(平成18年8月24日実施)
平成
19
年度
北海道大学大学院理学院 量子理学専攻・宇宙理学専攻
修士(博士前期)課程入学試験 専門科目問題(午前)
受験に関する注意
• 試験時間: 9:00~11:30 の2時間30分 • 解答紙、草案紙ともに受験番号を記入する。氏名は記入しない。 • 解答の際、途中の問が解けないときも問題文に記されている結果等を使ってそれ以 降の問を解いてよい。 • 試験終了後、解答紙、草案紙ともすべて提出する。 • 量子理学専攻志望者・宇宙理学専攻志望者とも問題I, IIを解答すること。 • 配布するものは 専門科目問題冊子 問題 I 2枚 問題 II 2枚 解答紙 問題 I, II 4枚(各問題2枚) 草案紙 問題 I, II 2枚(各問題1枚)問題
I
問1 図のように、長さ3Lの一様な細い剛体棒の端からLの点を支点とする鉛直面内での回転運動 を考える。剛体棒の質量をM、鉛直線から反時計回りの方向にはかった回転位置の角度変数 をθ、重力加速度をgとするとき次の問いに答えよ。ただし、空気抵抗および支点における摩 擦は無視できるものとする。 はじめに、図1-1のように剛体棒のみの場合について考える。一様な細い剛体棒の慣性モー メントI は、棒の線密度をρ、支点からの距離をrとしてI = Z r2ρdrとなる。 1-1. 棒の線密度 ρ を求め、棒の支点のまわりの慣性モーメントがI = M L2 であることを 示せ。 1-2. 角度変数 θ を用いて系の運動エネルギー T と位置エネルギーU を表せ。ただし、θ = 0 でU = 0 であるとする。 1-3. 棒の支点のまわりの力のモーメントN を角度変数θの関数として表せ。また、角度変数 θ に関する運動方程式を求めよ。 1-4. 時刻t = 0における初期条件をθ(0) = 0, ˙θ(0) = ω0 とする。初めの角速度ω0 が小さい ときには、剛体棒は振動運動をするが、ω0 が大きくなると回転運動をする。剛体棒が回 転運動をするのに必要なω0 の大きさを求めよ。 次に、図1-2のようにこの剛体棒が静止しているときに、剛体棒と同じ質量M の小物体が 飛んできて剛体棒の下端に速度v0 で水平に衝突した。 1-5. 飛んできた物体と剛体棒が一体になった場合、剛体棒が振動ではなく回転をするために 必要な衝突前の小物体の速度v0 の条件を求めよ。 1-6. 飛んできた物体と剛体棒がはねかえり係数eで衝突し剛体棒のみが微小振動をした場合、 v02/gL¿ 1として剛体棒の振動の周期を求めよ。問2 ばねとおもりからなる系の連成振動について考える。 はじめに、図2-1のように2つの等しい質量mの質点を、質量の無視できる3つのばね(ば ね定数k)で連結する場合を考える。2つの質点の運動は1次元に制限されており、それぞれ のつりあいの位置からの変位をu1, u2 とする。 2-1. この系の運動エネルギーT と位置エネルギーU を与えよ。また、u1, u2に関する運動方 程式をたてよ。 2-2. 運動方程式の解をu1(t) = A1cos ωt, u2(t) = A2cos ωt と仮定し(A1, A2, ω は定数)、 これが解となるような2つの基準振動の振動数ω を求めよ。 2-3. 2つの基準振動におけるそれぞれの振幅A1, A2 の比を求め、振動の様子を図示せよ。 次に、図2-2のように質量mのN 個の質点をばね定数k のN + 1個のばね(質量は無視 できる)で連結する場合を考える。質点の運動は1次元に制限されており、左からn番目の質 点のつりあいの位置からの変位をun とする。 2-4. n番目の質点が満たすべき方程式を求めよ。 2-5. この系の基準振動を求める。運動方程式の解をun(t) = Ancos ωtと仮定し(An, ω は定 数)、An に関する連立方程式を求めよ。また、基準振動の振幅をAn = C sin pnとして (Cは定数)取り得るpの値を求め、さらにそれを用いて振動数ωを表せ。 2-6. 最後に連続極限を考える。平衡状態にあるときの図2-2の質点間の間隔をaとし、3つの 量ρ = m/a, Y = ka, L = (N + 1)aを一定に保ったままa → 0 の極限を考える。この 場合、n番目の質点のつりあいの位置x = naは連続変数にとってよい。un(t) = u(x, t)
問題
II
問1 以下の設問に答えよ。 1-1. 空気中に置かれた半径a の誘電率² を持つ誘電体球内に全電荷Q が一様に分布してい る。ガウスの法則を使って、球の中心Oから距離r の点での球内及び球外の電場を求め よ。但し空気の誘電率は²0 とせよ。 1-2. 図1のように、大きさIの定常電流が流れている直線状の導線と、そこから距離Rにあ る点Pがある。この電流が作る磁場のうち、点Pを見込む角がθ1, θ2 である点A、Bを 端点に持つ導線部分を流れる電流の寄与を考える。ビオ・サバールの法則を使って、こ の部分の電流が点Pに作る磁場の大きさが HAB(P) = I 4πR(cos θ1− cos θ2) となることを示せ。またこの磁場の向きを答えよ。必要ならば図中の座標系を用いて よい。 図1 1-3. 図2のように、1辺の長さが aの正方形の導線回路ABCDに大きさI の定常電流を流 したとき、中心軸上zの距離の点Pに作られる磁場の大きさと向きを求めよ。(但し、図 中の補助記号は最終結果に使用せずに、z, a, I を使って表せ。) 図2問2 図のように、x軸方向に長さa、y 軸方向に長さbを持ち、z 軸方向に無限に長い完全導体で 囲まれた、一様な媒質中を伝播する電磁波について考える。媒質の誘電率を²、透磁率をµと して以下の問に答えよ。
2-1. 一様な媒質中で電荷も電流も無いとき、角周波数 ω で振動している電場と磁場は、 E(x, y, z, t) = E(x, y, z)eiωt、H(x, y, z, t) = H(x, y, z)eiωt と変数分離できる。この ときマックスウェル方程式から次のヘルムホルツ方程式が成り立つことを示せ。
∇2E(x, y, z) + ω2²µE(x, y, z) = 0 (1) ∇2H(x, y, z) + ω2²µH(x, y, z) = 0 (2)
次に電磁波がz 軸方向に伝播定数β で伝播する場合を考える。このとき電磁場の空間成分 をz軸に垂直な成分と平行な成分に分解して次のように表す。
E(x, y, z, t) = E(x, y)e−i(βz−ωt)= [E⊥(x, y) + ezEz(x, y)]e−i(βz−ωt)
H(x, y, z, t) = H(x, y)e−i(βz−ωt)= [H⊥(x, y) + ezHz(x, y)]e−i(βz−ωt)
ここで添え字⊥はz軸に垂直な成分についての量を意味する。また、ez はz 軸方向の単位ベ クトルである。 2-2. z 軸に垂直な成分E⊥、H⊥ はEz、Hz を用いて次式のように表現できることを示せ。 E⊥(x, y) = −i β2 ⊥ (β∇⊥Ez(x, y)− ωµez× ∇⊥Hz(x, y)) (3) H⊥(x, y) = −i β⊥2 (ω²ez× ∇⊥Ez(x, y) + β∇⊥Hz(x, y)) (4) ここで∇⊥ = ex∂x∂ + ey∂y∂ であり、ex とey はそれぞれx軸、y軸方向の単位ベクト ルである。またβ2 ⊥ = ω2²µ− β2である。 2-3. 前問からE⊥、H⊥ はEz から決まる部分、Hzから決まる部分に分解できることがわか る。Ez から決まる部分をTM波と呼ぶ。今、図のような完全導体に囲まれた媒質中を 伝播するTM波のEz が従うべき方程式と境界条件を述べよ。実際に解く必要はない。
(平成18年8月24日実施)
平成
19
年度
北海道大学大学院理学院 量子理学専攻・宇宙理学専攻
修士(博士前期)課程入学試験 専門科目問題(午後)
受験に関する注意
• 試験時間: 13:00~15:30 の2時間30分 • 解答紙、草案紙ともに受験番号を記入する。氏名は記入しない。 • 解答の際、途中の問が解けないときも問題文に記されている結果等を使ってそれ以 降の問を解いてよい。 • 試験終了後、解答紙、草案紙ともすべて提出する。 • 量子理学専攻志望者:問題 III, IVを解答すること。 • 宇宙理学専攻志望者: — 宇宙物理学・素粒子論・原子核理論・情報メディア科学を志望するものは問題 III, IVを解答すること。 — 宇宙物質進化論・宇宙物理化学・惑星物理学・地球流体力学・気象学を志望するも のは問題 III, IV, V, VIの中から2つの問題を選択して解答すること。 • 配布するものは 専門科目問題冊子 問題 III 2枚 問題 IV 2枚 問題 V 2枚 問題 VI 3枚 解答紙 2問題分 4枚(各問題2枚) 草案紙 2問題分 2枚(各問題1枚)問題
III
問1 一次元空間を質量mの粒子が、次の (a)−(f)のポテンシャル中を運動している。これらのポ テンシャルについての以下の設問に答えなさい。解答は答えのみでよい。 ただし、(d)、(e) のポテンシャルでは、粒子は x ≥ 0 の空間のみを運動しているとする。ま た、V0, ω, a, eは正の実数、` は自然数である。 1-1. それぞれのポテンシャルで束縛状態はいくつ存在するか? 無限個、2つ以上の有限個、1 つ、0、不定(ポテンシャルの強さによる)の中から選んで答えよ。 1-2. それぞれのポテンシャルで連続状態は存在するか? 存在する場合には、そのエネルギー の範囲を述べよ。 1-3. これらのポテンシャルによりモデル化できる実際の系の例を挙げよ。(a)−(f) のうち、4 つを選んで答えよ。(近似的に表す場合でもよい。また x ≥ 0 の領域に制限して x を動 径変数 r とみなしてもよい。) 1-4. 基底状態以外に束縛状態をもつポテンシャルを2つ選び、第一励起状態のエネルギーと 波動関数を求め、波動関数の概形をグラフで示せ。(規格化は行わなくてよい。)問2 一様な静磁場中にスピン 1/2 をもった粒子が静止している(下図(a))。このとき、z 軸正方 向、および逆方向を向いたスピン波動関数、パウリ行列の x 成分が |↑ i = µ 1 0 ¶ , |↓ i = µ 0 1 ¶ , σx = µ 0 1 1 0 ¶ となる表示において、スピン演算子、ハミルトニアンはパウリ行列 σ を用いてそれぞれ次の ように与えられる。(以下では¯h = 1とする。) s = σ 2, H =−µσ · B = −µ (σxBx+ σyBy + σzBz) (1) 磁束密度は強さが B = |B| で、z 軸正方向を向いているとする。また、µは定数である。以 下の設問に答えよ。 2-1. 式(1)のハミルトニアンH のエネルギー固有値を求めよ。 2-2. x 軸正方向を向いたスピン波動関数を求めよ。(波動関数は規格化すること。) 2-3. 時刻 t = 0 でスピンが x 軸正方向を向いていたとする。時刻 t におけるスピンの x 成 分の期待値を求めよ。 次に、この磁場中でスピン 1/2 をもった2つの粒子がスピンを通じて相互作用している場 合を考える(上図(b))。このときスピン演算子、ハミルトニアンが次のように与えられると する。 s1 = σ1 2 , s2 = σ2 2 , H = −µσ1· B − µσ2· B + vσ1· σ2 (2) ここで σi (i = 1, 2) はi 番目のスピンについてのパウリ行列、µ, vは定数である。 2-4. 2つの 1/2 のスピンの合成スピンS が1、および 0 の状態 |S = 1, Sz =−1 i , |S = 1, Sz = 0i , |S = 1, Sz = 1i , |S = 0, Sz = 0i をスピン波動関数 |↑ i1,|↓ i1,|↑ i2,|↓ i2 の積(または積の和)を用いて表せ。(| ↑ ii,| ↓ ii は i 番目のスピンがz 軸正方向、および逆方向を向いたスピン波動関数である。) 2-5. 式 (2) のハミルトニアンを合成スピン演算子 S = s1+ s2 を用いて表せ。また、ハミル トニアンの固有値を全て求めよ。 2-6. 時刻 t = 0 において hSxi = 1 の状態にあったとする。時刻 t における合成系のスピン 波動関数を求めよ。
問題
IV
問1 理想気体に対して以下の問に答えよ。ただし、S はエントロピー、T は温度、CV は定積モル 比熱、pは圧力、V は体積、Rは気体定数とする。 1-1. nモルの理想気体に対してT dS = nCVdT + pdV が成り立つとして、この理想気体のエ ントロピーSが次のようになることを示せ。 S = S0+ nCV log T T0 + nR log V V0 ここで、S0はT = T0, V = V0 におけるエントロピーである。 1-2. 体積V1 のnモルの理想気体が真空中へ断熱的に膨張し、最終的に体積がV2になったと する。この過程でのエントロピー変化∆Sを求めよ。 1-3. A、B2種類の粒子からなる理想気体が隔壁で隔てられた断熱容器に封入されている。 ここで、A、Bの気体はそれぞれnA、nB モル、体積VA、VB であり、両気体で圧力p、 温度T は等しいとする。隔壁を取り去り2種類の気体を混合させ、しばらくして熱平衡 状態に達したときの系全体のエントロピー変化∆Sを求めよ。問2 互いに相互作用しないN 個のスピン系を考える。スピンは磁気モーメントµをもち、上向き、 あるいは下向きの状態しかとらないとする。N が十分大きな数として以下の問いに答えよ。 2-1. スピンが上向きの個数をN↑ 、下向きの個数をN↓ とし、その差がns = N↑− N↓ のと き、系のとりうる状態数W (N, ns)を求めよ。 2-2. ns/N ¿ 1が成り立つとしてW (N, ns)を近似し、以下の式が成り立つことを示せ。 W (N, ns) = r 2 πN2 N exp µ −n 2 s 2N ¶ 必要ならば次の公式を用いてよい。 N !≈√2πN NNe−N (N À 1), log(1 + x)≈ x − 1 2x 2 (x ¿ 1) 2-3. 系の磁気モーメントは M = µns と表される。2-2 のW (N, ns)を用いて、系の磁気 モーメントの平均値hMi、およびそのゆらぎ q hM2 i − hMi2 を求めよ。必要ならば次 の公式を用いてよい。 Z ∞ −∞ x2exp¡−x2¢dx = r π 4 次に、スピン系に温度T で上向きスピンの方向に磁場 H が印加された場合を考える。磁 気モーメントµはH と同じ向きおよび反対向きのときそれぞれ−µHおよび+µH のエネル ギーをもつ。 2-4. ns = N↑− N↓ のときのヘルムホルツの自由エネルギーF (H, T, ns)を求めよ。ここで 系のエントロピーS が S ≈ kB µ −N + ns 2 log N + ns 2N − N − ns 2 log N − ns 2N ¶ で表されることを使え。 2-5. 上記2-4 で求めたヘルムホルツの自由エネルギーF の極小の条件から、熱平衡での系 の磁気モーメントhMiT = µhnsiT を求めよ。ここで、hnsiT などはnsの熱平衡値を 表す。 2-6. スピン1個の分配関数Z1(H, T )、および全スピンN 個の分配関数ZN (H, T )を求めよ。 2-7. 分配関数ZN(H, T )より、系全体のヘルムホルツの自由エネルギーF (H, T )、および系 の磁気モーメントM を求めよ。
問題
V
問1 次の設問(1-1~1-3)に答えなさい。 1-1. 3個の3次元ベクトル a = (1, 1, 1), b = (1, −2, 3), c = (2, 1, α) を考える。この3つの ベクトルが互いに一次従属であるための α の値を求めなさい。 1-2. 微分方程式 d2y dx2 + 4y = f (x) を x = 0 でy = 1, dy dx = 0 の境界条件のもと、f (x)が次の場合について解きなさい。 (1) f (x) = 0 の場合。 (2) f (x) = 2 cos x の場合。 (3) f (x) = cos 2x の場合。 1-3. ベクトル場 A(x, y, z) を A(x, y, z) = Ax(x, y, z)i + Ay(x, y, z)j + Az(x, y, z)k とし(i, j, k は、x方向、y方向、z 方向の単位ベクトル)、 ∇ × A = 0 であるとき、スカラー関数 ϕ(x, y, z) を ϕ(x, y, z) = Z x α Ax(x0, y, z)dx0+ Z y β Ay(α, y0, z)dy0+ Z z γ Az(α, β, z0)dz0 (α, β, γ は、任意の定数)とすると、 A = ∇ϕ であることを示しなさい。問2 次の設問(2-1~2-4)に答えなさい。 2-1. n = 1, 2, 3, . . . に対して次の式を導きなさい。 (1) Z π 2 0 sin2nxdx = 1· 3 · 5 · · · (2n − 1) 2· 4 · 6 · · · 2n · π 2 (2) Z π 2 0 sin2n+1xdx = 2· 4 · 6 · · · 2n 3· 5 · 7 · · · (2n + 1) 2-2. 前問 2-1 の結果を用いて、次の関係を導きなさい。 π 2 = ∞ Y n=1 2n· 2n (2n− 1)(2n + 1) = 2· 2 1· 3 · 4· 4 3· 5 · 6· 6 5· 7 · 8· 8 7· 9· · · 2-3. 次の値を求めなさい。 Z ∞ 0 e−x2dx 2-4. 前問 2-3 の結果を使って、次の値を求めなさい。 (1) Z ∞ 0 cos x2dx (2) Z ∞ 0 sin x2dx 必要に応じ、05 θ 5 π 4 において、sin 2θ5 4 πθ の関係を利用してよい。
問題
VI
以下の問 1、問 2、問 3 から 2 問を選択し解答せよ。 問 1 次の設問 (1-1 ∼ 1-5) に答えよ。 1-1. 惑星の軌道上における太陽放射フラックスをS、惑星のアルベドを A とす るとき、惑星が吸収する単位時間単位面積あたりのエネルギーを求めよ。 1-2. 上記 1-1 で求めたエネルギーと同じだけのエネルギー束を宇宙空間へ射出 する黒体放射温度を、惑星の平衡温度という。惑星の平衡温度 Te を S, A を 用いて表せ。ここで、惑星の温度は一様であるとし、ステファン・ボルツマ ン定数は σ とする。 1-3. 太陽放射に対しては透明だが地面からの赤外放射の一部を吸収し、それ自 体も赤外放射を宇宙空間と地面に向けて射出する温度一定の大気層が惑星に 存在する場合を考える (下図)。地面からの赤外放射フラックスが大気層に吸 収される割合と、大気層の射出率はともに ε とする。ここで射出率とは、大 気層と同じ温度の黒体放射フラックスに対する大気層が放つ赤外放射フラッ クスの比である。このとき地面と大気層における放射平衡の式をそれぞれ立 てよ。ただし、地面と大気層の温度はそれぞれ Tg, Ta とし、地面の射出率 は 1 とする。 1-4. 上記の 1-3 で立てたつりあいの式を解いて、Tg と Ta を平衡温度 Te を用 いて表せ。 1-5. 0 < ε < 1 であることに注意し、上記の 1-3 で求めた Tg と Ta の平衡温度 Te に対する大小関係をそれぞれ示せ。 また、これらの関係は現実の惑星大 気の温度構造においてどのように現れているか、簡潔に述べよ。問 2 回転系における密度一定の 2 次元の流体運動は、以下の式によって記述さ れる。 ∂ u ∂t + u ∂ u ∂x + v ∂ u ∂y − fv = − 1 ρ ∂ p ∂x, (1) ∂ v ∂t + u ∂ v ∂x + v ∂ v ∂y + f u = − 1 ρ ∂ p ∂y, (2) ∂ u ∂x + ∂ v ∂y = 0 (3) ここで、u, v はそれぞれ x, y 方向の速度、p は圧力、ρ は密度である。f は コリオリパラメータで f = f0+ βy とする。ここで f0, β は定数である。 2-1. 式(1)、(2)、(3) から、渦度 ζ ζ = ∂ v ∂x − ∂ u ∂y の時間変化を表す方程式を導け。 2-2. 式(3) より、以下のように与えられる流線関数 Ψ を導入することができる。 u =−∂ Ψ ∂y, v = ∂ Ψ ∂x u, v は小さいとして、式 (1), (2) において非線形項は無視できるとする。こ のとき以下のような波形の解 Ψ = ˆΨ exp[i(kx + ly− ωt)] を仮定した場合、k, l, ω のみたす関係式を求めよ。 2-3. 上記 2-2 で求めた関係式を用いて、x 方向の位相速度 Cx および群速度 Cgx を求めよ。 2-4. 上記 2-2 で求めた k, l, ω のみたす関係式によって特徴付けられる波は何と 呼ばれているか。その名称を答えよ。また、この波が地球惑星の流体圏にお いて働いている例を 1 つあげ、それについて 150 字程度で説明せよ。
問 3 以下の用語から 4 つを選び、それぞれについて 150 字程度で説明せよ。 (1) コンドライト (2) 縞状鉄鉱床 (3) K-T 境界 (4) 暗い太陽のパラドックス (5) ホットジュピター (6) 磁気圏のカスプ領域 (7) オゾンホール (8) フェレル循環 (9) ランパートクレーター (10) 分子雲コア