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世界の今を考える

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Academic year: 2021

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世界の今を考える

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。それぞれの夢を抱きながらご入学されたことでしょう。 今、皆さんが抱いている新鮮な夢を4年間持続させ、少しでもそれを叶えられるように心から期待し、祈 っています。 さて、世界は激動期を迎えています。たった一つの価値が正しいと信ずる国家が、他の国々の主権 を侵すような「民主主義」が声高に叫ばれています。それは、力こそ正義だと錯覚しているところから生 じています。このような発想は、人類の歴史を誤って理解したとしか思えません。 たとえば、戦争が憎しみ・悲しみしか生み出さないことは、人類史を振り返れば明らかなことです。砲 弾が飛び交った戦場に稲穂や麦が実ったなどということは、聞いたことはありません。空虚な穴があい ていることは、昨今の映像でも明らかでしょう。 歴史から何を学ぶのかといえば、現代社会に生じている様々な困難な事象を解決し、今を生きるた めの知恵を学ぶことなのです。人類の歴史から学ぶ知恵は、人間として生きていくための助言だとも言 えます。知恵は経験や体験のなかで修得されるものですから、真摯に過去を振り返る意志がなければ 体現することはできません。同時に、人類が考えたことは、人種・国籍を超えてさほどの違いがあるわ けではないのです。それゆえ、彦根の地にあって身近の諸問題を真摯に考えること、それによって問題 の解決の糸口を見つけることは、取りも直さず世界で生じている問題を解決することに結びついている のです。 歴史を学ぶことは、事象を暗記することではありません。ある研究者が述べていた「過去への想像力 なくしては、未来への創造力は生まれない」という言葉を、改めてご入学歓迎の祝辞に代えて、皆さん に贈りたいと思います。そして、全国でも類を見ない「歴史の館」である史料館を、今を生きる思惟の場 として有効に活用されることを、心から願ってやみません。 (史料館長 宇佐美英機)

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