原 著
〔書女騨奮55第購6痴言〕
乳癌におけるCEA測定の臨床病理学的意義
一組織CEA量を中心として一
東京女子医科大学 シ 清 第2病院外科(指導:榊原 宣教授) ミズ タダ オ 水 忠 夫 (受付 昭和61年6月18日)The Clinical and Pathological Value of Carcinoembryonic Antigen(CEA)assay
in Breast Cancer−With Special Reference to the Tissue CEA Level一 Tadao SHIMIZU
Department of surgery, Tokyo Women’s Medical College Daini Hospital
CEA(carcinoembryonic antigen)1evels in serum and tumor extracts were determined by radioim− munoassay(RIA)in patients with primary breast cancer to evaluate their clinical value. The preserlce of CEA in tumor tissues were also examined by immunoperoxidase technique and the results were com− pared with those obtained by CEA. The following results have been obtained.
1)35.6〔%of the tumor tissues was CEA−positive(tissue content;more than 5.1ng/mg).
2)The rate of positive CEA was significantly higher in the tumor tissues with vascular invasion (p〈0.05),in the tissues of larger size such as T3 and T4 cancer(p〈0.01), and in those with lymphnode metastasis(n1β, n2,0r n3 metastasis)(p<0.01). In these patients, serum CEA levels were higher in those with CEA−positive tumor.
3)The rate of CEA−positive tissue was higher(p〈0.01)in patients at stages II−IV than that in patlents at stage I. In the patients at stage II−IV, serum CEA was higher in those with CEA−positive tumor tlssue.
4)The prognosis was poor in patients with CEA−positive tumors or with positive serum CEA. Even in the patients with negative serum CEA, however, the survaival rate was lower in those positive for tissue CEA.
5)CEA could be identified by immunoperoxidase technique in all the tissues containing more than 5.1ng/mg tissue of CEA, but not in the tissues with the lower concentrations.
These results indicate that measurement of tissue CEA content is useful for predicting prognosis of patients with breast cancer.
緒 言 Carcinoembryonic antigen(CEA)は,1965年, Goldら1)によって大腸癌組織に見いだされて以 来,他の消化器癌,および乳癌においても存在す ることが明らかとなってきた.さらに,Radioim− munoassay法2)3)の確立により,正常組織,あるい は健康人血清中にもわずかながら存在することが わかってきた.最近では,酵素抗体法による癌組 織のCEAの局在に関する報告も多数みられるよ うになり4>∼8),病理組織診断にも応用されてい る9).一方,臨床面では,血清CEA値は大腸癌を はじめとする各種の癌腫の診断,進行程度の判定, 治療効果および再発予知などの指標として重要な 腫瘍マーカーとなっている正0>噌18).また癌組織にお げるCEAの定量に関しても,大腸癌,胃癌などで その臨床的,病理組織学的意義および血清CEA 値との関係などが報告されるようになってき た7)19)∼23).
しかし,乳癌に関しては血清CEA値が再発予 知の指標として有用な腫瘍マーカーであるとの報 告は散見されるものの,血清CEA値の陽性率が 大腸癌をはじめとする消化器癌に比べて低いた め12)24〕25),その意義については他臓器癌ほどない とされている.さらに,乳癌組織においてCEA量 の高値な症例が認められるものの,その臨床的,
病理組織学的意義,血清CEA値および組織CEA
染色との関連などについて詳しく検討した報告は みあたらない.そこで,Radioimmunoassay法に より乳癌組織CEA量を測定し,臨床的,病理組織 学的意義について検討を試みた.さらに,組織 CEA量と血清CEA値との関連,および酵素抗体 法による乳癌組織のCEA染色との関係をみるこ とにより,組織CEA量測定の意義について検討 した. 対象および方法 1.検索対象症例 検索対象症例は,東京女子医大第二病院外科で 過去3年間に手術時あるいは生検時に癌組織のCEA量,および手術前あるいは生検前に血清
CEA値を測定しえた原発乳癌90例である.また, 癌組織のCEA量の測定値に関して良性疾患17例 を対照とした.2.組織CEA量および血清CEA値の測定法
乳癌組織の一部(0.5g)を採取し,脂肪,血液 成分を除いた後,直ちに凍結,粉砕した.粉砕し た試料に血液の混入があれぽ,緩衝液(トリス EDTA)で3回洗浄した.氷冷した緩衝液を試料 の2倍筆入れ,homogenizerを用い3回破壊した (一回は10秒以下).homogenizeした試料を4℃ で4000回転65分遠心,上澄(cytosol)を採取した. cytosolを, Roche CEA Radioimmunoassay Kitを用い,Hansenら3)の方法に準じてCEA量を測 定し,その測定値を組織CEA量とした.なお,基 準値設定のため良性疾患17例の組織CEA量測定 を行なった. 血清CEA値の測定は,サンドイッチ法で行な い,2.5ng/mlを基準値とした. 3.病理組織学的検索方法 癌組織をH・E染色標本で観察した.組織型分 類は,乳癌取扱い規約26),脈管侵襲は胃癌取扱い規 約27)に準じた.また,乳癌取扱い規約26)に準じて腫 瘍径は肉眼的分類,リンパ節転移の程度は組織学 的分類,そして病期はtnm分類を用いた。 4.検定方法 組織CEA量との病理組織学的検索項目および
血清CEA値の陽性率との関係について検討し
た.有意差検定には,カイニ乗検定を用いた.ま た,予後との関係をみるため,Kaplan Meier法に よる累積生存率を求めた.生存曲線の比較には,Generalized Wilcoxon testによる検定を用いた.
5.組織CEA染色方法
対象90例について組織CEA染色を行なった. 10%ホルマリン半固定,パラフィン包埋,厚さ4μ のパラフィン切片を作製し,組織CEA染色は酵素抗体法により,DAKO社製のPeroxidase−
antiperoxidase(PAP)Kit(一次抗体:抗ヒトCEAウサギ血清,二次抗体:抗ウサギIgGブタ
血清)を使用した.発色には,3−amino−9−ethylcarb−azole(AEC)を用い, Mayer hematoxylin染色
を行なった(図1).なお,nonspeci丘。 cross−react− ing antigen(NCA)を吸収させるため,ヒト脾臓 より精製した抽出液を抗CEA血清に加えた(抗
CEA血清1mlに対し抽出液1mlを加え一晩一
4℃で放置)28>. 結 果1.組織CEA量の基準値設定
組織CEA量の基準値は乳腺良性疾患組織
CEA量により設定した.良性疾患17例(乳腺症11 1.Depara伍nization2.Tris buffer(pH 7.6,0.05M)wash bath
3.3%H202 4.Normal swine serum
5.Anti CEA rabbit immunoglobulin
6.Tris buffer wash bath
7.Anti rabbit swine immunog互obulin 8.Tris buffer wash bath
9.PAP complex
lO. Tris buffer wash bath
ll. AEC
12. Mayer hematoxylin staining
13. Liquid glicerol ge亘atin
3Qmin. 5min. 5min. 20min. 20min. 5min.3times 20min. 5min,3times 20min. 5min.3times 30min, 5min. 図1 組織CEA染色手技 一844一
例,線維腺腫6例)の組織CEA量は0.5ng/mg以 下13例(76.5%),0.6∼5.Ong/mg 4例(23.5%), 5.1ng/mg以上0例(0%)であった.これにより 基準伯を5.Ong/mgと設定した. 2.組織CEA量の測定値および陽性率 組織CEA量の測定結果より5.Ong/mg以下を 陰性群,5.1ng/mg以上を陽性群とした.組織 CEA量の陽性率は35.6%となった.さらに陽性群 を5.1∼10.Ong/mg,10,1∼50.Ong/mg,50.1ng/ mg以上の3段階に分けた.その結果,5.Ong/mg 以下58例(64.4%),5。1∼10.Ong/mg 5例 (5.6%),10.1∼50.Ong/mg 16例(17.8%),50.1 ng/mg以上11例(12.2%)であった(表1).
3.組織CEA量と血清CEA値の陽性率との関
係 血清CEA値の陽性率は90例中13例,14.4%であった.組織CEA量と血清CEA値の陽性率との
関係をみると,組織CEA量陰性群では10.3%,組 織CEA量陽性群では21.9%とな:つた.組織CEA 量陽性群に血清CEA値の陽性率が高かったが, 両群に有意差は認められなかった.また,組織CEA量陽性群と一血清CEA値の陽性率との関係
をみた.組織CEA量50.1ng/mg以上の症例に血 表1 組織CEA量の測定値および陽性率 組織CEA量 ∼5・0・g/mgi 5,1∼10.1 10.1∼50.0 50.1∼ 計 58・64,4%・i : 5(5.6) 16(17.8) R2(35.6) 11(12.2) 90 表2 組織CEA量と血清CEA値の陽性率との関連 血清CEA値 陽性率(%) 組織CEA量 (一) (+) (一) i+) 52 Q5 67 10.3 QL9 組織CEA量陽性例 血清CEA値 陽性率(%) 組織CEA量 @(ng/mg) (一) (+) 5,1∼10.0 P0.1∼50.0 T0.1∼ 4147 124 20.2 P2.5 R6.4 表3 組織型(浸潤性乳管癌)と組織CEA量 組織CEA量 陽性率(%) 組織型 ∼5.Ong/mg 5,1∼ 乳頭腺管癌 [実腺管癌 d 癌 83215 8157 50.0 R1.9 R1.8清CEA量の陽性率が最も高かったが,組織CEA
量と血清CEA値の陽性率の間には有意差を認め なかった(表2).4.組織CEA量と病理組織学的野見および血
清CEA値との関係
1)組織型 組織型は,すべて浸潤癌であった.浸潤性乳管 癌のうち乳頭腺管癌16例,充実腺管癌47例,硬癌 22例,特殊型として髄様癌4例,粘液癌1例であっ た.このうち浸潤性乳管癌の各組置型別に,組織 CEA量を検討した.陽性率をみると,乳頭腺管癌 50.0%,充実腺管癌31.9%,硬癌31.8%となった (表3).乳頭腺管癌に陽性率は高かったが,カイ 一乗検定では有意差を認めず,組織型との関係は なかった.つぎに,組織型別に組織CEA量と血清CEA値
の陽性率の関係についてみた.乳頭腺管癌,充実腺管癌では組織CEA量陽性群に血清CEA値の
陽性率は高かったが,硬癌では両群に陽性率の差 は認めなかった.組織CEA量陽性群についてさらに組織CEA量の測定値から血清CEA値の陽
性率をみた.乳頭腺管癌において組織CEA量
50.1ng/mg以上に陽性率が高かったほかは,測定 値と血清CEA値の陽性率に一定の傾向はみられ なかった(表4). 2)脈管侵襲 脈管侵襲を陰性と陽性に分けた.組織CEA量 の陽性率は,脈管侵襲陰性40例中9例(22.5%), 脈管侵襲陽性50例中23例(46.0%)と脈管侵襲陽 性例に極めて高い傾向が認められた(p<0.05) (表5).つぎに,脈管侵襲から組織CEA量と血清CEA
値の陽性率の関係を比較した.脈管侵襲陰性例では組織CEA量による血清CEA値の陽性率の差
表4 組織型(浸潤性乳管癌)別にみた組織CEA量と血清CEA値 乳頭腺管癌 充実腺管癌 硬 癌 血清CEA値 血清CEA値 組織CEA量血清CEA値 組織CEA量 (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量 (一) 陽性率(%) i+) (一) (+) 陽性率(%) (一) i十) 86 02 025.0 (一) i+) 29 P2 3 7.1 R 20.0 (一) i+) 12 V 32 20.0 Q2.2 組織CEA量陽性例 乳頭腺管癌 充実腺管癌 硬 癌
血清CEA値 血清CEA値 血清CEA値
組織CEA量 ing/mg) (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量@(ng/mg) (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量 ing/mg) (一) (+) 陽性率(%) 5,1∼10,0 P0.1∼50.0 T0.1∼ 132 002 0050.0 5.1∼10.0 P0.1∼50.0 T0.1∼ 273 111 33.3 P2.5 Q5.0 5,1∼10,0 P0,1∼50.0 T0.1∼ 142 011 0 Q0.0 R3.3 は認められなかった.脈管侵襲陽性例では組織
CEA量陽性群に血清CEA値の陽性率は有意に
高くなった(p<0.1),さらに,組織CEA量陽性群について組織CEA量の測定値から血清CEA
値の陽性率をみた.脈管侵襲陰性例では血清CEA値の陽性例は少なく,組織CEA量による血清
表5 脈管侵襲と組織CEA量 脈管侵襲 組織CEA量 ∼5.Ong/mg 5.1∼ 陽性率(%) (一) i+) 31 Q7 923 22.5 S6.0 (p<0.05) 表6 脈管侵襲からみた組織CEA量と血清CEA値 脈管侵襲(一) 脈管侵襲(+) 血清CEA値 血清CEA値 組織CEA量: (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量 (一) (+) 陽性率(%) (一) i+) 27 W 41 12.9 P1.1 (一) i+) 25 P7 26 7.4 Q6.1 (P<0.1) 組織CEA:量陽性例 脈管侵襲(一) 脈管侵襲(+) 血清CEA値 血清CEA値 陽性率(%) 組織CEA量 @(ng/mg) (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量@(ng/mg) (一) (+) 5.1∼10.0 P0.1∼50.0 T0.1∼ 233 010 5,1∼10.0 P0.1∼50.0 T0,1∼ 2114 114 33.3 W.3 T0.0 CEA値の陽性率に一定の傾向はみられなかった. 脈管侵襲陽性例では組織CEA量50.1ng/mg以上 の高値症例に血清CEA値の陽性率は高くなった (表6). 3)腫瘍径腫瘍径をT2以下とT3以上にわげて検討し
表7 腫瘍径と組織CEA量 組織CEA量 腫瘍径 ∼5.Ong/mg 5.1∼ 陽性率(%) ∼T2 s3∼ 52 U 22 P0 29.7 U2.5 (pく0.01)表8 腫瘍径別にみた組織CEA量と血清CEA値 ∼T2 T3∼ 血清CEA値 血清CEA値 組織CEA量 (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量 (一) (+) 陽性率(%) (一) i十) 47 P9 53 9.6 P3.6 (一) i+) 56 14 16.7 S0.0 組織CEA量:陽性イ列 ∼T2 T3∼ 血清CEA値 血清CEA値 組織CEA量 @(ng/mg) (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量@(ng/mg) (一) (+) 陽性率(%) 5.1∼10.0 P0ユ∼50.0 T0.1∼ 397 012 010.⑪22.2 5,1∼10.0L10.1∼50.0 T0,1∼ 240 112 33.3 Q0.0 P00 た.組織CEA量の陽性率では, T2以下で29.7%, T3以上で62.5%となった. T3以上に陽性率は有 意に高い傾向が認められた(p<0.01)(表7).
つぎに,腫瘍径別に組織CEA量から血清CEA
値の陽性率をみた.T2以下, T3以上とも組織CEA量陽性群に血清CEA値の陽性率は高かっ
たが有意差は認められなかった.さらに,組織CEA:量陽性群について組織CEA量の測定値よ
り血清CEA値の陽性率をみた. T2以下, T3以上 とも50.1ng/mg以上の高値症例に血清CEA値の 陽性率は高かった(表8). 4)リンパ節転移の程度 リンパ節転移の程度を,n1α以下とn!β以上に 表9 リンパ節転移の程度と組織CEA量 組織CEA量 リンパ節転移 @の程度 ∼5.Ong/mg 5.1∼ 陽性率(%) ∼n1α 獅Pβ∼ 47 P1 16 P6 25.4 T9.3 (p<0.005) 分けた.組織CEA量の陽性率は, n1α以下で 25.4%,n1β以上で59.3%となり, n1β以上に有 意に陽性率の高い傾向が認められた(p〈0.005) (表9). つぎに,リンパ節転移の程度別に組織CEA量 より血清CEA値の陽性率についてみた. n1α以 表10 リンパ節転移の程度からみた組織CEA量と血清CEA値 ∼n1α n1β∼ 血清CEA値 血清CEA値 組織CEA量 (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量 (一) (+) 陽性率(%) (一) i+) 43 P5 41 8.5 U.3 (一) i+) 910 26 18.2 R7.5 組織CEA量陽性例 ∼n1α n1β∼ 血清CEA値 血清CEA値 組織CEA量 @(ng/mg) (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA量ing/mg) (一) (+) 陽性率(%) 5.1∼10.0 P0ユ∼5Q.⑪ T0.1∼ 366 010 01430 5.1∼10.0 PQ.1∼50.Q T0.1∼ 181 114 50.O P1.1 W0.0下では,組織CEA量と血清CEA値の陽性率との 関係は認めえなかった.n1β以上では,組織CEA 量陽性群に血清CEA値の陽性率は高くなった. さらに,組織CEA量陽性群について組織CEA量 の測定値から血清CEA値の陽性率をみた. n1α 以下では血清CEA値の陽性例は少なく一定の傾 向はなかったが,n1β以上では50.1ng/mg以上の
高値例に血清CEA値の陽性率は高かった(表
10). 5)病 期病期を早期のstage Iと,進行したstage II∼IV
の2群にわけた.組織CEA量の陽性率は, stage I群で23.1%,stage II∼IV群で52.6%となり, stage II∼IV群に陽性率は高くなる傾向が認めら れた(p〈0.01)(表11). つぎに,病期別に組織CEA量から血清CEA値 の陽性率についてみた.stage I群では,組織CEA 量陰性例にわずかながら血清CEA値陽性例を認 めたものの,組織CEA量陽性例では血清CEA値 の陽性を示したものはなかった.また,stage II 表11病期(tnm分類)と組織CEA量 病 期 組織CEA量 ∼5.Ong/m1 5.1∼ 陽性率(%) Stage I 唐狽≠№?I卜IV 40 P8 12 Q0 23.1 T2.6 (p〈0.01)
∼IV群では,組織CEA量陽性例に血清CEA値
の陽性率は高かった.さらに,組織CEA量陽性群について組織CEA量の測定値から血清CEA値
の陽性率をみた.stage ll∼IV群で,50,1ng/mg以上の高値症例に血清CEA値の陽性率は高く
なった(表12).5.組織CEA量および血清CEA値と予後との
関係組織CEA量について, Kaplan Meier法による 生存曲線を比較した.組織CEA量陰性群では,2 生率,96.8%,3生率,96.8%と予後良好である
のに比べ,組織CEA量陽性群では,2生率,
74.7%,3生率,74.7%と予後不良であった.
Generalized Wilcoxon testで検定すると,両群の
生存曲線の間に有意差を認めた(p<0.01)(図
2).さらに,組織CEA量陽性群について組織
CEA量の測定値別生存曲線を比較した.50.1ng/ mg以上の症例に生存曲線の低下が認められるも のの,有意差はなかった(図3). 血清CEA値について生存曲線を比較した.血 清CEA値陰性群では,2生率,94。2%,3生率, 94.2%と予後良好であるのに比べ,血清CEA値 陽性群では,2生率,45.7%と予後不良であった. Generalized Wilcoxon testで検定すると,半群間の生存曲線に有意差を認めた(p〈0.05)(図4).
さらに,血清CEA値陰性例について組織CEA
量陰性群と組織CEA量陽性群の予後を比較して
表12病個別にみた組織CEA量と血清CEA値
stage I stage I∼IV
組織CEA量 血清CEA値 陽性率(%) 組織CEA値 血清CEA値 陽性率(%) (一) (+) (一) (+) (一) i+) 37 P2 30 7.1 O (一) i+) 15 P3 37 16.7 R5.0 組織CEA量陽性例
stage I stage I∼IV
血清CEA値 血清CEA値 組織CEA量 ing/mg) (一) (+) 陽性率(%) 組織CEA値@(ng/mg) (一) (+) 陽性率(%) 5.1∼10.0 P0.1∼50,0 T0.1∼ 246 000 000 5,1∼10.0 P0.1∼50.0 T0.1∼ 2101 124 33.3 P6.6 W0.0 一848一
(%) 100 50 0 組織CEA量陰性群 組織CEA量陽性群 P<0.Ol 12 24 36(月) 図2 組織CEA量からみた累積生存率(Kaplan Meier法) (%) 100 50 0 組織CEA量陰性群 組織CEA量陽性群 p<0.01 12 24 36(月) 図5 組織CEA量からみた累積生存率(Kaplan Meier法)一血清CEA値陰性例一 (%) 100 50 0 10,1∼50.Ong/mg 5.1∼10.0 50.1∼ 12 24 36(月) 図3 組織CEA量の測定値別累積生存率(Kaplan Meier法) (%) 100 血清CEA量陰性群 50 0 血清CEA量陽性群 pく0.05 12 24 36(月) 図4 血清CEA値からみた累積生存率(Kaplan Meier法) みた.組織CEA量陰性群では,2生率,100%, 3生率,100%と予後良好であるのに比べ,組織 CEA量陽性群では,2生率,82.8%,3生率, 82.8%と若干の低下を認めた.Generalized wil・ coxon testによる検定で,両群の生存曲線の間に 有意差を認めた(p〈0.01)(図5).
6.組織CEA染色所見および組織CEA量との
関係 酵素抗体法により,乳癌組織のCEA染色を行 写真1 充実腺管癌における組織CEA染色陽性例 (H・E染色,x200) 表13組織CEA量と組織CEA染色 組織CEA量 組織CEA染色 (一) (+) 陽性率(%) ∼0.5ng/mg n.6∼5.Ong/mg T.1ng/mg∼ 39 S0 01532 0 V8.9 P00 ない,細胞質が褐色に染色されたものを陽性とし た(写真1).陽性例は,90例中47例,陽性率は 52.2%であった.組織CEA量と組織CEA染色性 の関係をみると,組織CEA量0.5ng/mg以下では すべて染色されないことがわかった.また,0.6 ng/mg∼5.Ong/mgでは78.9%,5.1ng/mg以上 では100%となった(表13), 考 察 現在,次々と腫瘍マーカーが新しく発見され, それらの有用性についての報告が多数みられるなか29),CEAほど研究され臨床面で応用されている 腫瘍マーカーはない.CEAは, Goldら1)によって ヒト大田癌組織から得られた分子量約20万の糖蛋 白であり,現在いくつかの関連抗原が存在するこ とが知られている.さらに,最近では抗CEA血清 を完全に純粋なものに精製し,CEA monoclonal 抗体を作成することが可能となった30).しかし,臨 床的応用にはほとんどpolyclonal抗体が用いら れており,その臨床報告も多い30).さらに,組織 CEA染色については,大腸癌,胃癌,子宮癌,肺 癌など多くの臨床報告があり,その意義に関して 検討がされている6)7)30)∼32).乳癌についても組織 CEAの染色性は知られており,その意義に関する 臨床報告は欧米の文献に散見される30)33)38),しか し,乳癌の組織CEA量とCEA染色性について検 討した報告はなく,また,組織CEA量からみた臨 床的,病理組織学的意義についても検討されたも のはない.そこで,本研究では従来より応用され
ている方法,血清CEA値はDainabot社のkit
を,組織CEA量はRocheのkitを用いてCEA
測定を行い,乳癌におけるCEAの意義について 臨床病理学的意義,および予後からみた.本研究で用いたDAKO社製のCEA PAP Kitは,一次
抗体がpolyclona}であり,関連抗原も測定されて いる可能性もあるが,今回は,臨床上広く用いら
れている測定法での組織CEAの検索を行なっ
た. まず,組織CEA量の陽性率について検討した. 組織CEA量の陽性率をみると35.6%であった. しかし,欧米ではDuffyら39)の報告によると,乳癌 62例中51例(82.3%)に,線維腺腫12例中2例に 組織CEA量は陽性となったとし,かなり高率で ある,これは,組織CEA量の基準値が,自験例で は5.Ong/mgであるのに対し, Duffyら39)は0.1 ng/mgとしているためと考えられる.一方,血清 CEA値の陽性率は自験例では,14.4%と低率であ り,北村ら12)の10.6%にほぼ一致する.しかし,欧 米の報告ではGrey40)が60%, Cantwellら41)が 53%,Wilknsonら42)が38%∼75%などかなり高 率であり,本邦の胃癌,大腸癌の陽性率に匹敵す る7)29).エ血清CEA値の基準値はむしろ欧米の方が 高く,自験例のみならず本邦の乳癌と欧米の乳癌 とでは,生物学的特徴を異にしていると推察することができる.つぎに,組織CEA量と血清CEA
値の陽性率との関係について検討した.組織CEA 量陰性例では,血清CEA値の陽性率は10。3%であった.本来,組織CEA量陰性であれぽ血清
CEA値も陰性であると考えられるが,自験例では 組織CEA量陰性と判定したもののなか10.3%に 血清CEA値陽性例がみられており,これはpoly− clona1抗体によるCEA測定法に起因するもので はないかと考えられる.組織CEA量陽性例では,血清CEA値の陽性率が21。9%と組織CEA量陰
性例に比べ高率となり,さらに組織CEA量が
50.1ng/mgをこえると血清CEA値の陽性率は
36.4%と高くなった.しかし,組織CEA量と血清 CEA値の陽性率の間に有意差は見られなかった. このことは,Duffyら39),北村ら12)の組織CEA量 と血清CEA値は関係がないとする報告と一致す る,しかし,大腸癌,胃癌において,組織CEA量 は血清CEA値の上昇に関係はないものの, CEA 総量,あるいは病理組織像によっては血清CEA 値に反映するという報告がある20)23).自験例につ いても,各症例ごとに病理組織像,あるいは病期 が異なっており,さらに詳しく背景因子を分けることにより組織CEA量と血清CEA値の関係を
検討することが必要であると考えられる.そこで, 組織像,および病期について組織CEA量,および組織CEA量からみた血清CEA値の陽性率をみ
た. 組織型からみると,胃癌,大腸癌では分化型に組織CEA量,血清CEA値ともその陽性率は高
く5)7)23),さらに粘液分泌形式に深い関係があると されている5)24).自験例では,乳頭腺管癌で組織CEA量の陽性率は高いものの,組織型と組織
CEA量の陽性率との間に関係は認めえなかった. このことは,乳癌が消化器癌と比べどの組織型に おいても癌間質組織が多いことによると考えられる.各組織型の組織CEA量別に血清CEA値の陽
性率をみると,乳頭腺管癌,充実腺管癌の組織CEA量陽性群の血清CEA値の陽性率は高いが
有意差はなく,二二では陽性率に差を認めなかっ 一850一た.また,乳頭腺管癌については組織CEA量50.1 ng/mg以上で血清CEA値の陽性率は高かった.
若干,乳頭腺管癌で組織CEA量が血清CEA値の
陽性率に関与していると思われるものの,一定の 傾向があるとはいいがたく,乳癌の組織型からは組織CEA量が血清CEA値に反映しないことが
わかった. さらに,脈管侵襲との関係についてみた.乳癌 における報告はないが,胃癌,大腸癌では脈管侵襲陽性例に組織CEA量の陽性率が高く,血清
CEA値は組織CEA量と脈管侵襲に影響される
との報告η23)もあるが,いまだ確固たる見解をえて いな:い.自験例でも組織CEA量の陽性率は脈管 侵襲陽性例に46.0%と高率となり,有意差を認め た.このことより,脈管侵襲が予後に影響を与え ることを考えるならば,CEAを産生する乳癌は脈 管侵襲をおこしやすく,生物学的にも悪性度が高 いと考えられる.さらに,脈管侵襲別に組織CEA量からみた血清CEA値の陽性率を比較してみ
た.脈管侵襲陰性例では,組織CEA量からみた」血 清CEA値の陽性率にはまったく差を認めなかっ た.しかし,脈管侵襲陽性例では組織CEA量陽性 群に血清CEA値の陽性率は高率となり,とくに,組織CEA量の測定値が50.1ng/mg以上で血清
CEA値の陽性率は高くなった.このことは,組織 CEA量がある量以上存在するならば,脈管侵襲が血清CEA値を上昇させるメカニズムの一翼を
担っているのではないかという意見を支持する結 果となるであろう. 乳癌において,腫瘍径と組織CEA量の関係に ついての報告はないが,本来,CEAを産生する乳 癌とそうでないものがまったく生物学的に同じで あるならぽ,腫瘍二二にみても組織CEA量の陽 性率は一定の値をとるはずである.しかし,自験 例では,組織CEA量の陽性率はT3以上の症例で 62.5%と有意に高かった.このことから,CEAを 産生する乳癌の進行は早く,腫瘍径が大きくなっ ていると考えられる.つまり,組織CEA量は乳癌 の生物学的性状を示していると考えられる.つぎに,腫瘍径により組織CEA量からみた血清CEA
値の陽性率に差があるかどうかをみた.消化器癌において組織CEA量陽性例では血清CEA値は
腫瘍の大きさに比例して上昇するが24>43),乳癌に ついてはその報告はない.自験例についてみると,T2以下では,組織CEA量にかかわらず血清
CEA値の陽性率に差を認めなかったが, T3以上 では,組織CEA量陽性例において,1血清CEA値 の陽性率は高くなることがわかった.すなわち,組織CEAの総量が多くなれぽ,それだけ血清
CEA値に反映することが推察された. ついで,リンパ節転移の程度について検討した. 乳癌において,組織CEA量とリンパ節転移の程 度との関係は認めえないが,血清CEA値の陽性 率はリンパ節転移の進んだものに高いとの報告が ある12)39).また,組織CEA染色についてみても, 胃癌,乳癌でリンパ節転移の程度との関連はない とする報告が多い7)24)34)35).しかし,自験例では組 織CEA量の陽性率は,あきらかにn1β以上の症 例に有意差をもって高くなった.このことは,従 来の報告と異なっており,組織CEA量陽性例は 癌腫の性格としてより悪性であり,リンパ節転移 をおこしやすいと考えられる.さらに,リンパ節転移の程度別に組織CEA量より血清CEA値の
陽性率をみた.n1α以下では,組織CEA量にかかわらず血清CEA値の陽性率に差は認められな
かった.n1β以上では,組織CEA量陽性例で血清 CEA値の陽性率は高くなった. n1β以上では,と くに組織CEA量が50.1ng/mgをこえると血清 CEA値の陽性率はより高くなった.したがって, 諸家の報告1)39)と同じように,血清CEA値の上昇 にはリンパ節転移の程度も大きく関与しているこ とがわかった.この理由として,リンパ節転移が 高度になれぽ,組織中のCEAが血中に流出しや すくなること,また転移リンパ節が増えることによって組織CEAの総量が増加し血清CEAを上
昇させることなどが考えられる.以上,病期の決 定因子である腫瘍径,リンパ節転移の程度につい てみれぽ,進行した生物学的に悪性であると考え られる症例ほど組織CEA量の陽性率は高くなっ た.また,血清CEA値の上昇には腫瘍径,リンパ 節転移の程度が関与していることがわかった. つぎに,病期から検討した.乳癌において,二織CEA量と病期との関係を認めないとの報告が
ある12)39).また,乳癌における報告ではないが,西
田7)は胃癌において組織CEA量陽性例について
病期別血清CEA値をみており, stage III, IV胃
癌において血清CEA値は上昇すると述べてい
る.自験例では,組織CEA量の陽性率はstage II 以上の症例に有意に高かった.また,stage Iでは組織CEA量にもかかわらず血清CEA値の陽性
率に差を認めず,stage II以上では組織CEA量陽 性例に血清CEA値は高く,組織CEA量が高値と なれぽ血清CEA値の陽性率はより高くなった. このことは,病期の決定因子である腫瘍径,リン パ節転移の程度が進行した症例に組織CEA量の 陽性率は高くなること,また,血清CEA値の上昇 には腫瘍径,リンパ節転移の程度が関与している ことを考えれば,当然の結果といえる.組織CEA 量の多少は癌腫そのものの生物学的性状でないと するならぽ,病期の進行とはまったく関係なく, 組織CEA量の陽性率は各病期において差を認め ることはないはずである.CEAを産生する乳癌は 進行が早く,病期の進んだ症例が多いのは当然で あろう. さらに,組織CEA量と予後の関係を検討して みた. Shoushaら38)は,乳癌において組織CEA染色 により陰性例と陽性例にわけ5生率,10生率を比 較し,組織CEA染色陽性例は陰性例に比較し明 らかに予後不良となったとしている.これと同じ ような報告は本邦にはみあたらないが,欧米の文 献36)38)∼46)に散見される.しかし,組織CEA量から みた予後に関する報告は乳癌においてみあたら ず,胃癌において,池田ら22>が組織CEA量陽性症 例は予後不良と報告しているにとどまる.自験例 で,組織CEA量から予後についてみると,組織 CEA量陽性例は組織CEA量陰性例に比べ,明ら かに生存曲線の低下が認められ,予後不良であっ た.さらに,組織CEA量の測定値からみても,高 値になるほど生存曲線の低下する傾向が認められ た.このことは,組織CEA量陽性例は予後の面か らみても生物学的悪性度の高いことが示唆され る.従来より用いられている血清CEA値につい ては,治療効果,再発予知などの指標として重要 であるぽかりでなく,術前の血清CEA値から予 後をみると,あきらかに差が認められるとの報告 が多数みられる15)17>4D44)45).自験例でも,血清CEA 値の陽性例では有意に生存曲線の低下を認めた. しかし,予後良好である血清CEA値陰性例でも, 組織CEA量からみた生存曲線を比較すると,組 織CEA量陽性症例に有意に低下を認め予後不良 となった.したがって,術前血清CEA値から予後 を予測することはある程度可能であるが,さらに 組織CEA量を測定することにより,より正確な 予後を予測することができるものと考えられる. 乳癌取扱い規約26)で規定する因子に加え,組織 CEA量を測定することは予後をしる一つの指標 としてきわめて有用であると考えられる.組織CEA量と組織CEA染色性について検討
した.酵素抗体法を用いた組織CEA染色の検討 は,パラフィン包埋標本より比較的容易に,しか もretrospectiveに行なうことができる.そのた め,酵素抗体法による組織CEA染色に関する報 告は,消化器癌については多数あり,その意義に ついても検討されている.乳癌についても組織 CEA染色性はしられており,その意義については 欧米の文献に散見される34)37)38)46).しかし,組織CEA量,および組織CEA量と組織CEA染色の
関係について論じた報告は,乳癌においてはみあ たらない.まず,組織CEA染色性についてみた. Wittekindら33)は,乳腺症,良性乳腺組織の64%に luminar borderにCEAは存在すると報告してい る.同じような報告も散見されるが9)47),本研究で は細胞質が染まったものを陽性とした.欧米の報 告34)37)38)46)では,染色されたものは42%∼83%と いろいろで,自験例では56.7%であった.組織 CEA量との関係をみると,0.5ng/mg以下では染 色されず0.6ng/mg以上で染色されることがわ かった.したがって,生物学的特異性からみれぽ 0.6ng/mg以上をもって組織CEA陽性とするの が妥当と思われる.しかし,組織CEA量からみる と0.6ng/mg∼5.Ong/mgでは良性疾患でも 17.6%認められること,癌組織でも染色されない ものが21.1%あることなどを考えれば,臨床面子 一852一用については組織CEA染色,すなわち定性より は定量を行ない,5.Ong/mgを基準値とすること は有用と考えられる. 結 語 原発乳癌90例に対して,Radioimmunoassay法
による組織CEA量,およびCEA値を測定し,臨
床的,病理組織学的検討を行なった.また,酵素抗体法を用い乳癌組織CEA染色を行ない組織
CEA量と比較検討した.ユ.組織CEA量の陽性率は35.6%,血清CEA
値の陽性率は14.4%であった.組織CEA量から血清CEA値陽性率をみると組織CEA量陽性例
は陰性例に比べ,高率であった.2.組織型と組織CEA量の陽性率に関連は認
められなかった.3.脈管侵襲から組織CEA量の陽性率をみる
と,脈管侵襲陽性例で組織CEA量の陽性率が高 かった(p〈0.05).さらに,組織CEA量から血清 CEA値の陽性率をみると,脈管侵襲陽性例で組織CEA量陽性例に血清CEA値の陽性率が高かっ
た. 4.腫瘍径から組織CEA量の陽性率をみると,T3以上の症例に組織CEA量の陽性率は高く
なった(p〈0,01).また,組織CEA量から血清CEA値の陽性率をみると, T3以上で組織CEA
量陽性例に血清CEA値の陽性率は高くなった.5.リンパ節転移の程度から組織CEA量の陽
性率をみると,n1β以上に組織CEA量の陽性率 は高かった(p<0.005).また,組織CEA量陽性 から血清CEA値の陽性率をみると, n1β以上で組織CEA量陽性例に血清CEA値の陽性率は高
くなった.6.病期からみると,stage II∼IVはstage Iに
比べ,組織CEA量の陽性率は高かった(p〈
0.01).また,組織CEA量から」血清CEA値の陽性 率をみると,stage II∼IVで組織CEA量陽性例 に血清CEA値の陽性率は高かった.7.組織CEA量,血清CEA値ともその陽性例
で予後不良となった.また,予後良好であった血清CEA値陰性例でも組織CEA量陽性例は生存
曲線の低下がみられた(p<0.01).8.組織CEA量と組織CEA染色の関係をみる
と,組織CEA量0,5ng/mg以下では染色されず, 5.Ong/mg以上では全例に染色された. 稿を終わるにあたり,御指導,御校閲をたまわった 恩師榊原 宣教授,直接御指導,御教示いただいた芳 賀駿介講師,芳賀陽子講師に深く感謝する.また,本 研究に御協力いただいた東京女子医大第二病院外科 梶原哲郎教授ならびに諸兄姉に心から感謝する, 本論文の要旨は第41回乳癌研究会,第86回日本外科 学会総会において発表した. 文 献1)Gold, P. and Freedman, S.0.:Demonstration of tumorspeci且。 antigens in human colonic carcinoma by immunological tolerance and ab$orption technique, J Exp Med 121439(1965)
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