 で 説 明 で き,残 りの 50%が 連 続状 態 の 遮蔽 効 果 に基 づ く.表1に 幾 つ か の半導 体 の バ ン ド構 造 や電 子 状 態 に関 与 す る重 要 な物 理 パ ラ メー タ ー を あ げ る. 表1  い くつ かの 半 導体 の重 要 な物性 パ ラ メータ ー.特 に温度 の指 定 がな い場 合,バ ン ドギ ヤ ップ エネ ルギ-Egお よび 励 起子 スペ ク トル線 幅 因子 Гは300Kに お ける値.Г0と Г1は各1荷 電担体 密 度(N)に 依 存 しな い,お よび依 存す る スペ ク トル線 幅因 子(Г=Г0+Г1N). ER, me, mbは お のお の励 起子 結 合 エネル ギ ー,電 子 お よび正 孔の 有効 質量.こ こで正 孔の 有効 質量 は平 均値((mb=m2b.1mb11)1/3). (文献4)よ り許 可 を得 て転 載) 東 京 大 学 理 学 部 物 理 学 科 〒113文 京 区 本 郷7-3-1. 分 類 番 号6.2, 7.8

Ultrafast coherent nonlinear optical phenomena targetting the application to the optoelectronic devices. Takayoshi KOBAYASHI. Faculty of Science, University of Tokyo.7-3-1, Hongo, Bunkyo-Ku, Tokyo.

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2.フ ェ ム ト 秒 ポ ン プ プ 日 ー ブ 時 間 分 解 分 光 に お け る コ ヒ ー レ ン ト な 非 線 形 光 学 効 果 まず以 下 に フ ェム ト秒 パ ル ス を用 いた 半 導体 の コ ヒー レ ン トな 非線 彩 光 学 効 果 に つ い て, Kochら の 理 論 的 な 取 り 扱 い を簡 単 に紹 介 す る3,4).通常 の ポ ン プ プ ロー ブ実 験 にお いて,電 場 振 幅Epの プ ロー ブ光 の試 料 中 の伝 播 方 向 の 試 料 の長 さ をLと す る と, ƒÂ T(ƒÖ)={|EP(L,ƒÖ)|2pumpon -|Ep(L,ƒÖ)|2pump off}/|EP(L ,ƒÖ)|2pump off (1) ただ し,こ こでLは 試 料 の 光 伝 播 方 向 の サ イ ズ で あ る.透 過率 変化 が 小 さい場 合 に は,

Ep(L,ƒÖ)|pump on=Ep(L,ƒÖ)pump off

+ƒÂEP(L,ƒÖ)pump on (2)

と書 け る の で,

ƒÂ T(ƒÖ)=2Re{Ep*(L,ƒÖ)|pump off ƒÂEp(L,ƒÖ)|pumpon}

/|Ep(L,ƒÖ)|2pump off (3) と近 似 され る.励 起 光 に よ り誘 起 され た 試 料 中の 伝 播 方 向 の位 置xに お け る,プ ロー ブ光 と同 位相,同 角 周 波 数 の分 極Pp (x,ω)に よ り,試料 の位 置xで の プ ロ ー ブ電 場(x,ω) は, Ep(x,ƒÖ)•`EP(O,ƒÖ)+(iƒ¶L/2ƒÃ0c)•çx0dxPp(x,ƒÖ) (4) で与 え られ る(ΩLは レ ー ザ ー 中 心 角 周 波 数).感 受 率xを, ポン プ 光 なLのx0と ポ ン プ 光 に 誘 起 さ れ た δxと に 分 離 して, x(t,t•L)=x0(t-t•L)+Sx(t,t•L) (5) 透過 率 変 化 δT(ω)を δxを 用 い て 表 す と, ƒÂT(ƒÂ)=-AIm(•ç•‡0dtexp [i(ƒÖ-ƒ¶L)t]ƒÂx{t +tp,tp)) (6) と書 け る.た だ し, Aは 比 例 係 数 で あ る. さ て次 に ポ ンプ光 とプ ロ ー ブ光 の 角周 波 数 に つ い て,以 下の よ う な三 つ の場 合 に分 け る. (i)バ ン ドギ ャ ップ よ り充 分 上 に達 す る よ うに,バ ン ド間 励起 を した 場 合 の ポ ンプパ ル ス光 の 角周 波 数 領 域, (ii)励 起 子 共 鳴 か ら低 エ ネル ギ ー側 に離 調 を あ る程 度 大 き くと っ た場 合 の励 起 子 共 鳴 角 周 波 数 領 域, (iii)バン ド中 に充 分 高 い光 子 エ ネル ギ ー で励 起 した場 合 の励 起 子 共 鳴 領 域. 上 の お の お の に お け る 変 化 に つ い て 考 え る.電 場 を E(t)=EL(t)十Ep(t)の よ うに ポ ン プ レー ザ ー 光(L)と プ ロー ブ光(P)と に分 け て,上 の お の おの の 場 合 に当 て はめ る と, i) ƒÂT(ƒÖ)•åRe[•ç•‡0dt exp[i(ƒÖ-ƒ¶L)t] ( e-2rt•ç•‡0dt•Le-t•LEL(tp-t•L)EL*(tp-t•L-t) 図1  緩 和 を考 慮 に入 れ たバ ン ド間遷 移 の 場 合 の透 過 率 変 化 スペ ク トルの 計算結 果.励 起 パル ス レーザ ーの 中心周 波 数 ΩLは,半 導鉢 のパ ン ドギ ャ ップよ りも 充公 に 高 いと 仮 定 して いる.離 調 は σ-1=120/2In2fsで 規格 化 して あ る.ポ ン プパ ル ス レーザ ー の パ ル ス幅 は120 fsで, 緩和 定数 は γ=0.035fs-1, Г=1/200 fs-1と 仮定 して いる.ポ ン プ光 に対す る プ ロー ブ 光の遅 延 時 間 を 最 下 の-400fsか ら 最 上 の+50fsに 至 る ま で50fsづ つ変 え た 場 合 の 時間 分 解 透 過 率 変 化 スペ ク トル を示す(文 献4)よ り許 可 を得 て転載). +e-2ƒÁt•çt0 dtexp[-(2ƒÁ-„C)t•L]EL(t+tp -t•L)EL*(t p-t•L)] (7) (ii) ƒÂT(ƒÖ)•å{ƒÊ4v/(v2+ƒ¢2)}Re[•çtp-•‡dt•çt-•‡dt•LEL(t) •~ EL*(t•L)exp[i(ƒÖex-ƒ¶L(t-t•L)]) +Re((v-iƒ¢)-1•ç•‡0dtEL(t+tp)exp{(i(ƒÖ-ƒ¶L) -v)t}•ç-t+tp-•‡dt•LEL*(t•L)exp[i(ƒÖex-ƒ¶L)(tp-t•L)] (8) (iii) ƒÂT(ƒÖ)•åRe{ƒÁ0-iƒ¢)-1exp{(-iƒ¢+ƒÁ0)tp]} tp>0に 対 し て(9a) ∝Re{γ0-iΔ)-1} tp<0に 対 し て(9b) た だ し, d=ω-ωexは プ ロ ー ブ 光 の 励 起 子 遷 移 か ら の 離 調, tpは プ ロ ー ブ 光 とポ ン プ 光 の 間 の 遅 延 時 間 で あ る.こ れ ら の お の お の の 場 合 に相 当 す る 計 算 の 結 果 を 示 し た もの が,図1∼3で あ る. まず, (i)の 場 合 に は,図1に 示 さ れ て い る よ う に,離 調 Δ=0を 中 心 に 対 称 的 な ス ペ ク トル と な り,遅 延 時 間 が 負 で そ の 絶 対 値 が0に 近 づ い て い く に つ れ て,ス ペ ク トル に 現 わ れ た 振 動 の 周 期 が 広 くな っ て い く.正 の 遅 延 時 間 で は,振 動 は見 られ な く な る.次 に, (ii)の 場 合 は,図2に 見 られ る よ う に,励 起 子 遷 移 角 周 波 数 か らの 離 調 ゼ ロ に 対 し て,非 対 称 で あ る.こ の 場 合 に も 負 の 遅 延 時 間tp<0に 見 超 高速 コ ヒー レ ン ト非線形 光学現 象(小林) 567

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図2  励起 子 遷移 周 波 数 ωex近傍 ス ペ ク トル 領 域 にお け る透 過率 変化 スペ ク トルの 計 算結 果. 120fsの ポ ンプパ ル ス レーザ ー の 中心 周 波 数 ΩLは-106だ け励起 子 遷 移か ら離 調 して いる と仮 定 して いる.離 調 の規 格化 は図 1と 同 じ.最 下 の-500fsか ら最 上の0fsに 至 る ま で100fs間 隔 で プ ロ ッ ト して あ る(文 献4)よ り 許可 を得 て転 載). 図3  励起 子 共鳴 遷移(ωex)に 共鳴 す るスペ ク トル 領域 につ い て 計算 され た透 過率 変 化ス ペ ク トル,ポ ン プ レー ザー 周 波数 ΩLは充分 バ ン ドの 中を励 起 する 条件 ΩL>ωexに な っ て いる.離 調の 規格 化 は図1と 同 じ.最 下の-350 fsか ら最上 の0fsま での50fs間 隔 ス ペ ク トル を プ ロ ッ トしてあ る(文 献4)よ り許 可を得 て 転載). られ た 振 動 は,遅 延 時 間 が0に 近 づ く に つ れ て そ の 周 期, 振 幅 が 増 加 す る.ま た(iii)の 場 合 は 図3か ら わ か る よ う に, 大 き い 負 の 遅 延 時 間tpに 離 調 に 関 し て 対 称 な 振 動 が 現 れ, 振 幅,周 期 が 増 加 し, tp>0で 消 滅 し,そ の 後 に ホ ー ル が 残 る. ア リ ゾ ナ 大 のPeyghambarianの グ ル ー プ5,6)は 以 上 の 図4  温度10Kに お いて, 0.5μm厚 の薄 膜 試 料 につ いて 測 定 し た規 格 化 透 過 率 変 化(ΔT/T)ス ペ ク トル(文 献 4)よ り許可 を得 て転 載). 図5  試 料 温度150KのCds薄 膜 結 晶 を励 起 子共 鳴遷 移 エ ネ ルギ ー よ りも低 いポ ン ピング光 子 エネ ルギ ー(波 長 628nm)を 行 った 場合 の励 起子 共 鳴 領域 の透 過 率変 化 ス ペク トル(文 献4)よ り許可 を 得 て転載). 568 応 用 物 理 第60巻 第6号(1991)

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図6  試 料 温 度10Kの0.5μm厚 のCdSe結 晶 薄 膜 を バ ン ド内 に 励 起 した 場合 の 波 長 領 域 にお ける 透 過 率 変 化 スペ ク トル(文 献3)よ り許可 を 得 て転 載). 理論 的 予 測 に対 応 す る フ ェ ム ト秒 ポ ン プ プ ロー ブの 実 験 を 、 行 った.彼 らは 薄 いCdSe結 晶 あ る い は, CdS結 晶 の 試 料 を用 い て, 620nmの150fsパ ノレス を励 起 光 源 と した. CdSe の場 合 は,バ ン ド間 遷 移(i), (iii)に対 応 し, CdSは 非 共 鳴(ii)に 対 応 す る.図4∼6の 結 果,図1, 2, 3に 非 常 に 良 く対応 して い る こ とが わ か る. この よ うな,コ ヒ ー レ ン トな効 果 は,近 共 鳴 条 件(Δ ω> sГ,こ こで Δω は離 調, Г は均 一 幅, sは2∼3程 度 の 数, 系 は均 一 広 が りが 主 で あ る とす る.)に よ る増 強効 果 を活 か す条 件 下 の場 合 に,実 励 起 効 果 に よ る残 余 の透 過 率 変 化 が 充 分 小 さ け れ ば,パ ル ス幅 の 時 間 で 終 っ て し ま うの で,超 高速 ス イ ッ チ の機 構 と して 用 い られ る可 能 性 が あ る.し か しな が ら(i), (iii)の場 合 に は,バ ン ド間 遷 移 の真 中 を励 起 す る の で,実 励 起 に と もな う吸 収 変 化,お よ び線 形 吸収 に よる損 失 が 問 題 に な る.ま た, (ii)の 場 合 に は非 共 鳴 で あ るか ら実 励 起 は,理 想 的 な場 合 に は余 り問 題 に な らな い が(し か し実 際 に は,二 光 子 吸 収 に よる実 励 起 が 問 題 とな る),二 波 長 の超 短 パ ル ス を用 意 して,非 縮 退 条件 で 行 わ な けれ ば な ら な い とい う問 題 点 が あ る. 最 近, Kochら は光 シ ュ タ ル ク効 果 に対 して,半 導体 中 の 多体 効 果 が どの よ う に影 響 す る か を,半 導 体 の プ ロ ッホ 方 程 式 を用 い た 数 値 計 算 に よ り調 べ た7,8). 3. ACシ ュ タ ル ク 効 果 ACシ ュ タ ル ク効 果 の研 究 は,最 初 は原 子 に つ い て な さ れ た9)こ れ は 非 共 鳴 光 子 の仮 想 的 な,放 出 ・再 吸 収 が 原 子 図7  試 料 温 度15Kの 井 戸層 と 障 壁 層 の 厚 さ100Aの GaAs-AIGaAs多 重量 子 井戸(MQW)の 非 共鳴 励 起 によ る フ ェム ト秒 時 間分 解 吸収 ス ペク トル.励 起 フ ェ ム ト秒 パ ル ス レー ザ ー ス ペ ク トル も左 下 に示 して あ る (文献7)よ り許 可を得 て転載). エ ネ ル ギ ー 準 位 を シ フ ト さ せ る と見 な す こ と も で き る .こ の 効 果 は 自然 放 出(零 点 振 動 に よ る誘 導 放 出)に よ れ ば, ラ ム シ フ トで あ り,外 部 輻 射 場 に よ れ ば, AC(あ る い は光) シ ュ タ ル ク シ フ トで あ る.結 晶 中 の こ の 効 果 は, Cu2Oの1s お よ び2p励 起 子 の 混 合 に シ フ トが 伴 っ て い る と い う 観 測8,10)以 外 に な か っ た.こ の 後,多 重 量 子 井 戸(MQW)構 造 を 製 作 す る 微 細 加 工 技 術 と,フ ェ ム ト秒 レ ー ザ ー 分 光 の 技 術 と結 び つ い て,半 導 体 で も報 告 さ れ る よ う に な っ た. 以 下 に 二 つ の 実 験 例 を 示 す. エ コ ー ル ポ リ テ ク ニ ク のMysyrowiczら11)は, MQW量 子 井 戸 幅100A,障 壁 幅100Aを 試 料 と し, 150fsのCPMレ ー ザ ー を 用 い て ポ ン プ プ ロ ー ブ の 実 験 を 行 っ た.試 料 表 面 に お け る励 起 光 強 度 は1∼10GW/cm2で あ る.図7に こ の 結 果 を 示 す.こ れ か ら わ か る よ う に ポ ン プ 光 が 存 在 し て い る 間,非 常 に 大 き な ス ペ ク トル の 青 方 シ フ トが 見 ら れ る. こ れ は,「 衣 を 着 た 原 子(dressed atom)」 と の 類 推 で あ る 「衣 を 着 た 励 起 子(dressed exciton)」 の モ デ ル で 説 明 さ れ る12).こ れ に よ るACシ ュ タ ル ク シ フ ト量 Δ は,レ ー ザ ー 周 波 数 を ω,励 起 子 共 鳴 周 波 数 を ωex,ラ ビ の 才 差 周 波 数 を Ω と す る と[(ω-ωex)2+Ω2]1/2で 与 え ら れ る. ATTベ ル 研 のKnoxら13)は,同 様 な 実 験 で レ ー ザ ー 光 強 度 の 弱 い 極 限 と強 い 極 限 の 両 方 で 行 っ た.彼 ら は74AのQWをp-i-n ダ イ オ ー ド構 造 に し た 試 料 を 用 い た.ま ず35Kで 行 っ た 弱 励 起(10kW/cm2)の 極 限 で は,図8(a)に 示 す よ う に,吸 収 ス ペ ク トル α(ω)の 励 起 光 に 誘 起 さ れ た 変 化(透 過 率 (%)の 変 化 で 現 し て あ る)は(-dα(ω)/dω)に 非 常 に 良 く 超 高速 コ ヒー レン ト非 線形 光学 現象(小 林) 569

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図8  遅延 時 間Opsに お けるGaAs量 子井 戸(試 料 につ い て は本 文参 照)の フ ェム ト秒パ ル ス励 起 に よる透 過 率変 化 スペ ク トル.励 起 パ ル ス強 度, (a)30MW/cm2. (b)100MW/cm2. (a)で は吸収 ス ペ ク トル α(ω)の プ ロー プ光 周 波数(ω)微 分(-dα(ω)dω)が,透 過 率変 化 と良 くて 致 してお り,こ の よ うな 弱励 起 の場 合 には, 単 純 に シュ タ ル ク シ フ トの み で 記 述 で き る こ と が わか る.一 方, (b)で は,吸 収 ス ペ ク トル微 分(-dα(ω)/dω) はBGで 示 され る よ うな バ ン ドの幅 シフ トに基 づ く負 の窪 み が 見 られ るの に対 して,フ ェム ト秒 透過 率変 化 ス ペ ク トル で は振 動子 強度 の 減少 の ため,こ れが 見 られ な い(文 献9)よ り許 可を 得 て転載). 一 致 し て い る こ とが わ か る.こ れ は理論14,15)と良 く一 致 す る.ま た,こ れ らの 理 論 に基 づ い た数 値 計 算 に よ って,原 子 のACシ ュ タ ル ク効 果 との 差 異 が 明 確 に され た16).す な わ ち,二 次 元 量 子 井 戸 構 造 半 導 体 の 場 合,充 分 に レ ー ザ ー 光 が 弱 く,離 調 も適 当 な大 き さで,バ ン ドギ ャ ップ よ り も 低 い所 を励 起 す る場 合 に は,シ フ トに伴 って 振 動 子 強 度 の 現 象 が 見 られ る原 子 系 と異 な り,純粋 に シ フ トだ け で あ る. 一 方 ,励 起 光 を 強 くして い く と図8(b)に 示 す よ うに,(-d α(ω)/dω)と 一 致 しな くな り,理 論 か ら予 測 され る よ うに, 振 動 子 強 度 の 減 衰 が見 られ た. 図9に,わ れ わ れ が 測 定 した ポ リ ジ ア セ チ レ ン の 一 種 PDA-3BCMU薄 膜 の10Kに お け る フ ェ ム ト秒 時 間 分 解 光 誘 起 吸 収 ス ペ ク トル を示 す.こ の ス ペ ク トル に は各 種 の 非 線 形 光 学 効 果 が見 られ る. まず,ポ ン プ光 とプ ロー ブ光 に よ り誘 起 さ れ た 巨視 的分 極 との 間 の コ ヒー レ ン トな 相互 作 用(縮 退 四光 波 混 合)に よ る 鋭 い槌 色 の ピー クが,0ps前 後 で1.97eVに 現 わ れ て 図9  ポ リ ジア セ チ レンPDA-3BCMU薄 膜 の10Kに お ける フ ェム ト秒 時 間分 解 吸 収 スペ ク トル.波 線 は励起 フェム ト秒 レーザ ー パ ル スの スペ ク トル.励 起 光子 密度 は9.5×104光 子/cm2(文 献13)よ り許 可 を 得 て転 載). い る.非 対 称 な この槌 色 ピー クは,光 シ ュ タル ク効 果 に よ る 励 起 子 吸 収 の 赤 方 シ フ トが 重 畳 した た め で あ る.こ の低 エ ネ ル ギー 側 へ の シ フ トは,理 論 か ら期 待 され る とお りこ れ まで 量 子 井 戸 構 造 半 導 体 な どで励 起 子遷 移 よ り も低 い光 子 エ ネ ル ギ ー で 励 起 す る非 共 鳴 条 件 下 にお い て観 測 され た もの に対 し て逆 方 向 で あ る.著 者 の 知 る限 り共 鳴 ス ペ ク ト ル の バ ン ド幅 内 に励 起 し て シ ュ タ ル ク シ フ トを観 測 した最 初 の 実 験 で あ る.そ の 後, Hullinら17)は, CuCl単 結 晶 に つ い て同 様 な赤 方 シ フ トを,励 起 子 遷 移 エ ネル ギ ー よ り も高 い光 子 エ ネル ギ ー の フ ェ ム ト秒 パ ル ス を用 い て観 察 した. パ ル ス 幅 程 度 の 遅 延 時 間 が 経 過 す る と これ らの コ ヒー レ ン ト効 果 は消 滅 す るが,励 起 子 吸収 飽 和 が 励 起 子 寿 命 の 間持 続 す る. 4.誘 起 位 相 変 調 ポ ン プ プ ロ ー ブ 法 に よ る フ ェ ム ト秒 時 間 分 解 吸 収 分 光 は,通 常 自己 位 相 変 調(四 光 波 混 合 や 誘 導 ラ マ ン散 乱 の 寄 与 もあ る と考 え られ るが)に よ りス ペ ク トル の 広 が った フ ェム ト秒 パ ル ス光 と して用 い る.こ れ は フ ェム ト秒 光 パ ル ス の 大 き い光 電 場 に よ る光 カ ー効 果 に よっ て,パ ル ス幅 と 同程 度 の 時 間 の 間 に 急速 に屈 折 率 が 変 化 す るた め で あ る. す なわ ち ポ ロー ブ光 が位 相 変 調 され,非 線 形 屈 折 率n2が 正 な らば,瞬 時 周 波 数 が ポ ンプ パ ル ス の前 半 部(ピ ー ク まで) は赤 方 シ フ ト,後 半 部(ピ ー ク以 後)は 青 方 シ フ トす る た め,ス ペ ク トル が広 が っ た もの で あ る.こ れ を一 般 化 した の が 誘 起 位 相 変 調 で あ る.つ ま りポ ンプ 光 に よ り,プ ロー ブ 光(ポ ン プ光 と同 じ波 長 の 弱 い光 で も良 い し,白 色 光 で も良 い)の 瞬 時 周 波 数 が 変 わ る効 果 で あ る. 570 応用 物理 第60巻 第6号(1991)

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図10  (a)平 均 粒 径40AのGaAs微 粒 子 の フ エム ト秒 時 間 分 解 吸 収 スペ ク トル(1)非 励 起 の 場 合 の 試料 を 通 過 した プ ロ ー ブ光 スペ ク トル(2)励 起 の 場 合 の 試 料 を通 過 した プ ロー ブ 光 スペ ク トル(3)規 格 化 透 過 率 変 化(ΔT/T)ス ペ ク トル. (b)誘 起 位 相 変 調 を 原 因 と した 場 合 の(a)の(1), (2), (3)に 相 当す る 曲線. 前 出 の 図9のPDA-3BCMU薄 膜 の フ ェ ム ト秒 時 間 分解 スペ ク トル 時 間0ps近 辺 に お け る励 起 波 長 領 域 の微 分 型 ス ペ ク トル は,前 述 のACシ ュ タル ク効 果 の他 に,こ の 効 果 も入 っ て い る と考 え られ る. わ れ わ れ は,ス パ ッ タ 法 に よ り作 製 し た 平 均 粒 径40A のGaAs微 粒 子(広 大 工 大 阪 教 授,常 友 氏 に よ る)フ ェ ム ト秒 時 間 分 解 吸 収 ス ペ ク トル を測 定 し た.増 幅 し たCPM レー ザ ー 出力 を10∼30対1に 分 け て ポ ン プ 光 と プ ロ ー ブ 光 と して用 い た.励 起 と非 励 起 の プ ロー ブ光 スペ ク トル(励 起 光 も した が って 同 じス ペ ク トル)お よび,そ の 差 を図10 に示 して あ る.誘 起 位 相 変 調 に よ るモ デ ル で 計 算 した差 ス ペ ク トル と良 く一 致 して い る こ とが わ か る.こ の比 較 か ら試 料 の非 線 形 感 受 率 の 実 ・虚 部 を それ ぞ れRex(3)=-1×10-10 esu, Imx(3)=6×10-11esuと 求 め た.こ の誘 起 位 相 変 調 は, ポ ン プ プ ロ ー ブ 分 光 に お い て は,い わ ばartefactで あ る が,む し ろ それ を積 極 的 に利 用 して, x (3)を求 め た わ けで あ る.ま た,こ の現 象 を利 用 す れ ば,高 速 の ス イ ッチ も可 能 であ る と考 え られ る.こ の現 象 の 信 号 強 度 は,屈 折 率 の 時 間微 分 に比 例 す る の で,コ ヒー レ ン ト過 程 で な い に もか か わ らず,パ ル ス と同 程 度 に応 答 す る過 程 の寄 与 が 大 き い上, ACシ ュ タ ル ク効 果 と類 似 の ス ペ ク トル 変 化 を 示 す 時 間領 域が あ るの で,こ こ に記 した. 5.ラ マ ン 利 得 お よ び 逆 ラ マ ン 過 程 前 出 の 図9のPDA-3BCMU薄 膜 の10Kに お け る フ ェ ム ト秒 時 間分 解 誘 起 吸 収 スペ ク トル に, 1.79eVと1.71eV にお け る極 小 は ラ マ ン増 幅 に よ る もの で あ る.ラ マ ン シ フ トは1450cm-1と2100cm-1に 対 応 して お り,お の お のC≡ Cお よ びC=C伸 縮 振 動 モ ー ドに相 当 す る.こ の ラ マ ン利 毎 過 程 は励 起 光 子 エ ネ ル ギ ー が 励 起 子 遷 移 エ ネ ル ギ ー よ り

も小 さ い非 共 鳴 条 件 下 で行 わ れ た18,19). ATT Bell Labs.の

Greeneら20),お よ びBell CoreのBlanchardら21)の 行 っ

た実 験 で観 測 さ れ た逆 ラ マ ン過 程(あ る い は ラ マ ン損 失) の逆 過 程 で あ る. 以 上,主 に コ ヒー レン トな超 高速 非 線 形 光 学 現 象 に つい て著 した.こ こで はペ ー ジ数 の 関 係 で 述 べ られ な か った が, この 他 に も,量 子 井戸 構 造 半 導 体 に, DC電 場 をか け て,さ ら にACStark効 果 を 引 き起 こす とい う山 西22)やChemla ら23)アイ デ ア な ど,こ の分 野 は,今 後 もさ らに発 展 して物 質 の エ ネ ル ギ ー(分 布)緩 和 に よ らな い超 高 速 非 線 形 応 答 を 目指 す 研 究 が 成 され て い くだ ろ う.し か しなが ら,量 子 井 戸構 造 半 導 体 や,バ ル ク半 導体 あ る い は半 導体 微 粒 子 の いず れ も,近 共 鳴 で,実 励 起 を避 けな が ら,か つ共 鳴 効 果 に よ る大 き な非 線 形 応 答 を仮 想 励起 に基 づ く超 高速 性 も生 か しなが ら利 用 す る とい う考 え方 は,以 下 の よ うな重 大 な 困 難 が あ る. 超 高 速 応 答 を 目指 す た め に,超 短 パ ル ス励 起 光 は,必 然 的 に スペ ク トル 幅 が 広 くな る.そ の た め 短パ ル ス レー ザ ー に よる実 励 起 を避 け るた め に離 調 を大 き くす る と,一 光 子 共 鳴 効 果 は急 激 に減 少 す る に も拘 らず,二 光 子 共 鳴 効 果 は, ほ とん ど一 定 か ゆ っ く り としか 小 さ くな らず そ の効 果 は, 充 分 に残 るの で,実 励 起 が 伴 って し ま う.そ の た め,速 度 は分 布 緩 和 時 間 に よ り制 限 され て し ま う.こ れ は,半 導 体, 有 機 高 分 子 に共 通 の 問 題 で あ り,筆 者 はむ し ろ緩 和 時 間 の 短 い高 分 子 を用 い る こ とも考 えて い る24).ただ,こ れ が唯 一 の解 で な く,こ れ に も線 形 損 失 の 問 題 が あ り,理 想 的 とい うわ け で もな い. この よ うに現 象 と して は,ま だ 解 決 す べ き問題 は 多 く, また基 礎 物 理 の観 点 か ら も新 しい 現 象 が 発 見 され る可能 性 も多 い に あ り,興 味 の尽 き な い分 野 で あ る.こ こで 紹 介 し た 当研 究 室 の研 究 は,吉 澤 雅 幸,泰 地 真 弘人,徳 永 英 司, 寺 嵜 亨 氏 の 協 力 に よる もの で あ る.記 して 感 謝 した い. 文 献

1) N. S. Peyghambarian, H. Park, S. W. Koch, A. S. Jeffrey, I. E. Potts and H. Cheng: Appl. Phys. Lett. 52, 182 (1988). 2) Y. H. Lee, A. Chavez-Pirson, S. W. Koch, H. M. Gibbs, S. H.

Park, J. Morhange, A. Jeffrey, N. Peyghambarian, L. Banyai, A. Gossard and W. Wiegmann: Phys. Rev. Lett. 57, 2446

(1986).

3) N. Peyghambarian and S. W. Koch: Semiconductor Non lienar Materials in Springer Series in Electronics and Photonics, ed. by H. M. Gibbs, G. Khitrova and N. Peygham barian, p. 7 (Springer, Berlin, 1990).

4) S. W. Koch, N. Peyghambarian and M. Lindberg: J. Phys. C21, 5229 (1988).

5) B. Fluefel, N. Peyghambarian, G. Olbright, M. Lindberg, S. W. Koch, M. Joffre, D. Hulin, A. Migus and A. Antonetti: Phys.

超 高 速 コ ヒー レ ン ト非 線 形光学 現象(小 林)

(7)

Rev. Lett. 59, 2588 (1987).

6) M. Joffre, D. Hulin, A. Migus, A. Antonetti, C. Benoita la Guillaume, N. Peyghambarian, M. Lindberg and S. W. Koch: Opt. Lett. 13, 276 (1988).

7) R. Binder, S. W. Koch, M. Lindberg and N. Peyghambarian: Phys. Rev. Lett. 65, 899 (1990).

8) R. Binder, S. W. Koch, and M. Lindberg: Phys. Rev. B43, 6520 (1991).

9) C. Cohen-Tannouji, J. Dupont-Roc and G. Grynberg: Photons and Atoms: Introduction to Quantum Electrodynamics, (Wiley, New York, 1987).

10) D. Frbhlich, A. Nohte and K. Reimann: Phys. Rev. Lett. 55, 1335 (1985).

11) A. Mysyrowicz, D. Hulin, A. Antonetti, A. Migus, W. T. Masselink and H. Morkoc: Phys. Rev. Lett. m56, 2748

(1986).

12) C. Cohen-Tannoudji, Ann. Phys. (N. Y.) 7, 423 (1962). 13) W. H. Knox, D. S. Chemla, D. A. B. Miller, J. B. Stark and S.

Schmitt-Rink: Phys. Rev. Lett. 62, 1189 (1989).

14) S. Schmitt-Rink and D. S. Chemla: Phys. Rev. Lett. 57, 2752 (1986).

15) S. Schmitt-Rink, D. S. Chemla and H. Haug: Phys. Rev. B37, 941 (1988).

16) C. Ell, J. F. Mueller, K. El-Sayed and H. Haug: Phys. Rev. Lett. 62, 304 (1989); R. Zimmermann: Phys. Status Solidi

(b) 146, 545 (1988).

17) D. Hulin, A. Migus, M. Joffre and A. Antonetti: Proc. Nonlinear Optics NLO'90 w16, Hawaii p. 160 (1990). 18) M. Yoshizawa, M. Taiji, U. Stamm and T. Kobayashi: IEEE

J. Quantum Electron., QE-25, 2532 (1989).

19) T. Kobayashi, M. Yoshizawa, U. Stamm, M. Taiji and M. Hasegawa: J. Opt. Soc. Am. B7, 1558 (1990).

20) B. I. Greene, J. F. Mueller, J. Orenstein, D. H. Rapkine, S. Schmitt-Rink and M. Thakur: Phys. Rev. Lett. 61 (1988). 21) G. J. Blanchard, J. P. Heritage and S. Etemad: Phys. Rev.

Lett. 63, 887 (1989).

22) M. Yamanishi: Phys. Rev. Lett. 59, 1014 (1987).

23) D. S. Chemla, D. A. B. Miller and S. Schmitt-Rink: Rhys. Rev. Lett. 59, 1018 (1987).

24) 小 林 孝 嘉:分 光 研 究40, No. 2, 63 (1991).

(1991年4月1日 受 理)

参照

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