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論文 河川技術論文集, 第 19 巻,2013 年 6 月 人工氾濫を有する広島県霧ケ谷湿原における河川水 栄養塩動態 RIVER WATER AND NUTRIENT DYNAMICS IN KIRIGATANI WETLAND WITH ARTIFICIAL FLOOD, HIROSHIMA P

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Academic year: 2021

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論文 河川技術論文集,第19巻,2013年6月

人工氾濫を有する広島県霧ケ谷湿原における

河川水・栄養塩動態

RIVER WATER AND NUTRIENT DYNAMICS IN KIRIGATANI WETLAND

WITH ARTIFICIAL FLOOD, HIROSHIMA PREFECTURE

赤松良久

1

・高村紀彰

2

・山本浩一

1

・佐久間智子

3

・白川勝信

4

・藤井猛

5

Yoshihisa AKAMATSU, Yoshiaki TAKAMURA, Koichi YAMAMOTO, Tomoko SAKUMA, Katsunobu SHIRAKAWA, Takeshi FUJII

1正会員 博(工) 山口大学大学院准教授 理工学研究科社会建設工学専攻 (〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1) 2学生会員 学(工) 山口大学大学院生 理工学研究科社会建設工学専攻 (〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1) 3非会員 中外テクノス株式会社 (〒733-0013 広島県広島市西区横川新町9-12) 4非会員 博(学術) 高原の自然館 (〒731-2551 広島県山県郡北広島町東八幡原119-1) 5非会員 広島県 環境県民局 自然環境課 野生生物グループ (〒730-8511 広島県広島市中区基町10-52)

Nature Restoration Project in Yawata Wetland was performed from 2006 to 2008. It aimed for the restoration of the mire vegetation by the works of Neo-Natural River Reconstruction and the construction of sub-channels in the wetland.In this study, river water and nutrient dynamics in the Kirigatani Wetland are observed, and the validity of the artificial flooding to the wetland is discussed.

The field observations in Kirigatani Wetland were conducted to know river water and nutrient dynamics. As a result, water accumulate in the wetland during the high-water term, on the other hand, water are supplied from the wetland to the main channel during the term of ordinary discharge. These results indicate that the artificial flood, induced by sub-channels, enable the wetland to keep the water and nutrients.

Key Words : River water and nutrient dynamics, artificial flood, Nature Restoration Project, Kirigatani Wetland 1. はじめに 雨水のみによって植生が維持される高層湿原と、地下 水の涵養によって植生が維持される低層湿原の中間的な 性質を持つ中間湿原は,日本では屋久島を南限とした冷 温帯に広く分布している.日本で最も広い釧路湿原はそ の8割が低層湿原に当たり.ここでは湿原の乾燥化によ りその面積は50年間で5分の1以上も減少し,陸性のハン ノキ群落が急激に拡大している1).そこで,釧路湿原で はラムサール条約登録当時1980年の湿原環境を目標とし て,自然再生事業が複数の地域で進められている.ここ では,湿原内での生物学的な植生調査に加えて,湿原の 乾燥化の原因究明のための表層水(土砂)・地下水の動 態に関する研究が行われている2)~5).釧路湿原同様に, 広島県北広島町に位置する中間湿原の八幡湿原において も,湿原の復元に向けた自然再生事業が2007~2009年に かけて実施された.八幡湿原は臥竜山(1229m),掛頭山 (1126m)と言った1000m級の山々に囲まれた八幡高原に 存在する (図-1).年平均気温は10℃前後であり,年間 降水量は2400~2600mmと中国地方でも最も降水量の多い 地域となっている.八幡湿原の一部である霧ケ谷湿原は 学術的にも価値の高い中間湿原であったが,1965年から 行われた牧場造成により,土地の乾燥化が進行し,湿原 の大半が陸生の植生により覆われることとなった6),7) 1986年に,牧場は閉鎖されることとなったが,土地の乾

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燥化は進行し続けていた.この自然再生事業は,コンク リート三面張り水路の改修,落差工の設置,取水堰・導 水路の整備により水を事業地内に止め,地下水位を上昇 させることにより,事業地全体を湿潤化させることを目 的として行われた.また,本事業地を自然環境学習等の 場とするため観察路の設置や解説板の設置,サンショウ ウオなどの小動物の移動に配慮した側溝や集水桝等の改 良も行われた.再生工事後,湿原再生状況の点検・把握 のために,地下水位や河川内水位の観測や湿原性の動植 物の調査については継続的に行われているが,水路の改 修や導水路の整備が湿原内の水・物質循環に与える影響 に関しては十分な検討がなされていない. そこで本研究は,霧ヶ谷湿原を対象として,自然再生 事業後の湿原内における河川水・栄養塩動態の把握を行 い,導水路による湿原への人工氾濫の有用性について検 討する. 2.自然再生事業の概要 八幡湿原自然再生事業は,西中国山地自然史研究会に よる事前導水実験とモニタリング8), 9)および実施計画に 基づいて広島県が行った樹木の伐採・排水路の埋設・導 水路の設置などの工事がその主な内容である.ここでは 広島県が実施した工事のうち,特に湿原内の水・物質循 環に関連する導水路の設置について概略を述べるととも に,2005年および2011年に実施されたモニタリングの結 果をもとに,植生の回復状況について記す. 霧ヶ谷湿原を再生するためには,事業地内にできるだ け長い時間,水を留めることが必要である.そのため, 広島県はコンクリート水路の改変と排水路の埋め戻し, 導水路の設置,および侵入した樹木の伐採を2007年に実 施した.2007年の工事では全体の半分の区域において工 事が完了し,残り半分の区域については2008年度に実施 された. (1) 三面張りコンクリート水路の改変 霧ヶ谷湿原の中央を流れる河川(コンクリート水路) は深さが1.2mあった.これを単純に埋め戻しては,埋め 戻した土砂が下流に流出する恐れがあった.そこで,水 路をおよそ20mごとのユニットに分け,帯工や落差工を 設置し,各ユニット内では河床勾配が改変前の約半分, 1.8%になるような構造とした.また,側壁は上部のみ を取り壊し,下部はそのまま残した.埋め戻す資材には 直径10cm以上の礫を用い,出水時にも流されないよう に配慮した.礫の下には取り壊されたコンクリートも埋 め戻し用の資材として使われており,工事による廃材の 持ち出しは無かった.埋め戻した礫間には大きな間隙が あるため,事業地から流れ出る土砂を貯める機能も期待 された.間隙が土砂で埋ることで,将来的には,自然の 営力により完全に水路が埋まることを見越している. (2) 湿原内の導水路の設置 コンクリート水路の改変のみでは湿原への水の供給が 行われないため,中央の主流路に取水堰を設置し,河川 から事業地内へと導水した(写真-1).取水堰から続く 導水路は素堀とし,勾配を付けずに水平方向に延長した. 導水路を水平に設置することで,水は等高線上に均等に 行き渡り,適当な場所で溢れると期待された.本事業で は,河川と直接接続している導水路を「幹線導水路」と 中国地方 120 Stn.1 (上流) Stn.2 (下流) Stn.3 (支流) EC-1 EC-4 EC-3 EC-2 EC-5 幹線導水路 補助導水路 河川 取水堰 0 060 50 180100[m]240 [m] 図-1 研究対象地域と観測地点 主流路 幹線導水路 写真-1 主流路と幹線導水路

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呼んでいる.2007年度の工事では3基の取水堰と3本の幹 線導水路が設置され,2008年度の工事ではさらに2本の 幹線導水路が追加され,最終的には3基の取水堰から5本 の幹線導水路が設置された. 幹線導水路の設置だけでは,溢れた水は低いところに 集まり,斜面方向の水路を作るため,幹線導水路と幹線 導水路の間には,水平方向に素堀の補助導水路が設置さ れた.補助導水路には流入口も流出口もないが,幹線導 水路から溢れた水は補助導水路に受け止められ,もう一 度水平方向に広がり,また溢れる,という流れ方をする. 補助導水路を複数設けることで,勾配がある場所でも斜 面全体に湿った環境が形成されている. 幹線導水路と補助導水路は素堀のため,水が溢れてい る箇所が掘削され,特定の場所からのみ水が溢れるよう になっている.そのため,短期的には事業地内に湿潤な 場所と乾燥ぎみの場所が混在することになるが,春の出 水などにより流路が変化することで,湿潤環境と乾燥環 境が入り組んだ氾濫原の環境が作られていくことが期待 されている. (3) 湿原内の植生の回復状況 霧ヶ谷湿原を流下する河川は,事業地中央部で西側の 道路に近づいた後,東にカーブして支流と合流した後, 再び西にカーブして事業地外へと流出する.取水堰は, 事業地南端,西から東にカーブする部分のやや手前,支 流と合流する手前の3箇所に設置され,上流部から順に 第一・第二・第三取水堰と呼ぶ.最下流の取水堰のみ, 左岸側にのみ幹線導水路が設置された(図-1).氾濫原 植生の形成が期待されたのは,これら取水堰の下流側で ある. 図-2に2005年および2011年の湿原内の植生分布を示す. 再生工事開始前の2005年には,事業地全域においてノイ バラ− ハルガヤ群落とカンボク群落がモザイク状に見ら れ,河川に沿ってアカマツが生育するなど,全体を低木 群が優占していた.湿生植物群落は,事業地中央部にハ ンノキが優占する低木群がまとまって見られる他には, 山裾の湧水地や排水路の脇に小規模なマアザミ群落やオ タカラコウ群落が断片的に見られるのみであった.再生 工事に伴う伐採により,2011年には全体的に草本が優占 する群落が出現した.特に,Stn.1より下流の,ハンノキ 群落が保全された場所以外において,マアザミ,イ,ミ ゾソバなどの湿生植物が優占する群落がモザイク状に出 現しており,導水路設置の効果が確認された.このうち, イが優占する群落は工事による土壌のかく乱の影響が大 きいと考えられ,場所によっては早期に陸生の群落へと 遷移すると考えられる.また,伐採されたノイバラの回 復によるノイバラ− トモエソウ群落や,ヨモギ群落など, 乾性の遷移をたどると予測される箇所も見られる.図-3 図-3 群落割合の変化10) 乖 乖 乖 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串串 串串串串 串串串串 乖 串串串 串串串 串串串 乖 乖 乕 乕 串串串串串 串串串串串 串串串串串 串串串串串 乕乕 乕乕 乕乕乕 串串串串串 串串串串串 乖乖 乖乖 乖乖串串串串串串串串串串串串串串串串 乖乖 乖乖 乖乖 乖乖 串串串串串串 串串串串串串 串串串串串串 串串串串串串 串串串串串串 串串串串串串 乖乖 乖乖乖乖乖乖乖乖乖乖乖乖 乕 乕 乕 乖乖乖乖 乖乖 乖乖乖 乖 乖乖 乖 乕乕乕乕 乕乕乕乕乕乕乕乕乕乕乕乕 乕 乖乖 乖 串串串 串串串乕乖乖乖乕乕乕乕乕 乖 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏

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0 70 140 m (a)2005年 アカマツ群落 アカマツ-リンドウ群落 イ-ミゾソバ群落 エゴノキ-ミヤマカタバミ群落 オオミズゴケ-ハルガヤ群落 オオミズゴケ-マアザミ群落 オタカラコウ群落

カラマツ植林 カンボク群落

カンボク-ツノハシバミ群落

サワヒヨドリ-ハルガヤ群落

チュウゴクザサ群落 ネコヤナギ群落 ノイバラ-トモエソウ群落 ノイバラ-ハルガヤ群落 ハンノキ-チュウゴクザサ群落 ハンノキ-マアザミ群落 ハンノキ-ヨモギ群落 ヒメガマ群落 マアザミ群落 ミズナラ-クリ群落 ミゾソバ-ハルガヤ群落 道路・建物など 開放水域 乕 乕 乕乕 乏 乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏 乏 乏 乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏 乏 乏 乏 乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乕乕 乕乕乕乕乕乕 丗丗 丗丗丗丗 乏 乏 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乖乖 乖乖 乖乖 乖乖 乖乖 乖乖 乖乖 乖乖 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕乕乕乕乕 乖乖乖 乖乖乖乖乖乖乖 乖乖乖乖 乖乖乖乖 乖乖乖乖 乖乖乖乖 乖乖乖乖乖 乖乖乖乖乖 乖乖乖乖乖 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏 乏乏 乏乏乏 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 乕乕乕乕乕 丗丗丗 丗丗丗 丗丗丗 丗丗丗 丗丗丗 乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乕乕乕乕乕乕乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 丗 丗 乏 乏 乏 乖 乖 乖乖 乖乖乖 乖乖 乖乖 乖乖乖 乖 乖 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏 串 丗 乏乏乏乏乏乏乏 串串串串 串串串串 串串串串 丗丗丗 丗丗 丗 丗丗 丗 丗丗 乏乏 乏乏乏乏乏乏 乏 乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乏乏 乕乕 乕乕 乕乕 乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕 乕乕乕

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0 70 140 m アカマツ群落_チュウゴクザサ下位単位 アカマツ群落_典型下位単位 イ-エゾシロネ群落_コウガイゼキショウ下位単位 イ-エゾシロネ群落_ハルガヤ下位単位 イ-エゾシロネ群落_ハンノキ下位単位 イ-エゾシロネ群落_典型下位単位 エゴノキ群落 カラマツ植林 カンボク-カラコギカエデ群落 クリオザサ群落 コナラ群落 ススキ-サワヒヨドリ群落 乏乏乏乏 乏乏乏乏 乏乏乏乏乏 乏乏乏乏乏ノイバラ-トモエソウ群落 乖乖乖乖 乖乖乖乖 乖乖乖乖乖 乖乖乖乖乖 乖乖乖乖乖ハンノキ群落_チュウゴクザサ下位単位 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕 乕乕乕乕ハンノキ群落_マアザミ下位単位 ハンノキ群落_ヤブデマリ下位単位 串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串 串串串串串串串串串串串串串ヒメガマ群落 丗丗丗丗丗丗丗丗 丗丗丗丗丗丗丗丗 丗丗丗丗丗丗丗丗 丗丗丗丗丗丗丗フトヒルムシロ群落 フランスギク-ヒメジョオン群落 マアザミ-クサレダマ群落_オオミズゴケ下位単位 マアザミ-クサレダマ群落_オタカラコウ下位単位 マアザミ-クサレダマ群落_典型下位単位 ミゾソバ-アキノウナギツカミ群落 ヨモギ群落 造成地 道路・人工構造物 開放水面 (b)2011年 図-2 2005年および2011年の細密植生図10)

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に2005から2011年にかけての乾生群落,中間型群落,湿 生群落の割合の変化を示す.中間型群落および湿生群落 が2倍以上に増加していることがわかる.現段階におい て,湿原が回復したと判断するには尚早であるが,取水 堰と導水路の設置は,湿生植物群落の拡大に一定の効果 があることが確認された. 3.現地調査概要 霧ヶ谷湿原内において,上流,下流,支流の計3地点 を設定し,それぞれStn.1~3として観測を行った(図-1). 調査は,2012年の4月25日,6月19日,7月11日,8月6日, 10月5日,10月17日,11月5日,12月7日に実施した.各 地点で水サンプルの採取を行い,水位計を設置すると同 時に河川断面の横断測量と流速を計測することで,調査 時における流量を算出した.水サンプルについては,採 取後,栄養塩濃度(T-N,T-P,NO3-N,NH4-N,PO4-P)の 計測を行った.また,各地点の水位と流量の観測値を元 にHQ曲線を作成し,5分毎の流量の時系列データを算出 した.さらに,2012年8月6日13:30~18:30にStn.1にポン プで塩水30L(電気伝導度11640mS/m)を投入し,主流 路内2点(図-1中のEC1,EC5)及び湿原内3点(図-1中 のEC2,EC3,EC4)において電気伝導度(以下EC)の 計測を10分間隔で行った.なお,EC5では設置型の電気 伝導度計を用いて2012年8月6日12:00~8月7日14:00にか けて1分間隔の連続モニタリングを行った.また,湿原 内の地点は河川(主流路)に流入する自然にできた小水 路内で計測を行った. 4.現地調査結果及び考察 (1) 流量の時系列変化 観測期間中の降水量および流量の時系列データを図-4 に示す.9/25以降の上流+支流については,水位が計測 できていなかったため除外している.下流については, 広島県から提供された水位データを使用した.水位計を 設置した4月25日から流量の増加している7月30日の期間 において,上流+支流の流量が下流の流量より多い期間 と,上流+支流の流量が下流の流量より少ない期間が存 在することが分かる.さらに詳しく湿原内の河川水の動 態を把握するため,先程の期間における湿原への水の貯 留量を図-5に示す.ここで,湿原内貯留量は上流+支流 と下流における流量の差を表したものであり,湿原内貯 留量がプラス域であれば湿原へ河川水が供給されており, マイナス域であれば湿原から水の流出が起きていること を示している.また,積分湿原内貯留量は調査開始日の 4月25日を基準とし,期間内の湿原内の水の貯留の積分 値を表したものである.湿原内貯留量はプラス域とマイ ナス域の移動を繰り返していることから,水が湿原内に おいて貯留と流出を繰り返していることが分かる.同様 に,積分湿原内貯留量も増加と減少を示しており,この ことから導水路を通し,湿原内の水の循環が活発に行わ 0 20000 40000 60000 80000 100000 120000 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 4/21 5/21 6/20 7/20 積分 湿原内貯 留 量 (m 3) 湿 原内貯留量 (m 3/s ) 湿原内貯留量 積分湿原内貯留量 図-5 湿原内の貯留量の時系列変化 0 25 50 75 100 125 150 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 4/26 5/21 6/15 7/10 8/4 8/29 9/23 10/18 11/12 12/7 降水量 (m m /d ay ) 流量 (m 3/s) 降水量 上流+支流 下流 図-4 降雨量と流量の時系列変化

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れていると言える. (2) 塩分によるトレーサー実験 EC1~5(図-1)において計測されたEC値を図-6に示す. なお,EC5については設置型測定機によって8月7日13:30 まで計測を続けており,その結果も図-6に示している. 塩水は8月6日の13:35~36の一分間にポンプを使って供 給されており,河川内の地点であるEC1およびEC5にお いてはそれぞれ14:41,16:07にピークが見られた.下流 のEC5の地点では塩分の河川内での分散によってピーク がなだらかになっていることがわかる.しかし,EC5で のEC値が塩水投入前の状態に戻るのは8月7日10:30以降 であり,これの河川内での分散に加えて,導水路を通し て湿原内に氾濫した塩水が浸透水として河川内に流入し ていることを示している.次に湿原内の自然に形成され た流路内の地点であるEC2~4について見ていく.EC2で は河川内に近い立ち上がりのピークが見られるが,これ は右岸側には湿原内に主流路に沿う形で水路が形成さて おり,その水路を通した水の輸送が活発に行われている ためと考えられる.しかし,EC3では上流で湿原内に供 給された水が表流水あるいは地下浸透水として主流路と 支流に流れ込むため,EC値の上昇は見られない.EC4で は近くの河川内のEC5とほぼ同時刻の16:11にピークが表 れており,EC4においても左岸の湿原内を通る水路を通 じて水がすみやかに流下したことがうかがえる. 以上のことから,人工氾濫を促す導水路を有する霧ケ 谷湿原においては,平水時においても湿原内の広い範囲 に河川水が行きわたり,湿原内を湿潤状態に保持してい ることが分かった. (3) 栄養塩濃度の時系列変化 Stn.1~3における窒素,リン濃度の時系列変化を図-7, 図-8に示す.窒素に関しては溶存態有機窒素および亜硝 酸態窒素が微量であったため,図中の硝酸態窒素,アン モニア態窒素,粒子態窒素を合計したものを全窒素(T-N)とみなしている.リンに関しても溶存態有機リンが 微量であったため,リン酸態リンと粒子態リンを合計し たものを全リン(T-P)とする. まず,窒素に着目する と,T-Nに占める硝酸態窒素の割合が大きく.アンモニ ア態窒素の割合が極めて小さい.また,T-Nは6月19日 および10月17日に高くなっているがこれは降雨の影響に よるものと考えられる.次に,T-Pについては粒子態リ ンが大部分を占めていることがわかる.また,T-Pに関 してはほぼすべての観測日において上流(Stn.1)より下 流(Stn.2)の濃度が高い.これは.河川水が湿原内を通 過する際に導水路を通して氾濫し,湿原内の粒子態リン を含んだ表層水として再流入するためと考えられる. (4) 湿原内の水収支 ここでは,湿原内の水収支の検討を行う.図-2に示し た流量の時系列データより,上流+支流の流量が下流の 流量を上回る4月29日から5月12日(14日間)を豊水時, それが下回る5月24日から6月6日(14日間)を平水時と して,その期間の水収支を図-9に示す.上流+支流の値 と下流の値の差を計算し,正の値を示すと貯留,負の値 を示すと流出を表している.なお,流量は期間中の日平 均値として表示している.カッコ内の数値は上流+下流 stn.2 stn.1 stn.3 図-7 Stn.1~3のT-N濃度 stn.2 stn.1 stn.3 図-8 Stn.1~3のT-P濃度 0 2 4 6 8 10 12 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:00 16:30 17:00 17:30 18:00 18:30 19:00 EC ( m S /m ) TT EC1 EC2 EC3 EC4 EC5 0 1 2 3 4 5 2012/8/6 12:00 2012/8/6 18:00 2012/8/7 0:00 2012/8/7 6:00 2012/8/7 12:00 2012/8/7 18:00 EC ( m S /m )TT EC5 図-6 電気伝導度(EC)の時系列変化

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あるいは下流の値の大きい方を100としたときの割合を 示している.図-9より,上流+支流の流量は豊水時には 平水時の2倍以上あることが分かる.また,増水時には 上流+支流の流量の20.0%が湿原へ供給され貯留してお り,平水時には下流の流量の20.2%にあたる水が湿原か ら流出していることが分かった.実際には湿原内の植物 による蒸発散を考慮する必要があるものの,霧ケ谷湿原 では増水時には氾濫した河川水を貯留し,平水時には浸 透流として河川内に流出するという水循環システムが再 生されていることが明らかとなった. 5.結論 人工氾濫を起こすための導水路を設置している広島県 霧ヶ谷湿原を対象として,自然再生事業後の湿原内の 水・物質動態を現地調査により検討した.その結果,以 下の知見が得られた. 1) 湿原内への導水路の設置と樹木の伐採により,自然 再生事業前後で湿生植物群落は2倍以上に増加した. 2) 湿原の上流端から塩分トレーサーを投入し,その動 態を調査したところ,平水時においても湿原内の広 い範囲に河川水が行きわたり,湿原内を湿潤状態に 保持していることが分かった. 3) 湿原内の水収支から,豊水時には湿原内に氾濫した 河川水を貯留し,平水時には浸透流として河川内に 流出するという水循環システムが再生されているこ とが明らかとなった. 謝辞:現地での採水に関してはNPO法人西中国山地自然 史研究会の河野弥生様に多大なる御助力を頂いた.また, 山口大学社会建設工学科赤松研・山本研学生諸子には現 地観測の補助をして頂いた.ここに記して謝意を表す. 参考文献 1)新庄久志:釧路湿原のハンノキ林,(財)前田一歩園財団創 立20周年記念論文集,北海道の湿原,pp.17-33,2002. 2)Nakayama, T. and Watanabe, M.: Simulation of drying phenomena

associated with vegetation change caused by invasion of alder (Alnus japonica) in Kushiro Mire, Water Resour. Res., 40(8), W08402, doi:10.1029/2004WR003174, 2004.

3)羽石嵩,中津川誠,工藤俊:釧路湿原におけるハンノキ林の 拡大に及ぼす地下水の影響についての研究,土木学会論文 集 B1(水工学),Vol.67, No.4, I_135-I_1362, 2011.

4)名久井孝史,清水康行,藤田隆保:釧路湿原における河川氾 濫に伴う土砂堆積と乾燥化現象の関連性に関する研究,水工 学論文集,第47巻,pp.907-912,2003. 5)林誠二,村上正吾,亀山哲,渡辺正孝:釧路湿原における 水・土砂動態に対する二次元洪水氾濫解析の適用,水工学論 文集,第47巻,pp.913-918,2003. 6)吉野由紀夫:広島県臥竜山録の植生変遷,高原の自然史 10・11,pp.23-37,2005. 7)吉野由紀夫,白川勝信:広島県臥竜山麓の放牧跡地に発達し た植生,高原の自然史 10・11,pp.1-21,2005. 8)上野吉雄,森 春彦,小柴正記,藤原俊二,吉野由紀夫,白 川勝信:広島県臥竜山麓におけるホオジロ科鳥類 3 種の生 息環境選択,高原の自然史 13,pp.53-63,2008. 9)白川勝信,上野吉雄:広島県臥竜山麓の放棄牧草地における 鳥類の環境選択,高原の自然史 13:pp.65-81,2008. 10)広島県:八幡湿原自然再生事業植物群落調査・解析業務報 告書,2011. 13553 [m3/day] 上流+支流 下流 +2718 [m3/day] (貯留) 湿原内 (豊水時2012/4/29~5/12) 100.0 20.0 10836 [m3/day] 80.0 5001 [m3/day] 上流+支流 下流 -1271 [m3/day] (流出) 湿原内 (平水時2012/5/24~6/6) 79.8 20.2 6272 [m3/day] 100.0 は上流+支流あるいは下流の値の大きい方を100としたときの割合 +2717 図-9 豊水時および平水時の湿原内の水収支 (2013.4.4 受付)

参照

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