2019 年、2020 年の 20 か月間にわたり、東京ビッグサイトがオリンピックのメディアセンターとし て使われるため、多くの展示会が縮小や中止になる恐れが出ている。 この「オリンピック 展示会場問題」に関し、展示会業界メディアの「国際イベントニュース」が、 2017 年 2 月 10 日付で、超党派の展示会産業議員連盟(正式名:新産業創造推進議員連盟)の漆原良夫 幹事長と、自民党 展示会産業議員連盟の秋元司幹事への2 つのインタビュー記事を掲載した。 また、同紙には「メディアセンターを豊洲市場に建設する案」についての記事も掲載された。この案は、 去る1 月 26 日に日展協が東京ディスプレイ協同組合(以下、東デ協)、電設協議会と合同で開いた記者 会見で発表されたものであり、テレビ、新聞、ネットなど各メディアで、今、話題を集めている。 日展協の国内広報委員会は、これらは極めて重要な情報であり、全ての出展社、来場者、支援企業、 展示会主催者、さらには政治行政、経済界の方々にお知らせすべきだと判断したため、「国際イベント ニュース」から転載の許可を得て、追加の情報も付記しながら、紹介することとなった。 まず、下の記事は超党派の展示会産業議員連盟 幹事長の漆原良夫衆議院議員のインタビューだ。弁 護士でもある同氏は「期待権」という言葉を紹介しながら、「展示会業界はおとなしすぎる。出展企業や 展示会関係者は、もっと権利を主張すべきだ」と指摘している。
マスコミ
の
インタビュー
に
答
え
て、
日本展示会協会からビッグニュース(17/02/28) 国会議員が「2020 年も展示会継続は当然の権利だ」と明言
超党派 議員連盟の 漆原
う る し ば ら幹事長
が
明言!
「2020 年
も
継続開催」
は
当然
の
権利
次に紹介する記事は、自民党 展示会産業議員連 盟の幹事を務める秋元司衆議院議員のインタビュ ーである(右下参照)。 秋元議員は東京ビッグサイトがある江東区の選 出議員。地元には装飾・ディスプレイ業者など300 を超える支援企業があるため、同氏の元には「オリ ンピック 展示会場問題」に関する多数の陳情が寄 せられており(一例として、右の写真)、現場の切 実な声を理解している国会議員の一人だ。 秋元議員はビッグサイトの1/4 の規模の仮設展 示場建設を決めた東京都の対応に理解を示しつつ も、現状では問題解決に至っていないと考えている。 そのため、問題解決のためには、ビッグサイトと同 規模 (8 万㎡) の代替展示会場を造るこ とが不可欠だと考え、その実現に全力を挙 げている。 さらに秋元議員は、「問題解決に残され た時間は限られており、都議会や国会での 議論をもっと強く巻き起こさなければな らない。そのためには、出展企業、来場者、 支援企業、主催者がもっと大きく声をあげ ることが必要だ」と強調している。 例えば「声をあげる」方法として、次の ようなやり方がある。①日展協の署名活動 に参加し、再び日展協が小池知事へ陳情す るよう促す(5 ページ参照)、②口頭でも 文書によってでも構わないので、地元の国 会議員に陳情する。東京都在住の方は、東 京都議会議員に陳情する、③自分の属する 組合や業界団体でまとめて陳情書を作成 し、日展協、国会議員、地方議員、行政などに提出する、④各メディア に自分の意見を投稿する…など、無数にあると思われる。 なお、日展協が 1 月 20 日に小池知事に提出した陳情書は、日展協ホ ームページで公開されているので(下記リンク先参照)、それを参考にし、 陳情書を作成するのも効率的と思われる。 (http://www.nittenkyo.ne.jp/image/170127_chinjyousho.pdf)。
自民党 議員連盟
の
秋元幹事
が
力説
もう時間がない、解決を急げ!
東デ協の吉田理事長ら幹部が 2 月 13 日に秋元議員を訪問 し、問題解決を求める陳情書を提出した。前号の日展協ニュース(http://www.nittenkyo.ne.jp/article/15593621.html)で報じた通り、日展協 は去る1 月 26 日に東デ協、電設協議会と合同で記者会見を開き、「小池知事に対し8 万通の請願署名を 提出し、その中で、全面解決のために以下の2 点を提案した」と発表した。 提案① 全ての展示会が例年と同じ規模で開催できるよう、ビッグサイトと同規模の仮設展示場(8 万㎡) を首都圏に建設していただきたい。 提案② できればメディアセンターを、ビッグサイト以外に新設して頂きたい。 その一案として、「安全性の検証が長期化する恐れがある豊洲新市場を、五輪後までメディアセ ンターとして使用する」 特に、提案②に関しては、国内外のメディアが強い関心を持ち、数多く報道した。その結果、ネット 上を中心にして圧倒的多数の方が賛同意見を述べているので、以下、その理由を紹介する。一方、「汚 染されている土地と言われているので、外国メディアに失礼にならないか」「すでに様々なことが決ま ってしまっている中、現実的に難しいのではないか」という慎重な意見もあることを付記しておく。
■ 「豊洲市場をメディアセンター
に
する
案」 に賛同する理由
① ネット上で圧倒的多数の反応 「妙案だ」
豊洲をメディアセンターとして使い、ビッグサイトはそのまま展示会場に使うのは妙案だ(数 の上で圧倒的に多かった意見)。 築地市場を豊洲に移転するのは、現在のところ、難しい状況だが、一方すでに6,000 億円を かけた豊洲市場の活用を考えざるを得ない。小池知事にとっても、東京都議会にとっても、 豊洲をメディアセンターに使用することは、一挙両得の素晴らしい案ではないか。 生鮮食品を扱わないなら土壌汚染も関係ないので、メディアセンターに使える。 もともとビッグサイトをメディアセンターに使用するのに 20 か月をかける予定だったのだ から、豊洲市場を利用すれば、費用と時間を大幅に節約できる。② 東デ協 吉田理事長 「豊洲市場は何にでも転用が可能」
ビッグサイトは従来通り展示会場として使用でき、仮設展示場(23,000 ㎡)の建設費も不要に なる。その分を豊洲をメディアセンターに改修する費用に充てればいい。 小池知事の市場問題プロジェクトチーム委員である森山高至建築士の意見を記事で読んだが、 豊洲市場の内部は殆どが大きな空間なので何にでも転用可能。耐荷重も問題ない。さらに、 冷房も完備され、駐車スペースも十分あるので、メディアセンターへの一時転用は十分可能。 小池知事の判断により移転延期となった豊洲問題。安全性や財務の健全性の検証を、オリン ピック終了後までじっくり行うことに、都民は反対しないのではないか。 豊洲市場のランニングコストは年間 25 億円と報じられ、オリンピック終了後までの 4 年間で 100 億円になる。しかし展示会消滅や縮小による 1 兆円を超える損失の方がはるかに巨大。③ メディアセンターの専門家 廣谷氏 「豊洲はメディアセンターに適している」
次頁の記事は、今回の「国際イベントニュース」に掲載されたものだ。この中で、元NHKの「豊洲市場
を
メディアセンター
に
」
の提案
に、
「妙案だ」 と賛同する、圧倒的多数の声
職員で大規模イベントのメディアセンターに詳しい国際メディアサービスシステム研究所の廣谷 徹代表のコメントが紹介されている。彼は専門家として、かねてからビッグサイトをメディアセ ンターに転用する案に対し、「大幅な改造 工事が必要。非効率でもったいない」と指 摘してきた。 日展協が廣谷氏に話を伺ったところ、 「メディアセンターの3要件は、①広い敷 地、②十分な電源・通信、③冷房設備だ。 公開されている資料を見る限り、豊洲市場 は3つの条件をクリアーできると思える。 むしろ、ビッグサイトより条件が良いかも しれない」と語り、さらに次のように興味 深い話も教えてくれた。 「豊洲のメディアセンター転用案は、豊 洲のイメージを転換させるチャンスにな るかもしれない。というのは、ロンドン五 輪に良い前例があるからだ。 ロンドン五輪のメディアセンターも、ロ ンドン東部にある産業革命以来の重工業 地帯を再開発して造られた。豊洲と同様、 汚染土が堆積していた場所だったが、メデ ィアセンターが建設されたことを契機と し、今は様々な施設として活用され、ロン ドン五輪のレガシーの象徴になった。」
④ 日展協幹部の意見
A) 「豊洲をメディアセンターとして使用することを検討してほしい。」 豊洲市場へのメディアセンター建設案は、『ワラにもすがる思い』で提案したものだが、様々 な方から、豊洲市場にメディアセンターを建設しても健康上の問題は全くないと聞いてい るので、メディアの方に失礼になることはないと考えている。 また、ビッグサイトをメディアセンターに改造し、オリンピック後に展示会場に復元する ことに巨額の費用を要すると聞いており、このことが新たな問題に発展する恐れがある。 豊洲市場を一部改修してメディアセンターに転用した方が容易で低コストだと聞いている。 小池知事をはじめ関係者には、ぜひご検討願いたい。 B) その他の場所 (羽田周辺、幕張メッセ周辺、横浜周辺…等) に展示会場を新設してほしい。 豊洲を展示会場にすることも研究すべきだ。 私どもは豊洲新市場が絶対的だと固執しているわけではない。メディアセンターをビッグ サイト外に移せないならば、その他の場所に展示会場を造るなど、あらゆる方法を柔軟に 考えてほしい。また、豊洲を展示会場として使用することも一案ではないかと考える。⑤ 海外メディア 「IOCは、展示会が中止になることを知っているのか?」
外国人特派員協会を始めとする海外メディアは、ビッグサイトをメディアセンターとして使用する計画を「何年も継続している展示会を失くし、巨額のビジネスを失うような方策は、海外では到 底考えられない」と驚きをもって報じている。したがって、北京、ロンドン、リオでも、展示会場 がメディアセンターに使われることは一切無く、メディアセンターは別の場所に新たに建設された。 言うまでもなく、展示会は一本たりとも中止にならなかった。 さらに、海外メディアは「そもそもこの計画は、なぜ、どんな経緯で決められたのか?」「IOC (国際オリンピック委員会)は、170 本の展示会が中止になり、出展企業の 1 兆円以上の売上が失わ れることを知っているのだろうか?」「この問題に対する小池知事の立場や見解は?」という点に、 大きな関心を寄せ始めている。 ある海外メディアの方が、「IOCが掲げるオリンピック憲章には、『オリンピックの重要な目的 の一つは、開催都市に長期にわたるポジティブな経済的レガシー(遺産)を残すことだ』と書かれ ている。」と教えてくれた。続けて彼は、「展示会場問題はオリンピック後の日本にネガティブなレ ガシーを残すことになり、オリンピックの目的にも反するのではないか。」と述べている。 日展協では、問題の全面解決に向けた署名活動を継続しております。現時点で 81000 通超の署名が集 まっていますが、問題解決のためには、さらに多くの方の署名が必要です。 日展協は、「ビッグサイトの全ての展示会を、例年と同じ規模で開催できるようにしてほしい」と、 各方面に引き続き陳情を行っていく方針です。皆さんの署名によって、現在の東京都の計画が変わる可 能性は十分にありますので、次頁にあるフォームに必要事項を明記し、日展協事務局まで FAX または郵 送でお送りくださいますよう、ご協力をお願い申し上げます。