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東北地方太平洋沖地震の震源モデルの構築

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Academic year: 2021

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.

東北地方太平洋沖地震の震瀬モデルの構築

禽橋奨@入曾孝次

f

l

s

1

.はじめに

2012

3

1

1

日東北地方太平洋沖地震

CMw9.0)

の超巨大地震が発生した。この地震は、日本付近で発生 した地震の中で最も大きな地震であり、その震源メカニズム(断層面のすべり分布)は多くの研究者により研究 が進められている。使用されているデータとして、津波、地殻変動、遠地実体波などの長周期のものから、海外 で観測されたP波の短周期成分や日本で観測された近地の強震動記録など短周期成分などが使用されている。 このうち、長周期データを用いた解析結果では、震源よりも海溝軸よりで大きなすべりがあることがわかって きた。一方で、強震動を用いた結果では陸側であることが指摘されている。本研究では、近地強震動記録を用い て、強震動生成域を構築した。

2

.

使用データ 本震の強震動記録は、(独)防災科学技術研究所のKiK-netやK-NET観測点をはじめ、多くの機関の観測点に より記録されている。本研究では、地表の地盤の影響を受けにくい地中記録を用いるため、東北地方の震源に近 いKiK-netの20観測点および東北電力の女川原子力発電所の記録を用いた。

3

.

強震動生成域の場所の推定 太平洋沖地震の加速度分布を図1(司に示す。また、北から南におけるオリジンタイムからの強震動記録を図

1

(b)に示す。本震の強震動は、

5

つのウェーブ、パケット

CWP)

で成り立っており、これは強震動生成域

CSMGA)

から生成されていると考えられる。観測波形には、地域よって特徴が異なっており、例えば、宮城県の記録では 波形の前半に

2

つ明瞭な

WP

がみられ、一方で茨城県の記録では波形の後半に一つ明瞭な

WP

が見られる。こ のことは、

SMGA

が空間的に広がっていることを示唆している。本研究では、

SMGA

の場所の推定法として、

S

波を用いたセンブランス解析を用いた。特に、

WP

が顕著で、

S

波が独立していると判断可能な

WP1

WP3

, WP5に対して実施し、 WP2,WP4はKurahashiand Irikura(2011)で用いられたback-propagation法を適用し ている。また、センブランス解析に利用する波形部分は、

WP

のオービットから、波形の震動方向在確認し、同 じ波群であることを確認している。 センプランス解析は、以下の方法で実施した。まず、想定される

SMGA

の場所在小断層に分割する。観測点 は、図 2(b)に示すように観測点在 3-4点のアレーで、区切った。アレー内の観測記録と小断層との幾何学的な 関係から計算される波形の一致度からセンプランス値が計算される。観測点在アレーで区切ることで、各アレー から推定された入射方位の交点により、

SMGA

の場所が確定できるためである。図

2

(a)にセンプランス結果を 示す。センブランス値の大きい部分は、波の到来方向を示しており、各アレーから推定された到来方向の交点が

SMGA

の場所と推定される。図

3

に各アレーから推定された方位角から推定された

SMGA

の点在示す。この結 果、

WPl

を放出した

SMGA1

は、震源よりも陸側と推定された。また

WP3

を放出した

SMGA3

は、震源より も陸側かつ

SMGA1

よりも沖側と推定された。また、

WP5

を放出した

SMGA5

は、茨城県の沖側と推定された。 WP2とWP4を放出した場所は、それぞれ岩手県沖と福島県沖に推定した。

(2)

4

.

経験的グリーン関数法による短周期強震動シミュレーション S波を用いたセンブランス解析とback-propagtion法により推定されたSMGAの場所を基として、経験的グリー ン関数法により強震動シミュレーションを実施し、 SMGAの面積と応力パラメータを推定した。 経験的グリーン関数法に必要な経験的グリーン関数は、 1.本震と震源メカニズムが近似していること、

2

.

SMGAに近い場所で発生したもの、 3.波形合成の数が適切になる大きさの地震という条件を満たした小地震を 選択する必要がある。そこで本研究では、 WP1、WP2,WP3は、 2005年宮城県沖地震を利用した。ただし、 この地震波形は、 2つのWPで成り立っている。本研究では、波形の継続性在考え、 WPの後半部分を用いた。 WP4、WP5は、南側で発生している 2007年11月 初 日22時51分の地震を用いた。表1fこ要素地震の緒元 を示す。 図4(司に解析した地点の観測記録(黒)と解析波形(赤)の比較図を示す。図面の左は加速度波形そ、右側 は速度波形を示している。観測記録で見られるWPの到達時間や振幅はよく再現されており、特に、観測地点 で異なる特徴(WPの出現時間)はよく合っている。図5は、本研究で推定した強震動生成域と浅野e岩田 (2011) および佐藤 (2012)を示しており、各SMGAの場所や、破壊する順番概ね整合する結果となっている。 5. SMGA内の不均質性を考慮した震源のモデル化 震源近傍である女川原子力発電所やその付近の観測記録には、 WP1とWP3の初めに顕著なパルス波形が見 られる。このパルス波形は、図6(司に示す宮城県付近の記録のペ←ストアップから、伝播していることがわかる。 すなわち、これはサイトの影響ではなく震源特性であるといえる。このような記録の観測は、松島@川瀬 (2006) でも述べられており、彼らは、この部分そスーパーアスペリティと呼び、非常に大きな応力降下量が解放された と考えれば、再現可能であることを示した。本研究では、 SMGA内に特に大きな応力降下量が解放される不均質 な部分があると考えて震源モデルを構築し、パルス波形の再現を試みた。不均質部分は、観測記録を分析して、 図6(b)の模式図に示すように、 SMGA1では破壊開始点の場所に、 SMGA3は破壊開始点よるも lメッシュ分陸 側に設定した。図

7

(上図)にuniformモデル、(中図)に不均質部分の応力降下量そ

2

倍したモデル、(下図) に不均質部分の応力降下量を

4

倍にしたモデルのシミュレーション波形を示す。観測波形とシミュレーション波 形との比較から、 WP1は応力降下量が2倍、 WP3は4倍程度で再現可能と考えられる。

6

.

他研究者の波形インパージョン結果と短周期強震動生成域との比較 東北地方太平洋沖地震では、津波や地殻変動デー夕、遠地実体波、強震動など様々なデータが観測されており、 それらのデータを用いて震源モデルの構築がされている。 図8 (a)にIshii (2011)によるP波の遠地実体波記録を用いた短周期 (0.8~ 2.0Hz)のenergyrelease areasを示す。背景図の赤色がenergyreleaseの大きな場所であり、宮城県沖の部分は調和的であるが、 SMGA の破壊の順番は異なっている。私たちは、一般的に、近地記録の方が多くのJ情報を持っていると考えている。 図8 (b)にはYokotaet al(201 1)による長周期の強震動(1 0 秒~ 100秒)を用いた波形インパージ、ヨン 結果を示す。これらのモデルと本研究による短周期のSMGAの場所は概ね一致している。 一方で、図8(c)の地殻変動記録を用いたすべり分布や図8(d)の津波データによるすべり分布からみられるす べりの大きい部分は、震源よりも海溝側であり、短周期生成域とは大きく異なることがわかる。 最後に図9に地震調査研究推進本部で発表されている海溝型地震の長期評価のセグメントとの比較図を示す。 本研究で構築したSMGAは、宮城県沖や福島県沖などの各セグメントの位置と調和的であり、各セグメントに 存在する SMGAが破壊されたと考えられる。 38

(3)

7

.

まとめ 本研究では、震源近傍で観測された強震動記録を用いて、短周期の強震動生成域の構築在、経験的グリーン関 数法を用いて実施した。まとめを以下に示す。 @観測記録は、

5

つのウェーブ、パケット

(WP)

で構成されており、その発生源は強震動生成域

(SGAM)

とし て、センブランス解析により強震動生成域

(SMGA)

の生成場所を推定した。その結果、

WPl

の場所は陸側、 日

1

P3

WPl

よりもjヰI個リであった。 @推定したモデ、ルで、解析された計算波形は、観測記録と整合的であり、モデルの妥当性を示している。 -震源近傍で観測された明瞭なパルス波形は、

SMGA

内の不均質性を考慮することで再現可能であることを示し

た e観測された様々なデータとそれを用いた解析結果から、観測記録が生成された場所は、同じ場所ではないこと がわかり、短周期地震動は陸に近い場所で生成されたことがわかった。 @推定された

SMGA

の場所は、長期評価で示されるセグメントの位置と調和的であり、本地震は、各セグメント の

SMGA

は破壊した地震であることがわかった。 41写 40" i出1昌定巴preL 39肉 380 3ず 36司

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ACL_9呈i 14ド 141与 143'~ "1m"}_3_H_l丸4惑いNえAi::C. 144事 図1 太平洋沖地震の加速度分布(司と強震動記録のペーストアップ (b)

(4)

39司自ぴ 37"30' 図

2

官官自 すく語、 37

叫 珂

-各アレーにおけるセンブランス解析結果(司とアレ一点 (b) 官官時

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図3 各アレーの記録からセンブランス解析から推定された点の交点 40 144-(l{¥'

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告 MY郎 幹 一 社 ' " 会 50 100 150 0 50 100 150 Ti開le(宕牢c) Tim告(sec) 図6(a)宮城県付近の観測記録と (b)不均質モデ、ルの模式図

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観測記録と不均質を考慮した場合のシミュレーション波形 42

20

(7)

41ア 39 31f 3T 36" 図8 様々な観測記録を用いて推定された震源モデ、ルと短周期強震動生成域の比較 (a)Ishii (2011)によるP 波実体波を用いたenergyrelease area、(b)Yokotaet a.(l2011)による長周期強震動を用いたすべり分布、 (c)国 土地理院 (2011)による地殻変動を用いたすべり分布、 (d)F吋iiet al,(20 11)による津波を用いたすべり分布。

:

:

.

し i 図

9

地震調査研究推進本部による海溝型地震の長期評価によるセグメントと

SMGA

の場所の比較

参照

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