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アカウンタビリティは, 米国で行政などが一般の人々に情報公開する義務と責任があることを表す言葉として使われてきた 日本では, 平成 11 年に建設省 ( 現国土交通省 ) が, 公共事業の説明責任 ( アカウンタビリティ ) 向上行動指針 を策定した これは, 公共事業を国民に対して説明し, 改善を

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B1―04 教育工学

学校に求められるアカウンタビリティに関する実践的研究

-学力向上フロンティア事業の取り組みを通して- 岡山市立竜之口小学校 教諭 岡 孝 之 研究の概要 学校に求められるアカウンタビリティの内容を整理し,学力向上フロンティア事業におけるアカウンタビリテ ィを果たすための手だてを探った。「インフォーマルな場での話し合い」「学習指導案検討会での協議」「学校 評議員会への参加」という三つの手だてを講じた結果,事業の指標を明確にすることと,外部評価を教育活動の 改善に生かすことに一定の成果が得られた。 キーワード 学力向上フロンティア事業,アカウンタビリティ,指標,外部評価,教育実践臨床研究 Ⅰ はじめに 平成12年には学校教育法施行規則の一部が改正され, 学校運営への地域の参加を進める学校評議員制度が導 入された。さらに,平成14年には小学校設置基準が施 行され,教育活動その他の学校運営の状況についての 学校の自己評価と,情報の積極的な提供に関する規定 が盛り込まれた。これらの動向は開かれた学校づくり と学校評価を一層推進することをねらいとしている。 そして,これまで行政や企業が事業計画や成果を説明 する際に使われてきたアカウンタビリティ(説明責 任)という言葉が,最近,学校教育においても学校評 価に関連した場面で使われてきている。 学校におけるアカウンタビリティとは,学校の教育 目標とそれに基づく具体的教育計画,またその実施状 況についての自己評価を,それぞれ保護者や地域住民 に説明することである。本校においても学校評価の取 り組みが平成14年度から始まったが,緒についたばか りで,アカウンタビリティを果たしつつ学校評価が実 践できているとは言い難い。しかも,学校評価に対応 したアカウンタビリティは広範囲に及ぶ。そこで本研 究では,扱うアカウンタビリティの範囲を限定するた めに,平成15年度から取り組んでいる学力向上フロン ティア事業(以下「GF事業」という。)を対象にす る。この事業は文部科学省が,平成13年度から「児童 一人一人の実態に応じたきめ細かな指導の一層の充実 を図るための実践研究の推進と,その成果の全国すべ ての学校への普及により,確かな学力の向上に資する こと」を趣旨として全国的に展開している。この事 業を校内研究で推進することが,本校の教育目標を目 指すことにもつながる。 これらのことを踏まえ,校内研究の推進と歩調を合 わせながら,GF事業におけるアカウンタビリティを 果たすための手だてを探る必要があると考え,本主題 を設定した。 Ⅱ 研究の目的 学校に求められるアカウンタビリティとはどのよう なものであるか整理し,GF事業におけるアカウンタ ビリティを果たすための手だてを探る。 Ⅲ 研究の方法 まず,学校に求められるアカウンタビリティの内容 を整理する。次にGF事業について本校教師を対象に 意識調査を実施し,意識の状況を把握する。そして, 調査結果からアカウンタビリティを果たすための手だ てを決定し実践する。その後実践記録から手だての効 果を考察する。 研究の方法として本研究では,教育実践臨床研究の 方法を導入する。千々布(2004)は,反省的実践家とし ての教師像を提示しながら,教師独特の教育実践研究 を提案している。それはアクション・リサーチを用い た研究方法で,教師自らが実践を基に客観的な知見を 創造し,自らの実践を改善することを目的とする。本 研究で導入する教育実践臨床研究もその研究方法の一 つである。教育実践臨床研究とは,実践を時系列に実 践者自身の言葉で記録し,その記録から知見を得る研 究方法である。 Ⅳ 研究の内容 1 学校に求められるアカウンタビリティの整理 アカウンタビリティとは,アカウンティング(説 明)とレスポンシビリティ(責任)の合成語である。

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アカウンタビリティは,米国で行政などが一般の人 々に情報公開する義務と責任があることを表す言葉 として使われてきた。日本では,平成11年に建設省 (現国土交通省)が,「公共事業の説明責任(アカ ウンタビリティ)向上行動指針」を策定した。これ は,公共事業を国民に対して説明し,改善を図ると ともに,幅広い情報を積極的に国民に提供し,共有 することを目的にしている。これを機にアカウンタ ビリティという言葉が広まり,現在では,企業も対 外的な説明を行う場合にこの言葉を利用している。 学校教育では,特色ある学校づくりと学校評価と の関連で,この言葉が用いられることが多くなって きている。特に学校評価については,教育活動の改 善を目的とし,学校経営のPDCAマネジメントサ イクルの中に位置付けられている。このサイクルに おいて学校に求められるアカウンタビリティを次の (1)~(4)に整理した(図1)。 (1) 目標と内容の明確化 学校評価において教育活動の評価を適正に行うた めに,目標と内容を明確にすることである。 文部科学省の審議会等では,新しいタイプの公立 学校としてのコミュニティスクールや米国のチャー タースクールの事例に基づき,学校の情報公開や学 校評価について議論されてきた。例えば,チャータ ースクールについて言えば,各州のチャータースク ール法に基づき,学校の設立認可の段階で,目標と 内容を保護者や地域住民等に提示し,認可期間を終 えるときにはその達成状況を説明している。 (2) 指標の明確化 目標達成を的確に評価するために,判断基準とな る具体的な指標を示すことである。 広瀬(2004)は,目標の明示に併せて目標達成をど のように評価するかという指標を明らかにすること の必要性を指摘しているア)。学校教育では,教育活 動の主なものは授業であり,その指標となるものは, 学習指導要領に基づいて国立教育政策研究所から出 された評価規準等を参考にしながら,各学校で定め るべきものである。 (3) 活動経過と成果の報告 教育活動やその他の学校運営の状況を,地域や保 護者等に対して積極的に情報を提供することである。 平成14年に施行された小学校設置基準には,教育 活動やその他の学校運営の状況に関する情報の積極 的な提供をすることについての内容が盛り込まれて いる。この基準は,小学校を設置するのに必要な最 低の基準とし,これらの水準の向上を図ることが求 められている。 (4) 外部評価を通した改善 学校評議員等の評価を参考にして,教育活動を改 善することである。 平成12年に施行された学校評議員制度では,保護 者や地域住民等の協力を得たり,意向を反映したり しながら,教育活動を改善していくことが期待され ている。 図1 学校経営のPDCAとアカウンタビリティ 2 GF事業と本校の校内研究との関連 本校では,GF事業の趣旨を踏まえた校内研究を 推進するに当たり,「人間関係力の育成」と「基 礎・基本の定着」を重点化している。本校の児童に は,人と関係づくりができにくく自分からかかわり を持とうとしない,気持ちの表現が苦手,すぐに投 げやりな態度になる,感情のコントロールができに くいなどの実態が見られる。このことから,本校に おける学力向上を目指すためには,児童の心,つま り内面への支えを外すことはできない。そこで,図 2に示す研究構想に基づき,学校の教育目標の実現 を目指してきた。 図2 本校の研究構想図 3 意識調査の結果に基づく手だての決定 前年度のGF事業のアカウンタビリティに関する 意識を調査するために,先に整理した四つの項目に

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ついて本校の教師11人を対象に意識調査を実施した。 項目ごとに集計したものが図3である。 結果として,「目標と内容の明確化」と「活動経 過と成果の報告」については,できていると思って いる教師が大半を占めていた。しかし,「指標の明 確化」と「外部評価を通した改善」の項目について は,できていると思っている教師が半数に満たなか った。このことから,本研究では「指標の明確化」 と「外部評価を通した改善」について手だてを講じる。 1 人 2 人 2 人 3 人 2 人 7 人 3 人 7 人 6 人 2 人 4 人 1 人 2 人 2 人 外部評価を通し た 改善がで きていると 思いますか 活動経過と 成果の 報告がで きていると思 いま すか 指標を明確にで きていると 思いますか 目標と 内容を明確にで きていると 思いますか 思う どちらかといえば思う

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■7月7日 第2学年学習指導案検討会① ~事前の評価の話題に切り込めない戸惑い~ 第2学年算数科の学習指導案検討会に加わった。この日の検討会 では,授業者による学習活動の流れについての協議に終始し,事前 の評価意識の視点に立った協議に踏み込むことができなかった。 ■同日 第2学年学習指導案検討会② ~授業者の反省を踏まえた新しい提案~ 授業者が第1時の授業を振り返った。授業者は,「規定の形を作る ために色板を使って操作する算数的活動は,意欲的だったが,まと めの段階では単なる造形遊びになってしまった。」と発言した。つま り,授業者はその時間の既習事項を生かして,まとめとしての形作 りの活動を児童主体でできると思っていたのである。しかし,その 予想に反して児童は,ただ色板を使った遊びで終わってしまった。 授業者は,「規定の形作りをしたときに,こちらの意図していた操作 活動(ずらす・回す・裏返す)のポイントの押さえが足りなかった からだと思う。」と語った。 そこで筆者は,事前の評価意識を高める手だてとして自作の評価 事例資料を提案した。筆者は,「この資料は,事前に評価の視点を明 確にしておくことを目的としている。」と資料についての説明をし た。その後,この評価事例資料の内容について協議した。この資料 はこの機会に初めて提示したものであり,筆者自身も教師の反応に 不安を感じていた。教師Eは,「児童にこれをさせたいという内容を はっきりさせられるので,学ばせたい視点が明確にできる。(2-a)」,TT指導担当の教師Fは,「便利な資料だと思うが,作成には 時間が掛かりそうだ。(2-b)」と発言した。今回の協議では,評価事 例資料に一長一短があることの指摘も受けたが,新しい提案をする ことができたことで,次の協議へつなぐ契機になると感じた。 単元名: 形づくり・・・影絵遊び 評価の観点: 数量や図形についての表現・処理 評価規準: 影絵遊びを通して,図形の構成力を伸ば すことができる。 評価資料: 行動観察 評価場面: 色板を操作して影絵遊びをする場面 評価のポイント: 1.影絵による図形の構成ができるようにさせる。 2.方眼の1ますが三角形の色板2枚分に当たること に気付かせる。 指 導 に よ りB 規 準 に 近 付 か せ る た め に ■7月9日 第2学年学習指導案検討会③ ~誰もが感じている大きな課題~ 第2時の授業について振り返りを行った。教師Eは,「評価事例資 料を見て,事前に評価の視点を確認することができたので,二つの 学級間の評価の視点を共通理解することができた。(2-c)」と述べ た。一方,デメリットを感じていた教師Fは,「個別の支援を要する ポイントを具体的に挙げていたので,補助教具を作る見通しを持つ ことができた。(2-d)」と,見通しを持つ上でのメリットを感じる発 言をした。しかし,教師Dは,「事前の評価意識を持つために評価事 例資料は有効であるが,打ち合わせの時間を抜きにしては考えられ ない。(2-e)」と発言した。時間の確保という点は,だれもが感じて いる大きな課題であると思った。 ■9月28日 第2学年学習指導案検討会④ ~新たな単元の実践~ 第2学年算数科の新たな単元「三角形と四角形」の検討会に加わ った。 教師Eは,「図を用いて理解を深めさせたいので,どんな算数的 活動を入れるかを考えなければいけない。」と発言した。筆者は, 「どんな力を身に付けさせたいかを事前に想定する指標を持つこと が大事ではないか。」と述べた。それに対し教師Fは,「自分自身の 指導を改善しようとする材料になる。指標はやはり重要だ。(2-f)」と発言した。筆者は,評価事例資料の有効性が理解されてきて いると思った。 ■同日 第2学年学習指導案検討会⑤ ~指導の改善を意識した見直しへの方向性~ 授業の振り返りを行った。教師Fは,「事前に評価事例資料で検 討したことが,指導の見通しを持つ上で役立った。(2-g)しかし, 時間を超過したことは反省点である。やはり,児童の実態を把握し た上で,修正する必要もある。次時の指導につなげていくために見 直しがいる。(2-h)」と発言した。 ■9月29日 第2学年学習指導案検討会⑥ ~修正についての協議~ 前回の協議を踏まえて,修正が必要という指摘から,今回はもう 少し改善を具体化していくために協議を進めた。教師Gは「多様な 考え方があると思うので,それらの考え方を認められるように具体 を予想しておく必要がある。」と述べた。そのことから,再度資料 の見直しを進めた。修正については,特に児童の多様な考え方を予 想し,しっかり認めてやれるものと支援を要するものを洗い出し た。しかし,検討するための時間の確保に関することについては, 「資料を自分で作ったり,学級間で共通理解したりする時間が欲し い。(2-i)」という1学期の実践場面と同じ意見が出た。 ■9月29日 第2学年学習指導案検討会⑦ ~修正後の実践の振り返り~ 修正を加えた実践の振り返りを行った。教師Eは,「わりと詳細 に具体を想定していたので,机間指導の際に大いに認めていきたい 考え方と, 助言が必要な考え方に対し,即座に対応できた。(2-j)」と意見を述べた。教師Gは,「授業の振り返りや,次時に向け ての修正を行ったので,TT指導の役割も相談しやすかった。」と 述べた。教師Fは,「進度の調整を事前にすることも必要なことな ので,指標となるものを介して打ち合わせをすることは有効だと思 う。(2-k)」と発言した。筆者は,修正を加えた資料を基に実践の 振り返りを行ったことで,具体的な支援についても互いに意見を活 発に交わせるようになってきたと思った。

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■9月28日 第2回学校評議員会への参加について校長と協議 まず,GF事業のアカウンタビリティに関する意識調査では, 「外部評価を通した改善ができていると思いますか」という問 いについて,できていると思っている教師は半数に満たないと いう結果を報告した。そして,筆者から研究の趣旨を説明し, 学校評議員会に参加したいとの希望を伝えた。目的は,第一に 2学期に実施した学校評価の結果を分析し,評議員に報告をす ること,第二に本校が研究の中心として据えている学力向上フ ロンティア事業の取り組みに対する評価を評議員から聴取する こと,第三に聴取した意見を今後の校内研修に反映する材料に していくことだと説明した。それに対し校長から,「これも学校 改善の一つにつながる要素を含んであるので,試みとしてやろ う。」という返答が得られた。 筆者は今までの学校評議員会の経過の様子を会議録で把握し ているだけなので,どのように会が進行されていくのか様子が 分からなかった。そこで協議後,教務主任に前回までの会の様 子を教えてもらい,当日の会の運営でもサポートしてもらえる 約束を取り付けた。 ■9月30日 学校評議員に対する授業研究会への参加の呼び掛け GF事業の研究発表会では,公開授業が行われるが,その公開 授業後の授業研究会の参加対象は各学校の教師に限定せず,保 護者や学校評議員に対しても参加を呼び掛ける案内をした。こ れは,実際の児童の学びの様子の参観と,研究協議から教育活 動を理解してもらうためである。 ■10月26日 第2回学校評議員会に至るまでの教頭との打ち合わせ 学校評価や学校評議員会の運営は,教頭が統括している。教 頭は「実際のところ,当日までにしなければならないことが山 積しているので,力を貸してもらえることは本当に助かる。」と 述べた。 教頭と学校評議員会に至るまでの計画と手順を確認した。筆 者は参加するに当たり,できるだけ当日に至るまでの仕事のサ ポートをしようと心掛けた。 ■12月8日 第2回学校評議員会の協議記録(一部抜粋) [学校評価・集計結果に関する意見交換] 評議 ・習熟度別学習について,保護者の理解は得られている 員A のか。学力向上を目指して取り組んでいるのに,「勉強 をがんばっていてよく分かる。」の項目や「自分の考え を発表する。」の項目がもっと伸びてきていいのではないか。 (3-a) 教務 ・習熟度別学習の配慮事項は,子どもたちが学んだことに対す る満足度を前提として考えている。1年目は保護者に対する 便り等の配慮を随分要したが,今ではもっとしてほしいとい う意見も高まっている。そして,点数では成果は上がってい る。 筆者 ・確かに2年間の結果の比較を見ると,謙虚に受け止めること が必要だと思う。しかし,教師は児童の成長に手ごたえは感 じている。特に,学力検査の結果や学習に対する前向きな姿 勢から判断できる。 評議 ・GF事業の取り組みは,系統立ててどんどんやっていけばよ 員B いと思う。(3-b) 評議 ・今年の授業研究はすばらしい。去年の様子は手探りで研究を 員C 進めているように見えた。しかし,今年の児童の様子はやる気 を持って学習に取り組んでいたし,教師も自信を持って実践し ている様子が見られた。(3-c) 筆者 ・授業参観から意見をいただけることは非常に有り難い。 評議 ・高学年の児童は,少しの示唆を与えることで伸びる時期であ 員B ると思う。そのことから考えてみてもこの研究を継続していく べき。手探りではなく,足場が固まってきているので続けるこ とで効果が上がることだろう。(3-d) 評議 ・今回の学校評価の資料は膨大である。中身を厳選して無意味 員D なことに時間を費やすことのないようにしてほしい。もっと協 議を深める時間をしっかり取るのも大切だと思う。学校から の説明を聞くのも大切であるが,これだけの人材が集まってい るのだから,我々に何か協力できることはないかということに ついても投げ掛けてほしい。(3-e) ■12 月9日 学校評議員会の報告を聞いた教師の感想 教師Hは「どのように感じていただいているかを大変心配していた が,実践を認められることはうれしい。」と述べた。教師Iは「今後の 研究の方向性を話し合う材料になる。」と述べた。筆者は,教師が評議 員からの声を聞くことで,次への意欲につなげられると感じた。 図6 学校評議員会への参加の実践記録 5 実践記録からの考察 (1) インフォーマルな場での話し合い 図4の実践記録から,指標の明確化に関する発言 を抽出した(表1)。1-a,1-eから,研究紀 要等の資料に基づいて話し合いを行ったために,人 間関係力の育成のためにSTEP表を活用すること を確認したり,意識が薄れていたことを再認識した りする機会になったことが分かる。一方で,1-b, 1-c,1-dにあるように,話し合うための時間 の確保や,数値では表れにくいものをどうすべきか についての課題も明らかになった。また,1-f, 1-gからは,インフォーマルな場の利点に気付 く発言も得られた。 これらのことから,「人間関係力の育成」のため のSTEP表に焦点を当てた話し合いを行ったこと は,研究の柱の指標に対する意識の向上を図るのに 有効であったと考える。一方で,インフォーマルな 場での話し合いは,校内研修や職員会議等のフォー マルな場と違い,事前に時間は設定されていないの で,話し合いを円滑に行うためには,時間の調整を 図ることが必要であると考える。 表1 発言の抽出(インフォーマルな場での話し合い) 有効性を指摘した発言 問題点を指摘した発言 1-a 1-e 1-f 1-g ○問題解決学習で人間関係力 の育成のSTEP表を活用 する。 ○意識が薄れていたことを再 認識できた。 ○全体の場では意見が反映し にくいが,少人数で集まっ ているため,発言機会が多 く取れた。 ○自分の本音の部分も意見と して発することができた。 1-b 1-c 1-d ○内容の吟味は今後も必要 である。 ○人間関係力が育ってきた かどうかを点数化できれ ばいいが,数値に表れに くい。 ○研究について確認する時 間が必要。 (2) 学習指導案検討会での協議 図5の実践記録から,指標の明確化に関する発言 を抽出した(表2)。2-a,2-f,2-kから,

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学習指導案検討会で評価事例資料を提示したことで, 授業に対する指標についての協議を行うことができ たことがうかがえる。また,2-hのように,事前 の検討から事後の振り返りによる修正の必要性を指 摘する発言もあり,指標に基づく指導の改善を感じ ていることが分かる。一方で,2-iのように評価 事例資料を作成したり,学年間等で指標について共 通理解をしたりする時間の確保が難しいことを指摘 する発言もあった。 確かに,学習指導案検討会の協議の中では,授業 に対する指標の意識は高まったと考えられるが,2 -mの発言にもあるように,授業の枠にとどまった ままでは,GF事業の指標に対する意識につながっ たとは言い難い。 表2 発言の抽出(学習指導案検討会での協議) 有効性を指摘した発言 問題点を指摘した発言 2-a 2-c 2-d 2-f 2-g 2-j 2-k ○学ばせたい視点を明確にで きる。 ○事前に評価の視点を確認で き た ので 共 通理 解が 図 れ た。 ○個別支援のための補助教具 を 作 成す る 見通 しが 持 て る。 ○自分自身の指導改善の材料 になる。 ○資料検討をしたことで,指 導の見通しを持つことがで きる。 ○認めていきたい考え方と助 言 が 必要 な 考え 方に 対 し て,即座に対応することが できた。 ○指標となるものを介して行 う打ち合わせは有効である。 2-b 2-e 2-h 2-i 2-l 2-m ○作成には時間を要する。 ○検討会等の打ち合わせの 時間を抜きにしては考え られない。 ○児童の実態を把握した上 で,修正も必要である。 ○評価の具体を自分で作った り,共通理解したりする時 間が欲しい。 ○資料のストックがあれば もっとよいと思う。 ○事業よりも授業が大事では ないか。

参照

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