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調査報告書
「国内 BtoB 企業向けインターネット・マーケティング市場の市場規模推移予測」 江原 潤 ⽬目次 1. 市場規模予測の結果 2. 国内 BtoB 企業向けインターネットマーケティング市場の環境分析 3. BtoB 企業におけるインターネットマーケティング市場の将来性が期待出来る 4 つの理理由 について 1 市場規模予測の結果 (APPENDIX 2P 参照) インターネット市場が広義であるため、細分化し特に注⽬目に値すると思われる 4 つの市場セ グメント別に市場規模を推定した結果、いずれも堅調な成⻑⾧長率率率であることが確認出来た。特に 「リードナーチャリング」については平均年年成⻑⾧長率率率(CAGR)が 55%と極めて⾼高い成⻑⾧長率率率とな った。これはまだ未成熟領領域であることから⾼高い潜在的成⻑⾧長市場であること⾔言える(APPNDIX 3P)。 セグメント 年年平均成⻑⾧長率率率 2014 年年(実績) 2019 年年(予測) WEB インテグレーション 4.3% 975 1,154 ソーシャルメディアマーケティング 8.58% 82 114 インターネットマーケティング 9.3% 10,519 14,958 リードナーチャリング 55.0% 108 617 ① WEB インテグレーション WEB インテグレーションとは、「サイト戦略略」「デザイン」「サイト構築」「運⽤用・更更新」の、 企業の情報システムの企画、設計、開発、構築、導⼊入、保守、運⽤用などを⼀一貫して請け負うサ ービスのことを⾔言う。市場の特徴としては包括的に請け負うことが多いことからシステム開発 費⽤用が⼤大きくまた、景気変動の影響を受けやすく、景気後退局⾯面では市場は停滞する傾向 にある。2015 年年以降降については、国内はアベノミクス政策により景気回復復局⾯面に⼊入ってが増えると予想され、成⻑⾧長率率率は堅調に推移するものと⾔言える。インターネットの発達によ り、顧客は様々な情報を⾃自らで⼊入⼿手出来る環境にあることから、WEB を活⽤用した企業戦 略略を重視する傾向が今後確実である。インターネットの技術⾰革新に伴った開発及び構築プ ロセスは持続的に求められ、さらに経営戦略略上の「核」となる可能性が極めて⾼高い。 ② ソーシャルメディアマーケティング 近年年では Facebook や twitter などのソーシャルメディアの利利⽤用者が急激に増加してお り、これら従来 CtoC 領領域で普及したツールが次第に BtoC にも展開されつつある。消費 者の発信する情報がソーシャルプラットフォーム上に共有される個⼈人の発信する情報の 影響⼒力力に企業は注⽬目し始めている。従って、個⼈人の発信した情報や⼝口コミの評価分析を⾏行行 い、効果測定の結果を販売戦略略につなげようとする企業が増えている。企業が消費者との 接点を持つために、公式ページや公式アカウントを開設するケースが増えており、その構 築⽀支援や運営代⾏行行、または分析を⾏行行う企業が増加していることもソーシャルメディアに関 する関⼼心の⾼高さを裏裏付けていると⾔言える。 公式ページなどの開設⽀支援のニーズはやや落落ち着いたものの、今後はいかに活⽤用してい くかに企業の関⼼心は移っている。分析ツールの開発や効果測定をコアとしたビジネスを展 開する企業が増えてくることが予想され、またソーシャルネットのプラットフォームは今 後新たなサービスや様々なターゲットに対応したものが登場する傾向にあると⾔言えるこ とから、成⻑⾧長率率率は8.58%と⾼高い成⻑⾧長を続けると推定した。 ③ インターネットマーケティング インターネットマーケティング市場は、あらゆるインターネット広告の市場と置き換え ることが出来る。従って市場規模は包括的な範囲を意味するので⼤大変⼤大きいものとなるが、 他のセグメント(WEB インテグレーション、ソーシャルメディア、リードナーチャリン グ)と⽐比較すべき点は成⻑⾧長率率率にある。今回調査した結果、インターネット広告は9.3% と⾼高い成⻑⾧長率率率を維持するものと考察した。インターネット広告費とは「インターネット上 の広告掲載費及び広告制作費のこと」と定義し、下記の通り主たる媒体別でも、インター ネット広告がもっとも成⻑⾧長していることが分かる。 広告費(億円) 前年年対⽐比 構成⽐比 マスコミ4媒体 29,393 101.6 47.8 インターネット 10,519 112.1 17.1 プロモーションメディア 21,610 100.8 35.1
従来の主⼒力力であったマスコミ、プロモーションよりも 10 ポイント以上の⾼高い伸びを⽰示しており、 今後構成⽐比はインターネットが急速に⾼高まってくることが確実と⾔言える。さらに、通信機器(ス マートフォン、タブレット)の普及や通信技術の絶え間ない⾰革新による新たな広告⼿手法が可能 となれば、インターネット広告費はこれまで以上の⾼高い成⻑⾧長率率率で推移すると考察する。 ④ リードナーチャリング リードナーチャリングとは、⾒見見込み客(lead:リード)を育成 (nurturing:ナーチャリング)して受 注に結びつけるプロセスの管理理⼿手法のことである。⼀一般的に BtoB の商材は、商品単価が⾼高く購 買の意思決定までに時間がかかることから、⾒見見込み客を受注にまで導く中⻑⾧長期的な関係構築が 重要であり、 受注に⾄至るまでのプロセスを「⾒見見える化」して効果的に進める⼿手法のことを指す。 ソーシャルネットワークの爆発的な普及は BtoC から BtoB のステージでも活⽤用が⾏行行われている。 企業は多様なソーシャルメディアを活⽤用してプロモーションが可能となった半⾯面、2007 年年度度か ら⽐比較すると実に 8.7 倍ものデータ流流通量量が増加した「情報が氾濫濫している社会」である事実 から、いかに「的確かつ有効な情報を⾒見見込み客にフォーカスして届けることが出来るか」が重 要となっている。従って、企業としての⾒見見込み客の絞り込みを⾏行行い、かつ受注確度度の進捗管理理 を⾒見見える化し、分析を⾏行行うことでより効率率率的な営業及びマーケティング戦略略を実⾏行行することが 可能である。リードナーチャリングの市場の歴史はまだ浅く未成熟市場と⾔言えるが、発祥のア メリカでは年年率率率 50%以上と極めて⾼高い成⻑⾧長率率率を遂げており、さらにアメリカでリードナーチャ リングの業界最⼤大⼿手であるメルケトが 2014 年年3⽉月に⽇日本での事業を開始して以降降、着実に顧客 を獲得し事業を拡⼤大していることからも、⽇日本でもアメリカと同等の成⻑⾧長率率率が期待出来ると考 える。 2. 国内 BtoB 企業向けインターネットマーケティング市場の環境分析(APPENDIX 4P) 国内 BtoB 企業向けインターネットマーケティング市場の環境分析では、外部環境の変化に対 応すべく、企業の成⻑⾧長エンジンの⼀一つとしてインターネットを活⽤用したマーケティングが注⽬目 されつつある。景気回復復局⾯面であるものの、少⼦子⾼高齢化などの要因から⽇日本国内市場の縮⼩小傾 向は避けられず、さらにアベノミクスの消費増税の影響は想像以上に重い負荷となっているの が現状である。以上の要因から、企業は⾼高収益体質となるべく新しい経営戦略略の必要性に迫ら れているこの時期に、これまでは BtoC での活⽤用が中⼼心であったインターネットを活⽤用したマー
徐々に浸透・拡⼤大されたことも⼤大きく、またベンチャーの育成ムードの⾼高まりもあり、IT を駆 使した様々なイノベーションがこれから起きる可能性を秘めている。以上から顧客に対して IT を活⽤用した新しいライフスタイルの価値創造を実現可能なものとなっている。 経済産業書の調査によると「狭義 EC(資料料参照)」の市場規模は 186 兆円で成⻑⾧長率率率は 3.4% となっている。リーマンショックや東⽇日本⼤大震災などの影響があり⼀一時的に落落ち込んだものの、 すぐに回復復、近年年では堅調に成⻑⾧長している市場である(APPENDIX 5,6P)。 市場の魅⼒力力度度は⼤大変⾼高いと⾔言える。新規参⼊入障壁も低く、多くの新規参⼊入が⾒見見込まれるもの の、技術⾰革新スピードが⼤大変速い業界であることから今後はシステム開発⼒力力のある⼈人材や資本 ⼒力力のある企業が⽣生き残り、また M&A などを⾏行行われるものと考える(APPENDIX 7P)。 市場の評価は、ユーザー、供給者ともに⼤大変魅⼒力力ある市場であると⾔言える。特にマクロレベ ルではユーザー側は新しいツールとしての期待感が⼤大きく、また供給者側も BtoC 市場からの展 開による新たな市場の構築がこれから始まる時期であり、今の時点で市場でのポジションを確 ⽴立立することで先⾏行行優位性を確保出来る時期にある市場と考えることが出来る(APPENDIX 8P)。 3. BtoB 企業におけるインターネットマーケティング市場の将来性が期待出来る 4 つの理理由に ついて(APPENDIX 9P) 今後の市場成⻑⾧長の期待が⼤大きい理理由として 4 つ述べる。 ① 顧客の購買⾏行行動の変化(WEB インテグレーション) (APPENDIX 10P) インターネットの発達によって顧客は⾃自分の欲しい情報を⾃自ら検索索することが容易易になり、 その結果、属⼈人的な営業⼿手法といった従来型のアプローチが通⽤用しない、または⾮非効率率率な状況 である。現在の顧客獲得プロセスでは、いかにして的確にかつ効果的な情報を顧客に届けるか が重要であり、WEB インテグレーションの重要性はますます⼤大きいものとなる。 ② EC 化が確実に拡⼤大している(インターネットマーケティング) (APPENDIX 11P) スマートフォンやタブレットなどの普及が進んだことが、あらゆる EC 化を加速させているこ とは間違いない。これまでのインターネットマーケティングのメインは BtoC であったが、これ ほどまでに急速に普及することが可能だった主因に通信機器の普及率率率の⾼高まりある。企業内で スマートフォンやタブレットの利利⽤用が進んでいることからも今まで以上に活⽤用する機会が増え る。 ③ ソーシャルネットワークの普及による情報のフィルタリングの必要性(リードナーチャリン グ) (APPENDIX 12P) ソーシャルメディアの発展は企業にとっては様々アプローチが可能となった恩恵を受けた⼀一 ⽅方で、情報の氾濫濫を呼んだ。従って、効果的なアプローチを⾏行行うことが難しい状況であるとも
⾔言える。⾃自社にとって重要な顧客をデータに基づいて抽出し、ユニークな顧客の購買⾏行行動に沿 ったカスタマイズしたアプローチが出来るリードナーチャリングは⼤大変有効な戦略略ツールにな り得る。 ④ ROI を重視した経営に即したツール(APPENDIX 13P) 重要な経営指標である ROI(投資した資本に対して得られる利利益の割合)を⾼高めるにも WEB マーケティングは⼤大きな効果を発揮する。より効率率率的かつ⽣生産性の⾼高い経営を⾏行行うためには営 業とマーケティングの⽣生産性の向上と管理理コストの削減を同時に⾏行行う必要があるが、リードナ ーチャリングでは、⽣生産性の効率率率改善と管理理費の削減の効果が最⼤大で 18.5%という実績があり、 導⼊入における投資対効果が⼤大変⾼高く効果が⼤大いに期待出来ると⾔言える。 以上
「国内
BtoB企業向けインターネット・マーケティング市場の市場規模推移予測」
APPENDIX
1
株式会社リーディング・ソリューション 御中
江原 潤
市場規模推移サマリー
実績 実績 実績 実績 予測 予測 予測 予測 WEBインテグレーション 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 4.3% 860 894 912 975 1,017 1,061 1,106 1,154 出所:ミック経済研究所 ソーシャルメディアマーケティング 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 8.58% 59 69 76 82 89 97 105 114 出所:矢野経済研究所 2012年 インターネットマーケティング 2,011 2,012 2,013 2,014 2015 2016 2017 2018 9.3% 8,062 8,680 9,381 10,519 11,487 12,544 13,698 14,958 出所:電通 リードナーチャリング 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 55.0% 29 45 67 108 167 258 399 617 出所:Raab Associates※リードナーチャリングは全世界の
EC市場規模130兆円に対して日本が12.8兆円であることから、世界の市場規模の9%を乗じて国内市場規模とした。
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年