野草スケッチ ニセアカシア(マメ科)
1997/05/06 稲城市押立 絵と文 Ta JR南武線矢野口駅から程近い多摩川の河川敷に、ニセアカシアの林がある。 戦時中に植えたものらしい。 歌謡曲などで「アカシア」と歌われているのは、たいていはニセアカシアのこと だという。 そいえば、私も子供の頃は「アカシア」と呼んでいた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 会報第29号 2007年5月13日発行 発行責任者 尼子 房夫ここのニセアカシア林には、上流からの漂着植物や、工事などで持ち込まれた帰 化植物も混じって、独特の植生を作り出している。 注意して観察すると、普通の雑木林では必ず出てくる、コナラ、クヌギ、シデ類 などの高木が見られない。 高木はすべてニセアカシアなのである。 ニセアカシアは、帰化樹木としては珍しく、純林を作る力を持っているのだそう だ。 ニセアカシア林は多摩川の堤防と平行して1kmほど続いていている。 堤防上にはサイクリングロードがあり、冬には、ここから梢を渡る小鳥たちを観 察するのもよい。 林床の植物観察には、林の中の小径をたどる。 四季を通しての、いい散歩道でもある。 ニセアカシアは根が浅い。 かなりの高木でも、大水や台風であっけなく倒れてしまう。 マメ科なので根粒バクテリアを持っている。 そのため、あまり根を張らなくても、栄養が摂れる、ということであろうか。 前年の台風で倒れたニセアカシアが、散歩道を塞いだことがあった。 数十本のニセアカシアがごろごろ倒れている。 スケッチに来たのだが、自転車では通行できない。 戻ろうとしたとき、絶好の被写体に出会った。 倒れた幹についた枝に、たくさんの花が咲いているのだ。 いままで何度も、背が届かなくて、スケッチチャンスを逃していただけに、また とない出会いであった。 折りたたみ椅子に腰をかけて、安定した姿勢でスケッチできる。 ニセアカシアにしてみれば、倒れ、いずれ切られる運命の中で、最後の力を振り 絞って咲かせた花なのであろう。 いつにも増して輝いて見えたのは、倒木でできた空間にふりそそぐ日の光のせ い・・・だけではなかったような気がする。 パソコン通信仲間に、Robinia さんというハンドル名を持った女性がいる。 Robinia とは、ニセアカシアの属を示す学名である。 あるとき、彼女に、このスケッチ(彩色済)のコピーを進呈した。
これを描いたとき、ずいぶんお天気がよかったのね」 「えっ、どうしてわかったのですか。まさか見ていたわけではないでしょう(も しかして、あのときの輝きを表現できたのだろうか・・・???)」 「だって、葉っぱがこんなにまぶしそうに目を閉じていますでしょう」 言われて、はじめて気がついた。 ネムノキは夜になると葉を閉じるが、ニセアカシアにも同じような性質がある。 昼に閉じているのは、眠かったわけではなく、光が強すぎるときに見られる現象 だ。 強い光を浴びると、過剰に発生した酸素によって、細胞が傷ついてしまうことが ある。それを防ぐために、葉を閉じて光合成を調節しているのだそうである。 本では知っていた知識であるが、スケッチの最中には思いも浮かばなかった。 パソコン通信も観察会も、一方的に教えるような関係ではない。 教えたり教えられたり、それがまた楽しいのである。 * * * * * *
〔観察記録〕4月1日 小川町(カタクリ)
稲城野草散策の会フローラオフ、Taさんの案内で埼玉県小川町のカタクリの 観察会でした。60万株といわれるカタクリが、丁度タイミングよく、見ごろだ ったそうで、来年度は稲城野草散策の会の観察会として組み入れたらいいでしょ うね。 ◆観察会の感想 今日のカタクリオフ 本当にすばらしかった。あんなに沢山の満開のカタクリ を見たのは初めてだし、ニリンソウ、ヤマエンゴサク、レンプクソウの群生そし てアマナも結構ありました Taさんいいところへ連れて行ってくださって有難うございました。遠いから と最初は少々敬遠していたのですが、行ってよかったなーと思いました。 (ふくろう) --- みなさん、こんにちは。 いや~、すごいカタクリの群生でした。 花もちょうど見ごろだったし、来られなかった方、おしいことをしましたね(^_^) (Ta)---素晴らしい春の一日を持て、 外に出て、自然の恵みに気付く大切さをあらためて感じました。 花の時期が見事にピッタリ!に びっくり。 とても感謝しています!(ささ) ---
〔観察記録〕4月22日 高尾山~城山林道
◆観察会の感想 高尾山観察会に参加された皆様、お疲れ様でした~ ポカポカ陽気に誘われたのか?たくさんの春の花々に出会うことが出来ました。 メインのスミレはもちろんのことミヤマカタバミの開花にドンピシャでしたね! あとゲップが出るくらい?ナガバノスミレサイシンに出会えたのもジャストミ ートしたおかげでしょうね。 Famさん、会長さん、解説のTaさん、大変お世話になりした。本当に素晴 らしい観察会でしたよ!(ワルナスビ)--- ワルナスビさん、参加された皆さん、お疲れ様でした。 天候にも恵まれ、たくさんの花を見ることができて、よい一日でした。 スミレ類は、タチツボスミレ、ナガバノスミレサイシン、エイザンスミレ、マ ルバスミレ、コスミレ、ヒナスミレ、アオイスミレ、ヒカゲスミレ、アカネスミ レ(オカスミレ)、ニョイスミレの10種だったでしょうか。 変種、品種では、オトメスミレ、タカオスミレ、シロバナナガバノスミレサイ シンなども出ました。(Ta) --- お天気は曇りがちでしたが、観察には良い天気ではなかったでしょうか。いつ もより少し長距離でしたが、全員無事完走。スミレを主体として観察出来ました。 日影沢まで下りると、ヤマルリソウ、ニリンソウ、コチャルメルソウ、トウゴ クサバノオ、ネコノメソウの仲間などが群生して迎えてくれました。 日影沢でバスに乗り込むと久し振りにぎゅうぎゅう詰めでしたね。おまけに雨 も降り出すし。歩いている時でなくて良かった。あとは、立川での「ささやか(反 省会)」では、ささやかだけに参加した方もあり、みんなで大いに反省しました。 次回は4月22日三沢川下りです。またお会いしましょう。(FAM) --- ◆今回のコース(高尾山駅→高尾山頂→一丁平→城山林道→日影沢)