ドル・円(1)
【先週レビュー】 先週レポートで≪今週は、戻りの限 度を試す流れ。米国の税制改革期待が 維持される中、米連邦公開市場委員会 (FOMC)では追加利上げが予想さ れている。ただ、中東情勢の悪化や北 朝鮮リスク、ロシアゲート問題などの 懸念材料はくすぶったまま。米アラバ マ州で12日、上院の補欠選挙が行わ れる。共和党地盤とされる共和党候補 は、未成年へのセクハラ問題を抱える 人物で、同州を民主党が奪えば、波乱 となる。米雇用統計を無事通過し、1 2月の利上げは確実視されているが、 マーケットにはかなりの部分、織り込み済み。過去の米利上げ局面とドル円を振 り返って見ると、実際の利上げ以降は、ドルの上値は限定的となっている。~中 略)。11日から北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の実務者協議が始まる。 トランプ政権の自国優先主義を考慮すると、ドルの戻りを試す流れも、ドル円は、 115円台に乗せてこないと、長く続いている三角保合い形成が継続見通し≫と したが、先週は、113.75円(12/12 高値)まで続伸も、米連邦公開市場委 員会(FOMC)で、市場予想に沿った結果だったことで「知ったら終い」の反 応。米消費者物価コア指数が予想ほど伸びなかったことで、利上げベースが緩や かになるのではないかとの観測や、アラバマ州での米上院補欠選で民主党が1議 席を奪取しており、上院の勢力が共和党51に対して民主党49となったことが 今後の法案通過への不透明感につながった事などを嫌気した。 英欧スイスの各中銀は事前予想通り金融政策を据え置いた。欧州中央銀行(E CB)理事会では、金融政策に変更はなかった。前回(10月26日)のECB 理事会では来年以降、資産購入を現在の600億ユーロから300億ユーロに減 らし、期間は1月から9月までとする方針を決定している。理事会後の記者会見 でドラギ総裁は、現在の金利水準について資産購入終了後もしばらく継続する意 向を示した事でユーロは上値の重い展開となった。ドル・円(2)
【週末のNY市場】 週末のドル円は、米税制改革法案が成 立するとの期待が高まり、主要通貨に対 しドルが買われた。税制改革法案を巡っ ては、前日に米上院共和党のマルコ・ル ビオ議員がチャイルド・ケアの税額控除 拡大を求めており、それができなければ 法案に賛成できないと述べたと伝わり、成立に不透明感が高まっていたが、15 日の修正案には子供の税額控除の拡充などが加わり、ルビオ議員や、上院共和党 の税制改革法案に唯一反対票を投じていたコーカー議員など反対を表明してい た共和党上院議員らが賛同する意向を示したと伝わり、法案が年内にも可決され る可能性が高まった。減税が米景気を刺激するとの期待から円売り・ドル買いが 広がった。ダウ工業株 30 種平均など米主要株価指数が過去最高値を更新。投資 家のリスク選好姿勢が強まった。 CFTC建玉明細(12/12 現在)によると大口投機家玉は、114,123枚 の売り越し。前週(114,267枚の売り越し)から縮小。 ドイツ最大野党の社会民主党(SPD)の指導部がメルケル首相との連立へ暫 定交渉入りを支持するとの報道が伝わり、ユーロ買いの反応が見られたが、一時 的な動きに留まった。 ポンドも売りが優勢。EU首脳会談の2日目が開催されたが、EU離脱に伴う 負担額やアイルランド国境問題で十分な進展があったとして、次の通商交渉など 第2フェーズ入りが承認されている。第1フェーズを突破したが、市場は第2フ ェーズは更に厳しい交渉になるとの見方をしており楽観的なムードはない。 週末のNY株式市場は、米税制改革の成立を見越した買いが入った。前日に下 げた反動もあり、ハイテク株を中心に幅広い銘柄が買われて相場を押し上げた。 ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数と併せ、2週間半ぶりに主要 3指数が最高値を更新。 NYダウは、24,651.74ドル(前日比+143.08ドル)。 ナスダック総合指数は、6,936.583ポイント(前日比+80.057)。ドル・円(3)
【今週見通し・戦略】 米与党共和党の議会両院執行部は1 5日、約30年ぶりとなる抜本税制改 革で焦点だった法人税率を来年に3 5%から21%に引き下げる法案で最 終合意。全体の減税規模は10年間で 約1兆5000億ドル(約169兆円)。両院で年内にそれぞれ可決される公算 が大きい。ホワイトハウスは15日、「大統領は年内に減税を実現する公約を果 たすのを心待ちにしている」との声明を発表した。 両院が別々にまとめた案では、法人減税は20%への引き下げで一致していた が、実施は下院が来年、上院は2019年と異なっていた。財政赤字の拡大を抑 えるため、18年から実施する一方で、税率の下げ幅を圧縮することで決着。 個人所得税は、7段階の税率区分を維持し、最高税率を39.6%から37% に下げる。医療保険制度改革(オバマケア)での個人の保険加入義務を撤廃し、 制度を事実上骨抜きにすることも盛り込んだ。企業が米国外に留保した現金を米 国に戻す際、現行では35%課税されているが、1回に限り税率を8~15.5% に引き下げる。 これに対して、米議会予算局(CBO)と両院合同租税委員会は15日、与党 共和党の議会両院執行部が同日合意した税制改革の最終案が実現した場合、大型 減税による財政赤字の拡大幅が10年間で1兆4549億ドル(約164兆円) に達するとの試算を共同発表。試算によると、法人税減税などによる税収の落ち 込みは10年間で6441億ドル、個人所得税関連で1兆3293億ドル。一方 で、国際租税などの税収増が3244億ドル、税制改革に伴う歳出減が1941 億ドルを見込んだ。 クリスマス休暇を控え、年末に向けて取引高が尻すぼみとなる中、調整的なフ ローが相場を左右する可能性も。 FOMCで「知ったら終い」となったドル高 だが、税制改革法案期待で反発しても、実際の決定で利食いが入りやすいか? 今週は、CMEのビットコイン上場(12/18)、日銀金融政策決定会合(12/20-21)、 カタルーニャ議会選挙(12/21)などが注目。 22日には暫定予算期限。クリス マス前後に北朝鮮に何らかのアクションが出る可能性にも注意。東京金(12/15 帳入値:4,544 円)
【先週レビュー】 先週レポートで≪底打ち感のない状況。2 015年・2016年12月の米利上げ時と 同じように、FOMCまでは軟調かもしれな い。値頃ではなく、チャート上の底打ちパタ ーンを待ちたい。一方、東京市場は海外安も 円安が相殺して、8日に付けた長い下ヒゲ安値が当面の底値候補≫としたが、先 週のNY金(2月限)は、米連邦政府のつなぎ予算が成立したことや、トランプ 大統領が1月にインフラ投資計画を発表する方針と伝わったこと、雇用統計を受 けて米利上げペースが緩やかになるとの思惑などから、売り優勢となった前週末 の流れを引き継いで始まった。ドル高・株高などを嫌気して続落も、米共和党の ランド・ポール上院議員が既に20兆ドルに上る債務を増やすような予算には賛 成できない発言や、共和党地盤の米アラバマ州上院補選で民主党が勝利したこと などが支援要因となって反発。心理的節目1250ドル台を回復した。 東京市場は、海外安と円安が相殺して鍋底形成へ移行中。終値ベースで、8日 の下ヒゲ安値を維持した。 週末のNY金(2月限)は、小幅続伸。弱気の米経済指標が出たことで126 4.5ドルまで上昇したが、ドル高、米株式市場で種子用株価指数が軒並み史上 最高値を更新する上昇となると、上げ幅を削る展開となった。 CFTC建玉明細(12/12 現在)によると大口投機家玉は、107,068枚の 買い越し。前週(173,329枚の買い越し)から縮小。 【今週見通し・戦略】 仮想通貨ビットコインが10日、CBOE先物市場に続き、CMEで18日に 先物上場が予定されている。米利上げ観測に加えて、仮想通貨への資金シフトが 金の上値抑制要因だったが、先物上場で値動きがこなれてくると、金への見直し が進むだろう。仮想通貨の裏付けとして、金を用いる動きも出ている。押し目買 い戦略維持。ビットコインの時価総額2750億ドルに対して、金の市場規模は 8兆3000億ドル。市場分析レポート「ビットコインと金相場」(12/12 付) も参照下さい。東京白金(12/15 帳入値:3,275 円)
【前週レビュー】 先週レポートで≪NYは心理的節目90 0ドルを割り込み、下げ加速となっている。 金やパラジウムに対しての割安感はあるも のの、金や中国株も崩れており、単なる値頃 判断での買いは避けたい。あくまでチャート 上の底打ちを確認後、ストップロスを入れて 買い対処。タイミング的には、金の下げ止まりのきっかけとなりそうなFOMC 前後や、南アでの与党党首選挙絡みで新たな展開があった時か?≫としたが、先 週のNY白金(1月限)は、金軟調につれ安となる場面も見られたが、安値拾い の買いが入って下げ一服で始まった。ただし、心理的節目900ドルを回復でき ず、米税制改革の協議進展などを背景としたドル高を受けて、一代安値更新。8 72.4ドル(12/13 安値)まで続落した。FOMC後のドル安で自律反発とな ったものの、金が上げ一服となったことで上値を抑えられた。 東京市場も海外安を受けて、11月30日高値を起点とした下降トレンド継続。 3,185円(12/14 安値)まで続落した。 週末のNY白金(1月限)は、続伸。時間外取引から小高くなり、日中取引開 始後も堅調に推移。金が上げ幅を縮小したが、売られ過ぎ感もあり、この日の高 値圏で引けた。CFTC建玉明細(12/12 現在)によると大口投機家玉は、12, 824枚の買い越し。前週(27,028枚の買い越し)から縮小。 【今週見通し・戦略】 南アのシバニェ・スティルウォーターがロンミンを買収することで合意。ロン ミンは2012年のマリカナの悲劇(賃金交渉衝突で多数の死傷者)など問題を 抱えていた。一方、シバニェは2015年にアングロ・アメリカン・プラチナム からルステンバーグ鉱山を買い取ったのち、アクエリアス・プラチナムや米ステ ィルウォーターを買収。今回のロンミン買収で世界第2位のプラチナ鉱山会社と なる。不採算部門が閉鎖されると下支え要因になるとみられる。 16日にから 開幕した南ア与党ANCの党首選の行方も注意。安値圏であるが故に、南ア・供 給リスクが連想されると、売り方の買い戻しが入りやすい地合い。東京ゴム(12/15 帳入値:204.1 円)
【先週レビュー】 先週レポートで≪タイ、マレーシア、 インドネシアによる3カ国会合(国際天 然ゴム協議会)が、輸出削減で合意し、 12月から輸出が削減されると伝えられ たが、輸出削減の数値、期間については、 まだ公表されていない。具体的な内容に ついては12月13日にバンコクで再度 集まり、決める予定だとしている。順当に会議が進むようであれば、最速で12 月15日から削輸出削減が実施され、削減の規模は3ヶ国合計で30万トンにな る見込み。過去、3ヵ国が輸出削減に踏み切ったのは2016年3月から8月ま での6ヶ月間で61万5,000トンを実施。 タイ内務省によると、7日時点で、パタニー、ヤラー、ソンクラー、パタルン、 トラン、チュムポン、ナラティワート、ナコンシータマラート、スラタニの9県 の約41万世帯、約133万人が被災。また、線路、道路の一部区間が浸水。樹 液採取作業(タッピング)に障害が出てくると、買い材料視されてくる≫とした が、先週は、12月5日高値を起点とした調整局面が一服して始まった。タイ、 インドネシア、マレーシアの天然ゴム生産国会合で、輸出削減について、具体的 な話し合いがもたれるとの期待感や、心理的節目200円~一目均衡表の雲の下 限が支持線として意識され、下げ渋った。前週に中国の需要減少懸念から下落し ていた銅相場の反発もあり、上海市場と共に押し目は買い直された。 タイのクリサダ農業・協同組合相は12日、ゴム公社を通じ、全国のゴム取引 市場に120億バーツを投入、20万トンを買い付ける方針。具体的な方法など は19日の閣議に提案するとしている。 【今週見通し・戦略】 月末に予定されている3ヶ国会合の結果が注目されるが、タイ政府による『ゴ ム価格下支え』を目的としたゴム購入の政策が発表されたのは、3ヶ国会合が思 わしくない結果になったため、タイ政府が動き出したとみる向きもある。いずれ にしろ、年明けに控える産地の減産期を前に、押し目買いのタイミングを探る戦 略が有効と考える。東京米国産大豆(12/15 帳入値:47,700 円)
【先週レビュー】 先週レポートでは≪期末在庫率が9. 8%とコーンほどの荷余り感がなく、大 きな値崩れはないが、10ドル水準は利 食い売りが出やすい。一方、8月安値を 起点とした上昇トレンドは継続している。 大豆粕(ミール)最大の輸出国であるア ルゼンチン大豆が降雨不足で生育に悪影 響があるとの見方が強材料。ブエノスアイレス穀物取引所週報によると、大豆作 付進捗率は53.2%、前年同期の57.6%を下回る≫としたが、先週のシカ ゴ大豆(1月限)は、乾燥が懸念されていたアルゼンチンの主要産地での降雨予 測を受けて乾燥状況が緩和に向かうとの見方が強まるなか続落して始まった。米 農務省(USDA)需給報告における17/18年度の米国内期末在庫量が事前 予測と同量となったことで、織り込み済みから買われる場面も見られたが、南米 の主要生産国からの旺盛な輸出が米国の輸出を圧迫するとの見方が売りを呼び、 高値では売り崩されて大幅反落した。アルゼンチンで、今後1週間もまとまった 雨が見込まれていることで、生育環境が改善する見通しから続落となった。 東京市場もシカゴ安+円高ドル安を嫌気して、週末にかけて続落。 週末のシカゴ大豆(1月限)は、続落。前日に続いてアルゼンチンでの降雨 観測が弱材料となった。アルゼンチンでは週末の雨に続き、週明けにも雨が降る ことが予測され、産地の乾燥状態が改善に向かうことが見込まれている。ただ、 米農務省(USDA)が中国、ならびに不明相手先への大口成約を明らかにした ことが好感され下げ幅は限定された。米農務省(USDA)は、中国向けに25 万7000トンの米国産大豆の輸出成約と、仕向地不明で、12万6000トン の輸出成約を報告。CFTC建玉明細(12/12 現在)によると大口投機家玉は、 55,245枚の買い越し。前週(92,585枚の買い越し)から縮小。 【今週の見通し・戦略】 インフォーマ・エコノミクスは、2018年の国内大豆作付面積予想を91 38万7000エーカーに上方修正。2月安の時期に向けて、南米産の天候相場 が荒れないと、上値の重い状況が継続見通し。東京とうもろこし(12/15 帳入値:21,850 円)
【先週レビュー】 先週レポートでは≪14日の12月限シ カゴ納会で、実需家の受け腰が注目。一定の 強さがあれば、底打ちへ移行、弱いままなら 底練り継続。アルゼンチン産地の乾燥が大豆 市場中心に強材視されている。アルゼンチン は南米ではブラジルに次ぐコーン生産大国 ≫としたが、先週のシカゴコーン(12月限) は、大豆安に追随して、一代安値更新で始まった。米農務省(USDA)需給報 告では17/18年度の米国内コーン期末在庫量が引き下げられたことで、35 0セントを突破する場面も見られたが、高値付近では戻り待ちの売りが膨らみ、 一代安値を再び更新。米農務省(USDA)需給報告で、目先の弱材料出尽くし 感が強まり、買い戻す動きが見られたものの、大豆安に上値を抑えられて、戻り は限定的となった。東京市場も、シカゴ安を嫌気して、12月11日高値を起点 とした下降トレンド形成。 週末のシカゴコーン(3月限)は、アルゼンチンでの降雨予測を映した売りに 大豆市場が軟化したことに追随して続落。この日米農務省(USDA)は、コス タリカへの大口成約(今年度積み13万4503トン)を報告したものの、17 /18年度のコーン輸出は低迷した状態が続いているため、単発の大口成約に対 する反応は限られた。 CFTC建玉明細(12/12 現在)によると大口投機家玉は、75,849枚の 売り越し。前週(53,708枚の売り越し)から拡大。 【今週の見通し・戦略】 インフォーマ・エコノミクスは、2018年のトウモロコシの作付面積は89 67万5000エーカーに下方修正。18年の冬小麦の作付面積は3109万3 000エーカーと、前月予想(3192万3000エーカー)から引き下げた。 需給緩和から投機筋の売り越しが続き、底打ち感のない状況だが、このまま春 先の作付け開始まで、この状況が続くなら、来年の天候相場の狙い目銘柄となる。 陰の極みで売り込まないように注意したい。東京原油/ガソリン/灯油(1)
【先週レビュー】 先週レポートでは≪NY原油は、6月安 値を起点とした上昇チャネル継続。チャネ ル中心線と重なる基準線で下支えられて いる。ファンド(投機筋)の買い越しが過 去最高水準にまで膨れ、高値警戒感が強い 中、中東の地政学リスクが燻る中、北半球 最大の需要期に向けて、安値を売り込み難 い地合い。~中略)。現段階では、具体的な生産減少を伴う供給障害が出ていな いものの、産油国を巻き込んだ緊張の高まりに移行すると、上値リスクは高まる だろう。また、トランプ政権が内政から外交へ関心を移行させることで、地政学 リスクが北朝鮮・中東共に高まる可能性にも注意したい。 今週は、米エネルギー情報局(EIA)、石油輸出国機構(OPEC)、国際エ ネルギー機関(IEA)の各月報が予定されている。産油国の減産延長が決まっ た流れで、来年に向けての需給引き締まりが予想されると、下値を支えるだろう ≫としたが、先週のNY原油(1月限)は、前週末に発生した北海油田のフォー ティーズ・パイプラインの停止が引き続き材料視され、2015年以来の高値を 更新したブレント原油上昇にけん引されて上昇して始まった。ブレント原油続伸 に連動してNY原油は一段高となったものの、国際エネルギー機関(IEA)が 供給量は十分にあり、非常備蓄の放出は不要であるとの認識を示したことで、供 給懸念後退から反落。米エネルギー情報局(EIA)週報で、原油在庫は市場予 想以上に減少したものの、ガソリン在庫が増加したことや、米原油生産量が拡大 し統計開始以来の最高水準を更新したことも弱材料視された。また、OPEC月 報で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の10月の石油在庫は3700万バ レル減の29億4800万バレルと減少ペースが加速し、世界的な過剰在庫の解 消が鮮明となっていることも一因となった。 その後に発表された国際エネルギー機関(IEA)月報で、来年前半は日量2 0万バレルの供給過剰が続くが、来年後半にかけては同20万バレルの供給不足 になり、全体として均衡化するとの見通しが示されたことが好感され反発するも、 シェールの増産観測が上値を抑えて上値は限定的となった。東京原油/ガソリン/灯油(2)
【週末のNY市場】 週末のNY原油(12月限)は、小幅 続伸。北海油田のフォーティーズ・パイ プライン停止を背景に小高く推移。一方、 ドル高、石油製品相場安が上値圧迫要因 となった。引けにかけては、米大手石油 ガス開発のベーカー・ヒューズ発表の米 国内の原油の掘削装置 (リグ)稼動数が 前週比4基減の747基となり、6週間 ぶりの減少となったことや、NY株式市場の高値更新などが好感された。 CFTC建玉明細(12/12 現在)によると大口投機家玉は、原油が614,4 97枚の買い越し。前週(前週(611,128枚の買い越し)から拡大。ヒー ティングオイルが50,521枚の買い越し。前週(55,533枚の買い越し) から縮小。改質ガソリンが75,423枚の買い越し。前週(76,808枚の買 い越し)から縮小。 【米石油リグ稼動数】 米石油サービス会社ベーカー・ヒュー ズが15日公表した国内の石油掘削リ グ稼働数は、同日までの1週間で前週比 4基減の747基となった。 原油価格が2年ぶり高値付近に近づ き、エネルギー各社が2018年の設備 投資拡大を始めているものの、稼働数は 6週間ぶりに減少した。ただ、前年同週 の510基を大きく上回っている。 原油価格の回復に伴うリグの増加傾向は14カ月間続いたが、価格下落に伴い 8、9、10月に一時的に稼働数が失速。しかし11月に入り価格は回復し、再 び増加に転じていた。東京原油/ガソリン/灯油(3)
【EIA米週間在庫(エネルギー情報局)】 前週比 原油 4億4299万バレル 511万7000バレル減少 クッシング 5224万バレル 331万7000バレル減少 ガソリン 2億22655万バレル 566万4000バレル増加 留出油 1億2808万バレル 137万バレル減少 原油生産量 978万バレル 7万3000バレル増加 製油所稼働率 93.4% 前週比0.4%減 【製油所稼働率】 石油元売り・精製各社の製油所で停止中のトッパー(常圧蒸留装置)は15日現 在、石油元売り・精製各社の製油所で停止中のトッパー(常圧蒸留装置)はなく、 現有能力(30 トッパー・日量 351 万 8,800 バレル)に対する停止率はゼロ。 停止能力の内訳は、東日本、西日本ともゼロ。東京原油/ガソリン/灯油(4)
【東京ドバイ原油】(12/15 帳入値:41,710 円) 先週レポートで≪ファンド(投機筋)の買 い越しが過去最高水準にまで膨れ、高値警戒 感が強い中、中東の地政学リスクが燻る中、 北半球最大の需要期に向けて、安値を売り込 み難い地合い≫としたが、先週の東京ドバイ 原油は、海外原油安に追随して、43410 円(12/12 高値)を起点に修正安も、一目均衡表の雲を維持している。東京は、 40610円~43430円の逆張り相場となっている。終値ベースでのレンジ放れ待ち。 今週辺りから、クリスマス・年末年始モードに移行してくると、新たな材料が出てこない と、薄商いになってくる可能性には注意したい。 NY原油は、6月安値を起点とした上昇チャネル継続。CFTC建玉明細によると、投 機筋の買い越しは、過去最高水準を維持。三角保合いに移行しつつあるチャート形状。 年末年始の薄商いの中、レンジ継続のケースと、薄商いが故のポジション調整を誘発 させるような、一時的な急変動にも警戒したい。英国フォーティーズ・パイプラインは、 操業が再開されておらず、ナイジェリアで石油労働組合の全国的ストライキの可能性 (12/18 実施見通し)と共に、ブレント原油主導の上昇要因となり得るため注意。 米エネルギー情報局(EIA)、石油輸出国機構(OPEC)、国際エネルギー機関(IE A)から各々月報が発表されたが、生産量は多いが需要も多く、世界の需給は均衡に 向かっているというこれまでの見方に大きな変化はない。 OPEC月報では、11月のOPEC原油生産量は、前月比13万3500バレル減の3 244万8000バレル。主な減産国は、アンゴラ、サウジアラビア、UAE、ベネズエラな ど。10月のOECD加盟国の原油と石油製品在庫は前月比3700万バレル減の29億 4800万バレルと、30億バレルを下回った9月からさらに減少。2018年の世界需要 見通しは日量9850万バレルで、前年比同150万バレルの増加が見込まれている。 EIA月報では、11月の米国産原油の生産量は日量970万バレルと、前月比36万 バレル増。2017年通年の生産量見通しは920万バレル、2018年は同1000万バ レル。現状でも過去最高だが、さらに増加することが見込まれている。東京原油/ガソリン/灯油(6)
【国際エネルギー機関(IEA)月報】 11月の世界の石油供給は日量9780万バレルと、前月比20万バレル増と なり、今年最高となった。米国産原油増加が背景。2017年通年の世界需要の 増加見通しは日量150万バレル、2018年は同130万バレルに据え置き。 10月のOECD加盟国の民間在庫は29億4000万バレルと、2015年7 月以来の低水準。ただ、まだ5年平均1億1100万バレル上回っている。国別 では中国の在庫が今年初めて前月比で減少したのが目立った。 【バージガソリン】(12/15 帳入値:58,170 円) 石油連盟週報(3~9日)によると、ガソ リンの週末在庫は、前週比1.8%増の17 0万0240キロリットル。週間原油処理量 は0.1%増の374万8643キロリット ル。出荷量は、ガソリンが3.8%減の94 万8853キロリットル。先週レポートで≪ 先限つなぎ足は、11月高値頭打ち、ダブルトップ形成へ移行するのか、それと も踏み上げとなるのか、終値ベースでの11月高値の攻防が焦点となる≫とした が、先週は、レンジ継続。59,990円(11/8 高値))~57,290円(12/7 安値)のレンジ放れ待ち。 【バージ灯油】(12/8 帳入値:56,850 円) 石油連盟週報(3~9日)によると、灯油の 週末在庫は、前週比4.8%減の243万15 15キロリットル。出荷量は、灯油が21.1% 増の52万2283キロリットル。先週レポー トで≪新甫6月限は、灯油の不需要期限月で、 季節傾向を反映して、5月限に対して下鞘で発会しており、先限は上値が抑えら れやすいものの、レンジ継続、放れ待ち≫としたが、先週は、レンジ相場継続。 引き続き、終値ベースでのレンジ放れ待ちだが、先限が不需要期限月の為、つな ぎ足ベースでは、下方圧力が強く出る為、放れは原油市場の放れとのダブルチェ ックを心掛けたい。週間予定(12/18~12/24)
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東京パラジウム 3,608.0 +47.0 (+1.3%) 511 1,275 3,620.0 2,503.0 海外商品市場 前週末終値 NY金($/onz) 1,257.5 +9.1 (+0.7%) NY白金($/onz) 889.4 +5.7 (+0.6%) NY銀(¢/onz) 16.060 +.2 (+1.5%) LMEアルミ(3ヶ月、$/t) 2,066.0 +55.5 (+2.8%) ロコ・ロンドン(PM、$/onz) 1,254.6 +3.9 (+0.3%) CRB指数 184.52 -0.50 (-0.3%) 為替・株式市場 前週末終値 ドル円 112.13 -1.33 (-1.2%) ユーロドル 1.1792 +0.004 (+0.3%) 日経平均株価 22,553.22 -257.86 (-1.1%) NYダウ 24,651.74 +322.58 (+1.3%) S&P 500 2,675.81 +24.31 (+0.9%) NADAQ 6,936.58 +96.50 (+1.4%) DAX 13,103.56 -50.14 (-0.4%) ハンセン指数 28,848.11 +208.26 (+0.7%) 上海総合株価指数 3,266.14 -23.86 (-0.7%) 注)国内商品市場は先限価格、海外商品市場は期近価格、為替は東京17時現在。 週間変動幅(率) 週間変動幅(率) 4350 4400 4450 4500 4550 4600 4650 4700 4750 2017/8/28 2017/10/11 2017/11/24 東京金先限(日足終値) 5MA 25MA 104 106 108 2017/7/24 2017/9/5 2017/10/19 2017/12/4 1100 1150 1200 1250 1300 1350 1400 2017/8/30 2017/10/12 2017/11/24 NY金期近(日足終値) 5MA 25MA
東京ゴム 204.8 +0.7 (+0.3%) 24,217 25,421 366.7 178.8 海外商品市場 前週末終値 NY原油(ドル/バレル) 57.30 -0.06 (-0.1%) NYRBOB(ドル/ガロン) 1.6548 -0.0618 (-3.6%) NYヒーティングオイル(¢/ガロン) 1.9035 -0.0253 (-1.3%) IPEブレント(ドル/バレル) 63.23 -0.17 (-0.3%) CRB指数 184.52 -0.50 (-0.3%) 原油・石油関連統計 最新週 国内ガソリン在庫 1,700,240 +30,542 (+1.8%) 国内灯油在庫 2,431,515 -122,367 (-4.8%) 国内軽油在庫 1,414,825 +38,718 (+2.8%) 国内レギュラー価格(円/l) 141.40 ±0 (±0) 米国原油在庫 442,986 -10,727 (-2.4%) 米国ガソリン在庫 226,546 +5,664 (+2.6%) 米国ディスティレート在庫 128,076 -1,370 (-1.1%) 米製油所稼働率(%) 93.40 -0.40 (--) *在庫の単位は国内が(Kl)、米国が(1000B/D) 参照:石油連盟、石油情報センター、EIA(米エネルギー情報局) 注)国内商品市場は先限価格、海外商品市場は期近価格、為替は東京17時現在。 週間変動幅(率) 週間変動幅(率) 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 2017/8/28 2017/10/11 2017/11/24 東京灯油先限(日足終値) 5MA 25MA 40000 45000 50000 55000 60000 65000 2017/8/28 2017/10/11 2017/11/24 東京ガソリン先限(日足終値) 5MA 25MA 30 40 2017/7/27 2017/9/8 2017/10/20 2017/12/4
東京小豆 13,920 +320 (+2.4%) 682 933 13,920 11,230 海外商品市場 前週末終値 シカゴコーン(¢/Bu) 347.50 +7.50 (+2.2%) シカゴ大豆(¢/Bu) 967.25 -22.50 (-2.3%) シカゴ小麦(¢/Bu) 418.25 +26.25 (+6.7%) NYコーヒー(¢/ポンド) 116.95 -3.65 (-3.0%) NY砂糖(¢/ポンド) 13.66 -0.39 (-2.8%) CRB指数 184.52 -0.50 (-0.3%) 穀物関連統計 最新週 週間輸出成約高(コーン) 866.9 -9.5(12/7) 週間輸出成約高(大豆) 1452.7 -563.1 (12/7) 週間輸出検証高(コーン) 658,403.0 +53,274.0 (12/7) 週間輸出検証高(大豆) 1,229,817.0 -572,788.0 (12/7) 作柄(コーン、良以上) 66.0 ±0 (10/29) 作柄(大豆、良以上) 61.0 ±0 (10/15) *輸出統計の単位は(1000Bu)、作柄は全体に占める割合(%) 参照:USDA(米農務省) 注)国内商品市場は先限価格、海外商品市場は期近価格、為替は東京17時現在。 それぞれの価格の週間変動幅は前々週終値との比較。また統計数値に関しては最新週と前週値との比較。 前週比/データ日付 週間変動幅(率) 44000 44500 45000 45500 46000 46500 47000 47500 48000 48500 49000 2017/8/28 2017/10/11 2017/11/24 東京一般大豆先限(日足終値) 5MA 25MA 19500 20000 20500 21000 21500 22000 22500 2017/8/28 2017/10/11 2017/11/24 東京コーン先限(日足終値) 5MA 25MA 10000 11000 2017/7/24 2017/9/5 2017/10/19 2017/12/4
仕組み、リスク等を十分にご理解、ご確認のうえ、ご検討下さいますようお願い致します。 ○当社の取引証拠金の額に対する取引金額の割合は、商品や約定値段によって異なります ので現時点では明示できませんが、通常取引では概ね 20 倍~280 倍程度、損失限定取引で は概ね 1~10 倍程度となります。また、お客様が最初に預託する取引証拠金の額は、各商 品により異なり、通常取引の最高額は1枚当たり 180,000 円、損失限定取引の最高額は1 枚当たり 4,615,000 円です。ただし、通常取引は、その後の相場の変動によっては追加の証 拠金が必要になる場合がありますのでご注意ください。追加に必要となる証拠金の額は、 商品や相場の変動によって異なります。 ○建玉時及び決済時の取引手数料は商品や取引形態によって異なり、片道 1 枚あたりの取 引手数料(税込)は以下の通りです。 対面取引(通常取引) 1,274 円~12,420 円 対面取引(損失限定取引) 1,965 円~17,388 円 コールセンター取引 864 円~2,160 円 オンライン取引 195 円~390 円 (上記の証拠金及び手数料は平成 29 年 11 月 30 日の帳入値をもって算出) 当社ディスクローズ資料は本支店および日本商品先物取引協会(ホームページ)で閲覧で きます。 お客様相談窓口 ・日産証券株式会社 CX営業管理部 TEL:0120-050-633 ・日本商品先物取引協会相談センター URL:https://www.nisshokyo.or.jp/ 日産証券株式会社(〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-38-11) 関東財務局長(金商)第 131 号 金融商品取引業者 商品先物取引業者 加入協会 日本証券業協会・日本商品先物取引協会・一般社団法人金融先物取引業協会