医療系大学生を対象とした

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医療系大学生を対象とした

「トータル・フィットネス」教育とその評価システムの構築

放送大学大学院文化科学研究科文化科学専攻 博士後期課程生活健康科学プログラム

2016年度入学 水野 哲也

2022年3月授与

放 送 大 学 審 査 学 位 論 文 ( 博 士 )

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目次

序章

Ⅰ.問題意識と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅱ.本論文の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

文献

第1章 大学における保健体育の今日的意義

Ⅰ.大学における保健体育の領域 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

Ⅱ.大学保健体育の発足と大学設置基準大綱化までの流れ ・・・・・・・・ 9

Ⅲ.各領域の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

Ⅳ.大学設置基準大綱化以降の大学と保健体育 ・・・・・・・・・・・・・ 23

Ⅴ.我が国における大学生の健康問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34

Ⅵ.本章のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36

文献

第2章 「トータル・フィットネス」教育と大学生向けのフィットネス教育用システム の開発

Ⅰ.「トータル・フィットネス」概念の導入 ・・・・・・・・・・・・・・・ 41

Ⅱ.TFAS(Total Fitness Analysis System)の開発 ・・・・・・・・・・・ 48

Ⅲ.TFASを用いたトータル・フィットネス教育プログラムの効果 ・・・・ 55

Ⅳ.考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65

文献

第3章 大学生における健康に関連する精神的フィットネスの検討

-理論モデル並びに測定尺度作成の試み-

Ⅰ.研究の課題と目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 72

Ⅱ.研究の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76

Ⅲ.研究の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90

Ⅳ.考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・107

文献

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第4章 健康に関連する心身のフィットネスと生活習慣の関連性

Ⅰ.研究1の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116

Ⅱ.研究1の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116

Ⅲ.研究1の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・117

Ⅳ.研究2の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128

Ⅴ.研究2の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128

Ⅵ.研究2の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・130

Ⅶ.考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・136

文献

第5章 A大学におけるここ10年の健康に関連するフィットネスの変動

Ⅰ.研究の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・143

Ⅱ.研究の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・144

Ⅲ.研究の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・145

Ⅳ.考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・159

文献

第6章 総合考察と今後の課題

Ⅰ.総合考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・168

文献

謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・183

資料

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1 序 章

Ⅰ . 問 題 意 識 と 目 的

図 序−1 は 、 筆 者 が 昭 和 6 0年 (1 9 8 5年 ) に 報 告 し た 関 東 圏 に あ る 医 療 系 A 大 学 の 1 8 歳 男 性 学 生 の 体 力 診 断 テ ス ト 合 計 点 と 同 年 の 全 国 平 均 値 の 年 次 推 移 で あ る 。 当 時 の A 大 学 の 入 学 生 は 、 そ の 9 割 以 上 が 男 子 で あ り 、 ま た 浪 人 生 の 割 合 が 半 数 以 上 を 占 め て い る と い う の が 現 状 で あ っ た 1 )。 図 か ら も わ か る よ う に 、 全 国 平 均 値 に み ら れ る 一 般 青 年 1 8 歳 の 体 力 診 断 テ ス ト 合 計 点 は 昭 和 3 9 年 (1 9 6 4 年 ) か ら 昭 和 4 7 年 (1 9 7 2 年 ) ま で は や や 向 上 し 、 そ の 後 停 滞 傾 向 が 見 ら れ る も の の 緩 や か な 向 上 傾 向 に あ っ た 。 し か し 、A 大 学 に 入 学 し て く る 1 8 歳 男 性 学 生

( 入 学 時 ) の 場 合 は 、 昭 和 4 9年 (1 9 7 4 年 ) か ら 昭 和 5 2 年 (1 9 7 7 年 ) ま で は 停 滞 し て い る が 、 そ の 後 は 緩 や か な 低 下 傾 向 が み ら れ た 。

図 序−1 医 療 系 A 大 学 1 8歳 男 性 学 生 の 体 力 診 断 テ ス ト 合 計 点 の 年 次 推 移

( 実 線 :A 大 学 (1 9 7 4 年 ~1 9 8 5 年 ) 、 破 線 : 全 国 値 (1 9 6 4 年 ~1 9 8 4 年 ) ) 医 療 系 A大 学 1 8歳 男 性 学 生

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ま た 、 図 序−2 は 同 じ く A 大 学 の 昭 和 5 6年 (1 9 8 1 年 ) 並 び に 昭 和 5 8年

(1 9 8 3 年 ) に 入 学 し た 1 8歳 男 子 学 生 の 入 学 後 の 体 力 診 断 テ ス ト 合 計 点 の 変 化 を 示 す と と も に 加 齢 に 伴 う 全 国 値 の 変 化 を 示 し て い る 1 )

図 序−2 医 療 系 A 大 学 1 8歳 男 性 学 生 の 入 学 後 の 体 力 変 化

( 加 齢 に 伴 う 全 国 値 の 変 化 )

図 に 示 す よ う に 、 昭 和 5 6年 入 学 者 の 場 合 、 測 定 は 入 学 直 後 (1 9 8 1 年 4月 ) 、 1 年 後 (1 9 8 2 年 4 月 ) 、 そ し て 3 年 後 (1 9 8 4 年 6 月 ) に 行 わ れ た も の で あ る が 、 そ の 平 均 値 は 入 学 時 よ り 1 年 後 の 方 が 高 く 、3 年 後 は 入 学 時 よ り は 高 い が 1 年 後 よ り は 低 か っ た 。 ま た 昭 和 5 8年 入 学 者 の 場 合 、 測 定 は 入 学 直 後 (1 9 8 3 年 4月 ) 、 1 年 後 (1 9 8 4 年 4 月 ) 、 そ し て 2 年 後 (1 9 8 5 年 2 月 ) に 行 わ れ た も の で あ り 、 図 か ら も わ か る よ う に 、 入 学 後 が 最 も 低 く 、 続 い て 1 年 後 、 2 年 後 の 順 に 高 く な

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っ て い た 。 こ の A 大 学 1 8 歳 男 性 学 生 の 入 学 時 の 体 力 診 断 テ ス ト 合 計 点 の 低 値

( 全 国 平 均 値 の 1 4、1 5 歳 水 準 ) は 入 学 前 の 受 験 対 策 の 影 響 が 大 き い も の と 考 え ら れ る 。 ま た 、 入 学 後 2 年 間 に お け る 体 力 診 断 テ ス ト 合 計 点 の 向 上 は 、 進 学 課 程

( 教 養 教 育 課 程 ) に お け る 運 動 習 慣 を 含 む 生 活 習 慣 の 改 善 、 具 体 的 に は 授 業 科 目 で あ る 体 育 実 技 、 ま た 課 外 で の サ ー ク ル な ど で の 活 動 を 含 む 生 活 全 体 に お け る 身 体 活 動 が 強 度 、 量 と も に 増 加 し た こ と が 主 な 要 因 と 考 え ら れ る 。 し か し 、 入 学 2 年 後 以 降 、 専 門 課 程 に 進 む と 再 び 身 体 活 動 量 が 制 限 さ れ る た め と 思 わ れ る 体 力 の 低 下 が 認 め ら れ た 。 た だ 、 こ こ で 測 定 し て い る 体 力 の 内 容 は 、 一 般 に 言 わ れ る 広 義 の 体 力 の う ち で も ヒ ト の 行 動 体 力 と い う 一 面 的 な も の で あ り 、 抵 抗 力 や 免 疫 力 と い っ た 防 衛 体 力 の 側 面 に つ い て は 測 定 し て い な い 。 ま た 体 力 に は 精 神 的 な 内 容 も 含 ま れ る 2 )。 よ っ て 、 こ の 結 果 か ら 、 将 来 の 医 療 従 事 者 の 適 性 か ら み た 体 力 に つ い て 論 じ る こ と は 難 し い 。 と は 言 え 、 こ う し た 青 年 期 の 受 験 対 策 に よ る と 思 わ れ る 極 端 な 行 動 体 力 の 低 下 は 、 放 置 で き る 問 題 で は な い 。 そ し て 、 こ う し た 問 題 の 解 決 に は 、 大 学 の 保 健 体 育 に お け る 効 果 的 な 改 善 策 の 実 施 は も ち ろ ん の こ と 、 こ の よ う な 状 況 を 生 み 出 す 我 が 国 の 社 会 情 勢 ま た 将 来 の 国 民 の 健 康 維 持 ・ 増 進 を 担 う 医 学 教 育 に お け る 健 康 教 育 の 在 り 方 な ど の 検 討 が 急 務 な 課 題 で あ る と 言 え る 。

現 代 は 予 測 困 難 な 時 代 と 言 わ れ る 。2 0 1 0 年 に 出 さ れ た 日 本 学 術 会 議 の 提 言

「2 1 世 紀 の 教 養 と 教 養 教 育 」 に も あ る よ う に 、2 0 世 紀 半 ば 以 降 、 世 界 で は こ れ ま で の 、 豊 か さ ・ 便 利 さ や 自 由 の 拡 大 を 追 求 し て き た 生 活 の 仕 方 と 生 き 方 、 ま た 西 欧 中 心 ・ 国 民 国 家 中 心 の 政 治 ・ 経 済 の 在 り 方 の 問 い 直 し が 起 こ り 、 自 己 中 心 ・ 自 国 中 心 ・ 強 者 中 心 の 生 き 方 ・ 考 え 方 や 社 会 の 在 り 方 で は な く 、 多 様 性 と 自 他 の 違 い を 認 め 尊 重 し つ つ 、 相 互 信 頼 と 連 帯 ・ 協 働 の 輪 を 拡 げ て い く こ と の で き る 生 き 方 ・ 考 え 方 や 社 会 の 再 構 築 の 必 要 性 に 迫 ら れ た 3 )。 そ ん な 矢 先 、 我 が 国 国 民 は

1 9 9 5 年 に 阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 、2 0 1 1 年 に は 東 日 本 大 震 災 、 そ し て 今 回 の C O V I D -

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1 9感 染 拡 大 に 遭 遇 し 、 ま さ に 激 動 の 時 代 を 生 き て い る 。

本 論 文 で は 、 こ う し た 激 動 の 時 代 の 中 で 、 今 日 の 大 学 の 保 健 体 育 が ど の よ う な 使 命 ・ 役 割 を 有 し て い る の か を 考 え る と と も に 、 そ れ を 効 果 的 に 果 た す た め に 筆 者 ら が 開 発 し た 大 学 生 向 け フ ィ ッ ト ネ ス 解 析 シ ス テ ム T F A S4 )を 使 用 し た 「 ト ー タ ル ・ フ ィ ッ ト ネ ス 」 教 育 プ ロ グ ラ ム を 紹 介 し 、 そ の 内 容 並 び に 教 育 効 果 、 ま た

T F A S を 用 い て 得 ら れ た A 大 学 の 男 女 大 学 生 の こ こ 1 0 年 間 の 心 身 の フ ィ ッ ト ネ

ス の 現 状 と 推 移 等 を 報 告 す る 。

Ⅱ. 本 論 文 の 構 成

本 論 文 に お け る リ サ ー チ ク エ ス チ ョ ン ( 以 下 R Q) は 以 下 の 6 つ で あ る 。 1 ) 我 が 国 に お け る 大 学 の 保 健 体 育 の 今 日 的 意 義 は 何 な の か ?

2 ) T F A S を 用 い た 「 ト ー タ ル ・ フ ィ ッ ト ネ ス 」 教 育 プ ロ グ ラ ム は 有 効 か ?

3 ) 大 学 生 に お け る 健 康 に 関 連 す る 精 神 的 フ ィ ッ ト ネ ス と は ど の よ う な も の か ?

4 ) 健 康 に 関 連 す る 精 神 的 フ ィ ッ ト ネ ス と 身 体 的 フ ィ ッ ト ネ ス は 関 係 が あ る の か ?

5 ) 健 康 に 関 連 す る 心 身 の フ ィ ッ ト ネ ス と 健 康 習 慣 は 関 係 す る の か ?

6 ) こ こ 1 0 年 間 の A 大 学 に お け る 学 生 の 健 康 に 関 連 す る 心 身 フ ィ ッ ト ネ ス の 変 動 は ど う な っ て い た の か ?

前 項 で も 述 べ た よ う に R Q の 1 ) は 、 筆 者 が 大 学 の 保 健 体 育 教 員 と し て の 経 験 か ら 出 た 最 初 の 問 題 意 識 で あ り 、 ま た こ の 課 題 は 、 そ の 後 、 中 教 審 の 答 申 “ 新 し い 時 代 に お け る 教 養 教 育 の 在 り 方 ” 5 )な ど に も 書 か れ て い る 「 日 本 人 の 持 つ べ き 基 本 的 な 能 力 と し て の 教 養 」 が 曖 昧 に な っ た こ と と 無 縁 で な い 。 本 論 文 の 第 一 章 で は 、 こ う し た 論 点 を 含 め 大 学 の 保 健 体 育 の 今 日 的 意 義 に つ い て 今 一 度 原 点 に 立

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ち 還 り 、 そ の 歴 史 的 背 景 を 追 う 。 そ し て 、 そ の 中 で 様 々 な 批 判 や そ れ ら を 生 み 出 し て き た 日 本 社 会 の 状 況 と 変 化 、 さ ら に 1 9 9 1 年 に 実 施 さ れ た 大 学 設 置 基 準 の 大 綱 化 に 代 表 さ れ る 近 年 に お け る 我 が 国 の 大 学 教 育 に 求 め ら れ る 改 革 の 中 身 等 を 中 教 審 の 答 申 並 び に 日 本 学 術 会 議 の 提 言 等 か ら 明 ら か に す る 。

ま た 第 二 章 で は 、 第 一 章 で 明 ら か に し た 我 が 国 の 大 学 の 保 健 体 育 の 今 日 的 意 義 と そ の 目 標 達 成 に 欠 か せ な い 「 ト ー タ ル ・ フ ィ ッ ト ネ ス 」 教 育 に 着 目 し 、R Q2 ) に あ る 筆 者 ら が 開 発 し た 大 学 生 向 け の フ ィ ッ ト ネ ス 教 育 用 シ ス テ ム “T F A S”

(T o t a l F i t n e s s A n a l y s i s S y s t e m) を 紹 介 し 、 そ れ を 使 用 し た 教 育 プ ロ グ ラ ム の 内 容 と そ の 教 育 効 果 に つ い て 述 べ る 4 )

第 三 章 で は 、R Q3 ) の 大 学 生 の 「 ト ー タ ル ・ フ ィ ッ ト ネ ス 」 教 育 に 欠 か せ な い が 、 ま だ 統 一 的 な 見 解 が 見 当 た ら な い 健 康 に 関 連 す る 精 神 的 フ ィ ッ ト ネ ス に つ い て 、 筆 者 ら が 試 み た そ の 理 論 モ デ ル と 測 定 尺 度 の 開 発 に つ い て 述 べ る 6 )

第 四 章 で は 、 第 三 章 で 測 定 が 可 能 に な っ た 大 学 生 の 健 康 に 関 連 す る 精 神 的 フ ィ ッ ト ネ ス を 用 い て R Q4 ) の 身 体 的 フ ィ ッ ト ネ ス と の 関 連 性 と R Q5 ) の 健 康 に 関 連 す る 心 身 の フ ィ ッ ト ネ ス と 森 本 の 健 康 習 慣 7 )と の 関 係 を 明 ら か に す る 。

第 五 章 で は 、 第 二 章 で 紹 介 し た T F A Sを 使 用 し て 得 ら れ た フ ィ ッ ト ネ ス デ ー タ を 用 い て 、A 大 学 に お け る 男 女 大 学 生 の こ こ 1 0 年 間 の 心 身 の フ ィ ッ ト ネ ス の 変 動 を 探 索 的 に 分 析 (R Q6 ) し 、 現 代 の 医 療 系 大 学 生 の 健 康 に 関 連 す る 心 身 の フ ィ ッ ト ネ ス の 現 状 と モ ニ タ リ ン グ の 意 義 に つ い て 考 え る 。

最 終 章 で は 、 各 R Qに 対 応 し た 研 究 結 果 を ま と め 、 今 後 の 課 題 を 整 理 す る 。

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6 文 献

1 )水 野 哲 也 , 布 施 善 克 , 芝 山 正 治 他( 1 9 8 5 ) . 本 学 男 子 学 生 の 体 力 ・ 運 動 能 力 に 関 す る 研 究 - 過 去 1 0 年 の 体 力 変 遷 と 入 学 後 の 体 力 変 化 -. お 茶 の 水 医 学 雑 誌 , 3 3 ( 2 ) , 2 3 7 - 2 4 1

2 ) 猪 飼 道 夫 , 江 橋 慎 四 郎( 1 9 6 5 ) . 体 育 の 科 学 的 基 礎 . 東 京 : 東 洋 館 出 版 社 ,9 4 -

1 0 3.

3 ) 日 本 学 術 会 議 知 の 創 造 分 科 会 ( 2 0 1 0 ) . 提 言 「2 1世 紀 の 教 養 と 教 養 教 育 」

h t t p s : / / w w w . s c j . g o . j p / j a / i n f o / k o h y o / p d f / k o h y o - 2 1 - t s o u k a i - 4 . p d f

(2 0 2 1 年 8月 8日 )

4 ) 水 野 哲 也 、 田 井 健 太 郎( 2 0 1 3 ) .大 学 生 向 け フ ィ ッ ト ネ ス 教 育 用 シ ス テ ム ( T F A S )の 開 発 と そ の 検 証. 大 学 体 育 学, V o l . 1 0 , 3 1 - 4 0

5 ) 文 部 科 学 省( 2 0 0 2 ) .新 し い 時 代 に お け る 教 養 教 育 の 在 り 方 ( 答 申 )

h t t p s : / / w w w . m e x t . g o . j p / b _ m e n u / s h i n g i / c h u k y o / c h u k y o 0 / t o u s h i n / 0 2 0 2 0 3 .

h t m (2 0 2 1年 8 月 1 5日 )

6 ) 水 野 哲 也 、 谷 木 龍 男 、 戸 ケ 里 泰 典( 2 0 2 1 ): 大 学 生 に お け る 健 康 に 関 連 す る 精 神 的 フ ィ ッ ト ネ ス の 検 討 - 理 論 モ デ ル 並 び に 測 定 尺 度 作 成 の 試 み - 、 日 本 健 康 学 会 誌 、N o . 8 8 - 2 , ( i n p r e s s )

7 ) 森 本 兼 曩( 1 9 9 7 ) . ス ト レ ス 危 機 の 予 防 医 学 ラ イ フ ス タ イ ル の 視 点 か ら . 東 京 : 日 本 放 送 出 版 協 会 .

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第 一 章 大 学 に お け る 保 健 体 育 の 今 日 的 意 義

近 年 、 我 が 国 は 経 済 社 会 の 変 化 や グ ロ ー バ ル 化 の 急 速 な 進 展 、 本 格 的 な 人 口 減 少 社 会 の 到 来 の 中 で 、 か つ て 経 験 し た こ と の な い ス ピ ー ド で 大 き な 変 化 が 進 行 し て い る と と も に そ の 変 化 は 予 測 困 難 と な っ て い る 。 こ う し た 時 代 に 即 応 し て 教 育 の 現 場 で は 主 体 的 な 学 び を 軸 と し た 、 積 極 的 に 社 会 を 支 え 、 論 理 的 思 考 力 を 持 っ て 社 会 を 改 善 し て い く 資 質 を 有 す る 人 材 の 育 成 が 望 ま れ 、 特 に 高 等 教 育 機 関 に お い て は 時 代 の 変 化 に あ わ せ て 多 様 性 と 柔 軟 性 を 確 保 し た 教 育 研 究 体 制 の 構 築 の 中 で 、 文 理 横 断 型 の 普 遍 的 知 識 と 汎 用 的 技 能 を 有 し た 人 材 育 成 の た め の 積 極 的 な 学 生 の 可 能 性 を 伸 ば す 教 育 改 革 が 必 要 と な っ て い る 1 )

本 来 、 教 育 は 国 家 的 な 問 題 で あ る が 、 そ れ が ど の よ う な 水 準 で あ ろ う と も そ の 影 響 は 個 人 的 で あ り 、 ま た 社 会 的 で あ る 。 ま た 教 育 は 個 人 が そ の 個 性 、 環 境 、 周 囲 の 条 件 な ど を 最 高 に 活 用 し て 社 会 に 貢 献 し う る 能 力 を 開 発 す る 営 み で あ る 2 )。 従 っ て こ う し た 社 会 性 豊 か で か つ 自 律 し た 一 人 格 者 の 育 成 に は 、 そ れ を 取 り 巻 く 社 会 全 体 が 有 機 的 に 機 能 し 、 被 教 育 者 の 成 長 を 支 援 す る よ う 働 か な く て は な ら な い 。 そ し て 被 教 育 者 で あ る 学 生 や 生 徒 は 常 に 主 体 的 に 物 事 を 考 え 、 自 ら で 思 考 し 、 判 断 す る よ う 努 め な け れ ば な ら な い し 、 教 育 者 で あ る 教 師 や 大 人 達 は そ の 成 長 を 寛 容 と 愛 情 を も っ て 見 守 る こ と が 必 要 で あ る 。 特 に 大 学 生 期 は 、 一 生 の 仕 事 の 基 礎 ・ 基 盤 を 築 く も っ と も 貴 重 な 時 期 と い え 、 そ の 教 育 内 容 が 国 冢 、 強 い て は 人 類 の 将 来 を 決 定 づ け る と 言 っ て も 過 言 で は な い 。 そ し て 近 年 の よ う な 予 測 困 難 な 時 代 の 到 来 を 見 据 え た 場 合 、 大 学 教 育 に お い て は 、 専 攻 分 野 に つ い て の 専 門 性 を 有 す る だ け で は な く 、 広 く 思 考 力 、 判 断 力 、 俯 瞰 力 、 表 現 力 な ど の 基 盤 の 上 に 、 幅 広 い 教 養 を 身 に 付 け 、 高 い 公 共 性 と 倫 理 性 を 保 持 し つ つ 、 時 代 の 変 化 に 合 わ せ て 積 極 的 に 社 会 を 支 え 、 論 理 的 思 考 力 を 持 っ て 社 会 を 改 善 し て い く 資 質 を 有 す る 人 材 、 す な わ ち 「2 1 世 紀 型 市 民 」 の 育 成 が 望 ま れ て い る 3 )

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本 章 は 、 こ う し た 社 会 の 要 請 の 中 、 大 学 保 健 体 育 に ど の よ う な 領 域 が あ り 、 ま た 今 日 の 国 民 的 課 題 と も い う べ き 教 育 改 革 、 わ け て も 高 等 教 育 改 革 の 一 環 と し て の 大 学 に お け る 保 健 体 育 が ど の よ う な 歴 史 的 背 景 で 発 足 し 、 今 日 の 日 本 社 会 に お い て ど の よ う な 意 義 を 有 し て い る か を 検 討 し 、 そ の 一 領 域 で あ る 保 健 体 育 教 育 に 何 が で き る か を 検 討 し よ う と し た も の で あ る 。

Ⅰ . 大 学 に お け る 保 健 体 育 の 領 域

大 学 は 、 教 育 及 び 研 究 の 機 関 で あ る が 、 そ の 教 育 的 観 点 に 立 っ て 、 大 学 に お け る 保 健 体 育 を 検 討 す る と き 、 以 下 の 領 域 が あ る 。

大 学 に お け る 保 健 体 育 の 領 域

1 ) 授 業 科 目 と し て の 保 健 体 育 ( 保 健 体 育 科 目 ) 2 ) 課 外 活 動 と し て の 体 育 活 動

3 ) 健 康 管 理

4 ) 保 健 体 育 学 研 究

5 ) 地 域 に 行 け る 社 会 体 育 活 動

ま ず 、 第 一 は 以 前 「 保 健 体 育 講 義 」 と 「 体 育 実 技 」 と 呼 ば れ て い た 授 業 科 目 と し て の 保 健 体 育 科 目 で あ る 。 こ れ は 大 学 の 使 命 の ひ と つ で あ る 教 育 の 根 幹 と も い え る も の で あ る が 、 文 部 科 学 省 が 提 示 し た 「 生 き る 力 」 の 三 要 素 の ひ と つ で あ り 人 間 生 活 の 基 盤 で あ る 「 健 康 ・ 体 力 」 に 対 す る 認 識 を 深 め 、 こ れ を 積 極 的 か つ 能 動 的 に 高 め あ る い は 維 持 し て い く 方 法 を 修 得 し 、 実 践 す る 能 力 を 養 う も の で あ る 。 そ し て 第 二 は 課 外 に お け る 体 育 活 動 で あ る 。 こ れ は 従 来 体 育 会 や 同 好 会 ( サ ー ク ル ) な ど の 運 動 部 活 動 を 中 心 に し て 行 わ れ て き た も の で あ る が 、 青 年 期 の 活 動 欲 求 を 満 足 さ せ 、 健 全 で た く ま し い 心 身 を 養 う も の で も あ る 。 そ し て も う 一 つ の 領

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域 が 学 生 並 び に 教 職 員 の 健 康 管 理 に 関 わ る 保 健 活 動 で あ る 。 具 体 的 に は 新 入 生 の 身 体 検 査 や 健 康 診 断 に は じ ま り 、 予 防 接 種 、 各 種 検 診 、 メ ン タ ル ヘ ル ス サ ポ ー ト 等 の 疾 病 予 防 に 関 わ る 活 動 が そ れ に 当 た る 。 ま た 、 大 学 は 教 育 と 併 行 し て 研 究 が そ の 活 動 の 根 源 で あ る こ と は い う ま で も な い 。 特 に 保 健 体 育 に お い て は 授 業 、 課 外 を 問 わ ず 、 そ の 保 健 と 体 育 に 関 わ る 活 動 自 身 が そ の 主 な 研 究 対 象 で あ り 、 特 に

「 体 育 」 は そ も そ も そ れ 自 体 が 教 育 の 一 分 野 で あ る こ と か ら 、 そ の 指 導 法 や 管 理 法 が 保 健 体 育 学 研 究 と 極 め て 密 接 な 関 係 に あ る 。 事 実 、 現 在 の 大 学 保 健 体 育 は 我 が 国 内 外 の 体 力 並 び に 健 康 の 実 態 を 究 明 す る と 同 時 に そ の 維 持 増 進 の た め の 方 法 の 関 す る 科 学 的 成 果 を 数 多 く 提 供 し て い る 。 そ し て も う 一 つ の 大 学 保 健 体 育 の 領 域 と し て 重 要 な も の に 各 種 ス ポ ー ツ 公 開 講 座 等 の 大 学 開 放 に 代 表 さ れ る 地 域 に お け る 社 会 体 育 活 動 が あ る 。

大 学 に お け る 教 育 、 と り わ け 大 学 の 保 健 体 育 が そ の 使 命 ・ 役 割 を 果 た す た め に は こ う し た 領 域 が 有 機 的 か つ ダ イ ナ ミ ッ ク に 連 携 、 機 能 す る こ と が 求 め ら れ る 。

Ⅱ . 大 学 保 健 体 育 の 発 足 と 大 学 設 置 基 準 大 綱 化 ま で の 流 れ

わ が 国 に お け る 大 学 保 健 体 育 の 発 足 は 、 昭 和 2 1 年 の 大 学 に リ ベ ラ ル な 人 間 教 育 を 求 め た 米 国 教 育 使 節 団 の 勧 告 を ふ ま え 、 保 健 体 育 の 専 門 家 、 教 育 な ら び に ス ポ ー ツ 関 係 者 の 努 力 の も と に 始 ま っ た 。 そ し て 昭 和 2 2年 1 2月 1 5日 大 学 基 準 協 会 の 第 2回 臨 時 総 会 で 「 大 学 は 体 育 に 関 す る 講 義 及 び 実 技 各 2 単 位 以 上 を 課 す る こ と を 要 す る 」 こ と が 決 定 さ れ 、 昭 和 2 4 年 か ら 新 制 大 学 発 足 と 同 時 に 卒 業 要 件 の 一 つ と し て 4単 位 を 履 修 す る こ と が 義 務 づ け ら れ た 。 こ の 背 景 に は 占 領 軍 当 局 者 た ち が 当 時 の 日 本 の 大 学 生 に 肺 結 核 罹 病 者 が 極 め て 多 い こ と に 神 経 を 尖 ら せ 、 学 生 の 健 康 の 保 持 増 進 と 衛 生 思 想 の 普 及 を 望 ん だ こ と が あ り 、 当 時 の 大 学 の 前 期 課 程 教 育 に 保 健 体 育 科 目 は 比 較 的 抵 抗 な く 受 け 入 れ ら れ た 4 )。 そ し て そ の 後 も 継 続 し て 大 学 関 係 者 、 文 部 省 な ど 各 方 面 で そ の 指 導 内 容 や 方 法 、 施 設 そ の 他 の 諸 条

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件 を 整 備 す る 努 力 が な さ れ 、 昭 和 2 7 年 に は 協 議 会 が 設 置 さ れ 、 よ り 一 層 の 組 織 的 な 努 力 が 傾 注 さ れ た 。 ま た さ ら に 昭 和 3 1 年 に は 現 在 の 大 学 教 育 の 根 幹 と も い え る 大 学 設 置 基 準 が 策 定 さ れ た が 、 そ れ に よ っ て 正 式 に 保 健 体 育 教 育 が 大 学 教 育 の 中 の 授 業 科 目 と し て 定 着 す る こ と に な っ た 5 )

し か し そ の 後 、 昭 和 3 6年 の 日 本 学 術 会 議 が"保 健 体 育 は 単 位 制 度 か ら は ず し 、 学 生 の 保 健 指 導 、 健 康 管 理 の 面 か ら 別 途 そ の あ り 方 を 検 討 し 、 殊 に そ の た め の 人 的 物 的 条 件 を 充 実 さ せ る こ と"と い う 極 め て 明 確 な 大 学 制 度 へ の 改 善 勧 告 文 を 総 理 に 送 っ た の を は じ め と し て 、 そ の 改 革 論 議 が 起 き た 。

そ の 1 0 年 後 の 昭 和 4 5 年 か ら 4 6 年 に な る と 文 部 大 臣 の 諮 問 を 受 け て 中 央 教 育 審 議 会 が そ の 答 申 の 第 一 篇 第 2 高 等 教 育 改 革 の 基 本 構 想 に お い て 、 「 保 健 体 育 の 内 容 で は 社 会 人 に な っ て か ら 役 立 つ と こ ろ が あ ま り な い 。 小 、 中 、 高 、 大 学 と 教 育 内 容 に つ い て は 課 外 の 体 育 活 動 に 対 す る 指 導 と 全 学 生 に 対 す る 保 健 管 理 の 徹 底 に よ っ て そ の 充 実 を は か る 。 」 と さ れ 、 そ の 〔 説 明 〕 で は 「 高 等 教 育 の 段 階 で こ れ か ら 力 を 入 れ る 必 要 が あ る の は 課 外 の 体 育 活 動 に 対 す る 指 導 の 充 実 な ど 、 学 園 生 活 全 体 を 通 じ て 体 育 を 重 視 す る と と も に 保 健 管 理 を 徹 底 す る こ と で あ る 。 ・ ・ ・(そ し て)保 健 体 育 の 単 位 を 卒 業 の 要 件 と し て 画 一 的 か つ 形 式 的 に 課 す る だ け で は そ の 本 来 の 目 的 は 達 成 さ れ な い 。 今 後 は 各 高 等 教 育 機 関 が そ の 教 育 方 針 に 従 っ て そ の 単 位 を 弾 力 的 に 取 り 扱 え る よ う 改 め る と と も に 指 導 体 制 の 充 実 と 施 設 の 整 備 を は か る べ き で あ る 。 」 と 述 べ て い る 6 )

さ ら に ち ょ う ど 1 0年 を 過 ぎ た 昭 和 5 6年 、 日 本 私 立 大 学 連 盟 の 大 学 設 置 基 準 見 直 し の 基 準 委 員 会 が 報 告 書 を 発 表 し 、 「 大 学 に お け る 保 健 体 育 科 目 の 位 置 づ け 、 意 義 、 目 的 を 明 確 に す る と と も に 、 ク ラ プ 活 動 、 夜 間 学 部 の 学 生 の 多 様 化 、 体 力 差 、 体 育 施 設 な ど の 現 状 を 十 分 勘 案 し つ つ 選 択 科 目 と す る こ と な ど の 可 能 性 を 含 め て 現 行 規 定 の 再 検 討 が 必 要 で は な い か 、 と し ( 結 論 と し て は ) 当 面 現 行 通 り と す る 。 な お 、 卒 業 の 要 件 と の 関 連 で 体 育 実 技 に つ い て は 各 大 学 の 自 主 的 判 断 に 委

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ね る こ と が 望 ま し い と 考 え る 。 」 と 結 論 し て い る 。

ま た 一 方 、 昭 和 6 1 年 、 日 本 体 育 学 会 東 京 支 部 、 大 学 保 健 体 育 問 題 検 討 委 員 会 が 一 般 企 業 経 営 者 及 び 人 事 担 当 者 を 対 象 に 行 っ た 大 学 保 健 体 育 の あ り 方 に 関 す る 調 査 結 果 の 中 で 今 後 の 大 学 保 健 体 育 に 対 す る 企 業 側 か ら の 要 望 と し て 「 ( 研 究 ・ 教 育 に 関 し て ) 現 状 の 保 健 体 育 の 内 容 で は 社 会 人 に な っ て か ら 役 立 つ と こ ろ が あ ま り な い 。 小 、 中 、 高 、 大 学 と 教 育 内 容 に 一 貫 性 を 持 た せ 、 現 代 社 会 の 必 要 性 に 合 致 し た も の に 改 善 さ れ た い 。 ( と し 、 さ ら に ) 健 康 管 理 の 重 要 性 を 強 調 し 、 健 康 の 自 己 管 理 の た め の 知 識 、 技 術 の 修 得 と い う 視 点 か ら 教 育 す べ き で あ る 。“心 身 の 健 康 づ く り”を 包 括 し た 保 健 体 育 の 充 実 が 望 ま れ る 。 ( 課 外 の ス ポ ー ツ に 関 し て ) 学 生 の 課 外 ス ポ ー ツ は 人 間 形 成 上 有 用 で あ る 。 学 業 と ス ポ ー ツ の バ ラ ン ス の と れ た 人 物 の 育 成 を 望 む 。 ( 中 略 ) 今 後 の 国 際 人 に 第 一 に 求 め ら れ る フ ェ ア ネ ス を 、 ス ポ ー ツ を 通 し て 身 に つ け る 努 力 を し て 欲 し い 。 ( 健 康 管 理 に 関 し て ) こ れ か ら の 健 康 管 理 は 積 極 的 な 健 康 づ く り 、 メ ン タ ル ヘ ル ス を 含 め た ト ー タ ル ヘ ル ス で あ る こ と が 求 め ら れ て い る 。 大 学 保 健 体 育 は こ れ ら の 社 会 の 要 請 に 応 え る 内 容 の も の で あ る こ と が 望 ま し い 。 ( 施 設 に 関 し て ) キ ャ ン パ ス 内 に 一 部 の 学 生 に 占 有 さ れ ず 、 一 般 の 学 生 が 伸 び 伸 び と 運 動 で き る 環 境 を 確 保 し 、 充 実 さ せ る 必 要 が あ る 。 ア ス レ チ ッ ク ク ラ ブ の よ う な 有 料 で 運 営 す る こ と も 一 案 と 思 わ れ る 。

( そ の 他 ) 保 健 体 育 に 限 ら ず 、 大 学 生 活 に 明 確 な 目 的 意 識 を も た せ て 欲 し い 。 」 と し 、 科 目 と し て の 保 健 体 育 の 望 ま し い 設 置 条 件 と し て 7 0 %以 上 の も の が 必 修 の 継 続 も し く は さ ら に 3,4 年 次 に も 選 択 履 修 を 可 能 に す る こ と を 望 ん で い る と ま と め て い た 7 )

以 上 の よ う に 大 学 の 保 健 体 育 の あ り 方 に つ い て は 、 大 学 設 置 基 準 の 大 綱 化 ま で に 約 1 0 年 毎 に 様 々 な 議 論 が 重 ね ら れ て き た 。 そ し て 、 そ の 内 容 の 主 な 批 判 は 、 根 本 的 な 存 在 意 義 、 つ ま り 大 学 に お け る 保 健 体 育 の 発 足 以 来 求 め ら れ て き た 学 生 の 健 康 の 保 持 増 進 並 び に 衛 生 思 想 の 普 及 へ の 否 定 で は な く 、 当 時 の 教 育 内 容 が 学

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生 の 多 様 化 と 社 会 的 ニ ー ズ に 対 応 で き て い な い と い う も の で あ り 、 具 体 的 に は 複 雑 化 し た 現 代 社 会 に お け る 高 等 教 育 に 相 応 し い 「 人 間 と し て の 在 り 方 や 生 き 方 に 関 す る 洞 察 」 を 深 め る よ う な 教 育 内 容 に な っ て お ら ず 、 心 身 の 健 康 づ く り を 含 め た 豊 か な 人 間 性 の 涵 養 の た め の 知 性 と 教 養 を 育 む 自 己 管 理 の た め の 知 識 、 技 術 の 修 得 を 目 指 し た 教 育 内 容 に な っ て い な い と い う も の で あ っ た と 言 え る 。 そ し て 、 そ の 改 善 に は 、 時 代 を 超 え て 求 め ら れ る 生 涯 に お け る 心 身 の 健 康 づ く り に お け る 実 践 能 力 の 育 成 を 目 標 と し た 、 ① 学 生 自 身 の 健 康 意 識 の 向 上 と 主 体 性 の 醸 成 、 ② 理 論 と 実 践 の 乖 離 の 縮 小 、 ③ 学 園 内 外 で 実 施 さ れ る 様 々 な 保 健 体 育 に 関 わ る 領 域 に お け る 資 源 の 活 用 を 含 む 将 来 の 自 立 に 向 け た 具 体 的 な 実 践 能 力 の 養 成 を 実 現 す る た め の 教 育 プ ロ グ ラ ム の 開 発 、 な ど が 必 要 と さ れ た と 言 え る 。

Ⅲ . 各 領 域 の 意 義

こ こ ま で 大 学 保 健 体 育 の 発 足 か ら 大 学 設 置 基 準 大 綱 化 ま で の 流 れ を 振 り 返 る と と も に そ の 中 で 指 摘 さ れ た 大 学 保 健 体 育 の 問 題 点 と そ の 改 善 点 を 浮 き 彫 り に し た 。 そ こ で 、 本 項 で は そ の 現 代 的 意 義 を 考 え る に あ た り 、 現 在 存 在 す る 大 学 保 健 体 育 の 各 領 域 に は 、 そ も そ も ど の よ う な 存 在 意 義 が あ る の か を 考 え て み た い 。

1 . 保 健 体 育 科 目

1 ) 大 学 に お け る 保 健 体 育 講 義 の 意 義

前 述 し た よ う に 大 学 設 置 基 準 の 大 綱 化 以 前 に は 、 大 学 の 授 業 科 目 と し て の 保 健 体 育 に は 保 健 体 育 講 義 と 体 育 実 技 の 二 つ が あ っ た ( 表 1 ― 1 ) 。 そ し て 、 そ の 一 つ 目 で あ る 保 健 体 育 講 義 は 、 人 間 と し て の 基 本 的 教 養 と し て 全 大 学 生 に と っ て 健 康 の 保 持 ・ 増 進 の た め の 健 康 お よ び 体 力 管 理 に 関 す る 知 識 が 必 要 で あ る と い う 考 え 方 に 基 づ い て 設 け ら れ た も の で あ り 、 特 に 大 学 設 置 基 準 が 設 置 さ れ た 昭 和 3 1 年 に お い て は 、 そ の 時 代 背 景 つ ま り 大 学 が エ リ ー ト 教 育 の 場 と し て 考 え ら れ て い

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た 時 代 に 、 将 来 社 会 の 指 導 的 立 場 に 立 つ こ と が 予 想 さ れ る 学 生 が 大 学 に お い て 正 し い 健 康 観 並 び に 体 育 観 を も ち 、 人 類 の 健 康 と 福 祉 の 発 展 に 寄 与 し う る 資 質 と 能 力 を 高 め る こ と は 極 め て 重 要 で あ る と 考 え ら れ て い た こ と に よ る も の と 考 え ら れ る 。

表 1 ― 1 大 綱 化 前 の 大 学 設 置 基 準 と 大 学 保 健 体 育 大 綱 化 前 の 大 学 設 置 基 準 大 学 設 置 基 準 弾 力 化 の 流 れ ( 1 )教 員 の 資 格

芸 能 体 育 等 に つ い て は 、 特 殊 の 技 能 に 秀 で 、 教 育 の 経 歴 の あ る 者 に 限 定 し て い る 。

( 2 )卒 業 の 要 件

4 年 制 大 学 に お い て 、 保 健 体 育 科 目 に つ い て は 、 講 義 及 び 実 技 4 単 位 と す る 。

( 3 )校 地 、 校 舎 等 の 施 設

原 則 と し て 校 舎 の6倍 の 校 地 と 規 定 し て い る 。

( 1 )教 員 の 資 格

特 殊 な 能 力 を も つ 民 間 人 を 採 用 す る こ と が で き る 。

( 2 )放 送 大 学 の 卒 業 要 件

実 技 2 単 位 の う ち 、1 単 位 を 保 健 体 育 理 論 に 代 え る こ と が で き る し 、1 単 位 を 大 学 の 公 開 講 座 や 教 育 委 員 会 主 催 の ス ポ ー ツ へ の 参 加 に よ っ て 単 位 を 認 定 す る こ と が で き る よ う に 定 め て い る 。 ( 3 )校 地 の 規 定

1 8 才 人 口 の 増 加 に 伴 う 現 実 的 対 応 と し て い る 教 育 に 支 障 が な い 限 度 に お い て 2 分 の 1 の 範 囲 内 で 基 準 面 積 の 一 部 を 減 ず る こ と が で き る ク と し て い る 。 (そ の 他)

専 修 学 校 の 高 等 過 程 修 了 者 へ の 大 学 入 学 資 格 の 認 定 を 行 な う 。

し か し 、 現 在 の 大 学 は そ の 後 大 衆 化 が 一 気 に 進 み 、 後 述 す る よ う に 大 学 で は 市 民 教 育 と し て の 教 養 と 生 活 力 を 身 に つ け る こ と が 求 め ら れ る よ う に な っ て い る

8 , 9 )。 ま た 、 こ れ ま で の 多 く の 研 究 で 青 年 期 の 男 女 は 健 康 に 関 す る 関 心 が 低 く 、

そ の 生 活 習 慣 は 不 規 則 で ま た 健 康 的 で な い も の が 多 く 、 徳 田 に よ れ ば 、 大 学 生 期 は ラ イ フ サ イ ク ル 上 も っ と も 生 活 習 慣 が 悪 化 す る 時 期 で あ り 、 そ の 悪 化 は 大 学 入 学 後 半 年 の う ち に 起 こ る こ と が 示 唆 さ れ て い る と い う 点 で 、 こ れ ま で の 研 究 は お

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お む ね 一 致 し て い る と 述 べ ら れ て い る 1 0 )。 と は 言 え 、 大 学 は い つ の 時 代 に お い て も 次 世 代 の 担 い 手 を 育 成 す る 貴 重 な 場 で あ る こ と に は 変 わ り は な く 、 大 学 生 の 現 状 は 国 家 の 行 く 末 の 写 し 鏡 と 言 っ て も 過 言 で は な い 。 大 学 教 育 は 学 齢 期 の 最 終 段 階 で あ り 、 こ の 時 期 に 健 康 と 体 力 に 関 す る 自 己 管 理 に つ い て 学 ぶ こ と は 極 め て 重 要 で 、 そ の 実 践 力 が 個 人 ひ い て は 社 会 の 将 来 的 な 可 能 性 を 決 定 す る と 言 っ て よ い 。

前 述 し た 一 般 企 業 経 営 者 並 び に 人 事 関 係 者 を 対 象 と し た 調 査 結 果 で も 、 「 大 学 の 保 健 体 育 講 義 に お い て 現 代 社 会 の 必 要 性 に 合 致 し た 健 康 の 自 己 管 理 の た め の 知 識 を 教 育 す べ き で あ り 、 小 、 中 、 高 、 大 学 と 教 育 内 容 に 一 貫 性 を も た せ 、 心 身 の 健 康 づ く り を 包 括 し た 保 健 体 育 の 充 実 が 望 ま れ る 。 」 と 述 べ ら れ て お り 、 そ の 具 体 的 な 内 容 と し て は 積 極 的 な 健 康 づ く り 、 特 に メ ン タ ル ヘ ル ス を 含 め た ト ー タ ル ヘ ル ス に 関 す る 知 識 の 伝 達 が 求 め ら れ る 。 こ こ で さ ら に 大 綱 化 以 前 の 大 学 の 保 健 体 育 講 義 を 受 講 し た 学 生 の 意 識 に つ い て み て み る と 、 日 本 体 育 学 会 東 京 支 部 大 学 保 健 体 育 間 題 検 討 委 員 会 が 行 っ た 調 査 で は 過 去 に 受 講 し た 学 生 の う ち 4 7 . 1 %が 、

“意 義 が あ っ た"と 答 え て お り 、“意 義 な し”と 答 え た 学 生 は 全 体 の 2 3 . 9 %で あ っ た ( な お 、 残 り の 学 生 の ほ と ん ど は 、 “ 何 と も い え な い"と 答 え て い る( 2 5 . 6 % ))

1 1 )。 ま た 、 参 考 ま で に A 医 療 系 大 学 学 生 に 自 由 記 述 式 で 回 答 を 求 め た 保 健 体 育

講 義 の 意 義 に つ い て み る と 、 健 康 、 体 力 づ く り(健 康 科 学)の 一 般 的 知 識 の 提 供 、 正 し い ス ポ ー ツ ・ 体 育 、 健 康 に 対 す る 理 解 の 支 援 、 性 知 識 の 重 要 な 学 習 の 機 会 、 体 力 の 自 己 管 理 に 関 す る 運 動 実 践 に お け る 注 意 の 喚 起 な ど が 挙 げ ら れ て い た 1 2 )。 ま た 、 保 健 体 育 講 義 の 今 日 的 意 義 を 考 え る 時 、 前 述 し た 中 教 審 の 答 申 、 さ ら に は 各 調 査 結 果 に 見 ら れ る よ う な 「 生 涯 健 康 教 育 」 と し て の 視 点 を 無 視 す る こ と は で き な い 1 3 )。 こ れ は 体 育 実 技 の 項 で も ふ れ る が 、 大 学 の 保 健 体 育 教 育 で は い つ の 時 代 に お い て も 、 学 生 自 身 が 将 来 一 社 会 人 と し て 生 涯 に わ た っ て 健 康 的 で 活 動 的 な 生 活 を 可 能 と な る よ う な 自 己 管 理 能 力 の 育 成 が 中 心 的 課 題 で あ り 、 そ の 実 現 に

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向 け た 不 断 の 努 力 が 求 め ら れ て い る か ら で あ る 。

2 ) 大 学 に お け る 体 育 実 技 の 意 義

大 学 設 置 基 準 の 大 綱 化 以 前 の 必 修 授 業 科 目 の も う ひ と つ が 体 育 実 技 で あ る 。 こ れ は 人 間 の 身 体 的 成 長 の 最 終 段 階 に お け る 発 育 発 達 の 一 助 と し て 設 け ら れ た も の で あ る 。 そ し て 、 大 学 に お け る 体 育 実 技 授 業 は 将 来 の 社 会 を 支 え る 高 い ワ ー ク キ ャ パ シ テ ィ ( 生 産 能 力 ) の 基 盤 と な る 健 康 な 心 身 を 育 成 す る た め に 最 低 限 必 要 な 身 体 活 動 の 時 間 と 空 間 を 多 く の 学 生 に 与 え る と 同 時 に 、 そ の 中 で 自 主 的 で 積 極 的 に 自 身 の 健 康 と 体 力 を 維 持 ・ 増 進 す る た め に 必 要 な 実 践 的 能 力 を 養 う 場 で あ る と 言 え る 。

「 そ も そ も 人 間 の 身 体 運 動 は 単 な る 健 康 、 体 力 づ く り の 手 段 と い う だ け で な く 、 そ れ が 全 人 的 教 育 の 手 段 で も あ る 。 そ し て そ の 運 動 そ れ 自 体 は 常 に 道 徳 的 に 中 立 で あ る こ と か ら 、 こ れ が 単 な る 健 康 や 体 力 づ く り に 留 ま ら ず 人 間 教 育 の 手 段 と な り う る に は 、 そ の 運 動 が 行 わ れ る と 同 時 に 教 育 者 に よ っ て 運 動 が 社 会 的 に 価 値 あ る 教 育 目 標 、 つ ま り 本 当 に 全 人 的 な ヒ ュ ー マ ニ ズ ム よ る 教 育 に 意 識 的 に 利 用 さ れ た 時 、 そ の 運 動 が 教 育 的 な 意 味 を 持 つ の で あ る 。 」 と い う の は ド イ ツ 運 動 学 の 権 威 で あ っ た ク ル ト ・ マ イ ネ ル の 言 葉 で あ る 1 4 )。 こ の よ う に 、 身 体 運 動 の 実 践 は 、 人 間 に お け る 多 様 な 成 長 の 機 会 を も た ら す 貴 重 な 教 育 資 源 と 言 え 、 そ う し た 知 性 を 伴 う 人 類 の 所 産 と も 言 え る 身 体 運 動 文 化 の 実 践 及 び 学 修 の 機 会 が こ の 体 育 実 技 授 業 の 意 義 の 一 つ で も あ る 。

ま た 前 述 し た 日 本 体 育 学 会 東 京 支 部 大 学 保 健 体 育 問 題 検 討 委 員 会 の 調 査 で も 、 過 去 に 受 講 し た 学 生 の う ち 8 0 . 5 %が“意 義 が あ っ た”と 答 え て お り 、“意 義 が 無 か っ た”と 答 え た も の は わ ず か 7 . 7 %で あ っ た 5 )。 そ し て 、 そ の 調 査 の 中 で 特 に 興 味 深 い の は 、 通 常 運 動 不 足 感 を 感 じ る 程 度 が 高 い 学 生 ほ ど 体 育 実 技 の 意 義 を 認 め て い る 者 が 多 い こ と で あ る 。A 医 療 系 大 学 学 生 に 対 す る 自 由 記 述 式 で の 回 答 に お

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い て も 、 「 健 康 の た め の 適 度 な 運 動 を す る 機 会 を 提 供 す る こ と 」 、 「 自 分 に あ っ た 運 動 を 身 に つ け 、 実 践 す る こ と 」 な ど が 最 も 多 い 回 答 で あ っ た が 、 次 い で 「 競 争 と 協 同 の 実 践 の 機 会 で あ る 」 、 「 協 調 性 の 育 成 の 場 で あ る 」 ま た 「 疎 外 の 著 し い 現 代 に お け る 貴 重 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 場 で あ る 」 と い っ た 回 答 が 多 く 、 複 数 の 学 生 に よ る 身 体 運 動 実 践 の 場 は 他 者 と の 交 流 と と も に そ こ に お け る 社 会 性 の 醸 成 に も 影 響 し て い る こ と が 伺 え る 1 2 )

ま た 、 さ ら に こ こ で 体 育 実 技 授 業 の 今 日 的 意 義 を 考 え る 時 、 現 代 社 会 に お け る ス ポ ー ツ 、 レ ジ ャ ー の も つ 本 来 的 意 義 を 見 逃 す こ と は で き な い 。 中 教 審 の 「 生 涯 教 育 に つ い て 」 の 答 申 に も 見 ら れ る よ う に 高 齢 化 社 会 並 び に 高 度 情 報 化 社 会 の 進 展 の 中 で よ り 豊 か な 人 生 設 計 の ニ ー ド か ら 運 動 生 活(ス ポ ー ツ)の 実 践 が 、 人 間 の 生 涯 を 通 し て の か け が え の 無 い 貴 重 な 文 化 財 産 と し て 活 用 さ れ る よ う に な っ て い

1 3 )。 こ れ は も ち ろ ん そ の 根 底 に 自 己 啓 発 的 、 ま た 教 養 的 な 生 涯 教 育 の 理 念 が

あ る が 、 大 学 体 育 実 技 で も 生 涯 の パ ー ト ナ ー と し て の 運 動 生 活 の 実 践 方 法 を 身 に つ け る と と も に 、 ス ポ ー ツ そ の も の を 楽 し み 、 ス ポ ー ツ へ の 親 和 的 態 度 を 養 う こ と が 極 め て 重 要 な 目 標 と い え よ う 。 ま た 、 さ ら に 経 済 大 国 と し て 発 展 し た 日 本 の 社 会 状 況 が ま す ま す 国 際 化 し て い る 中 、 そ の 生 活 様 式 や 生 活 意 識 の 変 革 が 興 り 、 そ の 結 果 と し て 余 暇 時 間 が 増 大 し て い る 。 こ う し た 中 で そ の 余 暇 活 用 と し て の ス ポ ー ツ の 意 義 は 増 す 一 方 で あ り 、 単 に“や る ス ポ ー ツ”と し て の ス ポ ー ツ だ け で な く 、”見 る ス ポ ー ツ”さ ら に “ 支 え る ス ポ ー ツ ” と し て の ス ポ ー ツ の 意 義 も 増 大 し て い る 。 こ の よ う に 生 涯 ス ポ ー ツ と い う 観 点 か ら 、 小 、 中 、 高 は も ち ろ ん の こ と 大 学 に お け る 体 育 実 技 に お い て も 将 来 の 運 動 生 活 に 役 立 つ 技 能 を 身 に つ け る き っ か け 並 び に 機 会 を 提 供 す る こ と は 重 要 な 教 育 目 標 で あ る 。

以 上 の よ う に 大 学 の 体 育 実 技 は 各 種 の 身 体 運 動 の 経 験 を 通 し て 人 生 に お け る そ の 意 義 と 価 値 を 体 験 的 に 理 解 し 、 優 れ た 習 慣 を 身 に つ け る と 同 時 に 将 来 の 運 動 生 活 に 役 立 つ 運 動 技 能 並 び に 親 和 的 態 度 を 身 に つ け る 重 要 な 機 会 で あ り 、 心 身 と も

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に 健 全 で 、 将 来 の 人 類 の 福 祉 と 文 化 の 向 上 に 貢 献 し う る 精 神 的 資 質 を 高 め る な ど の 効 果 が 期 待 さ れ る 重 要 な 教 育 プ ロ グ ラ ム と 言 え る 。

2 . 課 外 活 動

1 ) 大 学 に お け る 課 外 体 育 の 領 域

一 般 に 課 外 活 動 と し て の 体 育 活 動 は 運 動 部 お よ び サ ー ク ル 活 動 が そ の 主 体 で あ る が 、 こ れ は 授 業 科 目 と し て の 保 健 体 育 領 域 と 対 比 し て 、 よ り 自 由 な 生 活 の い ろ い ろ な 場 で 学 生 が 主 体 的 か つ 積 極 的 な 身 体 運 動 を 通 し て 個 人 あ る い は 集 団 で 行 う 広 範 な 自 己 陶 冶 を 目 指 し た 活 動 で あ り 、 次 の よ う な 領 域 が あ る 。

( 1 ) 体 育 会 そ の 他 の 組 織 に 所 属 し 、 歴 史 的 な 伝 統 や 各 種 の 背 景 に 支 え ら れ 、 学 生

が 自 主 的 に 展 開 す る 運 動 部 活 動 。

( 2 ) ス ポ ー ツ 同 好 会 や 愛 好 会(通 称 サ ー ク ル)な ど の 名 で よ ば れ る ス ポ ー ツ 活 動 。

( 3 ) ク ラ ス 対 抗 な い し グ ル ー プ 対 抗 で 行 わ れ る ス ポ ー ツ 活 動(体 育 祭 等)。

( 4 ) 学 生 が 個 人 や 集 団 で 、 学 内 で 行 う 自 発 的 な ト レ ー ニ ン グ や ス ポ ー ツ 活 動 。

こ れ ら の 活 動 は 急 激 に 変 化 す る 社 会 や 大 学 の 中 で 、 そ の 目 的 意 識 、 活 動 内 容 、 組 織 運 営 な ど の 条 件 か ら け っ し て 一 様 で は な い が 、 学 生 が 各 自 の 体 力 や 個 別 的 な 目 的 に 応 じ た 体 育 、 ス ポ ー ツ 活 動 を 行 う こ と を 助 長 す る こ と は 大 学 保 健 体 育 の 重 要 な 使 命 の ひ と つ で あ る 。

2 ) 大 学 に お け る 課 外 体 育 の 意 義

大 学 は 一 般 に 専 門 的 な 学 術 の 研 究 と 教 育 の 場 で あ る が 、 成 長 期 に あ る 大 学 生 に と っ て は 幅 広 い 知 の 学 び と 併 せ た 多 様 な 経 験 を 通 し て 人 格 の 陶 冶 を 目 指 す 場 で も あ る 。 そ し て 、 前 述 し た よ う に 日 本 体 育 学 会 東 京 支 部 、 大 学 保 健 体 育 問 題 検 討 委

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員 会 が 一 般 企 業 経 営 者 及 び 人 事 担 当 者 を 対 象 に 行 っ た 大 学 保 健 体 育 の あ り 方 に 関 す る 調 査 結 果 に お い て も 、 学 生 の 課 外 ス ポ ー ツ は 人 間 形 成 上 有 用 で あ る こ と が 述 べ ら れ 、 ま た 学 業 と ス ポ ー ツ の バ ラ ン ス の と れ た 人 物 の 育 成 を 望 ま し い と も 述 べ ら れ て い る 7 )。 し か し 、 近 年 大 学 の 大 衆 化 に 伴 い 、 学 生 数 が 増 加 し 正 課 の 範 囲 内 で は 教 員 と 学 生 の 人 間 的 触 れ 合 い も 得 に く く な っ て い る の が 実 状 で あ る 。 ま た 、 価 値 観 の 多 様 化 に 伴 っ て 学 究 的 な 価 値 も 軽 視 さ れ が ち で 、 交 友 関 係 や 趣 味 、 ス ポ ー ツ に 楽 し み を 見 い だ す 学 生 も 多 く 、 三 無 主 義 に 代 表 さ れ る よ う な い わ ゆ る 無 気 力 、 無 関 心 、 無 責 任 な 学 生 が 増 加 し て い る の も 事 実 で あ る 。 大 学 で は 教 育 基 本 法 第 一 条 に も あ る ご と く 、 人 格 の 完 成 を 目 指 さ な く て は な ら な い が 、 そ の 具 体 的 な 内 容 に は 教 室 で の 授 業 や 読 書 そ の 他 か ら の 情 報 収 集 だ け で な く 、 多 種 多 様 な 経 験 と 体 験 が 絶 対 不 可 欠 な も の で あ り 、 学 生 生 活 空 間 の 重 要 な 要 素 と し て 活 用 で き る の が こ の 課 外 活 動 で あ る 。

運 動 、 文 化 を 問 わ ず 課 外 活 動 の 意 義 の 一 つ に“自 主 性 の 涵 養”が 挙 げ ら れ る 。 こ れ は 学 生 生 活 に 規 律 性 を 持 ち 、 自 ら 求 め 、 自 ら 考 え 、 自 ら 行 動 す る 人 間 を 育 成 す る こ と で あ る が 、 課 外 活 動 は 正 課 の 教 育 と は 異 な り 、 学 生 が 自 主 的 に 行 う 集 団 活 動 で あ る こ と か ら 、 そ の 活 動 に 主 体 性 並 び に 積 極 性 を も っ て 取 り 組 む こ と が で き 、 そ の こ と に よ っ て 興 る 成 果 を 長 期 的 に 展 望 す る こ と が 可 能 で あ る 。 そ し て そ の 意 義 の 第 二 は 国 際 、 地 域 社 会 を 視 野 に お い た 幅 広 い 知 性 と 教 養 に 根 ざ し た“社 会 性 の 陶 冶”で あ る 。 こ れ は 学 生 が 上 下 の 関 係 を こ え て 同 じ 興 味 と 関 心 を 持 つ も の が 集 ま り 、 共 通 の 趣 味 や 教 養 を 楽 し み な が ら 身 に つ け 、 さ ら に 協 力 す る 態 度 、 相 手 を 尊 重 す る 態 度 、 指 導 性 と い っ た 社 会 性 を 自 然 と 身 に つ け 、 強 い て は 地 域 へ の 奉 仕 や 貢 献 と い っ た ボ ラ ン テ ィ ア に も 目 を む け て 体 験 し て い く と い う も の で あ る 。 そ し て 第 三 は“学 生 相 互 の 啓 発“で あ り 、 こ れ は 集 団 生 活 の 中 で 切 磋 琢 磨 す る こ と に よ る 人 間 形 成 で あ る 。 特 に 課 外 に お け る 体 育 、 ス ポ ー ツ 活 動 に お い て は 前 述 の 中 教 審 の 答 申 に 見 ら れ る よ う に 正 課 体 育 で は 得 ら れ な い 水 準 の 高 い 教 育 内

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容 を 通 し て 、 学 生 が 自 ら の 心 身 を 錬 磨 し 、 情 操 を 陶 冶 し 、 さ ら に は 天 賦 の 資 質 を 開 発 す る と と も に 人 間 と し て の 基 本 的 責 任 に 根 ざ し た 集 団 意 識 の 育 成 が 可 能 で あ り 、 そ れ 自 身 が そ の 目 標 と な り う る と 言 え よ う 。 こ の よ う に 考 え る と 教 育 の 今 日 的 課 題 と も い え る 「 生 涯 教 育 」 の 視 点 か ら み て 、 こ の 課 外 体 育 活 動 は 社 会 的 な ニ ー ズ と も い え る 心 身 の 自 己 管 理 能 力 の 育 成 に も っ と も 貢 献 し う る 可 能 性 を も っ た 大 学 の 保 健 体 育 活 動 の ひ と つ と い え る か も し れ な い 。 そ し て そ の 実 現 の た め に は 課 外 体 育 組 織 の 拡 充 と 設 備 の 充 実 を 図 る こ と が 必 要 で あ る が 、 そ の 具 体 的 内 容 と し て は 組 織 の 運 営 の 指 導 助 言 の で き る 専 任 教 官 の 配 置 が 必 要 で あ る と 同 時 に 、 そ の 資 質 の 向 上 が 必 須 で あ ろ う し 、 さ ら に 各 学 生 組 織 の リ ー ダ ー の 養 成 を 含 め た 学 生 へ の 教 育 の 充 実 を 図 り 、 単 位 認 定 方 法 の 検 討 、 施 設 、 設 備 、 備 品 の 維 持 管 理 、 課 外 活 動 に 伴 う 事 務 量 の 増 加 を 考 え た 事 務 官 の 充 実 を 図 る こ と が 重 要 な 課 題 と い え よ う 。 ま た 、 実 際 の 運 営 に 当 た っ て は 教 員 、 学 生 、 事 務 職 員 の 密 な コ ミ ュ ケ ー シ ョ ン と 協 力 が 必 要 不 可 欠 な 条 件 と 言 え る 。

3 . 健 康 管 理

大 学 が ひ と つ の 社 会 的 機 関 と し て そ の 機 能 を 十 分 に 発 揮 す る た め に は 、 そ の 機 関 を 組 織 並 び に 構 成 す る す べ て の 構 成 員 が 、 健 康 で ま た 活 動 的 で あ る こ と が 望 ま れ る 。 そ の た め に は 、 各 大 学 が そ れ 自 体 の 責 任 に お い て 、 そ の 構 成 員 全 員 の 健 康 を 保 持 増 進 し 、 よ り 良 好 な 状 態 で 機 能 で き る よ う 適 切 な 保 健 並 び に 体 力 の 管 理 に 対 す る 方 策 を 講 じ る と と も に そ の 必 要 性 を 啓 蒙 し て ゆ く 必 要 が あ る 。

そ し て ま た 、 構 成 員 が 体 育 並 び に ス ポ ー ツ 活 動 に 従 事 し て い る 間 に 受 け た 傷 害 や 事 故 に 対 し て の 治 療 そ の 他 の 保 証 措 置 に つ い て も 、 大 学 全 体 と し て の 対 応 が 検 討 さ れ る べ き で あ り 、 こ う し た 大 学 に お け る 健 康 管 理 に 関 す る 活 動 に は 次 の よ う な 領 域 が あ る 。

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20 保 健 管 理

定 期 健 康 診 断 、 救 急 処 置 、 予 防 接 種 、 身 体 的 健 康 相 談 等 精 神 的 健 康 管 理

精 神 衛 生 面 接 、 カ ウ ン セ リ ン グ 、 メ ン タ ル ヘ ル ス相 談 等 体 力 管 理

体 力 測 定 、 ト レ ー ニ ン グ(運 動)指 導 、 体 力 相 談 等

以 上 の よ う な 内 容 の 実 施 に 当 た っ て は 、 当 然 な が ら 専 門 的 な 立 場 か ら 科 学 的 、 合 理 的 に な さ れ る こ と が 望 ま れ る が 、 そ の た め に は 積 極 的 に 構 成 員 の 健 康 と 体 力 を 増 進 す る た め に 必 要 な 人 的 構 成 、 施 設 、 設 備 の 拡 充 と 整 備 が 必 要 で あ る 。 ま た 、 近 年 増 加 の 傾 向 に あ る メ ン タ ル へ ル ス 不 調 に 対 処 す る た め に 必 要 な ス タ ッ フ と そ の 予 防 や 治 療 に 関 連 す る サ ー ビ ス を 準 備 す る こ と が 必 要 で あ ろ う 。 ま た 体 力 管 理 に つ い て も 、 そ の 充 実 の た め に は 人 的 並 び に 施 設 、 設 備 的 拡 充 は も ち ろ ん の こ と 、 体 育 実 技 や 課 外 活 動 と の 連 係 で 健 康 診 断→体 力 診 断 →運 動(ト レ ー ニ ン グ)処 方 の ル ー チ ン を 確 立 し 積 極 的 で 活 動 的 な 健 康 管 理 と 組 織 的 な 健 康 教 育 の 方 策 を と る こ と が 望 ま れ る 。 ま た さ ら に 大 学 全 体 の 構 成 員 が 常 に 健 康 で 良 好 な 状 態 で 生 活 す る た め に は 、 そ れ に 携 わ る 医 師 、 看 護 師 、 体 育 指 導 者 、 事 務 官 さ ら に 学 生 並 び に 教 職 員 等 の 密 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 絶 対 的 な 条 件 と 言 え る 。

4 . 保 健 体 育 学 研 究

大 学 の 使 命 の ひ と つ と し て 、 人 間 と そ れ を 包 含 す る 世 界 の 本 質 に つ い て の 解 明 に 寄 与 す る 諸 科 学 を 進 歩 さ せ 、 そ の 過 程 や 成 果 を ひ ろ く 人 類 の 福 祉 に 還 元 す る こ と が 挙 げ ら れ る 。 し が っ て 、 大 学 教 員 は 幅 広 い 研 究 活 動 に 従 事 す る と と も に 、 そ の 成 果 を 学 生 や そ の 他 の 教 職 員 そ し て さ ら に は 一 般 社 会 に 反 映 さ せ る こ と を 職 責 と し て い る 。

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保 健 体 育 学 の 研 究 は 、 人 間 の 身 体 活 動 や そ れ に 付 随 す る 個 人 や 社 会 に お け る 諸 現 象 を 対 象 に す る 学 間 で あ る 。 そ し て そ の 現 象 は す べ て の 人 間 の 生 存 の 本 質 に 関 連 し た も の で あ り 、 保 健 体 育 学 の 科 学 的 研 究 は 人 間 の 生 存 に 於 け る 基 本 的 な 問 題 を 解 決 す る 研 究 で あ る と 言 っ て も よ い 。 従 っ て そ の 研 究 領 域 や 方 法 が 単 一 の 学 問 領 域 に よ る 基 礎 的 な 研 究 で あ る 場 合 も あ ろ う が 、 保 健 体 育 学 研 究 が 人 間 の 生 存 に 関 す る も の で あ る 以 上 、 広 範 な 関 連 学 問 領 域 の 基 礎 を 踏 ま え て の 総 合 的 研 究 で あ る と い え る 。 よ っ て 、 こ れ ら の 分 野 の 研 究 成 果 は 、 大 学 内 は も ち ろ ん の こ と す べ て の 人 間 の 生 涯 を 通 し て の 健 康 と 身 体 活 動 の 実 践 に 役 立 つ べ く 還 元 さ れ る も の で あ り 、 そ れ を 実 践 し て ゆ く 使 命 を 大 学 保 健 体 育 が 担 っ て い る 。 事 実 、 近 年 の 健 康 ブ ー ム の 中 、 国 内 学 術 誌 で あ る 「 体 育 学 研 究 」 、 「 体 力 科 学 」 、 「 大 学 体 育 学 」 な ど を は じ め と し た 内 外 の 学 術 誌 に 大 学 保 健 体 育 関 係 者 が 人 間 の 健 康 と 体 力 に 関 す る 科 学 的 な 研 究 成 果 を 多 く 発 表 し て い る し 、 多 く の ス ポ ー ツ 医 科 学 の 成 果 の 源 も 大 学 保 健 体 育 等 の 研 究 に あ る 。

以 上 の こ と か ら 今 後 大 学 の 保 健 体 育 学 研 究 は 、 広 く 人 間 の 生 命 科 学 を 対 象 に し て そ の 発 展 が 期 待 さ れ 、 そ の た め に は 研 究 者 自 身 の 資 質 の 向 上 を 図 る と と も に 、 隣 接 す る 大 学 や 研 究 機 関 と の 交 流 を 深 め 、 共 同 研 究 や 研 究 情 報 の 交 換 と し て の 学 会 活 動 、 研 修 活 動 、 内 外 へ の 研 究 留 学 な ど を 奨 励 し 、 研 究 条 件 の 整 備 等 が 望 ま れ る 。

5 . 地 域 に お け る 社 会 体 育 活 動

1 ) 大 学 に お け る 社 会 体 育 活 動 の 領 域

大 学 に お け る 学 問 研 究 や 教 育 の 成 果 を 社 会 一 般 に 還 元 す る こ と が 重 要 な こ と は 先 に 述 べ た 。 そ し て 現 在 も 各 大 学 で 行 わ れ て い る 各 種 公 開 講 座 は 学 問 研 究 と 教 育 の 成 果 を 地 域 住 民 及 び 社 会 一 般 に 開 放 す る も の で あ り 、 大 学 の 開 放 事 業 の う ち で

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も 最 も 意 義 あ る も の の 一 つ と い え る 。 そ し て 、 こ こ に そ れ に 関 連 し た 領 域 を 挙 げ る と 、

( 1 )地 域 に お け る 社 会 体 育 活 動

( 2 )ス ポ ー ツ 公 開 講 座 の 実 施

( 3 )大 学 施 設 の 地 域 住 民 へ の 開 放

( 4 )そ の 他 の 社 会 体 育 活 動 へ の 援 助 で あ る 。

2 ) 大 学 に お け る 社 会 体 育 活 動 領 域 の 意 義

中 教 審 は 「 生 涯 教 育 に つ い て 」 の 答 申 に お い て 「 大 学 の 公 開 講 座 は 地 域 社 会 で の 生 涯 教 育 を 進 め る 上 で 効 果 的 な 企 て で あ り 、 逐 次 そ の 推 進 が 図 ら れ て い る 。 加 え て 、 一 部 の 国 立 大 学 で は 公 開 講 座 等 の 事 業 を 推 進 す る た め 、 『 大 学 教 育 開 放 セ ン タ ー 』 を 設 置 す る な ど の 試 み を 行 っ て い る 。 今 後 、 さ ら に 地 域 住 民 の 学 習 要 求 を 把 握 し つ つ 、 意 欲 的 に 公 開 講 座 の 拡 充 を 図 り 、 大 学 の 開 放 性 を た か め る こ と 」 と 述 べ て い る 1 3 )。 前 述 し た よ う に 一 般 人 の 余 暇 時 間 の 増 大 や よ り 豊 か な 人 生 設 計 の ニ ー ズ か ら 運 動 生 活(ス ポ ー ツ)の 実 践 が 単 な る 青 年 期 の 運 動 欲 求 の 充 足 や 心 身 の 健 全 な 発 育 の 一 助 と い う だ け で な く 、 人 間 の 生 涯 を 通 し て の か け が え の 無 い 貴 重 な 身 体 運 動 文 化 と し て 定 着 し つ つ あ る 現 在 、 生 涯 体 育 、 生 涯 ス ポ ー ツ と い う 観 点 か ら 、 大 学 保 健 体 育 は 地 域 社 会 へ の 貢 献 と し て ス ポ ー ツ 公 開 講 座 を 開 設 し 、 地 域 に よ り 良 い ス ポ ー ツ 、 体 育 活 動 を 興 す と と も に そ の 安 全 で 適 切 な 実 施 の た め の 施 設 の 開 放 、 運 動 実 践 の 指 導 、 情 報 の 提 供 等 の 援 助 を 行 う こ と が 必 要 と な っ て い る 。 そ し て こ う し た 体 育 、 ス ポ ー ツ 活 動 並 び に 講 演 を 通 し た 大 学 の 地 域 に 対 す る 貢 献 は 地 域 に お け る 互 助 体 制 確 立 の 援 助 と な る し 、 大 学 と 地 域 と の 交 流 を よ り 良 い も の に す る 。 ま た 今 後 は 、 地 域 連 携 プ ラ ッ ト ホ ー ム と も い う べ き 地 域 に お け る 知 の 基 盤 と し て の 大 学 の 在 り 方 が 求 め ら れ て い る こ と か ら 、 地 域 住 民 へ の サ ー

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ビ ス と し て そ の 健 康 教 育 や 体 力 管 理 の 観 点 か ら も 大 学 内 外 に お け る 健 康 ・ 体 力 づ く り に 貢 献 す る こ と が 求 め ら れ る で あ ろ う 1 )

Ⅳ . 大 学 設 置 基 準 大 綱 化 以 降 の 大 学 と 保 健 体 育

前 述 し た よ う に 、1 9 9 1 年 の 大 学 設 置 基 準 の 大 綱 化 ま で に 大 学 に お け る 保 健 体 育 に 向 け ら れ た 主 な 批 判 は 、 根 本 的 な 存 在 意 義 の 否 定 で は な く 、 当 時 の 教 育 内 容 が 学 生 の 多 様 化 と 社 会 的 ニ ー ズ に 対 応 で き て い な い と い う も の で あ り 、 具 体 的 に は 複 雑 化 し た 現 代 社 会 に お け る 高 等 教 育 に 相 応 し い 「 人 間 と し て の 在 り 方 や 生 き 方 に 関 す る 洞 察 」 を 深 め る よ う な 教 育 内 容 に な っ て お ら ず 、 心 身 の 健 康 づ く り を 含 め た 人 間 性 を 豊 か に 発 展 さ せ る た め の 知 性 と 教 養 を 育 む 自 己 管 理 の た め の 知 識 、 技 術 の 修 得 を 目 指 し た 教 育 内 容 に な っ て い な い と い う も の で あ っ た 。

1 9 9 1 年 、 大 学 設 置 基 準 が 大 綱 化 さ れ た 。 そ れ に よ り 大 学 の 保 健 体 育 科 目 は 文

字 通 り 必 修 科 目 で は な く な っ た こ と か ら 、 全 国 の 各 大 学 で 保 健 体 育 教 育 を ど の よ う に 実 施 す る か が 検 討 さ れ 、 各 大 学 独 自 の 判 断 で カ リ キ ュ ラ ム 化 さ れ る こ と に な っ た 。

こ の 変 化 に 伴 う 大 学 に お け る 保 健 体 育 教 育 の 実 態 に つ い て は 、 い く つ か の 報 告 が な さ れ て い る 。 そ れ ら を 見 る と 、 大 綱 化 直 後 に は 約 3 割 の 大 学 が 保 健 体 育 科 目 を 卒 業 要 件 上 の 必 修 か ら 除 外 し 1 5 )、 そ の 後 も そ う し た 傾 向 が 進 み 、 小 原 ら よ れ ば 、2 0 0 0 年 に お い て は 保 健 体 育 科 目 を 卒 業 要 件 上 の 必 修 の み で 構 成 し て い る 大 学 は 全 体 の 約 6 割 で あ っ た と 報 告 さ れ て い る 1 6 )

こ こ で は 、 大 学 に お け る 保 健 体 育 の 今 日 的 意 義 を 考 え る 上 で 極 め て 重 要 と 思 わ

れ る 2 0 0 0 年 以 降 に 出 さ れ た い く つ か の 大 学 教 育 に お け る 改 革 案 並 び に そ れ に 関

連 す る 事 項 を 時 系 列 的 に 取 り 上 げ る 。

1 . 答 申 「 新 し い 時 代 に お け る 教 養 教 育 の 在 り 方 」 (2 0 0 2年 2月 2 1日 )

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大 学 設 置 基 準 の 大 綱 化 と 時 を 同 じ く し て 、 我 が 国 で は“教 養”と は 何 か ? 、 ま た“そ れ を 育 む 教 育 と は ど の よ う な も の か ?” に つ い て 、 論 議 さ れ た 。 こ れ は 、 当 時 が 物 質 的 な 豊 か さ の 実 現 と い う 戦 後 一 貫 し て 国 民 の 多 く が 追 い 求 め て き た 目 標 は 達 成 さ れ た が 、 少 子 ・ 高 齢 化 , 都 市 化 の 進 展 や 就 業 構 造 の 変 化 等 の 中 で 、 多 く の 人 が 長 い 間 人 々 の 心 の よ り ど こ ろ で あ っ た 家 族 や 地 域 共 同 体 , 会 社 の 在 り 方 及 び こ れ ら と 個 人 と の 関 係 が 大 き く 変 わ り つ つ あ り 、 目 覚 ま し い 情 報 化 の 進 展 や マ ス メ デ ィ ア の 発 達 な ど に よ っ て 世 界 中 か ら あ ら ゆ る 情 報 を 瞬 時 に 入 手 で き る よ う に な る 一 方 で 、 直 接 体 験 が 失 わ れ 人 間 関 係 の 希 薄 化 も 進 み 、 物 質 的 な 繁 栄 ほ ど に は 一 人 一 人 の あ る い は 社 会 全 体 と し て の 精 神 的 な 豊 か さ は 実 現 さ れ て い な い と 感 じ て い た こ と に 起 因 す る も の と 考 え ら れ て い る 8 )

こ う し た 中 で 出 さ れ た 中 教 審 の 答 申 で は 、 日 本 人 の 持 つ べ き 基 本 的 な 能 力 と し て の 教 養 が 曖 昧 に な っ た 理 由 と し て 、 当 時 が バ ブ ル 崩 壊 後 の 経 済 的 な 停 滞 や 国 際 化 ・ 情 報 化 の 進 行 に よ る 急 速 な 社 会 ・ 経 済 環 境 の 変 化 の 中 で 、

1 ) 社 会 共 通 の 目 的 や 目 標 が 失 わ れ て い た こ と 。

2 ) 国 際 社 会 に 目 を 転 じ た と き 、 我 が 国 は 経 済 的 に は 大 き な 存 在 と な っ た が 、 国 際 社 会 に お け る 存 在 感 や 人 類 に 対 す る 貢 献 と い っ た 面 で は い ま だ 経 済 力 に 見 合 う よ う な 高 い 評 価 が 得 ら れ て い る と は 必 ず し も 言 え な い こ と 。 3 ) こ れ か ら 進 む べ き 方 向 は お ぼ ろ げ に 見 え 始 め て は い る も の の 、 こ れ か ら の

社 会 や そ の 中 で 生 き る 個 人 の 姿 が 明 確 に な っ て い る と は 言 い 難 く 、 漠 然 と し た 不 安 感 や 閉 塞 感 が 漂 っ て お り 、 個 人 も 、 社 会 も 、 自 ら へ の 自 信 や 将 来 へ の 展 望 と い っ た も の を 持 ち に く く な っ て い た こ と 。

な ど が 挙 げ ら れ て お り 、 こ う し た 歴 史 的 な 転 換 期 ・ 変 革 期 に お け る 混 迷 を 乗 り 越 え , そ れ ぞ れ の 多 様 な 生 き 方 を 個 人 と し て も 社 会 と し て も 認 め 合 い 、 自 ら の 個 性 の み な ら ず 他 人 の 個 性 も 尊 重 し 、 社 会 の 一 員 と し て 責 任 感 と 義 務 感 を 持 っ て 共 に 生 き る こ と が で き る よ う な 社 会 を 築 か な け れ ば な ら な い と し た 。 ま た 、 さ ら に こ

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