【
研 究 論 文 】
UDC :624.
078.
4 :624.
014.
27 :624.
e7S.
3 日本建築 学 会構 造 系 論 文 報 告集 第 354 号・
昭和60
年8
月高 力
ボ
ル
ト
鋼 管
フ
ラ
ン
ジ
継 手
の
極 限 設 計 法
に
関
す
る
研
究
そ
の
1
リ ブ
・
リ
ング 無 し
継 手
* 止 会 員五
十 嵐
丿
正 会 員 正 会 員 員会
正 員 会 正山
上
本
瀬
脇
井
松
村
定
広
竹
良
義
*三
* *朗
* * *一
* 零 宰*秀
* * * * *L
序
鋼 管
材
の接 合
に は,
図
一
Ll
に示 す よ う
な短 締
め形 式
の高 力
ボル ト継手
が多
用 さ れ て い る。
本 研 究
は,
図 示
の3
種 類
の継 手
F − Type,
FR
−
Type
,
FRA
−
Type
の力学 性 状 を主 と
して実
験
的
に求
め るも
の で あ る。FR −
Type
はF− Type
の継 手
を リ ブで補 強
したもので
あり,
さ ら に,鋼 管
の局 部 変 形 を拘 束 す
る ためリ
ブの先 端
に リ ング
スチフナ
ー
(
以 下 リ
ング
と略 記 す
る)
を配 置
し た も のがFRA − Type
である。
、
管 軸 方 向
の引 張 力
に対
す るF
−
Type
継 手
につ い て は,
これ まで鷲
尾,
脇 山
らに よっ て,
主
に て こ反 力
に着
目
した実 験 的 研 究
〔
1〜
3〕
が行
わ れ て お り, こ の形 式
の1
。1
。 o o■
。i
。 olo O O o o
》
聖
璽
幽 図
一
1
.
1
鋼 管フ ラ ンジ継 手 *本 論 文の概 要は 日本建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 (昭 和57
,
’
58
年 )‘こ発表済 零 大 阪 大 学 教 授
・
工博 * * 大 阪 大 学 助 教 授・
工 博 1*1 大 阪 大 学 助 手・
工博 # #r
菱 重工広 島造 船 所 林 零 榊 三 菱 重 工 広 島 研 究 所 〔昭和 59 年 6月18 口原 稿 受 理日,
昭和 60 年 2 月 14 日 改 訂原稿 受 理 目.
討 論期限 昭和 60 年且1 月 末口1
継 手
で はて こ作
用
の影 響
が大
き く,
年禅
で き ない こ と が指 摘 さ
れて いる。
高 力
ボル ト接 合 設 計 施
工指 針
〔
4
〕
で は こ の継 手
の設 計
に スプ
リッ トT
に対
す る設 計 式 を準
用
で きる ことになっ て いる が,
その方
法で はフラン ジ板
の円 周
方向
の曲
げ抵 抗
が無視
さ れ る た め,
フ ラン ジ板 厚
が過 大
にな る。一
方
,
鋼 管 構
造 設 計 施 工 指 針〔5 〕
に は,円板
の弾 性 理 論
に基
づ く許 容 耐 力 式
が示
さ れて い る が,適 用 範 囲
は高 力
ボル トで耐
力
が決
ま る 場合
に限
ら れ る。
また,・
最 近 加 藤
らは,
降 伏 線
理論
に基づ くF− Type
継手
の実 用 設 計 式 を提 案
し,
実 験 結 果
との対 応 性
につ い て考 察
し て いる〔
6
〕
。
他 方
,FR
−
Type
.
の よ うに リブ
で補 強
し た継 手
につ い て は,
無 補 強
のF
−
Type
に比
べ て降
伏耐力
の上 昇
〔
7
−
9
〕
やて こ反 力
の減 少
〔
9
〕
な どの補
強 効
果のあ るこ とが実験 的
に確
認 さ れて い る が,
その よ う な 補 強 効 果は,
ま だ定 量 化
,
定 式 化
さ れ るには至
っ ていない。
本 論
は,
図
一1.1
に示
す3
種 類
の継手
を
構
成
す るフ ラ ンジ板
,
リ ブ,
リングの 必要
板 厚,
お よ び 高 力 ボル トの必
要 本 数
あ るいは 必要 径
な ど を,極
限
解析
理論
に基
づ い て算 出
す る手続
,
す な わ ち,
直接 設 計 法 を提 案
す るも
の であり,
併
せて実 験的 検 討
の結
果につ い て も述
べて い る。
な お,
本 論
で対 象
と する の ば図一
Ll
に示
す3
形 式
の継
手
のう
ちのF − Type
継 手
で あ り,
ほ かの2
形 式
の継 手
につ い て は次 報
で述べ る。
2.
鋼管
フ ランジ 継 手 の極
限 解 析2
.
1
仮 定
(
1
) 薄 板
の理 論
に従 う
。(
2
、
)
、
材 料
はTresca
の降 伏 条 件
に従
う完
全剛
塑性体
で あ る。
,
.
(
3
)
フ ランジ板
の膜 応 力 を無 視
す る。
(
4
)
ボルト
径
お よ び ボル ト穴の大
きさ
を無 視
し,
離
散 的に存 在 するボル トの作 用 力 を 環
状
に等
分布
する
線 荷
重に置 換
す る。
52
一
由
1
tp
叫
一
図一
2
.
1
継 手 各 部の記 号と座 標1
P(
51
て こ反 力
は フラ ンジ板 外
縁
に沿
っ て等
分
布
す る。
(
6
) 鋼 管 壁
のエネ
ルギ
ー
散
逸
を無 視
す る。2
.
2
座 標
お よび記 号
フ ラ ン
ジ継 手 部
の座 標
お よ び記 号
を 図一
2
.
1
の よ うに定
め る。
こ こ で,’
F
:鋼 管
か らフランジ板
に作
用
す る 全荷 重
「
B
:ボ
ル トに作
用 す る 全荷
重P
: て こ反 力
さら に次
の記 号 を定 義
してお く。
n :ボル ト
本 数
σ。ノ :フ ラ ンジの
降 伏 応 力 度
σ。ρ:
鋼 管
の降伏 応 力 度
σ。b :ボル
ト
の降 伏 応 力 度
’
Mo
(
=
aor・
.
ti
/4
>
: フラン ジ板
の単位
幅 当
りの全 塑 性
モー
メ ン ト/
一渝
・
・一
、島
;
・
P
一
薦
2
.
3
環 状 線 荷 重
を受
けるフ ラン ジ板
の極 限 解析
2
.
1
の 仮 定に従
え ば,
Hopkins
とPrager
の 方 法・
〔
10〕
を 用い て フ ラ ンジ板
の崩 壊 荷 重
を求 め
る こと
が で き る。
まず
,面外荷重
を受 け
る円板
のつ り合
い条
件 式
は次 式
で与
え ら れ る。
罫
(
瓢 剛
。+ ・Q
。…・
・
…・
…一 ・
…・
…
(
2
−
1
)
rx
Qr
+dQr ・
図一
2
.
2
M
φ B」
,
A MoL
C
凹oM一
盖
。F
一
Mo
D ・:
図一
2
.
3
フランジ板の降 伏 曲 面 た だ し,M
。,
M
φはそれ ぞれ半 径 方 向
お よび
円 周方
向
の曲
げモー
メ ン ト,
Qr
は半 径 方 向
の せん 断 力であ り,
各応 力
の正 方 向
は図一
Z
.
2
に示 す
と お りで あ る。
仮 定 (
2
>
によ れば
,M .
とM
φの降伏 条件
は図一
2
,
3
の よ うに表
され る。,
(
1
)
「
r4≦
r
≦r3
・
こ の
領 域
で はQr
#O
で あ り,
r
=
r4 でMr
=
0
の境 界
条 件
を 用い,Mdi
==M
。 と置
く と(
2
−
1
)式
よ り次 式
が得
られ る。
Mr
−
Me
(
− −
r41
r
)
・
・
………・
・
………一 ……
(
2
−
2
)
し た がっ て,応 力 点
はr
=
r
、で図
一2.3
のB
に,
ま た r4 〈 r≦rs でAB
」
・
1
にあ
る。
(
2
)
r3
≦r
≦r2
こ の領
域
で はQ
.
=− F
/2
πr
で あ り,
図一
2
.
3
のAB
は r3≦r≦ρ の範 囲
に適
用 さ れ る が, こ こ でp
はM
,・
!
・
O
と な
る半 径
r
の値
であ
る。
応 力 点
がAB
上
に あ る と き の(
2
−
1
)
.
式
の解
は,r
三
・r3
にお け る (2
−
2
)式
との連 続
条 件
を考 慮
し て次
の よ うに得
られ る。
M
・−
M
・[
(
741− −
r
)
一
(
1一
夢
)
f
]
………・
…
(
2
−
3
)
さ ら に, r= ρ でM
。
;O
である か ら ,f
−
r、/r3ρ『
∫
−
1
「・… ’
… … ”… ’
… ’
’
’
’
”
(
2
−
4
)
ρ≧r2
であ れ ば,
解 (
2
−
3
)
がこ の領 域 全
体
に適 用
さ れ る。 こ の条件
は次 式
で表
さ れ る。f
< 「一 「’・
一 ……・
………_ .
.
_.
(
2
−
5
>
r2
−
rti
一
53
一
一
方
,
ρ〈 r2.
であれ ば解
(
2
−
3
)はr
=p
まで に 適用
さ れ,
ρ〈r・
≦T2
に
お い で応
ヵ
点
は図一2.3
のBC
上に あ る。 こ の と きM
。=M
。十1
脇 商
あ
り,
r
=
ρ でM7 =
O
で ある か ら,
.
.
・
12
」1
) 式
よ り次
式
が得
ら れ る。
Mr
−
w
ご
1
鴫
:
∫
ラ
竿 ]
一
一
・
…
∵
…
(
2
−
・)(
3
)
r2≦r≦rlせ ん
断 力
Q
,
は次 式
で表
さ れ る。
熊
2
}
調
二
畔
箏
〔
b −
f
)
こ の 領 域で は,
lp の位 置
に従
つて次の2
ケー
スを考
え な け れ ば な ら ない 。1
・
丶
【
ρ≧r2 の場
合
1
1
ttL
.
、
こ の場 合
暁
・1 でM
。−
0 で
あ
り.
.
ル亡
け
1
点
.
はAB
上
に あ る.従
っ て島
マM
。と置
き,
r−
。,に おi
け
る(
2
−
3
)
式
との 連続 条 件
を考
慮
す
ると,
(
2
一
ユ〉式
の解
が次
の よ う に得
ら れ る。
’
1
、
卜
.
・
M .
一
[
1一
ひ
一
(
1一
夢
)
f
・(
・二勃
6
]
・
(
2
−
7
)
r
ニrl
でMr
=0
であ る か ら,.
上 式
よq
1
[
(
rl−
r,)
十(
rl−
rl)
b
]
=0・
……
(
2
−
8
)
f
−
、
、
∴:
厂
1厂
.
「3・
;.
、 .
’
1・
’
.・
:it/.
.
こ.
の式
が ρ≧乃 の場 合
の7
ラ
、
ン ジ板
の崩 壊 荷 重 を与
え る。
こ の式 を
.
(
2
−
5
)式
に代 入
する、
と
,
・
、
(
2
−
8
) 式
の成
立
.
範
囲
は.
次
の不
等
弍
で与
ネ
う
.
れる
,。
、
.
.
b
く 「3−
「4.
_ _ _ .
.
_.
.
_ _ ∴∴.
。
繭(
2
諭
r2r73
【
ρくr2
の 場合】
、
』
こ.
の場 合
;r
=r2
で応 力
点
は図
一
2
.
1
のBC
上にあ り,
.
r=
rl でM
。=0
で あ る か ら,
r2
≦r
≦r
】の範
囲
でr
が 大 き く尽
る.
と応 力 点
はBC
上
をB
に向 1
て
移
動
す る。
し た がっ て,
.
・
.
.
.L
1
.
.
.
1「
」
・
M.
.
M
.
・
11.
MOf0
一
MOf一_一
一一
.
塾廴一
一
一
一
一
一
M。f
Mr
.
「4 rO
M
φ=
Mo
十Mr
で あ り, さ らに r=
r2 に おVl
る(
2
「6
>式
との連 続 条 件
を考 慮 す
る と,
つ り合
い条 件 式
.
(
2
−
1
)
の解
が次
のよ う
に得
ら れ る。
.
.
;1 :
M
・−
Me
[
(
f
−
1
:
)
ln
(
÷
)
− btn
(
:
夢)
]
・
……
(
2
−
10
)
た だ しρ は(
2
−
4
) 式で与.
え ら れ る。
.
ほ
r
=
rl
でMo=O
で南
る か ら,(
2−lg
)式
よ り(
た
1
…
(
:
・
∫Ci71
.
:
r
・−
i
.
.
,
?
.
)
・砿
(
舞
)
一
・ z.
「3 「2 「1・
………・
(
2
一
ユ1
}
この式
が ρ〈r,の場 合
の崩 壊 荷 重
を与
える。 た だ しM
。 ,=−
M
。であ れ ば,
崩
壊
荷
重
は(
2
−
6
}
ある い は(
2
−
10 )
式 よ
り次 式
で与
えら
れ る。.
∫
と
1
+za
(
舞
・
孚
171
}
7
σ
・
・
・
……・
…・
(
・−
12
>
こ の
式
は・環 状
線
荷
里
F
を
受
ける業
径
r
・の周 辺 固定 有
孔 円 板
の崩 壊
樋
を
气晒
も
ρ
で
噸
・
1(
2
−
11
)
お よ び(
2
−
IZ
・
)
彗
タ
り得
らμ
るf
の値
が等
し いと き,次 式
が残
立
す る。
f
.
’
・
一
/
−
1
†
砺
(
オ
7
勾
・
∴・
・
…・
・
……・
・
…・
…
(
2
−
13
)
b
の値
が上 式
の右
辺 よ
り小
さい と き解
は〔
2
−
ll
)式
で与
え られ,
大
きいと き は(
2−12
)
式で与
え ら れ る。
以
上の解
は静
的許容
応 力
場 を仮 定
して得
ら れ たも
のであ
る か ら,
真
の崩 壊 荷 重
の下 界
を与
え る。一
方
,
こ れ ら の解
か ら図
一2.
.
4
、
に 示
す よ う な速
度
場 を仮 定
す ることが で き る。 こ の図
中
のMode
:1
,
2
,.
3
はそ れ ぞ れ(
2
−
8
)
,
(
2
−
1
・
1
)
,
.
.
(
2
−
12
)
:.
の各 式
に対
応
す・
る速
度
場
であ り,各 図
の上 側
には各
Mode
に お け る半径
方 向
お よ「
.
び
円周 方 向
の曲
げ
モ ー メ.
ン ト分布
も示
して い る。
ま
た図 中
の記 号
AB
,
BC
は,
その 下
の矢 印
で示
す区 間
.
の応 力 点
が図
一
TMOf
−
』
1
1Fτ
.
−t−一}一…『
Mφ }、/
晦
i
∀
’
ト
:‘
・
’
「2 r4 「3 MOf 「l r o M Z P一
2FT一
MDfM
φ一■
需P雫一
一
一
玉脚
、Mr
.
、
亀」
」
、
、
z 「4 「3 ρ 1.
r2 rl 暇.
い
畔
3F重
\ Mode 1画
二2
」4
’
・
↓
。;
’
「
Mode 2 フ ラン ジ板の モー
メン ト分布と崩 壊 機 構 ・−d
・rh ・・.
・
↓
。;
Mode3
一
54
2
.
3
のAB
上
およ
びBC
上
に あ ることを 示
し てい る。
こ れ らの速
度 場
か ら得
られ る解
は 上記
の解
と一
致
す る か ら,
ここで得
ら れ た結
果
は,2
.
1
項
で設 定
した仮 定
の下
で フ ラ ンジ板
の 真の崩
壊荷 重
を与
え る6
.
,
2
.
4
鋼 管
壁の エ ネルギ
L.
一
散 逸 を考 慮
し た継 手
の極 限
解析
フ ラン ジ
板
に図一
2
,
4
暄
に示
す よ うな崩 壊 機 構
が形
成
さ れ る と, フ ランジ板 近 傍
の鋼 管
も
変
形 してエ ネルギー
を散 逸
す る。
し た がっ て,
厳 密
に は継
手
の崩 壊
荷重
は前項
で求
め たフランジ板
の崩
壊
荷 重
より大
き く な る。「
こ こで は,2
.
1
項
の仮 定 (
6
)
を削 除
し た場 合
の継 手
の 崩 壊 荷重 を
,次
.
の仮 定
に基
づい て求
め る。(
1
) 鋼 管
の管壁
はサンドイ
・
ッチ断 面
で ある。
(2 )
フラン ジ
板
の半径
方 向
お よ び円周 方 向
の垂 直 応
力
を無 視
す る。
(
1
)
の仮 定
よ り,
鋼 管
の 円周 方 向 垂 直応 力
Ne
,
管 軸
方 向 垂 直 応 力
N
。
,
管 軸 方 向 曲
げモー
メ ン ト 畴 に関
す る降
伏 曲 面
は図
一
2
.
5
で表 さ
れ る〔
11
〕
。 た だ しNe
Nz
Mz
tt
、
ne
=
瓦
三
・n
・
=
死
・
M・
=
M
。P で あ り,N
。ρ ,M
、。は そ れ ぞ れ管
壁
.
の
単位
幅
当
りの降 伏
応
力 お よび塑
性
モー
メ ン トで あ る。
Ne,
Nz
につ い て は引
張 を 正,M
。 は鋼 管表 面
に引 張
ひず
みを生
じさせ る方
向
を 正 と す る。
図
一
2
.
5
の降 伏
曲面
に対
して,
n
。≧0
.
5
であ
れ ばフラ ンジ板 近 傍
にお け る鋼 管
の崩 壊機 構
を 図一
2
.
6
の よう
に考
え る こと がで き る。 な お, こ こで はn
.く0
.
5
のよ う
な耐 力
の小
さ い継
手
につ いて は考
えない 。図
一
2
.
6
の機
構
で は,
2
=
O
とz
;2
。に降 伏 関 節
円が生
じ,
そ の間
の応 力 点
は図
一2.5
の応 力
状
態
線
AB
上
にあ
る。z
・
・
O
お よ びz
=
z
。で は,
傾
斜
と軸 方 向 変 位
に不 連 続
が生
じ,
0
く2
〈2
。では円
周 方向 変 位 速 度
が生
じ て い る。
ま
ず
,
0
<2
<Zo
に お け る鋼 管
の エネ
ルギ
ー
散 逸 速 度
D
。t は,
こ の区 間
でN
θ;Nep
で あ り,
ま た z=
0
に おけ 図一
2
.
5
鋼 管 壁の降 伏 曲 面 る半 径 方 向
変位速 度
がt
∫θ/
2
(
図
一
2
.
6
参 照 )
であ
る か ら,
次 式
で与
えられ る。D
・i− …∫
丶
(
1− −
Zo
)
1
署
・・彈
一
薯
幅 ・…一 ・
・……・
……一
(
2−14
)
次
に, z;
O
で は応 力 点
は図
一
2
.
5
のA
点
に あ り,
こ の位
置の降 伏 関 節
円に おける回 転 角 速 度
お よ び管
軸 方向
変 位 速 度 を
それ ぞ れ 洗,
w
。とす
る と,
降 伏 局 面
に対 す
る塑 性
ひず
み の法 線 則 よ
り,
仇 と w。は次 式
で関 係
づ け られ る。
No
ρWo
=Mo
ρeo
…
−t・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
『
・
…
(
2−15
)
ま た図
一
2
.
6
より,
&
と θの間
に は次め幾何
学 的 関 係
が あ る。
:O
・
一
(
十tr1
2Zo
)
・……・
…・
……・
……・
……・
・
(
2−
・6
)
さ らに,
N
。とMz
は下 記
の降 伏 条 件 式
を満
足 し な け れ ば な ら なし撫 読
斗・
一 一
『
一 ・
・
一 ・
…
…
2
−
・7
)
(
2−15
)
〜
(
2−17
)
式 を用
いて,z
=0
の降伏関節
円
に お け るエネ
ルギ
ー
散 逸 速 度
Do
は次 式
で表
さ れ る。
DD
==2
πr3(
NzWo
十M
π6
も
)
一
・・r
・M
・p(
t
/1
十2Zo
)
・・
∵
一 ・
・
………
∵(
1
−18
)
同様
に して,
z
=
z
。の降 伏 関 節 円
にお けるエネ
ルギー
散 逸 速 度
DZD
は次
のよ う
になる。D
.一
・職髪
・……・
一 ・
・
…………・
…
(
2
−
19
)
(
2
−
14
.
)
,(
2
−
18
)
,(
2
−
19
)式
で与
え ら れ る各
エネ
ルギ
ー
散 逸 速 度 を加
え て,
O
≦z≦z。に お ける鋼 管
のエ ネルギ
ー
散 逸 速 度
1
)p は次式
で与
え ら れ る。
図一
2
.
6
55
bp
−
[
・・r
・M
・p(
1
噸
・努
・嗣
〃
・
・
(
2
−
2
・・
鋼 管
の塑 性 域 長 さz
。
嫉
,
最
小
化 条 件
∂Pp
/
∂2。=
o
よ り次
式
で与
え ら れ る。’
・
z
・一
「鷙
一」
M
;
・
t
’
P ・管
蔚
一 ・
・
2
−
2D
図
一2.6
の崩 壊
機 構
と 図一2.
4
の各 崩 壊 機 構
とを組
み合
わ せ ると
,
管
壁
の エネ
ルギ
ー
散
逸
を考慮
し た フ ラ ンジ継
手
の崩
壊 荷 重の.
ヒ界
が次
の よ うに導
か れる。
.・「
・・M6de
・1
・・
が
鑑
・
z
。・ ・蒔
・:
……・
・
2
−
・2
・
…d
・ ・2G
・・
t
・
・轟
・
z
…
t
{
!
…一
・一 ・
・(
・,
…
.
…d
・ ・3G
・lf
・
・撫
・
・…t
’)
・・一
・……・
・
2
−
24
}
た だ し,G
,(
f
)
,G
,(
f
)
,G
,(
f
)
は そ れ ぞ れ(
2−8
}
,
(
2
−
11
)
,
(
2
−
12 )
の各 式
にお け る左
辺の関
数であ り,.
p
は(
2−
4
)
式
で与
え ら れ る。
(
2−22
)
一
(
2−24
)
の各 式
の左辺 第
2
項
は,
継 手
の崩 壊
荷
重
に対
す る鋼管
の寄与
分
で ある。
たとえ ば,
4
章
で用
いてい る 試 験体
(鋼 管
:φ216.
3
×4
.
5
)
の場 合
;
鋼 管
の 塑性 域 長
さz
。は(
2−21
)式
よ・
りわ ず か22mm
で あ る。 また フ ラ ンジの板
厚
は,
通
常
菅 厚
の数 倍
に な る か ら,
鋼
管
の塑性 化 領 域
の体 積
はフ ラ ンジ板
の そ れ よ り か な り小
さい。 し た がっ て,一
般
に〔
2−20
)
式
さ与
え ら れ る鋼 管
の 土 ネルギ
ー
散
逸 速
度
はフ ラ ンジ板
の そ れ に比
べ て か な り小
さ く な るの であ る。2
.
5
局 部 崩 壊 荷 重
前 項
まで に示
し た結 果
は,
2
.
1
項
の仮 定
(4
)
,
(
5 )
に基
づ い て い る か ら,
フ ラ ンジ板
の応 力分 布
が軸 対
称 と見
な さ れ る場 合
に しか適 用
で き ない。高 力
ボル ト本 数
が極 端
に少
な い場 合
に は,
フ ラ ンジ板
の崩 壊 機 構
は管 軸
に対 称
では な く,
ボル トま わり に局 部 的
な崩 壊 機 構
が形 成
CA
ハ
〉 ぐ BT一
ωPipeI
▽
,、ang 。PL
.
へD
1
’
1.
FiHinge1
、
.
一
一
,
一
一一
邑
‘‘
广「
r「
層
FlangePL
一
56 一
HlngeI
」
ine
・
図一
2
.
7
フ ラ ンジ板の局 部 崩 壊 機構 さ れ るも
の と考
え られ る。
こ こでは, フランジ
板
の局部
崩 壊 機 構
とし
て図
〒
2
.
7
:に示
す機 構
(
Mode
二1L
3
)
を考
え る。
’
この 図で太線
は降 伏線
を表
し,
・
放 射 線
が描
か れ て いる領
域
は円錐 形 状
に変
形
する
部
分
であ
る。放 射 線
の集 合
点
B
が ボル ト位
置
に相
当
す る。 こ の よ うな局 部 崩
壊 機 構に対 す る 崩 壊 荷 重の 計算
:方 法につ いて は次 報
で述
べ る が ;降伏
線
理論
〔
12
〕
を適 用
す れ ば,
図
一
2
.
7
の機
構
に対
す る崩 壊荷
重
F
,1
は次式
で
与
えられる。
肆
(
12
十「
ls
2
ω十・
1
・
,)
,
搗藷
∵
…・
・
…
r2S
・
ただ
し,ti,1
,,
ls
は それ
ぞ れ線
分AB
,AC ,
BD
の 長 さであ り,
崩 壊 荷 重
f
、.
3は図一
2
.
7
に示
さ れて い る角
度 パ ラメー
タ ω に関
.
し て最 小 化
さ れ る。
.
・
3.
:鋼 管
フランジ継 手
の極 限 設 計 法
’
3
.
1
設 計 方 針
接 合 ボ
ルトを 引 張 破 断 さ
せ ない ことを設 計
の基 本 方 針
と する。
す な わ.
ち,
ボル.
トの塑 性 伸
び を伴 う
Mode
.
1
お よびMode
.
2
の崩 壊 機 構
が形 成
さ れ な い よ1 う に,
1
継
手 各 部
の寸 法 を定
め ることにす る。 こ の方 針
を数 式 表 現
すれば次
の とお り であ
る。
F
.≦F3 〈F
ユ ,’
Fz
,FL
,,inT
。・
…・
…・
・
……・
…・
(
3
一
ユ)
.
た だ し,F
,は設
計 荷
重
,
』
F
,,
F2,
凡
,
FL3
は そ れぞ
れMode
.
1
,
2
,
3
お よ びMode .
L
3
の各 崩
壊荷 重
で あ り,
・
n は ボル ト本
数
,T
。 は ボル ト1 本当
りの降
伏 軸 力
であ る。・
tt
本 論
で は,
上 記
のブ
ランジ板
に関
す る各 崩 壊 荷 重
が鋼
管
の短期 許 容 引 張
力 よ り大
きい継 手
を全 強 継 手
と定 義
す る。’
径
が4bo
φ以 下
の鋼管
に対
.
し て行
っ た全 強 設 計 例
に よ れ ば,
上 記
の定
義
に基
づ く全 強 継 手 で
はMode .
L3
を考
慮 す る 必 要 は ない。
なお,F − Type
’
継 手
で は て こ反
力
が大
きい た め,
高
力
ボル トの最
小 ピ
ッチを
2
;5d
(
d
:ボル ト軸 径 )
と す れば
,
径
が400
φ以 上
の鋼 管
につ い ては ボル トが収
ま ら ない とい う 理由
で全 強 設計
は 不 可能
と な る。3
,
2
フ ラ ンジ
板
の設 計
設
計 方 針 (
3
−
1
>
に よれ ば,Mode 、
3
の崩 壊 荷 重
F
,が フ ランジ板
設 計
の基 準 値
にな.
る。
2
.
4
項
で指 摘
し たよ う
に,
継手
の崩 壊 荷
重
に及
ぼす鋼 管 壁
のエネ
ルギ
ー
散 逸
の影
響 は一
般
に小
さ く, こ れを無 視
し ても設 計
.
卜安 全 側
であ
る。
こめ と き
瓦 は(
2
−
12
) 式
の解
と して得
ら れ,
解
曲 線
の一
部
は図
一
3
.
1
に実 線
で示 さ れてい る。
た だ し,(
2
−
12
)式
は超 越 方
程
式
で あ り,
この式
の対 数 項 を級 数
展 開
して第
1
項
の みを採
る ど,次
め2
次 方 程 式
が得
られ る。
}h
,f
;− h
,ゐ
+1
+ κ,k
、=
0
∴・
一 …・
…・
∵・
・
(
3
−
2
)
・だ … 1一
贍 )
・
舮
舞
島
一
・+…i(
刷
一
・・ 崩 壊 荷重
F
、の 近似 値
は(
3
−
2
) 式
の根
.
と し て次 式
で与
f3
(=
F3
/2TMo
)10
5
0
え ら れ る。5
ヨo
図1
.
o
fs
一素
[
k
・・h
]
− 4k
,(1
+k
,k
・一 ・
一
(
3
−
3
)
弖
「2
上 式
に よ る崩 壊 荷 重
Fs
は図
一
3
.
1 中
に点
線
で示
さ れて い る。
こ の図
より明
ら か な よ うに,
(
3−3
)
式によっ て実
用
上十 分
正確
かつ安全 側
の結
果
が得
ら れ る。
継 手
の幾 何 学 的 形 状
が 与 え ら れ る と,
フ ラン ジ板
の必
要 板 厚
し は次 式
で与
え ら れ る。
t
’一
論
.………・
・
…・
・
……・
………一 ・
(
3
−
・)
さ ら
に,
フラン ジ板
の せ ん断 強 度
に対
し,.
孟∫ は次
の条
件 も満 足
し なけ れ ばな ら な い。
t
’・ 。缶
・ ・ 。訟
(
dw
・座sew
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
一
・
・
・
・
・
・
・
…
(
3
−
5
)
3
.
3
高 力
ボ ル トの設 計
設 計 方 針 (
3
−
1
)
お よ び(
2
−
8
)
,(
2
−
11
)
,
(
2
−
12
)式
よ り,
高 力 ボ
ルト
は次
の3
条 件 を満 足 す
るよ う
に設 計 す
る。2
πMo
匚
(
rl−
rs)
丿1
−
(
rl−
r4)
]
・
・
・
・
・
…
(
3
−
6
)
nTo ≧ TT−
r2 nT ・…M
・[
f
・−
1
+ln
(
i
,。)
]
一・
・
………
(
3
−
7
)
nT 。≧2
πM
。f
、’
………・
…・
…・
…・
…・
・
…・
…・
・
〔
3
−
8
)
、
上 記
の設 計 方 針
に従
.
えば,
鋼 管
の破 断 荷 重
に対
し ても
高 力 ボ
ルト
が破 断 し
ないよ う
に配 慮 す
る必 要
があ
る。
高
力
ボル ト接 合 設 計 施
工指 針
〔
4
〕
に よ れ ば,
ボル トの破
断 強 度
と 短期 許 容
応 力度
の比 はL66
−
1
.
77
で あ る。一
方
,
鋼 管
お よび
フランジ板
など
の鋼 材
で は,
こ の比
はSS
41
級
で1
。
71
,
SM
50
級
で1
.
52
である。
こ れらの値
は いずれ も 公称 値
に対
する もの であるが,
ボル トの破
断強 度
と 短期 許 容
応 力度
の比 は鋼 材
の場 合
の比 と同 程 度
以 上であ
る。 し た がっ て,(
3
−
6 )
一
(
3−8
)式
のT
。と し て高 力
ボルト
の短 期 許 容 引 張 力 を採
れば
,
鋼管
が破 断
す る前
に高 力 ボ
ル トの破 断
は生
じない もの と考
え ら れ る。
4.
実験的検討
こ こで は
,
前節
で提案
し たF− Type
継 手
の設 計 法
を 検 討 す る 目 的で行っ た 引 張 加 力実
験の結 果
につ い て考 察
す る。
4
,
1
試 験
体
の形 状
・
一
寸
法
と材料
の機械 的性 質
試 験
体の形状
は図一
4
.
1
に示 す よ う な もの であ り,
各
部
の寸 法 を
ま と め て表
一4.1
に示
す。
試 験 体
の総 数
は15
体
であ
り,
すべ て の試 験 体
に対
して鋼 管
は φ216
.
3
×4
.
5
,
高 力 ボ
ル トに はFlOTM20
を使
用 してい る。
表
一
4
.
2
に試 験 体 構 成 材
料
の機 械的性質
を示
す。図
一
4
.
2
にNo .
8
〜
12
試 験 体 を示
す が,
こ の図
に示
す よ うに,
上部
に試 験 体
と同
じフ ラン ジ板
厚
のダ
ミT
試 験
体
をFloTM20
の高 力
ボル トで緊
結
し てい る。ユ
5
体
の試 験 体
の う ち,
前
節
の方
法
を用
い,
継 手 各部
の短期 許 容
応 力度
に対
して全 強 設 計 さ れ た もの はNo .
3
図一
4
.
1
試 験 体の形状 表一
4
.
1
試験 体 P工PE」
FLANGE BOLT No.
(STK41 } 〔SS41 ) (F10T } しff Φhe1e2 工ZEn φb1
〕 〔, (
, ( [ { 〕 { 〕 〔 ) 上 Φ216
.
3×
4.
512356035・
35 凹20」
460286 2岬
12’
「
03535 ’「 660厂
厂
3 〃 16「
「
o3535「
「
870ρ
F 4卩
’
19π
o3535「
「
875Pr 5「
「
19「
「
o3535「
,
1275r「
5「
「
19
召0703560.
5「
,
875r「
7「
「
19〃
03560.
5〃
1275「
厂
日「
「
16〃
o60.
535,
厂
127’
D337 9「
F ユ9〃
06D.
5351厂
厂
1275F「
lD「
「
22〃
060.
535厂
厂
ユ2BO「
厂
ll「
卩
工6356 ⊥OB3535り
1270286 12P「
19「
Flo83535〃
ユ275「
’
13「
厂
16「
rlgo
⊃535厂
厂
1270〃
工4,
厂
22「
r1903535 ρP1280「
尸
三5 厂厂
22尸
「
1903535PF12BO尸
尸
一 57 一
表
一
4
.
2
材 料の機械 的 性 質 Spec ↓men・
Gr弖de σシ 〔t/cm2 } σB 〔t/c皿
2レ.
IEL.
(冗} P工Pε 中216.
3×
4二5STK414.
21 5.
10.
34 PLATEPL冒
12PL−
16PL−
19PL−
22 5541卩
,
厂
,
厂
3.
25 2.
82・
2.
99 2.
76.
.
.
4.
B6 4.
31 4.
49 4.
18 27292832 M20 〔乙=
60〕 FlOT ⊥b
.
4 10.
9 〔TB冨
26.
2t[ lB 珂20〔乙コ
7D,〃
10.
5 10.
9 〔τ冨
26.
7t〕 19 BQLT1.
」
M2D 〔呂詣75⊃〃
ilO.
5 1LD 〔丁冒
26.
5切」
1日 潤20〔乙孛
80⊃〃
10.
5 1LD 〔丁 邑26。
4
切 ユ8TB
.
;
Resu1 ヒ of Full Scale Test表
一
剣,
3
Specimen国o
.
F氏
〔ton〕
,
ト
Collapse Load 〔ton,
1 μ セa
〔仁on )
FpyMode lMode 2Node 3 皿ode L3Fc