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斜面崩壊による段波の山地河川における伝播特性Flow Characteristics of Slope Failure Surge in Mountainous Area

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Academic year: 2021

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B26

斜面崩壊による段波の山地河川における伝播特性

Flow characteristics of slope failure surge in mountainous area

〇竹林洋史, 藤田正治,梶原哲郎

〇Hiroshi TAKEBAYASHI, Masaharu FUJITA, Tetsuro Kajihara

Upstream migration surge due to rapid inflow of the slope failure sediment were reproduced via numerical analysis, and flow characteristics of slope failure surge in meandering rivers with large bed slope are discussed. The results show that water velocity is slow near the inner bank of the curve and fast near the outer bank of the curve. In addition, the surge is reflected at the curved side walls. As a result, the surge is dispersed to 3 waves at 800m upstream area. Subsequently, when the slope failure sediment flows into the deposited water in the upstream area of the slope failure dam, the wave height and the migration velocity of the upstream migration surge become large.

1.はじめに 非常にゆっくりとした速度で北上した台風 12 号により,2011 年 9 月 2 日頃から発生した豪雨に 伴う河川氾濫および土砂災害は,9 月 12 日午後 1 時現在の読売新聞のまとめで,全国で 63 名の死者 と 39 名の行方不明者という大きな被害をもたら した.十津川村宇宮原では,斜面崩壊の土砂が河 川に勢いよく流入し,上流に伝播する段波が発生 して約 800m 上流に位置する発電所を破壊した可 能性が指摘されている.また,十津川村野尻では 斜面崩壊の土砂が河川に勢いよく流入し,標高の 高い位置に建設されている対岸の道路に水が乗り 上げ,家屋を流失している.そこで,本研究では, 急勾配蛇行河川を対象として,斜面崩壊の土砂が 河川に流入することによって形成される段波の伝 播特性について数値解析を用いて検討を行った. 2.解析方法 流れの計算には,水深平均された平面二次元流 れの支配方程式を用いる.ソリトン分裂を再現で きるような分散項は考慮していない.解析領域の 平面形状は,川幅 100m,蛇行振幅 200m,最大蛇 行偏角 80°の sine-generated curve であり,十津川 村宇宮原地区と同程度の蛇行条件とした.河床勾 配は 1/100,流量は 2500m3 /s の定常給水である. なお,十津川村宇宮原地区では約 500m しか離れ ていない 2 カ所で斜面崩壊が発生している.解析 条件は以下の 2 ケースである.Case 1 は上流域の 斜面崩壊による段波のみを考えたものである. Case 2 は,下流域の斜面崩壊によって天然ダムが 一時的に形成されて水が貯留された領域に上流域 の斜面崩壊の土砂が流れ込んだ場を想定したもの である.段波の発生は,河床位を三角形状に隆起 させる事により発生させた.隆起高さは 9m であ り,1m/s の速度で隆起させた.なお,Case 2 の下 流域の斜面崩壊による天然ダムは初期条件で与え ており,水が越流し始めた時に上流側の斜面崩壊 を発生させた. 3.結果と考察 蛇行河川では湾曲内岸域に低流速域,外岸域に 高流速域が形成される.そのため,段波の遡上も 横断方向には一様ではなく,湾曲内岸の低流速域 を速く伝播し,湾曲外岸の高流速域の伝播速度は 遅かった.さらに,側壁での反射も加わり,約 800m 上流左岸側(N 地点)においては段波が分裂し, 約 3 波の波となっていた.これらの結果より,湾 曲河道における段波の遡上特性は直線河道の段波 の遡上特性とは大きく異なっており,一次元解析 による検討では限界があることが示された. Case 1 では,N 地点での段波の最大波高は 1.5m, 伝播速度は 5m/s となった.一方,Case 2 では,N 地点での段波の最大波高は 4m,伝播速度は 8.5m/s となった.これらの結果より,下流域の斜面崩壊 が先に発生して天然ダムが形成されていた場合の 方が,より破壊力のある段波が形成されて上流域 に伝播することが分かる.本解析だけでは,十津 川村宇宮原地区で発生した現象を特定するには不 十分であるが,下流域の斜面崩壊も含めた検討の 必要性を示していると考えられる.

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