73 (昭 和十 二 年三 月 三十 一H造 船 協 會 創立 四十 年記 念講 演 會 に於 て講 演)
鐵 道 省 關 釜 連 絡 船
金 剛 丸 、興 安 丸 冷 房 装 置 に 就 て
正員 加
藤
絹
秀
Abstract.
On Air Conditioning
of the 1. J. G. R. Shimonoseki-Fusan
Passenger Ferries the
"Kongo -Maru" and " Koan-Maru ."
By K. Kato, Member.
The autlier briefly touches, in the first place, on the signification
of " Air
Condi'ion-ing," its origin and development
and describes on air conditions v.a.v. human
suscep-tibility.
Then he generally
exp'ains the methods of conditioning
the air, now usually
employed
and tries a short survey on the present
state of air conditioning
of
com-munication
means such as railway wagons, tram ears on land, and vessels on water.
He, finally, enters
into the explanation
of the
design, lay-out
and
the results of
IT ovisional
tests of the air conditioning
equipments on
board the two ships above
named, which are not only the pioneer ships in Japan furnished with these equipments,
but also the foremost vessels in the world in which the equipments
are most exten-
sively employed, viz. all public rooms and all cabins in the quarters for all classes of
passengers have been completely air conditioned
throughout.
目 次
1. Air Conditioning とは 外 國 船 の AirCondit,ioning 2. Air Conditioning の 進 歩 装 達 a. Normandie
3. 空 氣 の 歌 態 と人 體 感 b. Queen Mary 日本 の 氣 候 と欧 米 の 氣 候 との 比 較 C. 其 他 の船 舶
空 氣 の 温 灘 度 示 牲 線 圖 Prinsendagm,Manhattan and Washing-等 感 温 度 線 ton, M. V. Victoria, Mariposa,
Mon-快 感 帯 terey and Lurline, Califomia,
Vir-4. 空 氣 調 整 に 就 て ginia and Pennlylvania. 温 濕 度 は 如 何 に して 調 整 す る か 6. 連 絡 船 金 剛 丸 、 興 安 丸 の 冷 房 装 置 に 就 て Air Conditioning 用 冷 凍 機 と冷 媒 兩 船 Air Conditioning の 設 計 に 就 て Steam Jet に依 る冷 凍機 金 剛 丸 冷 暖 房装 置 Air Conditioning の循環 法 興 安 丸 冷暖 房装 置 冷凍機 の能 力 金 剛 丸 、興 安 丸 Air Conditioning試 験 の結 果 5. 冷 房設備 の二 三例 7. 結 語 列 車 の冷房 満 鐵 あ じあ號 冷房装 置 南 海電 車 の 冷房装 置
1. Air Conditioning と は
先 づ air conditioning の 語 源 に 就 て 蛇 足 乍 ら一 言 申上 げ ま す 。 今 で は 巳 に 一 般 用 語 に な つ て 居 り ま す が.そ の 語 源 は.CarrierAirConditioniR.g'Co.が 此 の 言 葉 を就 名 に して ゐ ま し て aircoDdi-tioner はCarrier氏 が 創 め た もの だ と 考 へ ら るyも の が 多い の で 御 座い ま す が 、實 は S. W. Cramer と 云 ふ 人が 獲 明 さ れ た 言 葉 だ さ うで あ りま す 。 同 氏 は1907年 Mtional Cotton Alanufactures Asso-ciation で 織 物 工 場 のhmmidifieatioii及 び humidity control に 就 い て 講 演 し.佛 蘭 西 のSchlessinger 氏 其 の 他 の 研 究 を 引 用 し て 、 工 場 の 室 氣 の 濕 度 と製 品 の 含 水 量(moistue contenOの 瀾 係 を 論 明 し て 居 られ ま す 。 而 し て 製 品 のmoistureConteltを 適 當 に す る に はairのmoistme eonteittを 適 度 に 調 節 せ ね ば な ら ぬ 事 を 強 調 し て ゐ ま す 。 元 來 織 物 のlnoisturecontenttの 分 量 及 び 之 を 調 節 す る 事 を 紡 織 界 で は"cORdition沁9,'と 言 ひ 慣 は して ゐ た の で 、 同 氏 は 織 物 工 場 の 室 氣 のmoisture を 調 節 す る 事 をaircondiiionin9と 構 せ ん と 始 め て 言 ぴ 出 さ れ た の で あ りま した 。 そ れ で す か らair conditioningと は 元 來 は 吸 濕 性 物 質 に 封 し察 氣 の 濕 度 を 調 節 す る 意 味 しか 持 た ぬ もの で あ り ま す 。 然
し後 年CarrierAir ConditioningCo. が 其 の 杜 名 にairconditioningの 名 を 冠 し て 現 は れ た 時 に は 、 已 に air conditioningと1よhumidityeontrol以 外 に 更 にventilation,cooling,heatins.,clean-ing を も含 む 様 に な つ て ゐ ま した 。 現 在 に 於 け るairconditioningと は 人 體 の 生 理 歌 態 に 必 要 に して 適 當 な る 様 に 室 内 の 湿 度 、濕 度 、 室 氣 の 動 き と室 氣 の 清 浄 を保 た しむ る方 法 で あ りま す 。 從 つ て 從 來 の 暖 房 と か 冷 房 とか 換 氣 とか 其 の 氣 候 に 必 要 な 軍 濁の 方 法 と は 、 共 の 意 味 を 異 に し て 居 る の で あ り ま す 。 術 之 れ を 昭 和8年 に 徳 宝 工 業 協 會 に て 室 氣 調 和 法 と云 ふ 課 語 を 規 程 致 さ れ ま し た 。(以 前 は 室 氣 調 整 法 と課 し て 屠 た)。 2. Air Conditioning の 進 歩 護 達
air coaditioningの 起 凛 は 何 年 位 か と 申 し ま す と 、1911年 に 米 國 機 械 學 會 の 席 上 でWillis H, Carrier氏 がairconditicningに 就 て 講 演 のpsychromehricfolmulaを 獲 表 ぜ られ ま した 。 之 れ に 依 りて 室 氣 の 性 能 を 究 明 しairconditio甦 沁9の 根 抵 と な りま し た 。 然 し共 の 當 時 は 勿 論 漸 く專 門 家
の 注 意 を 引 い た と云 ふ 程 度 で.世 入 一 般 はairconditlolllngの 何 た る か を解 せ すh大 體aircondi--tioning な ど と云 ふ も の は ど ん な も の か 御 存 じな か つ た 次 第 で あbま す 。Carrier氏 は1901 年 に ゴ
ー ネ ル大 學 を卒 業 後 約10年 間 研 究 の 結 果1911年 に 磯 表 せ られ た の で あ りま す 。 然 し之 れ よ り以 前 と して も 夏 の 暑 さ に 封 す る 防 禦 法 は 考 へ られ て 居 た の で 、 Heating, Piping and Air Conditioning 誌 の 1936 年 8 月 號 にG,R.Ohmes氏 は ぐomfortcoolingと して 氷 を 用 ぴ た の は1880年 で あ り、
mechanioal ref. installatiollを 以 て 之 れ に 代 へ ん と した 最 初 の 試 み は1898年 だ と書い て あ り ま す. 術 米 國 のRefrigeyathing MaehilleryAssoeiationの 席 上 其 會 長C.W.VolhmamiLk が Carrier 氏 に 話 され た 所 に 依 る と 、1897 年 に 英 國 Linde Co.が ア ン モ ニ ヤ 式 冷 却 機 をcomfort cooling の 爲 め
鐵 道 省 關 釜連 絡船 金 剛 丸、興 安 丸 冷房 装 置 に就 て、 加藤 絹 秀
751
に 印 度 の 或 る 王 様 の 宮 殿 に 設 け た もの が 有 る と の 事 で あ りま す 。 然 し 1911 年 にCarrier 氏 の 磯 表 に 依 りair couditioning がengineer pmfession の 一 分 科 と して 始 め て斯 界 に 認 め られ.其 後 の 獲 達 の 経 過 は 大 體 次 の 様 な 次 第 で あ りま す.(主 と し て 米 國の もの)。 最初 に使 用せ し年 最 切 に使 用せ し年 1,904∼1,923 工 業 用 1923 劇 場 1926 事 務 所 1927 銀 行 1920 住 宅 1930 鐵 道 容 車 1931 離 舶 1934 鑛 由 深 坑 1936 自 動 車 米 國 に 於 け る最 近 の 獲 達 は 實 に 大 し た も の で 、 末 尾 の 表 に あ る通 りで あ りま ず 。 3. 空 氣 の 状 態 と 人 體 感 日 本 の 氣 候 と 欧 米 の 氣 候 と の 比 較 各 國 の 氣 候 は夫 々 位 置 地 勢 の 異 る に 從 ぴ 特 殊 の 性 質 を持 ち.著 し き 相 違 の 有 る もの で あ り ま す 。 例 へ ば英 米 濁 三 國 と 日本 り 氣 候 に 就 き比 較 して 見 ま す る に .各 國 の 代 表 的 地 方 と して London, Berlin, NewYerk,chieago及 び 東 京 を選 び 、 各 年 月平 均 の 温 度 及 關 係 漁 度 を 東 京 の 溜 漁 度 と比 較 し た の が あ り ま す が 、 第1圖 乃 至 第4圖 の 様 な状 態 で 御 座 い ま す 。 此 の 圖 で 見 ま す れ ば 東 京 の 冬 季 は 温 度 も漁 度 も低 く、 夏 季 は 反 封 に 温 度 も漁 度 も高 い が 、 London, BeUlinは 冬 季 は 温 度 は 低い が 潔渡 は 反¥Sec夏 季 よ り相 當 高 い の で あ り ま す 。NewYork及Chieago
は 湿 度 は 冬 季 は 低い が 濃 度 は 一 年i†iを通 じ攣 化 が 割 合 に 少い の で あ り ま す 。 以 上 の 諸 圖 に 依 り東 京 の 氣 候 は 欧 米 の 諸 都 市 に 比 し 冬 期 は 頗 る 乾 燥 に 過 ぎ 夏 季 は 温 温 度 共 に最 高 に τ 暑 熱 の 度 殊 に 著 し く 、 斯 の 如 き氣 候 は 特 に 入 體 生 活 機 能 に も亦 諸 種 の 製 造 工 業 の 作 業 に も頗 る 不 利 不 適 の も の で(之 れ が 爲 め に我 國 の 蒙 りつ〓 あ る 損 害 は 甚 だ 多 き 次 第 で あ り ま す).此 の 不 利 な る氣 候 を調 節 し て 人 體 生 活 機 能 に 又は 工 業 方 面 に 最 も適 す る如 くす る の がaircondition三ngの 生 命 で あ りま ず 。 空 氣 の 温 濃 度 示 性 線 圖 塞 氣 の 温 度 及 漏 度 を 種 々に 墾 化 し或 は 調 節 す る に 際 し て 、 空 氣 の 温 度 、 漁 度.容 積 、全 熱 量 の 關 係 を 最 も簡 便 に 知 る に は WiilisH.Carrier氏 立 案 に な る第 5 圖 に 示 す psychrometric chart (空 氣t の 温 漁 度 示 性 線 圏)に 依 るが 一 番 で あ り ま す, 等 感 温 度 線 我 々 は 口 腔 鼻 腔 皮 膚 で 呼 吸 し て 居 る が 、其 の 際 水 分 を 発 散 す る と 共 に體 熱の 幾 分 を 絶 え す 放 散 し て 居 る の で 、健 康 體 な れ ば 龍 温 を36Q∼37。 に 保 つ て 居 るが 、 其 の 放 散 熱 量 は 静 動 に 依 つ て 達 ふ が 、 先 づ 普 通 の 歌 態 で 外 人 な れ ば1時 間 に100k.calories, 日本 人 な れ ば 其 の8割80kcalories の 體 熱 を獲 散 し て 居 る 。 外 界 の 温 漁 度 が 攣 つ て も此 の 放 散 熱 量 が 等 しい 時 に は 我 々 の 温 さ の 感 じは 同 一 で あ る 。 例 へ ば22℃(71。F), 100%の 漁 潤 空 氣 中 に 居 る の と24℃(75°F/,60%の 適 漁 の 空 氣 中 に
居 る の とは 同 じ感 じで あ る。斯 か る點 を結 ぶ線 が等 感 温 度 線 で第5圖
に 示 す通 りで あ ります 。
等 感 溜 度 で も漁 度 が 高 過 ぎた り、低 過 ぎた りで は長 時 間 に は好 結 果 を來 た さな い ので あ ります。
快
感
帯 (ComfortZone)
如 何 な る溜 度 と漏 度 が 人體 に適 當 か と申 しま す と 、米 國 の 媛房 換 氣 協 會 で は實 際 的 に 實験 して其 の
結 果 を獲 表 致 しま した の が 第5圖
で あ ります。 之 れ は 快 感 を感 す る 人の 数 を百 分 率 で 表 した もの で
夏 季 の 不 均快 感 温 滉 度 帯 は太 い 斜 線 で 表 して あ る 巴Pち濃 度23.5℃(74。F>,漏
度70%か
ら26℃
(79°F),30%で
あ る。 冬7)雫 均 快 感漏 度 線 は20。C(68。F)(70%)か
ら22・5℃(72。F)(30%)で
あ
る。此 の線 圖 で大 體 如 何 な る温 度 と漁 度 が 快 感 で あ り保 健 的 で あ るか 分 るの で あ ります 。(第5圖
は
米 國 人 を基準 とせ し もの)。 快 感 温 漁 度 は夫 々異 る氣 候 に 長 年生 活 して夫 々異 る體 質 を有 す る 人 々に
依 り異 り、 叉 年 齢 に依 りて も異 つ て居 ります 。 室 内 の 空氣 が 絶 封 に静 止 して居 る事 は人體 の新 陳 代謝
に 必 要 な る熱 の 放散 を不 充分 な らし む るか ら不快 を與 へ る もの で 、毎 分12∼25吹
の速 度 で室氣 が流
動 して 居 る と云 ふ事 は快 感 の必 要 條件 で あ るさ うです.
以 上 で 快 感 を與 ふ る必 要 條 件 は温 度 と漏 度 と空 氣 の 流動 との三 者 を適 當 な らしむ る事 が 大 切 で あ る
事 が 知 れ る の で あ るが 、更 に 空 氣 の清 浮 な る事 が 必 要 條 件 で あ りま す。 即 ち塵 埃 、 バ ク テ リヤ 、臭 氣
其 の他 有 毒 瓦 斯 の 含 有 な き事 で あ りま す.
4. 空
氣
調
整
に
就
て
温 漏 度 は 如 何 に し て 調 整 す る か
單 に 空 氣 の 温 度 の み を調 節 す る事 は加 熱 或 は冷 却 して容 易 に 目的 を達 す る事 が 出來 るが 、温 度 と漁
度 と を同 時 に所 要 の状 態 に 完全 に調 飾 す る事 は簡 單 に は行 か な い もの で あ ります 。殊 に同 一 の装 置 で
春 夏 秋 冬 を通 じて如 何 な る欺 態 の温 漁 度 を も完全 に調 節 し保 有 し得 る方 法 と して は 、露 黒
點
温 度 調整 法
を除い て他 に 良法 が無 い次 第 で あ ります 。
任 意 状 態 の 空氣 を所 要 の露 點 温 度 に達 せ しむ るに は 、普 通 に 空 氣洗 瀞 装 置 な る もの を使 用 し、其 の
喰霧 水 の温 度 を露 點 温 度 に從 ぴ熱 し或 は 冷却 して 使 用 す る もの に して 、最 も完 全 に 且つ容 易 に 此 の 目
的 を達 し得 る もの で あ ります 。 夏 は air conditioning で は必 す此 の 喰 霧 水 を冷却 せ ね ば な らす 、井
水 河水 で は所 要 の 低 温 度 の 水 が 得 らる 事 は殆 ん どな く、從 つ て 冷凍 機 を必 す設 備 せ ね ば な らな い次
第 で有 ります.
Air Conditioning
用 冷 凍 機 と 冷 媒
從 來 の普 通 冷 凍機 はア ンモ ニヤ (NH3), 炭 酸 瓦斯(CO2)及
無 水 亜 硫 酸(SO2>等
を冷媒 とす る
reeipro. eompressor
maehine
で あつ た が. NH3
も SO2
も一 種 特 別 な る刺 戟 性 の臭 氣 を有 し入
體 に甚 だ有 害 で あ るの み な らす 、金 属 に封 し腐 蝕 性 を有 して居 ります 。 劇 場 の如 く多 入 数集 る所 に用
鐵 道省 關釜 連絡 船 金 剛 丸 、興 安 丸 冷 房装 麗 に就 て、 加藤 絹 秀
771
歓 點 は な い が 液 化 す る に 非 常 な 高 歴(70.3kg/cm2以 上)を 加 へ ね ば な ら す. power eonsumption と eondenserwaterの 量 が 大 き く、 叉highpressureの 爲 め にautomaticcontrolの 機 械 が 大 型 で 高 債 な も の に な り、 術 機 械 の 設 備 及 操 作 に 樹 し特 別 の 注 意 を要 す る もの でairconditioning用 冷 凍 機 と して は 不 向 の もの で あ り ま す 。1918年 に 低 堅 無 害 の 薪 し き 冷 媒 使 用 可 能 性 を 見 、 此 薪 し き 冷 媒 に 適 當 な compression system の 研 究 をCarrier氏 が 行 つ た 結 果.途 にcentrifugalpumpを 最 工も適 當 と し 之 れ を 用 ひ る事 に 決 定 し.種 々研 究 改 良 の 結 果 途 に 今 日 のturboeompi'essor を 完 成 す る に 至 つ た の で あ り ま ず 。(第 7, 17, 18 圖 参 照)。 此 機 械 を 用 ぴ れ ば oldtypeのrefrigera伽gmaehine
で は慮 用 甚 だ 困 難 な る 所 に もairconditionin9を 使 用 す る 可 能 性 が 繊 來 、 而 も automatie control が 容 易 に 出 來 る と云 ふ 特 點 が あ り ま す.
此newrefrigerant使 用 とturbocompressor完 成 に 依 つ て 、 從 來 の 冷 凍 機 に 比 し floor area に て1/4位 に な り馬 力 も大 に 減 じ從 つ て 債 格 も 安 く な り、aircouditioningに は 大 革 新 を來 した 次 第 で あ り ま す 。 次 に 注 意 す べ き 発 見 は フ レ オ ン(CF2C12)で 之 れ はreeipro型 のmachineに 用 ぴ て 安 全 なgasで あ る 。 小 型,中 型 の 機 械 に 用 ぴ られ て 居 る 。 此 のgasは1931年 の 市 場(米 國)に 工出 た も の で 、 小 型 の 機 械 の 場 合 に は ア ン モ ニ ヤ 式 の 同 じcapacityの も の と比 較 す る と produetion cost も installationcostも 約 半 分 で 濟 む と の 事 で あ る.此 gasな れ ばdirectexpansion coil に も使 用 出 來.small installation のah'eonditioningが 可 能 と な り 、 新 領 域 が 掻 大 した 事 に な りま す. 日本 で は フ レ オ ン は 絵 り使 用 致 して 居 な い 様 で.大 抵 小 型 の も の は メ チ ーTVク ロ ラ イ ド(CH・sCl)を 使 用 致 して 居 る 様 で あ り ま す 。 高 砂 、H立 等 のturbo compressor に は メ チ レ ン クPtラ イ ド(CH2Cl2) を 使 用 し、 東 洋 キ ャリ ヤ ー は メ チ レ ン ク ロ ラ イ ドよ り最 近 力 い ンNo.2(CFCI,)を 使 用 す る 様 に な りま した 。 各 冷 媒 に 封 す る 物 理 的 性 質 は 第1表 の 通 りで あ りま す 。 SteamJet に 依 る 冷 凍 機 steamjet に 依 る 冷 凍 機 も近 來 大 に 改 良 せ られ 、steamと 水 が 自 由 に 得 ら るX所 で は 簡 單 に 使 用 せ ら る 〓様 に な りま した.本 式 の 特 長 は 塾
1. simplicityv durability, compactness,low maintenance and Iow operating cost。
2. moving part と して はcoelir}gwaterpump位 に て.共 他 に は な き 爲.故 障 起 る事 な し 。 3. gear な き 爲 、 普 響 獲 せ す 禰 か な り。
4. 夏 期 冷 房 用 にsteamjetを 使 用 し.参 期 は 媛 房 にsteamを 使 用 し得 る爲.年 中boiler を 有 敷 に 利 用 し得.
5. 他 の 冷 凍 機 の 如 く有 毒.高 贋 な る 冷 媒 を 使 用 せ す 、唯steam及 水 の み を使 用 す る 爲 め 安 全 に して 安 債 な り。
60%位 で 、operatingexpenseは 約 1/2と 申 し て 居 りま す.
本 機 は 第 8 圓 に 示 す 通 りevaporator中 の 室 氣 及 水 蒸 氣 をsteamjetに て 吸 引 し高 度 の 眞 察 を 作 り、 内 部 の 水 の 一 部 が 蒸 發 す る事 に 依 り共 の 氣 化 潜 熱 に 依 り淺 りの 水 が 冷 却 さ るx もの で 、 冷 却 は 眞 室 の 程 度 に 依 つ て 異 る も の で あ りま す 。
高 度 の 眞 室 を作 る 事 困 難 で 、 gas 塵 縮 式 よ り もeondmser coohg water の 濫渡 の攣 化 に 封 し影 響 甚 だ し く jet内 に 装 備 せ る steamnezzleの 取 附 、 角 度 、joint のail'ti8htDessの 不 良 、drdn の 發 生 、nozzleの 閉 塞 等 に 依 りて 機 械 の 能 力 急 激 に 攣 化 す る もの で あ りま す 。
蓮 絡 船 に て も最 初 此steamjet探 用 の 案 が あ りま した が 、 以 上 の 様 な 訣 黙 が あ りsmaker に て も 未 だ 此Steam jet 式 を 製 作 した 経 験 な く不 安 を 感 じ ま した か ら 、tnrbo compressor machille を 探 用 致 し ま した 次 第 で あ りま す 。 Air Conditioning の 循 環 法 夏 季 冷 房 法 を行 つ て ゐ る室 か ら排 出 され る 塞 氣 は 、尚 外 氣 よ りは 一 般 に 相 當 低 温 低 滋 で 之 を 棄 て る の は 不 経 濟 で あ り ま す か ら 、普 通 に は 循 環 法 を探 用 し て 居 る 。 然 し 共 の 室 か ら逸 還 され る 空 氣 は 人 々 の 呼 氣 の 爲 め に 炭 酸 瓦 斯 が 増 加 し.又 人 艦 か ら發 散 す る有 毒 悪 臭 の 分 解 物 等 が 塘 加 す る爲 . 衛 生 上 ど
第 1 表
冷
媒
の
物
理
的 性
質
鐵 道省 關 釜連 絡船 金剛 丸、興 安 丸 冷 房装 置 に就 て、 加藤 絹 秀 79
う して も薪 鮮 室 氣 を 幾 分 取 り入 れ る必 要 が あ りま す 。 劇 場 等 の 冷 房 法 に は 通 常 1 人 當 りの 循 環 室 氣 毎 分0.34∼0.99立 方 米 に 封 し新 鮮 室 氣 を毎 分0.14∼0.21立 方 米EPち 循 環 室 氣 の 114∼1/3 新 鮮 室 氣 を混 ぜ て 途 風 す る の で あ り ま す 。air conditioning の 實 際 の 應 用 に 於 て cooled air は trunk を 通 り 第 19 圖 に 示 す 如 く、 天井 又 は wall の top よ り特 別 な る 形 状 を な せ る diffusing grille よ り吹 き 入 れ 、draftを 感 ぜ し め ざ る 様conditioned airを 一 面 に ふ ん わ り と 流 布 す 可 き で あ りま す 。 此 cooled air は 天 井 か ら漸 次 に 沈 下 し 、 在 室 者 の 頭 部 よ り涼 味 を 感 ぜ し め 、floor 又 は 共 の 近 くのduct よ り 排 出 せ られ 、 又fresh airの 幾 分 を 混 入 し 、 再 びair conditioner room を 通 過 し て 循 環 す る も の で あ りま す 。 此 天 井 よ り吹 き 出 さ せ る 方 法 を down ward system と云 ひ.floor の 塵 埃 等 も飛 散 せ す 好 都 合 で あ りま す 。 以 前 は 床 か ら吹 き 出 し天 井 か ら吸 引 す るupward systemも あ りま した が.成 績 不 良 に て 現 在 は 凡 てdown ward system で あ りま す 。
冷 凍 機 の 能 力
冷 凍 機 の 能 力 は 取 入 る 可 き外 部 新 鮮 空 氣 及 循 環 室 氣 の 冷 却 及 漁 度 調 整.構 造 物 周 園 よ りの heat trausmission 、 electriclight、 内 部 の 發 熱 器 物 、 及 牧 容 人 員 よ りの 放 散 熱 等 總 て を 計 算 し て 決 定 す 可
き もの で あ り ま す 。 大體 の 見 當 と し て は 米 國 等 に て 陸 上 に て は1,000 人 當 りに 付 約50 tons.又 船 のpublic spaceに て は35.3cub .m. に 付 1 ton、state room に て は 約 56.6 cub.m. per ton refrigerating capaclty と云 つ て 居 る 人 も あ り ま す 。*
5、 冷 房 設 備 の 二 三 例
列 車 の 冷 房
列 車 にair conditioning 設 備 を し た の は 、1884 年 に 米 國 Baltimore and Ohio 鐵 道 で 氷 を 用 ひ て 車 内 を冷 却 す る方 法 が 試 み ら れ ま した 。 其 後 次 第 に 獲 達 し 、1929年 に は 同 鐵 道 客 車 に 機 械 的 装 置 を 取 附 け た｡之 はNII3冷 却 機 を 用 ふ る方 式 で 實 際 的 に 成 功 して 居 る 。 而 し て1933年 に は 全 米 國 に てair conditioningを 設 備 せ る 客 卓 は648輌 の 多 き に 達 し 、1934年 に は 尚 倍 加 し 、 1935 年 に は4,000 臺 の 多 数 と な り、 殊 に New York とChicago 間 を 走 る New York Central Railway, Pensilvania Railway 其 他数 種 の 鐵 道 は 競 つ て 全 列 車 に 冷 房 を 行 ひ 、他 の 鐵 道 で も冷 房 装 置 を 設 備 し
な い 会社 は 無 くな つ た 様 な 状 態 で あ りま す 。
氷 を 用 ひ て の 冷 房 装 置 は 氷 に 清 水 を か け 冷 水 を 造 り 、之 を卿 筒 に てcoolerに 途 り、 此 cooler の 表 面 に 風 を當 て 途 氣 を冷 却 す る方 法 で 、 機 械 的 の も の は フ レ オ ン 、 ア ン モ ニ ヤ 、 メ チ ル ・ク ロ ラ イ ド
等 compressor に てcompressせ るgasを 列 車の 進 行 速 度 及fan を 用 ぴ air cooling. に て 液 化 し 、 cooling coil 内 に て direct expansion せ し め 、 室 氣 を 冷 却 す る方 法 と 、steam jetを 利 用 す る もの と が 主 と し て 用 ひ られ て 居 りま す 。
*
1935 年 に 於 け る米 國 の 客 車 冷 房 は 機 械 力 に 依 る も の2,000豪 氷 を利 用 す る もの1,500 臺 以 上 、 steam jet に 依 る も の700 臺 以 上 と云 ふ 有 様 で あり ま す 。 米 國 の 列 車 冷 房 設 備 に 支 拂 は れ た 金 額 は 年 度 別 に し て 大 體 次 の 通 り と云 は れ て 居 りま す. 1931 年 $ 15,000 1932 年 $40,000 1933 年 $ 2,650,000 1934 年 $21,800,000 街 米 國 に 於 け る 詳 細 は 末 尾 の 表 を御 参 照 願 ひ ま す. 満 鐵 あ じ あ 號 冷 房 装 置
先 般 満 鐵 あ じ あ 號 に 使 用 せ られ ま したair conditioning は steam jet 式 で 、 東 洋 キ ャリヤ ー 会 社 が 施 工 致 し ま した もの で あ り ま す 。air conditioning の 方 法 は 各 客 車 の 天 井 裏 に cooling coil and fan
を 置 き 、 冷 凍 装 置 は 車 體 の 床 下 に 吊 下 げ て あ り ま す 。steamの 使 用 量 は 毎 時 1 tonの 冷 凍 能 力 に 封 し て 約11∼15kgを 要 す る との 事 で あ り ま す 。
南 海 電 車 の 冷 房 装 置
南 海 電 車 は 昨 年 客 車 一 輌 に 冷 房 設 備 を施 工 致 して 居 る の を 私 が 見 學 致 し ま した 。 機 械 は 大 阪 金 屬 工 業 會 杜 製 の10HP.メ チ ル ・ク ロ ラ イ ドMifugirator compressor 2 臺 を床 下 に 設 備 し.condenser
も 同 じ く 床 下 にfan設 備 のair cooling 式 と し 、 天 井 四 箇 所 にdirect expansion cooling coil を 設 け.1/2馬 力fanに てcooled air を 客 車 内 に 天 井8箇 所 よ り吹 き込 む 設 備 と致 し て 居 りま し た 。 車 内 の 温 度 は外 氣 よ り も2.2° ∼2.8℃ 低 温 に 保 ち 、 濕 度 を60%と す る 計 書 と の 事 で あ り ま した 。 成 績 が 良 く本 年 は 南 海 電 車 の 急 行 車8輛 全 部 冷 房 車 に 改 造 す る と云 ふ 事 で あ り ま す 。
外 國 船 のAir Conditioning
a. Normandie
冷 房 室 名 1st class dining saloon and 8 private saloons. 冷房 室 寸法 91.5m (L) × 15.2m(B)×9.15m (H) (凡 て最 大寸 法)
Floor area 1,070m2. Vol. 6,600 m3. 人 員 其 他 Passenger seats 1,000 Electric lights 110 kw. 床 、天 井 はcork boardに て防 熱 を なす 。 保 護 外 氣35℃(95°F) 濕 球 温度 24℃ (75°F) 室 内25℃(76.5°F) 濕 度 53% 但 し人員 及 電燈 は前 記 の通 りに して、海 水 温 度 27℃ (80°F) 以 下 の時 とす9 風 量 全送 風量 1,640m3 /min., conditioned air change 15 times /hr.
外 氣 取入 量440 〃 〃 〃 4 〃
最 大 換 氣量 1,190 〃 〃 〃 〃
鐵 道省 關釜 連 絡船 金 剛 丸 、興 安 丸 冷 房 装置 に就 て、 加 藤絹 秀
811
但 し 以 上 は 夏 季 及 冬 季 に し て 、 他D季 節 に は 外 氣 を9りOm3迄 櫓 大 し得 。 両 し て 室 内 に 蝕 分 に な り た る 空 氣 は 排 氣 途 風 機 に 依 り大 氣 に 排 出 す 。 冷 凍 機 使 用 中 は 約425m3!min,はgalley; pantry を 通 過 し て 大 氣 に 誹 出 せ ら る ◎
装 胴置 Air conditlolliDg ul}its 2 sぜts.1set on boat dk. for fore part of saloon. lset Oll sun dk. for aft. 〃 〃 〃 S})rこもywaもer tyP《 う.
Fan motorは 341-1.P., sta tic press.50mm.
Trunk Max.1,ectional area 7in2,吹 出 口 藪9,060、 天 井 、 壁 よ り 吹 く 吸 込 口 藪82、 屡 上 柱 よ り 吸 込 む 。 調 節 夏 季 以 外 は 塵 縮 空 氣 を 用 ひ る もherlmstatに 依 りdamperを 自 動 的 に 調 節 す 。
冷 凍 機 Cari'ier cぐnもrifugal type comprossor. C:・ipacitty 185 tol1, c (z)mPreドsor 3,700 r.P.nL COmpresgor lll ot(》1・225 H。1).1 ,(.}00 r.P.m・ 1鍼 s,haf右 tミii}nel轄
b、 9ueen Ma】py
施 行 者 Carrier Engineering Co. Ltd. of Lond on . 冷 房 室 名 ユst. c!ass dilling s. alo()n with 4 private saloons.
Tourist, claSS dinii}9 saloon翫nd hair(呈ressi茎}g r◎(♪m.
(110t only is it the largest ever installecl iR any ship, but iもis the most modern Plant of its kind hl the world)
装 置 5sets・ii}dipendenもair-condit{oni ltg plants. (三∼sets, for lst clasS{-li i} ing S d◎ つP)
Tしtal ea})acit・y about 198,000 m3/hr。 of condit三 〇ned a1r, 保 詮 ()apabilit・ies of t・he Air-Condiも!oning installatibn.
冷 凍 機 3seむs ref. plant・.
a. Foster wheeler vacuum ref. P1ant∫or ユ$むsaloo11&二10unge in after auxiliary generator room,(air(londitioningにsteam jet ref, plantを 使 用 せ し は 舶 用 と し て は 本 船 が 最 初 な り) Capaciもy 3・6m窪ofτ τ臨イer per minu毛e from 11。C(51・6gF)t◎8℃(47◎F>. Stgam press。14kg/em2. b. Halls CO窪ref.ユ 灘achine for tom・ist diDhユg sεし三〇〇n。
(apart of the shiP's stores re frigerat ing q. ystem)
c.HaH mark n)ethy'ichloride machine for hairdressing room. 電 動 機Moむ ◎r for air co簸ditlo堪 丑g iiユstRllatioR 17 sets凶o揺1100 H・P・
C. 共他 の船舶
66 Prinsendam, " Holland-American Liner's New Ship. (not completed)
213mL)•~26.5m(B),_Displacenaent_37,000 tons. Is class cabins 600, tourist-class cabins WO_
Air conditionings space: 3 magnificent dining saloons, theatre, beauty parlors. Works: Carrier continental of France.
Machine : . 2 sets farrier centrifugal ref. units. Total capacity 290 tons
本 船 が centrifugal ref, machine. を使 用 せ る世 界 . (including.France,Japan,and United States) に 於 け る第 5 番 船 な り.
Manhattan
" and 66
Washington,
United States Lines.
Air conditioning
space:
main and tourist dining saloons.
本 船 の 冷 却 機 は air conditioning 專 門 な らず して 、 他 のice making, provision & cargo ref.chamber用 と共 通 な り。
"N.
Y. Victoria,
"
Lloyd Triestino
Line, built 1931.
Air conditioning
space:
main dining saloon and de Luxe Cabins.
本 船 がair conditioningを 舶 用 に 應 用 せ し最 初の も の な り。" Mariposa, " 66 Monterey " and " Lurline, " Matson Line . Air conditioning space : main dining saloon.
35 4m •~ 21m •~ 2.67in, passenger seat 475. Fan capacity: 450 ma/min.
内 外 氣 取 入 量110∼230m3/mill. Room temp. : 24•Ž (75•‹F) •` 27•Ž (80•‹F) Humidity : 50%
ref.machineはair conditioning 專 用 な らず 、 他 の 冷 藏 庫 と 共 用 な り。
Capacity
70 tons.
66
California,
"
Virginia " and 6,
Pennsylvania,
"
Panama Pacific Line.
Air conditioning space : main dining saloon.
Carrier air conditioning plants of 85 ton capacity.
以 上 は"Carrier International News;"Marine Number(April 1936) 其 他 よ り材 料 を 集 め た も の で.之 れ に 依 り ま す と 、air conditioningを 設 備 せ る 船 は 現 在 迄 は比 較 的 少 な く 、主 と して 1 st class dining saloonに 用 ひ ら れ て 居 りま す が 、今 後 優 秀 客船 は殆 ん ど設 備 す る様 に な り、其 範 園 も sal on 以 外 の public .spaceに も及 び 、 樹 進 ん で はstate room 迄 達 す る も 遠 き事に 非 ず と 考 へ る次 第 で あ り ま す 。,
今 或 る雑 誌*に 載 せ て あ る air conditioning の 場 合 の 換 氣 量 を 紀 し て 見 ま す と *
鐵 道省 關釜 連絡 船 金 剛 丸 、興 安 丸 冷 房装 置 に就 て、 加藤 絹秀
83}
In a liner fitted with gowl air-conditioning
equipment
the following would be typical
air changes:— inlet
outlet
Passeng.r's living accommolation
5
5
Public rooms
8-20
8-20
Crew's accommoda4.ion
10
10
Galleys n I al rooms attached
20
30
Hos!rital
10
10
Swimming ha li
15
15
Lava'ories an,1 lath rooms
10
15
It is usually founi possible to lecircu'ate frorn 70% to 75% of extracted
air.
6. 連 絡 船 金 剛 丸 、 興 安 丸 の 冷 房 装 置 に 就 て 爾 船 の 主 要 項 目 は 下 の 通 りで あ り ま す 。 奈 長 13410m 馬 力 、最 高速 力の時) 17,363 軸 馬 力 長 (垂線 閃) 126.50 〃 〃 (正 規) 12,000 〃 幅 モー ル デ ツ 卜)]746 〃 族 客定 員 深(〃) 1000〃 1 等 帳 壷) 46 名 吃 水(満 載) 6・10 〃 2 等(寝 蔓). 80 〃 総 噸 藪 7,104 噸 (雑 居 室) 236 〃 載 貨 容 才責 12, 700m3 3 等 (寝豪) 200 〃 最 高 速 力 23・193 節 ( 難 居室) 1,184〃 航 海 速 力 20 〃 合 計 1,746 〃 兩 船 Air Conditioning. の 設 計 に 就 て 鐡 道 省 に 於 か れ て は 、 今 般 の 新 關 釜 蓮 絡 船a三rcmitlonin,gに 就 き て は 本 邦 最 初D船 舶 設 備 な る 上 、 本 邦 否 匿 界 の 最 大 範 園)設 備 を 敢 行 せ られ 、非 常 な る 關 心 を御 持 ち に な 肌 調 査 御 研 究 致 さ れ.吾 々 建 造 者 を御 指 導 下 さ い ま した 事 を 冒 頭 に 於 て 御 禮 申上 げ て 置 く次 第 で あ 珍ま す 。 冷 房 装 置 に 封 して は 長 崎 造 船 所 と して は 始 め て で あ り ま し た か ら 、鍬 道 省 か ら蓮 絡 船の 御 引 合 が 有 り ま した 當 時 、 早 速 斯 界 の 光 畳 者 高 砂 媛 房 工 事 株 式 含 枇 、 東 洋 キ ヤ リ ヤ ー株 式 會 杜 等 り專 門 家 の 意 見 を聞 き 、造 船 所 と し て も大 に 調 査 研 究 致 した もの で あ り ま す 。 冷 房 装 置 の 範 園 に 就 きて は 、 I. 各 等 客室 及 公 室 全 部 。
II. 各 等 公 室 の み 冷 房 装 置 と して 、 他 は fresh air の 吹 込 式 。
III. 各 等 公 室 及 3 等 室 冷 房(關 釜 連 絡 船 の 實 歌 調 査 の 結 果 、3等 室 は 夏 季 特 別 に 蒸 し暑 く是 非 必 要 な り と の 事 判 明 せ し爲 め)。
等 種 々 案 を 作 り、 調 査 研 究 致 しま した が 、結 局 第1案 の 通 り各 等 客 室 及 公 室 全 部 冷 房 装 置 と決 定 致 し ま した),
freshair取 入 量 毎 分0.23m3 (8ft3) と云 ふ 事 に 致 し ま して 、1等 及 公 室 の 如 く人数 の 少 な き所 は換 氣 同 歎 は 少 な く、3等 雑 居 室 の 如 く多 人 数 の 所 は 從 つ て 同 藪 多 くな りま した 。 詳 細 は 別 表 の 通 りで あ り ま す 。 倫 逡 風 量 の 牛 分 は recirculatlon system と致 し ま し た 。 本 船 は 夜 航 便 と云 ふ 建 前 で 設 計 せ ら れ て 居 りま す の で 、 夏 の 夜 の 外 氣 状 態 は 日本 内 地 で は 最 も蒸 し 暑 い と稻 せ ら れ て 居 る 長 崎 の 最 も暑 い 時 を標 準 に 探 り、 夏 季 外 氣 温 度300C(8501F) 灘 度73%(灘 球25℃) (780F) 室 内 〃 27ec(85T) 〃55% (〃 20℃ ) ( C80F) 冬 季 外氣 〃-10C(30。-F) 〃 60% (〃-3℃) (26・2。F) 室 内 〃 22℃ ∼7160F) 〃40∼ 50% (〃145℃) (5S20F) と 指 定 致 し ま した 。 冷 凍 機 はshafttunne1に 設 備 す る 關 係 上 、天 井 が 低 く、機 械 の 高 さ は 出 來 る だ け 低 くす る様 に 要 求 し 、叉 陸 上 と異 りrolling,pitching等z)爲 め 特 別 の 注 意 を 拂 ぴ 、 冷 媒 のfreesurfaceに 就 きiWftiの 起 ら ざ る様 、又condenserccolingwaterは 海 水 な る 爲 めgalvan三cacti(,nに 封 す る 注 意 、及 び陸 上 機 よ り もcondensertubeの 掃 除 頻 繁 な る を 考 へ 容 易 に 出 來 る 様 等 種 々 注 意 をM}つ た 次 第 で あ りま す 。海 水 温 度 は 關 釜 間 の 實 状 を 鐵 道 省 に 調 査 し て 頂 い た 結 果270C(80。F)以 上 に な る 事 は 殆 ど稀 な りと の 事 で あ り ま した か ら.condeIIsercoolingwaterは27℃(80。F)と 指 定 致 し ま した 。普 通 陸 上 のairconditiouing は 室 氣 洗 瀞 法 のdirectsystemを 探 用 し て 居 りま す が 、此 式 な れ ば 場 所 を 多 く要 し 、 本 船 に て は 其 の 齢 積 が な き爲 、 冷 凍 機 に て 冷 却 さ れ たcooledwaterをAerofintubeの 中 を通 し 、其 の 外 側 をair passageと す るindirectsystemを 探 用 致 し ま した 。 叉 外 氣 取 入 室 氣 は 場 所 の 關 係 上 煤 煙 混 入 の 虞 れ 有 り、filterを 設 備 致 す 事 と致 し ま した 。fiherに は種 々 有 りま し て 、 金 屬 製 に て 洗 糠 して 再 度 使 用 出 來 る 型 も 有 り ま す が 、 取 扱 煩 雑 に て 洗1條實 行 困 難 と考 へ 、glasswoo1型 を探 用 致 し ま し た 。 冷 凍 機 及airCOA・ditiOner一 切 を第1船 の 金 剛 丸 は 高 砂 媛 房 工 事 株 式 會 杜 に 、 第2船 興 安 丸 は 東 洋 キ ャ リヤ ー 株 式 会 杜 に 註 丈 致 し ま した 。 右 爾 者 は 陸 上 工 事 も甚 だ 多 く施 工 し て 居 られ 、 日本 に 於 け る 斯 界 の 先 進 者 と し て 認 め られ て 居 り 、1 隻 分 宛 註 文 した 次 第 で あ り ま す 。 冷 凍 機 、conditbner,conditionerrm.arrangelnent,trunkingarraDgemerlt等 は 高 砂 叉 は キ ャ リ ヤ ー に て 夫 々基 本 設 計 を な し 、造 船 所 に て 船 禮 構 造 其 他 に 差 支 へ ざ る 様 墾 改 し 、trunking 製 作 圖 は 造 船 所 に て 作 製D上 現 場 施 工 し ま した 。 trunking 本 禮 は 下 記 の 如 くinsUlation致 し ま し た。 airductleadで 他 室 を 通 る もの は テ ッ ク ス で 防 熱 し 、bathroom,galley,paIItry等D温 度 高 き 所 はcorksheetを 使 用 し 、1 st dass及 び 公 室 等 自 室 で も木 張 りの 中 を通 る もの はasbestossheet で insulation致 し ま した 。dactか ら のair 吹 出 口 はvelocityairを 吹 き付 け る の で、不 向 の もの は 特 別 な るdiffusinggrilleを 用 ひ 、 其 室 全 艦 に 披 が る 様 致 し ま し た 。 然 し1等 客 室 の み は 入 歎 も少 な く 乗 船 の 際 短 時 間 涼 風 を 吹 き 付 け 得 る様 punkah louvre を 用 ひ ま し た 。
鐵 道 省 關 釜連 絡船 金剛 丸 、興 安 丸 冷房 装 置 に就 て 、 加藤 絹 秀 85
冷 媛 房 装 置 を 施 した 室 の 全 客 積 は 約 6250 m3, conditio. ner は 69ets で 其 總 途 風 量 は 毎 分 850 m3。 第 9 圖 の 通 りboatdk.上 に eonditioner room を 3 箇 造 り 、 其 内 に cohditioner 5 sets を納 め. 尚 1 set は upperdk. の εft end に 設 備 して あ り ま す 。
金 剛 丸 冷 媛 房 装 置 註 文 先: 高砂 媛房 工事 會 杜
製 作 所: 冷却 機 及 ビ螂 筒類 〃ま荏 原製 作所 。迭 風機 、 サ ー モ ー タ ン ク・ コ ンデ シヨ ナー 類 摘 砂暖 房 工
璽 事會 社
、, 電 氣 部 分 は三菱 電機 会 社 。"
a) 1 set Turbo ref. machine with I H.P. evacuator, '/, 11 P. oil pump etc.
Machine capacity, 140tonsr (米 - 冷藏 噸)
at condenser cooling water 27•Ž (8'/T), cold water. utlet 4.5•Ž (4f)°F). Compressor speed, 3,510 r.p.m. Refrigerant, Dichloro methane (CH,C12).
Compressor motor, 190H.P. •~ 3,510 r.p.m. •~ 450 amp. •~ 220 V.A.C. x 60x 3 phase. Condenser cooling water pump:
Type, vertical centrifugal type. Capacity, 2.54tn"lmin. Pressure, 13.7m water head. Speed, 1,750 r.p.m.
Motor, 1511 P. •~ 36.6 amp. •~ 1,730r.p.m. x 220 V.A.C. x 60 x 3 phase. Cold water circulating pump:—
Type, vertical centrifugal type. Capacity, 2m3/min. Pressure, 21.3m wa4er head. Speed, 1,730 r.p.m.
Motor, 15H.P. •~ 36.6 amp. •~ 1,730 r.p.m. •~ 220 V.A.C. •~ 60 •~ 3 phase. Evacuator motor, M.P. •~ 3.1 amp. •~ 1,720 r.p.m. 〃 〃 〃 Oil pump motor, '/2 H.P. •~ 2.24 amp, •~ 670 r.p.m. 〃 〃 〃 b) 1 set -Spray pump for air conditioner.
Capacity, 14 lit/min. Pressure, 5 kg/cm2
Motor, 72 H P. •~ 19 amp. •~ 1,125 r.p.m. •~ 220 V. A.C. •~ 60 •~ 3 phase. c) Air Conditioners, Thermotanks and Supply & Exhaust Fans.
興 安 丸 冷 媛 房 装 置 註 文 先: 東 洋 キヤ リヤー株 式 会社
製 作 所: 冷却 機 及 び螂 筒類 は 荏原 製 作所.但 し塵縮 機 の扇 車 類 は米 國 キヤ リア會 就 製 。 サμ モ メ ン ク、 コ ンデ シ 翼ナ ー類 は東 洋 キヤ リヤ ー株 式會 社,電 籔 部 介 及び 溌 風樫 け罵 芳電 機 會社 。 a) 1 set--urbo ref. machine with H.P.2 liquid pump, 1H P x 3.1amp. x 1,720 r.p.m.
Condensing unit, evacuator, oil pump driven by gearing etc.
Alachinecapaclもy,140もons.(冴 な一∼会藏 麺頓)
at condenser cooling wate: 27°C, cold water outlet 8°C.
Speed, 5,5'10 r p m. Refrigerant,
t v
No. 2 CFC),)
Compressor nitor,
170H.P. x 1,760 r.p.m. x 390 amp. x 220V.AC. x 60— x 3 phase.
Condenser cooling water pump : -
Type, vertical centrifugal
type.
Caracity, 2.6 m',/min.
Pressure, 18 3m water head.
Speed, 1,740 r.p.m.
Motor, 15 H.P. x 36amp. x 1,740 r.p.m. x 220 V.A.C. x 60— x 3 phase.
Cold water circulating pump :--
鐵 道 省 關 釜連 絡船 金剛 丸 、興 安 丸 冷房 装 置 に就 て 、 加藤 絹秀 87
Pressure, 33 5in -wa'er head. Speed, 1,745 r.p.m.
Motor, 40 H.Y. •~ 96 amp. •~ 1,745 •~ 220 V.A.C. •~ 60 •~3 phase. h) 1 set- pray pump for air conditioner.
Capacity, 27 lit./min. Pressure, 20m. water head.
Motor, 1 H.P. •~ 3.1 amp. •~ 1,720 r.p.m. •~ 220 V.A.C. •~ 6O •~ 3 phase. c) Air Cond:tioner, Thermotanks and Supply & Exhaust Fans.
金剛丸 冷房装置用 玲 凍機 陸上試験成緯表
場 所 荏 原 製作 所 施 行 者 高砂 暖 房工 事株 式 會社: 時 日 昭 和 11 年 3 月 23 日 140 Ton Turbo Refrigerator
Particulars :—
-Evaporator : Outlet temperatthe, 40°F. Water quantity, cub. ft/min. 70 Condenser: Water inlet temp , 80°F. 〃 〃 〃 90
Motor: Cycle 60, Amperes at full load 450, Volts 220, Rev./min. 3,510, H.P. 190. Refrigerant : Dich:oro methane (CH2C12)
Remarks:—-Start at 1°-30' P.M. Stop 6°-00' •@•@•@" Super heat 122•Ž Oil temp., Inlet 53•Ž.
鐵 道 省 關 釜連 絡船 金 剛丸 、 興 安 丸 冷房 装置 に就 て、 加 藤絹 秀 89
興 安 丸 冷 房 装 置 用
冷 凍 機
陸上 試 験 成 績 表
場所 荏原製作所
施行者 東洋 キヤ リヤー株 式会肚
時 日 昭和 11 年 7 月 23 日
Carrier Centrifugal Refrigeration
Machine
Capacity
140 Ton/hr
Particulars
Evaporator : Out!et temp., 40°F. Water qu,ntity
600 g Ill./min. 96 cub. ft/min.)
Condens-r ; Water inlet, 80-F. 〃 〃 5SO 〃 (93 〃) Motor : 170 H.Y. x 1,760 r.p tn. x 390 amp. x 220 V.
Refrigerant : 1, 7./ No. 2 (CFC13) Remarks : - Start at 90-20 A M. Stop 6°-00' P.M. 1-Zoont temp. 90°F.
興 安 丸 冷 暖 房 装 置 温 度 測 定 結 果 表
(初航海東洋 キヤ リヤー關係者にて計測)
興 安 丸 冷 暖 房 装 置 温 度 測 定 結 果 表
(初航海東洋 キヤ リヤー關係者にて謝測)
鐵 道 省 關 釜連 絡 船 金 剛丸 、興 安 丸 冷房 装 概 に就 て 、加 藤 絹秀
931
興 安 丸 冷 媛 房 装 置 温 度 測 定 結 果 表
(第 二航海東洋 キヤ リヤー關係 者にて計測)
興 安 丸 冷 暖 房 装 置 温 度 測 定 結 果 表
(第二航海東洋 キヤ リヤー關係者 にて計測)
金 剛 丸.興 安 丸 Air Conditiening 試 験 の 結 果
両 船 用 冷 凍 機 は 何 れ も荏 原 製 作 所 に て 陸 上eapaeitytest致 し ま し た が 、 別 紙 成 績 表 の 通 り何 れ も desigk eapaeity よ り良 好 な る 域 績 で あ りま す 。,
船 内 設 備 後 のactualtestは 金 剛 丸 引 渡 が 昨 年 10 月 末 、 興 安 丸 は 本 年 1 月 15 日 で 何 れ も冷 房 の 必 要 な き 時 期 で あb、 且 つ 現 場 工 事 が 入 り飢 れ て 完 成 を 急 ぎ 居 る爲 めwindow,door等 を 閉 め 切 り test を す る 事 出 來 す 、 唯 だ 冷 凍 機 を蓮 轄 しeGnditionerを 使 用 しdiffusing grille か ら吹 き 出 す air を 試 験 した 程 度 で あ り ま す が 、充 分 豫 期 の 域 績 を 得 る確 信 を得 て 居 りま す 。
冷 凍 機 船 内 蓮 韓 のdataは 別 紙7)通 りで あ り ま す 。 術 冷 房 髪 置 の 實 際 の 試 験 は 本 年 し月 盛 夏 の 候 に 船 主 、makers、 造 船 所 三 者 立 会 の 上 關 釜 實 際 就 航 中 に windows, doors 等 を 閉 鐵 し て 致 す 事 に な つ て 居 り ま す 。 暖 房 装 置 も引 渡 迄 は 完 全 な るdataを 取 る 事 出 來 す 、 唯air conditioRer にsteam を 通 しgriUeか らの 出 口室 氣 状 態 を 取 調 べ 、 充 分 暖 房 目的 に 適 す る を 確 め た 次 第 で あ り ま す 。 興 安 丸 引 渡 就 航 後2航 海 東 洋 キ ャ リヤ 一 係 員 乗 船 の 際dataを 探 られ た の が 別 表 の 通 りで 良 好 な る 成 績 を墨 げ て 居 り ま す.
7. 結 語
以 前 に 述 べ ま した 檬 に 世 界 最 近 の 豪 華 船QaeeRMary叉 はNOnormandie 等 に 於 て
もaircenditien-ing を施 せ る は僅 に1st class dinもaircenditien-ing'saloOn及
び 一部 公 室 位 で あ りま すが 、本蓮 絡 船 は各等 客 室及
公 室全 部 に亘 る劃 期 的 な廣 範 園の 冷 房 装 置 を施 した事 は 、全 く世 界 の尖 端 を行 く もの で 、甚 だ愉 快 に
堪 へ な い次 第 で 、鐵 道 省 が 特 に 三 等 優遇 の 實 を塁 げ られ た もの で あ りま 飢 、今後 欧 洲 航 路 や桑 港 線 婁
他 の 優秀 族 客船 建 造 の場 合 に は 、少な くと も1 st c1ass public space は総 て冷 房 装置 と し、術 進 ん で
は本 連 絡船 の 檬 に 客 室 に迄 及 ぶや うに な 乙の で は な いか と豫 想 せ らる 次 第 で あ ります。終 りに臨 み
ま して鐡 道 省 が 世 界 に先 だ ち、斯 く廣 汎 な る marine air conditioning を敢 行 せ られ 、我 國造 船 界 に
一 段 の 進 歩 蛮達 を齎 らせ られ た 事 は造 船者 と して甚 だ有 難 く感 じて 居 りま す と共 に
、高 砂 媛 房工 事株
式 会 社 虹 に 東 洋 キ ャ リヤ ー株 式 会 社 が 本 工 事 に封 し多大 な る御 努 力御 研 究 を され.本 邦 最初 の船 舶 用
air conditioning が 無 事 完 成 した事 を御 喜 び 申上 げ る と共 に 、本講 演 に關 して高 砂 の 柳 町政之 助 氏
東 洋 キ ャ リヤ ー の宇 高 義 達 氏 其 他の 方 々 よ り多大 の御 援 助御 指 導 に預 り ま した 事 を 本 席 上 に て厚 く御
禮 申上 ぐる次 第 で有 ります 。
鐵 道省 關釜 連 絡船 金 剛 丸、 興安 丸 冷 房 装置 に就 て、 加藤 絹秀 95
第 2 表 1935 年 1 月 現 在 迄 の 30 都 市 に於 け る
冷 房 装 置 め槍 討
第 3 表 1935 年 1 月 現 在 に 於 け る各 都 市 冷 房 装 置 と
設 置 建 物 の種 類 との 關 係
鐵 道 省 關釜 蓮 絡船 金剛 丸 、興 安 丸 冷 房i装置 に就 て、 加藤 絹秀 97
第 4 表
米 國 5 大 都 市 に於 け る冷 房 装 置 を施 しπ 建 物 の
種類 と数 及 び 容 量 を示 す
(Air Conditioning Market Data に 依 る)
第 5 表
(2) New York City (Manhattan and the Bronx only)
鐵 道省 關釜 連絡 船 金剛 丸 、興 安 丸 冷 房 装置 に就 て、 加 藤 絹秀 10
第 1 圖
第 2
圏
素京及びべ ルリンル於 ける各月の平均 温渥童辺些毯 萱 東 京及 カ ロ ンドンル於 げる.各一月の乎 均 温 渦 暖の比 較 表第 3 團
東京覆 び シか ゴK於 ザる 月の 笛均 過 毒渡 の比 較 表第 4
圖
搬京及 ひニューヨークル於 けb`z"flり平狗 温 温 度の比 較 表鐵 道 省 關 釜 連絡 船 金剛 丸 、興 安 丸 冷 房 装 置 に就 て、 加藤 絹 秀 103
第 5 圖
キ ヤ リア空 氣 賦 態 圖 表
冬 期 及 夏 期 快 感 蔚 記 入第 7 圖
タ ー ボ 冷 凍 装 置 断 面 圖
第 8
圖
第 10 圖_
金 剛
丸
高 石少 荏康 タ ーボ 冷 凍 .装置 断 面 圖
第 11 圖
金
剛
丸
鐵 道 省 關釜 連 絡 船 金 剛 丸 、興 安 丸 冷房 装 置 に就 て、 加 藤 絹秀 107 第 12 圖
興
安 丸
AiR
CONDiTIONER
第 13 圖 金 剛 丸 通 風 燦 魯 冷 房 壊 置 詮 明 図鐵 道 省 關 釜 連絡 船 金剛 丸 、興 安 丸 冷 房装 置 に就 て、 加藤 絹 秀 109
第 1５ 圖
第 16 圖
第 17 圖 キ 潅噂 マ.セ ン 施 サ ツ ユ 鼎 ガ ル 毒;1醒 轟 鳳 灘 庶 綱3鋤 ・拶 焦 曾.畷 樽 鉱 ・灘 ・瓢,鱗 孕 ・ 誓 櫓 越 ミ日 さ1轍・・v曳41・8穫 械 ・轡 掘 瀕 くiジ 、:涛 へ勧 ご・蜘 瞬 ゼ い磁 ㌦・唱 てメ・ ・' ・・き'"^称 ア、轟 こ窺 璽 ♪￡、萎舞磯}匿 な 驚 い 蓬'一 蹴 吃}'tl 弊率}一.1、㌶ 麟 馬 ギ瑛 藩 鞭 ノ1冷庵:騰2バ1駕 臼 泰 ㌦…瞭 、」 くk町 ・・ 窟 恵 瀬 鷺 瓦 写ll・㍗ 胆 な1` 轡1峯縷 続:論fx'・ な 彦、鋳 麿 津籔1寒 繋 きミ 幣 弩㌶ 乞 る儀 権 な 竃 口 ξ ㌦ 触 一 ㌔貯 ン乱 農糠1な 一 い ・睾蕊1嚢級N・ 瀦 跨 な くge`い ギ醸層 さ 》1雛 壽、1-、 、陣 筏 ∫罫 ・ノ・ ギ1§届 ヤ懸 ＼驚 る ・}'ll挙 旨,鯨:ヂ 鰯 一 亀ゾ 蹴 隔 蕊∵φ響 ㌧/曽 三tt・ ド {頓 二い 睡1実 、 擁 廻 、嚇 な 薄 嫁 鞭,鐵 ミ博 鴇 濠 ジ 第 18 圖 'く擁 蘇 曹 三挙 煮 ㌔'一'∴:∴'㌶ 戸
鐵 道省 關釜 連 綜船 全 酬 丸 、興 安 丸 冷 房装 署 に就 て、 加藤 絹 秀 111
第 19 圖
第 20 圖
第 21 圖
金 剛 丸 Ａir Conditioner 外 形 圃
第 22 圖 興 安 丸 Air Conditioner 外 形 圖
鐵 道省 關 釜 連絡 船 金 剛丸 、興 安 丸 冷 房装 置 に就 て 、加 藤 絹秀 113
第
23
圖
金
剛
丸
冷
房
用
冷
凍
機
第
24
圖
East, %%A. V WCW.1.0 Refriatration Unit erected /Aiwa titirpeaeli tit Persia in connection .ith an air ,ontlitioning plant. This unit rook 100 gallons of water per minute froalFal, to Orrah. The total steam romontotion W. ie. than 1,20(1 per hour at 1,A0 ' water per minute lb, pet $.41, prossorr and 54#2.Fah. Tho contionaer was supplied with Mi. getilom eaohng ttit was b
鐵 遺 省 蘭 釜 連絡 船 金 剛 丸 、興 安 丸 冷 房 装 遣 に就 て 、 加藤 絹 秀 115
討
論
○ 座 長(藤 島 範 平 君)
誰 方 か御 質 問 又 は御 意 見 は御 座 い ませ んか 。
○ 山 本
熈 君
私 ぱ 本襲 置 を探 用い た しま した 立 場 か ら一
言 申 し添 へ た い と存 じ ます 。
此 の 室 氣調 和髪 置 を新 迭 關 釜連 絡船 に 取 付 け る と云 ふ事 が 世間 に 傳 は ります と 、官 臆 の事 業 者 か ら
其 の様 な贅 澤 な もの を取 付 け られ て は 困 る とか 叉 は 關 釜航 路 の 如 き短 甑離 の航 路 の 船 に は 其 の 必 要 は
無 か ら うとか 云 ふ様 な 御意 見が あ る と云 ふ 事 を耳 に 致 し ま した 。 私 は 是 等 の 御 意 見 に 就 て 詳 し く御 伺
ひす る機 會 を得 な か つた の で あ ります が 、是 等 の 御 意 見は 此 の 理 論 的 な 吾 々人 間 の 住 居 に 封 す る文 化
施設 を批難 せ らる の で は決 してな い と信 す るの で あ ります.人 間が 大 氣 中 で 生 活 を綾 け て居 ります
隈 り、
環境 氣 象 の歌 態 を 辞 々の 最 も好 む様 に且 つ健 康 上適 當 な 度合 に持 綾 しよ うと云 ふ の が 文 化 人 の
持 つ常 然の 考 じや な い か と思 ふ の で あ ります 。
從來 の 方 法 は 冬 は温 度 を1:げ て室 氣 を二
乾 燥 せ しめ 、其 の 爲 に 咽 喉 を害 す る事 が 多か つた の で す 。 假
令 へ之 に潔渡 を與 へ た に した庭 で 其の 度 合 と云 ふ もの が杢 く出鱈 目で あ りま して 、 其の 媛 房方 法 と云
ふ ものが 紅 濟 的 見地 か ら實 に能 率 の 悪い もの で あつ た の で あ ります.叉 夏 は 扇 風 機 で 室 内 の 汚 損 した
室 氣 を掻 き廻 し.而 も實 に 不愉 快 な ドラ フ トを身體 に 吹 きつ け る と云 ふ様 な事 を致 して 居 つ た の で あ
ります。 假 に サ ー モ タ ン クを用 ぴ ま して もフ レ ツ シ。
。
、ヱ ヤ 一 を適 當 な速 度 で吹 き込 ん だ に した 盧 でi換
氣 と云 ふ事 と 多 少室 内温 度―
室 内 は船 客 の 爲 に温 度 も漏 度 も外 氣 よ りは 一般 に高 くなつ て居 ります
一一一を低 くす る位 で夫 れ 以外 に外 氣 の歌 態 と大 した 差 が 無 いの で
、其 の 内 に在 つ て春 秋 の 候 を思 ぴ起
さす と云 ふ檬 な事 は 出來 な い ので あ ります 。 吾 々が 暑い とか 塞 い とか 感 す るの は環 境 室 氣 の熱 量 を考
へ なけ れ ば な らない の で 、此 の黒!iを
掴 へ た のが 此 の 室 氣 調 和 法 で あ りま して 、吾 々入間 の 生活 向 上 に
一 大進歩 を制 した事 と思 ふ の で あ ります。
此 虚 に 列 卓の 場 合 を 考へ ます と、 夏 は窓 を開 けれ ば 煤 煙 が 入 つ て來 て實 に不 愉 快 な もの です 。 冬 で
も窓 が … 重 で す と其の 間 隙 か ら矢張 り煤 煙 が 侵 入致 しま す。 殊 に窓 が 一 重 位 で は外 部 の喋 音 が 耳 に 入
つ て來 て族 客 を甚 だ し く疲 勢 させ ます ので 、是 等 の訣 黙 を除 くに は窓 を二 重 に し車 體 に防 音 髪 置 を施
し而 も屯内 の室 氣 に外 氣 よ り少 し駆 力 を加 へ て煤 煙 の 侵 入 を防 ぐ方 法 が 講 ぜ られ ます ので 、其 の結 果
客車 は必 然的 に室 氣調 和 髪 置 を設 け な け れ ば な らな くな るの で あ ります 。 近 來 歓 米 で は列 車 に此 の装
置 が 多 く朋 ひ らる 、
様 に なつ た の で あ ります 。既 に 満 鐵 の ア ジア號 は全 車 に此 の方 法 を探 用 し、朝 鮮
鐵 道 に於 て も食堂 車 に之 を用 ひ 、
我 國 有鐵 道 に於 て も昨 年 食 堂 車 に之 を設 備 いた しま した 。 近 き將 來
に下 關 行 急 行 列 車 、鮮 満 連 絡 列 躯に は総 べ て本 装 置 を施 す檬 に な る と思 ふ の で あ ります 。 斯 くな りま
す と此 間 に在 る關 釜連 絡舶 に 本 装 置が無い と云 ふ事 は 面 白 くない と云 ふ の で新 造 關 釜連 絡 船 金 剛 丸 、
興 安 丸に之 を取付 け る事 に致 した の で あ りま す。
本装 置 は從 來 の サ ー モ タン ク式 を探 用致 します事 を考へ ます と、冷 凍 機 と冷 房用 調 和 髪 置 を増 備 し
た位 で大 體 タ ク トに は攣 りが な い の で あ ります か ら、其 の使 用 に當 つ て外 氣 の状 態 を充分 に考 慮 して
適 當 に使 用致 し ます れ ば 大 して 贅 澤 な 鯨 分 な 装 置 と も考へ られ ない の で あ ります。
金 剛 丸 、興 安 丸爾 船 は竣 工 が 折 悪 し く冬 季 で あ りま した 爲 に 、冷 房 に就 て は未 だ試験 が濟 んで 居 り
ませ ん の で 、其 の 結果 に就 て皆 さん に 御 報告 が 出 來 な い の で あ ります が 、此 の夏 に は充分 試 験 を致 し
たい と存 じま す。 又本 装 置 を舶 用 に致 し ま した の は 世界 各 國共 未 だ 日が 淺 い の で あ りま して 、本 襲 置
の供 給 者 も遥船 所 側 も又吾 々 も經験 が な き爲 に 、設 備 の 黙 に就 き随 分 無 駄 もあ り且 つ 諸 配 置上 に まだ
まだ 改 良 の饒 地 が 多 々 あ る事 を感 じま して 、將 來發 達 すべ き本 髪 置 に封 し吾 々 は充 分 研 究 の 必要 が あ
る と痛 感 して 居 るの で あ りま す 。 加藤 氏 の 有 盆 な る御 講 演 に封 し敬 意 を表 しま す と共 に 、本 装 置 を探
用 す るに至 りま した理 由 を申 し上 げ た 次第 で あ ります 。
○ 森 澤 徳 太 郎 君
只 今 加 藤 さん の御 話 を伺 ひ ま す と私 は元 來 鐵 道 の方 に二十 年 も關係 致 して居 り
ま した の で 聯 か 今 昔 の 感 に 堪 へ ませ ん 。 山 本 船 舶課 長 の 御話 に もあ りま したが 、此 の 設備 が贅 澤 な も
の で あ る と御 考 へ に な る方 が あ るか も知 れ ませ ん が 、決 して 左様 な もの で は御 座 い ませ ん.實 は此 の
事 に就 き ま して は 私 が 二 十 年 許 りあの航 路 に 携 つ て ゐ て 常 に考 へ て ゐ た事 で あ りま した が 、不 幸 に し
て實 現 され な かつ た事 で あ りま した。 あの航 路 は極 め て特 種 な もの で あつ て 、從 つ て夫 れ に封 す る設
備 も外 國 に は な か つ た の は 當 然 で あ ります 。 日本 は風 俗 習慣 上 雑 居 室 が 發 達 致 して居 りますが 、經濟
で は あ ります が 極 め て非 衛 生 的 で あ り ま す 。ventilator のsectional area を規 程 の 約 三倍 と して
design致
し ますが 、之 は 眞 下 で は氣 持 が 良 く時 に は塞 い位 で あ りま す が 、一間 も離れる と全 く効果
が な い と云 つ た位 で極 め て能 卒 が 悪い 。皆 さん は三 等 に御 乗 りに な らぬか ら御 解 りな い か と存 じます
が 、 あ の航 路 の 夏 の状 態 は全 くひ どい もの で 、三 等 客 は男 も女 も裸 で ぎつ し り詰 つ た 儘族 行せ ねば な
りませ ん。 吾 々 運途 業者 か ら云 ひ ます と、 以前 は汽 車 の三 等 は我 漫 出來 るが 汽 船 の 三 等 は我 慢 出來 な
い と云 は れ て ゐ ま した が 、 蒔 々は斯 う云 ふ 事 を聞 き流 して は な らな い。 少 く共 汽 車 と同 じ設 備 を船 に
も必要 で あ る と思 つ て ゐ ま した.そ れ で 其 の 一 つ の 現 れ と致 しま して從 來 穀 で あつ た 席 を一段 と し
ま した 。 又段 々 traffie value が 大 とな る と定 員が 大 と な つ て來 ます の で 釜 よ苦 し くな り、三 等 な ど
に行 つ て見 ます と夏 は悪 臭 が甚 だ しく船 醇 をす るの が 當然 で あ りま す。 吾 々 も之 を前 か ら遺 憾 と思 つ
て ゐ ま したが 、幸 に鐵 道 省 が 英 噺 を以 て本 式 を探 用せ られ 、設 計 の 方 も研 究 され て金 剛 丸 、興 安 丸 に
取 付 け られ ま した 。試 験 は未 だ濟 ん で ゐ ませ ん が 、之 も是 非 完 成 され て 、海 上 の 客 も非 常 に氣 持 良 く
族 行 が 出 來 る 日の實 現 され ん事 を希望 致 し ます。 一寸 御 挨 拶 迄 。
○ 座 長(藤 島 範 平 暑)
誰 方 か他 に御 座 い ませ んか 。
○ 村 田 義 鑑 暑
誠 に新 時 代 に 帥 した 装 置 を見 事 に 完 成 され舷 に 御 發 表 に な つ た 事 に封 し 厚 く感 謝
致 し ます。 此 の夏 に實 際 の試 験 をな され る と承 りま したが 、其 の結 果 を ど うか 本 協會 の會 誌 に載 せ て
頂 く様 御 願致 し ます。 就 い て は御 伺 ひ致 し ますが 、公 室 客 室 の 周 園の 壁 のinsulation は 何 うな つ て居
りますか 。
鐵 道 省 關釜 連 絡船 金 剛丸 、興 安 丸 冷 房 ・装置 に就 て、 加 藤 絹秀 117
