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鳴門教育大学学術研究コレクション

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Academic year: 2021

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<今,求められている能力>を育てる国語科教育の考察 ー書く活動を中心に位置づけて一 撫斗・領域教育専攻 言語系コース(国調 大野 実緒 1 研究の目的 本研究の目的は,<今,求められている能力 >(従来の学力観では測りきれない能力の概念 の,本論文での総*11うの実体を確かめ,子どもた ちの真の学力や人間力の育成とどのように関わ っていくのか考えながら,小学校高学年の子ど もたちを対象に,その能力を育成するにはどの ような手立てが必要か考察することである。 考察者は子どもたちの学力低下について日々 の生活の中で危オ幾惑を抱いていた。全国学力テ ストの点数を上げるための訓練が,子どもたち の本当に必要な力を伸ばしていると言えるのだ ろうかと,問題意識をもち続けていた。その問 題解決のためには,重視されている<今,求め られている能力>の実体を確かめ,その育成の ために何が必要カ、 それらの<能力>は,子ど もたちの真の学力や人間力の育成とどう関わっ ていくかということを考察する必要があると考 えた。 このような実態べ澗題提起を受けて,まずは 全国学力テストの結果の分析から,子どもたち の能力の課題と, この調査の特徴や問題点を実 証的にみることを研究の糸口としたいと考えた。 分析からみえてきた記述の仕方の問題から,子 どもたちの「書く」力とく今,求められている 能力>の関係について考察したh また,過去 の先行実践を<今,求められている能力>の観 点から見直し,どのような取●助泊効であるの 指導教員 村井 万里子 かを考え,実践につなげていきたい。 2 論文の構成 序 章 研究の目的と方法 第1章 子どもたちの<能力>をめぐる諸問題 -教科を働iするV胡I的な能力の必要性一 第2 章 <今,求められている能力>を育成す るために考えるべきこと 第3 章 課題(極I)と極②》をもとにした実践と 分析 結 章 研究のまとめと今後の課題 3 論文の内容 第1章では,全国学力テストの結果や分析か ら,子どもたちの書くことに関わる<能力>の 課題を撫IIした。第2 章では<今,求められて いる能力>を先行研究より捉え,自らの実践や 先行実践のなかで位置づけた。その中から見え てくる<今,求められている能力>育成に関す る課題や,柱としたい力を見いだした。第3 章 では,前章の考察をふまえて,<今,求められ ている能力>を育成するための授業実践を行い, 理論と実践とを結びつける糸口を探すことをめ ざした。 4 研究の成果 第1章第1節では,全国学力テストの結果の 分析から,子どもたちの<能力>の課題として, - 163 -

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次の3点が浮かびあがってきた。 1 複数の資棟グラフ,表,文章,鰍結果物 を読み取り,必要なものを取り出し,問題と 関i刺寸ける力に課題がある。 2 日常生活の中の問闘翠決のために,生きて 使える教科欄当i的な力に課題がある。 3 考えを記述することに課題がある。 全国学力テストの分析から得たこととして, 次の2 点をあげた。 1 学力テストを,子どもを知るためのツール のーつとして捉える。 2 状況によって(各教科によっ◇ 書き分け をする力が必要である。 以上のことより,今注目されているコンピテ ンシー・ベースのカリキュラムにおいて,拠ミ~ を1鋤iする「書く」活動について先行研究をも とに考察することとした。生きて働く知識・技 能を身につけさせるには,コンピテンシー・ベ ースの授業づくりが重要であり,コンテンツと コンピテンシーを結びノっける役書にしての「教 科の本質」を見失わないように,両撫斗の求め る能力が相互に高め合えるような授業を展開す るべきであることを明らかにした。第2節では, 第1項で考察した理念から,もう一度過去の授 業実践(国語と総合の連携による授業実践)を再 考し,成果と言親亘をまとめた。 第2 章では,<今,求められている能力>が 重視されるようになった背景やi果題,国語科の 役割,必要とされる教師の資質を,先行研究を もとに考察した。産業界からの要求と子どもた ちに必要な真の要求をどう近づけるべきか考え ながら,社会や自らの考えを点検・更新し,授 業づくりをしていく必要があることを確認した。 第2節では,大村はまの実践と現代教育の課題 とを対比させながら,「書くこと」の授業づくり の中で,考察者が身につけてほしい<今,求め られている能力>とその手立てについて整理し, その価値を位置づけた。その柱となることは次 の3つである。 柱① 真正な場の設定(主体的に問題解決でき る能力) 柱②)教科を1鋤iした「書き分け」の場の設定 (a用性のある能力) 柱(③)教室の文化づくり(対話的に問題解決で きる能力) 第3 章では,第2 章で聾Eした胃1 2 の課題 をもとにした「書く」実践と分析を行った。実 蹴I)では,担任の願いと子どもの状態を考え, 5年生の今考えるべきことを,学活を通して全 員で話し合う場をつくることができた。課題を 「わがこと」と捉えられるように,教員全員の 協力のもと, 5年生の自主性を促した。その経 験が, 5年生の今,彼らに必要だったことであ り,結果,真正な場が生まれ,思い思いの意見 文を書くことができた。 牛ン2 では,子どもの 算数の記述式問題の解答の傾向から,課題を見 いだし,「説明する文章」を書かせた。児童会活 動と連携し,ALT にプレゼントをつくるという 真正な場を設け,その上で説明する文章を書く 活動をした。その結果,事後の算数の記述問題 の解答では,事前よりもわかりやすく書けた子 どもが増え,成果を得た。 5 今後の課題 今後の課題は,次の3点である。 1 書くジャンルを意識させた実践を行う。 2 下学年や中学生前半の3 つの柱による実践 を検討する。 3 特別な支援が必要な子どもへの配慮や手引 きについて検討する。 - 164 -

参照

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