<研究論文>石油流通と商標権問題
著者
小嶌 正稔
著者別名
Kojima Masatoshi
雑誌名
経営論集
巻
46
ページ
63-86
発行年
1997-12-24
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005638/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 )
石 油流通 と商 標権 問題
小 鴬 正 稔 はじ めに1. 石油流通 におけ る商 標権 問題 の特 質と 流通機 能1.1 製 品 特性と 商標 権問題 の特質1.2 元売 よる誘 因 スキ ー ム2. 商標 問題 生起 の背 景2.1 需給調 整製 品に よる商 標権 問題 の混 乱2.2 流通 サ ービ:"スの迂 回性2.3 調整機 能の 不能 と差別 対価2.4 集中的 販路 の登場 と競 争環 境の変 容3. 商標 権 の厳格 運用 と競争 環境 整備3. トPB チ ャネ ルの成 長 と商標 権4. 系 列内関 係の 見直し と 元売ブ ラ ンド戦略5. まとめ 63 は じ め に1996 年4 月 の特定石 油 製品輸 入暫定 措 置 法( 特石 法) の 廃 止に よっ て石 油製 品 の輸 入 自由化 が 打 ち 出さ れ て以 降、 ガ ソ リン流通 は各 地 の乱売 合 戦に よっ七 混 沌 とした 状況 が継 続さ れてい る。 こ の 特 石 法以 降 の石 油流通 のあ り方を 問 う石 油審 議 会石 油 流通 問題 小委 員 会(以 下 、流 通 小委 員会 ) は 客 観 的に 石 油 流 通の 現状 と課題を さ まざ まな 角度 から整 理 し、平 時 の行政 不 介 入1と各 事 業 者 の 自 己 責 任の 原 則 等を 確認 し た。 これ は1962年 の原 油輸 入 の自由化 ( 自動承 認制 度 移 行) を契 機 とし て始 まっ た市 況混 乱(1965 年 まで 継 続) が 標 準価 格 の設定、 通産 政務 次官 の斡旋 、 大臣 警 告、 セ ール ス クォ ータ ー制 、 メ ータ ー セ ール ス な ど行 政主 導で 収拾策 が検討 さ れ た経 緯 とは まっ た く異 な る新た な方 向性 が 打ち 出 され た こ とを 再度 確 認 する こ とに な った。 こ の流通 小 委員 会 で議 論 の主 テ ーマ の1 つ とな った のが 、 石油 販売 業に おけ る商 標 問題 で あ る。 本 稿 は なぜ こ の商標 問題 が石 油流通 健全 化に おけ る鍵 とし て 位 置づけ ら れてい る のかを 再 考し 、 商 標 問 題 から みた石 油 流通 の健 全化 の方 向 を 探る こ とを 目的 とし てい る。64 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 1. 石 油 流 通 に お け る 商 標 権 問 題 の 特 質 と 流 通 機 能1.1 製品 特性と 商標 権問 題の 特質 二 石 油製 品に 関す る商標 の 問題を 論 ず る場 合に 注 意し な くて ぱな らない こ とは 、 商標 は精 製・ 元売 会 社 と特 約店 ・ 販 売 店 間 の供 給 ・ 販 売 フ ラ ン チ ャ イ ズ 契 約 と し て の 商 標 問 題 (productandtrademarkfranchise ) と競争 優 位性 の 源泉 と して 消費 者 の購 買段 階に おい て実 現 す るブ ラソド エ タ イテ ィ(brandequity ) とし ての 商標 (trademark ) とい う2 つ の問題を 含 ん でい る こ とで あ る。 前者 の商標 問題 は、系 列 を基 本 とす る石 油製 品 の場 合 、 流通機 能分 担 のあ り方 を基 本 とす る契 約 の問題 で あ り、系 列 の果た す役 割や 系 列 内で の役 割 分担 、そ して 他社製 品 の購買 (opensupply )等 の問題 で あ る。 ま た後者 の 商標 問題 は 、対 消 費者 に対 す る 商標 自体 が持つ 価値 に 関 す る問題 と粗 悪 品 な ど の混入に よる品質 の 問題 であ る。 一 般的 に 商標 問題 が論lじら れる場 合に は 、 消費 者 の購買 時 点 の商 標 価値 がそ の中心 課題 と して 取 り上げ ら れる が、 現 在の石 油製 品流 通に お い て 問題 にな って い る商 標問 題 は、前 者 の供 給・販 売 フ ラ ンチ ャイ ズ契 約 とし て の商標 問題 であ る。 す なわ ち商 標運 用 におけ る混乱 を 生み出 す原 因 とし て の需 給調 整 製品 やそ の結果 であ る取 引条 件 の 公平 旨、透 明性 ( 不当 廉 売や差 別 対価 等) の問 題 を中 心 とし て い る2. こ の双方 の問 題 とも、ガ ソ リンを は じめ 石油 はそ の販 売 方法 とし て パ ッケ ージ商 品(packagegoods )とし て 小売さ れ る よりは 、通常 梱 包さ れな い バ ル ク状態 (bulk) で 内容量 の み が売買 さ れる 商品 であ る とい う製品特 性 と 基本 的 に 製品 間に 決 定 的な 差 異 が無い 規格品 で あ るとい う製品 特 性に 基づ くも ので あ る。 石油 製品 が規格 品で あ り、製 品 の差 別化 が困難 で あ るこ とは、 石 油製品 にお い て は 品揃 え め齢齢(discrepancyofassortment )が発 生 す るこ と はな い。そし て この 規格品 、差 別 化 の困難 性 は、同 時 に 販 売店 の仕 入先 の制 限を 無 くす こと か ら、 需 給状 態 の緩 和は、 販 売業者 の機 会主 義 的行 動を 容 易 に し、通 常 の取引 にお い ては石 油会 社 は 、価 格競 争以 外 の競 争手 段を 持だ ない こと にな る3 こ のこ と から石 油会 社 のチ ャネル 戦略 の 出発 点 は この 商業 者 の機 会主 義的 行動(opportunism )を 押さ え、 安 定的 な 製品 の配 給先4とし て販売 先を 確保 す る 限定 的販 路 政策(系 列化)をそ の基 本 形態 として き た のであ る。 こ の系列を 枠 組 みとす る 石 油製 品 流通 にお い て は商人 (販 売業 者) は主 に メ ーカ ーの 分散 機能 を担 い存 続 ・発 展 して きた 。 ト 十 さ らに 我 が国 の戦後 の石 油流 通機 構 は、 石 油 元売 の 参入 規制 と末 端販 売業 者 の 元売 認 可 権の付 与 に よって 形成 さ れ、販 売店 は製 品 の供 給を 受け る ために は 、 い ず れ か の 元 売 と契 約 を 結 ぶ必 要 が あっ た( 小鴬 「(1996a)p.l7)。 こ の元 売業 者 に ょ る認 可権 は、 戦後 の短 期間 で 法 律上 め裏 付け を 喪 失し た が5、そ の後 の石 油業 法に 間 接的 に 引 き継 が れ、揮 発油 業法 におけ る供給 元 証 明、SS ( サ ー ビ ス・ ステ ーシ ョン: 給油 所) の建 設 枠 問題 、 転籍 ル ÷ ル等 、系 列は再 度実 質 的に 法 律 的裏 付け を 保 持 し、 石 油政策 の基 本単 位 とし て存 在 し 続け て きた ( 小鴬 (1992))。 し かし1997年6 月 の石 油審
石 油流通 と商標権 問題 65 議 会 の石 油 流通 問題 小委員 会が系 列化 の枠 組みを 支 え て きた 「供 給 元 証 明 の 廃 止 」 と 「 選 択 の 自 由」を 打ち 出し て 以来、 石 油業 界は系 列 の意味 につ い て 再度 問い 直し を始 め てい る の であ る6 1.2 元 売よ る誘 因 スキ ーム ユ 系 列を そ の枠 組み とし て固 定化七 て き た石 油 流通 と商 標 権問 題を 検証 す るに は まず 最 初 に系 列 が 果 たし て き た役 割を 明確に す る必要 が あ る。 こ こ でい う系 列 が果 たし て きた役 割 の 明 確化 とは、 先 に 述 べ た政 策枠 組 み とし て の元売 系列 と ともに 販売 業 者を 系 列内に 留め てき た諸 誘 因(inducemen-ts ) の検証 で あ る。 すな わち 元売 系列 が 流 通構 造 とし て固 定 さ れて きた のは、販 売 業 者( 系 列業 者) に 対 し て与 え ら れて きた系 列 所属 のさ まざ まな誘 因 が機 会主 義的 行 動を 選択 す る よ りも有 効 な もの とし て 存 在し 、そ れ が認知 さ れてい る こ とが 前提 とな る。 こ の誘 因構 造 の検証 は、 独立 系 とし て 系 列 から 離 脱し た場 合 にss 運 営者 が自 ら 遂行 し な くて はな らな い 機能を明 確に す る と同時 に 、販 売 業 者 が独 立 系を一 つ の 選択肢 とす る ため に は、 ど の よ うな 流 通構 造上 の 問題 が存 在 す る の かを 検討 す る 基盤を 提供 す るも のであ る。 す なわ ち 流通 小 委員 会 が 明確に し た 「選択 の 自 由」 とは 、実 際に は 自 ら遂 行 す る機能 ( 課業) の選択を 意味 し、 そ の 「選 択 の 自由」を 行 使す る た め の流 通 環境 の整 備 と誘 因構 造 の変化 が 現実 化し な くて はな ら ない の であ る。 ここ で は元 売が示 し てい る誘 因を7 つ に 分 類し 、 独立 系 とな った 場 合に遂 行 し な く ては なら ない 課 業 と比較 す る ことに よって 元売 の誘 因 ス キ ー ム7を 明 確に す るよ (1) 安 定供 給機能 (製 品調 達 機能) こ こ でい う安 定供 給 機能 とは、 社 会的 な ガ ソ リン安 定 供給 とい う視点 ( マ クロ的 視点 ) で はな く、 垂 直 的 機能 分 担におけ る安 定供 給機 能を 指 す。 す な わ ち元売 の 系 列に所 属 する 最 大 の誘 因 と し ての 安 定 供 給 とは 、\商 品調 達に 関 する さ まざ まな 活動 か ら 傘下 の特 約店 ・ 販売店 を 開 放 す る とい う意味 で あ る。 当 然 の こと なが らこ の安定 供 給 機能 は、 品 切 れに よる販 売損 失を 基 本的 に 起こ す こ との リ ス クか ら 開放 さ れ、 特約 店 ・販売店 は、 自 ら のss 運 営( 販売 ) に 集中 する こ と が で きる8。 逆 に 非 系 列( 独立) で あ るこ とは、 この 元売 の提供 す る安定 供 給 機能を 自ら 遂行 す るこ と とな り、ss 運 営 者 は 自ら が製品 調 達機能 を 遂行 し な くて は なら ない 。 非系 列業 者 が製 品 調 達 機能を 遂 行 す る た め の環 境 とし ては、 製 品そ の ものに 対 す る ア クセ ス( 物理 的 タ ー ミナル ア ク セ ス) と製 品 情報、 価 格 情 報な ど情報 的 タ ーミ ナルア ク セス の双 方 が具 現 化さ れ る必 要 がある9 特 石 法 の廃 止 は、新た な 供 給 ソ ースへ の開放 を 実現 した が、 新 たな 供 給 ソ ース へ のア ク セスぱこ の機能 の 遂 行 と なる。 現 在 、 製 品調 達 機能 の 遂 行 に も っ と も障 害 と な って い る の が 、 我 が 国に は ラ ッノ プ ラ イ ス(rackprice)'" な どの価 格情 報 が流 通し てい ない( プ ライ スア クセ スが 確保 さ れてい ない )た め製 品調 達 機
66 経 営論集 第46号(1997年12月) 能 は、 抽 象的市 場 の もと 不安 定 さを 拭い 切 るこ と がで きない こ とで あ る。 (2) 需給 の質 的調 整 機 能 こ こ でい う質 的調 整機 能 とは 商品 のラ イン ナ ップを 顧 客 のニ ーズに 適 合 する 機 能 を 指 す 。(1)の 安 定 供 給機 能( 商品 調達 機 能) は主 に中 心 製 品で ある レ ギ ュラ ーガ ソ リン( 並 揮) を 念 頭に 置い た も のであ る が、ss に お い て は、 並 揮 の他、 プ レ ミア ムガ ソリ ン(高 揮)、軽 油、 プ レ ミア ム軽油、 灯 油 の4 種 の品 揃え が最 低 限 必要 と な る11。 系 列に 属す こ とは、ノこ れら の ライ ン ナ ップ を 含 めた安 定供 給 が保 証 さ れる が 、非 系 列( 価格面 で の優位 性を 前 提に し た機 会主 義 的 調達 行 動) で は別 途調 達 効率 の問 題 が生 起 す る。 す なわ ち並 揮に おけ る商品 調 達に おい て は販 売 に 見合 っ た数 量 的調 達が そ の主 題 とな るが 、プ レ ミア ムガ ソ リンや 軽 油等 の販 売 は、 そ の販 売 構成 に おい て11.7%、15.9% に留 ま り、並 揮 の28.6% 、38.9%に 過 ぎな い た め、 ライ ン ナ ップ の 構成 上、 数 量 的調 達 に 加え て調 達効 率 の問題 を 克 服す る必 要が あ る(各 数 字 は助 全国 石 油協 会(1996 ))。 (3 ) 商 標 機 能 (brandequity) こ こ で い う 商 標 機 能 と は 、 先 に 述 べ た 狭 義 の 商 標 機 能 で あ る ブ ラ ン ド エ クイ テ ィ(brandequity ) と し て の 商 標 機 能 で あ る 。 ブ ラ ン ド エ クイ テ ィ と は 、 ① ブ ラ ン ド`・ ロ イ ヤ ル テ ィ、 ② ブ ラ ン ド 認 知 、 ③ 知 覚 品 質 、 ④ ブ ラ ン ド 連 想 、 ⑤ ネ ッ ト ワ ー ク 等 の ブ ラ ン ド 資 産 を 指 す 。 ブ ラ ン ド は 、 顧 客 が ブ ラ ン ド に 関 す る 巨 大 な 情 報 を 解 釈 し 、 処 理 し 、 所 蔵 す る の に 役 立 ち 、 顧 客 の 購 買 決 定 と 使 用 に 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る 。 ブ ラ ン ド は マ ー ケ テ ィ ン グ ・ プ ロ グ ラ ム の 効 率 や 有 効 性 、 ブ ラ ン ド ロ イ ヤ ル テ ィ 、 価 格 ・ マ ージ ン 等 を 通 し て 競 争 優 位 の 源 泉 と な る (Aaker (1981 )p21 ,22 )。 し か し な が ら 現 在 で は 、ss の 大 半 が13 元 売 の サ イ ン ポ ー ル を 掲 げ 、 元 売 ご と に 統 一 的 塗 装 が 施 さ れ て お り 、 サ イ ン ポ ー ル の 有 用 性 を そ の ま ま 問 う こ と は き わ め て 難 し い 状 況 に あ る 。 し か し 後 に 詳 述 す る よ う に プ ラ イ ベ ート ブ ラ ン ド (PB:privatebrand) の 拡 散 は 、 ナ シ ョ ナ ル ブ ラ ン ド (NB:nationalbrand) と し て の 元 売 ブ ラ ン ド ( サ イ ン ポ ー ル ) の 商 業 的 価 値 を 認 識 す る 機 会 と な る こ と が で き る。 こ こ で い う 商 業 的 価 値 と は 、 サ イ ン ポ ー ル が 保 証 す る 品 質 そ の も の 確 か さ ( 機 能 リ ス ク:functionalrisk )と 購 買 リ ス ク( 社 会 心 理 的 リ ス ク:psychologicalrisk )の リ ダ ク シ ョ ソ(reduction) 等 先 に 述 べ た 競 争 優 位 の 源 泉 か ら も た ら さ れ る 効 用 で あ る ( 小 鴬 (i99i) )>. 小 鴬 に よ る 米 国 及 び 我 が 国 の 比 較 調 査 で は 、NB 間 の ブ ラ ン ド の 差 違 は 有 為 で は な か っ た が 、NB はPB と の 関 係 で は 有 為 と い う 結 果 が 出 て お り、 消 費 者 の 購 買 先 選 択 行 動 に 明 ら か に 影 響 を 与 え
石 油 流 通 と商 標 権 問 題 67 てい る こ とが 検証 され た13 さらに 物 理的 品 質の みを取 り上げ て も 「揮 発 油 等 の品 質 の 確 保 等 に 関 す る法律 」(品 確法)"の 元 では、 指定 業 者は 品質 管理 業務 を軽 減 す るこ と がで きる が 、 機 会 主 義的 購買 行動 を 行 うと すれ ば 、法 令に 従っ て品 質維 持義 務を 負 う15.同 時に サ イ ンポ ールの 維持 経費、塗 装お よび 維 持経 費 は、 当 然 自社 の コスト とな る。 こ (4)経 営 支援 機能 ① 専 門知 識 に関 す る 機 能 元 売 は、 各種 講 習 会、 研究 会 な どを 通 して 経営 者教 育、 後 継者 教 育、新 人 教 育、 従業 員 教育 等 の人に 関す る教 育 か ら軽整 備、 販 売 ノ ウハ ウな ど の専 門知識 提 供 まで 幅広 く経営 支 援活動 を お こな ってト る。 こ れは マ ニ ュアル の提供 、集 合 研修 、 検定対 策 、各 種研 究 会 から 販 売担当 者 に よる コ ンサ ルテ ィ ン グ まで の 幅広い 活動 に より構成 さ れる。 し 仮 に系 列に 所 属 し ない 場合 で も石油 商業 組合 な ど の活 動 に よっ て これら の 情 報( 知識 )は あ る程 度補 完 する こ と も可 能で あ るが、 専 門知識 につ い ては 今後 セ ルフ 化 か認 可 さ れた場 合に は、 給油 付属 サ ービ ス にお け る教 育 の必 要 性 の減少 を もた らす一 方 、cvs 併 設 な ど新業 態 の開 発 お よび拡 散 と継 続的 業 態 開発 (商 品開 発機 能) 等 の専 門知識 は 高 度化を 必 要 と す るこ とに な り、 系 列 の持 つ業 態 ( 商品 ) 開発 機能 の遂 行は 重要 にな る。 ② 業 務 改善 支援 機 能 事後 調 整 が廃 止 さ れ ることに よって 、 経営 の自己 責 任 が貫徹 さ れ れば、 経 営 安定 化 支援機 能 はな くな る が、 競 争単 位 とし て の系列 店を 強化 さ せ るこ とに よる 戦略 的支 援 と し ての イソ セソ テ ィブ 方 式 は順 次 、マ ーケテ ィン グ戦略 に基 づい て準 備 され るこ とに な る( 小 鴬(1996a)p.23)。 イ ンセ ンテ ィブ 方式 は 、 全メ ンバ ーに 事 前告知 さ れ、 かつ 効用 を もた らす 単 位 で、 公正 に適 応 され る透 明な 仕 組 みで あ る必 要 があ るが、 現 在で は、 こ の透 明で 公正 なイ ン セ ン テ ィブ 方式 は 採 用 さ れてお ら ず、 後 述 する ように 不 当廉 売や 差別 対 価議 論を 巻 き起 こす 原 因 の一つ とな って い る。 このイ ン セ ン テ ィブ方式 は 、24時 間営業 へ のイ ン セン テ ィブや 増販 イ ソ セ ソテ オブ、POS 連動 や配 送 合理 化 イ ンセ ンテ ィブ な ど系列 強 化策 とな る。 系 列外 に位 置 す る こと は、 これ ら の業 務 改善 支 援資 金 の調 達 が事 実上 困難 にな る ため、 商 品調 達 活動 の中 で 価 格に 折 り込 まな くて はな らな く な る。 (5) 情報 機 能( シ ス テ ム機能 、 ネ ット ワ ー ク機能 ) 系列 は 情報 機能 とし て の役 割を 果 た して い る。 ここ でい う情 報機 能 とは 、元 売仕 様 のPOS を 始 め とす る業 務 効率化 に 関す る 情報 機器 の導 入 と支援 から 、顧 客 に便宜 性を 提供 す る 元売 主導 の クレ
68 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) ジッ斗 カ ード(proprietarycard) やプ リペ ード カ ードな どネ ット ワ ー クの効月]が もたら す情 報機能 を指 す。 さ らに業 務環 境に 関 す る業 界の動 向、 公衆 環境 に 属す る 政府 の 規制 と助 成 √金 融 情報等、 マ クロ環 境に 属 す る需 要動 向 な どの 情報機 能を 系 列は果 た して い る。ト 犬 (6) 金 融 機能 金 融機 能 は、 継 続的 取 り引 きを 前提 に成 立ず る「信用 」 と サイ ト の提供 で あ る。 具 体的に は手 形 取 引で あ り、末 締30 日現金 払 い な どの支 払契約 で あ る。 この契 約 は実 際に は 特 約店 ・ 販売 店の提 供 す る担保 を 裏 付け とし てい るが、 担 保差 人不動 産 の価値 下 落 な ども あ り√充 分 に担 保 が確保 さ れて い ない取 引 も多 い。 また 手形 取 引に 伴 う決済延 期 な どの金 融機 能 、 さ まざ まな 財 政支 援な ど の金 融 機能 か含 まれ、 これ ら の前提 とな ってい る のが系 列 とい う継 続取 引 であ る。 現 在 、決 済業 務 の合理 化 な どから 導 入が 進 めら れ てい るETS (electronictransfersystem) は こ の継 続的 取引 を 必 要 条 件 とし てい る16 し (7)そ の他 に 準拠(reference) と同一 視(identification)" ‥ ‥ ‥ ‥ 初期に 新 た な販 売方 法 な どに よって 成功し た業 者 は、 系 列 内に おけ る構 成員 の関 係か ら、 系列 内 に 収益 改善 の願望 な ど の方 向性を もた らす こ とにな る。 こ れを こ こで は 準拠 と 同一 視 と呼 んでい る が、 さまざ まな販 売 コ ソテ スト から 新 しい 販売 手法 に よる 経営 効率 化 の実 現 ま で幅 が広 い。 さらに 系 列 内業 者意 識 も無 視し 得 ない 共 通 意識 の醸成 に繋 が る。 準拠 と同一 視に つい ては 「経 済的 合理 性 を 追求 す る企 業 間関 係に どの 程度 妥当 す るのか 」( 高橋(1995 )、p65) とい う 疑 問 が 呈 さ れ て い る が、系 列 が築 き上 げ て きた 特 約店 めブ ラ ンド ロイ ヤル テ ィや系 列 意識 こそ が そ の まま商 標 の価値 と し て位 置づ け ら れて い るこ と も同 時に 事実 であ る。 ‥ 2. 商 標 問 題 生 起 の 背 景 ∧ まず 前項 に おい て 元売 の誘 因 スキ ーみを 通し て 元売 が石 油 流通 に果 たし てい る役 割を 整 理し た。 ここで はな ぜ 商標 が 現 在の 石 油流 通に と って 問題 とな って い るかを 、 需 給調 整 製 品( 需 給調整玉 ) に よる商 標機 能 の混 乱、 石 油 流通 が 機能 分担 にお いて 内包 す る流 通 サ ービ スの 迂 回性 、 事後調 整 の 廃 止な ど 従来 の系 列 間 関 係を 支え て きた 仕組 み の変化 、そ し て元 売 チ ャネ ル戦 略 と競 争 環境 の変容 か ら整 理 す る。
石 油流通 と商 標権問 題 69 2.1 需給 調 整製 品 に よる 商標権 問題 の混 乱 特 石法 廃 止 以 前に おい て は、製品 輸 入を含 め 、国 内 の製品 供 給は 、す べ て元 売各 社 に よっ て賄 わ れ て きた。 そ し て ガ ソリ ンに 関して はそ の需 要 の95% 以 上 がガ ソ リン ス タン ドCSS ) 経 由で販 売 さ れ、通 常 の 取引 に おい て は タン クロ ーリ ー(tanktruck )に よる 配送 渡 し、価 格 は配 送 渡し 価 格(DTW:dealertankwagon ) が基本 形 態と なっ てい るレ し かし 実 際には 石 油精 製 が装 置産 業 で あ り精 製 コス トが 稼 働率 に左 右 さ れ、安 定し た稼 動を 確保 す る ことに イ ン セン テ ィブ が働 く こ と、 さらに 気温 や天 気に 大 きく左 右 さ れ る灯 油等 と の連産 品で あ る こと な どから 、 生産 と販 売 に 乖離 が発 生 し や す く、 製販 ギ ャ ップ で あ る需給 調整玉 の発生 は避け る こと がで きな い。 需 給調 整 製 品 の販 売は、 製 油所 か ら商 社 な どを 経 由 して販 売さ れ る製油 所渡 し 製品 (需 給調 整 価 格A: ス ポ ッ ト:terminalspot )、油 槽所 から 引 き取 り業 者の タン クロ ーリ ーに よって 引 き取 ら れる 油槽 所渡 し製 品( 需 給調整 製 品B:rack )、 そし て 持ち 届ベ ースの小 口業 者間 転 売製 品 (小 口業 転 :配送 ノソ ブ ラ ソ ド 製 品:NBTW:nonbrandtankwagon )に 分 類 され る,8(【 図 表1 】 石油 製 品 の流通 経 路)。 製 油 所 油槽所 【 図 表1 】 石 油 製 品 の 流 通 経 路 商 標等 パ ッケ ージ ss 需給 調整 機 能A( ターミ ナ ル価格) 特 約 店 デ ポ 需給 調整 機 能B( ラッ ク価格) 需 給 調 整 機 能C ss 機 能遂 行 から 見 れ ば、 そ れぞ れ の価格 構成 は、 需 給調 整製 品A か ら 直接ss に 配 送 され る場 合 は、A 十A 機 能 遂行 費 十配送 費 に よって 価格 決定 さ れ、需 給 調整 玉B か ら の直 接配 送 さ れ る場 合 は、B 十B 機能遂 行費 十配送 費 に よ って構成 さ れ る。 需 給 調整C 価格 は、 ノンブ ラ ンド 価 格で あ り、DTW 価 格か ら 商標 等 パ ッ ケ ージ価 格( 既に 述 べた諸 誘 因 の総計 )を 差 し 引い た も のと な る。 基本 的に 価 格 は、そ れぞ れが果 た す 機能に よって 構成 さ れてい るが、 現 実に は 需給 調整 玉 は 、需 給 調整 の捌
70 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) け ロ(conduit)ゆ えに コスト 意識 が 希薄 で、 かつ ス ポット( 市場) 取引を 原 則 とす る がゆ えに 市場 誘 導型 価 格設 定 と な り、逆 にDTW は、 先 の元 売 の商 標 等 パ ッケ ージ取 引を 前 提 とし 、 コスト 連動 の コスト プ ラ ス型 価格 設定 とな ってい る。 しか し な がら こ の需 給調 整 製品 の持つ 最大 の 問 題点 は 、供 給元 証 明等 に よっ て もた らさ れて き た 小 売段 階(SS 段 階) におけ る完 全 系列 化状 況 と の矛 盾 であ る。 す なわ ちそ れ ぞ れが果 た して き た 機 能 が最 終的 に は 元売 の サイ ン ポニ ル が揚げ ら れ てい るss に納 入 さ れ、ss 段階 で ぱ どの経 路を 通 っ て きた製 品 (玉 ) な のか 、当 事 者以 外に は ま っ たく 判別 の でき ない 状況 ( 混乱 し た状 況)を も た ら すこ とに な る。 さ らに 通 常 のDTW の経 路 を 通 りな がら 需 給調 整的 、競 争 支援 的 、戦略 的 役割 を 果 たす 玉( 需 給調 整玉D )が一方 で は存 在し てい る19 こ れに よっ て卸売 段 階 におけ る機 能遂 行 がss 段 階 で は極 め て 透明性 を 欠 く結 果を もたら す こ とに な る。 すな わち先 に 系 列 の果 たし てい る機 能 と元 売 の誘 因 ス キ ー ムを 明確に し た が、 こ の需 給調 整 玉( 業 転玉) が 系列 内 で混 ざ り合 うこ とに よっ て、 元売 の商 標はss 段 階に お いて 混乱 を 引 き起 こ し てい る のであ る。 こ れ は元売 の商 標 パ ッケ ージそ のも のが運 用 面 にお い て 透明 性を 欠 く結果を 招 き、 同時 に、 購買 者 に よる商 標機 能 のフ リ ーライ テ ィン グを 起 こし てい る こ と意味 し てい る。 ま た元 売 が需 給調 整製 品を 戦略 的 に 系列 に 混ぜ 合 わせ るこ と は、系 列 内他店 の 収益 に よっ て、安 価 な 製品 供 給を 特定 の業 者に 与 え る結果 とな り、 そ の他 の系 列 内店 の卸 売 価 格に 相対 的に 商 標維 持費 が 過重 さ れる こ とを 意 味 し 、 系列 内流 通 業 者に対 す る 背信 行為 ともな る。 し か も業 転玉 の価 格は、 特 石 法 の廃止 以 降の 価 格 で比 較す る と特 約店 標準 仕 切価 格 と約6 ∼10円 の格差 があ り、 こ の 格差 は、 通常 のDTW を 商 標 等 パ ッケ ージ 価格 で購 入す る一 般 特 約店 やss に 不 公平 感を 引 き起 こす 原 因 とな って い る。 さら にDTW 経路 を 通る 需給 調整 玉D は、 事実 上識 別 が 困 難 な こ とから 、差 別対 価( 小売 段 階で は不 当 廉売 )とし て俎 上に あ が る基礎 とな る(【 図表2 】特 約 店 標 準価 格 と業 転 価格 推 移)。 元売 の示 す誘 因 はあ く ま で特 約店 に とっ て の期 待利 得 と 期待 損失 との関 係か ら捉 え ら れ、 この業 転 との 価格差 の拡 大 は期待 損 失 が期 待利 得を 上 回 る 状況 (系 列 参加 メリ ット の喪失 状 況) を作 り出 し 、 末 端ss に 系 列 外製 品 が流 れ込 む こ とに よ る商 標運 用 の混 乱を 生 み出 すこ とに な って い る ので あ るレ
110.0 105.0 100.0 95.0 90.0 85.0 80.0 75.0 70.0 石油 流通と商 標権問題 【 図 表2 】 特 約 店 標 準 価 格 と 業 転 価 格 推 移
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【 資 料 】 ガ ソ リ ン 価 格 は 日経 商 品 市 況{京 浜}、 日 石 価 格 は 、1996 年3 月 ま で 燃 料 油 脂 新 聞 推 定1996 年4 月 以 降 は 公 表 標 準 仕 切 価 格 、 単 位 / リ ッ ト ル 71 2.2 流 通 サ ービ スの 迂 回性 第2 の問題 は、 流通 サ ービ 不の迂 回性 であ る。 元 売 系列 が提 供 する さ まざ まな誘 因は 、 元売 が直 営ss を ほ と ん ども たず 、製 品を 流 通業 者 経由 で販 売 す る以 上、 系列 内業 者に よって生 産 ・形 成 さ れる 流通 サ ービ スの迂 回 性を その基 本 とし て成 立し て い る20。 既に 述 べた ように 元 売 は 、 先 に 述 べ た さ まざ ま な系 列 所属 の誘 因を 製品 供給 と と もに系 列 店に 対 し提 供し てい るレ すな わ ち元 売 の提 供 す る 製品 は、 製 品 そ のも ので はな く拡張 さ れた 製品 ( 商品A:augmentedproduQt ) とし て流 通 経 路 を 流 れてい く(【 図表3 】流 通サ ービ ス の迂回 性 )。 【 図表3 】流通サービスの迂回性十
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池 田(1991 )P.98 を 一 部 修 正72 経営 論集 第46号(1997 年12月) こ の 拡 張 さ れ た 製 品 は 、 流 通 業 者 か ら 消 費 者 に 販 売 さ れ る 時 点 で 、 さ ら に 流 通 業 者 に よ っ て 実 際 の サ ービ ス ( 流 通 サ ー ビ スA ) と し て 具 現 化 さ れ 販 売 さ れ る こ と に な る 。 こ の こ と は 元 売 が 商 標 の 価 値 を 具 現 化 す る た め に は 、 流 通 業 者 の 意 図 的 な 努 力 と 製 品 形 成 が 欠 か せ な い こ と を 意 味 し て い る。 こ れ は 先 に 示 し た 元 売 の 誘 因 に 対 す る 元 売 が 流 通 業 者 か ら 受 け 取 る 「貢 献 に 対 す る「 期 待 」」で あ る ( 風 呂C1968 )p.215 )"。 元 売 か ら 提 示 さ れ た さ ま ざ ま な ノ ウ ハ ウ は 、 系 列 内 業 者 に よ っ て 具 現 化 し 、 顧 客 に 提 供 さ れ て い る の で あ る 。 そ し て そ の 具 現 化 さ れ た サ ービ ス の 合 計 が 系 列 全 体 の イ メ ー ジ と し て 元 売 の 商 品 構 成 に フ ィ ード バ ッ グし 、 さ ら に 元 売 の 製 品 を 形 成 す る こ と に な る 。 こ れ が こ こ で い う流 通 サ ー ビ ス の 迂 回 性 で あ る22。 こ こ で 問 題 と な る の力≒ フ ィ ール ド サ ー ビ ス ( 流 通 サ ービ スA ) の 系 列 内 格 差 の 大 き さ と 標 準 化 の 遅 れ で あ る。 小 鴬 (1996b ) に お い て 指 摘 し た と お り、 傘 下 の 流 通 業 者 の 販 売 施 設 や サ ー ビ ス 実 現 能 力 は 大 き な 格 差 が 存 在 し 、 同 じ 元 売 系 列 に 所 属 し て い る か ら と い っ て 元 売 は 製 品 の 物 理 的 品 質 と ク レ ジ ッ ト カ ード 取 り 扱 い な ど の サ ー ビ ス 以 外 標 準 化 し て 顧 客 に 提 供 す る こ と ぱ で き な い 。 顧 客 は 、 購 買 時 点 に お い てss か ら 提 供 さ れ る サ ービ ス に つ い て は 元 売 の サ イ ン ポ ー ル で は な く 、 業 者 の サ ービ ス 提 供 能 力 に 頼 る こ と に な る 。 こ の 拡 張 さ れ た 製 品 レ ベ ル に お け る 標 準 化 の 遅 れ が 、 商 標 問 題 の 認 識 を 難 し く す る 要 因 と な っ て い る23。 ま た 我 が 国 の ガ ソ リ ン 流 通 構 造 は 、 元 売 と 直 接 契 約 を 持 つ 特 約 店 と サ イ ン ポ ー ル を 掲 げ 商 標 の 使 用 権 契 約 を 交 わ し て い る が 元 売 と 直 接 的 な 売 買 契 約 を 持 だ な い 副 特 約 店 ( 三 者 ) に よ っ て 構 成 さ れ て い る 。 副 特 約 店 ( 販 売 店 ) が 同 じ 商 標 を 掲 げ て い る か ら と い っ て も 元 売 系 列 に 対 す る 意 識 は 希 薄 で あ り 、 販 売 店 に と っ て は 特 約 店 が 事 実 上 、 元 売 の 役 割 を 遂 行 し て い る ( 小 鴬 (1996b ))^*。 こ の こ と か ら 流 通 サ ー ビ ス は 元 売 と 直 接 契 約 の あ る 特 約 店 と の 間 の 迂 回 性 と 特 約 店 ・ 販 売 店 間 と の 迂 回 性 と い う複 数 の メ テ ッ プ を 持 っ て い る と い え る 。 特 に 大 特 約 店 主 義 を 採 用 し て い る 系 列 や 商 社 依 存 度 が 高 い 系 列 で は こ の 傾 向 が 顕 著 で あ り、 元 売 と の 経 路 が 短 縮 さ れ リ テ ー ル デ ィ ー ラ ー方 式 が 採 用 さ れ て い る エ ッ ソ 石 油 と は そ の広 義 の 商 標 の 持 つ 意 味 が 異 な っ て い る(【 図 表4 】 元 売 別ss 構 成 比 ) .実 際 に は こ の 迂 回 性 は 末 端 に お い て 提 供 さ れ る サ ー ビ ス の み で は な く 、 債 権 管 理 、 支 払 い 方 式 な ど 契 約 全 般 に ま で 広 範 に わ た り 、 先 に 示 し た 契 約 や 諸 誘 因 と 商 標 権 の 認 識 を 希 薄 な も の に す る こ と に な る 。 ト さ ら に 大 手 特 約 店 は 、 単 一 の 元 売 と 契 約 し て い る の で は な く 、 複 数 の 元 売 と 契 約 し 独 自 にss 網 を 構 築 し て い る 。 先 に タ レ ジ ット カ ード の取 り 扱 い を 標 準 化 の 一 つ と述 べ た が 、 こ の 大 手 特 約 店 で は 、 実 際 に サ イ ン ポ ール を 掲 げ た 元 売 の ク レ ジ ッ ト カ ード の み で は な く 、 特 約 店 が 契 約 し て い る複 数 元 売 の カ ー ド を 使 用 す る こ と も 可 能 で あ り、 こ の 種 の 特 約 店 で は 流 通 サ ー ビ スA は 、 元 売 の範 躊 を 越 え 、 特 約 店 の 独 自 性 が 強 ま る こ と に よ っ て 、 流 通 サ ー ビ スB と コ ソ フ リ ク ト を 起 こ す こ と に
石 油 流 通 と 商 標権 問 題 よって 、 商標 に 関す る認 識を さらに 複 雑に す るこ とに な る26レ 【 図表4 】元売別ss 構成比
社有ss
特 約店ss 販 売店ss 日本石 油 24.3 42.6 57.4 出 光興産 20.8 51.1 48.9 昭 和 シ ェ ル 25.0 50.6 49.4 コ ス モ 石 油 17.2 43.2 56.8 J エ ナ ジ ー 25.4 36.1 63.9 三菱石 油 28.1 40.8 59.2 モ ーt:'/レ 15.0 57.2 42.8 エ ッ ソ 石 油 28.2 86.5 13.5 ゼネラル 20.1 66.2 33.8 キ グ ナ ス 16.8 48.8 51.2 九州石 油 7.1 13.4 86.6 太 陽石油 11.3 39.8 60.2 三菱石 油 31.1 73.3 26.7 合 計 22.4 48.1 51.9 注 :ss 比 率 は 、1996 年3 月 末 現 在 。 社 有ss 比 率 は 、 上 下 社 有 と 上 物 の み 社 有 の 合 計 。 三 井 石 油 のss 数 は 他 社 マ ー ク も含 め る。 【 出 典 】 月 刊 ガ ソ リ ン ス タ ン ド (1996 年9 月,p.145 ) を 加 工 し た も の 。 73 2.3 調 整 機能 の 不 能と 差別対 価 特石 法 廃 止 に 伴っ て元売 各 社は、 ガ ソ リン収 益 依存 型 の価 格 体系 から 国際 価 格体 系 に 移行 す るの に 伴い 、 事 後調 整 と 各種 イン セツ テ ィヅ の廃 止を 打 ち 出し た。 事後 調整 は、 系 列が 競 争 単位 とし て 存 在し 、 元 売 と系 列店 が 相互 の経営 安定 機能 を 果 たし て き た系 列維 持策 の中 心 的施 策 の一 つ であ っ た。 同 様 に 各 種イ ン セン テ ィブ は、 系列 の競 争力 増 強 の方 向 性を 示 し、 かつ 系 列店 の経営 努力 に 対 し よ り具 体 的 な方 向を 示 す役 割を 担 っ てき た。 し かし な がら 事後 調 整や 各 種イ ン セ ンテ ィブ は同 時 に 、建 値 に 対 す る個 別対 応型 の価格 調整 の主 な 手 段 とな り、 し か も個別 対 応型 ゆ えに 不 透 明で不 公 正 な商 慣 習 とし て 業 界 の悪弊 の代表 とし て の側 面を 併 せ 持 った チ ャ ネル管 理 の手法 で あ った。 ま た競 争 環 境 の側 面か ら 言えば、 事後 調 整 が個 別対 応 を 基礎 とす るがゆ えに 経営 の安 定機 能や 市 況対 応 の バ ッフ ァ(buffer ) とし て の役 目を果 たし てい た がゆ え に、 過多 なss が 極 めて 小 さ な 差 別化 の も と市 場に 存 続 でき る状態を 維 持し て きた の であ る。 こ れ は一貫 し て拡 大 す る需 要 と販 売量 格差 の無 いss 群 ( 低集 中度 販路) を 前提 にし て き たシ ス テ ムで もあ る。74 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 競 争 が 価格 に収 斂す る業 界であ る以 上 、チ ャネル 内 の コソ フ リ クト(conflict)は 同 様に 価 格に 収 斂 する。 そ れ ゆえ に チ ャネル 関 係の維 持 は 「市 況下 落、 収益 の 悪化、 仕 切価 格 への 不 満( コソフ リ クト の発生 )、 仕 切調 整、 支援 、 不満 の 解 消 と関 係強 化( コソフ リクト の解 消)] とい う極 め て 日本 的 な信 頼 関係 のル ープ に よっ て行 わ れて き た。 あ え てこ の シス テ ムが、 日本的 信頼 関 係を 前提 とし た ル ープで あ る とい う のは、 競争 す る市 場 が同 じ であ っ て も、 はじ めか ら外資 系 、 商 社系 な ど と仕 切 り格 差 が存 在し 、そ の格差 とそ れに 対 す る 不満を 前提 とし て こ のシ ステ ムが成 立 し てい る ことに あ る。民 族 系 の場 合 は特に 、 仕 切価 格は 市 場競 争力 のあ る状 態 (満足 し た状 態) で 提供 さ れ るの で は な く、 は じ めか ら 「不 満 のあ る もの」 とい う認識 を もっ たま ま提示 さ れて き た。 ゆえ に 不満 は存 在 する が、 い ず れ解 消さ れる も のとい う曖 昧な 状 態( 日 本的 甘 え:決 し て悪い よ うには し ない から 信 頼七 てほ しい とい う状 態) がチ ャネル交 渉 のス タ ート とし て存 在し え た ので あ る≒ そ れ ゆ え に 系 列店 は、 仕 切調 整や 支 援に よって不 満を 解消 で き ない 場合 に はじ めて、 系 列外 の 低価 格 の製 品を 手 当 て す る機 会主 義的 行 動を と って きたレ 結果 的に こ の他社 買い は、 系 列 内取 引 量 の低 下を 招き、 再 度 仕 切 り調 整を 誘発 す る圧力 とな り、 何ら か の調 整 が 行わ れ るこ とに よっ てこ の 状態 は 解 消( 中 和 ) さ れ るこ とに な る。石 油 精製 が装 置 産業 で あ る以 上 、販 売 量 の減少 は、 コ スト の上 昇 に直 結す る ため に、 長 期間 放置 す るこ と はで きな い。 だ から こそ 時期 は ど うあ れ、 何ら か の調 整 が なさ れ る こ とに よって 、系 列外 取引 は 通常 絶え ず一 時 的 な も のに 留 まっ て きた。 十 七 かし な がらSS 販 売 量 の規 模格差 が 進行 す る こ とに よっ て、 チ ャネ ル政策 の前 提は 崩 れ、 か っ て のss 数 中 心発 想に 支え ら れ た分散 的 な販 売 経路 は 見直 し を迫 ら れる こ とに な る。 規模 格差 が少 な い 場 合に は、 販 売 の配 荷店 の数 がそ の ま ま元 売 の販 売 量 の格差 に直 結し た が、 規 模 格差 は配 荷店 数 の意義 を 急 速に 風化 させ る こ とにな る。 一 部 のss 群 が大 き な販売 量を 誇 り、 集中 的 な 販路 政策 が可 能に な れ ば、 先 の日 本的 信 頼関 係の ル ープ はそ の存 在基 盤を 失 う丿 し か も販 路 の 集中 度 が増加 す れば、 日本 的信 頼関 係 のル ¬プ そ のも の が、 価 格交 渉力 を 増し た系 列店 に よ って 、 元 売 の 収益を 圧 迫 さ せる こ とな しに ル ープ は完 結す る こ とが 出来 な い28 こ の ように元 売 の個 別 対 応 とい う取 引 条 件 の非 標 準化 戦 略は 、低 集中 度 販路 で は 有効 であ って 乱 高 集中度 販 路 の形 成 に よ って 運用 は困 難 に な る のであ る(住 谷(1992)p.82-83)。 事後 調整 と 各種 イ ン セン テ ィブ の廃 止 に よっ て、 リ ース料 な ど の負担に 耐え ら れな くな っ た社有ss の返 還 が1996年 半 ばか ら 相次 いだ 。 元売 は 精製 の稼 動を 確保 す るた めに は、 返 還 脊れ たss を 含 め て、 新 た なss 網 の再構 築を 目指 す 必要 が で て きた。 さ ら に特石 法 の廃 止 が現 実化 し 、 セルフss の認 可 が ス ケジ ュ ールに 上 るこ とに よ って 、新 規参 入者 が増 加し 、 さらに 新 設ss な ど の販売 促 進 策 が市 況を 軟 化 させ てい っ た。 こ の市 況軟 化に 対 し て事 後 調整 の廃 止決定 は、 仕 切 り価 格へ の 不 満 を 解 消す る手 段を 一 時的 に せ よ失 い 、系 列 店 の 他社買 い の 誘発、 元売 の系 列 内販売 量 の 減少 と
石油 流通 と商標権問 題 75 い う調 整 圧 力 が再 度機 能す るこ とに な った29 元 売 は 自社 の 子会社 網 の活用 に よって 返還 さ れ たss を 中 心 にss 網 の再構 築を お こな うと と も に 、 相次 く 閉 鎖に 対し て シェ ア( 販売量 )を 維 持 しな がら こ の再構 築を 実 行す るた めに 、ss の選 別的 支 援 を 推 し 進めて い る。ss の選別 化 は基 本 的に は事 後 調整 な ど支 援 先 の選別 で あ り、 選別 的 援 助 は混 乱 し た市 況を 結果 的に 是認し、 そ の対 抗 策 から 各地 で 乱売 合 戦を 深化 さ せる とい う事態 を 招 い てい る、 ニ 結果 的 に 事後 調 整 の廃止 は、業 界の競 争 環境 の変 化 を受 け 、ss 選別 化、 特 約店 の選 別 化政 策 へ と元 売 の戦 略を 転 換さ せ、 結果 的に価 格体 系 の透 明性 を 目指 し た新 価 格体系 は より不透 明 で 不公 平 な シ ス テ ムを 生 み出す こ とに な った。厳 し い価 格 競争 の中 で 、業 容 の 維持に 価 格競争 力 が鍵 とな る 業 界 で あ る以 上、 仕切 格差 は、多 くの零 細業 者 の経 営 の維持 を 困難 にし 、 結果 的に 廃業 に 追い 込 む 危 険を 持 っ てい る。 「市 場 に よる 選択」 こそ が自 由化 の基 礎に な く て ぱな らな い が、 元売 の価 格 政策 が選 別を 基 本 と し 、 元売 の選 別 から漏 れ るこ とは業 界 内で の存 続 をそ のま ま危 うくす る状況 と なる。 公 平 で透 明 な 価 格 シ ステ ムの構 築 が成功 しない 状態で の 事後 調 整 の廃 止は 結 果的に 「元売 の 選択」 が 「市 場 の 選 択」 に 変 わ る 状況を 作 り 出した。 この危 機 感 が共 同購 入 へ の各石 商や 石協 の取 り組 みを 誘 発 し てい る の で あ る。 事後 調 整 が あ れば、結果的 に仕切 価 格は調 整 さ れ、最終 的に は差 別 対価 は解 消さ れ る が、事 後 調整 の 廃 止に よっ て、選別 化に よる差別対 価 が温存 さ れ る結 果 とな って い る。こ の状 況は、さ ら に 販売 店 等 を業 転 購 買 に走 ら せる 結果 となった’0が、 分散 的 販 路政 策 の転換 に よる 選別 化か 進 行 す る と、 こ の 系 列外 購 買 が、 市況 対応 を誘 導す る誘 因 は 減少 し 、差 別対 価 は結 果的 に 温存 され る こ とに な る≒ 2.4 集 中 的 販 路の登 場 と競争 環境の 変 容 現 在 、 セル フ サ ービ ス形 態 のss の解 禁が 行 わ れ よう とし てい る。 セ ルフ サ ービ スss の登場 は 、 か っ て 人的 サ ービ スが差別 化 の鍵 とな っ て きた業 界 に 規模 の経 済性 が 働 く業 態 が登 場 す るこ とに な る 。 セ ルフ な ど大 き な販売 力を形 成で き る立 地 と設 備を 持 った 業者 は、そ の投 資規 模 から し て需 要 の拡 大 が期 待 で きない 市 場に おい ては 競 争相 手に 影 響を 与 えず し てそ の投資 を 回収 す る こ とは で き な い 。一 方 、 中 小 の販売店 が この日本 的 信頼 関 係 のル ープに 従 って存 続す るこ とが 出来 れぼ 、 こ の 種 の 投資 は 逆 に不 可能 と なる。 ゆえに セ ルフ な ど の大 量販 売 と大 規模 化を 前提 とす る新し い 業 態は 、 業 界 の競争 環 境を 大 きく変 え るこ と無 し に成 立 す るこ と はで きな い のであ る。 米国 式 の「強 い も の が 勝 ち、 弱 い も のが業 界 から撤 退す る」 とい う極め て デ ジ タルな 環境 がそ の投 資 の裏 側に 必 要 とな る。 し かし 中 小業 者 も石 油販売業 を生 業 と す る以上 、 簡 単に は市 場か ら 撤退 す るこ と も出来 な いた
76 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) めに 、 ア ナロ グ的 (日本 的) な 支援 策を 元 売に 求 めて い く ことに なる。 この双 方 の 価値 観 が混 在す る こと に なれば 販売 業 界全 体が 疲弊 から 逃 れ るこ とは で きない 。 価 格 が 現在 の よ うに決 定的 に 消費 者 の購 買 選択 動機 として 機能 す るとす れ ば、 価 格差 は今 後 と も 消費 者 に も販 売業 者に も容認 さ れ る ことは な い。 そ れゆ え業 態 間で明 確 な コス ト構 造 の差 が さらに 進 行す れば、 元売 の流通 業 者に 提供 で き るマ ージン 幅は 縮 小し、 低 コス トを 実 現で きる業 態を 基 準 に提 示 が され る ことに な る。 さら に セルフ化 の進 行は 、先 に 述べ た系 列 の 流通業 者 に よっ て賄 われ てい る 流通 サ ¬ビ スが系 列 全 体に 効 用を も たらす 役割 を 減少 さ せ るこ とに なこる32. こ れは精 製 ・元売 に と っ て は サ ¬ ビ ス の 迂 回 性を 排し、 自 社の マ ーケ ティ ン グ戦 略 を末 端 ま で反 映 させ るこ とが容 易に な るこ とを 意 味し てい るの で あ る。 犬 3 . 商 標 権 の 厳 格 運 用 と 競 争 環 境 整 備l 以 上 の考 察か ら 明らか なよ うに石 油 流通 の 健全 化 と競 争環 境整 備に は、 まず 商標 権 の厳 格運 用 が 必 要 と な る。 既 に繰 り返 し述 べ て きた よ うに 精製 に とっ て需 給調 整製 品 自体 は 、精 製 産業 の稼 働率 確保 に対 す るイ ン セン テ ィブ や 季節 変 動な どに よる 製販 ギ ャップ とい う精製 産 業 の特 質 から 必然的 に発 生 す るも ので あ り、 そ の存 在そ の ものを 否定 する こ とは 出来 ない。 問 題は 、 流 通段 階に おい て 商 標権 の 運用を 歪 め る形態 で こ の製 品 が流 通し て きた こ と と、需 給調 整 の捌け ロとし て の位置づけ か ら コ スト 意識 ( ビ ジネ ス マ イ ン ド ) が 欠 落 し て き た こ と に あ る。 以 下 で は ま ずPB (PrivateBrand: プ ラ イベ ―ト ブ ランド) の拡 散 と 商標 権 の厳 格運 用 が元売 及 び流通 業 者 に与 え る 影 響 を述 べ た後 、 競争 環境 整備 に対 す る方 向 性 の考 察を 行 う。 3.1PB チ ャネ ルの成 長 と商 標権 △ 一 般 の製 品 と同様 に ガソ リン も製 品 名で 購買 さ れ るジ ェ ネ リッ クブ ランド(genericbrand) とし て の販売 か らは じ ま り、 メ ーカ ー( 精 製) の安 定 的 販路 獲得 政 策 を 中 心 と す る マ ー ケテ ィ ン グ ・ チ ャネ ル化 の進行 に よって 系 列化 が進 め ら れて きた。 既 に 述 べた よ うに メ ーカ ーが流 通 業 者 の機 会 主義 的 行 動を 排し 、 自社 の販 路 とし てい かに 流 通業 者 の危 険 負担 の もと4 こ の流 通業 者 に 操作 性を 付与 す る かが、 そ の チ ャネル 政策 の核 心 であ っ た。 こ のマ ーケテ ィ ング ・チ ャ ネル 政策 は 、経営 の 相 互安 定 機能 に形 を変 え、系 列 は相 互 の経 営安 定 の ため の バ ッフ ァ(buffer) とし て機 能 して きた。 我 が 国 の戦後 ガ ソ リン流通 に おい て は、 こ れに 法 律的 、 もし くは 政策 的裏 付け が後 押し し た。 特に 揮 発 油販 売業 法 の もとで の供 給 元証 明 は、 一 次全 国に 拡 散し た無 印 の系 列化 を 促し 、 販 売業 界 の秩 序 を元 売 系 列に求 め た典型 で あ った。 機会 主義 的 行動 七あ るフ ライ バ ードブ ラ ンド ぱ 、 こ の制度 の
石 油 流 通 と 商 標 権 問 題 77 下 で は、 絶 え ず法 律上 は存 在しな い裏 の存 在 であ った ので あ る。 し かし な がら 特石 法 の廃 止に よる供 給 元 の多 様化 の是認 と供 給 元 証 明 自 体 が 廃 止 さ れ る こ と に よっ てこ のPB を取 り巻く 環境は一 変 す る こ と に な っ た33. 全 国 へ の 店 舗 展 開 を 前 提 と し たPB ( マ ー ケテ ィ ン グカン パ ニ ー:marketingcompany )の登 場34は 、1996年3 月 に ダイ エ ーと丸 紅 の 共同 出資 に よる [ ダイェ ーガ スステ ーシ ョソ] に 始 ま り、 ジ ャ ス コと三菱 商 事提 携に よる 「 ペト ラス」、 全 農 の「JA −SS 」35、伊藤 忠燃料 の 「忠 ボ ーイ 」、丸 紅 エ ネル ギ ーの「ナ ヴ ィ」 と相 次い でss 展 開を 開始 し てい る。 さ らに メジ ャ ーのBP (BritishPetroleum ) が 群 馬 県 の ス ー パ ー 「ペ イ シ ア ( 旧い せや)」 と提携 し、ss 展 開に乗 り出 すこ と36が決 ま りPB の拡散 は急 速に 進 展 しつ つ あ る3TPB の進展 は 、 競争 環境 の整備 に2 つ の 意味 で大 きな変 化 を もたら す。 第1 は、\PB の拡散 に よる需 給調整 製 品 の正 規流 通 ル ート の 確立 であ る。PB ル ート の拡 散、 すな わち系 列外 玉 の拡 散 は、 従 来 の よ うに 需 給調 整ゆ え の 「捌け ロレ とし て の認 識を もは や通 用し ない ものとす る。 マ ーケテ ィ ン グ・ カン パ ニ ーは 、基 本的 に 輸 入を 含 め 複数 の元 売等 との取 引を 前 提に 価 格を 基 準に 機会 主義 的 調 達 行動 を 取る ため に、 従来 の精 製 ・元 売 と は 異な っ た コス ト構 造に よって 支えら れた 会 社で あ る38。そ れ ゆえに 精 製 ・元売 が「捌 け 口」とし て コ スト 意識 の 希 薄 な状態 を 維持す れば、 元 売業 者 間 の競 争 は 解き 得ぬ 矛盾 を包 括 する こと にな る。 そ れゆ えに 需 給調 整玉 に コスト要 因を 出現 さ せ、PB の発 展は ビ ジ ネス マイ ンドを 醸 成 す るこ とに な る。 当 然、PB が発 展す れ ば、そ の扱い 量 は、 需 給 調 整玉 の範 躊を 越 え、 系 列外 製品 の流 通量 を 拡 大 させ る が、 需 要 の急速 な 伸び が望 めない 以 上、 系 列 内製 品 の減 少を 同時 に もたら す こ とから 、 系 列 外 玉 の供 給 に 支障 が 出る こと はない。 仮 に 国 内 の精 製元 売か ら充 分 な製 品供 給 が受 け ら れ ない とし て も、 世 界的 な精 製能 力 の過剰 から 輸 入が 促進 さ れ る要 因に 繋 が るだけ で、 精製 に とっ て は、 そ の 供給 を 押さ え る こと の メリ ットは存 在し な い。 こ の よ うにPB ル ート の確立 と拡 散 は捌け ロ のた めに 七=・スト 意識 が希 薄 であ っ た製 品 か ら、 コス ト 要 因を 出 現 さ せ、 ビジ ネ スとし てのPB の 開発 に つ なげ るこ と がで き る。PB ル ート の 確立 は、 こ の コスト 意識 ( ビ ジ ネ スマ イ ンド の形 成) に よっ てPB とNB の価 格差 は市 場 に よ り健全 な もの に 移行す るこ とが 期待 さ れる。 す な わちP お は、 コスト プ ラス的 価 格 設定 と市 場 価 格設 定 の調整 役 の機 能を果 た すこ と が期 待 さ れる ので あ る。 さら にPB の 登 場に よっ てPB とNB 間 の競争 が 出現 し、 初め てNB の 意味 が見 直 さ れ、ブ ラン ド機 能 の機能 の 確 立、 系 列 内機 能 の見 直し を 誘 導す るこ とに なる。 第2 にPB の発 展 は、 販売 業者に と って 供 給 ソ ース の 選択 肢 の 拡 大 に 繋 が る 。PB は 、 マ ー ケ テ ィ ング ・ カン パ ニ ー(PB チ ェ ーン) が 、 製品 の安 定供 給 機能 を遂 行 す るこ とに よっ て、 精 製 ・
78 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 元売 の販売 ル ート の把 握に 不 完全 性 を も たら す。 こ の不 完 全性 こそ が、一 般 販 売業 者 がPB チ ェ ー ンに 参 加 する しない に 係 わら ず、 販 売業 者 がPB チ ェ ーン から の製 品供 給を受 け ら れる 基 礎 とし て 存 在す る。 そ れゆ えに 元売 は、 そ の商 標運 用 を 厳 格に す る必 要に 迫 ら れ、 現 在問 題に な っ てい る 需 給調 整玉 の末端 段 階で の コン タ ミイcontamination) の状 態を 放 置す る こ とは出 来な く な る。商標 権 が厳 格に 運 用さ れ るこ とに よって、 確かに 防 衛 とし て 安 価 な業転 玉を 調 達し て きた業 者 に と って はこ の調達 が 不可 能 にな る が、同 時 に元 売 も こ の厳 格運 用 に よっ て系 列外 製品 に対 す る施 策を 必要 とす るこ と に なる 。 ニ1996 年8 月 から 山 口県 石 油協 同 組合 で 実行 さ れ てい る他 、 他の石 商、 石協 に おい て共 同 購 入や斡 旋 事業 が 検討 さ れてい るが39、共 同 購 入や 斡 旋に よる製 品 は、 元売 サイ ソ ポ ール の も と 販 売 さ れ る べ きでは ない 。元 売 の サイ ソ ポ ール の もと こ れら の系 列外 製 品が販 売 され れば 、 業 界 の競 争環 境に 何ら の変 化 も もたら す こ とはな く、た だ 混乱 を 招 くの みで あ る40。共 同 購入を 健 全 に 発展 さ せ 、新 た なPB を 確 立す るな ど健全 な競 争 環境 を 構 築す る ために も、 明確に 独 立系 とし てこ れ ら の製品を 扱 うこ とが 重 要であ る。元 売 め販 売 拠点 の選 別化 か急 速 に 進行 してい る以上、 販 売 業 者 は 自ら の意志 を 明 確に 示 すこ と が極 めて 重要 で あ る。 既 に述 べ た よ うに 元 売 の販売 拠点 の 選別 化 は差 別 対 価を 推 進さ せ るこ とは あ って も透 明化 ・公正 化 へ の誘 因 とし て は機 能し ない。 競 争環 境 が デ ジ タル な競 争 環 境 へ方 向 転換 し てい る以 上、 従 来 の 日本 的 信頼 関 係を 基礎 にし た調 整を 期待 す るこ と はで きな い。 そ れゆえ に 健全 な 独立 経営 を 支え る共 同 購 買 事業 が 今後重 要 な選 択肢 とな る の であ る。 4. 系 列 内 関 係 の 見 直 し と 元 売 ブ ラ ン ド 戦 略 商標契 約が製 品 の売 買契 約 とし て 整 理さ れ れ ば次に 元売 は系 列内 関 係の見 直 し とブ ラン ド戦略 の 再 構築を 行 う必然 性 が生 まれ て くダる。、す なわ ちブ ランド 価値 を 高め るた めに は 従来 の よ うに 単一 ブ ラ ンド 内 でレ ベル 格差 が 大き く、 業 態 が渾 然 とし た状態を 克服し な くて はな ら ない 。 マ ー ケテ ィン グ・ カン パ ニ ーの登 場 は、 系 列外 流 通に 広 が りと厚 みを も たら す。 例え ば 、大手 商 社を 中 心 とし て特 約店 が 独 自ブ ラ ンド の 確立 に よる待 機能 力 の拡大を 果 た せば 、PB 自体 が、 従来 の二 次 的 ブ ラン ドとし て の 意識 で はな く 、プ レ ミア ムブ ラン ドとし て 確立 する ことを 可 能 にす る他 、 オ ート バ ッ クス等 の新 業 態 の確 立、 ダ イ エ ー等 大手 流 通業 者 のss 展 開は、 同 様に プ レ ミ ア ムブ ラ ンド群 を 待機 さ せる こ とに な り、ブ ラン ドを 取 り巻 く環境 と 意識は 、 現在 と大 き く変 容 せ ざ るを得 な いで あ ろ う。 また 同様 に元 売 から 離 れ た小 規模ss や共 同購 買に よる個 別ブ ラ ンドを 掲 げ て営業 を 維持 す るss も一 方で は存 在 し、 元 売 が 明 確な ブ ランド 戦略 を 構築 しなけ れ ば、 小売 段 階 で のブ ラン ド価 値 は陳腐 化 を逃 れ ない だけ でな く、先 に 述 べた流 通 サ ービ スの迂 回性 の 結果 、ブ ラソドモ
石 油流通 と商標権 問題 79 の もの が優 位性を 喪失 す る ことにな る。 ま た こ のブ ランド の見直 し はそ の まま系 列 内 関 係の見 直 しを も たらす こ とにな る 。 なぜ な らば ブ ラン ド の確立 は、 既に 述 べ た ように 標 準化 を 促 進す るこ と無しに 不 可能 であ り、 標 準 化は 系列 内業 者 との 関係 の見 直しを 意 味す るこ とに なる 。 ニ ここで 元 売各 社は まず マ ー ケテ ィン グ戦略 を 明確 にし 、そ の進路 を告知 し な くて は な らな い。 い かに 元売 と して誘 因を 提供 す るの か。 い かに し てそ の競 争 優位性 を 系列に よって 具 現 化す るの かを、 特 約 店に 明示 し な くては なら ない。 現 在 で も元売 子会 社SS (COCO:companyowncompanyoperated ) には最 低 マ ージン の 目 安 が与え ら れて い る場合 が多 く、こ れは 事 実上 固 定 マ ージ ンの コ ミッシ ョン セ ール ス化(commiss-ion ) して い る。先に コスト要 因 の効い た需 給調 整玉 やPB と市場 価格 の連携 を述 べ た が 、この 固定 マ ージ ン方式 は 、同 様に マ ージン の指 標 化に も 寄与 す る。 ま たブ ランドを 基 軸に し た 標 準化 は、 特 約 店所 有 ・ 特約 店運 営(DODO:dealerowndealeroperated )のss のフ ラ ンチ ャイ ズ化を 促進 す るこ とに な る。 そ し て この標 準化 には、 取 引条件 が公 正で かつ 透 明な 状 態で示 され るこ とが前提 と な る。 需 給調 整 玉 の系 列 から の除 去を は じめ として 、 こ の商 標権 の厳 格運 用に は、当 然 のこ とな が ら契 約履 行 状 況の 監 視を 厳格 に行 う必 要 があ る。 こ の監 視は 元売 から 系 列業 者 への一 方的 な もの で はな く、 あ く まで 双 方 向的 でな くて はな らない。 監視 な くし て この 厳 格運用 が成 立し ない ように 、 相互 監 視を 行 うた めに は、そ の土 台 たる 取引条 件 は当 然 透 明かつ 公 正な もので な くては なら ない 。 5. ま と め 現 在 の石 油 流通 が抱 える 商標 問題 の 根底 に は、 日本 的 な契 約 意識に 基づ く権利 と義 務 の意識 が欠 落し た 曖昧 さ、 甘 えが あるご し かし 本稿 は 、急 速 に変 貌 す る競争 環境 が、 いず れ の要 因 を とっ て も 極 めて デ ジ タルな 優勝 劣敗 を 基本 とす る競 争環 境 に 移行 しつ つあ る ことを 明ら かに し た。 こ の競 争 環境 の変化 の中で は、 もは や 日本的 信 頼関 係 の みに基 づい たチ ャネ ル管理 と 相互関 係が そ の基 盤を 喪失 しつ つ あ り、 精製 ・元 売 から末 端 の販 売業 者 ま で、 従来 の 価値 観に支 えら れた 経営 意 識を 基 礎 にそ の業 容を 維持 する こ と も発展す る こ と も出来 ない で あろ う。 契 約を媒 介に し た 権利 と義 務 を 明 確に す る 第1 は契 約 関係 であ る商標 問題 を 相 互に 整 理し 、 確認 する こ とに あ る。 こ の た めに は まず 元売 は 自 ら のマ ー ケテ ィン グ戦略を 明 確に 示 し、 生存 と発 展 の方 向 性をそ の系 列 内 の 流通 業 者に 明 確に 示 さ な くては なら ない 。 その上 で 、 販売 業 者は 、 自ら の経 営資 源を冷 静 に検 討 ・把 握し た上 で、 自ら の方 向性を 模索 する こ とがで きる。 石 油 審 議会 のと りまと めが 「自己 責 任」 を 取 り まと め原 則 の前提 に 挙げ てい るの は 、 自ら の 経営
80 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) の方 向は 自ら が、 自ら の責 任を 持 っ て選 択し 、そ の結果 は 自らが 責任 を負 わ な く て はな ら ない こと を 示 して いる。デ ジタル な競 争 環 境 の中 で、「自己 責 任」を こ れ以 上先 送 り七 だ アナ ロ グ的 意思決 定 を 行 えぼ 、競 争環境 は もは や業 容 の維持 だけ で な く、生 存を 保証 す るも の セは な い。 確 かに 、従 来 通 り元売 との ア ナロ グ的 信 頼 関 係に 自ら の経 営 体 の生存 と発 展を かけ る 選択 肢 も存 在す る が、そ の 時に は、 業 界から の進退 も、 消費 者 の選 択 (市 場 の選択) では なく、 元売 の選 択 に 任 せる こ とを 自 覚し てお く必 要があ る。 犬 し 確かに 商標 の厳 格運 用は 、一 朝 一タ に で きる も ので はな く、そ れを 許 す環 境 の整 備を 必 要 とする こ とも 事実で ある。 こ こで い う環 境 の整 備 とは 、 価格 情報 流通 の確保 な どの 制 度 的 要 因か ら取 引 の 透 明性 の確保 とい うビ ジ ネスプ ラ クテ ィス まで 数多 く の検討 項 目が存 在 し てい る。 し かし 現 在の競 争環 境は この 要因 がすべ て 揃 う まで 、多 く の業 者に とぅ て の現 状維持 を 保証 す る も のでは ない。 通 常 は 、新 たな 競争環 境 が先 に 有 り、 新 たな 制度 は後 か らや って くる こ とを 認識 し な くては なら ない。 〈 注〉1 こ こでい う平 時 とは石 油需 給 適正化 法に 規定 さ れてい る ような緊急時 以 外を 指 す。 流 通小 委員 会の とり ま とめ では「平 時に は市 場 メカ ニズ ムに任 せ、行政 は原 則とし てこ れに関与 す べき でな い。」と平 時行政 不介 入を 明示 し、行政 の関 与 の範囲 は 、競 争環 境の整 備な どに その重 点を移し た。(石油 審議 会石油 部会 石油流 通 問題 小委員 会取 りまと め(1997年6 月2 日)p.3)2 商 標権 問題に おけ る 議論 では 、元 売各 社は 、対 消費 者問題 と商標 の運営 単位 をそ の 焦点 とし、 販売 業者は 、 価格競争 力 の保証( 魅力 的で 合理 的な取 引 条件) を 中心 として おり、議 論 が必ず し もか み合 ってい るとは 言えない 。3 モ ータリ ゼーシ ョンが進 行し つつ あ った1900年 代初 頭の米 国に おけ る給 油施 設は 、 通常 自動 車修 理工場に 併設 された もの であ った 。1916年 には 全米 に18,500個所 の自動 車修理工 場 が存在 し 、そ のほ と んどがガ ソ リ ソの給油 、潤滑 油の 販売、 タ イ ヤの空気 圧調 整、 ラジエ タ ーの水の補 給を 行 って いた 。し かし 当時、 修 理工 場で の給油 が高く 付 くこと、 自動 車故 障の 原因を ガ ソリン のせいに す るこ とが 多 く、 ガソ リン販売 会 社は 、独 自に フ イリン グス テ ーショ ソ( ガソ リン スタV ド) を 自前で建 設す る よ うにな った ( モ ービ ル石 油(1993)p.82)。 当時 のフ ィリ ング ・ス テ ーション の大半は 、販 売店所 有・ 販売 店 運 営 に よる も の で あ り、 石油 会社間 の激 しい 売 り込 み競争 を 招き、 結果 とし て安定 的な販売 を 確保す る た めに 、石油 会社 は自 ら が自社所 有のフ ィリ ン グ・ス テ ーショ シを 建 設し 、デ ィ ーラ ーに リ ースする方 式 が取 ら れる よ うに なっ た( モ ービル(1993)p.88)。4 配給 とは石 原らに よる と 「社会化 さ れた 商業 者を実 際に 経由す るこ とな く、終 始一 貫 、そ れを 生産 した製 造業 者 の製 品 とし て流 通す る、 商業 者の変 質 が向 か う方 向であ る(石 原 ・池尾 ・佐 藤((1989)p.83 )。」5 終 戦後 も1949年 までは石 油製 品 の配 給制 度が 存続 してい た が、1949年 にGHQ の石 油 配給 公団 の民 営化指 示に よって、「臨時物 資需 給調 整法」に 基づ く石 油 配給規 則に よって元 売業 者の 登 録制 度 が取 ら れた。この 臨時 物資 需給調 整法は 、3 年後 の1952年 に廃 止 され てい る。6 流 通小委 員会は 、取 り まとめ(平 成9 年6 月2 日)に おい て、市場 機能を 最大 限に 活 用し 、公正 かつ 自由な
石 油 流 通 と 商 標権 問 題 81 競 争 と 透 明 性 の 確 保 を 図 る と と も に 、 一 層 の 効 率 化 と 大 き な 消 費 者 満 足 を 実 現 す る こ と を 課 題 と し て 「公 正 か つ 自 由 な 競 争 の 確 保 の た め の5 つ の原 則 」 を 打 ち 出 し た 。 こ れ は 「① 参 入 ・退 出 の 自 由 、 ② 取 引 先 選 択 の 自 由 、 ③取 引 条 件 の 明 確 化 ・ 適 正 化 ( 透 明 性 の 向 上 )、 ④ 公 正 競 争 の 確 保 で あ り 、 ① ∼ ④ の 実 現 に 当 た っ て は ⑤ 各 事業 者 の 自 己 責 任 を 前 提 と す る 」 の5 つ で あ る 。7 こ こ で い う誘 因 ス キ ー ム と は 、 製 造業 者 が 一 定 の 期 待 を 持 っ て 販 売 業 者 に 一 定 の 誘 因 ( 期 待 利 得 ) を 呈 示 し 、 販 売 業 者 が こ れ を 期 待 損 失 と と も に 評 価 す る こ と に よ っ て 販 売 業 者 は 製 造 業 者 の チ ャ ネ ル 政 策 に 同 調 す る か ど う か を 決 定 す る 構 図 で あ る。 誘 因 ス キ ー ム に つ い て は 、 風 呂 (1968 、pp.213 ∼229) を 参 照 の こ と ○ ■81997 年 の 「石 油 製 品 販 売 業 構 造改 善 等 実 態 調 査 」( 石 油 情 報 セ ン タ ー(1997 年 )p.57 )に よ る と 系 列 所 属 の メ リ ッ ト の 最 大 の 要 因 は 、 安 定 し た 品質 と 供 給 の 保 証 で 全 体 の65.3 % を 占 め て い る 。9 タ ー ミ ナ ル ア ク セ ス (terminalaccess ) の 確 保 に お い。て 重 要 と な る の が 、 本 稿 で 問 題 と し て い る 各 種 機 能 を 製 品 そ の も の か ら 分 離 し 、 価 格 構 成 要 素 ご と の 価 格 を 明 示 す る 方 式 (unbundling ) で あ る。 豪 州 に お い て は 、 タ ー ミ ナ ル ア ク セ ス 自 体 は 可 能 に な っ て い る か 、 こ の ア ソ バ ン ド リ ン グ( プ ラ イ ス ア ク セ ス:priceaccess ) が 実 現 し て い な い た めに タ ー ミ ナ ル ア ク セ ス そ の も の の 意 味 が 無 効 と な っ て い る と い う指 摘 が あ る ( 通 産 省 資 源 エ ネ ル ギ ー庁 (1997b )p.26-27 )。10rackprice と は 、 油 槽 所 や 配送 デ ポで の 倉 取 価 格 の こ と 。 通 常 は 配 送 機 能 を 遂 行 す る ジ ョ バ ー 向 け 価 格 で あ る 。1 レ プ レ ミ ア ム軽 油 は 、RV 車 の 普及 に 対 応 し て 登 場 し た 軽 油 の 高 級 グ レ ー ド 品 。 現 在 で は 一 部 元 売 の み が 導 入 し て い る に す ぎ な い が 、 各 社 が 導 入 を 検 討 し て お り、 今 後 と もRV 車 市 場 が 拡 大 す れ ば 、 品 揃 え の 一 つ に な る 可 能 性 が 高 い 。12 石 油 情 報 セ ン タ ー(1997 )に よる と系 列 所 属 の2 番 目 の メ リ ット は 、「客 へ の 信 用 力 士 で 全 体 で26.3 % を 占 め て い る 。 先 の 安 定 供 給 要 因 と 合 わ せ て 系 列 所 属 の メ リ ット の90 % 以 上 は こ の二 つ の要 素 に よ っ て 占 め ら れ て い る 。131987 年 に 米 国 及 び 日 本 の 消 費 者 のss 購 買 動 機 調 査 を コ ソ ジ ョ イ ン ト 分 析 に よ っ て 行 う たご こ の 結 果 、 両 国 に お い て メ ジ ャ ーブ ラ ン ド の プ ラ イ ベ ー ト ブ ラ ン ド に 対 す る 優 位 性 は 有 為 で あ っ た が 、 メ ジ ャ ー プ ラ ン ド 間 の 優 位 性 の 差 異 は 検 出 さ れ な か っ た 。“MarketingStrategyandConsumerBehaviorforOilindustriesinU.S."14 「揮 発 油 等 の 品 質 の 確 保 等 に 関 す る 法 律 」(1995 年4 月 公 布 ) は 「揮 発 油 販 売 業 法 」 の 改 正 法 で あ る。 こ れ は 「特 定 石 油 製 品 輸 入 暫 定 措 置法 ( 特 石 法 )] の 廃 止 に よ っ て 石 油 の 製 品 の輸 入 が 自 由化 さ れ 、 さ ま ざ ま な 品 質 の 製 品 が 輸 入 さ れ る こ とに 対 し 、 環 境 と 安 全 の 確 保 を 目指 し た も の で あ り、 さ ら に 揮 発 油 販 売 業 法 に お け る ガ ソ リ ン ス タ ン ド の 建 設 規 制 で あ る指 定 地 区 の 廃 止 が 行 わ れ た 。15 品 確 法 の 規 定 ( 第16 条 ) に よ れば 、 品 質 管 理 者 を 置 き 、 さ ら に 省 令 ( 第14 条 ) に 基 づ き 、 揮 発 油 に 関 し て は10 日 に1 回 の 分 析 を 行 うこ と が 義 務 付け ら れ て い る 。 実 際 に はss に お い て 品 質 管 理 す る こ と は か な り 煩 雑 な 業 務 と な る 。16 ゼ ネ ラ ル 石 油 は 、COD シ ス テ ム (cashondeliverysystem ) を 一 部 販 売 店 と の 決 済 方 式 に 取 り入 れ て い
る 。 ゼ ネ ラ ル 石 油 のCOD シ ステ ムは 完 全 なCOD で は な く 出 荷 日翌 日払 い と な っ て い る 。 こ のCOD シ
ス テ ム の 採 用 に は 、 ゼ ネ ラ ル 石 油 の オ ン ラ イ ン シ ス テ ム で あ るTIPS −TLC の 導 入 が 条 件 と な る 。17