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(1)

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̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲   ,    ̲ §  ,

模 小

J

店 舗 法

よ る 流 通 規 制

し)

(2)

流通機構が各国においてどのような形態のものであるかは︑各国における歴史的な発達過程︑政府による規制政策︑

消費者の購買慣行等により様々である︒わが国の場合は︑高度経済成長期の前後において︑商品需要の飛躍的な拡大

に対応するために︑主として製造業者において新製品等の販路を新たに整備︑構築︑開拓してきたという経緯がある︒

列化

このために︑製造業者は多数の中小小売業者をできるだけ自己の管理下に置き︑自己の販売政策を貫徹するために系

リベート政策︑建値制等を採って来た︒

一方︑小売業者の側においては︑昭和三

0

年代後半に入って大型チェーンストアが発展し︑大きな流通革新が起き

ると思われたが︑

等も遅れていることから︑流通業者の製造業者に対する対抗力は︑欧米に比較すると大変弱いものとなっている︒

近年

その後の大型小売業規制政策によって︑

わが国の流通機構は︑貿易摩擦問題や円高メリットの還元問題に関連して内外から厳しい批判の対象とされ

ている︒わが国の流通系列化や取引の閉鎖性は︑外国からの商品の輸入障壁となったり︑海外企業のわが国市場への

参入障壁となっているとするものであり︑国内的には︑円高により輸入価格が低下しているにもかかわらず︑

本稿

は︑

益が消費者に還元されていないとするものである︒

流通機構の好ましい改革は︑産業企業の活力のある進展のためにも︑消費生活の豊かな水準を確保︑維持するため

にも必要であり︑それが政策的な規制によって抑えられることがあってはならない︒

わが国における流通の特徴︑実態を概観した後︑中小小売業者の事業活動の機会を確保することを目的と

は じ め に

その革新の速度は大きく緩められ︑中小流通業者の集約化

その差

14‑2‑198 (香法'94)

(3)

明・秘匿的で分かりにくい︒

""""""  ,,. 

わが国における流通の実態

する﹁大規模小売店舗における小売業の事業活動の調達に関する法律﹂︵大店法︶の問題点について若干の検討を加え

るものである︒もっとも︑独自の実態資料による分析検討に基づくものでなく︑かつ︑限られた資料によるものであ

って︑極めて不十分な検討に終わっていることをお許し願いたい︒

わが国における流通の実態の特徴として︑次のような諸点が指摘されている︒①大型商業の発達や中小流通等の集

約化等が遅れており︑このため伝統的な多くの中小零細業者が流通分野の圧倒的な部分を占めている︒②最終消費者

に至る流通過程をみると︑多数の中間業者が介在し︑流通経路が長く複雑である︒③メーカー等生産者に対する流通

側の対抗力が弱く︑むしろ一定の政策の下に流通チャンネルが生産者によって統合管理される流通の系列化がみられ

る︒④取引関係や取引慣行には種々のあいまいさや当事者の裁量の余地を残した形のものがあり︑そのルールが不透

欧米では︑ディスカウントストアやハイパーマーケットのような低価格訴求大型商業や中小流通業の共同仕入れ機

構等が著しく発達し︑これが生産者に対するバイイングパワーをもった対抗力となる一方︑その過程で中小流通業者

の淘汰が進み︑単純簡素な流通機構が形成されていったといわれている︒わが国も昭和三

0

年代後半以降に流通革命

を経験し量販店の成長をみた︒しかし︑その後の大型小売業規制政策によってその革新の速度が大きく緩められたこ

とか

ら︑

とも

︑﹁

多数

性﹂

は︑

わが国の流通の﹁多数性﹂﹁零細性﹂﹁多段階性﹂といった特性を構造的に変革するにいたっていない︒もっ

わが国における消費者購買行動が﹁多品種・少量・高頻度﹂であるというニーズに適合する部分

(4)

わが国の小売業の構造を主要な諸外国と比較するなどして︑部分的ではあるが若干みておきたい︒まず︑

(2 ) 

小売店についてアメリカ︑西ドイツのそれと比較すると次のとおりである︒

小売店数︵アメリカ一九八二年︑西ドイツ一九八五年︑日本一九八五年︶

四一万店︑日本約一六三万店であり︑人ロ一万人当たりでは︑

り︑日本の﹁多数性﹂が顕著である︒小売業の業種構造をみると︑

り︑これは全小売店の約一八・八%︑西ドイツは約︱一万店で︑全体の二七・三%︑日本は約六七万店で全体の四一・

二%であり︑小売店の中では食料品・酒類小売業の割合が日本は特に多くなっている︒日本の小売店の食料品・酒類

二 ︑

わが国における小売業の構造

う実態があるといわれている︒ 流通系列化は︑主として消費物資に関するブランド品について生産者による流通業者に対する経済的支援︑差別的リベート︑株式所有︑役員派遣等により行われており︑このような下における生産者と流通業者との取引は︑生産者主導の取引であって︑独立した主体間の取引ではない︒生産者は︑このシステムの下において自らの販売政策︑価格維持策を遂行する形となっている︒特にわが国においては︑メーカーによる﹁希望小売価格﹂設定の慣行があり︑卸・小売業者間の取引についてもそれを基準とする﹁建値﹂があり︑メーカーがこれらを基準としてリベート等の操作により価格維持を図る一方で︑流通業者としても︑ もあることは事実である︒

メーカーの価格設定に安易に依存し︑自らの利益を図っているとい

わが国の

は︑アメリカ約一五一万店︑西ドイツ約

アメリカ六五店︑西ドイツ六七店︑日本一三二店であ

アメリカは食料品・酒類小売業は約二八万店であ

14‑2 ‑200 (香法'94)

(5)

一九七二年四七・六%であったものが一九八五年四一・ニ%と減少しているが︑他国と比較

するとかなり多いのが特徴である︒食料品・酒類小売業における内訳は︑各種食料品小売業約九万店︑生鮮食料品小

売業約一三万店︑菓子・パン小売業約一五万店︑酒類小売業約︱一万店等であり︑このことは︑わが国においては野

菜や生鮮魚介の消費が多く︑また毎日の当用買いが一般化していることを物語っている︒

また︑店舗規模と労働生産性をアメリカと比較してみると︵一九七

0

年代後半における数値で比較︶︑日本に対して

アメリカは小売業全体で店舗規模が三・三八倍︑労働生産性が一・九一倍︑食料品・酒類小売業で︑店舗規模が六.

八三倍︑労働生産性がニ・六五倍となっており︑日本の﹁零細性﹂﹁低生産性﹂は顕著である︒小売店数やその業種構

造は︑その国における歴史的な事情とともに︑消費者の購買行動に左右される性格のものであるから︑このような状

況について直ちに問題があるということはできないかも知れない。しかし、今後の社会•生活環境や消費者意識・行

動の変化に対応して小売業の構造も変化すべきであり︑特に食料品を中心とした大型化や集約化を通じて︑効率化が

図られ︑結果として︑小売価格の低下につながっていく余地が十分にありうると思われる︒

なお︑わが国における小売業の業態別売上高シェア(‑九九二年推定値︶をみると︑スーパーマーケットニ六・ニ

%︑百貨店一

0

. 七

% ︑

れを二

0

年前の一九七二年と比較すると︑ 小売業の占める割合は︑

スーパーマーケット一0•五%、百貨店九・九%、 コンビニエンスストア七・七%、農協•生協三・八%、

0%、農協•生協三・一%、

コンビニエンスストアは急増︑百貨店と農協・生協は微増︑

スーパーマーケットと その他小売業五一・六%であり︑こ

その他小売業七六・五%であるから︑各シェアの推移をみると︑

その他小売業は急減している︒ コンビニエンスストア

(6)

小売業においては︑大規模店と小規模店との競争上の軋礫があり︑これを調整するために︑大規模店の出店を抑制・

調整する政策がとられる場合がある︒わが国においては︑こうした政策が戦前からとられていた︒

第一次百貨店法は︑戦前の昭和︱二年に制定されていたが︑戦時統制経済という特殊な状況の中にあって︑

果をほとんど発揮することなく︑戦後の占領軍による経済民主化政策によって︑昭和二二年独占禁止法が制定された

のを機に廃止された︒

その後︑百貨店の店舗の新設・増設等によって百貨店と中小小売商との競争が激化してきたため︑昭和三一年にい

たり︑第二次百貨店法が制定されることとなった︒同法の規制対象は︑物品販売等を営むための店舗の同一の売り場

面積合計が東京都および政令指定都市では三︑

000

面以上︑その他の地域では一︑五

00

面以

上の

もの

︵企

業主

義︶

であり︑①百貨店の開業︑新設︑増設には通産大臣の許可を必要とする︑②営業時間・休日は政府の規制による︑③

百貨店の営業活動が中小商業に大きな影響を及ぼす場合には︑通産大臣はそのような営業活動をしないよう勧告する

ことができる︑④百貨店審査会を設け︑百貨店の新設・増設など営業活動の調査について重要事項を審議する等が主

要な内容であった︒

︵ 百 貨 店 法 に よ る 規 制

︱ ‑

わが国における大規模小売店舗の規制

 

その効

14‑2 ‑202 (香法'94)

(7)

昭和三

0

年代後半に入って大型スーパーマーケットが発展し︑広範な広告宣伝活動の下で大量販売︑

ス方式の導入により︑低価格販売が推進された︒

七 セルフサービ

そして大型スーパーは百貨店法の規制を免れるため︑店舗ビルの各

階ごとに別会社方式とすることによって店舗面積を基準に満たないこととする︑いわゆる疑似百貨店として急速に発

展した︒しかし︑このような事態は︑け中小小売業に与える影響は百貨店とは比較にならないほど大きい︑り百貨店

法の規制を受ける百貨店との衡平上の問題があることから︑昭和四七年︱一月の産業構造審議会流通部会答申﹁流通

革新下の小売商業ーー│百貨店法改正の方向﹂に基づき︑大店法が制定されるにいたった︒

大店法の目的は︑﹁消費者の利益に配慮しつつ︑大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することにより︑

その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し︑小売業の正常な発達を図り︑もって国民経済の健全な進展

に資すること﹂︵第一条︶である︒すなわち︑中小小売業の事業機会の適正な確保を目的とするものであり︑但し︑そ

の目的を達成するにあたって消費者の利益に配慮するというものである︒この法律の目的は右のとおりであるが︑

の運用の実態は後でみるとおり︑もっぱら中小小売業者の保護を図ることが中心であり︑消費者の利益に対して果た

して配慮が行われていたのかという点については︑大いに疑問があるところである︒

大店法による規制は︑その運用は別として︑次のように定められている︒すなわち︑

m

大規模小売店舗を﹁一建物の店舗面積の合計が三︑

000

面以上︵東京都の特別区および政令指定都市では六︑

000

面以上︶のもの﹂︵第一種大規模小売店舗︶と﹁一建物の店舗面積の合計が五

00

面超

三︑

000

面未満︵東京

都および政令指定都市では六︑

000

面未満︶のもの﹂︵第二種大規模小売店舗︶に二分し︑第一種大規模小売店舗を

② 大 店 法 に よ る 規 制

(8)

る 新設・拡張等する場合には通産大臣へ︑第二種大規模小売店舗の場合には都道府県知事へ︑

︵ 七

条 ︶

それぞれ届出させる

︵ 四

条 ︶

条 ︶ ︒

り通産大臣又は都道府県知事は︑その届出店舗における小売業の事業活動について調整が行われることがある旨の

公示を行う︒右のような調整が行われるため︑公示の日から七月間は届出店舗における営業は禁止される

切当該店舗において小売業を営もうとする者は︑営業開始日の五月前までに開店日︑店舗面積等について届出なけ

ればならない︵五条︶︒調整は開店日および店舗面積について行われ︑大規模小売店舗における小売業の事業活動が﹁周

辺の中小小売業の事業活動に相当程度の影響を及ぼすおそれがある﹂と認められるときは︑通産大臣又は都道府県知

事は︑大規模小売店舗審議会又は都道府県大規模小売店舗審議会の意見を聴いて︑届出から四月以内に限り﹁届出に

係わる開店日を繰り下げ︑又は店舗面積を削減すべきことを勧告することができ﹂︵七条︶︑勧告を受けた者がこれに

従わないときは命令することができる︵八条︶︒なお︑右審議会が意見を定めるときは︑審議会は当該地域の商工会議

所・商工会︑消費者︑小売業者の意見を聴かなければならない

3

当該店舗において小売業を営もうとする者は︑開店日までに閉店時刻および休業日数を届出なければならず︑こ

れについて︑通産大臣又は都道府県知事は︑前記の新設等の際の基準によって︑同じく大規模小売店舗審議会又は都

道府県大規模小売店舗審議会の意見を聴いて︑閉店時刻の繰り下げ︑休業日数の増加を勧告又は命令することができ

︵ 九

条 ︶

以上のとおり︑大店法によれば︑大規模小売店舗において小売業を営もうとする場合には︑事前に届けられた開店

日︑店舗面積︑閉店時刻および休業日数の四項目︵調整四項目︶についての調整が︑大規模小売店舗審議会又は都道

府県大規模小売店舗審議会の意見を聴いて行われることとなっている︒

^ 

14‑2‑204 (香法'94)

(9)

このようなことから︑昭和五七年以降の出店調整の状況は︑ こ

の限

りで

ない

︶︒

m

建物設置者の届出があった後︑直ちに商業活動調整協議会︵事前商調協︶が開催され︑これが調整四項目につい

ての実質的な判断機関ないし調整機関として機能していた︒なお︑通産省は︑大規模店の出店には地元小売業者の対

応期間を確保するため︑三条届出を開店一三月前までに行うよう指導した︵昭和五四年七月︶︒次いで︑開店日︑店舗

面積の五条届出が行われた後に︑正式商調協が開催される︒したがって︑大規模小売店舗審議会又は都道府県大規模

小売店舗審議会における審議は形骸化した︒

り通産省は︑昭和五七年一月︑大規模店の出店が大幅に伸びて既存小売業者との間に出店をめぐる摩擦が激化した

ことから︑次のような内容の通達を発した︒①第一種大規模小売店舗新設の届出を行おうとする者又は核テナントと

して入居予定の小売業者に対し︑出店予定地の市町村等に対し出店計画の内容について届出前に説明を行うよう指導

すること︒②﹁第一種大規模小売店舗の出店が相当水準に達していると認められる市町村﹂および﹁小規模な市町村﹂

における第一種大規模小売店舗新設の届出について自粛を指導すること︵但し︑出店予定地の市町村︑商工会議所・

商工会の長の意見を聞き︑当該店舗の特性︑出店予定地の商業事情等からみて特別の事情があると認められる場合は

①で示す地元への事前説明が地元調整の場となり︑これが三条届出前に地元商店会等と出店者の二者によって行われ︑

学識経験者や消費者代表の意見が反映される場がなくなってしまった︒したがって︑地元行政当局︑商工会議所等が しかし︑大店法の実際の運用は︑

(3) 

大店法の運用

(7 ) 

つぎのようなものであったとされる︒前記りの通達の おおむね次のとおりであった︒

(10)

店法に則ったものとなっている︒

④地方自治体の条例・要綱による規制 月となっている︒ チ

イ ︑

大規模店の出店を望んでいても︑地元商店会等の反対により事前説明が長期化する場合が起こった︒そして︑事前説

明終了を明確にするための資料として出店者と地元商店会等との間で調整四項目に関する事項を明記した協定書が作

成される場合が多いが︑協定締結に際して地元商店会等の商業振興協力金等の名目の寄付金が条件になる場合がみら

れた︒また︑前記りの通達の②の指導などにより︑大規模店の出店が大幅に抑制された︒

(8 ) 

出店調整の状況を実態調査結果によりみると次のとおりである︒ダイエー︑イトーヨーカ堂︑西友︑ジャスコ︑

ユニーの大手六社の昭和四九年度\昭和六三年度の間に開店した有効サンプルニ三九店についてみると︑店舗

面積の平均申請面積は︱‑︑五二二面で︑平均店舗面積削減率︵三条申請店舗面積から商調協による結審店舗面積を

差し引き︑その差を申請店舗面積で除した数値︶は︑三三・六%であり︑出店表明︵通産局︑都道府県︑市町村︑商

工会議所又は商工会の四者協議機関へ出店計画の概要書を提出した時期︶から開店までに要した期間は︑平均四年三

地方自治体によっては︑大店法の対象とならない店舗面積五

00

面以下のものについて︑条例・要綱により規制し

ており︑平成元年時点でこのような規制を実施している自治体は二三都道府県︑九九一市町であり︑これは全市町の

約三

0

%に達する︒都道府県を市町村に換算すれば全国約三︑三

00

市町村の過半数の地域で大店法の対象とならな

い五

00

面以下の中規模店の規制が行われていることになる︒条例・要綱に基づく出店調整手続きは︑多くの場合大

1 0

 

14‑2 ‑206 (香法'94)

(11)

政府規制の問題点と大店法の改正

わが国は自由経済体制を基本としながら︑例外的に政府が民間の経済活動に介入する形をとっている︒政府規制に

は︑需給調整等の観点から行われる参入規制や価格規制等のいわゆる経済的規制と︑国民の健康安全の確保や環境の

保全等の観点から行われるいわゆる社会的規制に分けられることが多い︒

政府規制における問題点については︑既に各方面から多くの指摘がなされているので︑ここで改めて述べるまでも

ないが︑特に重要なことは︑政府規制による市場への人為的な介入は︑

ズムを通じた資源の適正な配分を損なうとともに︑効率的経営のための事業者の努力を減退させることになるという

点であり︑このほか︑競争制限的体質の助長︑既得権益の擁護︑透明性の欠如︑消費者利益の侵害等の点を指摘する

ことができる︒したがって︑民間の経済活動は自由を原則とすべきであり︑規制は自由な経済活動に任せておいては

達成できない政策的必要性がある場合に限り︑例外的に行われるべきである︒国民の安全︑健康の確保等の社会的観

点などから例外的に規制が必要な場合においても︑可能な限り競争が行われ︑市場メカニズムが働く余地を残すよう

( 1 0 )  

にすることによって︑経済活力および消費者の利益を確保することにつとめるべきである︒このような考え方の下に︑

公正取引委員会は︑昭和五六年ごろから政府規制について実態調査を行い︑昭和五七年八月には政府規制一六業種に

ついて同委員会の見解を公表した︒また︑同委員会が設置した﹁政府規制等と競争政策に関する研究会﹂の見解とし

て︑平成元年二月﹁競争政策の観点からの政府規制の見直し﹂︑平成三年七月﹁独占禁止法適用除外制度の見直し﹂︑

平成五年︱二月﹁競争政策の観点からの政府規制の問題点と見直しの方向﹂を公表した︒政府に設置された﹁臨時行

四 ︑

一般的には︑産業構造をゆがめ︑市場メカ

(12)

お り

政改革推進審議会﹂も﹁国際化対応・国民生活重視の行政改革に関する答申﹂︵第一次平成三年七月︑第二次同年︱二

月︑第三次平成四年六月︶において︑﹁公的規制の見直し﹂を提言した︒さらに平成五年九月︑経済対策閣僚会議は︑

﹁緊急経済対策﹂として︑主として不況対策の観点から︑内需拡大のための規制緩和等の推進︑並びに円高差益の還

元の為の措置を決議した︒また︑政府に設置された﹁経済改革研究会﹂は︑平成五年︱二月︑﹁経済改革について﹂の

中で︑経済的規制は﹁原則自由・例外規制﹂とすべきことを提言した︒細川内閣およびそれに続く羽田内閣は︑わが

国経済の活性化︑国際化時代への対応︑生活者・消費者重視の観点から政府規制の抜本見直しを重要政策課題として

その推進が期待されている︒

広範な分野にわたる規制緩和の提言の中で︑大店法による規制の緩和も具体的に提言されている︒その内容は︑例

えば︑①出店届出前の事前説明は︑その本来の趣旨に則った運用を徹底する︑②いわゆる事前商調協の審議に標準処

理期間を設け︑当該期間を経過した場合には︑特段の事情のある時を除き︑次のステップに移行することを指導する

等︑事前商調協の運用方法︑出店調整に関するガイドラインの一層の明確化を図る︑③閉店時刻︑休業日数の届出基

準を消費者の利便向上等を図る観点から︑ライフスタイル等の変化に適応したものとするとともに︑地域の実情に合

わせて更に弾力的に運用できるよう指導の目安を見直す︑④地方公共団体による規制について︑行き過ぎたものの是

正を図るよう関係地方公共団体を指導する等である︒

政府規制の緩和を求める要請は︑国内のみならず︑海外からも強く行われるようになってきている︒特に日米間の

貿易不均衡は︑両国の経済構造上の問題が一因となっているとの認識から︑日本は内需主導型経済成長を促進すると

その一還として政府規制の大幅な緩和が求められた︒平成二年六月にともに︑市場を開放することが強く求められ︑

日米構造協議最終報告書でまとめられた日本側の改善点は︑六課題二四

0

数項目にのぽり︑この中には大店法の改正

14‑2 ‑208 (香法'94)

(13)

出店抑制地域を廃止する等 休業日数の届出不要基準の﹁月四日以上﹂を﹁年間四四日以上﹂に変更 第一段階における措置は︑日米構造協議最終報告書発表に先立ち︑平成二年五月に次のとおりのものが実施された︒

︵大規模小売店の出店調整処理期間を一年半以内に短縮する 圃閉店時刻の届出不要基準の﹁午後六時以前﹂を﹁午後七時以前﹂に変更

k h 沿 山 k " u   u

店舗

面積

OOa

までの輸入品売場の増設は自由化する

店舗改装に伴う面積の微増︵現行店舗面積の一

0

%又は五

0

面のいずれか小さい面積の範囲︶

トの入れ替えについての調整手続を不要化

第二段階における措置として︑産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会合同会議中間答申︵平

成二年︱二月︶をうけて︑平成三年五月︵平成四年一月施行︶次のとおり︑大店法改正等の措置が講じられた︒ ら

かに

され

た︒

﹁大店法については︑流通業が今後ダイナミックな変革を求められている現在︑新たな消費者ニーズにこたえ︑流通

業の活性化を進めるとともに︑新店舗の開店のための円滑な手続を確保する観点から︑規制緩和を推進する︒また︑

国による規制緩和と併せて地方公共団体による規制緩和も図る﹂︒

そして規制緩和の具体的措置として︑①運用適正化措置など規制緩和に向け直ちに実施する措置︑②次期通常国会

における提出を目指した法律改正︑③右②による改正の二年後における見直し︑という三段階の措置をとることが明 れ

てい

る︒

を含む流通制度の改善が含まれている︒同報告書において︑大店法に関して規制緩和する趣旨は︑次のように述べら

および中小テナン

(14)

(iv)  (iii)  (ii)  (i) 

︵ 一 ︑

00

0

面以下の出店は原 手続の明確性・透明性の向上︵商業活動調整協議会を廃止し︑大規模小売店舗審議会において調整︶出店調整処理期間を一年以内に短縮する地方自治体による独自規制の適正化第一種と第二種大規模小売店舗の区分面積の引上げ︵一︑

令指定都市については三︑

000

面か

ら六

000

面 ︶

第三段階における措置は︑大規模小売店舗の営業規制に関し︑施行の日から二年以内に同法の規定および実施状況

について検討を加え︑ 五

00

面か

ら三

000

面︑東京都の特別区および政

その検討結果に基づき必要な措置を講ずるというものである︒これは︑大店法が新たな事業機

会の創出︑多様な商品・サービスの供給という観点からみて着実に運用されているかを検証し︑

置を講ずる必要があるからである︒産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会合同会議は検討を重

ね︑平成六年一月︑次のような内容の中間答申を行い︑通産省は︑これをうけて︑右中間答申の内容を実施すべく︑

そのために必要な省令および通達の改正を平成六年四月に行い︑同年五月から実施に移した︒なお︑左の︵を実施す

るに当たって︑店舗面積一︑

000

面未満のものについては︑出店予定地の自治体や商工会議所等が出店調整を行う

につき﹁合理的理由﹂があるとの意見を提出しない限り︑原則として都道府県大規模小売店舗審議会の意見を聴く必

閉店時刻の届出不要基準の﹁午後七時以前﹂を﹁午後八時以前﹂に変更

休業日数の届出不要基準の﹁四四日以上﹂を﹁二四日以上﹂に変更 要がないものとして扱うことによって対処した︒︵出店調整に必要な店舗面積の下限を五

00

面超

から

一︑

000

面超に引き上げる

則自由︶︒これにより︑現在の届出案件の約三割が対象でなくなる︒

" v

そのために必要な措

一 四

14‑2 ‑210 (香法'94)

(15)

④ イ ギ リ ス

E

ア メ リ カ

一 五

大店法規制の問題点を検討する前に︑海外主要国における大規模小売店の出店規制の状況について概観しておき

( 1 2 )  

たし

連邦レベルでは大規模小売店の出店調整に関する法律はないが︑州によって都市計画の観点から規制を行っている

場合がある︒この場合︑各州によって規制の内容はまちまちであるが︑基本的にはゾーニング規制と開発行為の規制

が行われている︒この規制は︑州政府からの地方自治体に対するゾーニングに関する権限委任に基づき行われるもの

であり︑地方自治体は︑管轄地域についての土地利用の用途区分︑開発基準を定めたゾーニング条例を制定している︒

大規模小売店の出店もこのゾーニング条例に基づく開発許可の対象となっている︒

田園・都市計画法に基づいて地方政府が策定する開発計画により︑工業︑商業︑農業︑住宅等の各種開発行為が規

制されており︑大規模小売店の出店もこの規制の対象となっている︒地方政府は︑開発行為を許可するか否かは︑そ

れぞれの新都市の開発や既存都市の再開発に関する開発計画に照らし総合的に判断する︒大規模小売店の場合︑店舗

五︑海外における大規模小売店の出店規制

的 出 張 販 売 の 届 出 制 の 廃 止 等

(16)

この

よう

に︑

イギリスの大規模小売店の出店調整は︑土地利用計画の観点から地方政府が行っており︑不許可にな

ったケースとしては︑緑地帯や住宅地︑交通網の未整備などを理由とするものに限られている︒

大規模小売店に対する規制は︑連邦建設法および建設利用令により行われている︒市町村は連邦建設法に基づいて

建設指導計画を策定することとされているが︑同計画は︑土地利用計画

( F

プラン︶および建設詳細計画

( B

プラ

ン︶

からなっている︒

0

の用途区分を定めることができるとされており︑建設利用令において各区分に建設可能な施設が定められ︑建設に

当たっては市町村の計画委員会の許可が必要である︒

小売店舗は︑純粋住宅地区︑一般住宅地区および農村地区を除いて原則としてどの用途区分においても建設可能で

あるが︑純粋住宅地区は生鮮食品等日常品を販売する六

00

面以下の小売店舗の建設︑

入頻度のものを販売する六

00

面以下の小売店舗の建設︑農村地区は純粋住宅地区および一般住宅地区に建設可能な

小売店の建設がそれぞれ認められている︒また︑建設外郭面積が一︑二

00

面以上の小売店は︑中核地区および特別

ウ ド イ ツ

ヽ ゜し

一般住宅地区は週に数回の購 面積︑企業規模等にかかわらず許可が必要であり︑地方政府は許可に当たって︑立地場所︑店舗面積︑建築着工時期等について条件を付することができる︒大規模小売店の出店に対する考え方としては︑出店は消費者の選択の幅の拡大と規模の経済をもたらすという考え方が基本的にとられており︑厳密な床面積の上限は定めるべきでないとされている︒大規模小売店の開設は︑グリーンベルトおよび田園地域︵オープン・カントリー・エリア︶は受け入れられな

Fプランはマスタープラン的なものであり︑これに基づきBプランが策定される︒B

プランには一

一 六

14‑2 ‑212 (香法'94)

(17)

ロワイエ法に基づく規制が行われているが︑同法は︑商業および手工業に関する経済政策︑社会保障政策︑経済的

規定︑職業教育・訓練について定められた中小企業近代化のための総合立法である︒大規模小売店に対する規制は経

済的規定に規定されており︑人口の程度によって出店調整が必要な店舗が定められている︒すなわち︑人口四万人以

上の都市については︑建設床面積三︑

000

面又は売場面積一︑五

00

面超の店舗が規制の対象となり︑人口四万人

未満の都市については︑建設床面積二︑

000

面又は売場面積一︑

000

面超の店舗が規制の対象となっている︒

手続的には︑県の商業都市計画委員会の許可と不服申立て制となっている︒商業都市計画委員会は︑県知事︑自治

体代表者︑商業および手工業の代表者︑消費者の代表者から構成され︑許可申請後三月以上に許可・不許可が理由を

付して決定されることとされている︒審査に当たっては︑商業・手工業の状況︑都市・農村等の中期的活動方針︑種々

商業形態間の望ましい均衡等を考慮することとされており︑法律上は都市計画の観点からの評価も行うことになって

(エ)

地区にのみ建設が可能である︒中核地区とは︑都市の中心商店街区および副中心商店街区であり︑特別地区とは︑商

店地域︑大規模商店地域︑ショッピングセンター︑大学地域︑病院地域︑港湾地域等をいう︒さらに︑一︑二

以上の小売店のうち︑①ショッピングセンター︑②業態︑都市開発の規模等からみて︑自然環境︑公共施設︑交通網︑

当該市町村又は他市町村の中心商店街開発︑景観等に重大な影響を及ぼす可能性のある小売店の建設は︑中心地区を

除いて特にそのために定めた特別地域に限定されており︑その建設に当たっては︑市町村議会の認可が必要とされる︒

この

よう

に︑

ドイツの場合もイギリスと同様︑土地利用の観点からの規制であり︑中小小売店を保護する観点から

フ ラ ン ス

のものではない︒

一 七

(18)

により消費者受容を高め︑ いる︒不服申立ては︑商業都市計画委員会の決定に対するものであり︑申請者等は決定から二月以内に商業・手工業大臣に対してすることができる︒不服申立てが行われた場合︑商業・手工業大臣は商業都市国家委員会に諮問し︑答申を受けた後︑三月以内に決定を行うこととされている︒

フランスの出店調整は︑欧米諸国の中では比較的日本に似ているが︑

間は三月と短く︑

また

日本にはみられない不服申立てが認められている︒

流通革新阻害要因としての大店法

日本の届出制に対して許可制であり︑調整期 スーパーマーケットなど大型小売店が発展することは︑流通産業の健全な発達︑消費者の利益の確保ひいては生産

者を含めた国民経済全体の健全な発達を促すこととなると期待される︒

これまでスーパーマーケットは︑売上げ拡大のためにナショナルブランド商品を中心に大量仕入れ・販売︑流通経

路の

短縮

︑ セルフサービス方式の導入等によりコストの削減を図り︑同時に︑主として中小メーカーとの提携による プライベートブランドあるいはノーブランド商品の開発により低コスト商品の供給に努めてきた︒

六 ︑

そして︑価格訴求 これによって多店舗展開を可能として︑これがさらに仕入れコストの低下を促進するとい う循環を繰り返して拡大してきた︒しかし︑現在のわが国における大型小売店の成長・発展が︑全体的に小売業とメ ーカーとの取引関係の総体において︑拮抗力を有するものとなっているかというと︑これを肯定することができない ことは明らかである︒大型小売店の成長・発展と小規模零細小売店の減少によって︑メーカーによる流通支配あるい は流通のメーカーの戦略行為者としての役割の度合いが相対的に低下してきているとはいえようが︑流通が総体とし

一八

14‑2 ‑214 (香法'94)

(19)

費の削減により一層の努力を傾注していかざるを得ない︒

スーパーマーケット以外にも︑新規・成長業態であるホームセンター︑衣料品専門店︑ディスカウンター等

ニーズや社会•生活環境の変化に対応して変革、発展を遂げなければならない。

ニーズや社会•生活環境の変化とは、モータリーゼーションの進展、大型冷蔵庫の普及、女性の有職化、消費者の

ケット︶︑ホームセンター︑家電品︑

高品質低価格品指向等である︒近年郊外立地のスーパーマーケット︵ハイノーマー 紳士服店等の進出が著しいのは︑モータリーゼーションの進展等によるものである︒消費者の高品質低価格品指向は︑

近年徐々に現れて来ていたといわれるが︑今回の不況下にあって実質的な価値と比較して価格が安い商品の売行きが 好調であったことが指摘されており︑今回の不況を経験して消費者の価格意識がかつてない程高まり︑今後ともこの 指向は継続するとみられている︒これらのことが契機となって︑本格的な流通革命︵あるいは第二次流通革命︶が進 行するとの見方がなされている︒このため︑今後メーカーは︑品質の向上と製造コストの引下げ︑流通業者は流通経 そうした努力は︑すでに始まっているといえよう︒主としてスーパーマーケットを中心とする流通業者における変

革の最近の例をあげると︑次のとおりである︒

( 1 3 )  

大手メーカーとの提携⁝⁝ダイエーは︑味の素と食品分野において包括的な提携関係を結ぶことに合意した︒両 社は共同して食品を開発し︑味の素が生産してダイエー系列の小売店︑外食店に供給する︒開発から物流まで共同 で手掛けることで︑無駄を省き︑低コストの製品供給体制を作ることをねらっている︒従来メーカーと流通業者と

の個別商品毎の提携は多くあるが︑包括提携はわが国でははじめてのケースだといわれている︒ の進出が著しいが︑流通も今後とも︑

近年

実行できるという域にははるかに達していない︒ て ︑

一 九

メーカーに対するカウンター・ベイリング・パワーにまで成長を遂げ︑流通として自らの戦略を主体的に策定・

(20)

f o i )  

の構築を目指すという︒ 海外の大手メーカーとの提携も行われている︒

D a

t e

 

セブンイレブン・ジャパンは︑世界最大のたばこ・食品メーカー であるフィリップ・モリスと加工食品分野で包括提携することに合意した︒両者は商品ごとに共同開発チームを結 成して低価格の加工食品を開発し︑日米のセブンイレブンと親会社のイトーヨーカ堂で販売する︒

旧大手商社との提携⁝⁝ダイエーは︑丸紅と食品︑衣料品などの開発輸入を軸に広範囲な業務提携をすることに合 意した︒ダイエーが求める高品質低価格商品を共同開発するため︑丸紅は海外での資材調達︑生産基地の確保︑物 流体制の整備などを総合的に支援する︒ダイエーは︑丸紅からメーカー機能の提供をうけることによって︑商品調 達網の国際化を進め︑内外価格差の是正を目指すという︒総合商社と大手スーパーとの包括提携としては初めての

ケースといわれている︒

( 1 5 )  

海外大型小売店との提携⁝⁝イトーヨーカ堂とヤオハンは︑

それ

ぞれ

︑ ウォルマートと提携することで基本合意 した︒日米の大手小売業が共同して国際的規模で商品の調達や開発を進めるのが最大の目的である︒価格引下げを

ねらいに地域の枠を超えて効率的な仕入れ・開発システムを構築する︒

ウハウなどをウォルマートに供与する︒将来的には︑欧州や豪州の小売業者を巻き込んだ商品調達のネットワーク 的その他⁝⁝①大型小売店による製品輸入の拡大︑②倉庫・店舗のレイアウト標準化︑倉庫・店頭での作業の標準

化等による人件費の削減︑③全品買取り︑返品なし︑派遣店員なしなどの取引条件の改善︵返品リスクや派遣店員 人件費が卸売価格に上乗せされるのを避ける︶︑④メーカーとの納品・代金決済のオンライン化

( E l e

c t r o

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I n

t e

r c

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e )

 

大店法の規制緩和については︑産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会合同会議において︑﹁経

ヨーカ堂は︑店舗運営の情報システムのノ

0

14‑2 ‑216 (香法'94)

(21)

的考え方﹂をとりまとめ発表している︒

(vi)  (v)  Gv) 

( i i i )  

高齢化社会の到来︑良好な生活環境の確保等を考慮すると︑大型店の出店自由化はそのままで消費者の利益につ

ながるものではないとの見解が消費者代表から表明されている

大店法が廃止されると︑地方公共団体の独自規制によりバラバラに規制が強化されるとの懸念がある

都心部等の商業集積の不振や雇用不安等︑地域コミュニティ・経済への悪影響も懸念される

以前ほどではないが︑実態としては商業紛争が深刻な地域も残っている

以上の理由については︑必ずしも合理的であるとは思われないようなものも含まれており︑制度の枠組み維持に全

体として説得性が十分あるとは思えない︒

一方︑規制される側である日本チェーンストア協会は︑平成五年︱二月︑次のような内容の﹁大店法に関する基本

﹁小売商業は︑消費者に密着した産業として︑本来︑自由な事業活動を通じて︑内需の拡大を中心とする国民経済

の発展と消費者の利益の増進に寄与する使命をもっている︒わが国には大戦後の多数の新規参入等もあって︑現在

でも約一六

0

万の小売商が存在しているが︑近年︑小売商業界は︑店主の高齢化︑後継者難︑廃業︑商店街の魅力 く表明されている 結論に達している︒

.1  

,1 ,  ,1 , 

.l   .l  

済改革研究会﹂が︑経済的規制については﹁原則自由・例外規制﹂とすべきことを提言︵平成五年︱二月︶ことをも踏まえて検討したが︑次の理由により︑現時点︵平成六年一月︶では制度の枠組みを維持すべきであるとの

改正大店法の下で大店法の規制が既に大幅に緩和されている

現下の厳しい経済情勢の下では︑出店の自由化は中小小売業者の廃業を加速するとの懸念が中小小売業者から強

(22)

右の見解は︑最近の小売商業をめぐる環境の変化の中にあって︑消費者︑生活者の立場に立った小売商業政策の確

立が必要であり︑そのために大店法は将来的に廃止されるべきことを端的に述べているものである︒

また︑経済団体連合会は︑平成五年︱二月︑﹁経済の活性化︑消費者利益の向上︑国際的調和の促進を図る観点から

各種事業規制を緩和し︑わが国経済構造の改革を進めることが急務となっており︑その一環として︑大店法は廃止を

原則とすべきである︒但し︑流通業の構造改善の状況︑大規模小売店が中小小売店や地域社会に与える影響などを考

慮して︑段階的に廃止することとするのは止むを得ない﹂旨の見解を明らかにしている︒

わが国においては︑昭和三

0

年代後半からのスーパーマーケットなどの大型小売店の進出によって︑第一次の流通

革新がもたらされたが︑これが十分な発展を遂げるまでには至っておらず︑現時点において︑メーカーの流通に対す

る優位性は依然として維持されたままである︒ 限の努力をする必要がある︒﹂ 制

を含

む︶

は︑将来廃止されるべきである︒ の低下︑新業態の出現等構造的大転換期を迎えている︒このような状況の中で︑国や地方の流通産業政策としても︑消費者︑生活者の立場に立った小売商業政策の確立の必要性に迫られている︒

このような小売商業政策の中では︑地域間競争︑街づくり︑内外価格差の是正等の観点からみて︑大企業と中小

企業の対立という構図での政策は中心的な課題ではなくなっている︒経済的規制を必要最小限にとどめ︑小売商業

の自由な事業活動を確保する観点から︑大企業と中小企業の調整を主要な目的とする大店法︵地方自治体の出店規

したがって︑今後︑これらの規制緩和スケジュールのコンセンサス作りに努めるとともに︑機会あるごとに︑例

えば︑大都市圏の適用除外︑規制対象面積の引上げ等の方策も含めて︑規制緩和の段階的かつ具体的な実現に最大

メーカーに対する拮抗力を有する流通が形成されてこそ︑真の意味の

14‑‑‑‑2~218 (香法'94)

(23)

メーカー間競争が実現し︑

ま た

メーカー・流通業者間競争︵メーカーと流通業者の

P

B商品や輸入商品との競争︶

も活発となり︑高品質低価格を中心とする流通の自主マーチャイダイジングが可能となるのである︒

の成長︑発展を阻害することとなっている︒また︑ 大店法は︑大規模小売店舗の新規出店を抑制するとともに︑店舗面積等を制限しているため︑右のような流通業者

これらの規制は︑流通業界内で既に地位を確立した大型小売店を

結果的に保護することとなり︑流通における競争促進の機能を弱めることともなっている︒政府は現在︑輸入・流通

の一六分野五一項目の規則緩和策を検討中であり︑その一分野には大店法の段階的廃止が含まれている加︑大店法は︑

( 1 )

古屋雅弘﹁流通と競争﹂公正取引四四八号四頁︒

( 2

)

田島義博﹁米国と西独の流通システム1日本との比較ー﹂公正取引四六七号一六頁︒

( 3 )

田中達彦﹁変貌する小売市場と大型小売業の企業戦略﹂公正取引四六七号二四頁︒

( 4

)

阿部真也ほか﹃現代流通の解明﹄ミネルヴァ書房二四三頁︒

( 5 )

同右書二四八頁︒

( 6

)

平成四年一月改正以前は︑第一種大規模小売店舗は︑﹁一建物の店舗面積の合計が一︑五

00

面以上︵東京都の特別区および政令

指定都市では三︑

O O O N S 以上︶のもの﹂︑第二種大規模小売店舗は︑﹁一建物の店舗面積の合計が五

00

面超一︑五

00

京都の特別区および政令指定都市では三︑

O O O N

S 未満︶のもの﹂であった︒

( 7

)

吉武三男ほか﹁政府規制等と競争政策に関する研究会における検討状況について﹂公正取引四六二号二五頁︒

( 8

)

三輸芳朗ほか﹃日本の流通﹄東京大学出版会二九八\二九九頁︒

( 9

)

同右書三0

七頁

︒ ( 1 0 )

政府規制等と競争政策に関する研究会﹁競争政策の観点からの政府規制の問題点と見直しの方向﹂参照︒

( 1 1 )

昭和六三年︱二月新行政改革推進審議会答申︑平成元年︱二月政府規制等と競争政策に関する研究会報告

( 1 2 )

宮沢健一﹃国際化時代の流通機構﹄商事法務研究会一0

五\

10

頁︑石田祐幸﹁主要国にみる大型店の出店規制﹂公正取引四六 できる限り早い時期に廃止されるべきであると思われる︒

(24)

二号一五頁による︒

( 1 3 )

平成六年一月一六日・同年五月一六日︑

( 1 4 )

同年三月一八日︑同右︒

( 1 5 )

同年三月二三日︑同右︒

( 1 6 )

同年五月四日︑同右︒

日本 経済 新聞

ニ四

14‑2 ‑220 (香法'94)

参照

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