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4 座 談 5 カ 州 統 領 毎 工 妊 娠 堕 胎 罪 ノ 語 試 石 口 覚 悟 堕 胎 罪 妊 娠 妊 娠 施 術 処 罰 象 憲 是 使 捕 獲 臨 位 置 壁 聴 疑 数 遍 排 優 僕 緒 キ 岡 田 克 也 聞 仰 知 賛 投 圧 省 庁 元 土 域 織 層 左 排 称 程 ポ 継

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PEOPLE’S PLAN ◆ Autumn 48 【座談会】民主党政権にどう向き合うのか

政権交代で何が変わったのか

  鳩 山 新 政 権 が 成 立 し て 二 ヶ 月 近 く が 経 ち ま し た が、 この政権をどう評価するかを論じてほしいと思います。最 初に、政権交代によって何が変わったのかということにつ いて、簡単に話させていただきます。   新政権は、自民党政権との違いを浮き彫りにしたいとい うことで、新しいメッセージを次々に発信しています。   第一は、政策決定システムの転換です。事務次官会議の 廃止や政務三役会議による政策決定など「官僚主導から政 治家主導へ」の変化が進行している。菅直人に言わせれば、 官僚から権力を奪う無血革命で、明治維新と戦後改革につ ぐ 改 革 だ と い う わ け で す 。 過 大 評 価 は で き ま せ ん が 、 政 ・ 官 ・ 業の癒着システムにメスが入ったことは間違いない。   第 二 は、 予 算 の 組 み 替 え を し て、 「 コ ン ク リ ー ト か ら 人 へ 」、 つ ま り「 土 建 国 家 」 か ら「 福 祉 経 済 」 へ の 転 換 に 踏 み出しています。概算要求でも公共事業が大きく減らして、 子ども手当など厚労省の予算が増えている。そのシンボル として八ツ場ダムの建設中止を持ち出した。   三 つ 目 が 日 米 同 盟 の 再 検 討 を 持 ち 出 し た こ と で す。 「 普 天 間 移 設 」 を 外 交 問 題、 政 治 的 な イ シ ュ ー に し た わ け で、 ある意味で政権自体の思惑を超えて、安保議論に火をつけ、 日米同盟にきしみを生じさせたわけです。けがの功名かも しれませんが。   他 に も、 温 暖 化 問 題 で C O 2 25% 削 減 目 標 を 提 唱 し ま し た。歴史認識問題では、鳩山が韓国を訪問したときに、首 脳会談で「歴史を直視する勇気を持つ」という発言をしま した。韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は、従軍慰安

新政権をどう評価するか

河添   民主党はもともと、自民党と新自由主義的政策の実 行を争う政党でした。二〇〇七年の参議院議員選挙で社会 民 主 主 義 的 に も 見 え る 政 策 に 一 部 転 換 し た の は 事 実 で す。 しかし、それは小沢一郎のウルトラCだったのではないか。 新自由主義を進めるには安定した政権が必要で、そのため に農村などへのバラまきがあったのではないでしょうか。   と い う の も、 「 官 僚 主 導 の 政 策 決 定 シ ス テ ム を 変 え る 」 という動きはこれまでと変わらずあるわけです。官僚は確 かに腐敗していますが、それによって、地方にお金が分配 されるという機能もある。しかし、民主党はそれを壊して、 中央集権的に効率よく新自由主義改革をやろうとしていま す。ですから、民主党が全体として社会民主主義的な政党 に変わっていくとは言えない。   そもそも、選挙スローガンが「政権交代」だったという のは、無内容ですよね。政権を取った後は、議員立法を禁 じるとか、国会質問を議員にさせないとか、一年生議員へ の陳情を禁じるとか、民主政治に反することをやっている わけです。そうすることで、社会民主主義的なものが入り 込むのを防いでいるのではないでしょうか。そうして、財 界の信任を得て、政権の基盤を安定させる。それが民主党 の目指していることだと思います。 婦問題の解決を前進させられるのではないかとして、これ を高く評価しています。   実行できるかどうかは別として、政治や政策が変わると いうメッセージを出していることは確かです。これは、民 主党が社会民主主義的な原則や理念、新しい社会ビジョン を持っているからではなく、状況によって規定されている からです。どういう状況かと言うと、自民党支配がすべて の面で崩れたという状況です。官僚主導の利益誘導政治は 終わったし、小泉「構造改革」の新自由主義路線も破産し たし、安倍的な右翼ナショナリズムも失速した。そういう 状況に規定されるわけですから、人びとの支持を得るため にはある種の社会民主主義的な政策をとるしかない。対米 追随一本の政策も微修正することになります。   しかし、確固たる原則や社会ビジョンに裏打ちされてい る わ け で は な い で す か ら、 米 国 や 経 済 界 の 出 方 に よ っ て、 政権の政策がどうにでも変わると思います。新政権を挟ん だ諸勢力の間の本格的なぶつかり合いは、まだ始まってい ない。社会運動の側がどれだけ力をだせるかが大きい要因 で、その力が弱いと、新政権は真っ当な政策を発信したけ れど何もできなかった、という結末になりかねません。   それでは、新政権をどう評価されているか、お一人ずつ 話してください。

【座談会】

民主党政権にどう向き合うのか

政権が逆らえないような社会運動を創り出そう

河添誠

(首都圏青年ユニオン/反貧困ネットワーク)

鈴木ふみ

(すぺーす・アライズ)

武藤一羊

(ピープルズ・プラン研究所) 司会:

白川真澄

(本誌編集長)

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鈴木   マニフェストで は出されていない争点 が 気 に な っ て い ま す。 アメリカ合州国の大統 領選では毎回大きな争 点となる、人工妊娠中 絶(日本では堕胎罪の 撤廃)やセクシャルマ イノリティの権利の課題は、今回の選挙ではほとんど語ら れず、争点になりませんでした。これらは当事者にとって 切実なだけでなく、人権や公正さを認める政権であるかど うかの試金石になるはずです。なかなか口に出しにくいこ とだから無視するのではなく、だからこそ積極的に実現す る覚悟を示してほしいです。堕胎罪の課題は、産むのも中 絶するのもどちらもしたくない状況で妊娠した女性がする 選択ですが、この決定を国が禁止し、妊娠した女性と施術 者のみを処罰対象とする憲法違反状態を是正する課題でも あるのです。   それから、新政権は今のところメディアをうまく使って いると思います。それに対して運動がどう対応するかです ね。白川さんのおっしゃったように、政権はどちらの方向 にも行くリスクがあるわけで、運動体として状況を見極め つつ対応を考えていかなきゃいけないと思います。そのた めには、気がついたら体制に捕獲されていたということが ないよう、臨機応変に動ける立ち位置の確保にも気をつけ なければなりませんが。   民主党では議員立法が原則として制約されていることも、 運動にとっては大きな障壁です。本当に市民の声を聴く気 があるのか疑いたくなります。これでは社会的少数者の課 題 が 通 り に く く な っ て し ま い ま す か ら。 「 コ ン ク リ ー ト か ら人へ」というのなら、人権には普遍性があるわけですか ら、社会的に排除されてきた人、貧しい人のことを優先し て 政 策 や 立 法 を 考 え る べ き で す 。 私 た ち は 、「 人 権 」 と か 「 社 会 的 公 正 」 を ひ と つ の 原 理 原 則 と し て 政 権 に 押 し 込 ん でいく必要があります。 武藤   僕は、今度の政権交代はもう少し大きい意味がある と思っています。自民党支配は、一つの党による支配では なくて、国家と党が一緒になった「自民党制度」といった ようなものでした。ちょうどメキシコの制度的革命党支配 とか、中国の共産党支配とかに見合うもので、自民党支配 が国家制度そのものであるという性格があったと思うんで す。それが崩壊したのが今回の選挙なのですね。選挙前に、 岡田克也が「今回の選挙の争点は政権交代だ」と言ってい る の を 聞 い て、 仰 天 し ま し た。 し か し、 思 い 直 し て、 や は り そ う だ っ た か も 知 れ な い と 考 え る よ う に な り ま し た。 個 々 の 政 策 に 賛 成 だ か ら 民 主 党 に 投 票 し た と い う よ り も、 「 自 民 党 は ダ メ 」 と い う 選 挙 民 の 意 思 表 明 だ っ た 。 そ の 意 味 で 、「 政 権交代」そのものが争点だった。   自民党国家体制というのは、さまざまな社会的な諸利益 を、財界をはじめ圧力集団と結合した自民党内諸勢力、諸 利益集団と結合した省庁の活動、地元における土建業や地 域組織などを通じて、重層的に政策に合成していく機能を 持っていました。左の勢力は外に排除していたけれど、国 民 政 党 と 称 し て い た。 小 泉 期 ま で は、 あ る 程 度 そ の 実 質 はあった。で、民主党は、それを壊すといっている。とい うより、この自民党国家体制はすでに崩れてしまったので、 民主党政権はそれを立てなおすんじゃなく、壊しきるんだ というポーズをとっているわけですね。ということは、民 主党政権は、自民党体制に代表されていた諸利害を全部引 き継ぐということになる。だが、すでに自民党式の国民統 合はできなくなっているから、別な形で表現することにな るわけです。さて、そ んなことができるのか。 民主党の内部には、右 翼、新自由主義、社会 民主主義など色々なも のがあります。争点が 政権交代だという特異 な状況で生まれた政権 ですから、内部の思想的、政策的異質性はむしろ自民党よ り著しいわけです。それでいて、こんどは国家制度じゃな くて、一政党という資格で行動しなけりゃならない。これ が新政権の根本的な矛盾を表わしてますね。自民党の場合、 国家システムそのものだったから、いろんな潮流を内部に 抱えていられたのですが、民主党の場合はその条件がなく なったところに政権を握ったわけで、政党として自己を立 証しなけりゃならない。ところがそれが極端に困難で、対 米関係で鋭く現れているように、原則的問題で大臣たちが バラバラなことを勝手に言いまくっている。政権としては こんなざまではもたないですね。では何かの原則で統一で きるかというと、できない。あえてやれば分裂するしかな い。私はその意味で、この政権は過渡的な性格の政権だと 思うのです。自民党国家制度にとってかわる民主党国家制 度というものをつくるのは、小沢さんがいくらがんばって もひどく困難。ですからいやおうなく分化していく。いわ ゆる政界再編は不可避だと思うのです。   で、 こ の 分 化 を、 下 か ら の 社 会 運 動 が う ま く 促 進 し て、 基本政策や方向の違いに沿った政治集団に再編成させ、相 対的に左の議会勢力の形成をうながすためにどれだけの力 を発揮できるか、というように問題を立てたほうがよいよ うに思います。オバマの場合は草の根の熱狂が彼を押し上 げたわけですが、鳩山はそうではなかった。下からの声は

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投票行動でしか表現されなかった。沖縄を除けば、社会運 動が自民党を引きずり下ろしたわけではなかった。この間 の ギ ャ ッ プ を 埋 め る こ と が で き る か ど う か。 今 の と こ ろ、 自民党を引きずり下ろした多数の人びとは、どっちにも行 き う る、 流 動 的 な 状 況 で す ね。 そ こ に 政 治 を 地 面 に つ な ぎとめる核を形成するといいますかね、あるいは錨で政治 をつなぎとめるといいますかね、とにかく社会運動の作用 を借りて民衆社会がでんと構えて政治をコントロールする、 そういう状況をつくりたいですね。政権交代の意味とはそ れが不可能じゃなくなったことにあると私は見ています。

民主党は新自由主義を続けるのか

  か な り 評 価 の 違 う 意 見 が 出 さ れ ま し た が、 「 政 権 交 代」が争点だったという武藤さんの見方に、私も賛成です。 「政権選択」 ではなく 「政策選択」 だと麻生が言った時点で、 勝負はついていた。特定の政策をめぐる争いの次元を越え て、やはり自民党政治を全体として信任するのか不信任す るのかが問われた選挙で、自民党政治が歴史的に不信任さ れてしまったということだと思います。 河添   問題は、 「自民党はダメ」というときの中身ですよね。 渡 辺 治 さ ん が『 世 界 』 ( 二 〇 〇 九 年 一 二 月 号 ) の 論 文「 新 自 由主義転換期の日本と東京」で指摘していますが、今度の 民主党の勝利は二つの流れの合流だと思います。ひとつは、 新自由主義の推進をさらに望む都市部の層で、彼らは、利 益誘導の部分はスリムにして、もっと新自由主義にお金を 使うべきだと要求しています。もうひとつは農村部で、地 方切捨て・構造改革反対の票が民主党に入ったと思います。 それは、政策にも反映することになるでしょう。   白川さんのおっしゃったような「状況に規定された」政 権だとすれば、運動側が何かを持ち込めば持ち込むだけ状 況は変動しうるとは思いますが、最終的には、財界や米国 の承認がなければ自分たちの政権が持たないとトータルに は判断している政権ですから、政権基盤を弱者や労働者に 乗 り 換 え る と い う 踏 み 切 り は な い と み る べ き で は な い で しょうか。   利 益 誘 導 政 治 へ の 批 判

民 主 党 的 な 言 い 方 で は 「 ム ダ づ か い を な く す 」 と い う こ と で す が

が 一 方 で あ り、もう一方では新自由主義的改革による格差拡大・貧困 急増への反発が都市部も含めて明確に噴出したのではない でしょうか。その両者が重なっている。 河添   実は、相当、異質なものが重なっているということ ですよね。 武藤   郵政選挙のときは構造改革支持が強かったわけです が、今回はそうかなあ?   新自由主義改革のもたらす不安 に対して開き直る自民党を落としたということじゃないで すか。 河添   量的にはそのとおりで、だからこそ、政権基盤を安 定化させるために、構造改革に反する政策を民主党がいっ たん採ったのではないでしょうか。しかし、たとえば、簡 単にできるはずの、生活保護の母子加算復活ひとつをとっ ても相当、揉めたわけですよ。ということは、全体として はやはり財政スリム化という路線で、社会保障予算の削減 も聖域化しないということだと思います。   母 子 加 算 を 実 現 し た だ け で 次 が 続 か な い よ う で は、 私も、新政権が本当に「人を重視」する気があるかについ て疑問があります。今回の選挙の中心争点に出てこなかっ たこと、たとえば、ある政策がDV被害で避難している人 たちに効果があるのか、貧しい女性たちに効果があるのか、 声を上げにくい人びとにはどうか、そういう観点から測っ ていく必要があると思います。女性たち、とくに困難な状 況で生きている女性たちが不利益を受けたり、利益が行き 届かない政策はまったく評価できないことになります。   もうひとつ、新政権の公約の実現には財源問題が出てく るのですが、累進課税の見直し(強化ではなく少なくとも 一九八七年時点に巻き戻すこと)を本気でする気があるの か疑問ですし、低所得者向けの税額控除の導入や法人税率 の見直しを含めて抜本的改正を推進する必要がありますが、 この点については民主党はこれからですね。 白川   二〇一〇年度予算の概算要求が九七兆円にまで膨ら んでしまっていますが、小泉以来の「財政再建」路線とは 違うものを打ち出さねばならない、という線に沿っていま す。昨年来の金融危機で、財政出動には糸目をつけないと いう新ケインズ主義的な世界的合意が成り立っていて、鳩 山政権もそれに乗っています。そういう意味で、新自由主 義の破産の上に出てきている。   そ う な ん で す か ね。 新 自 由 主 義 の 破 綻 で は な く て、 新自由主義政策をさらに推進するためにやっているのでは ないですか。 武藤   ただ、それでは票は来ないですよね。 河添   そうです。だから、来年の参院選までは財政出動す ることになるでしょう。民主党としては、絶対に自民党に 政権を戻してはいけないわけですから、人気取りを優先さ せるでしょうね。 白川   ネオリベ的なものとは何かという問題になりますが、 経済の効率性を高めてグローバル市場競争のなかで勝ち抜 くという考え方がネオリベだとすると、民主党の中にはそ うした神話はたしかにある。しかし、すべて市場に任せれ ば上手くいくという路線は、もはやとれません。   問 題 は、 財 政 を 何 に 振 り 向 け る か と い う こ と で す。 グローバル企業の資本蓄積に都合のよい国家体制を作ろう としているとみた方がいいと思います。 武藤   具体的にはどういうことですか?

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河添   大企業の法人税負担を軽減するための財政削減など です。そのためには、無駄な公共事業だけではなく社会保 障予算も大幅に削減しようとしているのではないでしょう か。この点では、小泉内閣がやろうとした構造改革路線は 依然として強力に継続しているように思えます。 白川   経済界は、鳩山政権に対して対決するのか抱き込む のかという戦略がまだ固まっていないように思えるんです。 たとえば法人税を引き下げろと強く要求してきたのですが、 い ま は あ ま り 強 硬 に 主 張 し て い ま せ ん。 C O 2 25% 削 減 に しても、電力・鉄鋼などの重厚長大産業は反対しています が、これに乗じて新しいエコ産業を興した方がいいという 考えもあって、経済界がまとまっていない。労働者派遣法 改正反対の一点ぐらいでしょうか、強硬なのは。 河添   自民党でいくか民主党でいくか判断しかねているの で し ょ う ね。 結 局、 企 業 献 金 で コ ン ト ロ ー ル し ま す か ら、 どちらに献金するか様子見をしていると思います。 武藤   しかし、自民党が復活するとは誰も思っていないで しょう。 河添   そうですが、民主党一本で長期政権とも考えていな いと思います。   そ う で す ね。 民 主 党 は か つ て の 自 民 党 に そ の ま ま とって代わることはできない。 河添   保守二大政党制でキャッチボールしながら、財界に とって望ましい政権を作るのがいちばんいいわけです。 鈴木   今回の選挙で国内の新自由主義が敗北したとは言え ず、麻生さんに国民が愛想をつかしたことが大きかったと 思います。新自由主義はたしかに二〇〇八年の時点でいっ たん破産したかもしれませんが、経済大国が途上国や一般 市 民 を 排 除 し つ つ 現 在 推 進 し て い る こ と は、 米 ド ル を 機 軸にして次のバブルの仕組みを作ることではないでしょう か。国連無視のG 20の動きは、結局のところ自由貿易の推 進であったり、国際通貨基金(IMF)の強化と利用です し、日本がその流れに加担しているという状況を、新自由 主義は「終わった」との評価だけで分析してしまうことは できません。 武藤   広い意味ではそうだと思います。しかし、そのこと と、国内で小泉改革のようなものを推進することとの間に は落差があって、小泉的な構造改革の進め方はもうできな いのではないですか。

社会保障と労働政策はどうなるか

河添   その新自由主義の弥縫策についてですが、いちばん 最低限の「生きるか死ぬか」という部分での下支えは国の 責任でやるが、その上に積み上げる社会保障を充実させる ことはほとんど考えず、他方で雇用は流動化させる、とい うやり方だろうと思います。去年の秋以降あれだけ大量の 解 雇 が 製 造 業 で 起 こ っ た。 日 本 の 場 合、 ジ ャ ス ト・ イ ン・ タイムで部品や原料を調整しますが、同じように、派遣と いう形で、労働力も調整してしまう。製造業大企業が国際 的な企業競争力を保つにはきわめて都合のいいしくみです。 しかし、首を切って飢える人が続出してしまったら社会問 題化しますから、その最低限のところは保障するというこ と だ と 思 い ま す。 「 安 定 し て 生 き る 」 と い う ヨ ー ロ ッ パ 型 の社会保障ではなく、安定した雇用を切り崩しても「死な ない」ためのセーフティーネットですよね。 武藤   それを鳩山政権が作ろうとしているということです か?   こ れ ま で も そ う だ っ た し、 こ れ か ら も ……。 た だ、 実際にはそれでは弱くって、底が抜けちゃったので、現在 不備である雇用保険の制度を多少改正する、生活保護との 間のつなぎのセーフティーネットを作る、といったことが 進められています。 労働政策審議会 (労政審) などでは、 セー フティーネットをある程度整備しさえすれば、派遣労働の 規制強化については必要ない、という議論が強くあります。 白川   経営者側の意見として?   公益委員も? 河添   両方ともでしょうね。   そ れ は、 経 営 側 の 意 見 と し て は 一 貫 し て い ま す ね。 派遣法改正案をすぐ国会に提出するのかと思ったら、来年 になってしまったのですが。 河添   はい。三党合意案を作るときに、運動側は相当努力 しました。民主党の中にもそのことで動いていた議員もい ました。いろいろ不備はありますが、政権与党になったの だからすぐ動き出すだろうと私たちは思っていたのですが、 労政審の答申を受けてから政府案を出すということになっ てしまいました。ところが、労政審の委員は、自公政権下 で任命されてこの間の規制緩和を進めてきた人たちなんで すよ。だったら委員を取り替えればよいのですが、任期が あるとかいう理由でやっていない。その意味では「政治主 導」ではありません。事態がこのまま推移すると、三党合 意よりも後退したものになるだろうと思います。 白川   どこがいちばん後退した点になりますか? 河添   製造業で登録型派遣が残る点などですね。運動側も 危機感があって、労政審のいい加減な議論を社会的に明ら か に し て い く こ と を 考 え て い ま す。 財 界 は、 「 派 遣 が 減 れ ば 雇 用 が な く な る 」「 国 際 競 争 力 が な く な る 」 と い う 巻 き 返 し を や っ て い ま す。 い ち ば ん ひ ど い の は、 「 派 遣 を 禁 止 したら、憲法の『職業選択の自由』に反する」という議論 ですが。政権交代があっても、なかなかそう簡単にことは 進みませんね。 白川   連合のなかでも、ゼンセン同盟とか電機労連とかは 規制反対ですね。 河添   ゼンセンはひどいですよ。もうはっきりと国会議員

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をオルグしていますからね。人材派遣協会とも結託してい ますし。人材派遣協会はもっと露骨で、派遣労働者は携帯 電話で仕事を見つけるのですが、そのメールに派遣法改正 反対の署名を送りつけるわけですよ。仕事を見つけようと し て い る 人 か ら し た ら、 紹 介 先 か ら そ ん な も の が き た ら、 署名しないと仕事を世話してもらえなくなるという恐怖感 があるわけです。それで、事情もわからず署名してしまっ て、それが「当事者の声」として出されています。しかし、 国会議員のほとんどは派遣の実態など知らないので、それ に乗っかってしまう。

ジェンダー視点の不在

武藤   民主党のマニフェストには女性政策がありませんね。 鈴木   私もそう思いました。子どもに関連した項目はあり ま す が、 「 女 性 」 に 焦 点 を 当 て た も の が あ り ま せ ん。 た と え ば 高 齢 女 性 の 課 題 な ど も 抜 け 落 ち て し ま う。 そ れ か ら、 派遣労働の問題などを取り上げるにしても、女性の視点か ら見る、というところが薄いですね。たぶん、マニフェス トを作っている人のなかで関心が薄いことと、それを進め たくない勢力が民主党の中にあるというのが理由でしょう。 メディアにも問題があって、貧困といっても、男性の貧困 ばかり取材しがちで、これまでも深刻な貧困の中にいた女 性たちのことは伝わらず光が当たらないままです。政府だ け で な く メ デ ィ ア に よっても女性たちの怒 りは押さえ込まれてい ます。自民党政権に逆 戻りしてしまうよりは マシという暗黙の了解 も、民主党にモノを言 いにくい環境を作り出 しています。女性の課題が主要な争点とならず、黙らされ て、女性の課題の解決は後回しというのは自民党のときと 同じであってはならないはずです。 白川   あらゆる政策にジェンダー的視点がないということ ですよね。 鈴木   そうです。それから、家族の問題ですが、女性が家 族 と 一 緒 に 居 て 当 た り 前 と い う 発 想 が あ り ま す ね。 「 従 順 でまじめな女性」 でないと権利を与えない、 ということです。 白川   子ども手当は、配偶者控除をなくすこととセットで 出てきています。民主党は、たんなる財源捻出のために配 偶者控除の廃止を言っているのですが、本当は、性別役割 分業を固定化する従来の専業主婦優遇の標準家族モデルを 変 え る と い う 大 き な 意 味 合 い が あ る と 思 い ま す。 し か し、 そのことを正面から言わない。 鈴木   民主党マニフェストは、離婚後の生活のしやすさと か、そもそも結婚を考えていない女性たちへの配慮も乏し い。それから、すべての政策にジェンダー視点がなければ ならないということと同時に、いちばん必要としていると ころに届けなければいけないということもあるわけです。   シ ン グ ル マ ザ ー や 貧 困 な 子 ど も に 対 す る 対 策 と い う こ と で あ れ ば 、 給 付 付 き の 税 額 控 除 を 入 れ る の が い い わ け で す 。 つ い で に い う と 、 税 制 の こ と で す が 、 所 得 税 の 最 高 税 率 や 法 人 税 は 下 が り 続 け て き た わ け で す か ら 、 所 得 再 配 分を行なって格差是正をやるのならこれを逆転させなけれ ば い け な い 。 し か し 、 鈴 木 さ ん の 指 摘 の よ う に 、 民 主 党 の マ ニ フ ェ ス ト は 、所 得 税 の 累 進 性 強 化 や 法 人 税 の こ と に ま っ た く 触 れ て い ま せ ん 。 金 融 課 税 の 軽 減 税 率 も そ の ま ま 継 続 で す 。 軍 事 費 の 大 幅 削 減 も 言 っ て い ま せ ん 。 社 会 保 障 の 拡 充 の た め の 財 源 を 確 保 す る た め に 、 消 費 税 率 引 き 上 げ の 前 に 必 要 な 税 制 改 革 を 棚 上 げ し て い る こ と は 、 致 命 的 で す 。 武藤   「ムダをなくせ」だけだからね。 白川   財源が足りないということで、公約した政策を先送 りすることも起こるかもしれません。

鳩山外交は大きな変化を生むか?

 

日米安保、東アジア共同体

河添   鳩山さんは外交を色々なところで変えようという意 欲はありますよね。北方領土とか東アジア共同体とか。そ れをどう評価すればいいんでしょうか。 武藤   鳩山氏は日米安保関係のレビュー(見直し)をする とか言っていますが、それを本気でやるとは期待できませ んね。でも、日米安保関係のレビューなどというのはこれ までタブー中のタブーだったわけで、そういうことを持ち 出すということ自体はこれまではありえなかったわけです。 河添   鳩山がそう言わざるをえない状況はどこから出てき ているのでしょうかね。 武藤   鳩山さんとしては、オバマの「チェンジ」に便乗で きると信じているところがあるんじゃないですかね。オバ マと自分は似ていると思っているのではないですか。外交 交渉などしなくても、友愛精神で分かりあい、普天間問題 でも何でも解決できると思っている。それはすぐに破産す ると思いますが。しかし、見直しを言い出すと、そこには すでに議論空間が生まれて、そこに水がどっと流れ込んで くるという状況はある んです。それはやはり 新しい、積極的な状況 だと捉えるべきでしょ う。 白川   東アジア共同体 を鳩山が強調したこと について、米国は、鳩

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山本人が意図する以上に、日米関係を「対等」にする再編 へのメッセージとして受け取るでしょうね。 鈴木   たしかに東アジア共同体は、言葉としては気持ち悪 い の で す が、 考 え よ う に よ っ て は、 「 歴 史 を 直 視 」 す る 鳩 山さんの発言と併せて、日本軍「慰安婦」問題の解決の兆 しとして利用できる可能性もあります。九〇年代からこの 課題が顕在化し、軍や政府の関与を認める一九九三年の河 野談話以降、国際的に連帯した運動や国際機関からの度重 なる勧告、当時の野党からの法案提出にも関わらず、日本 軍「慰安婦」問題は解決できませんでした。しかし、東ア ジアでの課題解決の前提になることから予算的裏付けを含 めて大幅な進展の兆しになるかもしれません。

普天間無条件閉鎖で外交交渉を始めよ

白川   思いやり予算について米国と交渉することはどうな んでしょうか?   一 番 重 要 な の は、 「 交 渉 す る 」 と い う ス タ ン ス を 確 立することです。ところが現状は「交渉」する前提である こちら側の立場が確立されていない。だから交渉はできな いのですね。何を要求して交渉するのか、それすらはっき りしていない。したがって交渉の申し入れも行っていない ん で す ね。 思 い や り 予 算 も そ う で す が、 沖 縄 に つ い て は、 沖縄に関する特別行動委員会(SACO)合意から見直さ なければ、普天間基地問題の解決はないわけです。SAC O合意や「米軍再編」取り決めを問題にしないで、普天間 問題を「移設」にしてしまえば、どこに移設するかという ことになり、別の移設先が見つからなければ普天間はその まま、それでは困るから結局辺野古へという理屈になって いくわけです。そのワナから抜け出すためには、 「見直し」 のスタンスと獲得目標を立てて、外交交渉を申し入れる必 要がある。これは当たり前のことなのに、鳩山政権はそれ を回避して何か 「解決」 が得られると思っているんですかね。   た だ、 沖 縄 の 場 合 は、 「 県 外 」 移 設 の 主 張 に 独 特 の 意味あいがありますね。 武藤   日本国家が沖縄を国内植民地と扱ってきていること の最大の結果が、米国とつるんで米軍基地を沖縄に集中さ せ た こ と な ん で す か ら、 沖 縄 か ら 基 地 が 必 要 と 言 う な ら、 ヤマトが引き取れ、という声が発せられるのは当然ですよ ね。それを受け止めるなら日本政府はその声を政治の言葉 に変えなければならないんです。沖縄に「県外移設」と言 われたから、自分もそれを繰り返して、ではどこか別の移 転 先 は な い か と 探 す ふ り を す る こ と が 政 府 の 仕 事 じ ゃ な い。どこに基地をもっていこうと、激しい抵抗にあうこと は最初からわかっているわけですよ。でも他もあたってみ るふりをして、やっぱりダメでした、県内しかありません と、戻ってくる。それが筋書きです。政治の言葉とは、県 内も県外も不可能であることを引き取って、問題を「普天 間基地の無条件閉鎖」という要求に定義しなおすことなん ですよ。そしてそのために米国に交渉を申し入れることで す よ。 S A C O に 始 ま る 対 米 合 意 が そ れ を 阻 む と す れ ば、 その合意を見直す、再交渉する、それが外交と言うもので しょ。自民党はそうした合意を米国と共謀して押し付けた 当事者だからそんなことは期待できなかったけれど、政権 が変わったわけですよ。だから前政権の約束を再交渉する、 これは一方的に破棄するわけじゃないんですからね、それ は当然のことで、別に日米関係を揺るがすなんてことじゃ ないんですよ。ましてや民主党は見直しの方向で進むと約 束しているんですから。 河添   日本政府がその手の交渉を米国とやったことはある んですか。 白川   五〇年代末の安保改訂交渉以来ないと思います。 河添   外務官僚も対米交渉の蓄積が全然ないんでしょうね。 武藤   交渉を申し入れるにはまず要求をはっきりしなくて はいけないんですが、岡田克也外相ははじめから「米国を 刺激したくない」なんて言っているんですよね。 白川   オバマ政権が出現したということは、米国の単独支 配ができなくなったという歴史的な変化を表現しているの に、そういうリアルな認識が日本政府にはない。 武藤   まったくチャンスなのにね。 河添   日米安保条約破棄が政治的課題に挙がらなくなった ことは不幸ですね。沖縄の問題を突き詰めると、その先に は当然、日米安保があるわけですから。 武藤   安保条約が手続き的にはいちばん破棄しやすいんで すけどね。一年前に通告するだけでいいんですから。 白川   いま、日米安保の正当性根拠は北朝鮮の「脅威」に なってしまっています。しかし、それはすぐに崩れるよう な神話にしか過ぎません。米朝協議が始まって日本だけが はずされる状況になるわけだから。その神話が崩れたとき、 日米安保をどうするかという根本的な議論がまた出てくる チャンスだと思うんですが。 河添   脅威がなくても軍事力は必要だという議論もありう るわけで、それに対して、私たちの側の平和の構想をきち んと作る必要がありますね。 武藤   安保の問題は五〇年間かかって人びとの意識から消 されてしまったわけです。それをどうやって復活させるか、 たとえば普天間の問題はよい入り口になります。そういっ た個別の問題から攻め上る形で、安保の問題をもう一度具 体的なものにする、位置づけなおす必要があると思います。

まずは運動が社会的存在感を示す

武藤   いろんな社会層、運動の側が提案をもちよって横断 的な意思表明をやる必要がありますね。個々の利害を貫徹

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す る こ と を 基 礎 に し な が ら、 他 の 集 団 が ど う い う 利 害 を もっているのか、それと調整したり協力したりという関係 作りがいよいよ必要になった状況ですよね。 鈴木   原理原則なしに、個々の要求を言うだけになってし まっていますから。個々の政策も他の政策との兼ね合いで 誰が恩恵を被るのが異なりますので、どういう社会づくり の原則かが重要なのです。   「 原 理 原 則 」 と 言 え る よ う な も の は、 三 党 合 意 だ け なんですよね。でも、この政権は状況によってグラグラす ることは明らかだから、市民の側の原則的な社会的合意を 作っておかないとダメだと思います。 武藤   できれば共産党系の運動も含めて広く運動の側が共 有できるようなものを作っておく必要がありますね。 鈴木   他と融合して共有できることを目指しながら、同時 に多様性を認めていける組織のあり方や議論の仕方ですね。 「 多 様 性 を 認 め な が ら 」 と い う 点 が 重 要 で、 ネ ッ ト 右 翼 の ようにひとつのメッセージだけを強く出せばいいというわ けではないので、工夫が必要です。 河添   いろんな社会運動が広くネットワークを作るという ことが最近の動きだと思います。反貧困ネットワークもま さにそれで、これがあることによって、労働運動がつなが りやすくなって、年越し派遣村につながった。そこからさ らに発展していって、我々が求める政策要求はこれだ、と いうものを突きつける必要がありますね。 白川   反貧困ネットワークは大きな成功例だと思うんです が、反戦平和や反安保、反改憲の運動をやっている人たち も含めて、民衆側の構想を出す必要がありますね。 河添   民衆の側が求める政権構想を運動の中でつくるべき ではないでしょうか。 武藤   僕はちょっと違っていて、政権構想は作らない方が いいという考え方なんです。つくってしまうとそれを支え る ス タ ン ス に な る。 む し ろ、 そ れ に「 逆 ら っ た ら ま ず い 」 と思わせる、社会運動の社会的な「存在感」を示す、それ だ け の 社 会 的 実 態 を つ く っ て し ま う の が 肝 心 だ と 思 い ま す。政党は政党の責任においてその「存在」とどうかかわ るのかを考えなければもたない、というぐらいのところま で持っていくということですね。政権構想の方から始めて しまうと、運動はかならず分裂してしまうんですよ。だか ら、 「ネットワークのネットワーク」という組織の作り方で、 多様なんだけれども方向性において何かが共有されている、 そして何かあればわっと集まって行動する、というものを 目 指 す べ き だ と 思 い ま す。 「 あ い つ ら の 言 っ て い る こ と に ちゃんと応えないと票が減るぞ」というぐらいの存在を創 り出したいですよね。 白川   その意味では、反貧困ネットワークは「それに逆ら う と ま ず い 」 と い う 社 会 的 存 在 に な り つ つ あ り ま す よ ね。 もうひとつは、沖縄がそうです。 武藤   これまでは、女性のネットワークはかなりそういう 存在としてあったんですけどね。 鈴木   反貧困でも反軍事でも女性はたくさん関わっていま す。しかし、これまでの運動の歴史の中には、女性に従属 的役割を押し付けて女性の課題を後回しにしてきただけで なく、運動内での女性に対する暴力などあって、女性がそ の 運 動 を 離 れ ざ る を え な か っ た 経 緯 も あ り ま す。 だ か ら、 女性活動者には、男性含みのネットワークに入ることを拒 絶する人も多いのです。たんに「ネットワークに加わって ください」ということではうまくいかない面もあるんです。 白川   女性運動の中では個別課題を超えたネットワークは あるんですか。 鈴木   たとえば女性差別撤廃条約に関連して、女性差別撤 廃委員会による日本の状況の審査がこの夏にあったのです が、 そのときに、 さまざまな分野の団体が五〇くらい集まっ て J N N C( 日 本 女 性 差 別 撤 廃 条 約 N G O ネ ッ ト ワ ー ク ) というロビイングのネットワークで団結して行動しました。 息長く活動してきた団体や個人がこのあと何をするか、焦 点化できることを選べば、きっと大きな力が生まれると思 います。今に始まった流れではないですし。   反 貧 困 ネ ッ ト ワ ー ク の 運 動 の 中 で 活 動 し て い る と、 当事者団体をネットワーク化することの意味にしばしば気 づかされます。ひとつは、個々の団体は小さくて社会的な 発信をすることが難しいのですが、反貧困ネットワークと してまとまって発信すると、メディアでも注目してくれる ということ。もうひとつは、運動の中で、自分が思いもよ らなかった深刻さをひとつひとつの問題が抱えているんだ、 という新しい発見ができることです。 白川   反貧困ネットワークの教訓を他の運動領域でも活か したいですよね。   「 政 権 構 想 で は な く 社 会 的 存 在 を 示 す こ と 」 と い う 話が武藤さんからありましたが、反貧困ネットワークでは、 個別の団体がそれぞれに矛盾する要求を持ち出してきたと きに、両方とも要求をおろすというルールがあるんですよ。 そのことによって、互いの抱えている問題が見えてくる。 武藤   とりあえずおろすというのは賢いですね。その後ど うなりますか。 河添   現段階では、おのおの考える、ということですね。 鈴木   社会の周縁にはじき出された人びとの要求は一致す るわけではないのですが、 大事なのは、 誰がその対立によっ て恩恵を受けて、そこからさらにどういう構造の中で対立 させられているのかを議論することだと思います。 白川   最後はやはり、私たち運動の課題という話になりま した。今日は長時間どうもありがとうございました。 (二〇〇九年一一月二日)

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