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し て 支 払 っ た も の に 該 当 す る か ら 経 費 と し て 認 め ら れ な い こ と 等 を 理 由 と し て 各 更 正 の 決 定 ( 以 下 本 件 各 更 正 決 定 と い う ) を し た そ こ で 原 告 は こ れ を 不 服 と し て 審 査 請

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Academic year: 2021

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File.4 < 判 決 原 文 >

生 計 を 一 に す る 妻 へ の 税 理 士 報 酬 と 必 要 経 費 - 宮 岡 事 件 -

第 1 審 : 東 京 地 裁 平 成 13年 ( 行 ウ ) 第 423 号 、 平 成 15年 7 月 16日 判 決 (TAINS 判 例 検 索 →Z253-9393、 税 務 訴 訟 資 料253号 順 号9393、 判 例 時 報189144頁 ) 控 訴 審 : 東 京 高 裁 平 成 15年 ( 行 コ ) 第 209 号 、 平 成 16 年 6 月 9 日 判 決 (TAINS 判 例 検 索 → Z888-0847、 判 例 時 報189118頁 ) 上 告 審 : 最 高 裁 三 小 平 成16年 ( 行 ツ ) 第248号 、 平 成17年 7 月 5 日 判 決 (TAINS判 例 検 索 →Z888-1000) 第 1 審 : 東 京 地 方 裁 判 所 平 成 13年(行 ウ)第 423号 不 当 利 得 返 還 請 求 事 件(一 部 認 容)(被 告 控 訴 ) 判 決 原 告 宮 岡 孝 之 同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 児 王 晃 一 同 浅 倉 隆 顕 同 伯 母 治 之 同 上 條 司 同 川 端 小 織 同 豊 崎 寿 昌 同 芳 賀 淳 同 渡 辺 智 子 同 塩 野 正 視 同 大 山 勉 同 長 谷 山 尚 城 被 告 国 同 代 表 者 法 務 大 臣 森 山 眞 弓 同 指 定 代 理 人 澁 谷 勝 海 同 磯 野 宏 同 山 本 義 弘 同 高 野 浦 信 昭 被 告 東 京 都 同 代 表 者 東 京 都 知 事 石 原 慎 太 郎 同 指 定 代 理 人 直 井 春 夫 同 宮 崎 俊 郎 主 文 1 被 告 国 は 、 原 告 に 対 し 、 金 3 8 万 3 0 0 0 円 並 び に こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 3 月 2 6 日 か ら 同 年 1 2 月 3 1 日 ま で 年 7 . 3 パ ー セ ン ト 、 同 1 2 年 1 月 1 日 か ら 同 1 3 年 1 2 月 3 1 日 ま で 年 4 . 5 パ ー セ ン ト 、 及 び 同 1 4 年 1 月 1 日 か ら 支 払 済 み ま で 年 4 . 1 パ ー セ ン ト の 各 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え 。 2 被 告 東 京 都 は 、 原 告 に 対 し 、 金 3 万 8 3 0 0 円 及 び こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 9 月 1 日 か ら 同 年 1 2 月 3 1 日 ま で 年 7 . 3 パ ー セ ン ト 、 同 1 2 年 1 月 1 日 か ら 同 1 3 年 1 2 月 3 1 日 ま で 年 4 . 5 パ ー セ ン ト 、 及 び 同 1 4 年 1 月 1 日 か ら 支 払 済 み ま で 年 4 . 1 パ ー セ ン ト の 各 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え 。 3 原 告 の そ の 余 の 請 求 を 棄 却 す る 。 4 訴 訟 費 用 は 、 原 告 と 被 告 国 と の 間 で 生 じ た 分 は 、 こ れ を 3 分 し 、 そ の 1 を 原 告 の 負 担 と し 、 そ の 余 を 被 告 国 の 負 担 と し 、 原 告 と 被 告 東 京 都 と の 間 で 生 じ た 分 は 、 こ れ を 5 分 し 、 そ の 2 を 原 告 の 負 担 と し 、 そ の 余 を 被 告 東 京 都 の 負 担 と す る 。 事 実 及 び 理 由 第 1 請 求 1 被 告 国 は 、 原 告 に 対 し 、 金 5 6 万 6 9 0 0 円 及 び こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 3 月 2 6 日 か ら 支 払 済 み に 至 る ま で 年 7 . 3 パ ー セ ン ト の 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え 。 2 被 告 東 京 都 は 、 原 告 に 対 し 、 金 5 万 8 5 0 0 円 及 び こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 3 月 2 6 日 か ら 支 払 済 み に 至 る ま で 年 7 . 3 パ ー セ ン ト の 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え 。 第 2 事 案 の 概 要 原 告 は 、 弁 護 士 業 を 営 む 者 で あ り 、 そ の 妻 乙 ( 以 下 「 訴 外 乙 」 と い う ) は 税 理 士 業。 を 営 ん で い る と こ ろ 、 平 成 7 年 か ら 平 成 9 年 ま で の 間 、 同 人 と の 間 で 、 顧 問 税 理 士 契 約 を 締 結 し 税 理 士 報 酬 等 を 支 払 っ た た め 、 上 記 各 年 分 に 係 る 原 告 の 税 務 申 告 の 際 、 同 報 酬 を 弁 護 士 報 酬 を 得 る た め の 経 費 と し て 申 告 し た 。 こ れ に 対 し 、 足 立 税 務 署 長 は 、 原 告 が 、 訴 外 乙 に 支 払 っ た 報 酬 は 、 所 得 税 法 5 6 条 の 規 定 す る 「 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 」 に 対

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し て 支 払 っ た も の に 該 当 す る か ら 、 経 費 と し て 認 め ら れ な い こ と 等 を 理 由 と し て 各 更 正 の 決 定 ( 以 下 「 本 件 各 更 正 決 定 」 と い う ) を し た 。 そ こ で 、 原 告 は 、 こ れ を 不 服 と し。 て 審 査 請 求 を し た 上 、 こ れ に 対 す る 各 裁 決 に よ り 経 費 と 認 め ら れ 一 部 取 り 消 さ れ た 後 の 本 件 各 更 正 決 定 は 違 憲 又 は 違 法 で あ る と し て 、 被 告 国 に 対 し 、 訴 外 乙 に 支 払 っ た 報 酬 を 原 告 の 経 費 と し て 認 め ら れ な い こ と に よ り 、 原 告 が 負 担 さ せ ら れ た 金 額 に つ い て 誤 納 金 と し て 返 還 す る よ う 請 求 す る と と も に 、 被 告 東 京 都 に 対 し 、 同 様 の 理 由 に よ り 、 平 成 7 年 分 か ら 平 成 9 年 分 の 事 業 所 得 に 係 る 個 人 事 業 税 賦 課 決 定 処 分 に よ り 原 告 が 負 担 さ せ ら れ た 税 額 の 一 部 に つ い て 、 誤 納 金 の 返 還 を 請 求 し て い る 事 案 で あ る 。 1 所 得 税 法 及 び 地 方 税 法 の 定 め ( な お 、 所 得 税 法 5 6 条 の 改 正 経 緯 に つ い て は 、 別 紙 1 参 照 )。 ( 1 ) 現 行 所 得 税 法 ( 以 下 「 法 」 と い う ) 5 6 条 は 「 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る。 、 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が そ の 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 、 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 に は 、 そ の 対 価 に 相 当 す る 金 額 は 、 そ の 居 住 者 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 、 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 、 必 要 経 費 に 算 入 し な い も の と し 、 か つ 、 そ の 親 族 の そ の 対 価 に 係 る 各 種 所 得 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 さ れ る べ き 金 額 は 、 そ の 居 住 者 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 、 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 、 必 要 経 費 に 算 入 す る 。 こ の 場 合 に お い て 、 そ の 親 族 が 支 払 を 受 け た 対 価 の 額 及 び そ の 親 族 の そ の 対 価 に 係 る 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 上 な い も の と み な す ( マ マ ) 旨 を 規 定 し て い る 。」 ( 2 ) 地 方 税 法 7 2 条 の 5 0 第 1 項 本 文 は 「 個 人 の 行 う 事 業 に 対 し 事 業 税 を 課 す、 る 場 合 に お い て は 、 第 4 項 に 規 定 す る 場 合 を 除 き 、 道 府 県 知 事 は 、 当 該 個 人 の 当 該 年 度 の 初 日 の 属 す る 年 の 前 年 中 の 所 得 税 の 課 税 標 準 で あ る 所 得 の う ち 第 7 2 条 の 1 7 第 1 項 に お い て そ の 計 算 の 例 に よ る も の と さ れ る 所 得 税 法 第 2 6 条 及 び 第 2 7 条 に 規 定 す る 不 動 産 所 得 及 び 事 業 所 得 に つ い て 当 該 個 人 が 税 務 官 署 に 申 告 し 、 若 し く は 修 正 申 告 し 、 又 は 税 務 官 署 が 更 正 し 、 若 し く は 決 定 し た 課 税 標 準 を 基 準 と し て 、 事 業 税 を 課 す る 」 旨 を 規 定 し て い る 。 2 前 提 と な る 事 実 ( 括 弧 内 に 認 定 根 拠 を 掲 げ た 事 実 の ほ か は 当 事 者 間 に 争 い の な い 事 実 か 、 弁 論 の 全 趣 旨 に よ り 容 易 に 認 定 で き る 事 実 で あ る )。 ( 1 ) 原 告 は 弁 護 士 で あ り 、 原 告 の 妻 で あ る 訴 外 乙 は 税 理 士 で あ っ て 、 そ れ ぞ れ 平 成 6 年 4 月 以 降 独 立 の 事 務 所 を 開 設 し て 業 務 を 行 っ て い る 。 ( 2 ) 原 告 は 、 丙 弁 護 士 と と も に A 法 律 事 務 所 を 経 営 し て い る と こ ろ 、 平 成 6 年 4 月 7 日 、 丙 弁 護 士 と と も に 訴 外 乙 と の 間 で 、 原 告 及 び 丙 弁 護 士 の 弁 護 士 業 務 に 係 る 所 得 税 等 の 税 務 代 理 及 び 税 務 相 談 、 会 計 業 務 に つ い て の 顧 問 及 び 記 帳 代 行 を 委 嘱 内 容 と す る 顧 問 契 約 を 締 結 し 、 同 契 約 に 基 づ き 、 平 成 7 年 か ら 平 成 9 年 に か け て 、 訴 外 乙 に 対 し 、 同 人 に よ る 税 理 士 業 務 に 対 す る 対 価 と し て 、 以 下 の 顧 問 税 理 士 報 酬 及 び 税 務 申 告 手 数 料 ( 以 下 「 本 件 税 理 士 報 酬 等 」 と い う ) を。 支 払 っ た ( 甲 1 。) ア 平 成 7 年 分 7 2 万 1 0 0 0 円 イ 平 成 8 年 分 1 1 3 万 3 5 0 0 円 ウ 平 成 9 年 分 1 0 5 万 9 0 0 0 円 ( 3 ) 原 告 は 、 上 記 ( 2 ) ア な い し ウ の 本 件 税 理 士 報 酬 等 を 、 原 告 の 各 年 分 の 所 得 税 の 申 告 の 際 、 弁 護 士 報 酬 を 受 け る た め の 必 要 経 費 に 算 入 し て 申 告 し た ( 以 下 「 本 件 各 申 告 」 と い う 。 甲 2 。) ( 4 ) 足 立 税 務 署 長 は 、 平 成 1 1 年 2 月 2 6 日 付 け で 、 原 告 に 対 し 、 原 告 が 訴 外 乙 に 対 し て 支 払 っ た 本 件 税 理 士 報 酬 等 は 、 法 5 6 条 に 規 定 す る 「 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 」 に 対 し て 支 払 わ れ た も の で あ り 必 要 経 費 に 算 入 す る こ と が で き な い と し て 、 平 成 7 年 分 な い し 平 成 9 年 分 の 各 申 告 に つ き 本 件 各 更 正 処 分 を す る と と も に 、 各 過 少 申 告 加 算 税 賦 課 決 定 処 分 ( 以 下 「 本 件 各 賦 課 決 定 処 分 」 と い い 、 本 件 各 更 正 処 分 と 本 件 各 賦 課 決 定 処 分 と を あ わ せ て 「 本 件 各 処 分 」 と い う )。 を し た ( 甲 2 。) ( 5 ) 原 告 は 、 平 成 1 1 年 3 月 2 5 日 、 被 告 国 に 対 し 、 本 件 各 処 分 に よ り 新 た に 負 担 さ せ ら れ た 税 額 ( 延 滞 税 を 含 む ) を 支 払 っ た 。。 ( 6 ) 原 告 は 、 平 成 1 1 年 4 月 8 日 付 け で 、 国 税 不 服 審 判 所 長 に 対 し 、 本 件 各 処 分 を 不 服 と し て 審 査 請 求 を 行 っ た ( 甲 3 ) と こ ろ 、 国 税 不 服 審 判 所 長 は 、 平 成 1 2 年 5 月 1 5 日 付 け で 、 原 告 の 所 得 に つ い て の 必 要 経 費 を 算 定 す る に 当 た っ て は 、 原 告 と 生 計 を 一 に す る 訴 外 乙 が 対 価 と し て 得 た 収 入 の た め に 要 し た 費 用 の 限 度 で 、 原 告 の 所 得 に つ い て の 必 要 経 費 に 算 入 さ れ る べ き で あ る と し て 、 平 成 7 年 分 及 び 平 成 8 年 分 の 各 処 分 に つ き そ の 一 部 を 、 平 成 9 年 分 の 各 処 分 に つ き 、 そ の 全 部 を 取 り 消 す 旨 の 裁 決 を し た ( 甲 7 。) ( 7 ) 被 告 国 は 、 上 記 裁 決 に よ り 平 成 9 年 分 の 各 処 分 の 全 部 が 取 り 消 さ れ た た め 、 原 告 に 対 し 、 上 記 更 正 処 分 に よ り 新 た に 納 付 さ れ た 額 及 び 過 少 申 告 加 算 税 額 を 還 付 し 、 延 滞 税 に つ い て も 全 額 還 付 し た 。

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( 8 ) 被 告 東 京 都 は 、 平 成 1 1 年 8 月 1 0 日 、 原 告 に 対 し 、 原 告 に 係 る 平 成 8 年 度 な い し 平 成 1 0 年 度 の 個 人 事 業 税 に つ き 、 各 増 額 賦 課 決 定 処 分 ( 以 下 「 本 件 各 事 業 税 増 額 決 定 処 分 」 と い う ) を し た ( 乙 5 、 1 1 、 1 7 。。 ) ( 9 ) 原 告 は 、 平 成 1 1 年 8 月 3 1 日 、 被 告 東 京 都 に 対 し 、 本 件 各 事 業 税 増 額 決 定 処 分 に 基 づ き 、 差 引 不 足 額 を 納 付 し た ( 乙 6 、 1 2 、 1 8 。) ( 1 0 ) 足 立 都 税 事 務 所 長 は 、 平 成 1 2 年 6 月 2 8 日 、 原 告 に 対 し 、 平 成 8 年 度 な い し 平 成 1 0 年 度 の 個 人 事 業 税 減 額 賦 課 決 定 処 分 ( 以 下 「 本 件 各 事 業 税 減 額 賦 課 決 定 処 分 」 と い う ) を 行 い 、 同 年 8 月 7 日 、 原 告 に 対 し 、 誤 納 額 を 還 付 し。 た ( 乙 7 、 8 、 1 3 、 1 4 、 1 9 、 2 0 。) 3 争 点 及 び 争 点 に 関 す る 当 事 者 の 主 張 ( 1 ) 争 点 ア 原 告 の 所 得 の 算 定 に 関 し 法 5 6 条 の 適 用 が あ る か ( ア ) 法 5 6 条 の 「 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 」 の 意 義 ( 以 下 「 争 点 1 」 と い う )。 (イ) 法 5 6 条 の「生 計 を 一 に す る」の 意 義(予 備 的 主 張。以 下「争 点 2」と い う。) ( 「 」 イ 法 5 6 条 並 び に 本 件 各 処 分 及 び 本 件 各 事 業 税 増 額 決 定 処 分 の 合 憲 性 以 下 争 点 3 と い う )。 ( 2 ) 争 点 1 ( 法 5 6 条 の 「 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 」 の 意 義 ) に つ い て ア 原 告 の 主 張 イ 被 告 の 主 張 ( ア ) 合 算 課 税 が 例 外 的 な 措 置 で あ る こ と ( ア ) 法 5 6 条 の 文 理 に つ い て シ ャ ウ プ 勧 告 は 、 合 算 課 税 の 問 題 こ の 要 件 は 、 同 条 に 定 め る 各 事 業 と の 点 を 挙 げ 、 こ れ を 廃 止 し て 各 納 税 者 が 独 立 対 価 性 を 意 味 す る も の で あ り 、 そ れ 以 上 の 申 告 書 を 提 出 し 、 他 の 所 得 と 合 算 す る こ に 、 例 え ば 給 与 と し て 支 払 わ れ た こ と を と な く 各 人 の 所 得 額 に 対 す る 税 額 を 別 々 に 要 す る 等 の 限 定 を 付 す る 必 要 は な い 。 こ 納 め る よ う に 勧 告 し て い る が 、 こ れ に よ っ の こ と は 、 法 5 7 条 が 「 専 ら そ の 居 住 者 て 生 じ る こ と が あ り 得 る 「 要 領 の よ い 納 税 の 営 む 前 条 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も 者 」 の 出 現 を 防 止 す る た め に 、 財 産 等 か ら の ( 以 下 「 青 色 事 業 専 従 者 」 と い う )。 生 じ る 所 得 を 譲 渡 す る こ と で 税 負 担 を 免 れ が 当 該 事 業 か ら 次 項 の 書 類 に 記 載 さ れ て る こ と や 、 妻 子 を 同 族 の 事 業 に 雇 用 し て 、 い る 方 法 に 従 い そ の 記 載 さ れ て い る 金 額 こ れ に 賃 金 を 払 う 等 の 抜 け 道 を 防 止 す る た の 範 囲 内 に お い て 給 与 の 支 払 を 受 け た 場 め に 、 合 算 す る こ と を 例 外 的 な 措 置 と し て 合 」 と い う よ う に 限 定 的 な 要 件 を 定 め て 提 言 し て い る 。 い る の に 対 し 、 法 5 6 条 が 「 事 業 に 従 事 」 、 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り と 規 定 し ( イ ) シ ャ ウ プ 勧 告 の 代 償 措 置 の 提 言 個 対 価 の 発 生 事 由 に 何 ら 限 定 を 付 し て い な 人 単 位 課 税 に 対 す る 例 外 的 な 措 置 と し て 合 い こ と か ら も 明 ら か で あ る 。 算 課 税 を 行 っ た 場 合 に は 、 そ の 限 り で そ の ま た 、 法 5 6 条 は 、 配 偶 者 等 に 支 払 わ 配 偶 者 等 は 経 済 的 な 独 立 性 を 喪 失 す る こ と れ た 対 価 に 相 当 す る 金 額 を 必 要 経 費 に 算 に な る か ら 、 合 算 課 税 さ れ る よ う な 場 合 に 入 し な い こ と を 規 定 し た も の で あ る か は 、 妻 子 等 は 事 業 を 営 む 者 の 扶 養 家 族 と し ら 、 当 該 対 価 は 仮 に そ れ が 「 生 計 を 一 に て 取 り 扱 わ な け れ ば 、 他 の 者 と 比 較 し て 高 す る 」 関 係 に な い 者 に 支 払 わ れ た と す れ 額 な 税 率 を 負 担 し な け れ ば な ら な く な り 不 ば 必 要 経 費 と 認 め ら れ る よ う な 事 由 に よ 都 合 を 生 じ る 。 っ て 支 払 わ れ た も の で な け れ ば な ら な い そ こ で 、 こ の 不 都 合 を 回 避 す る た め 、 シ で あ ろ う が 、 そ れ 以 上 に 限 定 を 加 え る 必 ャ ウ プ 勧 告 は 、 納 税 者 が そ の 課 税 所 得 と 同 要 は な い の で あ り 、 こ の よ う な 同 条 の 立 人 が 扶 養 控 除 を 申 告 す る 者 の 受 け 取 る 所 得 法 趣 旨 に 照 ら し て も 「 そ の 他 の 事 由 に、 と を 合 算 な け れ ば な ら な い と い う 条 件 で 、 よ り 」 と い う 要 件 は 、 対 価 が 「 生 計 を 一 納 税 者 か ら 生 活 費 の 半 額 以 上 を 受 け る 者 に に す る 」 関 係 に な い 者 に 支 払 わ れ た と す 対 し て も 扶 養 控 除 を 認 め る べ き で あ る こ と れ ば 必 要 経 費 と 認 め ら れ る よ う な 事 由 に を 提 言 し て い た 。 よ っ て 支 払 わ れ た も の を 広 く 含 む 概 念 と 解 す べ き で あ る 。 ( ウ ) シ ャ ウ プ 勧 告 の 合 算 課 税 の 対 象 し た が っ て 、 仮 に 、 シ ャ ウ プ 勧 告 が 指 摘 ( イ ) 法 改 正 の 経 緯 か ら み た 法 5 6 条 す る よ う な 前 記 立 法 事 実 が あ り 、 生 計 を 一 の 解 釈 に つ い て に す る 親 族 の 所 得 を 合 算 す る 必 要 が 認 め ら 法 は 昭 和 4 0 年 に 全 文 改 正 さ れ た も の れ る と し て も 、 個 別 課 税 を 否 定 し 、 合 算 課 で あ っ て 、 こ れ は 、 昭 和 3 8 年 1 2 月 に 税 を す る た め に は 、 そ の 合 算 課 税 の 対 象 と 税 制 調 査 会 か ら 出 さ れ た 「 所 得 税 法 及 び 」 、 な る 親 族 が そ の 事 業 者 の 扶 養 家 族 と し て そ 法 人 税 法 の 整 備 に 関 す る 答 申 に 基 づ き 、 、 の 事 業 者 が 扶 養 家 族 控 除 を 受 け ら れ る こ と ① 税 法 の 体 系 的 な 整 備 ② 表 現 の 平 明 化 が 前 提 と な っ て い る 。 こ の こ と は 、 合 算 課 ③ 規 定 の 整 備 合 理 化 の 3 点 を 基 本 方 針 と 税 の 対 象 と な る 親 族 が 独 立 し た 事 業 を 営 ん し て さ れ た も の で あ る が 、 法 5 6 条 に つ

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で お ら ず 、 そ の 者 の 所 得 が 扶 養 家 族 と し て い て は 、 そ の 実 質 的 内 容 な い し 要 件 の 変 の 対 象 と な り 得 る 程 度 の 少 額 の 所 得 で あ る 更 を 伴 う も の で は な い 。 こ の こ と は 、 以 こ と を 前 提 と し て い た と 考 え る こ と が で き 下 の こ と か ら 裏 付 け ら れ る 。 る 。 し た が っ て 、 そ も そ も 「 そ の 家 族 が 独 立 し た 事 業 を 営 み 、 そ の 事 業 の 存 在 が そ の a 昭 和 4 0 年 の 全 文 改 正 は 、 前 記 に 述 所 得 を 支 払 う 事 業 主 の 存 在 と は 別 に 事 業 と べ た 税 制 の 整 備 合 理 化 に よ る も の を 除 し て の 独 立 性 を 有 し て い る 」 よ う な 場 合 に き 、 税 法 の 体 系 的 な 整 備 及 び 表 現 の 平 明 は 、 合 算 課 税 の 前 提 と し て の 事 業 者 の 事 業 化 を 目 的 と し て さ れ た も の で あ り 、 法 条 と の 密 接 な 関 連 性 を 欠 い て い る と い う べ き の 実 質 的 内 容 に 変 更 を 加 え る も の で は な で あ る 。 こ の よ う な 親 族 の 事 業 が 独 立 性 を い 。 有 し て い る 場 合 に は 、 シ ャ ウ プ 勧 告 は そ も そ し て 、 旧 所 得 税 法 ( 以 下 「 旧 法 」 と そ も 合 算 課 税 の 対 象 と な ら な い と い う こ と い う ) 法 1 1 条 の 2 に 関 す る 事 項 の う。 を 暗 黙 の 了 解 事 項 と し て い た と 解 さ れ る 。 ち 整 備 合 理 化 が 図 ら れ た の は 、 同 条 2 項 及 び 3 項 に 規 定 さ れ て い た 事 業 専 従 者 控 ( エ ) 昭 和 2 5 年 2 月 2 4 日 衆 議 院 委 員 除 に 関 す る 部 分 の み で あ り 、 同 条 1 項 の 会 で の 個 別 課 税 等 に つ い て の 池 田 大 蔵 大 臣 規 定 に つ い て 、 整 備 合 理 化 と い う 趣 旨 に の 提 案 理 由 に つ い て 基 づ く 改 正 は さ れ て い な い 。 同 委 員 会 に お い て は 、 合 算 課 税 が 廃 止 さ れ た 理 由 に つ い て は 詳 細 に 述 べ ら れ て い な b ま た 、 法 5 6 条 は 、 居 住 者 の 所 得 金 い が 、 こ れ に よ る 合 算 課 税 の 範 囲 は シ ャ ウ 額 の 計 算 方 法 を 規 定 す る 一 方 、 こ れ に 併 プ 勧 告 及 び 大 蔵 省 主 税 局 の 見 解 と 基 本 的 に せ て 、 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ 同 一 で あ る と 解 さ れ る 。 そ う す る と 、 上 記 の 他 の 親 族 が 支 払 を 受 け た 対 価 に 係 る 各 提 案 理 由 に お い て は 「 納 税 者 と 生 計 を 一、 種 所 得 の 金 額 の 計 算 方 法 を 規 定 す る も の に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が 当 該 納 税 義 務 で あ る 。 者 の 経 営 す る 事 業 か ら 所 得 を 受 け た 場 合 に と こ ろ で 、 法 5 6 条 の 「 事 業 に 従 事 し は 」 と 述 べ ら れ て い る が 、 シ ャ ウ プ 勧 告 の た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 趣 旨 、 す な わ ち 、 合 算 課 税 の 対 象 を 当 該 納 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 」 と い う の が 、 税 者 に 当 該 親 族 が 雇 用 さ れ て い る 場 合 を 前 同 条 の 定 め る 事 業 に 従 事 し た こ と に よ り 提 と す る と の 趣 旨 を そ の ま ま 引 き 継 い だ も 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 又 は 「 従 事 し た の で あ り 、 従 前 の 合 算 課 税 の 対 象 を 拡 大 し こ と 」 に 準 じ る 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を た も の で は な い と 解 す る の が 相 当 で あ る 。 受 け る 場 合 の み に 限 定 さ れ 、 独 立 し た 事 業 を 営 み 、 そ の 事 業 活 動 の 対 価 と し て 支 ( オ ) 法 5 7 条 か ら の 規 定 か ら 判 明 す る 払 を 受 け た 場 合 を 含 ま な い と 解 す る の で 法 5 6 条 の 適 用 範 囲 あ れ ば 、 同 条 が そ の 金 額 の 計 算 方 法 を 規 法 5 7 条 に よ り 青 色 申 告 書 を 提 出 す る 納 定 す る 「 そ の 親 族 の そ の 対 価 に 係 る 各 種 税 義 務 者 に つ い て 、 い わ ゆ る 専 従 者 控 除 を 所 得 」 の 中 に 事 業 所 得 は 含 ま れ な い こ と 認 め る 規 定 で あ る と こ ろ 、 法 5 7 条 が 規 定 に な る は ず で あ る 。 さ れ る ま で 、 法 5 6 条 の 適 用 対 象 者 に つ い し か し 、 法 上 「 各 種 所 得 」 と は 、 法、 て は 、 事 業 者 か ら 配 偶 者 等 に 対 す る 給 与 の 2 条 1 項 2 1 号 で 定 義 さ れ て い る の で あ 支 払 は 経 費 と 認 定 さ れ ず 、 合 算 課 税 さ れ て っ て 、 法 5 6 条 の 「 各 種 所 得 」 の 解 釈 に い た 代 わ り に 、 実 際 上 は 扶 養 控 除 の 適 用 が 限 っ て 事 業 所 得 を 除 外 す る 理 由 は な い 。 あ っ た 。 し た が っ て 、 み な し 事 業 所 得 の 規 そ う す る と 、 法 5 6 条 は 、 そ の 文 理 上 定 の 適 用 が あ る 場 合 に は 、 扶 養 控 除 の 対 象 も 、 親 族 が 居 住 者 か ら 支 払 を 受 け た 対 価 に な る べ き で あ り 、 こ れ が 認 め ら れ な い 場 に 係 る 所 得 の 種 類 に つ い て 何 ら 限 定 し て 合 に は 、 合 算 課 税 は そ の 根 拠 を 欠 く も の と い な い こ と を 意 味 し 、 し た が っ て 、 法 5 い わ ざ る を 得 な い 。 ま た 、 法 5 7 条 は 、 法 6 条 の 定 め る 「 事 業 に 従 事 し た こ と そ の 5 6 条 の 「 み な し 事 業 所 得 」 の 不 合 理 性 を 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 解 消 す る た め に 規 定 さ れ た も の で あ る と 解 を 受 け る 場 合 」 に つ き 何 ら か の 限 定 が 付 さ れ 、 こ の こ と に か ん が み れ ば 、 法 5 6 条 さ れ る こ と も 予 定 さ れ て い な い と い わ ざ の 規 定 は 、 極 め て 限 定 的 に 解 釈 さ れ な け れ る を 得 な い の で あ る か ら 、 居 住 者 が 生 計 ば な ら な い と い う べ き で あ る 。 を 一 に す る 親 族 に 対 し 支 払 っ た 対 価 に 相 さ ら に 、 昭 和 3 6 年 改 正 で は 、 白 色 申 告 当 す る 金 額 は 一 律 に 必 要 経 費 に 算 入 さ れ 者 に も 専 従 者 控 除 を 認 め る と と も に 、 そ の な い と 解 す べ き で あ る 。 適 用 範 囲 を 配 偶 者 に も 拡 大 し て い る の で あ っ て 、 そ の 改 正 理 由 も 専 従 配 偶 者 の 実 情 、 c さ ら に 、 改 正 前 後 の 文 言 を 比 較 し て 法 人 の 負 担 と の バ ラ ン ス を 挙 げ 、 実 際 に 給 み て も 、 要 件 解 釈 に 変 更 が あ っ た こ と を 与 を 支 払 っ て い る 場 合 に 生 じ る 不 都 合 を 回 う か が わ せ る 事 情 は 存 し な い 。 旧 法 1 1 避 し よ う と す る も の で あ る か ら 、 法 5 6 条 条 の 2 第 1 項 に お い て は 「 納 税 義 務 者、 に よ る 不 都 合 を 回 避 す る 目 的 が う か が わ れ と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 る の で あ っ て 、 こ の よ う な 点 に か ん が み て が 、 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 で 不 も 、 法 5 6 条 の 適 用 対 象 は 限 定 的 に 解 釈 さ 動 産 所 得 、 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず れ る べ き も の で あ る 。 べ き も の か ら 所 得 を 受 け る 場 合 に お い て は 」 と 規 定 し て お り 、 納 税 義 務 者 と 生 計 ( カ ) ま た 、 法 5 6 条 は 「 従 事 し た こ、 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が 当 該 納 と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 税 義 務 者 か ら 「 所 得 」 を 受 け る 場 合 で あ

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場 合 」 と 規 定 す る が 、 そ も そ も 同 条 の 「 そ る 限 り は 一 律 に 必 要 経 費 算 入 を 認 め て い の 他 の 」 の 意 義 は 、 雇 用 契 約 に よ り 給 与 の な い こ と が 文 理 上 明 ら か で あ る 。 支 払 を 受 け る 場 合 ( 従 事 し た 」 場 合 ) 以「 こ れ に 対 し 、 法 5 6 条 は 「 居 住 者 と、 外 の 一 切 の 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 を 指 す 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が そ も の で は な く 、 む し ろ 、 従 事 し た と 評 価 し の 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 、 事 業 所 得 又 得 る か 否 か が 契 約 自 体 か ら は 明 ら か で な い は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ が 実 態 関 係 か ら す る と 従 事 す る と 判 断 で き と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 る 場 合 を 想 定 し た も の と い う べ き で あ る 。 の 支 払 を 受 け る 場 合 に は 」 と 規 定 し て い 、 「 」 る と こ ろ 法 文 上 用 い ら れ る そ の 他 の ( キ ) 以 上 に よ れ ば 、 そ の 家 族 が 独 立 し と い う 文 言 は 、 通 常 前 に 置 か れ た 名 詞 又 た 事 業 を 営 み 、 そ の 事 業 の 存 在 が そ の 所 得 は 名 詞 句 が 、 後 に 続 く 一 層 意 味 内 容 の 広 を 支 払 う 事 業 主 の 存 在 と は 別 に 事 業 と し て い 言 葉 の 一 部 を な す も の と し て そ の 中 に の 独 立 性 を 有 し て い る よ う な 場 合 は 、 法 5 包 含 さ れ る 場 合 に 用 い ら れ る も の で あ 6 条 の 「 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り り 「 そ の 他 の 」 に 続 く 名 詞 又 は 名 詞 句、 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 」 に 該 当 し な い も が 「 そ の 他 の 」 前 に 置 か れ た 名 詞 又 は、 の と い う べ き で あ る 。 名 詞 句 に 準 じ る 場 合 に 限 定 さ れ る こ と を 意 味 す る も の で は な い 。 、 、 d そ も そ も 旧 法 1 1 条 の 2 第 2 項 は 「 青 色 申 告 書 を 提 出 す る 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 親 族 ( 略 ) で も っ ぱ ら 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 前 項 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も の 」 と 規 定 さ れ 、 文 言 の 体 裁 上 、 同 条 項 の 要 件 に 該 当 す る と 規 定 さ れ 、 文 言 の 体 裁 上 、 同 条 項 の 要 件 に 該 当 す る 「 生 計 を 一 に す る 親 族 が 従 事 す( ) 」 「 」 べ き 事 業 の 種 類 な い し 性 質 が 前 項 に 定 め ら れ て い る 旨 の 規 定 に な っ て い た 。 し か る に 、 当 該 「 前 項 」 で あ る 同 条 1 項 に お い て は 引 用 の 対 象 と な る べ き 事、 「 業 」 と い う 文 言 が 示 さ れ た 後 に 、 当 該 事 業 の 種 類 な い し 性 質 を 限 定 す る 文 言 が 置 か れ る 体 裁 に な っ て い る た め 、 同 条 2 項 の 要 件 に 該 当 す る 「 事 業 」 が 端 的 に 表 現 さ れ て い な い き ら い が あ っ た 。 そ こ で 、 表 現 の 平 明 化 と い う 趣 旨 を 重 視 し た 昭 和 4 0 年 改 正 に お い て は 、 端 的 に 旧 法 1 1 条 の 2 第 2 項 の 要 件 に 該 当 す る 事 業 の 種 類 な い し 性 質 を 理 解 で き る よ う に し 、 同 条 1 項 と 2 項 の 対 応 関 係 な い し 原 則 ・ 例 外 の 関 係 を 明 確 化 す る た め 、 法 5 7 条 1 項 に お け る 「 そ の 居 住 者 の 営 む 前 条 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も の 」 と の 文 言 を 前 条 で あ る 同 法 5 6 条 の 文 言 中 に 取 り 込 む こ と と し 、 改 め ら れ た も の と 解 す べ き で あ る 。 ( ウ ) 裁 判 例 に つ い て 各 裁 判 例 ( 東 京 地 裁 平 成 2 年 1 1 月 2 8 日 判 決 ・ 税 務 訴 訟 資 料 1 8 1 号 4 1 7 頁 、 名 古 屋 高 裁 平 成 5 年 1 0 月 2 5 月) 判 決 ・ 税 務 訴 訟 資 料 2 2 4 号 1 1 7 9 頁 ) に よ れ ば 、 法 5 6 条 が 、 個 別 事 情 の い か ん に か か わ り な く 一 律 に 適 用 さ れ る こ と が 予 定 さ れ て い る 規 定 で あ る こ と は 明 ら か で あ り 、 同 条 は 、 給 与 所 得 な い し こ れ に 準 ず る 所 得 と な る 金 員 を 配 偶 者 等 が 受 け る 場 合 に 限 っ て 適 用 さ れ る も の で は な い 。 ( エ ) 法 5 6 条 と 法 5 7 条 の 関 係 に つ い て 原 告 は 、 法 5 7 条 は 、 法 5 6 条 の 不 合 理 を 解 消 す る た め に 規 定 さ れ た と の 理 解

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を 前 提 に 、 法 5 7 条 の 趣 旨 か ら す れ ば 、 法 5 6 条 の 範 囲 は 極 め て 限 定 的 に 解 釈 さ れ な け れ ば な ら な い と 主 張 す る が 、 以 下 の と お り 失 当 で あ る 。 a 法 5 7 条 の 立 法 趣 旨 青 色 申 告 制 度 は 、 昭 和 2 5 年 、 シ ャ ウ プ 勧 告 に 基 づ き 、 納 税 者 の 正 し い 記 帳 に よ る 適 正 申 告 の 基 盤 を 築 く た め に 設 け ら れ た も の で あ る 。 そ し て 、 法 5 7 条 1 項 に 規 定 す る 青 色 事 業 専 従 者 給 与 の 前 身 で あ る 青 色 専 従 者 控 除 は 、 昭 和 2 7 年 に 創 設 さ れ た も の で あ る が 、 こ れ が 創 設 さ れ た 理 由 は 、 主 と し て 青 色 申 告 の 普 及 育 成 と い う 政 策 的 な 目 的 に よ る も の で あ る 。 す な わ ち 、 青 色 申 告 制 度 が 導 入 さ れ た 当 初 に お い て 、 個 人 事 業 者 の 青 色 申 告 の 普 及 率 が 極 端 に 低 く 、 ま た 、 納 税 者 の 間 で も 、 青 色 申 告 に 対 す る 税 法 上 の 特 典 か 少 な く 、 し か も 、 小 規 模 の 事 業 者 が 利 用 で き る 特 典 は ほ と ん ど 存 在 し な い と い う 不 満 が あ っ た こ と か ら 、 青 色 申 告 の 普 及 育 成 と い う 目 的 を 達 成 す る た め 、 多 く の 青 色 申 告 者 が 利 用 で き る 特 典 と し て 、 青 色 専 従 者 控 除 を 認 め た の で あ る 。 そ の 後 、 青 色 専 従 者 控 除 は 、 導 入 当 初 は 認 め ら れ て い な か っ た 配 偶 者 も 受 け ら れ る よ う に な り 、 ま た 、 控 除 限 度 額 が 徐 々 に 引 き 上 げ ら れ 、 昭 和 4 2 年 の 改 正 に よ り 、 事 前 届 出 制 を 採 用 す る と と も に 、 控 除 限 度 額 方 式 を 廃 止 し 、 専 従 者 に 対 し て 支 払 っ た 給 与 の 全 額 を 必 要 経 費 に 算 入 で き る い わ ゆ る 完 全 給 与 性 に 移 行 し た ( な お 、 従 事 内 容 等 に 照 ら し て 相 当 と 認 め ら れ る 範 囲 内 で あ る こ と は 当 然 必 要 と さ れ た。)。 そ し て 、 青 色 専 従 者 給 与 制 度 は 、 現 在 に お い て も 、 青 色 申 告 の 特 典 と し て 位 置 づ け ら れ て お り 、 青 色 申 告 者 の 団 体 で あ る 青 色 申 告 会 に お い て も 、 青 色 申 告 の 主 な 特 典 と し て 位 置 づ け て お り 、 そ の 位 置 づ け は 、 立 法 当 初 か ら 現 在 ま で 変 わ っ て い な い 。 ま た 、 昭 和 3 6 年 に は 、 青 色 申 告 者 以 外 の 事 業 者 ( い わ ゆ る 白 色 申 告 者 ) に お い て も 、 一 定 の 外 形 的 な 基 準 の 基 に 事 業 専 従 者 を 認 定 し 、 そ の 専 従 者 に つ い て 一 定 の 控 除 を 定 額 で 行 う こ と が 適 当 で あ ろ う と の 考 え に よ り 、 現 実 に 給 与 を 支 払 っ た か 否 か に 関 わ ら ず 、 当 該 事 業 者 が 専 従 者 を 有 す る 場 合 に は 、 一 定 額 を 控 除 す る 規 定 が 設 け ら れ た 。 b 法 5 7 条 と 法 5 6 条 と の 関 係 前 記 の よ う に 、 青 色 申 告 者 に つ い て 認 め ら れ た 青 色 事 業 専 従 者 給 与 は 、 青 色 申 告 の 普 及 育 成 と い う 政 策 的 な も の と し て 理 解 さ れ る も の で あ り 、 ま た 、 い わ ゆ る 白 色 申 告 者 に つ い て 認 め ら れ た 事 業 専 従 者 控 除 は 、 青 色 申 告 者 と の バ ラ ン ス を 図 る と い う 政 策 的 意 味 合 い か ら 、 必 ず し も 必 要 経 費 と し て 認 め ら れ な い も の に つ い て ま で も 、 一 定 額 を 控 除 す る と い う 方 法 に よ り 控 除 を 認 め た 制 度 で あ る か ら 、 法 5 7 条 の 規 定 と 法 5 6 条 の 規 定 は そ の 立

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法 目 的 を 異 に す る も の で あ る 。 ( 3 ) 争 点 2 ( 法 5 6 条 の 「 生 計 を 一 に す る 」 の 意 義 ) に つ い て ア 原 告 の 主 張 イ 被 告 の 主 張 ( ア ) 仮 に 法 5 6 条 が 違 憲 無 効 で な い と ( ア ) 法 5 6 条 が 、 配 偶 者 等 に 対 す る し て も 、 原 告 と 訴 外 乙 と は 「 居 住 者 と 生 計 対 価 の 支 払 を 必 要 経 費 に 算 入 し な い こ と を 一 に 」 し て お ら ず 、 本 件 で は 法 5 6 条 の と し た の は 、 前 記 の と お り 、 当 該 支 払 が 適 用 が な い 。 所 得 か ら 支 出 す べ き 生 計 維 持 費 用 の 分 担 「 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る 」 の 解 釈 に つ い と し て の 性 質 を 有 し 、 総 収 入 金 額 中 の 当 て は 、 一 般 的 な 社 会 通 念 に 従 い 、 個 々 の ケ 該 支 払 に 充 て る 部 分 が 担 税 力 を 生 ず る か ー ス 毎 に 判 断 せ ざ る を 得 な い と 考 え ら れ つ ら で あ る か ら 、 同 条 に い う 「 生 計 を 一 に つ も 、 場 合 を 分 け て 検 討 さ れ て い る ( 昭 和 す る 」 と い う た め に は 、 配 偶 者 等 に 対 す 5 2 年 6 月 2 7 日 付 け 国 税 速 報 第 2 9 9 7 る 対 価 の 支 払 が 事 業 者 の 生 計 維 持 費 用 の 号。)。 こ の う ち 、 独 立 し て 生 計 を 維 持 す 支 出 を 軽 減 さ せ る 効 果 を 生 ず る 関 係 に な る に 足 り る 程 度 の 収 入 が あ る 場 合 で あ り 、 け れ ば な ら な い は ず で あ り 、 こ の よ う な か つ 、 同 居 し て い る 場 合 の 基 準 は 、 ① そ の 関 係 は 、 裁 判 例 ( 最 高 裁 判 所 昭 和 5 1 年 者 の 所 有 す る 資 産 及 び 収 入 を 独 自 に 管 理 3 月 1 8 日 第 一 小 法 廷 判 決 ・ 訟 務 月 報 2 し 、 処 分 し て い る か 否 か 、 ② 食 事 を 別 に し 2 巻 6 号 1 6 5 9 頁 参 照 、 同 平 成 1 0 年 て い る か 、 ③ 食 事 を 共 に す る 場 合 に は 、 実 1 1 月 2 7 日 第 二 小 法 廷 判 決 ・ 税 務 訴 訟 費 の 精 算 が 行 わ れ て い る か 否 か 、 ④ 水 道 光 資 料 2 3 9 号 1 3 9 頁 等 ) に 見 ら れ る よ 熱 費 等 の 共 通 経 費 に つ い て 実 費 の 精 算 が 行 う に 「 日 常 生 活 の 糧 を 共 通 に し て い る 関 わ れ て い る か 否 か 、 ⑤ 専 用 す る 居 室 に つ い 係 、 す な わ ち 「 消 費 段 階 に お い て 同」 、 て 家 賃 、 部 屋 代 の 支 払 い が あ る か 否 か 、 ⑥ 一 の 財 布 の も と で 生 活 し て い る こ と 」 と そ の 他 家 事 上 の 支 出 に 関 し て 親 族 間 に お け い う 関 係 に ほ か な ら な い 。 る 債 権 債 務 の 発 生 、 決 済 の 状 況 が 明 確 に さ れ て い る か 否 か 、 で あ る 。 ( イ ) 原 告 の 主 張 に つ い て 原 告 は 、 予 備 的 主 張 と し て 、 原 告 の 配 ( イ ) こ れ を 本 件 に つ い て 検 討 す る と 、 偶 者 は 原 告 と 生 計 を 一 に し て い な い か 、 。 以 下 の よ う に な る 。 ら 法 5 6 条 の 適 用 は な い 旨 を 主 張 す る a 訴 外 乙 の 平 成 7 年 度 な い し 平 成 9 年 度 し か し 、 原 告 が そ の 根 拠 と し て 主 張 す る の 総 収 入 及 び 所 得 は 以 下 の と お り で あ り、 、 事 実 は 、 原 告 が 営 む 事 業 と 原 告 の 配 偶 者 独 立 し て 生 計 を 維 持 す る の に 十 分 な も の で の 事 業 の 区 分 の 問 題 、 あ る い は 、 原 告 の あ る 。 配 偶 者 の 事 業 と 家 計 と の 区 別 の 問 題 に す 平 成 7 年 度 総 収 入 8 4 8 万 9 5 9 0 円 ぎ ず 、 い ず れ も 消 費 生 活 に お け る 区 分 を 所 得 5 1 9 万 2 5 6 0 円 述 べ る も の で は な い 。 ま た 、 原 告 は 費 用 平 成 8 年 度 総 収 入 9 9 9 万 5 0 7 0 円 を 実 額 精 算 し て い る と も 主 張 す る が 、 実 所 得 2 8 8 万 5 1 4 4 円 額 精 算 と は 、 利 益 を 取 得 す る に 当 た り 実 平 成 9 年 度 総 収 入 1 0 9 6 万 3 0 3 0 円 際 に 要 し た 費 用 を 当 該 利 得 の 帰 属 割 合 に 所 得 4 0 5 万 2 4 8 7 円 応 じ て 精 算 す る こ と を 意 味 す る も の で あ る 以 上 、 精 算 の 前 提 と し て 、 個 々 が 取 得 b そ し て 、 原 告 と 訴 外 乙 は 同 居 し て い る し た 利 益 ご と に 、 実 際 に 要 し た 費 用 が ど も の の 、 訴 外 乙 は 、 住 所 地 で あ る 足 立 区 千 れ ほ ど で あ っ た か が 問 題 に さ れ な け れ ば 住 旭 町 に お い て B 税 理 士 事 務 所 を 経 営 し て な い の で あ っ て 、 す べ て 一 律 の 割 合 を も お り 、 原 告 と は 独 立 に 仕 事 を し て い る 。 そ っ て 分 担 す る 等 と い う 主 張 は 、 お よ そ こ し て 、 訴 外 乙 の 3 5 社 の 税 務 顧 問 中 、 原 告 こ に い う 実 額 精 算 に 該 当 し な い も の と い か ら 紹 介 を 受 け た の は わ ず か で あ り 、 そ れ わ ざ る を 得 な い 。 結 局 の と こ ろ 、 原 告 が 以 外 は 原 告 と は 関 係 が な い 。 挙 げ る 個 々 の 事 情 に つ い て は 、 原 告 と 原 訴 外 乙 の 報 酬 は 、 同 人 の 報 酬 口 座 に 一 括 告 の 配 偶 者 の 婚 姻 費 用 ( 家 計 費 ) の 分 担 し て 入 金 さ れ 、 同 人 が 自 ら 管 理 ・ 処 分 し て 割 合 を 述 べ て い る に す ぎ ず 、 2 つ の 家 計 お り 、 原 告 の 収 入 が 訴 外 乙 名 義 の 口 座 に 入 の 独 立 性 を 意 味 す る も の と は い え な い 。 金 さ れ た り 、 原 告 の 経 費 が 訴 外 乙 名 義 の 報 な お 、 上 記 予 備 的 主 張 に 係 る 事 実 を も 酬 口 座 か ら 支 出 さ れ る こ と は 一 切 な い 。 っ て し て も 、 被 告 の 課 税 処 分 を 無 効 な ら 原 告 と 訴 外 乙 は 食 事 を 共 に し て い る が、 、 し め る 程 度 に 重 大 か つ 明 白 な 瑕 疵 が あ る お お よ そ 原 告 が 6 、 訴 外 乙 が 4 の 割 合 で 実 と い う こ と は で き な い か ら 、 こ の 点 に お 費 精 算 を し て い る 。 そ の 他 、 子 供 の 学 費 や い て も 原 告 の 主 張 は 失 当 で あ る 。 旅 行 の 費 用 等 に つ い て も 、 上 記 の 割 合 で 実 費 精 算 を し て い る 。 原 告 の 住 宅 は 、 区 分 所 有 形 態 と な っ て い る と こ ろ 、 B 税 理 士 事 務 所 部 分 は 、 訴 外 乙 、 、 の 単 独 名 義 で あ り 建 築 費 に 関 す る ロ ー ン 水 道 光 熱 費 、 コ ン ピ ュ ー タ ー の リ ー ス 代 等 の 経 費 は 、 訴 外 乙 名 義 の 銀 行 預 金 口 座 か ら 自 動 引 き 落 と し に よ り 支 払 わ れ て い る 。 現

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況 も 、 自 宅 の 玄 関 と B 税 理 士 事 務 所 の 玄 関 と で は 全 く 別 に な っ て い る 。 ( ウ ) 以 上 か ら す る と 、 訴 外 乙 は 「 居、 住 者 と 生 計 を 一 に す る 」 に 該 当 し な い こ と が 明 ら か で あ る 。 ( 4 ) 争 点 3 ( 法 5 6 条 並 び に 本 件 各 処 分 及 び 本 件 各 事 業 税 増 額 決 定 処 分 の 合 憲 性 ) に つ い て ア 原 告 の 主 張 イ 被 告 の 主 張 ( ア ) 法 5 6 条 の 違 憲 性 に つ い て ( ア ) 法 5 6 条 の 立 法 趣 旨 法 5 6 条 は 、 親 族 ・ 配 偶 者 と い う 一 事 を a 法 5 6 条 の 立 法 趣 旨 は 、 事 業 者 が 当 も っ て 不 利 益 な 取 扱 い を す る 点 で 憲 法 1 4 該 事 業 か ら 自 己 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 条 に 違 反 し 、 立 法 目 的 と の 関 係 で 過 度 に 広 等 に 対 価 を 支 払 う こ と に よ っ て 税 負 担 を 汎 な 規 制 で あ っ て 立 法 目 的 の 合 理 性 及 び 規 軽 減 す る こ と を 防 止 す る 点 に あ る 。 す な 、 、 制 手 段 の 相 当 性 を 欠 き 、 仮 に 制 定 当 初 に は わ ち 昭 和 2 5 年 の 旧 法 改 正 に お い て は 立 法 事 実 が 存 在 し た と し て も 、 そ れ は 既 に 上 記 シ ャ ウ プ 勧 告 を 受 け て 、 世 帯 単 位 課 消 滅 し て い る か ら 、 違 憲 無 効 と い わ ざ る を 税 制 度 に 代 え て 個 人 単 位 課 税 制 度 を 導 入 得 な い 。 す る 一 方 、 そ の 例 外 と し て 、 納 税 義 務 者 ( イ ) 合 憲 限 定 解 釈 の 必 要 性 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 ま た 、 仮 に 法 5 6 条 が 一 般 的 に 違 憲 無 効 が 、 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 か ら な 規 定 で あ る と い え な い と し て も 同 条 は、 、 所 得 を 受 け る 場 合 、 当 該 所 得 は 当 該 納 税 個 人 の 独 立 を 定 め た 現 行 憲 法 か ら す れ ば 弊 義 務 者 の 事 業 所 得 と み な す と い う 「 み な 害 防 止 の た め に や む を 得 ず 規 定 さ れ た も の し 事 業 所 得 」 の 規 定 ( 旧 法 1 1 条 の 2 ) で あ り 、 必 要 な 規 制 が で き れ ば 十 分 で あ る を は じ め 「 納 税 義 務 者 と 扶 養 親 族 と 所、 か ら 、 憲 法 に 合 致 す る よ う に 限 定 的 な 解 釈 得 合 算 」 の 規 定 が 設 け ら れ た 。 そ し て 、 が 妥 当 す る と い う べ き で あ る 。 す な わ ち 、 上 記 「 み な し 事 業 所 得 」 の 規 定 は 、 昭 和 夫 婦 ・ 親 族 間 で あ っ て も 正 当 な 労 働 の 対 価 2 7 年 、 同 3 2 年 及 び 同 3 6 年 の 旧 法 の で あ っ て 不 当 な 課 税 逃 れ が な い 場 合 に は、 、 各 改 正 を 経 て 、 現 在 の 法 5 6 条 及 び 5 7 同 条 の 適 用 は な い と 解 す べ き で あ る 。 条 と 同 様 に 規 定 と な り 、 そ れ が 昭 和 4 0 年 の 新 所 得 税 法 に お い て 、 現 行 法 と 同 じ 条 文 に 移 さ れ た 。 こ の よ う な 立 法 の 経 緯 に 照 ら す と 、 法 5 6 条 は 、 不 動 産 所 得 、 事 業 所 得 又 は 山 ( 、 林 所 得 以 下 こ れ ら の 各 所 得 を 合 わ せ て 単 に 「 各 所 得 」 と い う ) を 生 ず べ き 事。 業 を 営 む 者 ( 以 下 「 事 業 者 」 と い う )。 が 、 当 該 事 業 か ら 、 自 己 と 生 計 を 一 に す ( 「 」 る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 以 下 配 偶 者 等 と い う ) に 対 価 を 支 払 う こ と に よ っ て。 「 税 負 担 を 軽 減 」 す る こ と を 防 止 す る 点 に あ る こ と は 疑 い な い 。 b も っ と も 、 事 業 者 が 自 己 と 生 計 を 一 に し な い 者 に 対 し て 当 該 事 業 か ら 対 価 を 支 払 っ た 場 合 に は 必 要 経 費 ( 法 3 7 条 ) 、 、 に 該 当 す る も の と し て 各 所 得 の 計 算 上 総 収 入 金 額 か ら 控 除 さ れ ( 法 2 6 条 2 項 、 2 7 条 2 項 、 3 2 条 3 項 、 事 業 者 の) 所 得 を 構 成 し な い の で あ る か ら 、 こ の こ と と の 比 較 上 、 法 5 6 条 が 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 に よ る 税 負 担 の 軽 減 を 防 止 す る 立 法 趣 旨 に つ い て は 、 さ ら に 説 明 を 要 す る 。 ( a ) そ も そ も 、 各 種 所 得 の 計 算 上 、 必 要 経 費 の 控 除 が 認 め ら れ て い る の は 、 投 下 資 本 の 回 収 部 分 に 課 税 が 及 ぶ こ と を 避 け る た め に ほ か な ら ず 、 こ れ は 原 資 を 維 持 し つ つ 拡 大 再 生 産 を 図 る と い う 資 本 主 義 経 済 の 要 請 に 沿 う ゆ え ん で あ る 。 す な わ ち 、 総 収 入 金 額 の う ち 投 下 資 本 の 回 収 に 相 当 す る 部 分 は 担 税 力 を 生 じ な い の で あ る 。 ( b ) こ れ に 対 し 、 事 業 者 の 配 偶 者 等

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に 対 す る 対 価 の 支 払 は 、 事 業 者 が 所 得 の 中 か ら 支 出 す べ き 家 族 の 生 計 を 維 持 ( 「 」 す る た め の 費 用 以 下 生 計 維 持 費 用 と い う ) の 分 担 と し て の 性 質 を 有 す。 る 。 け だ し 、 親 族 が 生 計 を 一 に す る 場 合 、 そ の 構 成 員 は 共 同 で 生 計 を 営 み 、 そ れ ぞ れ の 所 得 か ら 生 計 を 維 持 す る た め の 費 用 を 分 担 す る と と も に 、 そ の 生 計 か ら の 支 出 に よ っ て 共 同 の 消 費 生 活 を 営 ん で い る の で あ り 、 こ の 関 係 は 各 構 成 員 が 一 つ の 財 布 を 持 つ 関 係 に な ぞ ら え る こ と が で き る 。 そ し て 、 こ の 場 合 、 事 業 者 が 配 偶 者 に 対 し て 対 価 を 支 払 う な ら ば 、 配 偶 者 等 は 当 該 対 価 を 原 資 と し て 生 計 維 持 費 用 を 支 出 し 、 あ る い は 、 個 人 的 消 費 を 行 う こ と に な り 、 こ れ に よ っ て 家 計 の 収 入 が 増 え 、 あ る い は 支 出 が 減 少 す る こ と に な る か ら 、 い ず れ に し て も 、 事 業 者 の 所 得 か ら の 生 計 維 持 費 用 の 支 出 は 軽 減 さ れ る の で あ り 、 こ れ を 事 業 者 の 担 税 力 と い う 観 点 か ら 見 た 場 合 、 事 業 者 が 配 偶 者 等 に 対 価 を 支 払 う こ と は 、 事 業 者 が 自 ら の 所 得 か ら 直 接 生 計 維 持 費 用 の 支 出 を す る こ と と 何 ら 変 わ る と こ ろ が な い の で あ る 。 ( c ) こ の よ う に 、 事 業 者 の 総 収 入 金 額 の う ち 、 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 い に 充 て ら れ る 部 分 に は 担 税 力 が 認 め ら れ る の で あ り 、 仮 に こ れ を 必 要 経 費 に 算 入 し て 、 所 得 の 計 算 上 、 総 収 入 金 額 か ら 控 除 す る も の と す れ ば 、 む し ろ 、 配 偶 者 等 以 外 の 者 に 対 し て 対 価 を 支 払 い 、 か つ 、 自 己 の 所 得 か ら 生 計 維 持 費 用 を 支 出 す る 事 業 者 と の 間 に 著 し い 租 税 負 担 の 不 公 平 を 生 ず る こ と と な る 。 そ こ で 、 法 5 6 条 は 、 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 に 相 当 す る 費 用 に つ い て は 、 そ れ 以 外 の 者 に 対 す る 対 価 の 支 払 に 相 当 す る 費 用 と 区 別 し て 、 必 要 経 費 に 算 入 し な い こ と と し た の で あ る 。 し た が っ て 、 同 条 は 、 租 税 公 平 主 義 に 基 づ く 所 得 の 金 額 の 計 算 規 定 で あ っ て 、 単 な る 租 税 回 避 行 為 の 個 別 否 認 規 定 で は な い と み る べ き で あ る 。 こ の こ と は 、 同 条 が 法 の 「 第 二 章 課 税 標 準 及 び そ の 計 算 並 び に 所 得 控 除 の 第」 「 二 節 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 」 の 中 に 置 か れ て い る こ と か ら も 明 ら か で あ る 。 原 告 は 、 同 条 の 立 法 趣 旨 に つ き 、 「 同 居 の 親 族 に 給 与 を 支 払 っ た こ と に す る 等 し て 税 負 担 を 一 部 免 れ る と い っ た 抜 け 道 を 封 じ る た め に 、 親 族 へ の 支 払 金 額 に つ き 経 費 と 認 め な い 扱 い を 定 め た と 考 え ら れ る 」 と 主 張 す る が 、。 こ の よ う な 理 解 は 、 同 条 の 立 法 趣 旨 を 矮 小 化 し て 捉 え る も の で あ り 誤 り で あ る 。 c ( a ) 原 告 は 、 あ た か も 現 在 社 会 に お い て は 、 シ ャ ウ プ 勧 告 が さ れ た 当 時 と 異 な り 、 法 5 6 条 の 立 法 事 実 が 存 在 し な い か 著 し く 減 少 し て い る か の よ う に 主 張 す る 。 し か し な が ら 、 い か に 夫 婦 の 独 立 性 が 強 ま ろ う と も 、 そ れ が 配

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偶 者 等 の 職 業 生 活 す な わ ち 収 入 面 の 独 立 に と ど ま り 、 消 費 生 活 す な わ ち 支 出 面 の 独 立 に 及 ば な い 限 り は 、 い わ ば 夫 、 、 婦 の 財 布 は 一 つ で あ り 上 記 の と お り 事 業 者 の 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 が 自 己 の 所 得 か ら の 生 計 維 持 費 用 の 支 出 を 軽 減 さ せ る 効 果 を 有 す る こ と に は 変 わ り が な い か ら 、 当 該 支 払 は 事 業 者 が 自 己 の 所 得 の 中 か ら 支 出 す べ き 生 計 維 持 費 用 と し て の 性 質 を 有 す る の で あ り 、 法 5 6 条 の 立 法 事 実 は 妥 当 す る 。 こ れ に 対 し 、 夫 婦 の 独 立 性 が さ ら に 進 行 し て 、 消 費 生 活 す な わ ち 支 出 面 に 及 び 、 も は や 夫 婦 が 一 つ の 財 布 を 有 す る と は い え な い 状 態 に 至 っ た も の に つ い て は 、 も は や 法 5 6 条 の 立 法 趣 旨 が 妥 当 す る と は い え な い が 、 そ の 場 合 は 夫 婦 が 「 生 計 を 一 に す る 」 と い う 同 条 の 要 件 を 満 た さ な い か ら 、 そ も そ も 同 条 は 適 用 さ れ な い 。 し た が っ て 「 生 計、 を 一 に す る 」 と い う 要 件 の 下 、 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 を 必 要 経 費 に 算 入 し な い こ と は 現 代 に お い て も そ の ま ま 妥 当 す る も の と い う こ と が で き る 。 ( b ) ま た 、 原 告 は 、 法 5 6 条 が あ る た め に 女 性 が 他 の 家 族 と 独 立 し た 職 業 に 就 く こ と を 迫 ら れ る と い う の は 不 合 理 で あ る 旨 等 を 主 張 す る が 、 仮 に 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 が 必 要 経 費 と 認 め ら れ れ ば 、 事 業 者 は 他 人 に 対 価 を 支 払 う よ り 配 偶 者 等 に 対 価 を 支 払 う 方 が 有 利 で あ る か ら 、 配 偶 者 等 は か え っ て 他 の 家 族 と 独 立 し た 職 業 に 就 く こ と 。 、 を 迫 ら れ る こ と に な り か ね な い ま た 原 告 は 、 法 5 6 条 の 規 定 は 、 今 や 各 個 人 に 対 す る 正 当 な 分 配 を 阻 害 す る 機 能 を 有 す る に 至 っ て い る 旨 も 主 張 す る が 、 事 業 者 は 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 が 必 要 経 費 に 算 入 さ れ な い 反 面 、 自 己 の 所 得 か ら 生 計 維 持 費 用 の 支 出 が 軽 減 さ れ る メ リ ッ ト が あ る か ら 、 同 条 が 各 個 人 に 対 す る 正 当 な 分 配 を 阻 害 す る 機 能 を 有 す る こ と は あ り 得 な い 。 し た が っ て 、 原 告 が 法 5 6 条 の 弊 害 が 増 大 し て い る か の よ う に 主 張 す る 点 は い ず れ も 失 当 で あ る 。 イ 法 5 6 条 の 採 用 す る 区 別 態 様 の 合 理 性 a 法 5 6 条 は 、 上 記 の 立 法 目 的 を 達 成 す る た め 、 夫 婦 や 家 族 等 の 個 人 を 超 え る 消 費 生 活 上 の 単 位 を 課 税 単 位 と す る 方 式 ( 以 下 「 消 費 単 位 課 税 」 と い う ) を 採。 用 す る も の で あ る が 、 こ れ は 、 個 人 を 課 ( 「 」 税 単 位 と す る 方 式 以 下 個 人 単 位 課 税 。) 、 と い う の 欠 陥 を 補 正 す る も の で あ り 同 条 の 目 的 と の 関 係 に お い て 合 理 性 を 有 す る も の で あ る 。 b す な わ ち 、 租 税 負 担 は 各 人 の 担 税 力 に 即 し て 配 分 さ れ な け れ ば な ら な い の が 公 平 負 担 の 原 則 で あ る と こ ろ 、 夫 婦 な い し 同 一 の 生 計 の 家 族 は 経 済 生 活 の 基 本 単 位 で あ り 、 そ れ は 一 個 の 消 費 単 位 と し て そ の 構 成 員 の 所 得 を プ ー ル し シ ェ ア し て

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い る の が 常 態 で あ っ て 、 こ の 社 会 的 現 実 に 照 ら し て み る と 、 そ の 構 成 員 の 一 人 一 人 の 所 得 の 大 き さ を 基 準 と し て で は な く 、 消 費 単 位 そ の も の の 所 得 の 大 き さ を 基 準 と し て 担 税 力 を 測 定 す る こ と は 公 平 の 要 請 に 沿 う も の で あ る 。 も と よ り 、 現 行 法 に お い て は 個 人 単 位 課 税 が 原 則 形 態 で あ る こ と は 疑 い の な い と こ ろ で あ り 、 こ れ は お そ ら く 、 一 つ に は 家 族 制 度 の 廃 止 と い う 社 会 経 済 現 象 に 対 応 す る も の で あ り 、 ま た 、 他 方 で は 個 人 単 位 課 税 の 方 が 近 代 的 個 人 主 義 の 理 念 に 合 致 す る と 考 え ら れ た た め で あ る と 思 わ れ る が 、 各 種 の 課 税 単 位 に は そ れ ぞ れ 一 長 一 短 が あ る の で あ り 、 個 人 単 位 課 税 の 原 則 を 採 る こ と が そ れ 以 外 の 課 税 単 位 の 方 式 を 排 斥 す る こ と を 直 ち に 意 味 す る も の で な い こ と 、 、 は い う ま で も な く 諸 々 の 要 因 を 勘 案 し 政 策 的 に 複 数 の 課 税 単 位 を 組 み 合 わ せ る こ と は 何 ら 不 合 理 で は な い の で あ る 。 c こ の よ う に 、 法 5 6 条 の 採 用 す る 所 得 単 位 課 税 が 、 租 税 公 平 主 義 の 実 現 等 の 同 条 の 目 的 に 照 ら し て 著 し く 不 合 理 で あ る こ と が 明 ら か で あ る と は い え な い の で あ る 。 ま た 、 現 行 法 は 、 個 人 単 位 課 税 を 原 則 と し て 、 法 5 6 条 及 び 5 7 条 以 外 に も 、 多 数 の 条 項 ( 2 条 1 項 3 1 号 、 同 号 の 2 、 同 項 3 3 、 3 4 号 、 7 2 な い し 7 4 条、7 7 条、8 3 条 の 2)に お い て「生 計 を 一 に す る 親 族 」 と い う 概 念 を 用 い て い る と こ ろ 、 こ れ ら は い ず れ も 租 税 負 担 の 公 平 と い う 観 点 か ら 担 税 力 を 測 定 す る 上 で 消 費 単 位 に 着 目 し 、 規 定 さ れ た も の で あ り 、 所 得 税 額 の 算 出 プ ロ セ ス に お い て 、 個 人 の み な ら ず 当 該 個 人 と 「 生 計 を 一 に す る 親 族 」 と い う フ ァ ク タ ー を 含 め る こ と は 、 現 行 法 の 基 盤 で あ る と さ え い う こ と が で き る 。 ( ウ ) 以 上 に よ れ ば 、 法 5 6 条 の 立 法 目 的 は 正 当 な も の で あ り 、 具 体 的 に 採 用 さ れ た 区 別 の 態 様 と 立 法 目 的 と の 関 連 に お い て 合 理 的 な も の で あ る か ら 、 同 条 の 合 憲 性 を 疑 う べ き 理 由 は 何 ら 存 し な い の で あ り 、 同 条 は 憲 法 1 4 条 1 項 に 違 反 す る も の で は な い 。 、 、「 」 な お 原 告 は 婚 姻 関 係 に あ る こ と 「 」( ) が 社 会 的 身 分 憲 法 1 4 条 1 項 後 段 に 当 た る と の 見 解 を 前 提 と し つ つ 、 ① 立 法 目 的 が 重 要 か ど う か 、 ② 立 法 目 的 と 手 段 と の 間 に 実 質 的 な 関 連 性 が あ る か ど う か の 2 点 に よ っ て 憲 法 適 合 性 を 判 断 す べ き で あ る 旨 主 張 す る が 、 こ の よ う な 違 憲 審 査 基 準 が 租 税 法 の 分 野 に お け る 課 税 上 の 取 扱 い の 区 別 に 関 す る 基 準 と し て 適 当 で あ る か 否 か は さ て お き 、 そ も そ も 親 子 ・ 兄 弟 ・ 夫 婦 等 は 社 会 的 に 生 ず る 身 分 と い う よ り は 、 親 族 的 す な わ ち 血 の つ な り か ら 生 ず る 自 然 の 関 係 で あ り 、 ま た 人 類 に 普 遍 的 な 身 分 で あ っ て 特 殊 な 者 の 身 分 で は な い か ら 、 憲 法 1 4 条 1 項 後 段 に い う 社 会 的 身 分 で は な い の で あ っ て 、 前 提 に お い て 失 当 で あ る 。

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第 3 争 点 に 対 す る 判 断 1 争 点 1 ( 法 5 6 条 の 「 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 」 の 意 義 ) に つ い て ( 1 ) 本 件 で は 、 原 告 の 配 偶 者 で あ る 訴 外 乙 が 、 原 告 と の 間 で 締 結 し た 顧 問 契 約 ( 前 記 前 提 と な る 事 実 参 照 ) に 基 づ き 税 理 士 報 酬 等 を 得 る こ と が 、 法 5 6 条 に 規 定 す る 「 居 住 者 の 営 む 事 業 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 」 に 該 当 す る か 否 か が 問 題 と な る 。 こ の 点 に つ い て 、 原 告 は 、 要 件 の 前 半 部 分 で あ る 「 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 、 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と 」 と は 、 雇 用 契 約 に 基 づ い て 労 務 を 提 供 す る 場 合 を い い 、 後 半 部 分 の 「 そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 」 と は 契 約 自 体 か ら は 明 ら か で な い も の の 実 態 関 係 か ら し て 「 従 事 し た 」 と 評 価 で き る 場 合 を い う か ら 、 全 体 と し て 雇 用 又 は そ れ に 準 ず る 法 律 関 係 に よ る 労 務 の 提 供 に 対 す る 対 価 の み が 経 費 性 を 否 認 さ れ る の で あ っ て 、 訴 外 乙 の よ う に 独 立 し た 事 業 を 営 む 配 偶 者 と の 間 の 契 約 関 係 に 基 づ く 役 務 の 提 供 に 対 す る 対 価 に つ い て は 、 法 5 6 条 の 適 用 は な く 、 経 費 と し て 認 め ら れ る べ き で あ る と 主 張 す る 。 こ れ に 対 し て 、 被 告 ら は 、 要 件 の 後 半 部 分 が 前 半 部 分 に 類 似 す る も の な ど に 限 定 さ れ る 根 拠 は な く 、 事 業 者 が 生 計 を 一 に す る 親 族 に 対 し て 支 払 っ た 対 価 に 相 当 す る 金 額 は 一 律 に 必 要 経 費 に 算 入 さ れ な い 趣 旨 で あ る と 主 張 す る 。 ( 2 ) ま ず 、 要 件 の 前 半 部 分 で あ る 「 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 、 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と 」 の 意 義 に つ い て は 、 被 告 も 原 告 の 主 張 を 明 示 的 に は 否 定 し て い な い と こ ろ で あ る が 、 念 の た め 検 討 す る に 「 従 事 す る、 」 と の 用 語 は 、 法 律 用 語 と し て 定 ま っ た 意 義 を 有 す る も の で は な い こ と 、 国 語 的 に も 「 仕 事 に 従 う 「 仕 事 に た ず さ わ る 「 仕 事 と し て そ の 事 に 関 係 す る 」」 」 等 や や 漠 然 と し た 意 義 に 解 さ れ て い る も の の 、 自 ら 事 業 の 中 心 と な っ て 行 う 活 動 に は 用 い な い と 考 え ら れ る こ と 、 旧 法 1 1 条 の 2 第 2 項 及 び 法 5 7 条 が い わ ゆ る 青 色 事 業 専 従 者 の 活 動 を 指 す 用 語 と し て 用 い て い る こ と か ら す る と 、 事 業 の 一 員 と し て 参 加 し 又 は 事 業 に 雇 用 さ れ る 等 従 た る 立 場 で 当 該 事 業 に 関 係 し て い る こ と を 指 す と 解 す べ き で あ る 。 そ う す る と 、 納 税 者 た る 事 業 者 と は 別 個 独 立 の 事 業 を 行 う 者 が 、 自 己 の 事 業 の 一 環 と し て 、 前 記 納 税 者 た る 事 業 者 か ら の 委 任 に 基 づ い て そ の 事 務 を 処 理 し て 対 価 を 得 る 場 合 は 、 当 該 納 税 者 た る 事 業 者 の 事 業 に 従 た る 立 場 で 関 係 し た と い う こ と は で き な い か ら 、 た と え 対 価 を 受 け た 者 が 納 税 者 た る 事 業 者 の 配 偶 者 で あ っ た と し て も 、 前 記 要 件 の 前 半 部 分 に は 該 当 し な い と い う べ き で あ る 。 ( 3 ) 次 に 、 要 件 の 後 半 部 分 で あ る 「 そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 」 の 意 義 に つ い て 検 討 す る 。 ア 被 告 ら は 、 前 記 の 主 張 の 根 拠 と し て 、 一 般 に 法 令 に お い て 「 A そ の 他 の B 」 と い う 表 現 を 用 い る 場 合 は 、 A は よ り 広 い 意 味 を 有 す る B に 包 含 さ れ る 関 係 に あ る 旨 を 示 し 、 B が A に 準 じ る も の に 限 定 さ れ る こ と を 意 味 し な い と 指 摘 す る 。 確 か に 、 上 記 の よ う な 用 例 に お い て A が よ り 広 い 意 味 を 有 す る B に 包 含 さ れ る 関 係 に あ る こ と は 、 法 令 用 語 に 関 す る 文 献 等 が 一 致 し て 説 く と こ ろ で あ る ( 前 田 正 道 編 「 ワ ー ク ブ ッ ク 法 制 執 務 〈 全 訂 」 6 2 0 頁 、 林 修 三 「 法 令〉 用 語 の 常 識 」 1 7 頁 、 田 島 信 威 「 最 新 法 令 用 語 の 基 礎 知 識 改 訂 版 」 2 9 頁 ) が 、 A が B の 例 示 で あ る こ と も ま た 上 記 文 献 が 一 致 し て 認 め る と こ ろ で あ る 。 そ う で あ る 以 上 、 B の 部 分 の 意 味 内 容 が そ れ 自 体 か ら 明 確 で な い 場 合 に は 、 そ の 例 示 で あ る A の 部 分 の 意 味 内 容 に 照 ら し て B の 部 分 の そ れ を 解 釈 す る ほ か な く 、 そ の 限 度 で B の 内 容 が A の 内 容 に よ っ て 限 定 さ れ た も の と な る こ と は 避 け ら れ な い の で あ っ て 、 現 に 他 の 法 令 の 解 釈 に お い て 、 こ の よ う な 解 釈 が 所 管 官 庁 や そ の 関 係 者 等 に よ っ て 採 用 さ れ て い る 場 合 が あ る 。 す な わ ち 、 地 方 税 法 6 条 1 項 は 「 地 方 団 体 は 、 公 益 上 そ の 他 の 事 由 に 因 り 課 税 を 不、 適 当 と す る 場 合 に お い て は 、 課 税 を し な い こ と が で き る 」 旨 を 定 め 、 公 益。 等 に よ る 課 税 免 除 を 規 定 す る と こ ろ 、 同 項 に い う 「 公 益 上 の 事 由 」 と は 、 課 税 対 象 に 対 し 課 税 し な い こ と が 直 接 公 益 ( 広 く 社 会 一 般 の 利 益 ) を 増 進 し 、 又 は 課 税 す る こ と が 直 接 公 益 を 阻 害 す る 場 合 を い い 、 ま た 「 そ の 他 の 事 由、 」 と は 、 課 税 を 不 適 当 と す る 場 合 全 般 を 指 す も の で は な く 、 課 税 を 不 適 当 と す る 場 合 の う ち 「 そ の 他 の 事 由 」 の 直 前 に 記 載 さ れ た 「 公 益 』 に 準 ず る、 『 事 由 を い う も の 」 と し て 限 定 的 に 解 さ れ て い る ( 当 時 の 自 治 省 税 務 局 企 画 課 員 等 の 執 筆 に か か る 財 団 法 人 地 方 財 務 協 会 「 地 方 税 法 総 則 逐 条 解 説 」 3 1 頁 以 下 。 ま た 、 同 法 3 4 3 条 は 固 定 資 産 税 の 納 税 義 務 者 等 に つ い て 規 定 す る) と こ ろ 、 同 条 4 項 は 「 市 町 村 は 、 固 定 資 産 の 所 有 者 の 所 在 が 震 災 、 風 水 害、 、 火 災 そ の 他 の 事 由 に よ っ て 不 明 で あ る 場 合 に お い て は 、 そ の 使 用 者 を 所 有 者 と み な し て 、 こ れ を 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 し 、 そ の 者 に 固 定 資 産 税 を 課 す る こ と が で き る 」 旨 を 規 定 し 、 同 項 の 「 そ の 他 の 事 由 」 と は 、 固 定 資 産 の

参照

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