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第3条および第4条について

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(1)

米国自動車保険約款免責条項  

第3条および第4条について  

坪 井 昭 彦  

Ⅰほ しがき  

本稀は,米国系の損害保険会社が現在わが国において使用しているForeign   AutomobilePolicy(以下たんにNewPolicすとして用いる)の免賓条項第3   集および第4条を遂条解説し,これらと米本国で使用されているFami1yAuto,  

mobile Policy(以下たんにFAPという)および日・英自動車保険約款の免   貴条項との比較・検討を行なうことを目的とする。  

(1)   

わたくしは,すでに,,ニつの小論において,New Policyの免責条項第1集   および斧2条を解説し,日・英両自動皐保険約款の免責条項とも比較・検討し   たが,その後,わが国の自動車保険の分野においていくつかの進展がみられた   ので,免資条項第3集および第4条の解説にはいる前に,これらの点について   簡単に.触れておきたいとおもう。   

まず第一に,昭和40年10月1日改正の自動車保険普通保険約款が7年振りに   改訂され,昭和47年10月1日より現行の自動車保険約款が使用されることに.な   った。現行約款は昭和40年の旧約款を全面的に改訂したものであって,在日外   国保険会社や諸外国の約款のすぐれた点を積極的に取入れ,担保範囲やてん補   基準の改善にカを注ぐなど,消費者主義の時代に十分対処しうるような約款に  

(1)拙稿「米国自動車保険約款免糞条項第1粂紅ついて」r香川大学経済論叢』第42巻第    1・2号,1969年6月(以下,拙稿「免茸条項第1粂に.ついて」と記す);拙稿「米    国自動車保険約款免童条項第2条について」F香川大学経済論割算45巻第3号,   

1972年8月(以下,拙稿「免茸条項第2条について」_と記す)○   

(2)

443   米国自動車保険約款免糞条項第3粂および算4粂について   −J〃3−   

(2)  

改めるための配慮がなされている。また,約款をできるだけ判りやすいものに   するため,構成を整理し,用語を文語体から口語体に.改めている。本稿でわが   約款またほ現行約款として用いているのは,こ.の47年改訂の約款である。   

館こは,本年7月1日より,自動車損害賠償責任保険の保険金限度額が,死   亡の場合ほ従来の1,000万円から1,500万円に,また傷害の場合は従来の80万円   から100万円に引上げられたことである。自賠責保険制度が発足した昭和31年   における死亡保険金の限度額がわずかに.30万円であったこ.とを考えると,正に  隔世の感があるが,現在においても,死亡の場合に・ほ,限度額の1,500万円を   超える部分については依然として任意保険に頼らざるを得ないような状態に・あ   る。したがって死亡事故の場合には.,被害者の保護に次ける場合が多いため,  

この点紅ついての改善が強く望まれていたが,最近では,自賠責保険と任意保   険の二重構造制を廃止し,南保険の一本化を実現するための検討が,大蔵省と   保険業界との間で異剣に.行なわれて−いるようである。   

わたくしは,すでに,自賠責保険と任意保険の一一本化と,責任限度額を無制限  

(8)  

とす・ることが被害者の保護・救済に必要不可欠であるとの指摘を行なったが,  

この点紅ついての検討が其剣に進められているということほ喜ばしいことだと   いわなければならない。一本化の早期実現を期待したい。   

第三は,「自動車事故対策センター法」(昭和48年法律第65弓うの制定である○  

(2)たとえば,40年約款では,無免許運転者,酒酔運転者による事故紅ついて保険者は    免茸とされていた(賠償責任条項4条)が,47年約款では,賠償賀任担保について隼,   

保険者有賀となった。この点紅ついて,わたくしは,少なくとも対人賠償についてほ,   

米国のAbsolutePoIicyや英国紅おける1960年道路交通法に示されている考え方を    わが約款の場合も採用して,被害者の保護紅徹すべきであると主張した(拙稿「免責    条項第1条について」120−121ぺ・−・ジをみよ)。また,40年約款では,政治的・社会的    騒じょうおよび労働争議紅よる損害につい・ては,保険者免資とされて 

2粂3号)が,47年約款では,これらの諸危険による損害についてほ保険者有責とな    った。この点にンついても,約款改正の際紅は,暴動,騒じょう,労働争議の諸危険を   

担保危険の中に含ましめておくことが必要であるとの指摘がなされた(拙稿「免糞条    項第2条について」88ぺL→ジをみよ)。  

(3)A.Tsuboi, A〝ね桝〃∂i■Jgエよ■α∂よJ古f.γ力柑抑α〝Cβよ〝タrg∫β〝才一d〃.γ.Jα♪α搾, r板書   

保険契約の基本問題』(今村有博士古稀記念論集),1967年,p.299;拙稿「免茸条項   

斧1条紅ついで」120ぺ・−汐,をみよ。   

(3)

第48巻 第3・4号  

・−・ヱ〃4−  

444  

(4) 同法の制定軋より,特殊法人「自動車事故対策センター・」が設立され,自動車  

(6) の運転者に対する適性診断,生活困窮被害者紅対する生活資金や育英資金の貸  

(8)      (7) 付け,ひき逃げ事故や無保険事故の被害者に.対する保障金の・一部立替貸付け,  

債務名義を得た被害者であって当該■債務名義に係る債権についでその全部また   ほ・一部の弁済を受けることが困難であると認められる者に対する保険(共済)  

(8)  

金または保障金の全部または一部の貸付けなどの救済業務が行なわれるこ√とに  よって,被著者保護の増進が計られることに/なった。   

この点把ついても,わたくしは,すでに,Autorr:Obile Compensation Fund  

(ACF−自動車保障基金)の設立と,同基金からの被害者に対する支払紅  

(9) ついて提言したのであるが,「■自動車事故対策センタ−」の設立によって,保障  

金の立替貸付けが行なわれることにより,被害者の保護について僅かでほある   が前進がみられたことは,評価してよいものとおもう。   

しかし,これはあくまでも貸付けなのであって,被害者の保護・救済という   面からみた場合極めで不十分であり,今後の抜本的な改善が強く望まれるとと   ろである。   

算四ほ,昭和49年3月1日より「■家庭用自動車保険」が発売されたことであ   る。同保険は個人所有の自家用乗用車(普通型,小型,軽四輪)のうち,主と   して,通勤,通学,買物,レジャー等の家庭用に.使用される自動車のために利  

用されるものであって,対人賠償保険,対物賠償保険および家族搭乗者傷害保   険の三つの保険が自動的にセットされている。またこめ保険のために使用され  

る家庭用自動車保険普通保険約巌,米本国で使用されているFamily血t。−  

(4)同センタ−は,自動車事故対策センタ・−・法(昭和48年7月24日法律籍65号)紅より    特殊法人としての認可を受け,昭和48年12月10日紅発足したものである。同センタ・∵   

の設立に際して咋・,政府が2億4,000万円を,また損害保険協会が4,000万円を,全    共連が1,000万円をそれぞれ出資しているとのことである。  

(5)自動車事故対策センタ・一法31粂1項2号。  

(6)同31条1項4号のイ。  

(7)同31条1項3号。  

(8)同31条1項4号のロ。  

(9)Tsuboi,〃久Cj′・,p・30q・  

く10)わが国ではFAP約款と略称写れている9   

(4)

445   米国自動車保険約款免茸条項第3条および籍4条について  

−ヱβ5−   

mobile Policy(FAP)を基調として作成されたものであって,賠償責任条   項第4粂に協力援助条項を,第5粂にほいわゆる示談解決条項を,そして第6   粂には被害者の保険者に対する直接請求権に関する条項を設けるなど,47年改   訂の現行約款にほみられないいくつかの特色を有している。   

そして,とくに,家庭用乗用車が対人賠償責任保険の契約台数の約50%を占   めているという現状をみる時,この家庭用自動車保険鱒発売ほわが国の自動車   保険の向上に.資するところ極めて大であるといわなければならない。   

寛五ほ,本年3月1日より「業務用自動車保険」が新らたに発売されたこと   である。こ.の保険は,個人または法人が所有している自家用自動車のうち,主  

(11)  

として業務用に使用される自動車を対象としたものであって,対人聴償保険,  

対物賠償保険および従業員搭乗者傷害保険の三つの保険が自動的に・セットざれ  

(12) て」おり,この保険に使用される業務用自動車保険普通保険約款もまた,家庭用  

(11)この保険の対象とされる自動車ほつぎのものである。  

(1) 自家用普通乗用車(2)自家用小型乗用車 (3) 自家用軽四輪乗用車   

(4)自家用小型貨物車(5)自家用三輪自動車(6)自家用軽四輪貨物車(7)  

自家用軽三輪自動車  

上記各自勤番のうち,ダンプカ−,レンタカ−および教習用自動車はこの保険の対    象外とされ,また自家用乗用車であっても,主として通勤,通学,貞物,レジャー等   の家庭用に使用される皐ほ,前述の家庭用自動車保険かまたは在来の一・般の自動車保   険に加入しなければならない。  

(12)この約款は,米本国で使用されている CommercialAutomobi王e Po王icy(CAP)  

を基調として作成されたものであって,わが国に.おいても,CAP約款と略称されて   いる。  

このCAPの発売によって,わが国の自動車保険はつぎの6種類となった。  

1.自動車税害賠償責任保険(いわゆる強制保険)  

2り 在来の−・般の自動車保険(いわゆるBAP)  

3巾 家庭用自動車保険(いわゆるFAP)  

4.業務用自動車保険(いわゆるCAP)  

5.自動車運転者祝害賠償茸任保険(いわゆるぺ−ノミーー 

ドライバ一保険)  

6.分割払い自動速保険  

このため,わが国の自動車保険も従来紅比して敏雄なものとなり,米英の場合と同    様,実務の面紅おいても,高度の専門的な知識が要求されることとなった。  

なお,わが国のFAPおよびCAPは,いずれも,上述のどとく,協力援助条項,  

示談解決条項および被害者の直接請求権に関する条項を設けているが,在来のBAP  

紅は,かかる事項紅ついての明文の規定がないため,被保険者の保護濫.欠ける面もあ  

るのではないかと考えられるので,上記事項に関する明文の規定を,早急紅,設ける  

よう検討すべきであろう。   

(5)

算48巻 第3・4号  

−・J∂6■・−   446  

自動車保険約款の場合と同様,賠償責任条項第4粂軋協力援助条項を,算5粂   紅は示談解決条項を,また算6粂紅ほ坂寄賠償請求権者の直接請求権に.関する   条項を設けている。   

本稿に.おいても,これら家庭用自動車保険約款と業務用自動皐保険約款の免   費条項を比較・検討の対象としてとりあげることを考えたが,かくてはいたず  

らに煩填になるばかりであるので,本稿では,従来通り,在来の一般の自動車   保険約款のみを検討の対象としてとりあげるこ.とにした。   

以上のはか,自賠責保険における保険料決定の際にメリット・デメリット・  

(13)   (14)  

レ、−ケイングを行なうか否かについての検討,慰謝料の増額の問題,および車  

(15) 両危険限定担保特約AタイプおよぴBタイプの発売等いくつかの問題をあげる   ことができるが,紙数の関係上,ここでは,これらに.ついての説明は省くこと   にする。   

さて,それでほ,つぎに,免責条項第3粂および第4条の解説にはいること   甘こしたい。   

以下軋免責条項算3条および第4粂の原文および訳文を掲げ,項を分って検   討を加えていくこととする。   

以This Policy Does Not Apply:   

ⅠⅠⅠ.Under Coverages A and C,   

(a)tolossduetoconversion,embezzlement 

Per、soninlawfulpossession ofthe automobileunderabailment   lease,COnditionalsale,mOrtgage Or Other encumbrance.  

(13)自薦費保険料算定の際に・,meZitordemeritratingを採用すべきであるとの提    言についてほ,Tsuboi,OP.ciiい,Pp.305−6,をみよ。 

(14)たとえば,自動車事故で死亡した場合;自賠責保険から被害者本人に支払われる慰    謝料の額が,本年2月1日より,従来の100万円から150万円紅引上げられた。このは    か,傷害の場合にも慰謝料の増額が認められている。  

(15)いずれも本年2月1日より発売された。Aタイプの場合は;火災,爆発,▲盗難,騒   じょう,台風,こう水,高潮等(衝突,接触,転覆,墜落の危険を除く)の危険によ   る自動貴の損害を,またBタイプの場合は,Aタイプの担保危険のはか紅衝突,接触,   

転覆,墜落の危険による自動専の損害を,保険者はてん補する。   

(6)

胡7   米国自動車保険約款免貴条項欝3条および第4条について  −ヱ07−  

ⅠⅤ.Under Coverages B and C,  

(a)to breakage of glassifinsurancewith respect to such   breakageis otherwise afforded.   

「この保険証券ほ下記の各条に対してはこれを適用しなも、。   

ⅠⅠⅠ.担保AおよびCにおいて,  

(a)自動車が蟹貸借契約,条件付売買契約の目的物とされまたは自動   車に抵当権もしくはそ・の他の第三者の権利が付着している場合に・,  

その適法占有者による不当転用,横領または隠匿に起因する損害。   

ⅠⅤ.担保BおよびCにおいて,  

(a)ガラスの破温。ただし,ガラスの破損が他の担保または嘩険契約   によって担保されている場合に限る。」   

以上,免責条項第3条および第4条は,現在のところ,いずれもa号のみし   か設けていないが,これは,将来,必要がある場合に,他の免責条項を追加す   る余地を残して−いるのであって,第3条a号のあとに,は,CoverageS Aおよ   ぴC に関係のある免責規定が,また,第4粂a号のあとには,Coverages B   およびCに関係ある免資規定が,それぞれ追加されることになるものとおも   われる。  

ⅠⅠ免貴条項第3粂a号の解説   

1.免貴条項第3粂a号は,Coverage AおよびCoverage Cが伺保されて   おり,かつ,自動車が賃貸借契約や条件付売買契約の目的物とされているか,  

または自動車に抵当権が設定されもしくは算三者の権利が付着している場合   紅,日動車中適法占有者により不当準用,横領または隠匿が行なわれること紅   よって自動車に.損害が生じた場合笹は,保険者これをてん補しない旨規定した  

(16) ものである。  

(16)C.H.BIainard,AutomobileInsurance,I11inois,1961,pp.372−3;W.   

Freedman,Richards on the Law qfInlSuranCe,New York,1952,p.2048;S.   

S.Huebner,K.BlackJn,and R.S.Cline,Prober秒and Liabili&(nsurance,   

(7)

−JOβ−   欝48巻 第3・4号   448   

かかる免責規定が設けられた理由ほ.,上記の適法占有者濫.よる不当転用,横   領または牒匿によって被保険自動車に損害が生じた場合に.,保険証券上被保険   者に.Rって保険金の支払を受けることができる銀行や Finance Company等  

の貸主が,Coverage Aに基づき,盗難(theft)による損害として保険金の  

(17)  

請求を行なうこ.とを排除する,ということにある。   

それゆえ New Policy の場合には,貸主は,自動車の適法占有者に.よる不   当転用等の損害を,Coverage Aにいう「盗難.」に,よる損害として,保険者に   て−ん補請求することはできない。   

しかし,ここで注意を要することは,本号がすべての不当転用や横領に適用   されるものと解釈してはならない,ということである。たとえば条件付売買契   約上の買主の占有する被保険自動車が,その業務に従事中の使用人たる運転手   に.よって横領されたり,あるいは賃貸借契約上の借主がその占有する被保険自   動車を詐欺,模倣等によって失なった場合には,保険者はCove工?geAに基   づくてん補責任を否認することはできない。  

(18)   

この点,New Policyはわが約款の場合とほその担保範囲を異にする。  

(1)ここにCOnVerSionとほ.,他人の自動車を合法に(たとえば賃貸借契   約により)占有している者が,故意かつ不法にその自動車の占有を継続しまた  

(19)  

はこれを処分することであって,不法行為を構成する。この場合,その所有者   は自動貴の返還を請求し,または損害賠償を請求することができる。   

Embez2;1ementとほ.,業務上適法に.占有を取得しまたは第三者から委尭さ   

New York,1968,p。286;C小A.Kulp,CasualtyZnsurance,NewYork,1956,   

p。191;J.H.Magee,P7OPert.yInsurance,Chicago,1947(以下,MageeIと    記す),p.452;J.H.Magee,GeneY一αJlnSuranCe,Illinois,1955(以下,Magee   

IIIと記す),p.368;A.H。Mowbray and R.H.Blanchard,InlSuranCe,New    York,1955,p.184;W・H:Rodda,FireandPl−0♪ert.yZnSuranCe,NewJersy,   

1956(以下,RoddaIと記す),pい374;W.H.Rodda,Pro♪erty and L・iabiliriy    Insurance.NewJersy,1966(以下,RoddaIIと記す),p.329.  

(17)BI・aina工d,0♪.d∠い,p.372.  

(18)本稿114ぺ・一汐をみよ。  

(19)高柳賢三編『英米法辞典』有斐閣,1952年,99ぺ一汐。   

(8)

449   米国自動車保険約款免責条項第3集および第4条について   仙ヱβ9− 

れた自動皐を優待する行為をいい,制定法による犯罪の一つであって−,こ.れが   窃盗罪(1ar−Ceny)と異なる点は,適法に・占有して一いる自動車を鱒得する点に  ある。この場合,自動車を占有していることが必要であって−,たんに管理して  

(20) いるに止まるときは窃盗罪を構成する。   

ここにsecretion とほ,自動卓の適法占有者が,自己の占有する自動皐を隠   匿する行為をいい,現実には,被保険自動車を占有しているに.もかかわらず,  

あたかもこれが占有を(たとえば盗難によって)喪失したかのどとくに.行■動す   る場合を指す。この場合,被保険自動車が本当に盗取されたものであるのか,  

あるいは.隠匿されているのかを判定することは困難となろう。   

なお,本号に.列挙されてrV、る,bailmentlease,COnditionalsale,mOrtgage   およびOther encumbranceの意義については,免茸条項第2条e号を解説し  

(21)  

た際にすでに.述べたところであるので,ここでは再説しない。  

(2)つぎに免責条項策2粂e号と本号との関係紅ついてみるに.,第2粂e   号は,自動車が同・啓列挙の状態に.ある場合には,自動車の車両投書について保   険者を免貴とするが,自動車がかかる状態にあることを保険者に申告して,こ   れが保険証券に記載された場合に.は,保険者は自動尊の車両損害についててん   補責任を負担しなければならない,とする。   

しかし,この場合においても,保険者の負担する危険は免責条項に.列挙され   た危険以外の危険に限定されるのであって,免責条項凪列挙された諸危険によ   る蕃両損害についてほ,保険者は依然としててん補資任を免れることになる。  

それゆえ,第2粂e号檻列挙の状態にある自動車が被保険者側からの申告に・よ   ってとくに.担保されている場合でも,かかる自動車が算3粂a号に列挙の適法   占有者によって不当に転用され,横領され,またほ隠匿された場合には,保険   者は算3粂a号によっててん補責任を免れることになる。   

しかし,ここで問題となるのは,本号とSpecialLoss Payable Clause(保険  

(20)同上,154ぺ一−・汐。  

¢1)拙稿「免貴条項第2条紅ついて」65−6ぺ一−ジをみよ。   

(9)

第48巻 貨3・4替  

岬−ヱヱ∂−  

450  

(22) 金支払特別条項)との関係である。すでに.検討したように,被保険者がFi血nce  

Companyより金を借りて自動番を購入する場合に,ほ,Finance Companyか   らの要求により,保険者は保険証券にSpecialLoss Payable Clauseを貼付   するのであるが,同Clauseは,「しかしながら,賃貸借契約,条件付売買契   約,抵当権,もしくほ自動車に.付着した他の権利,に.基づき被保険財産を占有   申の常備人,抵当権設定者または買主匿よる不当転用,横領もしくほ隠匿は,こ   の保険証券によっては担保されない。ただし,かかる危険がとくに付保され,   ………・(23〉  

かつ,それに.対して保険料が支払われた場合はこの限りでない。」(傍点筆者)  

と規定しているから,Finance Companyが適法占有者の不当転用等による自   動皐の損害についても保険保護を受けるととを欲する場合には,保険者にその   旨申告して,保険料を支払うことが必要である占そして,この場合,他に特別   の約款が挿入されていないとき軋SpecialLossPayableClauseが姦優先し  

く24) て適用されることに.なるから,舞3粂a号の規定は適用されず,適法占有者の  

不当転用等による損害についても,保険者にてん補青任が生じるこ.とになる。   

もっともSpecialLossPayable Clause が貼付されている場合でも,不当   転用等の危険がとく吟付保されず,したがってこれ紅対して保険料が支払われ   ていない場合に.は,保険者はかかる危険に.よる損害についでてん補の貴を負う   必要はない。   

それゆえ,一上記の場合紅ほ,少なくとも第3粂a号列挙の不当転用等の危険   については,SpecialLossPayableCladseが貼付されていないのと同じ効果   が生じることになる。  

(3)算3条a号はCoverageC紅も適用されるため,積荷として海上輸送   された被保険自動車が適法占有者によって外国で不当虹処分された場合などに   は,保険者はてん補貴任を否認することができる。もっともこ.の場合,自動車   が算2条e号紅列挙の契約等の目的物とされていることが保険者に申告され,  

α2)同上,67−70ぺ・−・汐。  

¢3)同上,68ぺ一汐。  

¢4)同上,70−71ぺ一汐。なお,各種約款の適用順序に関する原則紅ついては,拙稿   

「免安条項第1粂について」92−3ぺ・−ジをみよ。   

(10)

451   米国自動寄保険約款免資条項算3条および第4粂について    −−・ヱヱユーー   

かつ,その旨保険証券に記載されていることが必要であって,上記の契約等に  ついて保険者紅申告がなされていなかった場合把・ほ,算2条e号紅より,自動   圏が船積のため船会社,港務局またはその他の港湾管理者に引渡された時に・, 

保険者の危険負担者任は終了するものと解せざるを得ない。それゆえ,祭3粂   a号が$overageC に・ついて効果を発揮するのは,第2粂e号に・いう申告が   保険者になされ,かつ,その内容が保険証券に明記された場合であって,それ   以外の場合には,少なく ともCoverage Cについては.,箆3条a号の適用の   問題は生じない,ということに・なる。  

(25)   

2.米国の場合,BAPほ第3条a号と同旨の規定を設けているが,FAPは  

(28)  

適怯占有者による不当転用等の危険についてはなんち規定していない。したが   って,保険者は,BAPを引受けた場合よりもFAPを引受けた場合の方法が,  

道徳危険に.よる損害を受けやすい立場紅立たされる,ことになる。それゆえ,  

たとえば,FAPのもとにおいてほ,適法占有者が自己の占有する自動車を乗   逃げした場合とか,あるいは自動車を不当に売却して売得金を持逃げした場合  には,loss payeeとして被保険者の保険証券紅記載されている貸主たる銀行  

やFinanceCompamyは,「盗賂」を理由に,Co叫prehensive Coverageに 

(27)  

基づき,保険金を回収サーると.とができるかもしれないが,BAPのもと匿おい   てほ,適法占有者に・よる不当転用等の危険は免責■条項払おいて保険者の担保外   とされているため,上記危険による損害に∴⊃いては,保険者にて.■ん補費任は生   じない。   

以上のよう紅,適法占有者の不当転用等柊よる損害については,BAPとF   A、Pの間にてん補上の差異があるため,多数の自動車を金融の対象としている  

FinanceCompanyは,BAPによって付保されrている自動蕃の取扱いを堺う  

(28)  

傾向があるようである。  

¢5)BAP,Exclusions(0).駄aina叫β九Cよ≠・,p.552・  

(2釘.浄紘,p.373.  

(■27)∫∂紘,p.372.  

(28)∫∂ざd.   

(11)

第48巻 第3・4号  

−ユノ2−  

452   

3.英国の場合,第3条a号に相当する免責規定は約款上存在してこいない。  

それゆえ,適法占有者の不当転用等による損害についてほ,保険者にてこん裕貴   任が生じるものと解する。しかし,申込用紙の第9項には,自動車の所有者,  

自動車の登録者および買取選択権何物品使用契約(hiIe purChase agreement)  

(29)  

に関する質問欄が設けられているので,これらめ事項についで正確な申告がな   されなかった場合にほ.,保険者は告知義務違反を理由にてん補責任を否認する  

ことができることになるであろう。しかし,上記の事項に・ついて正確な申告が   なされた上で保険の引受けが行なわれたのであれば,保険者は,適法占有者の   不当転用等による損害について,てん補責任を否認するこ.とはできないものと   解せざるを得ない。こ、の点,米国のFAPの場合に類似しているといえる。し   たがって,保険者が上記損害についててん補責任を負担したくないと考える場   合にほ,とくに.,かかる損害を除外しておくこ・とが必要である。   

4.わが約款の場合,New Policyの第3条a号と同旨の規定は存在して/い   ない。しかし,車両条項第2粂第1項第8号は,「詐欺またほ横風」に・よって   生じた被保険自動車の損害を保険者はてん補しない旨規定しているから,米約   款の場合とほ異なり,たんに適法占有者のみならず,その他の者の詐欺または   横領による板書についでも,償険者は免責されることとなる。したがって,詐   欺または横領を行なった老が誰であるかまたは誰に対して行なわれたかを問わ   ず,詐欺,横領による損害については,保険者は一切免責されるものと解す   る。  

(1)とこでいう詐欺とは,刑法発246条にいう詐欺であって,人を欺岡し   て財物を騙取するかまたは財産上不法の利益を得または他人をして得せしめる  

(30)  

行為をいい,財物を不法に領得する点で窃盗および強盗と同じである0しかし,  

詐欺が窃盗および強盗と異なる点は,前者が人を欺岡して財物を騙取するのに   対して,後者は他人の財物を窃取するかまたは暴行もしくは脅迫を用いてこれ  

(29)A.GnM.Batten and W.A.Dinsdale,Motor ZnsuY■anCe,London,1965,pp・   

134,279.  

(30)我妻栄編『新法律学辞典』有斐閣,1967年,472ぺ一一汐。   

(12)

453   米国自動車保険約款免茸条項算3粂および第4条把ついて  

(31) を強取する点である。   

それゆえ,被保険自動車が窃取またほ.強取された場合には,車両条項第1集   貨1項にいう「その他偶然なる事故によって生じた損害」に該当するものとし   て,保険者はてん補の貴に任じなければならない。   

また,詐欺の場合は,人を欺岡して財産上不法の利益を得または他人をして   得せしめる行為を含むものであるから,欺岡の手段によって被保険自動車を一   時使用の目的で交付させた場合でも,保険者は免責されることになる。   

このはか,被保険者の意思に噸庇があるときでも,保険者は免責を主張しう   るものと解することができるから,被保険者が未成年者であるかまたは心神耗   弱の状態に.ある場合に,その知慮浅薄またほ心神耗弱紅乗じて,これを誘惑   し,自動車を交付させまたは不法紅利得した場合には,詐欺に準ずるものとし  

($2)      (33) て,保険者は免責されるものと解する。   

これに対し,New Policyの場合,詐欺に.ついては約款上なんら規定すると   こ.ろがないから,詐欺による自動車の損害については,保険者にてん補責任が   生じるものと解せざるを得ない。  

(2)つぎに横領とほ,自己の占有する他人の物または公務所から保管を命   ぜられた自己の物を不法に儲得することであって,(イ)狭義の横領すなわち   委託物横領(刑法252条),(ロ)業務上横領(同253粂),(ノ、)遺失物横領  

(34)  

(同254条)の三つに分かれる。  

(イ)の場合は,委託に基づいて占有する物(委託物)を不法に領得すること   であって,信任委託にそむくところに委託物横領の本質がある。この場合の委   託は必ずしも契約に.よることを必費としない。(ロ)の場合は,業務上委託を受   けた物を不法に領得するこ.とであって,(イ)の場合よりも信任関係が強度であ   る。(ハ)の場合は,遺失物・漂流物その他占有者の意思によらない占有を離脱  

(31)拙稿「免茸条項第2条について−」35−6ぺ−・汐。  

(32)刑法248条。  

(33)束東海上火災保険株式会社編集『新損害保険実務講座 第8巻 新種保険(上)』   

改定版,有斐閣,1967年,168ぺ一一汐。  

(34)我妻編,前掲辞典,72ぺ−汐。   

(13)

した物の横領であり,信任委託関係が存在しない点で委託物横鱒と異なる。   

上記三つの場合は,いずれも他人の信頼粧そむき,不法に財産的損害を与え   るものであるから,かかる行為による損害については,被曝険者の意思の介在  

(35) の有無にかかわりなく,保険者ほ免責されるものと解するのが至当であるう。  

(3)以上の詐欺,横領解.よる自動車の所有,占有または支配の喪失による   扱害のほか,詐欺,横領の時から占有の回復までの間に.生じた被保険自動車の   損害肥ついてノも,保険者ほ,詐欺;横領による損害として,てん禰賃任を免れ  

ることになる。   

以上述べてきたところからも明らかなごとく,わが約款は,New Policy,  

BAPおよびFAPとは1その担保範囲を異軋する。とくに,Ne 

適法占有者がその使用人の行なった横領に.よって,または,賃借人自身が詐欺   もしくは横領によって,損害を被った場合にほ,保険者有貴としても、るのに射   し,わが約款の場合ほ,保険者を免責としているた鱒,NewPolicy等の方が   わが約款の場合よりも被保険者にとって有利である,ということができる。  

(4)つぎは,.上言己第8号と.車両条項第2粂第1項籍1号との関係について   検討したい。   

第2粂第1号ほ,  同号に.掲げられた者の「故意」に.よる損害を保険者はてん   補しない旨規定しているから,将来;約款改訂の際に,・籍8号に列挙の「詐欺  

または横領」の危険が約款から削られるようなことがある場合でも,算1号紅   掲げられた者の「詐欺または.横領」に.よる損害は,これらの者の「故意」に.よ  

る損害の−・種として,保険者ほてん補責任を否認することができるものと解す   る。   

したがって,この場合,保険者がてん補貴任を負担しなければならない猿害   ほ,第1号把.列挙された者以外の者が行なった詐欺または横領による損害に・限   定されることになるであろう。   

この点については,約款改訂の際,とくに注意しておくことが必要である。  

(35)この点紅ついては,詳しくは,本稿122−・3ぺ−ジをみよ。   

(14)

455   米国自動車保険約款免責条項第3条および第4粂虹ついて  −ヱJβ−  

HI免責条項第4条a号の解説   

1.免責条項舞4条a号は,Coverage BおよびCoverage Cが付保され   ており,かつ,自動皐に.ガラスの損害が発生した場合には,かかるガラス損害   がCoverage Aまたは他の保険契約に.よって担保されている場合紅限り,保険  

(36)  

者はてん補責任を負担しない旨規定したものである。   

かかる免責規定が設けられた理由は,自動皐のガラス損害が発生した場合,  

たとえその原因がCoverage Bで担保されている衝突またほ転覆によるもの   であっても,またはCoverageCによって担保されている海上危険に・よやも   のであって:も,Coverage Aまたは他の保険契約が存在する場合把.は,保険者   に,CoverageBまたほ. 

く,CoverageA  うことにある。   

上記の点を明らかにさせるために,CoverageAが付保されている場合を例   K.とり,本号とCoverageAとの関係について検討してみたい。CoverageA  

(Comprehensive Coverage)ほつぎのとおり規定する。  

\   

パ …、・Breakage ofglass andloss caused by missiles,falling objects,   

falling aircraft or parts thereof,fire,theft,eXplosion,earthquake,   

Windstorm,tOrnado,9yClone,typhoon,hail,Water・,floodorvandalism    ぶゐαJJ〝0才∂βdββ∽βdJo55Cα〟ぷβd妙coJJ査5わ乃♂r〝♪5β才. (イタリックほ 

筆者)   

上記のように,Coverage Aほ「飛来物,  ‥または蛮行牲/起因するガ  

ラスの破損およびこれらに起因する損害は,衝突または.転覆による損害とは魂  

なされない。」′(傍点筆者)と規定しているから,CoverageAとtover?geB   が付保されている場合紅は,たとえ衝突や転覆紅よってガラスの損害が発生し  

(36)Brainard,OP.cii..,pp.263,275;Freedman,Ob.cit.,pp.985,2048;J.H.  

Magee and O.N.Serbein,Property and Liability Znsur anCe,Illinois,1967   

(以下,MageeIVと記す),p.492;MowbrayandBlanchard,Ob.cit‖,p.184;   

R.RiegelandJ.S.Miller,Znsurance Principles andPractices,NewJersey,   

1966,p.721;RoddaI,p.374;RoddaII,p.330.   

(15)

算48巻 第3・4号  

たとしても,保険者は,Coverage B上のてん補責任を負担するのではなく,  

Coverage Aに,基づくてん補貴任を負担しなければならないこ,とに.なる。それ   ゆえ,被保険者が無謀運転の結果自動.車を他物と衝突せしめ,ためにガラスの   損害と他の車両損害とが併発した場合に.は,保険者はガラスの損害については.,  

Coverage Aに基づきて−ん補しなければならない。   

しかし,Coverage BまたはCoverage Cのみ付保の場合にほ(もっとも   わが国においてほ,すでに.述べたように,保険者は,実務上Coverage Bのみ  

し二IT\ の導独付保を認めていない),本条は適用されず,したがってガラス損害は付保  

された各々のCoverageに基づいでて−ん補されることになる。それゆえ,たと   えば,米本国でCollisionorUpsettoverage(NewPolicyでほCoverage   Bに.相当するもの)のみを付保して−いた被保険者がわが国で被保険自動車を使   用し,衝突による損害を発隼せしめた場合にIは,Collision orUpsetCoverage   が適用されることになり,保険者は同Coverageに.基づくてん補責任を負担し   なければならない。  

(1)つぎに,本号が実務上ガラス損害に対する保険者のてん補責任にいか   なる影響をおよぼすかを,数例を挙げて,検討したい。   

(a)被保険者がCoverage A(免責金額なし)とCoverageB(100ドル絶   対免責金額つき)とを付保していると仮定する。先行車の荷台に積んであった   鉄パイプが被保険自動車のウインドグラスを貫通したため,ガラスに200ドル   の損害が発生する。   

この場合,保険者ほ,200ドルの損害額全額についててん補の責を負う。け   だし,保険者は第4条a号によりCoverage Aに基づくてん補責任を負担し   なければならないからである。したがって,この場合,Coverage Bは作用し   ない。  

(b)被保険者がCoverage B(100ドル絶対免責金額つき)のみを付保して   いると仮定する。(a)の場合と同じ原因により200ドルのガラス祝事が発生す  

(37)拙稿「免茸条項第1条紅ついて」41ぺ一−ジ。   

(16)

457   米国自動車保険約款免箕条項第3集および発4条紅ついて    −JJ7− 

る。   

この場合,保険者ほ,200ドルより絶対免責金額の100ドルを控除した差額の   100ドルのみについでてん補の貴を負う。けだし保険者ほCoverage Bに基づ  

くてこん補責任を負担しなければならないからである。  

(c)被保険者がCoverage A(免資金額なし)のみを付保して:いると仮定   する。(a)の場合と同じ原因により200ドルのガラス損害が発生する。   

この場合,保険者は損害額全額についでてん補の費を負う。け■だし保険者は  

CoverageAの上記の文言,すなわち, Breakage ofglass  ・・Shallnoi  

∂β dββ研βdね∫ぶCα〝5βd∂.γの止紘流用卯・〝♪ぶβヂ. という文言に.基づきてん補   責任を負担しなければならないからである。  

(d)被保険者がCoverage A(免責金額なし)とCoverageB(100ドルの   絶対免責金額つき)とを付保していると仮定する。衝突事故に・より200ドルの   ガラス損害と100ドルの他の車両損害が併発する。   

この場合,保険者は200ドルのガラス損害についてはてん補の責を負うが,  

100ドルの車両損害についてはてん補の貢を負う必要はない。け■だし保険者は   Coverage Aに基づきガラスの損害を,またCoverage Bに基づき自動車の   他の部分の損害をてん補する貴を負うこ 

険者は200ドルのガラス損害について−は,免責金額の適用がないため全額の   200ドルをてん補するが,自動蕃の他の部分の損害100ドルについては,免責   金額の100ドルが適用されるためてん補着任を負担しなくて−もよいことに・な   る。   

以上の諸例からも明らかなごとく,本号は.ガラスの損害に対する保険者のて   ん補責任に重要な影響をおよばしている。   

とくにCoverage Aが付保されている場合には,保険者は,ガラスの損害   に対して極めて寛大な処置をとることに.なるのであって,Coverage Aのもと  

に.おいてほ,火災,盗難,爆発,風水害,蛮行等によるガラスの損害はもちろ  

ん,飛来物もしくは投石による損害,ドアを強く閉めたことによって生じる損  

害,あるいは輸送中の積荷との激突による損害または急停車による乗客とあ衝   

(17)

算48巻 籍5・4号  

・−・ヱJ∂−   458  

突による損害をもてん補し,さらにほ,原因不明のガラス損害をもてん補しな  

(88) ければならない。   

また,このはか,保険者は,免資条項(Exclusions)にガラスの固有の戦痕  

(inheIentVice)を保険者の責任外とする旨の規定がないため,新しいガラス   に発生した固有の環疲に.よる損害についてもてん補の責を負わなければならな   い。   

かかる意味で,叩ewPblicyは,保険の目的の固有の環症を除外していない,  

(39)  

数少ない,オ1−ル・リスクス担保の保険証券である,ということができる。   

しかし,ここで注意を要すると.とは,保険者は,すべてのガラス投書をてん   補するものでほなく,免費条項に列挙の事由によって生じたガラスの損害紅?  

いてほ,当然てん補責任を免れることができる,ということである。それゆえ,  

たとえば,長年の使用によっr7:生じるガラスの曇り(fog)や擦傷(mar)等の   損害は,免責条項算2粂b号に列挙の自然消耗(wearandtear)による扱害  

(40) として二,保険者ほ.てん禰宜任を否認することができるものと解する。  

(2)以上,保険者ほ.,自動尊のガラス振害に対して極めて寛大な取扱いを   しているが,このことは,近年,米英に.おいて,ガラスの損害に対する保険金   請求が保険者にとって非常に.重要な問題となってきていることから考えると,  

(41)  

われわれに.むしろ奇異な感じさえいだかせるのである。   

なんとなれば,新車の湾曲しているウインドグラスに損害が発生した場合,  

その取替え費用が近年米英におい七は極めて高額となつているため,保険者は   高額の保険金請求に応じなければならないばかりでなく,中古蕃の場合紅おい   ても,ガラス自体が自動車の他の部分笹比べて年数の経過はど大せくは減価し   ないので,その取替え費用が高額のままに据置かれるため,保険者は高額の保  

(38)十数年前,米国の西海岸に・おいて発生した事故の例によると,ある一定の期間,自    動貴のガラスが突然広範囲紅わたって凹み,傷ついた。これが原因についてほいろい   ろな臆測がなされたが,結局満足のいく結論が得られなかった。保険者はかかるガラ   ス損害をてん補した。Braina工・d,qれ.ゎー′.,p.275.  

(39)∫∂よd.  

(40)∫∂jd.  

(41)′∂紘,p.288.   

(18)

459  

険金支払を余儀なくされることに/なるからである。   

したがって,製造後2,3年を経過した自動車のガラスの1枚の損害は,被   保険者が支払った1年間の保険料の全額〜これほ,総合危険担保および衝   突,転覆危険担保紅対する保険料のみならず,対人,対物賠償着任担保に対す  

る保険料をも含む金額である一に等しいか,あるいほしばしばこれを超過す  

(42) る取替え費用を保険者紅必要とさせるとと把なる。   

この点,NewPolicyの場合も,早晩,米英のPolicyの場合と同様の問題に   直面することに.なるものとおもわれるが,保険者ほ,保険料公平の原則が害さ   れることのないよう,適切な処置を講じることが必要であろう。   

2.米国に.おいては,BAPもFAPもともに免資条項第4条a号と同旨の   規定を設けている。   

すなわち,BAPの免責条項は, This policy dose not apply under   COVerage E,tO breakage Of glassifinsurance with respect to such  

し−131  

breakageis otherwise afforded. と規定し,またFAPも PartIII−・Physi−  

(44)  

CallDamageの免貴条項に,BAPと同趣旨の規定をおいている。   

したがって−,BAP,FAPのいずれの場合k.おい7:も,被保険者は,ガラ   スの損害については,NewPolic諺の場合と同様の取扱いを受けることに.な   る。   

3.英約款の場合,免斉藤項第4粂a号紅相当する規定ほ設けられていない。  

また自動皐の車両損害(SectionI′LossorDamage)に対する免責舜項にお   いても,またl一・般免茸条項(GeneralException)に.おいても,自動車のガヲ   大損害についてほ,なんら規定するところがない。   

しかしながら,上記の免責条項は番両担保に適用があるため,自動車の他の部   分の損害に対してはもちろん,ガラスの損害に対しても適用されるものと考え   ることができるから,両免貴条項に列挙された事由によって生じたガラスの損  

(彪)∫∂よ♂.  

(43)BAP,Exclusions(p).Ibid.,p.552.  

(朗)FAP,PaI・tIII,Exclusions(b).乃紘,p.537.   

(19)

第48巻 第3・4号   460  

−ヱ20−  

菩についてほ,保険者ほて:ん補の貴を免れることができるものと解する。   

それゆえ,車両損害に蘭する免責条項(Exceptionto SectionI)の(3)に   列挙された減価(depreciation)や自然消耗(wear and tear)の場合に・ほ,  

(45)  

保険者に.てん補責任は生じないことになる。   

しかし,上記両免責条項によって除外されていない諸危険によるガラス損害   については,保険者はてん補の貴に任じなければならない。   

以上,保険者は,免責条項に列挙されていない事由によって生じたガラスの   損害をてん補するが,このほか,Windscreen andWindowsInsuranceなる別   個の保険によって,ガラス自体の損害とガラスの破損から直接に・生じる車体の  

(46)  

掻傷や擦傷による損害をもてん補するら   

かかる樽別のガラス保険が利用される理由は,車両甲他の部分にほ損害を与   えなかった偶然の事故に.よって−ガラスが破損損害を被った場合,このガラスの  

(47)  

損害に対する保険金請求を,いわゆる・;noclaimdiscountけの適用を可能K・す    る保険金の請求として−,保険者に処理させる,というこ・とにある。したがって,   

このガラス保険の存在ほ,車両保険におけるno claim㌧discountの継続を可   能にさせ,結果的に朋,そのdiscount の割合を増加させるのに役立つことと    なる。   

そして,最近では,英国の多くの保険者ほ.,ガラスの損害に・対して別個の保   険を提供する代りに,自動車保険証券に裏書することによって,ガラスの損害   をでん補するこ.とにしているから,かかる裏書がある場合には,被保険者は,  

no claimdiscountの継続を中止させることなしに,ガラス損害に対する保険  

.金の支払を受けることが可能となる。  

(45)Batten andJDinsdale,OP小Citu,p・293・  

(46)∫∂よ■d‖,p.176・  

毎7)Noclaimdiscount(return,bonusorrebate)とは,一足期間の契約全部につき   

保険金の支払がない場合に,保険料の一足割合を払戻すことを意味する。英国の自動   

車保険に.おいてほ.,実務上,保険金の支払がなされない期間紅比例して,次期以降の   

保険料から,1年目は15%,2年日は20%,3年冒ほ30%,4年目は40%という割合で   

減額が行なわれている。なお,かかるdiscountについては,詳しくは,Battenand  

Dinsdale,Obn cit.,pp.24,28,136,161,をみよ。   

(20)

461   米国自動尊保険約款免宜条項算3集および第4条について   一ヱ2J−  

また,この特約は,自動尊が大ブリテン島,北アイルランド,アイルランド   共和国,マン島またほチャツネル諸島に.ある間は,保険期間の全部について適   用され,ヨ一口ツパ大陸に.ある間は.,1年の保険期間のうら3か月を担えない  

(48)  

期間について,一・時的に.,通用される。   

4.さいどに.,わが現行約款について検討したい。わが約款の場合,ガラス   損害についてとくに規定したものがないため,New Policyの場合のように明   確な結論を出すことはできないが,車両条項第1条の保険者のて−ん補責任と,  

第2条ないし第4粂の免責条項とを吟味した場合,ガラス損害に・対する保険者   のてん補責任を一応明らかにすることができるものとおもわれる。   

まずわが約款は:車両条項第1条にやいて,衝突等の偶然の事故によって自   動車に生じた損害を保険者ほ被保険者(被保険自動車の所有者)にてん補する  

こ.とを約束しているから,保険者ほ,衝突等の偶然な専政に・よって生じたガラ   スの損害についてほ,車両損害の一一部として,他の保険契約の有無にかかわら   ず,てん補責任を負担しなければならないものと解される。   

しかしこ.の場合,保険者のてん補責任が発生するのは,あくまでもそのガラ   ス損害が第2粂ないし算4条に規定された免責事由によって生じた損害でない   こ.とを条件とするのであって,もしもそのガラス碍害がかかる事由によって生   じた場合把.は,保険者は当然にてん裕貴任を免かれることになるものとおもわ   れる。ゆえに.,たとえば,ガラスの投書が,蕃南条項算2条に列挙の事由,た  

とえば被保険者等の故意,戦争,地震,核燃料物質等の諸危険によ・つて発生し   た場合,または第3条に列挙の事由,たとえば被保険自動車に存在する欠陥,  

摩滅,自然消耗等の諸危険によって発生した場合,あるいぼ舞4条に列挙の事   由,すなわち同条に列挙された者が法令により定められた運転資格を持たない   で,または酒に酔って正常な運転ができないおそれがある状態で,被保険自動   車を運転中に引き起こした事故によって,ガラス損害を発生せしめた場合に・は,  

(48)J∂よd‖,p176.なお,ガラスの損害紅ついて,このようなdiscountの取扱いをし   

ているのは,現在までのところでは,英国のみである。米国やわが国においてほ,ガ  

ラス損害について,英国のような特別な取扱いほしていない。   

(21)

欝48巻 第3・4号  

ーヱ22−  

462  

保険者ほてん補責任を免れるものと解する。   

そして上記の免責事由は,いずれも,たんにガラスの損害紅適用されるばか   りでなく,他の車両損害軋も適用されるから,わが約款の場合は,ガラス損害   についてとくに.免責規定を設け,かつCoverage Aの適用によって保険者の   てん補貴任の拡張をほかっているNew PolicyやFAP,BAPの場合とは,  

著しく異なった内容のものである,というと.とができる。   

また,わが約款とNew Policy等とが異なる他の点は,わが約款が被保険  

(49)  

自動車把.存在する欠陥を保険者免茸としているのに.対し,New Policy等の場  

(50) 合に.は.,すでに.述べたように.,保険の目的紅h存在する固有の瑞症紅.ついても保  

険者に.てん補責任を負わしめている点である。  

ⅠⅤ あ と が き  

以上で免貴条項第3条および算4粂の解説と,同2か条とFAPおよび日・  

英自動車保険約款の免責・条項との比較・検討を終わる。   

すでに述べたようk.,米約款の場合,自動車の適法占有者による横領等の損   害については,保険者略免責とされるが,かかる適法占有者以外の者(たとえ   ば使用人)の横領等に.よる損害についてほ,保険者はて−ん補責任を否認するこ   とができない。   

これ紅対し,わが約款の場合は,詐欺,横領を行なった暑が誰れであるか,  

または誰れに.対してかかる行為が行なわれたかを問わず,詐欺,横領紅よる一   切の損害を保険者免穿として)、る。しかし,この点虹ついて−ほ,米約款に.対抗   する意味からいって−も,わが約款は,近い将来はともかくとして,将来は,前   記算8号に列挙の「詐欺または横領」の危険を約款自体から削るか,あるいは.  

「■詐欺または.横領」の危険の適用範囲を限定するなどして,米約款の担保内容   に.近づけることが望しい。   

とこ.ろが,かかる考え方に.対して,保険契約者またほ被保険者以外の者の行  

(49)車両条項3条1項2号。  

(50)凍稿118ぺ一汐をみよ。   

(22)

463   米国自動蚤保険約款免費条項第3条および第4条について   −J2β−   

なった横領等の行為軋よる損害,たとえば被保険者の使用人の行なった横領に 

よる損害,または賃借人自身が詐欺,横領に.よ∴つて被った振普ほ.,被保険者自身   の意」監の介在に.よって発生したものとほいえず,したがって偶然性を有してお  

り,とくに.後者の場合は贋偉人の債務不履行紅よって生じた損害であるとし   て,解釈論の立場から,保険者のてん補責任を認めるべきであるとする考え方  

(51)  

があるが,わたくしは,わが約款の場合のように,免責条項がただたんに.「当会   社ほ,『詐欺または横領』に・よって生じた損害をて−ん補しませケ0」と規定して  いる場合に.ほ,文字通り,詐欺,横領紅よる一切の損害に.ついて保険者ほ免責   とされると解すべきであって,被保険者の意思の介在の有無紅.よって,その解   釈が左右されてはならない,と考え.る。したがって,もし上述のような解釈を  

可能に.させたいと考えるのであれば,米約款の場合のように,免責条項紅「一過   法占有者の詐欺またほ横領に.よる損害を保険者はて−ん補しない。」(傍点筆者)  

と明記し,免責条項の適用される対象の範囲を明藤にして■おくごとが必要であ   ると考える。   

つぎに.自動車のガラス損害についてみるに,米約款はわが約款よりもほるか   に有利な条件を被保険者に提供している。   

たとえば,米約款の場合,Coverage Aが付保されているときほ,保険者   ほ,ガラス損害について,免責金額を適用せず紅損害額全額をてん補するが,  

わが約款の場合には,ガラス損害も車両投書の一部として処理されるため,免   資金額が適用され,したがって,他に車両祝事が発生していない場合には,損   害額から免責金額を控除した残額が被保険者に支払われるに過ぎない。   

また,新しいガラスに内在する固有の環症紅よる損害についても,米約款は   保険者有責としているの把艮寸し,わが約款は保険者免穿としている。   

以上のとおりであるので,わが損害保険会社が将来外国の保険会社と競争し   ていくために.は,ガラスの損害紅ついても,できる限り米約款に近い内容の担   保を被保険者に.提供することが必要であり,さら紅は,今後,約款の改訂に当  

(51)東京海上編,前掲雷,169ぺ・−・汐。   

(23)

第48巻 算3・4号  

464  

−ヱ24−  

っては,たんにBAP約款の部分的な改訂に.満足するのではなく,約款全体を,  

外国の,就中,米国の約款に近づけていくと同時に,事故発生後におけるサー   ビスの向上についてもカを注ぐことが肝要である。  

そして,かかる考え方の正当性は,最近,わが損害保険会社が米国のFAP   やCAPを基調としたいわゆるFAP約款やCAP約款をわが国に.おいても使   用し始めているという事実に.よって,明白に.証明されているのではないかとお  

もわれるのである。(1975.8.30)   

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第2 この指導指針が対象とする開発行為は、東京における自然の保護と回復に関する条例(平成12年東 京都条例第 216 号。以下「条例」という。)第 47

(5) 帳簿の記載と保存 (法第 12 条の 2 第 14 項、法第 7 条第 15 項、同第 16