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建築設備コミッショニング協会
2015年 公開シンポジウム
虎ノ門ヒルズ森タワーの
コミッショニングプロジェクト
森ビル株式会社
設計統括部 設備設計部
大森 一郎
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目次
1.建物概要
2.虎ノ門ヒルズ森タワー Cxに関する特徴
3.コミッショニングを実施するオーナーの思い
4.オーナーが感じる課題
1.建物概要
:17,069m²
:244,360m²
:地下5階・地上52階建
:247m (工作物込み255m)
:事務所、店舗、住宅、ホテル、
カンファレンス、駐車場
:2011年4月
:2013年3月1日
:2014年6月
:森ビル株式会社
:株式会社日本設計
:(建築)株式会社大林組
:(空調)新菱・九電工空調設備工事
共同企業体
:(衛生)三建設備工業株式会社
:(電気)きんでん・関電工・トーエネック
電気設備工事共同企業体
敷 地 面 積
延 床 面 積
規
模
高
さ
主 要 用 途
着 工 時 期
上
棟
竣
工
特 定 建 築 者
設
計
者
施
工
者
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2.Cxに関する特徴
その① 新機軸の空調システムを採用
・大規模オフィスビルに潜顕分離空調を導入
・ヒートポンプの高効率運転を目的に中温冷水・低温温水を採用
・その省エネ効果の試算表
4,356 6,212 7,087 0 2,000 4,000 6,000 8,000 K2 LOBAS熱源 ガス+電気ミックス案 オールガス案CO2排出量比較[t-CO2/年]
-12%削減
-39%削減
-30%削減
CO2排出量比較(t-CO2/年)
オールガス案
ガス+電気ミックス案
新システム案
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2.Cxに関する特徴
その② 国交省の住宅・建築物省CO2先導事業採択PJ
○建設工事費
①超高効率熱源LOBASシステムと徹底計量BEMS
・超高効率熱源LOBASシステム
(熱源設備のみ)
・徹底計量BEMS
②エコライフを促す仕組み
・太陽光発電システム
・見える化システム(住宅、共用部)
○マネジメントシステム
①エリアカーボンハーフへの展開
・クラウド型テナントエネルギーWEBシステム開発費
(設備費、工事費)
(アプリケーション開発費、ハードウェア(サーバー
等)、データセンター開設費、BEMS接続ゲート
ウェイ開発費のみ)
<採択通知書>
<採択項目>
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2.Cxに関する特徴
その③ 熱源・空調設備を二度設計したPJ
○設計工期
○二回の実施設計が意味するもの
・実施設計に基づいた(=機器仕様が決定した)、しっかりしたエネルギー
シミュレーションが二種ある。
・従来設計と新機軸設計の比較が同じ土俵で出来る。
▼2009年10月 ▼2009年12月 ▼2010年1月
▼2011年3月
実施設計
変更実施設計
従来
の設計
新機軸
の設計
入札
S
C
決
定
S
C
発
注
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3.コミッショニングを実施するオーナーの思い
1. 新システムについて運転段階の性能評価
・自動制御の実負荷に合わせたチューニング
・消費エネルギーの新システム(実績値)と従来システム(シミュレーション
値)の比較
2. 国交省への省CO2技術導入成果報告への活用
・消費エネルギーの見える化を図り、導入成果報告書を作成
3. CxFへの業務委託により、CxF登録制度の普及を促進
・注目度の高い建物のCxをCxFに依頼することで、CxF登録制度を多くの人に
印象付け、Cxの普及を図る。
※森ビルはCxの普及が目的ではない。Cxが普及してスパイラルアップしたCxを活用して
自社の建物価値向上を目指すことが目的である、という考え
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4.オーナーが感じる課題
○コミッショニング対象機器と費用
・対象機器:オーナーが決定するのが基本
→ コミッショニングを実施する目的による
・費 用 :オーナーの予算による
→ 実施者の人件費が基本。内容は実施者と協議
○虎ノ門ヒルズの場合
・対象機器:新システムの部位
→ 熱源設備の全て&選択階2フロアの空調設備
・費 用 :実施者の人件費
→年間 約100人工。月1回のCx会議開催とBEMSデータ分析
・実施機関:3年間
2013/09/17撮影