semen quality or those without WBC in semen. In the patients with azoospermia and normal FSH levels (normogonadotropic azzospermia), the antibody (IgG

Chlamydia trachomatis

尿 路 性 器 感 染 症 の 臨 床 的 検 討

第2報Microplate

immunofluorescence

antibody techniqueに

よ る 岡 山 地 方 に お け るC. trachomatis漉浸 淫 度 調 査 と

不 妊 症 患 者 の 抗 体 価 測 定

川崎医大泌尿器科

(主任: 田中啓幹教授:

)

川崎医大微生物学教室

(主任: 松本 明助教授)

天

野

正

道

木

内

弘

道

鈴

木

学

田

中

啓

幹

別

所

散

子

松

本

明

CLINICAL STUDIES OF UROGENITAL

INFECTIONS

WITH

CHLAMYDIA

TRACHOMA TIS

Report 2. The Epidemiology of Chlamydial Infections in Okayama District in Japan

and Detection of Antibodies to Chlamydiae in the Sera of Patients with

Infertility by Means of the Microplate Immunofluorescence

Antibody Technique (MFA)

Masamichi Amano, Hiromichi Kiuchi, Manabu Suzuki and Hiroyoshi Tanaka

Department of Urology, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan

(Director: Prof. H. Tanaka)

Hiroko Bessho and Akira Matsumoto

Department of Microbiology, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan

(Director: Prof. A. Matsumoto)

To examine the epidemiology of Chlamydial infections in Okayama district in Japan and where

Chlamydia trachomatis (C. trachomatis) infections were involved in the cause of male infertility, two

antibodies (IgG and IgM) in the sera collected from 335 patients without chlamydial infections (control)

who visited our hospital, as well as from 92 infertile patients, were measured by means of microplate

immunofluorescence

antibody technique (MFA), in which large inclusions of C. trachomatis L-2 and C.

psittaci Izawa strains were used as antigen. The antibody titers to both antigens in each specimen were

determined by the endpoint at which serum dilution gave specific inclusion staining. When the titer (1: 8

and more) to C. trachomatis was higher than that to C. psittaci, the serum was scored as positive,

con-taining antibody to C. trachomatis. IgM titers over 1: 4 were scored as positive.

The results were summarized as follows:

1. In the control group, the antibody (IgG) was detected in the sera from 25 males (14. 5%) and 32

females (19. 8%). The IgM positive cases were five in males and three in females. The antibody (IgG) to

C. psittaci was detected in the sera from 11 males (6. 4%) and one female (0. 6%). In the pediatric group,

two kind of antibodies to Chlamydiae were not detected in the sera from 37 patients. These results

strongly suggested widespreading infection with C. trachomatis among Japanese adults.

2. In the infertile patients, the antibody (IgG) was detected in the sera from 9 males (12. 9%) and

one female (4. 5%), respectively. The positive rates to IgG antibody of patients in the sterile group or

patients with pus cell in semen (over 10 WBCIHPF) were higher than that of patients with the other

semen quality or those without WBC in semen. In the patients with azoospermia and normal FSH levels

(normogonadotropic azzospermia), the antibody (IgG) was detected in the sera from three patients and

two of them showed inflammatory occlusion of the reproductive tract. Possibility for obstruction of

reproductive tract after urogenital infections with C. trachomatis was thought.

要 旨: 岡 山 地 方 に お け るCtnchomatisの 浸 淫 度 お よ び 不 妊 症 と ク ラ ミジ ア感 染 症 の 関 係 を 明 ら か に

す る 事 を 目的 と し た. 対 象 は 臨 床 上 ク ラ ミジ ア 感 染 症 を 否 定 し た 対 照 群(男 子173例, 女 子162例)と 男

子 不 妊 症70例 と女 子 不 妊 症22例 と した. 方 法 はmicroplate immunofluorescence antibody technique

(MFA)に よ っ てC. trnckonuztis L-2株 に 対 す るIgGとIgM抗 体 価, C. psitaaci IxaweaIzawa株に 対 す るIg

抗 体 価 を 同 一 血 清 に つ い て 同 時 に測 定 し以 下 の 成 績 を え た. 1)対 照 群 のC. trachomatisに 対 す るIgG 抗 体 価 陽 性 率 は, 男 女 共20歳 代 と60歳 代 に ピ ー ク を 有 し, 平 均 陽 性 率 は 男 子14. 5%, 女 子19. 8%で, IgM 抗 体 価 陽 性 例 は 男 子5例, 女 子3例 を み た. 2)不 妊 症 例 のC. trachomatisに 対 す るIgG抗 体 価 陽 性 率 は 男 子12. 9%, 女 子4. 5%, IgM抗 体 価 陽 性 例 は 男 女 共 各1例 を み た. 2)精 液 所 見 とIgG抗 体 価 陽 性 率 の 検 討 で は, azoospermia群 が 他 群 に 比 し18. 7%と 高 値 で あ り, normogonadotropicazzospermia10例 中3例 がIgG抗 体 価 陽 性 で, 内2例 で 精 路 閉 塞 が 証 明 さ れ, C. trachomatis尿 路 性 器 感 染 症 の 後 遺 症 と し て精 路 閉 塞 の 可 能 性 も考 え ら れ た. 3)精 液 中 に 白 血 球 を 認 め る群(≧10/HPF)のIgG抗 体 価 陽 性 率 25. 0%は 認 め な い 群 の 陽 性 率10. 2%に 比 し高 値 でC. trachomatis感 染 症 の 関 与 が 窺 え た. は じめ に 人 々 の 性 に 対 す る考 え が 変 化 し 性 が タ ブ ー で な くな り, ピ ル や 避 妊 リ ン グ の 普 及 と相 侯 っ て 性 は 解 放 され そ れ に 伴 っ て 性 行 為 感 染 症 の 増 加 が 報 告 さ れ て い る1)2). 泌 尿 器 科 で 扱 う こ との 多 い 性 行 為 感 染 症 は 尿 道 炎 で あ り, そ の 原 因 微 生 物 の1つ と し てCklamydia毎 tnchomatsi(C. tyachomatis)が 注 目 され て い る. 近 年 我 国 で も細 胞 培 養 法 や 直 接 塗 抹 法(MicroTrak)に よ る ク ラ ミジ ア 感 染 症 の 診 断 が 可 能 とな り, 実 態 が 明 ら か と な りCtnckonmatis度 が 相 当 高 い こ と が 報 告 さ れ て い る3)4). 著 者 達 もC. trachomatis槻爵 尿 路 性 器 感 染 症 の 臨 床 的 検 討 に 関 す る 研 究 に 着 手 して, 第1報 と し て 本 誌 に 尿 路 性 器 感 染 症 を 疑 った179例 と健 康 成 人30例 を 対 象 に

microplate immunofiuorescence antibody technique

(MFA)に よ っ て 抗 体 価 を 測 定 し た 成 績 を 報 告 した5). 今 回 は 臨 床 上 ク ラ ミジ ア 感 染 症 を 否 定 し う る 男 子 173例 と女 子162例 の 対 照 群 と不 妊 を 主 訴 と して 来 院 し た 男 女92例 の 不 妊 症 群 を 対 象 と し てCtnzckonmatis とC. psittaciに 対 す る抗 体 価 を 測 定 した. これ ら成 績 か ら 岡 山 地 方 の 浸 淫 度 は ど う な の か, ク ラ ミジ ア 感 染 症 が 不 妊 に ど の よ うに 関 与 して い る の か 伺 い 知 る こ と が で き た の で 報 告 す る. 対 象 お よ び 方 法 1. 対 象 1. 対 照 群. 1985年4月 中 の 川 崎 医 大 附 属 病 院 受 診 者

よ り中央 検査 部 台帳 に基づ い て年齢, 性 を考 慮 した う

えで無作 為 に抽 出 し, カル テ記 録 よ りク ラ ミジア感染

症 が臨床 上否 定 され た男子173例 と女子162例 を対 照群

と した.

2. 不妊 症例. 1981年3月18日

よ り1984年8月8日

ま

で に川崎 医大 附属病 院泌 尿 器科不 妊 外来 を受 診 した男

子不妊 症70例 と女 子配偶 考8例 を含 む女 子不 妊症22例

を対 象 とした. 女 子例 は婦 人科 的検査 で 異常 な く, 当

科へ抗 精 子抗 体の測 定 を依頼 された症 例 で あ る.

II. 方法

既 報6)のMFAに

よ って 抗体 価 を測 定 し た. IgGに

つ いて は 同一患 考血 清をC

trachomatisoi

L-2株 とC

psttacu Uxawa株 を抗 原 として測定 し,

両抗 体価 を比 較

した. IgMに

つ いて はCtnCkomatisi

L-2株 を抗原 と

して測定 した.

実験 成績

1. 対 照群

1. 居 住地. 郡 市別 に居 住地 を集 計 し, 全 症例 に対 し

占め る割 合 を求 めた. 川 崎医 大附 属病 院 は岡 山県倉敷

市 に あ り岡 山 市 寄 りに 位 置 す る た め, 地 元 倉 敷 市

32.

8%, 岡 山市13. 7%と 両市 で対照 群 の約半 数 を 占め

た. 残 りの症 例 は県 内の伯 備線 沿 いお よ び倉 敷 以西 の

県 内 と広 島県 の 山陽本 線 沿 いが主体 で あ った(図1).

2. IgG抗 体 価 分 布. え られ た 抗 体価 の評 価 は, C

tnCkonuyt鉛 の場 合,

抗 体価 が8倍 以上 でCpstkieacitの

対す る抗 体価 よ り高値 の 時陽性 と判 定 した. 表1の 男

子173例 に関 しては折 れ 線 よ り左 側25例(14. 5%)が 陽

性 で あ り, Cjkgleoitqに つ い て は 破 線 よ り右 側11例

(6.

4%)が

陽 性 で あ った. 両抗体 価 の どち らか8倍 以

上 の40例 中用 い た異種 抗 原 に対 して 同一抗 体価 を示 し

た症例 は4例(10%)を

みた. 女 子 にお いて は162例 中

CtnCkonfeyに

対 す るIgG抗

体 価 陽 性 例 は32例

(19.

8%), Cpstttoykに 対 す るIgG抗 体価 陽 性例 は1

例(0. 6%)で,

用 いた異種 抗 原 に対 して 同一 抗体価 を

示 した 症例 はな か った(表1).

3. 性別, 年齢 別IgMとIgG抗

体価 分 布 とIgG抗 体

価 陽性 率. IgM抗

体価 は4倍 以上 を陽 性 とした. 男子

のIgM抗

体 価 陽 性 例 は5例

で, そ の 年 齢 分 布 は,

16∼19歳1例,

20歳 代2例, 40歳 代 と60歳代各1例 で

あ った. IgG抗 体価 陽性 例 は25例 あ り,

そ の年齢 分布 は

20歳 代 と60歳代 に ピー クを有 す る2峰 性 で, 15歳 以下

の17例 で は, どち らの抗原 に対 して も陽性 例 は なか っ

た. 女 子 で はIgM抗

体 価 陽性例 は3例 で, 年齢 は全 例

30歳 代 で あ った.

IgG抗 体 価陽 性例 は32例(19. 8%)で,

年 齢 分 布 は 男 子 同 様20歳 代 と60∼70歳 代 に ピ ー ク が あ り, 高 齢 考 で 陽 性 率 が 高 い 傾 向 を 認 め た. 女 子 に お い て も15歳 以 下 の10例 で は 両 抗 原 に 対 し て 抗 体 価 陽 性 例 は み られ な か っ た(表2). CtnCkonuzttsとCpsiflattaciCfに 対 す る 性 別, 年 齢 別 IgG抗 体 価 陽 性 率 は, C tnCkontloaktissに関 し て は 男 女 共20歳 代 と60歳 代 に ピ ー ク が あ り60歳 以 上 の 女 子 で 陽 性 率 が 著 明 に 高 か った. これ らは そ の 時 代 の 社 会 情 勢 を 反 映 し て い る も の と考 え る が 詳 細 は 不 明 で あ る. σ psfttPCfに つ い て は, 男 子 で は19歳 の1例 の み 陽 性 で, 平 均 陽 性 率 は 男 子6. 4%, 女 子0. 6%と 男 女 間 に 著 明 な 差 を 認 め た(図2). 4. IgG抗 体 価 陽 性 例 の 臨 床 診 断. 疾 患 の 後 の 数 字 は 症 例 数 を 示 し, 症 例 数1の 場 合 は 省 略 し た. C tn-Ckonuz漉 とCpsittcfの 両 者 に お い て, そ の 臨 床 診 断 に 特 異 な傾 向 は 認 め な か っ た(表3). II. 不 妊 症 例 ク ラ ミジ ア感 染 症 と不 妊 症 の 関 係 に つ い て は, 女 子

図1 対照群の都市別地域分布

岡 山 県

対 象 335症 例 □: 32. 8%(鰍 市) ■13. 7%(岡 山市) 5∼10 go 2. 5∼4. 9%

□:

1∼2m

で は 感 染 症 の 後 遺 症 と し て 卵 管 閉 塞 が 生 じ不 妊 症 を 惹 起 す る と言 わ れ て い る6)∼8)のに対して, 男子 で は 検 討 も少 な くい ま だ 不 明 で あ る9)10). 著 者 らは 男 子 不 妊 症70例 と女 子 不 妊 症22例(20歳 代 7例, 30歳 代15例)に つ い て 血 清 抗 体 価 を 測 定 し そ の 分 析 に よ り両 者 の 関 係 を 検 討 し た.

1. CtnCkonuztisL-2株 とCpsittaci Izawa株 に 対

す るIgG抗 体 価 分 布. 男 子 で はCtnCkonmatis陽 性9 例(12. 9%), Cpsittaci陽 性6例(8. 6%), 同 一 抗 体 価 を 示 した 症 例 は1例(1. 4%)で あ っ た. 女 子 で はC tnCkon四tた 陽 性1例(4. 5%), C. psittpcu陽 性1例 (4. 5%)で, 同 一 抗 体 価 を 示 し た 症 例 は な か った(表 4), 2. 男 子 年 齢 別IgG抗 体 価 分 布 と 陽 性 率. 年 齢 別 IgG抗 体 価 分 布 に 特 別 な 傾 向 は み られ な か った. IgG 抗 体 価 陽 性 率 は20歳 代30. 0%, 30歳 代6. 4%で, 40歳 代 と50歳 代 で は 陽 性 例 は な く, 平 均 陽 性 率12. 9%を え た. この 数 値 は 男 子 対 照 群 の 平 均 陽 性 率14. 5%に 近 い 値 で あ っ た が, 対 照 群 の20歳 代 と30歳 代 の 陽 性 率 は お の お の21. 4%と17. 2%で, 不 妊 症 群 は20歳 代 で 約10%高 値, 表1 対 照 群 に お け るCtnzCkomatis(L-2株)と Cpstttaic(Izawa株)に 対 す るIgG抗 体 価 分 布 [Male] [Female]

30歳 代 で は 約10%低 値 で あ っ た. 20歳 代 と30歳 代 を ま とめ て 比 較2す る と, 男 子 不 妊 症13. 4%(9/67), 男 子 対 照 群21. 5%(11/51)と 不 妊 症 群 が8. 1%低 値 を 示 した. 女 子 不 妊 症 で は 陽 性 例1例(4. 5%)で, 女 子 対 照 群 の 20歳 代 と30歳 代 の 平 均 陽 性 率16. 2%に 比 し低 値 で あ っ た. 女 子 陽 性 例 は28歳 で, IgG 16倍, IgM 8倍 の 抗 体 価 を 認 め た. IgM抗 体 価 陽 性 例 は, 男 子1例(29歳, IgG 16倍, IgM 4倍)と 女 子1例(前 述 の28歳 症 例) を 経 験 した. 8不 妊 夫 婦 で 抗 体 価 を 測 定 し, 7組 は 共 に 陰 性 で, 1組 の 夫 の み 陽 性(IgG 16倍, IgM 4倍 以 下)所 見 を 認 め た(表5). 4. 精 液 所 見 別IgG抗 体 価 分 布 と陽 性 率 1)精 子 数. 各 群 のIgG抗 体 価 陽 性 率 は,

azoosper-mia(16例)18. 7%, severe oligozoospermia(10×106/

m1以 下, 20例)10. 0%, fair oligozoospermia(40>, ≧ 10×106/m1, 17例)11. 8%お よ びnormozoospermia (≧40×106/ml, 17例)11. 8%で, azoospermiaの 陽 性 率 が 他 群 に 比 し高 い 傾 向 を 認 め た が, 各 群 のIgG抗 体 価 分 布 に は 特 別 な傾 向 は み られ な か った. 2)精 子 運 動 率. 運 動 率 とIgG抗 体 価 に つ い て の 検 討 はazoospermia 16例 を 除 く54症 例 で 実 施 した. IgG 抗 体 価 陽 性 率 は運 動 率60%未 満9. 7%, 60%以 上13. 0% の 成 績 を 得, CtnZCkon四 趣 感 染 症 が 精 子 の 機 能 障 害 を 引 き起 こ して い る 可 能 性 は低 い もの と考 え られ た. 3)精 液 中 白 血 球 数. 鏡 検400倍 下 の 白 血 球10個 未 満 の54例 に お け る陽 性 率10. 2%に 対 して10個 以 上 の16例

表3 対照群陽性例 の臨床診断

図2 対 照 群 に おけ る性 別, 年 齢別IgG抗 体 価 陽 性 率 ■C, trachomatis ■C. ps日ttaci □Obscure Cases (same titer1

で は25. 0%とIgG抗

体 価 陽性 率 は, 約2倍 高値 で あ っ

た. 感 染 症 を有 す る症例 でC

tnCkonuatusに 対す る

IgG抗 体価 陽 性率 が 高 くCtacginatusの

関与 を示唆

す る成績 と考 えた(表6).

4)azoospermia症 例 の 検 討. 精 子 数 別 の 検 討 で azoospermia症 例 のIgG抗 体 価 陽 性 率 が 他 群 に 比 し 高 値 で あ った の でazoospermia 16例 に つ い て 詳 細 な 検 討 を 加 え た. 16症 例 をspemlatogenesisを 最 も 良 く 反 映 し て い るFSHで(正 常 上 限 を20mIU/mlと して)

normogonadotropic group (case 1∼10)

とhyper-gonadotropic group(case 11∼16)の2群 に 分 け て み

る と前 考 に お い てIgG抗 体 価 陽 性 例 は3例 あ り, 症 例

4と5で 明 ら か に 精 路 通 過 障 害 が 造 影 と手 術 で 確 認 さ

れ, 精 巣 生 検 所 見 か ら は, primary testicular dysfunc-tionと は 考 え られ な い結 果 で あ り, C tnCkonmialtis尿 路 性 器 感 染 症 の 後 遺 症 と し て の 精 路 閉 塞 の 可 能 性 も考 え られ た. 残 りの 陽 性 例(case 9)で は, 順 行 性 の 精 路 造 影 で は 閉 塞 を 証 明 で き な か っ た が, 逆 行 性 の epididymographyを 施 行 し て い れ ぽ 何 ら か の 閉 塞 所 見 が 得 ら れ た の で は な い か と 推 察 し た.

hypo-gonadotropic groupで は 明 らか なprimary testicular

dysfunctionの 結 果 が 得 ら れ, IgG抗 体 価 陽 性 例 は み られ な か った(表7). 考 按 著 者 らが, 今 回 の抗 体 価 測 定 に使 用 したMFAはC tnzCkonuatisをL細 胞 中 で 培 養 し た 封 入 体 をethanol 固 定 保 存 した も の を 抗 原 と して 用 事 実 験 に 供 す る こ と が で き る の で 抗 体 価 を短 時 間 に測 定 す る こ と が 可 能 で あ り, 同 時 に 多 数 の ク ラ ミジ ア細 胞 を 包 含 し て い る 封 入 体 そ の も の を 対 象 と し て特 異 蛍 光 の 有 無 を み る の で 判 定 は 容 易 で 確 実 で あ る. 同 一 血 清 に つ い てC tn-CkomatsiとCpsfttpctに 対 す るIgG抗 体 価 を 測 定 し 比 較 す る方 法 に よ っ て95%の 確 率 で 抗 体 産 生 に 関 与 し た 種 の 同 定 が 可 能 と な った11)12). 表4 不 妊 症 例 に お け るC. tnCkonuztis(L-2株)と Cpsittaci(Izawa株)に 対 す るIgG抗 体 価

(-): Female case, Positive rates:

Male 12. 9%(9/70) Female 4. 5%(1/22)

表5 男 子 不 妊症 例 に おけ る年 齢 別IgG抗 体 価 分 布 と

陽 性 率

本 邦 に お け るC. trachomatisの 浸 淫 度 を 知 る 一 助 と し て 対 照 群(当 院 受 診 者 で 臨 床 上 ク ラ ミジ ア 感 染 症 が 否 定 さ れ た 症 例)に つ き 抗 体 保 有 率 を 性 別, 年 齢 別 に 算 出 し報 告 し た. 沼 崎 ら3)はCtnCkomatis L-2株 を 抗 原 と し てmicro-IF法 を 実 施 し, IgG抗 体 価8倍 以 上 を 陽 性 と 判 定 し 抗 体 保 有 率 を 算 出 し て い る. そ の 結 果 札 幌 で は, 妊 婦(137例)18. 2%, 膀 帯 血(120検 体) 31. 3%, 小 児(566例)20. 7%, 健 康 人(183例)で は, 16∼19歳25. 0%, 20歳 代26. 7%, 30歳 代28. 6%, 40歳 代23. 3%, 50歳 代26. 7%お よ び60歳 代20. 0%で 性 差 に つ い て は 触 れ て い な い. 彼 らの 成 績 に 比 し 著 者 らの そ れ は, 小 児 の 陽 性 率 は0%で, 16∼50歳 ま で の 陽 性 率 が 低 い 点 で あ る. 両 者 の 差 を 地 域 差 と結 論 づ け るた め に は, 測 定 法, IgG抗 体 価 陽 性 の 判 定 基 準, 被 検 考 の 増 加 と検 討 す べ き課 題 を 残 し て い る. 今 後 著 考 らは 対 照 群 の 抗 体 価 測 定 を 継 続 し て, 岡 山 地 方 に お け るCtn-Ckon脇 漉 の 浸 淫 度 の 推 移 を 把 握 し て ゆ く予 定 が あ る. 海 外 で のC tnZckom,kuksの 浸 淫 度 に つ い て は, Kadovaら14)が カ ナ ダ の マ ン ト・ミで 調 査 した 成 績 を 報 告 し て い る. 健 康 人1, 877例 を 対 象 に 間 接 蛍 光 抗 体 法 で 抗 体 価 を 測 定 し, 10倍 以 上 を 陽 性 と判 定 し抗 体 保 有 率 を 算 出 し て い る. そ の 成 績 は 供 血 者 男 子(156例) 40. 4%, 女 子(150例)54. 0%, 婚 前 血 液 検 査 受 診 者 男 子(203例)49. 3%, 女 子(238例)50. 8%, 妊 婦(202 例)75. 7%, 小 児(191例)17. 8%で, い つ れ の グ ル ー

プにお いて も高 い抗体 保有 率 を報 告 して い る. 沼崎 ら

の成 績 との比 較 では, 成人 男女 と妊 婦 に関 しては カナ

ダの方 が著 明に高 く, 小児 で はほ ぼ同率 であ った. 第

3回 クラ ミジ ア研 究会(1985年7月,

千葉)に お いて

他 施 設 で もMFAに

よ る疫 学調 査成 績が報 告 され てお

り, MFAが

今後広 く利用 され る こ とを期 待 す る と共

に, 同一 方法 で測 定 し同一 基準 で判 定 された各 地 の成

績 と年 次的 推 移 の成 績 が 判 明す る と我 国 に お け るCl

tnzckonmatisの浸 淫 度 が明 らか にな る もの を期 待 して

い る.

男 子不 妊症 の一 因 として尿路 性器 感染症 の関与 が挙

げ られ てい る. そ の理 由の1つ と して前立 腺液 中 の 白

血 球 につ い て男子 不妊 症患 考 の方 が健康 成人 に比 し多

い との報 告 があ る15).

従 来 男子不 妊症 に関 係 あ る原 因

微生 物 と してUreaplasma urealyticumに

つ い て検 討

が な され, 検 出率, 検 出例 に おけ る精 子 の電顕 的観 察,

tetracyclin系 抗 生物 質 に よ る治療 成 績 な どが報 告 さ

れ てい る16)∼18)が,

い まだUreaplasma感

染 が不妊 の原

因 とな って い る との証 明は な され て いない.

GtnChomnptis尿

路性 器感 染症 が男 子不妊 症 を惹起

す る もの と してそ の病 因を考 える と,

1)感 染 に よる精

子へ の影 響 と して形 態的 変化, 精 子数減 少, 運動 率 と

生死 率 の低 下, 2)後 遺症 と して の精路 閉塞 が考 え られ

る. 前者 で は感 染症 が遷 延 しなけれ ば不妊 症 は成立せ

ず, 著 考 らの精 液 所見 とIgG抗 体 価陽 性率 の検 討か ら

表7 無精子症患者 の検査所見

も可 能 性 は 低 い と考 え ら れ た. 精 路 閉 塞 は 男 子 不 妊 症

の7. 4%を 占 め る と 報 告 さ れ19), Wagenknecht20)は 精

路 閉 塞453例 中 炎 症 の 後 遺 症 は5. 2%を 占 め た と報 告 し

て い る. 著 者 ら の 男 子 不 妊 症70例 の 検 討 で は,

nor-mogonadotropic azoospermia 10例 中3例 でIgG抗

体 価 陽 性 で, 内2例 でCtnCkonyktaiut感 染 に よ る精 路 閉 塞 の 可 能 性 も考 え ら れ た. 今 後normogonadotropic azoospermia症 例 に 対 しCtnCkoceyts感 染 の 検 索 が 特 に 必 要 と考 え て い る. Nikkamenら9)は, 男 子 不 妊 症21例 と健 康 成 人56例 を 対 象 にCtnZCkonatis2株 を 抗 原 とす る 蛍 光 抗 体 法 でIgG抗 体 価 を 測 定 し, 16倍 以 上 を 陽 性 と判 定 し抗 体 保 有 率 を 算 出 し て い る. そ の成 績 は 男 子 不 妊 症57%, 健 康 成 人20%で 両 考 の 抗 体 価 保 有 率 に 有 意 差(p< 0. 05)を 認 め て い る が, 考 按 と し て 男 子 不 妊 症 と ク ラ ミ ジ ア 感 染 症 の 関 係 に 触 れ, 男 子 尿 道 炎 の 症 状 は 軽 ぐ, 精 学 上 体 炎 や 前 立 腺 炎 の 合 併 率 は低 く, 軽 症 例 が 多 い こ と よ り両 者 の 関 係 は 薄 く, た と え あ った と し て も 女 子 に 比 し は る か に低 い と述 べ て い る. 著 者 ら もNikkamenら の考 え に 同 意 す る が, 男 子 不 妊 症 と ク ラ ミジ ア感 染 症 の 関 係 に つ い て の研 究 は 緒 に つ い た ば か りで あ り, 可 能 性 が あ る か ぎ り今 後 さ ら に 検 討 を 要 す る テ ー マ と考 え る. 現 在 ク ラ ミジ ア感 染 症 は 世 界 的 に 流 行 し, 蔓 延 化 し て い る と言 わ れ て い る. 我 国 も 例 外 で な く今 後 ク ラ ミ ジ ア 感 染 症 の 実 態 を 正 確 に把 握 し て そ の 成 績 を 国 民 に 正 し く伝 え 啓 蒙 す る こ と に よ っ て 国 民 を ク ラ ミジ ア感 染 症 か ら守 る一 助 に な りた い と思 っ て い る. ま と め MFA法 に よ っ て 対 照 群(当 院 受 診 者 で 臨 床 上 ク ラ ミジ ア感 染 症 を 否 定 さ れ た 症 例)と 不 妊 症 患 者 を 対 象 にCtnzCkomnp跳L2株 に 対 す るIgGとIgM抗 体 価 を 測 定 し, 岡 山 地 方 に お け るCtrrecdkolmatsifsの 浸 淫 度 を 調 査 す る と共 に 男 子 不 妊 症 と ク ラ ミジ ア 感 染 症 の 関 係 を 検 討 し 以 下 の 成 績 を えた. 1. 対 照 群 のCtnCkonatisに 対 す るIgG抗 体 価 陽 性 率 は, 男 女 共20歳 代 と60歳 代 に ピ ー ク を 有 し, 平 均 陽 性 率 男 子(173例)14. 5%, 女 子(162例)19. 8%で, IgM抗 体 価 陽 性 例 は 男 子5例, 女 子3例 を み た. 2. 対 象 群 のC. psitkaoiidこ対 す るIgG抗 体 価 陽 性 率 は, 男 子6. 4%, 女 子0. 6%で 男 女 間 に 著 明 な 差 を 認 め た. 3. 不 妊 症 例 のctnlCkomtuに 対 す るIgG抗 体 価 陽 性 率 は, 男 子12. 9%(9/70), 女 子4. 5%(1/22)で, 年 齢 を マ ヅ チ させ た 対 照 群 との 比 較 で は, 男 子 で は 約 6%, 女 子 で は 約12%低 値 で あ っ た. 4. 精 液 所 見 とIgG抗 体 価 陽 性 率 の 検 討 で は, azo-ospermia群 が 他 群 に 比 し高 値 で あ り,

normogonado-tropic azoospermia 10例 中3例 でIgG抗 体 価 陽 性 で,

内2例 で 精 路 閉 塞 が 証 明 さ れ, CtnCkonaltioa感 染 の 後 遺 症 と して の 精 路 閉 塞 の 可 能 性 も考 え られ た. 5. 精 液 中 に 白血 球 を 認 め る群(≧10/HPF, 16例) のIgG抗 体 価 陽 性 率 は25. 0%で, 認 め な い 群(54例) の 陽 性 率10. 2%に 比 し高 値 で, 男 子 不 妊 症 に 対 す るCl tnZCkonatisの 関 与 が 窺 え た. 本 論 文 の要 旨は, 第14回 国際 化 学療 法学 会, 第73回 日本 泌 尿 器 科 学会 総 会, 第33回 日本化 学 療法 学 会 総 会, 第30回 日本 不 妊 症 学会 総 会, 第7回STD研 究会, 第26回 日本 臨 床 ウィ ル ス学 会, 第3回 中 国・四 国 ウイル ス研 究 会, 第3回 ク ラ ミ ジ ア研 究会 で 口演 した. 文 献 1) 熊 本 悦 明, 嶋 田 甚 五 郎: Chlamydia感 染 症, Today'therapy'85, 9, 100-105, 1985, 2) 西 浦 堂 雄: STD・ 総 論. 臨 床 と細 菌. (臨 時 増 刊), 7-14, 1985. 3) 加 藤 直 樹, 伊 藤 康 久, 出 口 隆, 兼 松 稔, 坂 義 人, 河 田 幸 雄, 西 浦 堂 雄, 鄭 漢 淋, 土 井 達 朗, 酒 井 俊 助, 松 田 聖 士: Chlamydia trachomatisの 尿 道 炎 患 考 か ら の 分 離. 感 染 症 誌, 58, 29-38, 1984. 4) 沼 崎 啓, 千 葉 峻 三, 山 中 樹, 中 尾 亨, 梅 津 征 夫, 吉 田 豊: 新 生 児 結 膜 炎 患 者 よ り の Chlamydia trachomatis分 離. 医 学 の あ ゆ み, 126, 683-685, 1983. 5) 天 野 正 道, 鈴 木 学, 田 中 啓 幹, 大 田 修 平, 別 所 傲: 子, 松 本 明: Chlamydia trachomatisに よ る. 尿 路 性 器 感 染 症 の 臨 床 的 検 討. 第1報Microplate immunoflorescence antibody techinqueに よ る 抗 体 価 測 定. 日 泌, 76, 1294-1302, 1985. 6) Terho, P.: Chlamydia trachomatis and

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chlamydia trachomatis in the endometrium despit appearent clinical cure of acute gitis. J. A. M. A., 250, 2461-2465, 1983, 8) 斉 藤 巧: 性 行 為 感 染 症. 新 内 科 学 大 系. 年 刊 版

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