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社会イノベーション研究/社会起業家WG 報告書

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章 破壊的イノベーションと社会起業家

前章では、社会イノベーションの原動力となる社会的企業および社会起業家に関する教育、研 究のサーベイを行い、その類型化のための枠組みを提示した。この章では、政策的な含意を導く ために、企業経営戦略の中で議論されてきたイノベーション論と社会起業家との関係を議論する。

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産業企業のイノベーション研究と起業家(

Entrepreneurs

イノベーションという言葉は、語源のラテン語―Innovare <何かを新しくする>―から想像で きるように、既存に存在しなかった何かを社会に実現させることを意味している。企業の経営戦略 論でも、「企業は、イノベーション活動を通じて競争上の優位性を獲得する。企業のイノベーショ ンに対するアプローチは広範囲にわたっており、そこには新技術開発のみならず、何かを実行す る際の新しいやり方すべてが含まれている」(Porter, 1990)と言われるように、通常使われる、科 学技術研究の成果を実用化するという意味合いよりも広い概念である。英国貿易産業省イノベー ションユニットによる定義でも、「新しいアイディアの利用を成功させる」(Tidd et al., 2001)と 広い概念で説明している。ただし、定義としては広い意味を含むものの、イノベーションに関す る研究は、その多くが、新製品や新サービスを生み出す戦略構築に寄与すべく、企業の技術経営 分析に焦点を当ててきた。企業がイノベーションを達成するための、イノベーションのタイプ分 類、事業組織とマネジメント、戦略的思考、等々が議論の対象となる。そこでは、起業家の存在 がクローズアップされる余地は少ない。 しかし、Utterback(1994)、Christensen(1997)などにより、既存企業のイノベーションには 限界があり、既存技術体系と大幅に異なるイノベーションは、その産業や業界に属さない新規参 入企業や新興企業がその担い手となることが実証された。特にChristensen(1997)は、次のよ うに述べている。既存大企業は現状の顧客を対象に、彼らのニーズを満たすために日夜努力して いる。一方、技術体系が異なる新技術が新規の企業によって導入され、異なった顧客層がそれを 受け入れるなかで市場が拡大し、新技術も進化する。新技術の進化により、既存大企業の顧客の ニーズにも合致してくると、それら顧客も新規の企業に乗り換わる。既存大企業がその重大性に 気がついたときは手遅れになり、その分野から撤退せざるを得なくなる。パソコンの出現がその 好事例である。当初はアップルなどスタートアップ企業によるマニア向けの計算機であったが、 ワープロや表計算ソフトの進化により、ビジネスユースが広がり、需要が拡大した。IBM など既 存企業も参入した。さらに半導体技術の進化により大型コンピュータクラスの能力を持つように

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第2 章 破壊的イノベーションと社会起業家 なり、ますます、従来の大型汎用コンピュータの領域を駆逐し、デルやコンパック等が大企業に 成長し、中国のレノボなども世界市場に乗り出し、とうとうIBM はレノボにパソコン部門を売却 し撤退した。 急進的(Radical)イノベーションには 2 種類あり、既存大企業に適したものと、新規企業に適 したものがある。前者を持続的(Sustaining)イノベーション、後者を破壊的(Disruptive)イ ノベーションという。解りやすい事例として掘削機が挙げられている。 1837ᐕ ⫳᳇࡚ࠪࡌ࡞⊒᣿ 1920ᐕઍೋ㗡 ☨࿖ߢ㧟㧞␠ᵴേ 㧨ࠟ࠰࡝ࡦࠛࡦࠫࡦߩ⊓႐㧪 1947ᐕ ᴤ࿶ᑼជ೥ᯏ㐿⊒ ᦺ㞲ᚢ੎ᓟߩ૑ቛࡉ࡯ࡓߢ ೋᦼࡃ࠶ࠢࡈࠜ࡯߇ᵴべ 㧔ዊญ㘈ቴኻᔕߩ࠻࡜ࠢ࠲࡯ޔ ㄘᯏౕߩ࠺ࠖ࡜࡯߇ขࠅᛒ޿㧕 Radicalߥᛛⴚ㕟ᣂ ਄૏㧞㧡␠ਛ㧞㧟␠߇ォ឵ᚑഞ ਅ૏㧣␠ਛ㧝␠ߩߺ߇ォ឵ᚑഞ Sustaining Technology ࠤ࡯ࡉ࡞ᑼជ೥ᯏࡔ࡯ࠞ࡯ߢ ↢߈ᱷߞߚߩߪ㧠␠ߩߺ Disruptive Technology ࠠࡖ࠲ࡇ࡜࡯␠ߪ1972ᐕߦෳ౉ߒߡޔ ᚑഞߒߚޕ 図2-1: 掘削機の事例 当初の動力源は蒸気であり、20 世紀に入りガソリンエンジンの導入により、技術体系は大幅に (Radical)変わった。このときの技術転換に際しては、既存企業の大手がこの転換に成功し、転 換できなかったのは規模の小さい資金力のない企業のみであった。しかし、次に起こったケーブ ル式から油圧式への技術転換では、生き残った既存企業は4 社のみであった。新規の企業が参入 し、大きな市場シェアを勝ち取った。大きな技術転換であっても、業界構造が変わる場合と変わ らない場合が存在する。それは、油圧式技術の進化と普及のプロセスに依存している。初期の油 圧式掘削機は、パワーが不足し、ショベルの容量に限界があり、住宅建設時のメイン道路から住 宅に引き込む下水道管の埋め込みレベルしか対応できなかった。取り扱い業者も小型機を扱う農 機具業者であり、流通のあり方が異なっていた。既存の掘削機メーカーは、能力が異なる油圧式 は彼らの競争相手であるとは認識していなかったのである。ところが、油圧式の技術進歩は留ま るところを知らず進化し、下図2-2 に示すように、ケーブル式を凌駕するところまで達し、既存 メーカーを脅かす存在となった。 このように、破壊的イノベーションは、将来どの程度の市場規模になるか、どの程度の技術進 歩を実現できるか等々、不確実性がきわめて高く、既存企業の事業ドメインに関係するかどうか の判断がつきにくい特徴を持つ。特に、既存とは異なる顧客が相手であり、必然的に過小評価し てしまう。 20 社会イノベーション研究 2008年度報告書

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第2 章 破壊的イノベーションと社会起業家 ಴ ౖ 㧦 C h r i s t e n s e n 㧔 1 9 9 7 㧕 図2-2: 油圧式掘削機の能力アップ 一般に、大企業の製品開発では、市場規模が10 億円を超えるものでないと取り組まない、と言 われる。つまり、10 億円以上の市場を予測できないときは製品開発には乗り出さない。破壊的技 術は、予測が成り立たないところに特徴があり、発明者が思い込みで大きな市場規模になると直 感しても、組織的には認知されない。しかし発明者個人を原点としたスタートアップスの場合は、 直感を共有する投資家が現れれば、その技術の実現に向けて全力疾走することが可能である。破 壊的イノベーションの担い手が起業家であることが多くなるのは、現状の事業環境に大きな影響 を受けている既存組織では、事業リスクが大きすぎると判断されるためである。

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イノベーションの普及の考え方

社会起業家(Social Entrepreneurs)に関する議論では、ヒーロー的起業家を対象とするのか、 小規模な活動も含めて考えるのか、という考え方の違いが存在する。イノベーションの視点で考 えると、普及して初めてイノベーションであると言い得る。Rogers(2003)は、イノベーション の普及を下図のように、イノベーションの採用者類型でモデル化した。 後期多数派採用者(Late Majority)まで普及すると、そのイノベーションを活用することが想 定されるほとんどが採用した状況となる。初期の採用者であるイノベーター(Innovators)は新 しいアイディアへの関心が高く、マニアックな人々である。彼らが採用したとしても、製品やサー ビスの有効性を確認することはできても普及への足がかりをつかむことはできない。普及のため には、初期採用者(Early Adopters)に採用してもらう必要がある。彼らは、地域や組織内での

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第2 章 破壊的イノベーションと社会起業家

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出典:Rogers(2003) 図2-3: Rogers の普及モデル オピニオン・リーダー的存在であり、周囲から尊敬されているために、彼らが採用することは周 りの人々に影響を与える。その影響が次の初期多数派(Early Majority)に伝播する。初期多数派 は、慎重にイノベーションの採用についての損得を吟味し、決して新しいアイディアであるとい う理由で採用することはしない。この段階に達すれば、イノベーションは社会経済にインパクト を与えることになる。これはイノベーションが社会システムに組み込まれたことを意味する。 発明者あるいは考案者が、前節での破壊的イノベーションであると主張しても、初期採用者ま でで止まってしまうならば、それはイノベーションが完結したとはいえない。つまり、イノベー ションの考え方に沿って議論する場合は、イノベーションが社会システムに組み込まれるまで普 及することを意味し、必然的に事業規模は大きくなる。 社会起業家による社会イノベーションを議論するとき、やはり、普及レベルが初期採用者止ま りである場合はイノベーションとはいい切れない、と定義づけすることができよう。 東京工業大学社会工学専攻博士後期課程NPM コースの公開講座で講演した 3 名についてのケー ススタディ(巻末講義録を参照)をもとに、イノベーションの破壊性と普及レベルについて議論 すると次のようになる。 ケース1 の CANVAS の石戸奈々子氏の場合、彼女の主催するイベントのみを単発的に行ってい くだけでは、イノベーションにはならない。この活動をとおして、⃝カリキュラムのパッケージン1 グ、⃝教える側の人材育成、2 ⃝各地域で自立的に活動が起こる仕組みをつくる、という目標が実現3 された時点でイノベーションが普及したことになる。実際に⃝に関しては長崎ですでに CANVAS3 の手を離れ、地域の組織が独自にプログラム運営を始めている。 ケース2 のアサザプロジェクトの飯島博氏の活動も、霞ヶ浦の一部地域のみの活動で完結する ならば、やはりイノベーションとはいい難い。しかし現在進行中であるものの、霞ヶ浦地域のみ ならず、秋田県八郎潟に波及し、普及への足がかりが構築されつつある。飯島氏は多くの小中学 22 社会イノベーション研究 2008年度報告書

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第2 章 破壊的イノベーションと社会起業家 校での講義依頼にも応じ、類似コンセプトの普及を推進している。 ケース3 の村瀬誠氏の雨水利用技術も、墨田区の国技館など公共建物のみの採用であるならば、 限定的であり、社会システムに組み込まれたとはいえない。だが日本においては未だ大きな広が りはないものの、韓国、ドイツ、バングラディッシュ、中国など海外への普及は弾みがつきつつあ る。すでに初期多数派の段階にまで進捗してきているといえよう。 上記3 ケースについて、イノベーション普及の最終段階である、社会システムに組み込まれた 状況を想定することができる。ケース1 の創造性教育に関しては、多くの自治体が小中学校の教 育プログラムに組み入れ、標準的カリキュラムとなる状況である。ケース2 では、多くの地域に おいて市民主体に自治体・企業と協働して、自然環境を豊かにする活動が一般的となる状況が生 まれることである。これら二つのケースは、市場経済とは異なり、教育や市民生活の変革であり、 イノベーションの普及は公共的資産となる。ケース3 は雨水を有効利用する機器システムコスト と上下水道コストとの関連のなかで、中国やバングラデシュにおいては低コスト化による市場経 済化が進むであろうし、異常気象の頻度が高まれば、洪水対策としての公共資産と位置づけられ るようになるだろう。 このように、破壊的社会イノベーションは、イノベーションが普及した状況においては、公共資 産となるか、市場経済化しているかのどちらかに帰着する。そのダイナミズムを次章で議論する。

参考文献

Christensen, 1997:Clayton M. Christensen(1997)The Innovator’s Dilemma: When New Tech-nologies Cause Great Firms to Fail, Harvard Business School Press(玉田俊平太監修・伊 豆原弓訳『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社、2001) Porter, 1990:Michael E. Porter(1990)The Competitive Advantage of Nations, Free Press (土岐坤・小野寺武夫・中辻万治・戸成富美子訳「国の競争優位」ダイヤモンド社、1992). Rogers, 2003:Everett M. Rogers(2003)Diffusion of Innovations Fifth Edition, Free Press(三藤

利雄訳『イノベーションの普及』翔泳社、2007).

Tidd et al, 2001:Joe Tidd, John Bessant and Keith Pavitt(2001)Managing Innovation: Integrating Technological, Market and Organizational Change second edition, John Wiley & Sons, Ltd. 2001(後藤晃、鈴木潤監訳「イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マ ネジメント」NTT 出版、2004).

Utterback, 1994:James M. Utterback(1994)Mastering the Dynamics of Innovation: How Com-panies Can Seize Opportunities in the Face of Technological Change, Harvard Business School Press(大津正和・小川進監訳「イノベーションダイナミクス―事例から学ぶ技術戦 略」有斐閣、1998)

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章 社会イノベーションのダイナミズム

イノベーションは広く普及して初めて社会システムに影響を及ぼすことから、政策的含意から 見れば、如何に普及を促進させるかという視点が重要となる。この章では、社会イノベーション のダイナミズムをビジネス起業家との対比のなかで考察する。

3-1

ビジネス起業家と社会起業家

従来、起業家(Entrepreneurs)とは、新しいアイディアを実現するために新規に創業する人々 のことを言い、一般的にはビジネスを興すことを意味していた。既存企業内で新規事業を興す場 合も”Entrepreneurs”という言葉を使うが、新規の創業と区別するために”Intrapreneurs(企業内 起業家)”ということもある。「ベンチャービジネス」という言葉は和製英語であり、欧米で「ベ ンチャー」というときはベンチャー・キャピタル(VC)をいうことが多い。新規に創業される企 業のことは、「スタートアップス(start-ups)」と呼ばれている。将来、株式公開(株式市場に上 場)して資金調達し、大企業に成長する、あるいは既存大企業に買収されるような創業も、個人 商店や個人経営のクリーニング屋さんの創業も、同じスタートアップスである。しかし、小規模 な事業を興すプロセスと大規模な事業を狙うプロセスとでは、資源(資金や人材)のあり方が全 く異なっているので、同列には議論することはできない。個人営業的クリーニング店を開業する のと、半導体やバイオテクノロジーの事業、あるいは新しいビジネスモデルによる小売店チェー ン展開の事業などとではこの点に大きな違いがある。 大きな事業にするためには、規模拡大のための資金が必要となり、大きな事業になる可能性が 高ければ投資家(VC)にとってもキャピタルゲインを期待することができ、起業家と VC の利害 は一致する。一方、個人営業的事業では、キャピタルゲインは期待できないために、創業者個人 の資産、あるいは親類からの借り入れ、政策的な創業支援資金の借り入れなどで開業する。個人 営業的な事業が成功しても、創業者個人や周囲の人々には大きな事柄であるが、社会システムに 大きな影響は与えない。しかし、バイオテクノロジーによる創薬事業のような大きな事業で成功 すると、治療できなかったがんが治るようになるなど、大きな影響を社会システムにもたらす。 イノベーションの普及の視点から見ると、やはり、個人営業的事業では普及に限界があり、社会 システムに影響をもたらすような事業規模を想定することが必要となる。社会起業家や社会イノ ベーションに関しても、ビジネス起業家によるイノベーションと同様に考えることができる。社 会起業家もビジネス起業家も、社会システムに影響をもたらすためには、イノベーションを普及 24

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第3 章 社会イノベーションのダイナミズム させることが必要である。つまり、そのイノベーションの恩恵を多くの人々が享受するようにな る状況を実現しなければならない。しかし、ビジネス起業家と社会起業家は、創業時と普及が行 き渡ったとき、換言すれば成功したときの状況が次のように異なる。

3-1-1

創業時

創業時のミッションが、第1 章で述べた Dees et al.(1998)の定義に見られる社会的価値の創出 というミッションを持っているかどうか。ただし、社会的ミッションの評価軸は個々人の価値観に 依存する。Nicholls(2005)は、社会起業家の社会的インパクトの評価に関して議論しているなか で、次のように述べている。貨幣価値に換算した数量的評価には限界があるが、近似値を算出する ことは可能である。たとえば失業対策のための職業訓練で雇用復帰を果たした失業者数の機会コ ストと生み出された付加価値を貨幣換算することができる。ただし、数量化不可能な「事業に関す る正当性(Legitimacy)」の議論があり、それは 4 カテゴリー(Pragmatic、Moral、Cognitive、 Regulatory)で評価され、最終的には市民を含むステークホルダーの信頼に依存する(図 3-1)。 䋺੐ᬺ䈮䉋䈦䈩⺕䈏 ⥄ᓞ⊛ណ▚䉕⋡ᮡ䈮䈜 䉪䈫䈚䈩⚵❱⊛䈮ㆡಾ䈪䈅䉎䈎 䋺䈠䈱⚵❱ൻ䈏⋡⊛ 䈲⠨䈋䉌䉏䈭䈇䉅䈱䈪䈅䉎䈎䈬 䋺㕖༡೑䈪䈅䉎䈖䈫

“Measuring impact in social entrepreneurship: New accountabilities to stakeholders and investors” A Nicholls - Seminar on Social Enterprise, Milton Keynes University, 2005

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第3 章 社会イノベーションのダイナミズム ここで、”Pragmatic”とは、事業によって誰がどの程度の恩恵を受けるかというインパクトのレ ベルである。”Moral”とは、自律的採算を目標にすることと、それがフレームワークとして組織的 に適切であるかどうかの判断を意味し、”Cognitive”とは、その組織化が目的達成のためのものと して他には考えられないものであるかどうかの判断、”Regulatory”とは、非営利であることが法 律や規制にもとづく根拠を持っているかどうかの判断を意味する。英国で導入された”Community Interest Company”の規定はこの”Regulatory”の基盤を提供するためのものとして位置づけられ る。(第6 章で後述) ビジネス起業家も社会起業家も、新しいアイディアが人々を幸福にするから普及すると確信し て事業に着手する。ただし、両者の最大の違いは、創業時において、ビジネス起業家は市場経済 を前提としていることである。たとえば、食品工場などからの含水有機廃棄物を蒸し焼きにして 精製されるガスを軽油留分の液体燃料に、炭化された炭は肥料に使用するリサイクルプラントの 開発は、廃棄物を単に焼却することに較べれば排出炭酸ガスを削減し、エネルギーも有効活用で きる社会的価値を持つ。ただし、食品工場にとって廃棄物を処理業者に引き取ってもらうコスト と比較して採算が取れなければ、このイノベーションは採用されない。つまり、市場経済の原則 が前提である。 しかし一方の社会起業家は必ずしも市場経済を前提としない。ここに、創業時のビジネス起業 家との違いが存在する。前章のケース1、2、3 のいずれも、サービスの対価をイノベーションの 採用者が支払っているわけではない。

3-1-2

成功時

ビジネス起業家にとっての成功とは、イノベーションが普及してビジネスが成功し、企業価値 が高くなったことを意味する。株式公開あるいは売却すれば創業者としてのキャピタルゲインが 得られ、経済的に大きな報酬が得られる。一方、社会起業家の場合は、基本的にはイノベーショ ンを独占することは無く、イノベーションが普及して社会から賞賛されても経済的報酬は得られ ない。社会起業家は経済的豊かさではない価値を人生に求めているといえる。

3-2

生鮮食材の生産・流通の事例

農業に関わるビジネス起業家と社会起業家のダイナミズムを理解するために、合鴨水稲、有機 野菜流通、野菜コンビニの3 ケースを取り上げる。

<合鴨水稲同時作農法>

古野隆雄氏は、1978 年に九州大学農学部大学院を中退し、農薬と化学肥料に依存しない農業の あり方を追求していた。富山県砺波地方で合鴨農法を実践する兼業農家置田敏雄氏からアドバイ 26 社会イノベーション研究 2008年度報告書

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第3 章 社会イノベーションのダイナミズム

スを受けて、1988 年から合鴨水稲同時作に挑戦し、成功した。彼はこれを日本のみならず、東南 アジアにまで広げるべく指導にあたり、また、彼の農場に研修生を受け入れている。2001 年には、 スイスのSchwab Foundation for Social Entrepreneurship の Outstanding Social Entrepreneurs に日本人で初めて選出された。 彼はイノベーションを無償で指導することで普及を図っているが、イノベーションを採用した 農家は市場経済で採算が成り立ち、以前よりも豊かになることを追求している。このケースでは、 イノベーションの普及が無償であるという公共財産となっているが、このイノベーションによっ て各農家は市場経済のなかに組み込まれている。

<有機野菜流通>

藤田和芳氏は出版会社に勤務していたが、自然環境保全などの社会に役立つ事業を求めていた。 1975 年、青空市場での有機野菜の評判が良いことから、その将来性に目をつけて、生産者と消費 者を結ぶ組織’ 大地を守る会’ を立ち上げ、事業の拡大を志向した。1977 年、配送会社である(株) 大地を設立し、肉類、魚類、ハム、ミルクなどにも順次取り扱いを拡大し、事業規模は100 億円 を超えるようになった。2006 年には自給、環境保全、有機農業推進の新たなネットワーク「食を 変えたい!全国運動」の発足に参画し、また、’DAFDAF 基金’ を設立して、顔の見える交流先へ の国際支援を新たに提唱している。 (株)大地という営利組織と’ 大地を守る会’ という非営利組織を両輪に、農薬を使わない農業 の普及を消費側から推進している。創業当初から社会ミッション優先で、市場経済からは離れた ところから始まっている。しかし、有機野菜に関する消費者の関心の高まりのなかで、有機農業 自体がメジャーな位置を占めつつあり、この事業は市場経済化を果たしたと言い得る。日本の農 業が有機農法に全て切り替わったわけではないが、Rogers(2003)のモデルの初期多数派(Early Majority)段階に到達していると考えられる。

<野菜コンビニ>

深堀高巨氏は、1980 年、大学時代から関与していた青果店「杉本商店」に就職した。青果店は 後にスーパー「ベスト」となり、深堀氏は1990 年に常務に就任した。1996 年、99 円ショップを オープンさせ、2000 年「(株)九九プラス」として独立企業になる。99 円のパックで野菜を売る ビジネスモデルの導入は新しい形であったが、採算は合わず苦戦した。黒字への転換の背後には 仕入れに関するイノベーションがあった。農家の畑ごと野菜を買い取る契約をし、そこから収穫 されたなかで規格外の野菜は漬物にするなど、無駄を排除してトータルの仕入れコストを削減し た。その後の成長は表3-1 に示すとおりの急成長である。2004 年にはジャスダックに IPO(株式公 開)し、2006 年には店舗数が 800 店となった。既存コンビニエンスストアとの競合もあり、2007

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第3 章 社会イノベーションのダイナミズム /3 期売上高 1,245 億円に達したところで赤字になり、不採算店舗リストラなど経営転換を実施、 ローソンが筆頭株主となった。 表3-1: (株)九九プラスの急成長 㩿ᩣ㪀਻਻䊒䊤䉴䈱ᴪ㕟 㪈㪐㪐㪍ᐕ 㪋᦬ 㩿ᩣ㪀䊔䉴䊃䈱ᣂⷙ੐ᬺㇱ㐷䈫䈚䈩᧲੩ㇺ┙ᎹᏒ⧯⪲↸䈮䇸㪐㪐䉣䊮䉥䊮䊥䊷䉴䊃䉝䇹㪈ภᐫ䉕䉥䊷䊒 䊮 㪐㪏ᐕ ᧲੩ㇺ㪉㪊඙䇮␹ᄹᎹ⋵ᮮᵿᏒ䉕ਛᔃ䈮ᄙᐫ⥩ዷ㐿㐿ᆎ 㪈᦬ 䇸ᩣᑼળ␠਻਻䉣䊮䉥䊮䊥䊷䉴䊃䉝䇹䈱໡ภ䈪ᴺੱ⊓⸥ 㪈㪇᦬ ᬺോ᜛ᄢ䈱䈢䉄䇮ᧄㇱ䉕᧲੩ㇺዊᐔᏒቇ࿦᧲↸㪈ৼ⋡㪋⇟㪊㪐ภᐔጊ䊎䊦㪊㓏䋨⃻䇮ᧄ␠ᚲ࿷ ࿾䋩䈮㐿⸳ 㪊᦬ 䇸㪪㪟㪦㪧㪐㪐䇹䈱೨り䈫䈭䉎ᐫ⥩䊐䉤䊷䊙䉾䊃䉕⏕┙䇯ోᐫ⥩䊥䊆䊠䊷䉝䊦 㩿ᩣ㪀䊔䉴䊃䉋䉍⁛┙ ᣂળ␠䇸ᩣᑼળ␠਻਻䊒䊤䉴䇹⸳┙䋨⸳┙ᤨ䋺⋥༡㪋㪋ᐫ䋩 㪈㪈᦬ 䊐䊤䊮䉼䊞䉟䉵䊶䉼䉢䊷䊮䋨㪝㪚䋩ዷ㐿㐿ᆎ ੐ᬺ᜛ᄢ䈱䈢䉄䇮ᣂ㪚㪠䉕ዉ౉ એ㒠䇮ᣂᐫ⥩䈱ᐫ⥩ฬ䉕䇸㪪㪟㪦㪧㪐㪐䇹䈮⛔৻ 䊒䊤䉟䊔䊷䊃䊶䊑䊤䊮䊄䋨㪧㪙䋩໡ຠ⊒ᄁ 㪊᦬ ✚ᐫ⥩ᢙ㪌㪇ᐫ䋨⋥༡㪋㪍ᐫ䇮㪝㪚㪋ᐫ䋩㆐ᚑ 㪌᦬ ජ⪲⋵䇮ၯ₹⋵䈮ㅴ಴ 㪍᦬ ⑔ፉ⋵䈮ㅴ಴ 㪈㪇᦬ ᄢ㒋ᐭ䈮ㅴ಴ 㪈㪈᦬ ੩ㇺᐭ䈮ㅴ಴ 㪈㪉᦬ ౓ᐶ⋵䈮ㅴ಴ 㪈᦬✚ᐫ⥩ᢙ㪈㪇㪇ᐫ䋨⋥༡㪎㪉ᐫ䇮㪝㪚㪉㪏ᐫ䋩㆐ᚑ 㪍᦬ 㘩ຠ䉴䊷䊌䊷䈭䈬䉕ᚻដ䈔䉎䋨ᩣ䋩䉼䉮䊙䊷䊃䉋䉍䇮㑐⷏䉼䉮䊙䊷䊃䋨ᩣ䋩䋼⃻䋨ᩣ䋩਻਻䊒䊤䉴㑐 ⷏䋾䉕⾈෼䇮㪈㪇㪇䋦಴⾗ሶળ␠ൻ 㪎᦬ 㑐⷏䉼䉮䊙䊷䊃䋨ᩣ䋩䈏ᄢ㒋ᐭᄢ㒋Ꮢ䈮಴ᐫ䇮✚ᐫ⥩ᢙ㪈㪌㪇ᐫ䋨⋥༡㪈㪈㪐ᐫ䇮㪝㪚㪊㪈ᐫ䋩㆐ᚑ 㪐᦬ ਛ੩䊶᧲ᶏ༡ᬺㇱ䉕⊒⿷䇯ᗲ⍮⋵䈮ㅴ಴ 㑐⷏䉼䉮䊙䊷䊃䋨ᩣ䋩䉕䇮䋨ᩣ䋩਻਻䊒䊤䉴㑐⷏䈮␠ฬᄌᦝ ✚ᐫ⥩ᢙ㪉㪇㪇ᐫ䋨⋥༡㪈㪍㪏ᐫ䇮㪝㪚㪊㪉ᐫ䋩㆐ᚑ 㪐᦬ ችၔ⋵䈮ㅴ಴ 㪉᦬✚ᐫ⥩ᢙ㪊㪇㪇ᐫ䋨⋥༡㪉㪊㪊ᐫ䇮㪝㪚㪍㪎ᐫ䋩㆐ᚑ 㪏᦬✚ᐫ⥩ᢙ㪋㪇㪇ᐫ䋨⋥༡㪊㪉㪇ᐫ䇮㪝㪚㪏㪇ᐫ䋩㆐ᚑ 㪐᦬ 䉳䊞䉴䉻䉾䉪䋨㪡㪘㪪㪛㪘㪨䋩਄႐ 㪈᦬✚ᐫ⥩ᢙ㪌㪇㪇ᐫ䋨⋥༡㪋㪈㪈ᐫ䇮㪝㪚㪏㪐ᐫ䋩㆐ᚑ 㪉᦬ 㕒ጟ⋵䈮ㅴ಴ 㪋᦬ ⨙ၔ⋵䇮ጘ㒂⋵䇮ᄹ⦟⋵䈮ㅴ಴ 㪇㪍ᐕ 㪈᦬ 䇸㪪㪟㪦㪧㪐㪐䇹䉼䉢䊷䊮ోᐫᐕ㑆ᄁ਄㜞㪈㪃㪇㪇㪇ం౞⓭⎕ 㪇㪎ᐕ 㪊᦬ 䉮䊮䊎䊆䉣䊮䉴䉴䊃䉝䈱䋨ᩣ䋩䊨䊷䉸䊮䈫ᬺോ䊶⾗ᧄឭ៤ 㪿㫋㫋㫇㪑㪆㪆㫎㫎㫎㪅㫊㪿㫆㫇㪐㪐㪅㪺㫆㪅㫁㫇㪆㪺㫆㫄㫇㪸㫅㫐㪆㫆㫌㫋㫃㫀㫅㪼㪆㪿㫀㫊㫋㫆㫉㫐㪅㪿㫋㫄㫃 㪐㪐ᐕ 㪉㪇㪇㪇ᐕ 㪇㪈ᐕ 㪇㪉ᐕ 㪇㪊ᐕ 㪇㪋ᐕ 㪇㪌ᐕ ห␠䊖䊷䊛䊕䊷䉳 㪋᦬ 㪈᦬ 㪈㪇᦬ このビジネスモデルの特徴には、小口販売で無駄をなくす、市場に流通しにくい不定形野菜を 漬物などにするなどの社会的価値が内在し、さらに、2003 年からは(財)日本盲導犬協会の募金 活動に参加するなどの社会貢献活動にも熱心である。ただし、創業当初から市場経済のなかで展 開する前提であったことから、深堀氏はビジネスの成功者であり、社会起業家とは呼ばない。 前節で述べたように、創業時から市場経済での成功を意図し、成功時には株式公開によるキャ ピタルゲインもあったであろう。現在は創業者の株主シェアは1 %未満であるが、IPO 時には株 価数十万円(現在は赤字転落もあり数万円の純資産倍率1 倍強で時価総額 100 億円に達しないレ ベル)に達していた。 ここに挙げた3 ケースともに、創業当初は小規模からスタートしているが、合鴨水稲同時作農 法は組織規模ではなく技術のみが普及し社会システムにインパクトを与え、有機野菜流通はその パイオニアに役割を果たすとともに事業規模も拡大し、野菜コンビニは既存コンビニに影響をも たらすレベルにまでインパクトを与える規模に達した。いずれも社会システムへの影響を与えて いる。その関連を図3-2 に示す。 28 社会イノベーション研究 2008年度報告書

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第3 章 社会イノベーションのダイナミズム ᐢ 䶜 ᥉ ෸ 㒢 ቯ ⊛ ᥉ ෸ ෼⋉ᕈ 㪧㫌㪹㫃㫀㪺䉶䉪䉺䊷 ዊ䈘䈭 䉼䊞䊧䊮䉳 ዊ䈘䈭 䉼䊞䊧䊮䉳 ዊ䈘䈭 䉼䊞䊧䊮䉳 ฎ㊁ㄘ႐ ว㡞ㄘᴺ䈱᥉෸ ᄢ࿾䉕቞䉎ળ 䋨ᩣ䋩ᄢ࿾ ᦭ᯏ㘩᧚ᵹㅢ ዊⷙᮨ᦭ᯏㄘ႐ 䋨ᩣ䋩਻਻䊒䊤䉴 ᦭ᯏ㘩᧚ᵹㅢ ⴝ䈱㊁⩿ ዊᄁᐫ ␠ળ⊛䊚䉾䉲䊢䊮 Ⴚ ⇇ 㗔 ၞ Ⴚ ⇇ 㗔 ၞ 㪧㫉㫀㫍㪸㫋㪼䉶䉪䉺䊷 図3-2: ビジネス起業家と社会起業家の境界 3 ケースの異なる点は、野菜コンビニのケースが数年の短期間でビジネスモデル確立から規模 拡大まで達成しているのに対し、他の2 ケースの普及速度は緩慢であることである。 さらに、イノベーションの視点で考察すると、これらイノベーションは既存組織では着手され なかったであろうと想定される特徴を持つ。合鴨水稲同時作農法は公的農業技術研究組織の技術 トレンドとはあまりに異質であり、ビジネスモデルとしてこのイノベーションを普及して経済的 利益を得る事は想定できない。有機野菜流通にしても、いつの時点で初期多数派が有機野菜を選 好するようになるかどうかなど誰にも予測はつかない。野菜コンビニも、最初のアイディアでは 黒字にならず、試行錯誤の結果、仕入れのイノベーションが生まれたのであり、既存組織で取り 組めるレベルのリスク範囲を超えているといえる。

3-3

社会起業家をサポートするための政策的含意

イノベーションの普及において最も困難な時期は、初期採用者(Early Adopters)から、実利的 で採用には慎重な初期多数派(Early Majority)に移行する段階である。Moore(1991)は、情報通 信技術の先端技術のマーケティング戦略において、この二つの段階の間には大きな崖淵(Chasm) が存在し、これをいかに渡りきるかの戦略が最重要であるとし、その戦略のあり方を解説している。 前節の図3-2 で示したような小さなチャレンジを大きくするときには、それに見合うリソース と戦略が必要となる。ビジネス起業家の場合は、事業の潜在力を理解した投資家がその役割を果

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第3 章 社会イノベーションのダイナミズム 出典:Moore(1991) 図3-3: Moore の Chasm たす。野菜コンビニの場合は(株)キョウデンがスポンサーの役割を果たしている。しかし、社 会起業家の場合には、市場経済の枠組みから外れたところからの創業であり、創業者自身の資産 と労力を投入し、賛同が得られれば社会ミッションを共有する組織なり個人からの寄付などがリ ソースとなるのみである。 米国では、民間の大規模財団が多数存在し、彼らが投資家に代わる役割を果たしている。社会 起業家を多数サポートしてきたAshoka : Innovators for the Public も、創業時にはロックフェ ラー財団がサポートした。このAshoka も、社会起業家をサポートするタイミングを成長拡大期 にしている。スイスのSchwab Foundation は、すでに実績を積み上げつつある社会起業家の表 彰であり、イノベーション普及の段階で見れば、初期多数派段階に達した成功事例であり、表彰 の意味は一層の普及と栄誉を付与するところにある。同財団が社会起業家を選定するときのプロ セスは下記のようになっている。

Over a six-month period, Social Entrepreneurs are evaluated on

1

⃝ their leadership ability,

2

⃝ the reach of their social impact

3

⃝ the innovativeness and scalability of their ideas,

4

⃝ the sustainability of their organizations.

In addition to the Foundation staff, candidates are reviewed by an expert in the Social Entrepreneur’s primary field (e.g.,rural development, micro-finance, etc.), a second reviewer familiar with the region, and a third reviewer who is a leader in the field of Social Entrepreneurship.

出典:Kramer(2005)

日本では、寄付税制が未成熟であり、企業の寄付行動も活発ではないため、税の徴収と政府の 財政が米国の大規模財団のような役割まで果たすことが基本となっている。一挙に米国型に飛躍

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第3 章 社会イノベーションのダイナミズム することが無理であるとすれば、次善の策として、規模拡大時のサポートを財政がすることが求 められる。ただし、政府が直接的に関与するには、リスクが高すぎる。既存に存在しない破壊的 イノベーションは、将来の予測ができないからである。合鴨水稲同時作農法のケースでも、東南 アジアでの鳥インフルエンザの影響で困難に直面した。政府が推進した政策であると、このよう な困難の責任も求められることになりかねない。社会起業家がリスクを引き受けるためのリソー スは財政が提供するが、リスクに対する責任は引き受けないというようなルールに基づく、新し いサポートのあり方の構築が必要となろう。

参考文献

Kramer, 2005:Mark R. Kramer(2005)Measuring Innovation: Evaluation in the Field of Social Entrepreneurship, Foundation Strategy Group.

Moore, 1991:Geoffrey A. Moore(1991)Crossing the Chasm: Marketing and Selling High-Tech Products to Mainstream Customers, Harper Business(川又政治訳「キャズム―ハイテク をブレイクさせる『超』マーケティング理論」翔泳社、2002).

図 3-1: 社会的企業の正当性と説明責任

参照

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