理学療法学 第 21巻第 5 号 32G
〜
325 頁 (1994年)報 告
ア ル
ミ
ニウ
ム パイ プ
を
用
い
た
慢 性
関
節
リウ
マチ
患者 用軽量 杖
*得
丸 敬
三
1)浅 山 浩
二D
定 松 修
一
1)高 岡 達 也
1)佐
々木洋人
D
山 下 淳
一
1)坪 内 健
一
ユ)東 原 孝 典
3)安 岡 郁 彦
2)本
田
敏 郎
3) 要旨 市販の杖が使用困難な慢睦関 節リウマ チ (以 下RA ) 患者に対し,
ア ル ミニ
ウ ムパイプを使 用した軽 量 杖 (種類は ア ンダー
アー
ム杖)を1986 年よ り製作して きた。 今回こ の杖の安 全性を確 認 する ための 工学的評価 を は じめと す るい くっ かの評 価を行っ た。
その結果 材質自体に対す る問題は 認め られ な かっ たが,
握り手の取り付け方 法に構造 上で の闇題 点が考 え られ た。
現 在 まで に処 方された杖は100本 以 上 に のぼり, 実際に よく使用さ れて いる が破損等の報告は ない。 ま たこ の杖は我々 がRA
患者 用の杖に 対し求め る 「軽量 (450g)である,
体 重 支 持ができる,
振り出 しが容易」 といっ た条 件 を満た してお り,
現 時 点で こ の杖がRA 患者にとっ て最 適であると考えて い る。 キー
ワー
ド 慢性 関 節リ ウマ チ,
軽 量 杖,
工学 的 評価 は じ め に 慢 性 関 節リ ウマ チ (以 下RA ) 患者にとっ
て,
杖 は非 常に重 要な補 装 具の一
つ であり,
実 際に杖を必要とす る 患者は多数い る。 そ して我々 はRA
患者用の杖に対し て 「軽 量であ る・
体 重支 持が できる・
振り出しが容 易」 等の条件 を満たす必 要があ ると考えている。 しか し市 販 さ れてい る各 種 杖に はこ の条 件にあっ たものはな く,
そ のた め RA 患 者の中に は市 販の杖が使 用で きない者も い る。 そこ で道後温泉病院と当院で は,1986
年よ リァ ル ミニ ウ ムパ イプ を用い た軽 量 杖 (以 下ア ル ミ軽量 杖 ) を独 自に製 作し,
こうい っ た患者に対して処 方 して きた。 今回 はこの アル ミ軽量杖の紹 介と共に,
こ の杖に対し 行っ た各種 評価の結果を報告する。*
ALightCrutch Made of Aluminum Pipe for Patients
with Rheumatoid Arthritis
1)
松 山赤 十字 病 院リハ ビリテ
ー
ショ ン課 (〒T90 愛 媛 県松 山市 文 京 町i)Keizou Tokumaru
,
RPT,
Kouzi Asayama,
RPT,
Syuui−
chi Sadamatsu
,
RPT.
Tatsuya Takaoka,
RPT,
HirotoSasaki
,
RPT,
Junichi Yamashita,
RPT,
Kenichi Tsubσ一
uchi
,
RPT :Dept,
of Rehabilitation,
Matsuyama RedCrOSS HQspital
2)道 後 温 泉病 院 理学 療 法科
Kunihiko Yasuoka
,
RPT :Dept.
of Physical Therapy,
Dohgo Spa Hospital 3〕高松 義肢 製 作 所
Takanori Higashihara
,
PO,
Toshirou Honda,
PO :Taka−
matsu Prosthetics Orthotics Co
.
,
Ltd,
(受 付日 正993年9月8日 /受理 日 1994年8月2日) 杖 の 紹 介 内径 15mm
,
外径 18mm の市 販アル ミニ ウムパ イプ (1100−
O,
表 面処 理 無し) を支 柱と して使 用し た,
ア ンダー
アー
ム杖であ る。
腋窩受け は厚さ22mm
の木片 を加工し,
上 部にスポ ンジを張り付け,
表 面は革で覆っ て仕上げて い る。 握り手は同じ く丸 く形を整えた木片の 表面を革で覆い, 腋 窩受けに対し10度外旋し た位置に,
谷 径52mm
の ボル ト (G
4051,
機 械 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 材)とナ ッ トを使用して取り付けて あ る。 ま た当院で製 作 して いる杖に のみ,
支 柱に 5cm 間 隔で3カ所 穴があアル ミニ ウ ム パ イ プ を用いた慢 性関節 リウマ チ患者用軽量杖 321 図
1
アル ミ軽 量 杖 けて あ り,
握 り手の高さ が調節 可能である。 吸 盤 型で小 型の もの を使 用 して い る (図1
)。 各 種 評 価の方 法 チッ プ は 」1
∠∠∠〃 〃 〃 〃 ∠ と.
A▽
谷本社製上 皿 ば ね計 り
(秤 量
4kg ・
最 小 目盛 り10 g・
温 度 差 補 正 装 置 付 き)を使 用 し,
松 葉 杖をはじめとす る市 販の杖と共に重 量の計 測 を 行っ た。
ま た図 2 の方法 で各 杖の重 心 を決 定し,
振り出し に要するカを図3
に示 す 計 算 式によ り求め比較し た。 次い で材質 自体の 強 度を 調べ る た め に6
項 目の工学 的評価を行っ た。 な おこ の評 価 は材料力学の分 野におい て用い ら れて いる計 算 方 法1) により算 出し たもの である (図4
)。
その際 杖の強度の 判 断で用いた引 張 性 質の一
っ である耐 力, 破 壊セ ン断応 力と計 算 上 用いた縦 弾 性 係 数は,
日本工業 規格 (JIS
) に記載された デー
タ2)を使用し た。 支 柱の アル ミニ ウム パ イプ に 関 して は, 今回比較に用いた各 杖の材 料を特 定 する こ と が出来な かっ た た め,
アル ミ軽量 杖に使 用して い る材料 (1100− 0
) の 数 値と し た (表 1)。 また握 り 手の取り付け に用い ら れて い る ボル ト に関して は破 壊セ ン断応力を 2900〜
4000kg /cm2,
縦 弾 性 係 数 を2,
12
× 106kg/cm2 とし た。 以下は 工学 的評価6
項目及び計箪 方 法の説明で あ る。 応 力と は物体に外 力が加 わ る 時そ の物体内 に 生 じ る抵 抗力 を言い,
「圧縮 応 力 」 とは物 体 A :杖を縦に吊り下 げ た時に支柱を通 る垂線 Bl杖 を横に床面と 水 平に吊り下「ナた時の垂線 G ;重 心 (AとBの交 点) 図2 重心の求め方 図 3 M :杖の重量(9 ) Lg :重 心 まで の距離 (cm ) Ln :握り手 まで の距 離 (cm ) F :振り出しに要する カ (gf ) θ:杖の振 り上 げ 角Lg
・
sin θ・
M
F
=i
Ln
振 り 出しに要 する力の求め方 をっ ぶそう とする力に対する物体の抵抗 力の ことで あ る。 「縮み量 」は外 力を受け た際にその物 体が実 際に収縮 す る 量の ことであ る。 「座 屈 荷 重 」と は物 体に外 力 を 加え た際に不 可 逆 性の変化を起こす 限界の ことであり, こ の場 合は杖に対 し垂 直に加 えることの出 来る体 重の上 限と言える。 「支柱に対する タワ ミ量 」は, 杖を地面 に対し60
度の角度で立てかけ た状態で の,
支柱の長 軸 に垂直方 向に加え られ た力に対して求め た。 以 上が支 柱 に使わ れて い るアル ミニ ウムパ イ プに対 する評 価で あ る 。 な お〜
にっ い て は他の ア ル ミニ ウム製 杖で も同 様の 計 算を行い,
結 果を比 較 し た。 握 り手に使わ れて い る 「ボル ト に対 するセ ン断 応 力 」であるが,
実 際に患者が 体 重 を か け た 時に加 わる力W
は, ボ ル トの支柱へ の取 付 部に セ ン断 荷 重として加 わる。
セ ン断応 力はこ の荷重 に対 す るボル ト自身の抵抗力である。 「ボ ル トの タワ ミ量 」は ボ ル ト の片 方 を完 全に固 定 した と し て,
反 対 側 の先 端で長 軸に垂 直に加え た力に対して求めた (図4
)。322 W ー Ψ W 理 学 療 法学 第21巻第
5
号,
1
唖
]
w 圧縮 応力σ=一 .
(kg/6m2
) A w :圧 縮 荷重 (kg ) A:杖 の 断 面 積(cm2 ) ガA
=τ
(D22−
D12)Dl
:パイ プの内径 (cm ) D2;パ イ プの外径(cm )驪
W ・1
W 縮み量 λ=一
(cm ) A・
E 1:杖の長さ (cm ) E:縦 弾雪生係 数(kg鴻 m2 ) (O.
72×106
) W↓
璽
EI 座屈荷 重Wk = n・
π2・
2(kg ) 1 工:杖の最小断面 モー
メ ント(cm4 ) ガ1
=一
(D24−
D暑) 64 n :端 末 係数 両端 回転 n;
1 支柱
のタワミ量 W.
13 最 大 タワミ δmax=
β一
(cm ) E1 β:タ ワ ミ係数 (=
1/48 ) 1 :杖 先か ら握 り まで の長 さ(Gm >L,
「
・
±
t
握り手薗
定用ボラ
疎
II の強 度1
・・嚇
τ一
・・/… ) 幡 ゼン断 礁 (kg) A :杖の断面積 (Gm2 ) だ A=一・
D2 4 D ;ボル トの谷 径(cm )臼
憂
り手1
δ西
ワ ミ量 図4
工学的 評 価 W.
13 最大タワ ミδ聰 x=
β一
(Gm ) E工 β:タワ ミ係 数(=
t/3) δ 1 ;握 りの長 さ (crn ) E :縦弾性係数(kg/Gm2 ) (軟鋼 2.
12xlO6em2 ) 表1ア ル ミニ ゥム展伸材の機械的性質2) 引 張 性 質 材 質 伸 び % プ リ ネル 硬 さ
10
/500
せ ん断 強 度MPa
疲 労 強 度 5×10回MPa
縦 弾 性 係 数GPa
引 張 強さMPa0
,
2
% 耐 力MPa
板 1.
6nlm
厚 棒 12,
7mm φ 1100一
88 34 35 45 23 64 34 69 ※ 1100−
0のみ抜 粋結
果 重 量は松葉 杖が木製 960g とア ル ミ製 920 g, ま たア ンダー
アー
ム杖が850g
で あっ たの に対し, アル ミ軽量 杖は450g と約1
/2
の値を示 し た (表2
)。 ま た振 り出 し に要 する力は振り出し角 度30
度に おい て比較す る と,
最 も高 値 を示 したの は木製松葉杖の642,
2g
で あ り, ア ル ミ軽 量 杖は そ の約 1/2の 355,
9g と最 小値を 示し た。 振 り出 し角 度45
度でも503.
3
g で最 小 値 と なっ た (表 3)。 次に 工学 的評 価の計算結果 を示す。 圧縮応 力は 値が小 さい方が荷 重 を 分 散 して受 けていることに な る た め良い と さ れ る が,
アル ミ製 T 字 杖が 58.
9kg /cm2 で 最 も低く, ア ル ミ軽量杖は64.
3kg
/cm2 と わずか な が ら最高 値と なっ た。
縮み 量 も値が小さい方が変 化が少 ない ことに な り良い と さ れ る が, や はりアル ミ製T
字 杖が7.
08
μm で最も低く,
アル ミ軽量杖は11.
2
μm で最 高値となっ た。 座屈荷重は値が大き い方が体重を多 く か け ること が可能と な る ため良い と さ れ る が,
最 高 値で あるT 字 杖の329kg
に対し約正/3
の121
kg
で最 低値 と なっ た (表4)。 支 柱の タワ ミ量は3.
95cm
で あっ た。
握 り手の固 定 用ボル トの セ ン断 応 力は, 235,
4kg /cm2 であっ た。 ボ ル トの タワ ミ量は2.
19
cm で あっ た。 な お,
〜
は 50kg の荷 重に対 する値である (表5
)。アル ミニ ゥムパ イ プを用いた慢性 関節 リ ウマ チ患者用軽量杖
323
表 2 各 種杖の 寸法及び重 量 表4
工 学 的 評 価の結 果 (1
) 内径 外径 長さ 重 量 松葉 杖 (木 製 ) 松葉杖 (ア ル ミ製)2.
0
ア ンダー
アー
ム杖1.
9
ロ フ ス ト ラン ド杖1.
6
アル ミ軽量杖 1.
53,
1
110〜
131 9602,
2
112〜 152
920
2.
2
108〜
140 850 1.
998 〜 125
600
1.
8
正28
450
黌懸噸
1
襦
齟 殖 (kg
) 荷重W50
kg 長さ (cm ),
璽 量 (9) 丁字杖 58,
9 ロ フス ト ラ ン ド杖60,
6
ア ンダー
アー
ム杖61,
4
アル ミ軽量杖 64.
37.
089
.
609
.
7211、
2329174241121
艱全て ア ル ミニ ウム パ イ プ を用いた杖 表3
各 種杖の振 出に要 する力 振 出し (30
° ) 振 出 し (45° ) 表5
工学的評価の結 果 (2
) 松葉杖 (木製) 松 葉 杖 (アル ミ製) ア ンダー
アー
ム杖 ロフス ト ラン ド杖 ア ル ミ軽量杖 642.
2586
.
5435.
2474
.
2355
.
9
908.
2829
.
4615,
4670
.
6503.
3
の 量 手 ミ ω り ワ C ( 握 タ 用 度 蹤誰
手 ト 9/ り ル 鰍 握 ボ の 量 柱盆
支 タ (W
) 重 荷 ( 50 3,
95
235.
4
2,
19
考 察 (9)RA
患者用の杖と し て は以前よりプ ラッ トホー
ム杖が 使 用さ れて き た3)4)。 し か し実 際に処方を して み る と,
バ ラン スが不安定で体重支持が う まく出来な いこと に加 え,
見た目が良 くない (RA
患 者は女 性が多 く外 観を非 常に気にする)ため患者の受け入れ が悪く,
現在 当院で は全 く使 わ れてい ない。 ま た他の市 販の杖に対 しては 「松 葉 杖は重 くて使え ない。
T 字 杖は手の変 形・
疼 痛の 表6
各 関 節の ステー
ジ及 び疼 痛 た め う ま く持てず, ま た体を支え ること がで きない。」 等とい っ た意見が聞か れ た。 そ こ で実際に ア ル ミ軽 量杖 を処 方したRA
患 者33
名に対 し,
杖 処 方 時にお ける各 関 節のSteinbrocker
の ス テー
ジ と疼痛の状態 を調べて み た。 下 肢では足 関 節 を含 む足部で約 半数に疼 痛を 認 め た が,
膝関節と股 関 節は多 くの者が手術後である か ま た は関 節 破 壊 を認めず,
疼 痛 を訴え る者 も少数であっ た。
それに対し上肢で は多くの者が全ての関節で関節 破壊を 認 め, 肩関節及び肘 関 節で は疼 痛も多 数に認め ら れ た (表6
)。 こ のよ う に上肢関節の多くに関節破 壊と疼痛を 伴っ た状態では,
松 葉杖のような重い杖の使 用は困 難で (n;33
) ステー
ジ 疼 痛 1 H 皿 IV 手 術例土 十 朴 肩関節 右
11
5
豆70
o
10
4
18
1
左 n 弓 18 o「
o,尸
門
123
17 1.
ヤ
門
P
P,
曽P
肘 関 節 右8
1 19 正 410
6
15
2
左8
3
190
3
12
5
14
2
冂
手関節 右2
4
3
24
0
30
0
3
0
(含手) 左3
2
2
26
0
30
0
3
0
股 関 節 右 203
0
0
10 30 o3
0 左20
4
0
0
9
30
0
§
o
r
「
膝 関 節 右2
3
0
0
28
290
3
1 左2
2
2
0
27
30
0
2
1「
.
.
幽
齟
足 関節 右 12 11 !o
0 0 17 4 10 2 (含足)左13
10 Io0
0
16
1
正5
1
(例数)324
理 学 療 法 学 第21
巻 第5
号 ある と言え よ う。 さ らに手の骨破壊が特に顕著で あ る こ とより, T 字杖がうまく使え ない こと も 理解で き る。 アル ミ軽 量 杖はこ の ように市 販の杖が使 用で きないRA
患者の ために製作を始めたものであるが,
材 料は全 て市 販の もの を その ま ま, あ るいは加工 し て用いてい る た め,
そ の安全性を確認す る必要が あ り今 回工学的評価 を行っ た。 材 質 自体の強 度で あ る が,
ま ず支柱に使用 し たア ル ミニ ウムパ イ プ は耐 力が34MPa
(333
kg
/cm2 ) であると さ れてお り (表1
),
「圧 縮 応 力 」 に関しては 50kg で64.
3 kg/cm2 であっ た こ とよ り強 度は充 分と考 えられる。 「縮み量・
タワ ミ量 」 共にこ の程 度の値では アル ミニ ウムパ イ プ は永 久 変 形 を起こすこ とは な く問 題 な い と考え ら れ た。 「座 屈 荷重 」は121kg
と低い値と なっ た。 しか し一
本杖 歩行の場合で も,
杖に か か る負荷 が体 重の 30% を越え ることはない5)と さ れてお り,一
般 的 な 使い方で は問題 ない と考 え られる。 以 上の こと か らアル ミニ ウムパ イ プ自体の強 度に は問 題は認め られな かっ たe し か しアル ミニ ウムパ イ プ に開け られた握り手 の高さ調節用の穴の部 分で は強度の低 下が起こ り, 長期 間の使用によ っ て こ の穴の部分で永久 変形を起こ し た り,
破 壊 さ れる可 能 性の あること が考え ら れ た。 次に握 り手固 定に使用して い るボル ト では,
「セ ン断 応 力 」が 50kg で235.
4 kg/cm2 となっ た が,
こ の材 質 の 破壊セ ン断応力は2900〜
4000kg /cm2 であることよ り問題ない と考え ら れ た。 ま た 「タワ ミ量」もこ の程度 で は問 題にな ら ない と考え ら れ た。 以 上の こと か ら ボル ト自体の強度に も問題は認め られ な かっ た。 し か し ボル トが ネジ構 造 となっ て い る為,
溝の部 分に局 部 的な応 力 集 中が起こるこ と, また握り手で は木が ボ ル トを覆っ て い る た め,
ボル ト全体が た わむこ とな く握り手 基部に曲 げ応力が集 中すること, とい っ た二 つ の理由によ り長期 間の使用で は,
この ボル トが握り手基部付近の溝で疲労 破 壊を起こす 可 能 性が考え ら れ た。 今回の工学 的 評 価は計 算によ る もの で あっ た が,
アル ミ軽 量 杖の構 造 が 直線 的かっ単 純である た め,
実 測 値と の誤 差は それ程 大きくない と考え ら れ る。 しか しJIS
に 記 載 さ れたデー
タ は試 験 片か ら得ら れ たもの であり,
材 料 自体の加 工 時にお け る残 留 応 力のた めに,
これが材 料 全て の部 分の強さを保 証 するとは限らず,
ま た動 荷 重に つ いても考慮 する必要が ある。
そのためには実 際に アル ミ軽量杖を用い た強 度 試 験を実 施 する必 要がある と考え て い る。 アル ミ軽 量 杖の製 作 を 始めて7
年 以.
h
が経過 し た。 現 在 までに処 方 したア ル ミ軽 量 杖は当院だけで 100 本以 上 にのぼ る。 処 方 した患 者 か らは 「軽 くて使いや すい,
こ の杖で ない と 困 る 」 とい っ た声が聞か れ,
また多 くの ア ル ミ軽量杖が実際に よ く使用されている。 今回 考えられ た ような破 損の報告は ま だ一
例も ない。 その要因と して は,
「 処方の対象が当院と道後 温泉 病院に入院 中ま た は通 院 中の患 者に限 られて お り,
処 方に際 して は無理 な 使い方 を しない よ う患 者によく注意を して いた こと。 表6
で もわ かるが 患者の多くは下 肢 各 関 節の状 態 が 良 く,
杖に常 時 体重をかける必要はな かっ た と考えられるこ と。」等が あげら れ る。 握 り手の取 り付 け方 法に問題は残し たもの の,
アル ミ 軽 量 杖は前 述の 「軽 量である・
体 重 支 持がで きる・
振り 出 しが 容 易 」 とい っ た条 件 を満 た してお り,
我々は現 時 点で ア ル ミ軽量杖が RA 患者にとっ て最適である と考 えて いる。 そ して アル ミ軽量 杖 がこれ まで市 販の杖 が使 用で きず歩行に難 渋して い た RA 患者や, 重い杖の使 用に よ る上肢 関節の二次 障害防止等に役立っ もの と期待 して いる。 以 降は 工学 的評 価の結果を ふ ま え,
材質・
構 造の両 面よ りア ル ミ軽 量 杖を見 直し,
さ らに良い杖へ と 仕上 げて行きたい。
本 論文の要 旨は第28
回日本理学療 法 士 学 会にて 報 告 し た。 文 献 1)黒木 剛 司郎 :材 料力学 「基 礎 機 械 工 学 全 書 1」 野口尚一
一
・
(監 修 ),
森 北 出版,
柬 京,
1979.
2) 日本 機 械 学 会 編:材料学・
工業 材料 「機械工学 便 覧B4 」 丸善,
東 京, 1990.
3) 原 行 弘.
永田雅章1歩行訓練一
杖・
歩行 器の種 類 と選 び方,
総合リハ 20(9}:793−
798,
1992.
4) 時 事通信 社 (編 ): 1993〜
1994福 祉 機器 用品最新 情 報.
時 事 通 信 社t 東 京,
1993,
5)今田 拓:歩行補助杖,
歩行 器,
別 冊 整 形 外 科41 南 江堂,
東 京,
1983,
pp 261−
267,
7 iV a =
9
Ai"KfdeMLik・fiWlwaee
V
V
?lt
magre#tsEst
325
<Abstract>
A
LightCrutch
Made ofAluminum
Pipe fer Patients with Rheumatoid ArthritisKeizou TOKUMARU, RPT, Kouzi ASAYAMA, RPT,
Syuuichi
SADAMATSU,
RPT,
Tatsuya TAKAOKA, RPT, Hiroto SASAKI, RPT,Junichi
YAMASHITA, RPT,Kenichi
TSUBOUCHI,
RPT
Dept
ofRehabilitation,
Mketst{o,ama
Red
Cross
llbspital
Kunihiko YASUOKA, RPT
Dopt
of
Physicag71hempy,
DohgoSPa
Hbspital Takanori HIGASHIHARA, PO,Toshirou HONDA, PO1lakamatsu
PtostheticsOrthotics
CO.,
LTD,