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21 世紀の第 4 世代冷媒 ハネウェルは フルオロカーボン系冷媒技術の先駆者として 各時代の代表的な冷媒の開発に携わってきました 低地球温暖化係数の新たなソリューションが世界中で必要とされる中 ハネウェルは冷凍冷蔵および空調機器やカーエアコン用冷媒 発泡剤 エアゾール用噴射剤として広く使われている

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(1)

冷媒

Solstice® ze

冷媒

(HFO-1234ze(E))

(ソルスティス)

環境に優しい

従来冷媒の代替用次世代冷媒

GWP

(地球温暖化係数)

ハイドロフルオロオレフィン

(HFO)

(2)

21

世紀の第

4

世代冷媒

ハイドロフルオロオレフィン(

HFO

)について

それぞれ単一物質からなる流体であ る

Solstice® ze

Solstice® yf

、および

Solstice® zd

の化学構造は、炭素

-

炭素 の二重結合を有しており、この構造によって 低い

GWP

を可能にしています。さらに、この ような分子構造によって非常に短い大気寿 命を実現しました。

Solstice® ze

は、トランス

-1,3,3,3-

テトラフ ルオロプロパ

-1-

エンで、

ASHRAE

(米国暖 房冷凍空調学会)規格

34

により冷媒番号

R-1234ze(E)

として登録されました。冷媒 名末尾の

(E)

は異性体を示します。もう一つ の異性体(末尾

(Z)

)は、シス

-1,3,3,3-

テトラ フルオロプロパ

-1-

エンです。 異性体

(E)

(Z)

の物性は異なります。 両者とも

GWP<1

と極めて

GWP

値の低い 分子ですが、

R-1234ze(Z)

は高い沸点 (

9.8

℃)と高い臨界温度(

153.7

℃)を示 し、

R-1234ze(E)

に比較して容積が約

50

%ほど小さくなります。このような物理特性 のため

R-1234ze(Z)

134a

の代替品と して最善ではありません。

R-1234ze(Z)

は 高温ヒートポンプなど特定の用途での使用 が可能ですが、システムやコンプレッサのサ イズによっては、

R-1234ze(E)

の方が稼働 条件やコストの点で

R-134a

の代替品とし て適しています。

HFO-1234ze(E)

の異性体:

ハネウェルは、フルオロカーボン系冷媒技術の先駆者として、

各時代の代表的な冷媒の開発に携わってきました。

低地球温暖化係数の新たなソリューションが世界中で必要と

される中、ハネウェルは冷凍冷蔵および空調機器やカーエア

コン用冷媒、発泡剤、エアゾール用噴射剤として広く使われ

ている従来製品と同様の性能を発揮する、独自の

HFO

(ハイ

ドロフルオロオレフィン)製品群である

Solstice®

(ソルスティ

ス)を開発しました。

ソルスティス製品群はその分子構造によって、他の類似代替

品よりも大気寿命が短く、結果として非常に低い

GWP

(地球

温暖化係数)を実現しました。

ハネウェルのソルスティスブランド製品群は、発泡フォーム用

途における優れた断熱性能、冷凍冷蔵および空調機器やカ

ーエアコン向け冷却・暖房用途における優れた冷却性能に

加え、画期的な環境保護性能を示しています。

HFO-1234ze(E) HFO-1234ze(Z) H F C

物性

Solstice®

(ソルスティス)

ze (HFO-1234ze(E))

化学名 トランス

-1,3,3,3-

テトラフルオロプロパ

-1-

エン 化学表記

CF

3

CH=CHF

外観 無色

ODP

(オゾン破壊係数)(

ODP-R11=1

0

GWP

(地球温暖化係数)

(GWP CO2=1

<1

AR5

のみ)

ANSI / ASHRAE

規格

34-1992

安全分類

A2L

可燃限界

- ASTM E681-04 @ 21

℃ 不燃 可燃限界

- ASHRAE

規格

34@ 100

7

%~

12

%(体積による) 単位

SI

(国際単位系) 分子量

114 kg/mol

101.3 kPa

での沸点

-18.95

101.3 kPa

での氷点

-156

臨界温度

109.4

臨界圧力

36.36 bar

臨界比容積

0.00204 m

3

/kg

臨界密度

489 kg/m

3 沸点の蒸気密度

5.71kg/m

3 液体密度

1293kg/m

3

25

℃での液体比熱

1.383 kJ/kg

°

K

25

℃での蒸気比熱

0.9822 kJ/kg

°

K

沸点での気化熱

195.4 kJ/kg

25

℃での蒸気圧

498.6 kPa

25

℃での液体熱伝導率

0.0781 W/m

°

K

25

℃での蒸気熱伝導率

0.0136 W/m

°

K

25

℃での液体粘度

199.4

μ

Pa sec

25

℃での蒸気粘度

12.2

μ

Pa sec

容積あたりの揮発性%

100

HFO-1234ze(E)

の水への溶解度

0.037 wt.

(3)

圧力とエンタルピー

-2 0º C -1 5º C -1 0º C -5 ºC 0º C 5º C 10 ºC 15 ºC 20 ºC 25 ºC 30 ºC 35 ºC 40 ºC 45 ºC 50 ºC 55 ºC 60 ºC 65 ºC 70 ºC 75 ºC 80 ºC 85 ºC 90 ºC 95 ºC 10 0º C 105ºC 110ºC 1. 30 0 g/ cc 1. 20 0 g/ cc 1. 10 0 g/ cc 0.200 g/cc 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 35 40 45 160 180 200 220 240 260 280 300 320 340 360 380 400 420 440 460 480 500 520 540 560 Pr essure (b ar) Enthalpy (kJ/kg) Reference State: h = 200 kJ/kg, s = 1.00 kJ/kg-K sat. liq at 0 ºC `

HFO-1234ze

エンタルピー (kJ/kg) 基準状態: h=200 kJ/kg, s=1.00 kJ/kg-K sat. liq. at 0oC 圧力 (bar) 温度 (oC) 圧力 (kP a) 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

圧力と温度

温度℃ 圧力(絶対値)

kPa

-40

37

-35

48

-30

61

-25

77

-20

97

-15

120

-10

147

-5

179

0

216

5

259

10

308

15

364

20

427

25

499

30

578

35

668

40

767

45

876

50

997

55

1131

60

1277

65

1437

70

1611

log10 (Press) = A0 +A2 T + 273.15 + A1 with A0 = -1115.58 (bar, ºC) A1 = -6.78 A2 = 4.52

冷媒漏えいについて

ソルスティス

ze

の気体が大量に漏えいした場 合には、

R-134a

と同様の処置を取る必要が あります。

漏えい検知

漏えい箇所の特定には携帯式の漏えい検知 器、継続的な全室監視には漏えい検知モニタ ーをご使用ください。漏えいの検知は、システ ム近くでの人員保護、冷媒の保全、装置の保護 および性能維持、排出抑制のためにとても重 要です。適切な検知器については機器製造元 にご相談ください。 チラー 業務用エアコン

(4)

材料の適合性

ハネウェルでは冷蔵設備の洗浄には塩素系溶 剤を使用しないよう推奨します。

プラスチックおよびエラストマー

との適合性

ソルスティス

ze

は一般的な材料との適合性が あります。ただし、これらの材料には多くの異 なるグレードおよび組成があるため、新しい機 器設計の際には、必ず検討中の材料の各グレ ードについて、実際の使用条件下における適 合性試験を実施してください。 以下の表は、ハネウェルが実施した材料適合 性試験(試験条件:室温にて

2

週間浸漬)のデ ータです。このデータはソルスティス

ze

との材 料適合性の参考としてのみご利用ください。表 内の分類は限られたサンプル数を基に判断し たものであり、実際と異なる場合もあることに ご注意ください。材料適合性の検証については メーカーにご相談いただくか、自主試験を実施 してください。 基質 平均硬度変化% 平均重量変化% 平均容積変化% 備考

ABS (

アクリロニトリルブタジエンスチレン

)

0.21

-0.6

Delrin® (

デルリン

)

アセタール樹脂

0.18

0.48

アクリル 顕著な歪み

1

週間後に孔食/膨張

HDPE (

高密度ポリエチレン

)

0.82

-3.74

ナイロン

66

-0.26

0

PC (

ポリカーボネート

) *

1.1

0.77

1

週間後液体に濁り/残渣

ULTEM™ (

ウルテム

)

ポリエーテルイミド

-0.04

0

Kynar® (

カイナー

) PVDF (

ポリフッ化ビニリデン

) *

0.21

0

液体が変色

Teflon® (

テフロン

)

2.03

2.43

PP (

ポリプロピレン

) *

0.83

0

液体に濁り/残渣

HIPS (

耐衝撃性ポリスチレン

)

0.26

-0.45

PVC (

塩ビ

) -TYPE 1

0.002

-0.44

PET (

ポリエチレンテレフタレート

)

-0.01

0

SBR/CR/NBR

7.28

2

-4.31

Viton® (

バイトン

) B COMM.

グレード

-11.29

4.43

5.71

ブナ

-N

8.91

-4.95

-7.18

EPDM (

エチレンプロピレンジエンゴム

)

-1.5

-2

-2.49

エピクロロヒドリン

-3.5

0.73

1.51

シリコーン

*

-0.71

-1.57

-1.96

液体が若干変色/残渣 天然ゴム

2

-0.64

-0.75

Texin® (

テキシン

)

熱可塑性ポリウレタン

390

-4.35

5.14

4.41

ブチルゴム

-1.13

1.27

0.88

ネオプレン

7.32

-7.7

-11.47

Kalrez® (

カルレッツ

) 6375

-10.36

5.22

33

適合 条件により適合 不適合

乾燥剤

(デシカント)

ソルスティス

ze

に適した市販のデシカント除湿 機をご使用ください。使用・取扱法の詳細に関 しては、各除湿機の製造元にお問い合わせく ださい。

潤滑油

ソルスティス

ze

には、

POE

(ポリオールエステ ル)オイルの使用を推奨します。

GWP

(地球温暖化係数)が非常に低い他の 冷媒同様、ソルスティス

ze

は従来の

HFC

(代 替フロン)や

HCFC

に比べ、油に対する高い混 和性と可溶性を有しています。サイクル内の液 体側からコンプレッサへの戻りオイルに高い混 和性が求められるシステムの場合、可溶性が 高くなると、より多くの冷媒が気相側のオイル パンに貯まることになります。これは、これに よりコンプレッサのベアリングにおける潤滑油 が、それが冷媒と混合することにより粘度が低 下します。ベアリング荷重最大時での可動に 必要な潤滑油の最小粘度はコンプレッサおよ びベアリングの性能により異なります。このた め使用条件によっては、ソルスティス

ze

を使用 するコンプレッサのベアリングの十分な潤滑を 確保するため、より高い粘度のコンプレッサ用 潤滑油が必要とされる場合があります。 通常、各コンプレッサ製品に適合する潤滑油 は機器製造元により指定されています。システ ムで推奨される潤滑油については、機器製造 元にお問い合わせください。

*

重量、容積、硬度の変化はごく微小ですが、 液体の変色や残渣により用途によっては使用 に適さない場合があります。

(5)

安全性および保管

製品の使用前に化学物質安全性データシート (

SDS

)をご一読ください。 ソルスティス

ze

冷媒(トランス

-1,3,3,3-

テト ラフルオロプロパ

-1-

エン)は、

EU

REACH

(化学物質の登録、評価、認可及び制限に関 する規則)登録済です。

毒性

ソルスティス

ze

は広範な毒性試験をクリアして おり、各種ガイドラインおよび基準に従って用 いられる場合、冷凍冷蔵および空調機器用途 での安全性が確認されています。

OARS

(リスクサイエンスのための労働アライ アンス)の

WEEL

(作業環境曝露限界濃度) による

R-1234ze(E)

の値は、

800ppm

8

時間時間加重平均)です。現在遠心式および スクリュー式冷凍機に用いられている

HFC-134a

WEEL

値は

1,000 ppm

です。 ソルスティス

ze

SDS

(安全データシート) に含まれる情報は以下の通りです。急性毒 性(吸入):

LC50:>207,000ppm

4

時 間、ラット)/皮膚刺激性:認められず(ウ サギ、

OECD

ガイドライン

404

)/心感作:

120,000ppm

で影響が認められない(犬) /反復投与毒性:

13

週間ラットに反復投与に て心臓に微小な影響を認める(

NOEL 5,000

ppm

)/

In-vitro

変異原性:エームス試験 陰性/

In-vivo

変異原性:マウス小核試験陰性 (吸入、ほ乳類骨髄細胞染色体解析を含む細 胞遺伝学的試験)

燃焼性

ソルスティス

ze

R-1234ze(E)

ASHRAE

規格

2010

A2L

区分(冷媒微燃性区分の うち最も低い燃焼性)です。 日本:

GHS

分類では不燃性ガス(燃焼範囲測 定温度

20

℃)に該当しますが、日本の高圧ガス 保安法では特定不活性ガスに分類されます。 この冷媒は独自の特性により、周囲温度

30

℃ 未満においては空気との引火性混合物を生じ ない、取扱・保管については不燃性が適用さ れます。

R-1234ze(E)

を何らかのシステム において使用中に漏えいが起きた場合、空気 中で燃焼性を持つ場合があります。左下のグ ラフは、

R-1234ze(E)

と他の冷媒を比較し た『燃焼が起こる可能性』の順位を図示して います。

R-1234ze(E)

の引火には、炭化水 素類の

10

倍の濃度と

250,000

倍のエネル ギーが必要(

30

℃以上の場合)です。 ソルスティス

ze

の燃焼が起きた場合でも、燃 焼温度が非常に低く(プロパンの

1/5

)、燃焼 速度も極めて遅いために火炎伝播を生じず、 燃焼の影響は非常に小さいものとなります。

Minimum Ignition Energy (mJ)

Lower Flame Limit (g/m3)

100,000 10,000 1,000 100 10 1 0.1 0.01 0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 250 275 300 325 350 x 250,000 more energy to ignite!

x 10 more concentration to ignite!

R-1234ze @ 60oC Non-flammable below 30oC R-1234yf R-32 NH3 R-152a R-600a R-290 Gasoline Acetylene Methane Increasing Flammabilit y Heat of C ombustion, MJ / k g Burning Velocity, cm / s 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 R-1234yf R-1234ze R-134a R-32 NH3 Class 2L Class 3 Class 2 R-152a R-600a R-290 Gasoline Methane Increasing Damage 60 50 40 30 20 10 0 燃焼特性 UFL (燃焼上限界) 、空気中 Vol % (21℃、 ASTM E681-01試験による) なし LFL (燃焼下限界) 、空気中 Vol % (21℃、 ASTM E681-01試験による) なし UFL (燃焼上限界) 、空気中 Vol % (60℃、 ASTM E681-01試験による) 5.7 LFL (燃焼下限界) 、空気中 Vol % (60℃、 ASTM E681-01試験による) 11.3 最小着火エネルギー、mJ、 20℃および1 atm (Chilworth Technology、 米国にて測定) 着火なし 最小着火エネルギー、 mJ、 54℃および1 atm (Chilworth Technology、 米国にて測定) >61,000 <64,000 自己着火 (欧州EC 物理化 学的試験 A15、Chilworth Technology、英国にて測定) 368 燃焼熱、MJ/ kg、ASHRAE 規格34による試験 (化学量論 組成、空気中7.73%) 10.7 層流燃焼速度、cm /秒 (ISO 817による、AIST (日本、産総研) にて測定) 0 (火炎伝播 しない)

Flammability is evaluated by

Chance of Flame

occurring

and

Effect of Flame occurring

最小着火エネルギー (mJ) 着火には10倍の濃度が必要 100,000 10,000 1,000 100 10 1 0.1 0.01 0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 250 275 300 325 350 LFL (燃焼下限界) (g/m3) R-1234ze @ 60℃ 30℃未満で不燃 R-1234yf R-32 NH3 R-152a R-600a R-290 ガソリン アセチレン メタン 可燃性上昇 燃焼熱 MJ / kg 燃焼速度 cm /秒 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 R-1234yf R-1234ze R-134a R-32 NH3 クラス2L クラス3 クラス 2 R-152a R-600a R-290 ガソリン メタン 被害が大きい 60 50 40 30 20 10 0 Vol. % 空気中 0 5 10 15 120 100 80 60 40 20 0 温度 (℃ ) 30℃未満では 可燃限界なし LFL UFL

燃焼性評価:

『燃焼が起こる可能性』および『燃焼による影響』

着火には 250,000倍 のエネルギー が必要 着火確率 引火の可能性: 最小着火エネルギーと LFL(燃焼下限界) 潜在的な被害 火炎による影響: 燃焼速度と燃焼熱 R-1234ze(E)の 可燃限界: 米国運輸省および ASHRAE規格

(6)

PED

(欧州圧力機器指令)

PED

は欧州指令であり、

ISO5149

EN378

などの工業規格ではありません。 工業規格が

ISO817

または

ASHRAE34

規 格によって冷媒を区分している場合、これらの 区分は

EU

の定める

PED

(または

EU

指令に よる区分)に基づくものとなります。

PED

では液体を危険、非危険の

2

つのグ ループに分類しています。燃焼性物質は 危険グループに属し、

PED

では欧州基準

EC440/2008

による

A11

法に基づいて燃焼 性を定義しています。燃焼性試験は

21

℃で 実施され、ソルスティス

ze

は不燃性で引火し ないため、

EU A11

でグループ

2

に分類され ます。ハネウェルは

R-1234ze(E)

を最も高い レベルおよび分類のトン数において

REACH

に登録し、登録に際してはメーカー

SDS

(安 全データシート)記載の情報が欧州化学機 関(

ECHA

)に提出されています。従って、

R-1234ze(E)

(トランス

-1,3,3,3-

テトラフル オロプロパ

-1-

エン)の物性は、

PED

グループ

2

に相当します。

シリンダー容器での保管・取扱

ソルスティス

ze

は高圧ガス分類で不燃性(日 本では特定不活性)であるため、シリンダー等 の容器保管および取扱については

R-134a

と 同様の条件が適用されます。 ソルスティス

ze

のシリンダー容器は、明確な目 印をつけ、熱、火気、腐食性薬品、煙、爆発性 物質から離れた場所に置き、他の損傷要因か ら保護を行った上で、涼しく乾燥し、換気の良 い場所で保管してください。 いかなる場合でも使用済みの空シリンダーに 新しい製品(バージン製品)以外のものを充 填しないでください。シリンダーが空になっ たら、シリンダーバルブを適切に閉じ、バルブ キャップを交換した上でハネウェルの供給業 者へ返還ください。ソルスティス

ze

のシリン ダー容器は、特に温暖な気候下において直射 日光を避けて保管してください。 液状のソルスティス

ze

は、加熱により大幅に 膨張し、シリンダー内の残された蒸気のため の空間を低減させ容器内圧力の上昇につなが る場合があります。シリンダー内の液体が満 充填された状態での温度上昇は、破裂やこれ に伴う重大な傷害の原因となる場合がありま す。シリンダーの温度は

52

℃を超えてはいけ ません。 ソルスティス

ze

に使用される容器、コンテナ、 輸送路、ポンプや他の機器は、ソルスティス

ze

が完全に除去され、液体もしくは気体いずれ の状態もで一切残っていないことが確認され ない限り、高熱源(溶接、ろう付け、火炎な ど)に曝露してはなりません。シリンダーの溶 接、ろう付け、火炎への曝露も厳禁です。可能 な場合、機器のメンテナンスや洗浄は容器内 に立ち入ることなく実施してください。タンク またはこれらの閉鎖空間内に立ち入る必要が ある場合は、立ち入りに関する正式な手順に 沿い作業を行ってください。これらの作業は、 資格を有する人員により行い、また立ち入りに 関する文書の記載内容に基づき実施してくだ さい。

用途

ハネウェルの

Solstice®

(ソルスティス)

ze

HFO-1234ze (E)

)は、中圧、低

GWP

(地 球温暖化係数)で、すべての特性をバランスよ く備えた最良の市販冷媒です。ソルスティス

ze

は従来型の冷媒を異なる中間的な温度使用 条件においても優れた熱効率によって置き換 えができるものであり、数

kW

20MW

出力 および充填量

300g

13

トンの用途で多くの 機器メーカーに採用されています。

空冷式および水冷式ターボ冷凍機

地域冷熱供給

ヒートポンプ

冷凍冷蔵庫

自動販売機

飲料サーバ

除湿機

CO

2カスケードシステムなど 産業分野で数々の賞を受賞している

Solstice®

(ソルスティス)

ze

は、冷媒ユーザーにとって 最も重要な性能、コスト効率性、環境負荷の 低減、安全性を満たす冷媒です。

性能

同等システム上の空冷式チラーを用いたソル スティス

ze

とプロパン(

R-290

)の比較実地 試験では、ソルスティス

ze

の非常に低いエネル ギー消費量が実証されました。ソルスティス

ze

は、

GWP

が高い

HFC

(代替フロン)の持つ高 い環境負荷を大幅に低減し、かつ従来冷媒と ほぼ同じ特徴と動作特性を発揮します。

HFC-134a

向けに最適化された設計システ ム上では、ソルスティス

ze

は様々な用途や条件 で

134a

を上回る省エネ性(または

COP-

成 績係数)を実現します。コンプレッサ専門家か らは、

HFO

(ハイドロフルオロオレフィン)向 けにコンプレッサの設計を最適化することでさ らなる性能向上も可能であることが指摘され ています。適用可能なコンプレッサは、レシプ ロ、スクロール、スクリュー、遠心式です。

ソルスティス

ze

の他の特徴:

ソルスティス

ze

は単一冷媒であるため、満 液式システムに使用できます。

ソルスティス

ze

の優れた熱力学的特性は、 液ガス熱交換器や他方式サイクル用途にも 優れた利点を持ちます。

コスト効率性

スピーディーに導入可能 ソルスティス

ze

の性能は

134a

などの中圧冷 媒に類似しているため、大きな変化や変更なく 導入することができます。 コンプレッサ使用寿命の長期化 ソルスティス

ze

は吐出温度がより低いため、機 械的な負荷を低減し、コンプレッサの使用寿命 を長期化します。 省エネ性 ソルスティス

ze

冷媒は、類似の低

GWP

代替 冷媒に比べ、高温気候地域での使用機器に対 し、より高い省エネルギー性を発揮します。 世界に向けたソリューション ソルスティス

ze

は、世界すべての気候帯で効率 良い冷却能力を発揮し、また世界中で流通して います。ハネウェルは

HFO-1234ze(E)

を商 業生産し、全世界の供給体制を整備しました。

環境への影響

ソルスティス

ze

GWP <1

で、現在の気候環境 保護目標を大幅に上回る物性を有しています。

将来の環境規制への対応

直接的に

CO

2 排出量を

99.6

%低減

エネルギー消費量低減により、間接的に

CO

2排出量を低減

大気寿命はわずか

18

日で、

134a

13

年 に比べ大幅に低下

安全性

ソルスティス

ze

は、同様の用途で用いられる非 常に強い可燃性または高い毒性を持つ炭化水 素類やアンモニアに比べ、安全性が大幅に高 いソリューションです。

ソルスティス

ze

の大気中分解に

ついて

HFO-1234ze(E)

は、他の一般的に用いら れるフッ素化合物と同じ副生成物に分解し、そ のレベルは自然界に存在するよりも非常に低 いレベルとなります。発生した

F

原子は

HF

と なり、オゾン層や気候に悪影響を及ぼすことな く雨による降下により無機化

*

します。 * 「トランス-CF3CH=CHFの大気酸化による生成物の地球 環境に対する影響は、無視してもよい程度に微少であると結 論付けた」 M.S. Javadi他、『Atmospheric Chemistry of Trans-CF3CH=CHF(トランス-CF3CH =CHFの

大気化学)』、Atmospheric Chemistry & Physics Discussions誌、Vol8、pp 1069-1088、2008年

(7)

134a

代替候補との比較

134a

1234ze

CO

2

R-600

R-290

ASHRAE分類

A1

A2L

A1

A3

A3

GWP

(IPCC第5次報告書-AR5)

1300

1

未満

1

3

3

LFL

(燃焼下限界) (空気中 vol%)* 該当なし

7% **

該当なし

1.80%

2.10%

UFL

(燃焼上限界) (空気中 vol%)* 該当なし

12% **

該当なし

8.40%

9.50%

燃焼熱(kJ/g)

4.2

10.7

該当なし

45.6

46.3

燃焼速度(

cm /秒)

該当なし 該当なし 該当なし

41

46

最小着火エネルギー (mJ)

N/A

64000 ***

61000

該当なし

~0.25

0.25

PED欧州圧力機器指令

(97/23/EC)区分

2

2

2

1

1

取扱・保管時の燃焼性 なし なし なし あり あり 商業的入手性 あり あり あり あり あり 導入の容易さ 比較の基準 中

-

可能な場合システム設計が 専用システムが必要難しい

高度な 難しいあるため充填量に

可燃性で 制限あり 難しい

可燃性で あるため充填量に 制限あり 導入コスト 比較の基準 中 高 高 高 * 可燃限界ASTM E681-04試験@21℃、**(@ 100℃ )、***(@ 54°C)

フッ素化合物の分解生成物

フッ素化合物 使用中 大気中

134a

知見なし(

CF

2

= CHF

と仮定)

TFA

(トリフルオロ酢酸)、

CO

2、酸性ガス(

HF

)→

Caf

2 などの無機物

1234ze

知見なし(

CF

3

-C = CH

と仮定)

CO

2、酸性ガス(

HF

)→

Caf

2などの無機物

将来長期的な可用性

ソルスティス

ze

は、地球温暖化係数が

GWP<1

と非常に低く、すなわち

GWP

値が

1

である

CO

2よりも低いため、

EU

では

F-Gas

規制低減対象物質に含まれず、また数ヶ国 で適用されている税制や課金制度の対象か ら除外されます。

容器サイズ

ソルスティス

ze

は、

890kg

シリンダー (タンク)および

ISO

タンクにて供給してい ます。他の容器サイズについてはハネウェ ルまでお問い合わせください。

(8)

3274 Ref A4 v5 | BR/SolsticeZE/18/JP v2

© 2018 Honeywell International Inc. All rights reserved. SolsticeはHoneywell International Inc.の登録商標です

出典

• IPCC(気候変動に関する政府間パネル)WG ARワーキンググループ評価報告書 -第8章「Anthropogenic and Natural

Radiative Forcing(人為起源と自然起源の放射強制力)」、2014年2月

• Mostra ConvegnoにおけるDanfoss Turbocor社講演:The TG310 compressor with ultra-low GWP

refrigerant HFO-1234ze(TG310コンプレッサへの非常に低いGWPの冷媒HFO-1234ze適用について)、

2014年3月

• IOR(冷蔵学会): R-1234ze for variable speed centrifugal chillers(可変速度遠心冷凍機へのR-1234ze適用に

ついて)、2013年4月

• 『Atmospheric Chemistry of Trans-CF3CH=CHF(トランス-CF3CH=CHFの大気化学)』Atmospheric

Chemistry & Physics Discussions誌、Vol8、pp 1069-1088、2008年

Delrin®は、the E. I. DuPont Companyの登録商標です ULTEM™は、SABICまたは子会社および関係会社の商標です Kynar®は、Arkema, Inc.の登録商標です

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Honeywell International Inc.は、本書に記載されている情報が正確で信頼性のあるものと確信していますが、明示的また は黙示的にかかわらずこれら情報の提供はいかなる保証または責任も伴わず、またHoneywell International Inc.が表明、 保証するものではありません。すべての製品の性能は、他の原材料、用途、配合、環境的要素や製造条件などのユーザー条件 における使用下で影響を受ける場合があるため、製品の製造や使用にあたってはユーザーがこれら全てを考慮する必要があ ります。ユーザーは、本書に当該製品の正確な評価データが掲載されていると仮定すべきではありません。本書に記載された 情報は、ユーザー自身による独自の試験や実験責任を回避するものではなく、製品および/また本書に記載された情報の使 用に際してユーザーはあらゆるリスクおよび責任(結果、特許侵害、法規制準拠、労働安全衛生・環境に対するリスクを含む が、それに限定されない)を想定するものとします。

ツール・資料

シミュレーションソフトウェア

ハネウェルの冷媒モデリングソフトウェア は、実際のデータに基づいた冷媒とサイク ルをシミュレーション可能な、よりスピー ディーな設計をサポートするツールです。 このツールは冷媒の物性の計算や、空調お よび冷却サイクルの熱力学的評価により、 レトロフィット用途や新しい機器設計で検 討される新規の代替冷媒各種について、 第一原理による熱力学的な比較データを算 出します。 このソフトウェアは、単純な基本サイクル から大型の複雑な冷却システムまで、様々 なシステムのモデリングに対応します。シ ミュレーションの結果はマイクロソフトエ クセルにエクスポート可能で、データを様々 な方法で活用することができます。本ソフ トは、一般的なモリエ線図(気圧

-

エンタ ルピー、温度

-

エントロピー)の作成にも 対応しています。ハネウェルの冷媒モデリ ングソフトウェア(無料配布、英語版のみ) は以下からダウンロードください。

www.honeywell-refrigerants.com/

japan/genetron-properties-suite/

スマートフォンアプリ

Honeywell PT

チャートルーラーアプリ

( iOS および Android対応、無料配布、 英語版のみ)

各種資料

ハネウェルでは、ソルスティス

ze

の顧客事例 などを紹介した各種資料を提供しています。

参照

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