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平成 27 年度 東京都内湾水生生物調査 10 月稚魚調査 速報

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Academic year: 2022

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(1)

●実施状況

平成 27 年 10 月 14 日に稚魚調査を実施した。天気は晴れで、気温 19.7~22.3℃、北の ち南よりの風 2.7~3.6m で海は平穏だった。当日は大潮で、11 時 38 分干潮、17 時 19 分満潮 (東京都港湾局のデータ)。魚は上げ潮に乗って来ることから、最干時の少し前 から、上げ潮時をねらって調査した。各地点の概況を下表に示す。

各調査地点では、8 月調査と比較して魚類の数量が極端に減少し、その他の生物では 葛西人工渚を中心に多く獲られていたニホンイサザアミが極端に減少した。魚類稚魚に 関しては、成長または餌量としてのイサザアミ類の移動に伴い稚魚期の生活域である干 潟より移動したものと地推定される。

2015/10/14 城南大橋 葛西人工渚 お台場海浜公園 作業時刻 10:40~11:10 11:30~12:10 14:25~15:00

水温(℃) 22.4 22.0 21.9

塩分 20.1 17.8 26.9

透視度(cm) 50 54 85

DO(mg/L) 4.9 7.1 6.6

DO 飽和度(%) 65 93 88

波浪(m) 0.1 未満 0.1 未満 0.1 未満

pH 7.5 7.9 8.0

水の臭気 カビ臭 弱カビ臭 弱カビ臭

備考

注)塩分、DO、pH の値は計器測定値。

●主な出現種等(速報なので、種名等は未確定です)

主な出現種等 城南大橋 葛西人工渚 お台場海浜公園

魚種

(多い順

マハゼ(r) マゴチ(r) ビリンゴ(+)

ヒメハゼ(r) マハゼ(r) クサフグ(r)

マゴチ(r) ビリンゴ(r)

魚類以外

ニホンイサザアミ(+) ニホンイサザアミ(G) シラタエビ(+)

エビジャコ属(+) シラタエビ(G) ホトトギスガイ(r)

ツメタガイ(r) コウロエンカワヒバリ

ガイ(r)

備考

他に、マメコブシガニ、

タカノケフサイソガニ

(死亡個体)を確認。

干潟のヨシ原の際でト ビハゼが頻繁に確認さ れた。

注)表中の()内の記号は大まかな個体数を表す。

G:1000 個体以上、m:100~1000 個体未満、c:20~100 個体未満、+:5-20 個体未満、r:5 個体未満

平成 27 年度 東京都内湾水生生物調査 10 月稚魚調査 速報

(2)

城南大橋 採取試料

当日の調査地点の様子

地曳網で捕獲された魚類は、マハゼ成魚、

マゴチ・ヒメハゼ稚魚のみであった。その他 の生物としては、少量のニホンイサザアミの ほか、エビジャコ属、ツメタガイ、マメコブ シガニの体色変異個体等が確認された。

ツメタガイ

地曳網の様子

東京湾の砂泥底

の浅海に多く生 息する、中型の肉 食性巻貝で、アサ リ、バカガイ等の 殻に穴を明け捕 食する。

ヒメハゼは他の 干潟のハゼ科魚 類と違い夏季に 産卵を行う。捕獲 されたのは夏生 まれの小型個体 であった。

ヒメハゼ マゴチ

マメコブシガニ

東京湾の干潟に

多く生息する小 型のカニで、通常 褐色の目立たな い色をしている が、色彩変異が多 い。

前回の調査で捕 獲されたマゴチ は平均 4cm 弱で あったが、今回捕 獲された個体は、

8cm と約 2 倍に成 長していた。

今 回 捕 獲 さ れ た マハゼは、全長約 15cmmの成魚であ った。マハゼ成魚 は 今 後 産 卵 に 向 け て 沖 合 の 砂 泥 底に移動する。

マハゼ

(3)

葛西人工渚 採取試料

シ ラ タ エ ビ は 約 5cm 成 長 に す る が、捕獲個体はい ずれも 2cm 未満の 小型であった。本 干 潟 で 繁 殖 し た と推定される。

葛西人口渚では、

成 魚 は あ ま り 多 くないが、干潟の ア ナ ジ ャ コ や ゴ カイなど、他の動 物 が 掘 っ た 穴 を 利 用 し て 巣 を 造 ることもある。

葛西人口渚で 捕獲されたマ ハ ゼ は 全 長 12cm 程度で、

城南大橋より やや小型であ った。

調査地点の様子 地曳網の様子

前回の 8 月調査では 10kg 以上のイサザア ミ類が捕獲されたが、今回の調査では推定で 1/5 以下に減少していた。当日は北風であっ たため、南向きの干潟に集められなかった可 能性も考えられる。代わりに小型のシラタエ ビが多く捕獲された。魚類はマゴチの稚魚お よび、ビリンゴ、マハゼが少量確認されたの みであった。

ビリンゴ

選別前の試料

マハゼ

シラタエビ

マゴチ

マゴチは全長

12cm 程 度 の 成長の良い個 体であった。

これから干潟 域を離れると 思われる。

(4)

<トピックス:葛西人工渚調査地点後背地の環境>

干潟の表面に、開いている直径 20~30cm の穴はアカエイ が貝類やアナジャコ等の底生動物を捕食した痕である

調査地点の東なぎさではヨシ原が拡大傾向にあり、それ に伴いトビハゼの生息数が増加している印象を受ける。

東京湾のトビハゼは北限の地域個体群であり、東京都の レッドリストでは絶滅危惧ⅠA 類に指定されている。

調査地点の後背地の環境

干潟の表面には付着藻類が繁殖している。これらの藻類 は干潟の甲殻類の主要な餌になっている。

(5)

お台場海浜公園 採取試料

魚類はビリンゴとクサフグ、その他 の生物としてはシラタエビとコウロ エンカワヒバリガイ、ホトトギスガイ 等、主として干潟に生息する種が確認 されたが、その個体数はいずれも少な かった。降雨による河川水の流入、貧 酸素水塊の発生等が考えられるが、原 因は不明である。

ビリンゴ

地曳網の様子 調査地点の様子

ビ リ ン ゴ は 例 年 に 調 査 結 果 より、本調査地 点 に 定 着 し て い る と 判 断 さ れるが、今回は 少なかった。

お 台 場 海 浜 公 園 で 捕 獲 さ れ た シ ラ タ エ ビ は 葛 西 人 工 渚 の も の よ り 大 型であった。

コウロエンカワヒバリガイ

クサフグは、前 回(8 月)調査 に引き続き捕獲 された。完全に 本調査地点に定 着していると判 断される。

クサフグ

シラタエビ

ホ ト ト ギ ス ガ

イ と と も に 内 湾 干 潟 域 に 生 息するが、本種 の ほ う が 低 塩 分 に 耐 性 が あ るようである。

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