平 成 22 年 度
平成23年3月
青森県教育委員会
算 数 ・ 数 学 を
活 用 す る 力 を
はぐくむ問題例
刊
行
に
寄
せ
て
青 森 県 教 育 委 員 会 で は 、 小 ・ 中 ・ 高 等 学 校 1 2 年 間 を 見 通 し た 「 縦 の 連
携 」 を 基 軸 と し た 学 校 教 育 を 推 進 し 、 児 童 生 徒 の 学 力 向 上 に つ い て 取 り 組
む べ き 方 策 を 検 討 す る こ と を 目 的 に 「 学 力 向 上 庁 内 戦 略 会 議 」 を 設 置 し 、
算 数 ・ 数 学 、 理 科 、 英 語 の 3 教 科 に つ い て 、 児 童 生 徒 の 学 力 向 上 に 関 す る
専 門 的 な 事 項 に 係 る 調 査 ・ 研 究 等 を 行 い 、 具 体 的 な 方 策 を 検 討 し て 参 り ま
し た 。
こ の よ う な 中 、 算 数 ・ 数 学 調 査 研 究 チ ー ム に お い て 、 昨 年 度 は 、 各 種 調
査 に お け る 「 身 に 付 け た 知 識 ・ 技 能 を 実 生 活 や 学 習 等 で 活 用 す る こ と が 十
分 に で き て い な い 」 と い う 現 状 か ら 、 数 学 的 な 思 考 力 ・ 表 現 力 を 高 め 、 学
ん で 身 に 付 け た 算 数 ・ 数 学 の 知 識 ・ 技 能 を 生 活 や 学 習 に 活 用 で き る よ う に
「 算 数 ・ 数 学 を 活 用 す る 力 を は ぐ く む 問 題 例 」 を 作 成 し 、 冊 子 と し て 県 内
す べ て の 小 ・ 中 ・ 高 等 学 校 に 配 付 し 、 各 学 校 に お い て 授 業 に 活 用 し て い た
だ く こ と と し ま し た 。
今 年 度 は 、新 た に 3 4 問 の「 算 数 ・ 数 学 を 活 用 す る 力 を は ぐ く む 問 題 例 」
を 追 加 掲 載 し 、 昨 年 度 作 成 し た 問 題 例 と 合 わ せ 、 小 学 校 第 4 学 年 か ら 高 等
学 校 第 1 学 年 ま で の す べ て の 領 域 に つ い て の 問 題 例 を 掲 載 い た し ま し た 。
ま た 、 授 業 で 活 用 す る に あ た り 、 授 業 の 展 開 や 留 意 点 等 を 記 載 し た 授 業 ア
イ デ ィ ア 例 も 掲 載 し て お り ま す の で 、 各 小 ・ 中 ・ 高 等 学 校 に お か れ ま し て
は 、 御 活 用 く だ さ り 、 確 か な 学 力 の 育 成 の 一 助 に し て い た だ け れ ば 幸 い に
存 じ ま す 。
最 後 に 、 本 書 の 作 成 に 当 た り 、 御 協 力 い た だ い た 先 生 方 は じ め 関 係 者 の
皆 様 に 心 か ら 御 礼 申 し 上 げ ま す 。
平 成 2 3 年 3 月
青 森 県 教 育 庁
学 校 教 育 課 長
中
村
充
本 書 を 活 用 す る に 当 た っ て
1 本書は,各種調査等の状況等で明らかになった課題を受け,数学的な思考力・表現力を高め,学 んで身に付けた算数・数学の知識・技能を生活や学習に活用できるように「算数・数学を活用する 力をはぐくむ問題例」を示したものです。各学校では,それぞれの実態に応じて,これらの問題例 を題材として実際に授業を実践したり,系統性に着目して他校種の状況を教材研究に活かすなど, 適宜活用をお願いします。 2 本書を作成するに当たっては,全国的な学力調査の実施方法等に関する専門家検討会議による報 告書『全国的な学力調査の具体的な実施方法等について(報告)』(平成18年4月)を参考としまし た。この報告書の中には,算数・数学科において,主として『活用』に関する問題を作成するに当 たって,以下の四つの観点を盛り込むことや工夫をすることが考えられると示されており,このこ とを受けて作成したものです。 四 つ の 観 点 主 な 内 容 ① 物事を数・量・図形などに着目して 日常の場面を観察して,数や量の関係をとらえて規則性を 観察し,的確にとらえること 見いだしたり,図形を見いだしたりすること ② 与えられた情報を分類整理したり必 与えられた情報を分類整理し,目的に応じて情報を選択し 要 な も の を 適 切に選択したりす る たり,複数の情報を関連付けたりすること こと ③ 筋道を立てて考えたり振り返って考 解決の見通しをもち問題の類似性に着目して類推したり, えたりすること 共通性に着目して一般的な事柄を帰納したり,ある事柄が 正しいことや根拠を基にして演繹的に明らかにしたりする などの「筋道を立てて考えること」や,解決方法や得られ た結果の妥当性を吟味して改善したり,問題の条件を変え て発展的に考え一般化したり,複数の事象の共通点を見い だして統合したりするなどの「振り返って考えること」 ④ 事象を数学的に解釈したり自分の考 言葉や数,式,図,表,グラフなどを用いて数学的に表現 えを数学的に表現したりすること されたものの意味や考え方を理解したり,その特徴をとら えたりするなどの「事象を数学的に解釈すること」や,言 葉や数,式,図,表,グラフなどを用いて「自分の考えを 数学的に表現すること」 3 本書の「算数・数学を活用する力をはぐくむ問題例」は,小学校第 学年から高等学校第 学年 までを対象として,小・中・高等学校の系統性も考慮して,算数・数学のすべての領域について, 合計 問を示したものです。また,「授業アイディア例」は,数学的な思考力・表現力を高め,学 んで身に付けた算数・数学の知識・技能を生活や学習に活用できるように,それぞれの問題例ごと に授業の展開や留意点等を示したものです。4 本書は,問題例ごとに,①問題例 ②出題の趣旨 ③各問題の趣旨 ④正答と解説 ⑤授業アイ ディア例 から構成されています。 ①問 題 例 …… 作成委員の先生方に作成して頂いた問題例を掲載しています。各領域にお ける一つの例を示しています。 ②出 題 の 趣 旨 …… 問題ごとに,子どもたちに身に付けさせたい力やその意義等を記述してい ます。 ③各 問 題 の 趣 旨 …… 各問題について出題の趣旨を記述するとともに,新学習指導要領における 領域・内容及び評価の観点を記述しています。 なお,学習指導要領の表記については,移行期間のことを考慮し,小学校 ・中学校においては「新」の表記をとり,高等学校においては「新」を付け て表記しております。 また,評価の観点については,新観点を表記しております。 ④正 答 と 解 説 …… 各問題の正答や正答例を記述するとともに,問題の代表的な解き方や正答 の条件などを記述しています。 ⑤授業アイディア例 …… 各問題を授業で活用する際に参考となるよう,授業の展開や留意点等を示 したものです。学んで身に付けた算数・数学の知識・技能を生活や学習に活 用できるようにしたり,言語活動の充実を図ったりするような工夫などにつ いて記述しています。 なお,「平成 年度算数・数学を活用する力をはぐくむ問題例」の一部の 問題例についても掲載しております。 5 本書は,「算数・数学を活用する力をはぐくむ問題例」を活用しやすいように,各校種ごとに「単 元別構成表」を作成しました。各単元ついて,平成 年度版及び平成 年度版のどの問題とつな がっているのか一覧にし,問題・趣旨,授業アイディア例のページを示しました。 なお,小学校については,一つの問題が複数の単元とかかわるため,関連する単元のすべてにつ いて示してあります。 6 本書に示した「算数・数学を活用する力をはぐくむ問題例」と「授業アイディア例」は,電子デ ータとして,PDF版を青森県教育委員会のホームページから,一太郎版を青森県総合学校教育セ ンターの授業情報システムからダウンロードが可能です。ぜひ,ダウンロードしていただき,授業 に御活用ください。