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自動車センサ情報の活用による道路状況観測システムの開発

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第68回全国大会. 3E-5. 自動車センサ情報の活用による道路状況観測システムの開発 西川. 孝二†. 吉井. 北海道自動車短期大学†. 1.はじめに 自動車がコンピュータ情報処理システムの塊 であることは,いまや大衆車にも当てはまる常 識となりつつある[1].これは,自動車の動力 性能,運動性能,安全性能,環境性能を高める 上で不可欠の技術である. 昨今,これに加えて,「自動車の情報性能」 [2]が注目を集めている.情報性能は,車社会に おける情報処理システムすなわち ITS(高度道路 交通システム)を,自動車の運転者がどの程度 有効利用できるかを示す性能指標といえる.情 報性能を高めるための技術として,運行経路上 の天候,路面状況,渋滞状況などを知る必要が あるが,これらは,自動車を終端ノードに持つ グローバルネットワークを利用して収集する手 法が現実的である. このような背景から,本研究は,自動車に搭 載されている様々なセンサに注目し,センサ情 報を収集して,自動車の情報性能を高める方 法・技術について調査・開発を行うことを目的 とする. 2.道路状況観測システム 現在の自動車には,ドライバーに安全と快適 性をもたらすために実に多種多様なセンサを備 えている[3].しかし,見方を変えると,これら のセンサ情報は自動車が走行する経路上の天候 状況,路面状況,渋滞状況などを逐次検出して いると考えることができる.例えば,エアコン の外気温センサは,ドライバーが設定した室内 温度に対する外乱を予測するために用いられて いるが,すなわち,天候状況を観測しているこ とになる.あるいは,車速センサは,ドライバ ーへ車両速度を提示することや,オートマチッ クトランスミッションのシフトタイミングを制 御するため等に必要なセンサであるが,車速が 低い状態で一定時間推移したとすれば,その走 行経路において,渋滞が発生していることを類 Development of Road Situation Observation System by Use of Car Sensor Information †Kouji Nishikawa Hokkaido Automotive Engineering College ‡Shinichiro Yoshii Hokkaido University. 伸一郎‡ 北海道大学‡. 推することができる.本研究が提案する自動車 用センサの活用は,これらの例のように,すで に一般の自動車に普及している自動車用センサ 情報を二次的に利用することを指している. さらに,GPS から得られる測位データをこれ らのセンサ情報に関連付け,複数の自動車から 情報発信を受け取ることによって,道路地図上 に天候,路面状況,渋滞状況を時発展的に展開 することが可能となる.すなわち,道路を運行 する自動車は,観測する移動体であり,その局 所的情報を束ねて有効活用できれば安全・円滑 な交通システムの構築に寄与できることとなる. 3.提案システムの構成. 図1. 自動車用センサ情報収集装置. 図2. 情報送信装置. 本研究で提案するシステムは,以下の 3 つの サブシステムから構成される. ①自動車用センサ情報収集装置 自動車に搭載されている各種センサの情報を収 集する装置.本研究では,センサ情報収集装置 としては,専用装置を作るのではなくノート PC. 3-317.

(2) 情報処理学会第68回全国大会. を用いる.そこで,車上の既存センサからの情 報取得コネクタを配し,ノート PC に入力する (図1参照). ②無線技術による情報送信装置 無線技術を利用し,ノート PC に収集したデータ をサーバ側に送信する装置.本研究では,北海 道大学構内に設置されたソフトバンク BB 社の TD-CDMA システムを利用する(図2参照).当方 式は,時分割多重の技術であることから,上り 下りの非対称性を実現して周波数帯の有効利用 が可能であり,常時接続型の無線ブロードバン ド技術として注目が集まっている. ③データベースシステム インターネット経由で送信されてきたデータを 格納するデータベースシステム.また,天候, 路面状況,渋滞状況などを道路地図上に展開し, 道路運行車両にフィードバックする.. 図3.実験車両の走行軌跡(2005/11/25). 4.収集データ 本報告で対象とするセンサは,外気温センサ, 車速センサ及び ABS の作動情報とした.各セン サにより,収集が期待される道路状況は,表1 の通りである.. センサの名称. 図4. 外気温の推移(4℃から 2℃). 図5. ABS 作動時のモータ端子電圧. 期待される道路状況. 外気温センサ 気温 車速センサ 渋滞状況 ABS の作動 路面の摩擦係数 表 1.収集が期待される道路状況 図3は,2005 年 11 月 25 日に札幌市西区から 南区への峠越え走行軌跡を示し,走行中に,各 センサから自動車用センサ情報収集装置に集め られたデータを図4,5に示す. 図4において,横軸は走行時間(s),縦軸は, 外気温センサの出力電圧(V)を示している.外 気温センサには,不特性サーミスタが用いられ ており,コントローラ内部の固定抵抗と直列接 続され,定電圧が印加されているため,気温の 低下に伴って電圧が上昇する. 図5は,ABS 作動時のポンプモータの端子電圧 を示している.但し,実験時期は,気温がまだ 氷点下になっておらず.路面摩擦係数が低下し ていなかったため,台上で ABS を作動させたと きのデータをしめす.横軸は時間(s),縦軸は, ポンプモータの作動電圧.ブレーキの踏み込み と同時にモータが回転し始めていることが分か る.なお,本報告では,車速センサから得られ るデータについては割愛する.. 7.おわりに 本報告では,自動車に搭載されているセンサ の中で外気温,車速,ABS の作動に注目し,セン サ情報を収集して,道路状況観測システムの開 発に向けた予備実験を行い,提案手法の有効性 を検証する基礎データを収集した. 参考文献 1) 天野雅彦他,「電機・電子技術の自動車への 応用」自動車技術,vol.59,2005 年 5 月. 2) 植村宏,「ITS(高度交通システム)」,自 動車技術,vol.59,2005 年 8 月. 3) 太田実監修,自動車センサ研究会編,「自動 車用センサ」山海堂,2000 年.. 3-318.

(3)

参照

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