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卒後満5年までの助産婦が受けるソーシャルサポートとバーンアウト症状の関連

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Academic year: 2021

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(1)

J.JPn.Acad.Mid.,Vo1.8,No.1,PP.23∼31,1994

原 著

卒 後 満5年

まで の 助 産 婦 が 受 け る

ソー シ ャル サ ポ ー トとバ ー ン ア ウ ト症 状 の 関 連

Midwives'

Burnout

Syndrome

and Alleviatory

Social Support

松 岡 恵(MegumiMATSUOKA)*1平 澤 美 恵 子(MiekoHIRASAWA)*2 佐 々 木 和 子(KazukoSASAKI)*3熊 沢 美 奈 好(MinakoKUMAZAWA)*4 新 道 幸 恵(SachieSHINDO)*5内 藤 洋 子(YokoNAITO)*6 要 約 助 産 婦 の 燃 えつ き症 候 群 とそ れ に関 連 す る要 因 を 明 らか に す る 目的 で,助 産 婦 学校 卒業 後 満5年 まで の 助 産 婦 を卒 後1年(145名),2年(104名),3年(78名),5年(96名)の 時 点 で郵 送 法 に よ る 自己 記 入 式 質 問 紙 調 査 に よ る縦 断 調 査 を行 い,さ らに満5年 の時 点 で13名 に面 接調 査 を行 った 。 そ の 結 果,満1年 に はバ ー ンア ウ トに陥 っ た者 は い な か っ た が,2年 目以 降 は13%以 上 の バ ー ンア ウ ト者 が 認 め られ た 。 さ らに,満5年 で は,バ ー ン アウ トに陥 っ た者 とその 徴 候 者 を除 くと正 常 者 は半 数 に満 た な か った 。 勤 務 体 制 や 家 庭 環 境 は潜 在 要 因 と して存 在 して い た が,家 族や 友 入 のサ ポ ー トで緩 和 され,バ ー ンア ウ トの 直接 要 因 とは な らな か っ た。 しか し,仕 事 に対 す る意 識 や 意 欲 は,バ ー ンア ウ トと直接 関 連 が 認 め られ,こ れ は上 司,同 僚 か ら仕 事 へ の 評 価 に強 く影 響 され て い た。 また,配 置転 換 が バ ー ンア ウ トの 直接 要 因 と して 作 用 す る こ とが 明 らか に な っ た。 Abstract

In order to shed light on the midwife's burnout syndrome and its related factors. We conducted a longitudinal survey by a free-answer questionnaire method, covering 145 of midwives who graduated from midwifery school one year before, 104 of two years' graduates, 78 of three years' graduates, and 96 of five years' graduates. In addition, we interviewed with 13 of full five years' graduates.

As a result, while no burnout sufferer was found among those who graduated full one year before, it turned out that more than 13 percent of two or more years' graduates suffered from burnout. Excluding those with signes of the disorder, the completely normal accounted for less than half of

川東 京 医 科 歯 科 大 学 保 健 衛 生 学 科(Tokyo Medical and Dental University) *2日 本 赤 十 字 看 護 大 学(The Japanese Red Cross College of Nursing)

*3国 立 仙 台 病 院 附 属 看 護 助 産 学 校(The Nurse-midwifery School , Sendai National Hospita1)

*4神 奈 川 衛 生 看 護 専 門 学 校 附 属 病 院(Hospital Attached to Kanagawa Prefecture Health& Nursing School) *5神 戸 大 学 医 学 部 附 属 病 院(Kobe University Hospital)

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卒後 満5年 まで の助 産 婦が 受 け る ソー シャル サ ポ ー トとバ ー ンア ウ ト症 状 の 関連

the five years' graduates.

The midwife's job arrangement and/or family life, which had existed as a potentional factor, was found to be a rather indirect contributor to burnout, since the support from her family members or friends help to alleviate its effects. However, her attitudes toward the job or willingness was found to be directly related to the burnout, and to be strongly influences by superiors' or colleagues' evaluation of her job. Moreover, the survey revealed that job transfers tend to act as a direct contributor to the hazard.

Iは じ め に 病 院 をは じめ とす る施 設 に勤 務 す る看 護 職 員 の 不 足 の一 因 に,看 護職 員 の 職 場 で の 定 着 率 の低 さ が あ る。 こ れ は,女 性 一 般 に共 通 の 結 婚,出 産 と い う原 因 だ け で な く,仕 事上 の ス トレス が 強 い看 護 職 に特 有 の 中 堅 層 のバ ー ンア ウ ト症 候 群 が影 響 す る と考 え られ る1),2)。その 要 因 に は,不 規 則 な勤 務 体 制,生 死 にか か わ る極 限状 況 に 置 か れ た仕 事 内 容,仕 事 量 の 多 さ と複 雑 さ,対 人 関係 の 複 雑 さ な どが あげ られ る3),4)。しか し,一 方 で,看 護職 の 離 職 に 至 る初 期 の 段 階 で,職 場 の 上 司 の介 入 に よ り離 職 が 避 け られ る 可 能 性 も示 唆 さ れ5),上 司 と の 関係 が職 場 モ ラー ル と関 連 が あ る こ と も指 摘 さ れ て い る6)。 施 設助 産 婦 は,管 理上,看 護 婦 と同 じラ イ ンに 置 かれ,業 務 内容 も共 通部 分 が 多 い 。 しか し,助 産 婦 は看 護 婦 とは別 の 専 門 性 と責任 が あ り,離 職 や バ ー ンア ウ ト症 候 群 の 要 因 に も特 有 の 要 因 が あ る と予 測 され る。 そ こで,わ れ わ れ は,卒 後5年 間 の 助 産 婦 の バ ー ン ア ウ トに か か わ る要 因 と,バ ー ンア ウ トに 至 る過程 で の ソ ー シ ャル サ ポ ー トと の 関連 を 明 らか に し,助 産 婦 の 定 着 率 を 高 め るた め の 看 護 管 理 上 の示 唆 を得 る こ と を 目的 に調 査 を 行 っ た。 II研 究 の 対 象 お よ び 方 法 東 京,横 浜,仙 台 の 国 立 お よび 公 的 助 産 婦 学 校 の昭 和61年,62年,63年 卒 業 生 に対 して,卒 後 満 1年,満2年,満3年,満5年 の時 点 で郵 送 法 に よ る質 問紙 調 査 を追 跡 的 に行 っ た。 調 査 内 容 は, 職 場 環 境,勤 務 内 容,仕 事 へ の 意 識,バ ー ンア ウ ト傾 向 に関 す る55項 目で あ る。 ただ し,満5年 の 調 査 用 紙 は,上 記 の 質 問項 目 を一 部 修 正 して45項 目 に減 ら し,ソ ー シ ャ ル サ ポ ー トに関 す る10項 目 を 追 加 して55項 目 と した 。 な お,離 職 者 は 調 査 対 象 か ら外 した。 さ らに,質 問 紙 調 査 か ら,一 時 期 で もバ ー ンア ウ ト状 態 を 認 め た 者 で,研 究 協 力 の 承 諾 が 得 られ た 者 に面 接 を 行 っ た。 研 究 対 象者 の 居 住 地 域 が 広 範 囲 に 及 ん だ た め,面 接 は 電話 に よ って 行 っ た。 面接 は,助 産 婦 教 育 に従 事 す る研 究 者2名 が 行 い, 質 問項 目 は研 究 者 間 で 事 前 に検 討 し,そ の統 一 を 図 っ た 。 内 容 はバ ー ンア ウ トに陥 る前 後 の 本 人 の 仕 事 に 対 す る気 持 ち の 変 化,環 境 の 変 化 を 自由 に 話 す形 式 と した。 III結 果 1.質 問 紙 調 査 質 問 紙 は,卒 後 満1年 で は配 布 数180,回 答 数 145(80.5%),満2年 で は 配 布 数180,回 答 数 104(57.8%),満3年 で は 配 布 数126,回 答 数 78(61.9%)だ った 。 満5年 で は,配 布 数117,回 答 数96(82.1%)だ っ た 。 1)対 象 の 背 景 勤 務 場 所 は,満1年 か ら満5年 ま で,総 合 病 院 勤 務 者 が65%以 上 だ っ た。 産 院 勤 務 者 も数 人認 め られ るが,助 産 所 の 経 営 者 に な って い る者 は い な か った 。 勤 務 部 門 は,産 科 お よび 産 婦 人 科 病 棟 が 最 も多 く,満2年 まで は半 数 以上 が 産 科 お よび 産 婦 人 科 病 棟 だ っ た 。特 に満1年 で は,分 娩 棟 勤 務 者 を併 せ る と70%以 上 が 産 科 関連 病 棟 に勤 務 して い た 。 しか し,産 科 関連 病 棟 勤 務 者 の 割 合 は,経 験 年 数 が 増 す につ れ て減 少 し,産 婦 人科 以 外 の病 棟 勤 務 者 の 割 合 は満1年 で8%,そ の 後 は25%, 20%と 急 増 して い た 。 ま た,勤 務 体 制 は 満1年 で は,ほ ぼ 全 員 が 三 交 代 勤 務 で,経 験 年 数 に従 って その 割 合 は減 少 した が,満5年 で も63名(65%) が 三 交 代 勤 務 に従 事 して い た。 助 産 婦 の 家 庭 環 境 で は,卒 後 満5年 の 時 点 で96 24日 本 助 産 学会 誌 第8巻 第1号(1994)

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卒 後満5年 ま での助 産 婦 が受 け るソー シ ャル サ ポー トとバ ー ンア ウ ト症 状 の関 連 表1バ ー ンア ウ トス コ ア 名 中55名(58%)が 結 婚 し,42名(44%)が 子 ど も を も っ て い た 。 子 ど も は 一 人 が 最 も 多 か っ た 。 住 居 は 持 ち 家38人(39%),借 家50人(52%)で 通 勤 時 間 は 平 均26分 だ っ た 。 2)バ ー ン ア ウ ト傾 向 の 変 化 バ ー ン ア ウ ト傾 向 は,表1に 示 す よ う に,卒 後 満1年 で は,バ ー ン ア ウ ト徴 候 者 が79名(34%) 認 め ら れ る が,バ ー ン ア ウ ト数 は 認 め られ な か っ た.し か し,満2年 を 経 過 す る と,32名(33%) が バ ー ン ア ウ ト徴 候 に あ り,14名(15%)が バ ー ン ア ウ トに 陥 っ て い た 。 そ し て,満3年 で もバ ー ン ア ウ ト徴 候 者 が22名(28%),バ ー ン ア ウ トに 陥 っ て い る者 が15名(19%)認 め られ た 。 満5年 で は,バ ー ン ア ウ ト に 陥 っ て い る者 の 割 合 は11名(13 %)と 若 干 下 が っ て い る が,バ ー ン ア ウ ト徴 候 者 が45名(51%)と 半 数 以 上 を 占 め て い た 。 卒 後 満3年,満5年 の 助 産 婦 に つ い て 家 庭 環 境, 職 場 環 境,勤 務 内 容,勤 務 形 態 な ど をバ ー ン ア ウ ト群 と 正 常 者 群 で ク ロ ス 表 を 作 成 し平 均 値 の 差 の 検 定 を 行 っ た と こ ろ,有 意 差 は 認 め られ な か っ た 。 しか し,仕 事 や 勤 務 場 所 に 対 す る 意 識 は,両 者 の 間 で 違 い が 認 め ら れ た 。 ま ず,助 産 婦 業 務 に 対 す る 考 え 方 を 比 較 す る と, 卒 後 満3年 の 助 産 婦 で は,バ ー ン ア ウ ト者 は 正 常 者 よ り も 「助 産 婦 業 務 は 緊 張 を 強 い ら れ る ス トレ ス の 多 い 仕 事 」と と ら え る 傾 向 が 認 め ら れ た(P< 0.05)。そ して,卒 後 満5年 の 助 産 婦 で は,仕 事 や 職 場 に 対 す る 気 持 ち を5段 階 評 価 で つ け た 得 点 を バ ー ン ア ウ ト群 と 正 常 者 群 で 平 均 値 の 差 を 比 較 す る と,表2に 示 す よ う に,正 常 者 は バ ー ン ア ウ ト 者 よ り も 「勤 務 場 所 が 自 分 に む い て い る 」(P< 0.001),「 勤 務 場 所 で 自 分 に 適 した 役 割 が 与 え ら れ て い る 」(P<0.000)と と ら え,職 場 を 「働 きや す い 雰 囲 気 」(P<0.027)と 感 じ,「 職 場 で 自 分 の 存 在 価 値 が 認 め ら れ て い る」(P<0.010)と 感 じ て い た 。 3)ソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト とバ ー ン ア ウ ト傾 向 次 に,卒 後 満5年 経 過 者 に 対 して 行 っ た ソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト調 査 に 関 し て 検 討 す る.ソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト項 目 は,普 段 の 生 活 で の 情 緒 的 支 援9項 目 に つ い て,夫,自 分 の 両 親,そ の 他 の 家 族,職 場 の 上 司,職 場 の 同 僚,友 人,先 輩,医 師,そ の 他 の 中 か ら最 も該 当 す る 人 を2点,該 当 す る 人 を 1点 と して 複 数 回 答 で 記 入 を 求 め た 。 ソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト合 計 点 は,バ ー ン ア ウ トス コ ア と 負 の 相 関 を 示 して い た 。 す な わ ち,ソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト得 点 が 少 な い ほ ど,バ ー ン ア ウ トス コ ア が 有 意 に 高 い こ と が 認 め られ た 。 サ ポ ー ト項 表2卒 後満5年 目助 産婦 のバ ー ンアウ トスコ アと職 場 に対 す る受 け止 め方 との相関 自由度73**P<001*P<005

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卒後 満5年 まで の助 産 婦 が受 け るソー シャル サ ポ ー トとバ ー ンア ウ ト症 状 の 関連 目 と バ ー ン ア ウ トス コ ア と の 相 関 を み る と,「お 互 い の 考 え や 将 来 の 事 な ど を 話 し合 え る 」,「常 日 頃, あ な た の 気 持 ち を 察 し て くれ る」 の2項 目 で バ ー ン ア ウ ト ス コ ア と特 に 強 い 負 の 相 関 が 認 め ら れ (P<0.01),次 い で,「 自 分 の 行 動 や 考 え に 賛 成 し, 支 持 し て くれ る」,「 気 持 ち が 通 じ あ う 」,「仕 事 を 日 頃 か ら 評 価 し認 め て くれ る 」 な ど の 項 目 も負 の 相 関 が 認 め ら れ た(P<0.05)。 さ ら に,助 産 婦 が サ ポ ー トを 受 け る 対 象 に 注 目 す る と,ソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト全 体 の 平 均 点 は 夫 が 9.59と 最 も 高 く,つ い で 自 分 の 両 親6.77,友 人6.69 で あ っ た 。職 場 の 上 司 は1.38と 低 く,「仕 事 を 評 価 し認 め て くれ る 人 」 と い う 項 目 で も職 場 の 上 司 を 記 入 し た 者 は 半 数 に 満 た な か っ た 。 サ ポ ー ト を 受 け る対 象 別 の サ ポ ー ト得 点 とバ ー ン ア ウ トス コ ア の 相 関 を み る と,自 分 の 両 親,友 人 が バ ー ン ア ウ トス コ ア と 負 の 相 関 が 認 め ら れ た 。 す な わ ち,自 分 の 両 親 や 友 人 か ら 受 け る サ ポ ー トが 少 な い 者 ほ ど バ ー ン ア ウ トス コ ア が 高 い 傾 向 が 認 め ら れ た 。 次 に,サ ポ ー ト を 受 け る 対 象 別 の サ ポ ー ト得 点 と家 庭 環 境,職 場 環 境 の 相 関 を 調 べ た と こ ろ,夫 か ら受 け る サ ポ ー ト得 点 は,結 婚 年 数 の 長 い 者 ほ ど(P<0.00),ま た,子 ど も が い る 者 ほ ど 有 意 に 高 か っ た(P<0.01)。 逆 に 友 人 か ら受 け る サ ポ ー ト得 点 は,結 婚 年 数 が 短 い か,ま た は 未 婚 の ほ う が(P<0.05),さ ら に 子 ど も が い な い ほ う が(P< 0.01)有 意 に 高 い 傾 向 が あ っ た 。 一 方,職 場 の 上 司,同 僚 か ら 受 け る サ ポ ー ト得 点 は,表3に 示 す よ う に,仕 事 や 職 場 環 境 へ の 意 識 に 影 響 し て い た 。 職 場 の 上 司 か ら 受 け る サ ポ ー ト得 点 が 高 い 者 ほ ど職 場 で の 自 分 の 存 在 価 値 を 感 じ(P<0.01),自 分 の 仕 事 ぶ り に 満 足 感 を も ち (P<0.05),仕 事 が 自 分 に む く と感 じ(P<0.05), 勤 務 場 所 が 自 分 に む く と感 じ る(P<0.05)傾 向 が 認 め られ た。 そ して,職 場 の 同 僚 か ら受 け るサ ポ ー ト得 点 が 高 い と職 場 で の 自分 の 存 在 価 値 を感 じ(P<0.01),勤 務 場 所 が 自分 にむ く と感 じ(P< 0.01),職 場 での 役 割 が 自分 に適 して い る と感 じ る (P<0.01)傾 向 が 認 め られ た 。 また,医 師 か ら受 け るサ ポ ー ト得 点 は 職 場 の 人 間 関係 に関 連 が 認 め られ た 。 す な わ ち,職 場 が 自 由 に意 見 交 換 が で きな い と感 じる者 や,職 場 に指 導 助 言 の 雰 囲 気 が な い と感 じる者 ほ ど医師 か ら受 け るサ ボー ト得 点 が 有 意 に 高 か っ た(そ れ ぞ れ P<0.05)。 2.バ ー ンア ウ ト者 への 面接 調 査 面 接 者 は13名 で,既 婚 者 は8名 だ っ た。 勤 務 体 制 は,三 交 代 勤 務 が10名,日 勤 の み が2名,日 勤 と当 直勤 務 が1名 だ っ た。 役職 につ い て い る者 は い な か っ た 。 ま た,5名 が 配 置 転 換 の 直 後 にバ ー ン ア ウ トを起 こ して い た。 仕 事 上 の ス トレス の 原 因 と考 え て い る内 容 は, 自分 自身 の 力 不 足 が12名 と最 も多 く,つ い で職 場 の シ ス テ ム9名,上 司 の 力 不 足4名 だ った 。 職 場 の 人 間 関係 で は,看 護 婦,助 産 婦 等 の ス タ ッ フ同 士,医 師 とス タ ッ フ 間 に は特 に 問 題 を感 じ て い なか っ た が,婦 長 ・主 任 とス タ ッフ 間 で9名 が 何 らか の 不満 を もっ て い た。そ の うち4名 は 「信 頼 関 係 は な い」 と述 べ て い た。 職 場 の 人 間 関 係 に 不 満 を もつ 助 産 婦 は,自 分 自身 へ の 仕 事 ぶ りへ の 評 価 も不 当,も し くは評 価 が わ か らな い と述 べ て お り,職 場 で の役 割 を不 当 と感 じた り,不 満 で あ る と して い た。 そ の 理 由 は,助 産 婦 は 看 護 婦 で も あ るか ら とすべ て の 業 務 に完 全 さが 求 め られ る こ とや,あ らゆ る業 務 を任 せ られ る こ とが 要 求 さ れ る こ とが あ げ られ た 。 具 体 的 に は,混 合 病 棟 に勤 務 す る助 産 婦 の状 況 で,他 の 看護 婦 は,産 科 以 外 の 患 者 の 看 護 だ け を任 さ れ るが,助 産 婦 で あ る 自 表3卒 後満5年 目助産 婦 をサ ボー トす る対象 者 別 のサボ ー ト得 点 と職場 環境 の相 関係 数 自 由度86**P<0.01*P<0.05 26 日本 助 産 学会 誌 第8巻 第1号(1994)

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卒後 満5年 までの 助産 婦 が受 け るソー シャル サ ポ ー トとバ ー ンア ウ ト症 状 の 関連 分 は,産 科 以 外 の 患 者 の 看護 を受 け持 ち,さ らに 産科 の 入 院 が あれ ば 入 院 産 婦 を分 娩 まで 一 人 で 責 任 を もた され る状 況 が あ っ た 。 そ して,産 科 の 入 院 や 分娩 が 多 い と き も,助 産 婦 は その シ フ トに 自 分 一 人 で あ る ため,業 務 を 分 担 で きず,さ らに看 護 婦 と しての 業 務 分 担 も減 ら され な い とい う状 況 を述 べ て い た。 ま た,公 立 病 院,総 合 病 院 勤 務 の 助 産 婦 の 多 く が,命 令 に よ る転 勤,勤 務 交 代 を経 験 して い た が, 十 分 に命 令 の 意 図 を納 得 で きな い ま ま,新 しい職 場 に移 り,そ の 多 くが産 科 以 外 の 病 棟 や 外 来 で あ る ため,「 助 産 婦 と して仕 事 を続 け た か った 」とい う不 満 を表 出 して い た 。 そ の 一 方 で,分 娩 介 助 だ け の 業 務 に限 定 され, 助 産 婦 と しての 母 子保 健,周 産 期 継 続 ケ ア へ の 業 務 の 拡 大 が 理 解 され に くい な どの 不 満 を述 べ た者 もあ っ た。 こ れ は,妊 娠 か ら産 褥 まで 継 続 的 に ケ ア を行 い た いが,助 産婦 数 の 不 足 の た め,就 職 以 来,分 娩 棟 だ け に勤 務 し,機 械 的 に 産 科 入 院 か ら 分 娩 介 助 だ け を 行 っ て い る とい う不 満 だ った 。 こ う い う状 況 に あ る助 産 婦 は,看 護 の 視 野 を広 げ る ため に配 置 転 換 を希 望 して い るが,人 員 不 足 を理 由に 拒 否 され て い る と述 べ て い た 。 こ う した職 場 の ス トレス に 対 して 行 って い る対 応 方法 は,自 分 の 努 力9名,他 者 に相 談9名,状 況 の 黙 認5名,反 撃 や 攻 撃2名 だ った 。 ス トレス 状 況 の 中 で 助 産 婦 が サ ポ ー トを受 け る対 象 は,家 族8名,職 場 の 同 僚9名,職 場 以 外 の 友 人9名 で, 上 司 をあ げ た 者 は い な か っ た。 私 的 生 活 で の ス トレス は,妊 娠 や 子 育 て に 関 す る内 容 で,仕 事 と家 事 の 両 立 が 目立 った 。 自由 時 間が な い こ とへ の 不 満 は8名 が 述 べ,そ の うち7 名が 既 婚 者 だ っ た 。 そ して,既 婚 者8名 の うち, 7名 が 自由時 間 が な い こ とを不 満 に思 っ て い た 。 5年 後 の将 来 設 計 と して,8名 が家 庭 の 事情 を 踏 ま え な が ら も仕事 の上 で の 成 長 を望 む 発 言 が み られ,仕 事 を離 れ私 的 生 活 の み の 夢 を述 べ た者 は 3名 だ っ た、 収 入 の た め に仕 事 を続 け る と述 べ た 者 が1名 だ っ た。 IV考 察 1.勤 務 体 制,家 庭 環 境 か ら生 じるス トレス 卒 後5年 まで の 時 点 で,57%が 結 婚 し,43%が 子 ど もを もち,65%が 三 交 代 勤 務 に従 事 して い た。 三 交 代 勤 務 は それ 自体 が バ ー ンア ウ トの リス ク と な るス トレ ス源 で あ る2),4)が,家庭 を もち,育 児 を 行 い な が らの 三 交 代 勤 務 は さ ら に大 き な ス トレス とな っ て い る と推 察 され る。 本研 究 の 面 接 事 例 で も,既 婚 者 の ほ とん どが 「自由時 間 が な い」 とい う不満 を も って い た こ とか ら も明 らか で あ る。 し か し,こ う した 状 況 に もか か わ らず,面 接 事 例 で は,5年 後 の 将 来 設 計 と して,家 庭 生 活 を営 み な が ら も職 業 上 の 成 長 を望 む もの が 多 か った 。 この こ とか ら,結 婚,育 児 に よ る 多忙 さは,潜 在 的 な ス トレス で は あ って も,直 接 に離 職 に 結 び 付 く動 機 に は な って い な い と推 察 され た。 こ の 結 果 は, 結 婚,出 産 とい う個 人生 活 を重 視 す る時 期 が職 場 モ ラ ール の低 下 時 期 と符 合 し,こ れ が 職 場 継 続 意 図 の 低 下 に つ な が る とい う看 護 婦 を対 象 と した調 査 か らの示 唆1),7)は 一 致 しな か っ た 。 2.バ ー ンア ウ トに陥 る経 緯 バ ー ン ア ウ ト者 は満2年 に 初 め て 現 れ(15%), その 割 合 は満5年 ま で20%以 下 で ほ ぼ 一 定 だ っ た。 しか し,バ ー ンア ウ ト徴 候 者 は満3年 まで は 30%前 後 だ っ たが,満5年 で51%と 過 半 数 に達 し た 。水 野1)は、看 護 婦 の 職 務 継 続 意 図,職 務 満 足 度 が 経 験4∼5年 層 で 顕 著 に低 下 す る と述 べ て お り,こ れ は本 調 査 に お け るバ ー ンア ウ ト徴 候 者 の 急 増 時 期 と一 致 して い た。 バー ンア ウ ト者 と正 常 者 の 家庭 環境,職 場環 境, 勤 務 形 態,勤 務 内 容 な どの 背 景 に差 異 が 認 め られ な か った こ とか ら,す で に述 べ た よ う に,こ う し た 内 容 は助 産 婦 が もつ 潜 在 的 な ス トレ ス要 因 で は あ るが,バ ー ンア ウ トや そ こ か ら派 生 す る職 務 継 続 意 欲 の 低 下,離 職 の 直 接 原 因 で は な い こ とが 明 らか で あ る。 しか し,仕 事 や 勤 務 場 所 に対 す る本 人 の 気 持 ちや 考 え方 は,バ ー ンア ウ ト者 と正 常者 で 違 いが 認 め られ た。 まず,満3年 で,バ ー ンア ウ ト者 は正 常 者 と比 較 して,助 産 業 務 を 「緊 張 が 強 い られ る」 と有 意 に強 く と らえ る傾 向 が 認 め ら れ た 。 保 坂4)は,ス トレス 発 生 源 と な る仕 事 内 容 に,ミ ス が 許 され な い状 況 や 死 との か か わ り等 を あ げ,稲 岡2)は,バ ー ンア ウ ト看護 婦 の 職 場 の特 徴 と して 生 死 に か か わ る極 限状 況 や 生 命 倫理 との 密 接 な か か わ りを あ げ て い る。 この こ とか ら,経 験 3年 以上 の 助 産 婦 が 直 面 す る 「緊 張 を強 い られ る

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卒 後満5年 までの 助 産婦 が受 け る ソー シ ャルサ ポー トとバ ー ンア ウ ト症 状 の 関連 状 況 」 に は,母 子 二 つ の 生 命 を守 る と い う緊 急 の 状 況 を数 多 く経 験 す る こ とや,胎 児 医療,胎 児 診 断 の 領 域 に高 度 な医 療 介 入 が 可 能 に な る につ れ, 生 命 倫 理 の 問 題 に か か わ る機 会 が 増 えて い る こ と な どが 考 え られ る。 こ う した状 況 に,中 堅 と して 責 任 を もつ 立 場 と して か か わ る こ とが 「緊 張 を強 い られ る」 とい う意 識 に結 び 付 くの で は な い か と 予 測 され る。 しか し,こ の よ うな 重 大 な 局 面 を経 験 す る なか で,助 産 婦 の技 術 の 有 用性 を認 識 す る こ とは 「職 業 的地 位 」 「看 護 業 務 」の 満 足 に結 び 付 くと深 澤 ら8)は述 べ て お り,緊 張 の 強 い 局面 の 経 験 は助 産 婦 自身 の 受 け止 め 方 でバ ー ンア ウ トに至 るス トレス とな るか 職 業 上 の 満 足 とな るか が 分 か れ る と推 察 され る。 さ らに,満5年 にな る と,漠 然 と助 産 業 務 と考 え て い た ス トレス が よ り具 体 的,直 接 的 とな り, 勤務 場 所 で 与 え られ た役 割,存 在 価 値 な ど職 場 と 自分 の 適 合性 を深 く意 識 す る よ うに な る と考 え ら れ る。 卒 後5年 間 の 勤 務 部 門 は,卒 後 満1年 で は 70%以 上 が 産 婦 人科 系 の 勤 務 部 門 で あ っ た が,満 2年 以 降 は,そ の割 合 が減 り,常 に20%以 上 が 産 婦 人科 以 外 の病 棟 また は 外 来 に勤 務 して い る。 す な わ ち,助 産 婦 と して の ア イデ ン テ ィテ ィが確 立 され る に従 っ て,種 々 の事 情 で 助 産 婦 と して の専 門 性 が あ ま り生 か さ れ な い職 場 に勤 務 す る こ と が,自 分 が 勤 務 場 所 で評 価 され て い な い,自 分 が 期 待 され て い な い等,勤 務 場 所 と自分 の 適 合 性 を 強 く意 識 す るこ とに つ な が る と予 測 され る。ま た, 面 接 事 例 の 発言 に み られ た 「混 合 病 棟 に働 く助 産 婦 が 助 産 業 務 と看 護 業 務 を兼 ね て 働 く葛 藤 」 は, 深 澤 らの 報 告 に も認 め られ た8)。 これ は総 合 病 院 で 働 く助 産 婦 に共 通 す る 葛 藤 で あ る と推 察 され た 。 3.ソ ー シ ャル サ ポ ー トの 影 響 本 研 究 の 結 果 は,す で に看 護 婦 の調 査 で 述 べ ら れ て い る よ う に,バ ー ン ア ウ ト予 防 に情 緒 的 な ソ ー シ ャル サ ポー トが 必 要 で あ る2),4)とい う主 張 を 支持 して い た 。 全 体 的 な傾 向 で は,自 分 の 両 親 と 友 人 か ら受 け るサ ポー ト量 がバ ー ンア ウ トと関 連 が 高 か っ た が,対 象 背 景 との 関 連 を み る と,既 婚 者,特 に 子 ど もが い る場 合 に は夫 か ら受 け るサ ポ ー トが 中心 とな り,独 身者 の場 合 に は 自分 の 両親, 友 人が サ ポ ー トを受 け る対 象 の 主 体 とな って い る こ とが 認 め られ た 、 バ ー ンア ウ トとの 関連 性 か ら 考 え て,特 に独 身 者 の 場 合,自 分 の 両 親 や 友 人 の ネ ッ トワ ー ク が 希 薄 な場 合 に はバ ー ン ア ウ トの リ ス クが 高 い と考 え られ よ う。 一 方 ,い ずれ の内容で も職場 の上 司か ら受 け る サ ポ ー ト得 点 は非 常 に低 く,ま た,上 司 か ら受 け るサ ポー ト量 が,バ ー ンア ウ トに影 響 す る 「職 場 で の 存 在 価 値 」 や 「仕 事 や 勤 務 場 所 に 対 す る考 え 方 」と相 関 関係 に あ る こ とが 認 め られ た。 しか し, こ う した 要 因 は,上 司以 上 に職 場 の 同僚 か ら受 け る サ ポ ー トと強 い相 関 が 認 め られ た。 こ れ まで,仲 間 や 上 司 の期 待 が 仕 事 の 志 気 に影 響 す る こ とが 述 べ られ8),同 僚 は,感 情 表 出 の相 手 と して 重 要 視 さ れ て い た3)5)9)が,そ れ だ け で な く,同 僚 か らの 評 価 や 期 待 が適 切 で あ る こ とがバ ー ン ア ウ トに 影響 を与 え る と考 え られ る。 これ は わ が 国 の 組 織 の 特 徴 で もあ る と い わ れ て い る9)。 現 在 の 日本 の 看 護 管 理 の 構 造上,産 科 と他 科 の混 合 病 棟 で は,助 産 婦 の 上 司 が 必 ず し も助 産 婦 で は な く,看 護 婦 の場 合 が あ る。 そ の た め,助 産 業 務 と い う専 門領 域 の 評 価 は,看 護 婦 の上 司 の 評 価 よ り,同 じ助 産 婦 の 同 僚 の 評 価 を重 視 す る とい う可 能性 が あ り,そ れ が上 司 の 評 価 が 同僚 よ り も影 響 が 少 な い理 由 の1つ と考 え られ よ う。 ま た,医 師 の 存在 は,看 護 婦 の 場 合 に は仕 事 内 容 が 医 師 の 補 助 的 業 務 で あ る場 合 な どは,医 師 と の 対 人関 係 が バ ー ンア ウ トの 要 因 に あ げ られ て い た 。 しか し,本 研 究 の 助 産 婦 は,職 場 の 意 見 交 換 や指 導 助 言 が な い と感 じる場 合 に 医 師 か ら受 け る サ ポ ー ト得 点 が有 意 に 高 く,同 僚 や 上 司 か ら は得 られ な い学 問的 な示 唆 を求 め る対 象 と して 医 師 と の 関 係 を維 持 して い る と推 察 され る。 島 村10)は, 「仕 事 志 向 型 」タ イ プ の 看 護 婦 は医 師 の影 響 を受 け る と述 べ て い た が,専 門性 の 強 い助 産 婦 の場 合, 仕 事 志 向 性 が 強 い看 護 婦 と同 様 の 傾 向 が み られ る とい え よ う。 4.バ ー ンア ウ トの 直 接 原 因 面接 者 は,仕 事 上 の ス トレス要 因 と して,一 人 を除 い て 全 員 が 自分 自身 の 力不 足 をあ げ てお り, 次 に職 場 の シ ス テ ム,上 司 の 力 不 足 を あ げ て い た 。 Landstromら5)に よ れ ば,離 職 者 の 現 状 へ の 怒 り は まず 直 属 上 司 に 向 け られ,次 い で 組織 その もの に 向 け られ る とい う。 これ に従 え ば,多 くの 面 接 28 日本 助産 学 会 誌 第8巻 第1号(1994)

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卒 後 満5年 までの 助 産婦 が 受 け る ソー シ ャルサ ポ ー トとバ ー ンア ウ ト症 状 の 関連

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卒 後満5年 までの 助産 婦 が 受 け る ソー シ ャル サ ポー トとバ ー ンア ウ ト症 状 の 関連 者 の ス トレ ス は組 織 そ の もの に 怒 りを向 け て い る 第二 段 階 に至 っ て い る とい え よ う。 婦 長 ・主 任 と ス タ ッフ の 人 間 関 係 に不 満 を も って い る もの も多 く,こ れ は基 本 的 に は 自分 自身 の 仕 事 を正 当 に評 価 され て い な い,期 待 さ れ る役 割 が 適 当で な い と い う不信 感 が基 本 と な っ て い た。こ う した怒 りは, 上 司 の介 入 が 離職 を押 し とど め る効果 が あ る初 期 の 段 階 を す で に越 えて い る こ とを表 して い る。 ス トレスへ の 対 応 方法 も,反 撃 や 攻 撃 に 向 か う神 経 過 敏 段 階,状 況 の 黙 認 と い う無 関 心 段 階 に 進 ん で い る もの が 半 数以 上 に上 って い た。 家 族や 職 場, 職 場 以 外 の 友 人 か らの サ ボー トを 多 くの助 産 婦 が す で に十 分 活 用 して い るに もか か わ らず,こ う し た 葛 藤 を抱 え て い る こ とか ら,何 らか の きっ か け に よ っ てバ ー ンア ウ トに 陥 る潜 在 的 な要 素 を抱 え て 仕 事 を して い る と考 え られ る。 初 期 葛 藤 の 開始 には,そ の き っ か け とな る トピ ッ クが3分 の1に 認 め られ る と いわ れ るが5),今 回 の 面 接 事 例 で は, 意 識 的 に質 問 した に もか か わ らず,こ う した事 件 は具 体 的 に表 出 され な か っ た。 しか し,配 置 転 換 の 直後 にバ ー ンア ウ トが 起 きた事 例 が 多 い こ とか ら,配 置転 換 に よ る環境 や 役 割 の 変化 が 大 きな き っ か け とな っ て い る こ とが 考 え られ よ う。 配 置転 換 は,看 護 婦 の 場 合 に は ロー テ ー シ ョン に よ る適 性 の 発 見 や 管 理 者 とな る うえ で の 視 野 を 広 げ る 目的 と して有 効 で あ る。 しか し,助 産 婦 の 場 合,助 産 婦 と して の 専 門性 を生 か し,管 理 業 務 につ いて ス テ ップ ア ップ す る よ りは,専 門 ス タ ッ フ と して活 動 した い とい う希 望 が 一 般 看 護 婦 よ り も強 い と も考 え られ る。大 田11)も述 べ る よ うに,配 置 換 え した ス タ ッフ の 能 力 向上 に は,前 の 職 場 で 培 った 専 門 的 能 力の 活 用 が有 効 で あ る。 助 産 婦 の 場 合 も,助 産 婦 と して の専 門 能 力 を生 か した部 門 へ の 配 置 換 え を考 慮 した り,助 産 婦 の 配 置 換 え の 時 期,本 人 へ の 説 明 や 承 認 も看 護 婦 と一 律 で は な く,よ り専 門 志 向 の 強 い職 種 と して の 配 慮 が 望 ま れ る の で は な い か と考 え る。 5.助 産 婦 が バ ー ンア ウ トに陥 る模 式 図 本 研 究 か ら仮 説 と して導 か れ た助 産 婦 の バ ー ン ア ウ トに い た る経 緯 を模 式 図 と して図1に 示 す 。 助 産 婦 は潜 在 的 に 三 交 代 勤 務 や 家 事 ・育 児 と仕 事 の 両 立 とい うス トレス を抱 え,こ れ は 自分 の 両 親 や 友 人,夫 か ら受 け るサ ポ ー トに よ って 解 消 し て い る。 サ ポ ー トが 不 足 して い る場 合 に は,潜 在 的 な ス トレス が 大 きい バ ー ン ア ウ ト ・ハ イ リス ク 助 産 婦 とな り,職 業 上 の成 長 を望 む 気 持 ちが 阻 害 され る。 そ して,経 験 を 重 ね る につ れ,2つ の 生 命 に か か わ る 責 任 と生 命 倫 理 上 の 問 題 に か か わ り,「助 産 業 務 は緊 張 を強 い られ る」とい う第2の 潜 在 ス トレス を抱 え る こ とに な る。これ は,上 司, 同僚,医 師 な どの専 門職 か ら受 け るサ ポー トに よ っ て緩 和 され,こ う した サ ポ ー トが 不 足 して い る 場 合 に は,葛 藤 は増 強 す る。 こ の潜 在 的 ス トレス状 況 に,職 場 の 管 理 シス テ ム 上 の配 置 換 え とい う き っか けが 与 え られ,バ ー ンア ウ トに 至 る3つ の 状 況 が起 き る。 第1の 状 況 は,産 科 棟,分 娩 棟 に勤 務 し,助 産 婦 不 足 とい う 理 由 で 配 置 転 換 が 希 望 して もで き な い場 合 に起 こ り,業 務 の役 割 拡 大 の ニ ー ドが 阻 害 され る。 第2 の 状 況 は,配 置転 換 後,ま た は配 置 転 換 が な く産 科 と他 科 の 混 合 病 棟 に 勤 務 す る場 合 で,看 護 業 務 と助 産 業 務 を 兼務 す る職 場 に お か れ,看 護 業 務 と 助 産 業 務 を と も に要 求 さ れ 過 重 負 担 の 状 況 に 陥 る。 第3の 状 況 は,産 婦 人科 以 外 の 勤 務 に 配 置 転 換 に な った 場 合 で,助 産 婦 と して の 専 門 性 が 生 か せ な い とい う不 満 が 生 じ る可 能性 が あ る。 い ず れ の場 合 も,上 司,同 僚 か らの 仕 事 に対 す る正 当 な 評 価 を 受 け て い る とい う実感 が 自分 自身 の 存 在 意 識 を確 認 し,葛 藤状 況 の 軽 減 に つ な が るが,上 司, 同 僚 か らの 正 当な 評 価 が され て い な い とい う認 識 を もつ 場 合,バ ー ンア ウ トに 陥 る と考 え られ る。 V結 論 助 産 婦 のバ ー ンア ウ ト予 防 に は,基 本 的 に,自 分 の 両 親,友 人,夫 な どか らの情 緒 的 サ ボ ー トが 必 要 で あ り,仕 事 に対 す る ス トレス は,上 司,同 僚 か らの 仕 事 の 評 価 を正 当 に受 け て い る とい う認 識 に よ っ て軽 減 す る こ とが で き る。 配 置 転 換 は,バ ー ンア ウ トの 直接 的 な引 き金 と な りう る出 来 事 で,特 に上 司,同 僚 が 仕 事 上 の 評 価 を確 実 に本 人 に返 して い くこ とが 重 要 で あ る。 また,特 に,助 産 婦 の 配 置 転 換 は,看 護 婦 とは 違 う専 門性 を尊 重 した 方 法 や 時 期 の 配 慮 が 必 要 で あ る. 本研 究の 一部 は第3回 日本助 産学 会,第23回ICM 30 日本助 産 学 会誌 第8巻 第1号(1994)

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卒後 満5年 まで の助 産 婦が 受 け る ソー シ ャルサ ポー トとバ ー ンア ウ ト症 状 の 関連 大 会 に お い て 発 表 し た 。 ま た,卒 後 満5年 助 産 婦 を 対 象 と し た 調 査 は,文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金 奨 励 研 究(A)(課 題 番 号05857278)の 助 成 を 受 け て 行 っ た 。 引 用 文 献 1) 水 野 智, 他: 勤 務 年 数 に よ る 看 護 職 の 職 務 態 度 の 変 化, 病 院 管 理, 24 (1), pp.43-48, 1987。 2) 稲 岡 文 昭: ナ ー ス は な ぜ 病 院 を 辞 め る の か, 辞 め た が る の か, 病 院, 47 (5), pp.421-423, 1988。 3) 稲 岡 文 昭: Burnoutに 導 く職 場 の 心 理 的, 社 会 的 要 因 の 根 源, 看 護 研 究, 21 (2), pp.173-179, 1988。 4) 保 坂 隆: ナ ー ス の ス ト レ ス ー そ の 評 価 と対 策, 看 護 学 雑 誌, 55 (6), pp.506-511, 1991。

5) Landstrom, G.L, Gillies, D.A.,(三 木 喜 美 子 訳): ス タ ッ フ ナ ー ス が 離 職 に 至 る感 情 と行 動 の プ ロ セ ス, 看 護 学 雑 誌, 55 (6), pp.512-517, 1991。 6) 島 村 忠 義, 村 上 美 好: 看 護 婦 の 職 場 移 動-臨 床 看 護 婦 の 全 国 調 査 よ りー, 臨 床 看 護, 9 (3), pp.422-431, 1983。 7) 稲 岡 文 昭, 他: 看 護 婦 のBURN OUTと 社 会 環 境 お よ び 行 動 特 性 との 関 連 に つ い て の 研 究 一 一 般 医, 精 神 科 医 との 比 較 を 通 し て ー, 日本 看 護 科 学 会 誌, 6 (3), pp. 55-60, 1986。 8) 深 澤 佳 代 子, 草 刈 淳 子: 看 護 婦 の 職 務 満 足 に 関 す る検 討, 看 護 管 理, 2 (6), pp.378-383, 1992。 9) 二 村 利 子, 他 編: 組 織 の 中 の 人 間 行 動, 有 斐 閣, 1988。 10) 島 村 忠 義, 他: 臨 床 看 護 婦 の 職 場 移 動 と 専 門 的 職 業 観 一 臨 床 看 護 婦 の 全 国 調 査 を 中 心 と して ー, 厚 生 の 指 標, 29 (7), pp.23-32, 1982。 11) 大 田 す み 子: ど う す れ ば 能 力 開 発 の で き る 配 置 換 え と な る か, 看 護 展 望, 18 (7), pp.758-761, 1993。

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