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航空機機体保険約款に関する一考察 (1)

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(1)

航空機機体保険約款に関する一考察 (1)

その他のタイトル Analysis of Aviation Hull Insurance Policy (1)

著者 羽原 敬二

雑誌名 關西大學商學論集

31

1

ページ 1‑33

発行年 1986‑04‑25

URL http://hdl.handle.net/10112/6498

(2)

関 西 大 学 商 学 論 集 第31巻第1 (19864 1)1 

航空機機体保険約款に関する 一考察 (1)

目 次 はじめに

I.機休保険約款解釈上の基本的原則

羽 原 敬

(1)航空機の損害と危険の間における因果関係 (2)  被保険航空機における被保険利益

(3)  被保険者の注意義務に関する保険約款の効力 (4)  他保険条項,比例分担条項,超過額条項等による

保険者間の損害分担

]I.機体保険約款における物的損害の担保 (1)  墜落または衝突に因る損害 (2)  運航中の航空機

(3)  緊急事態 (4)  地上走行中 (5)  目的地問の特定飛行 (6) 火災

(7) 盗難 (8) 破攘行為

(9) 戦争危険ー戦争財産保険 皿 機 休 保 険 約 款 に 基 づ く 損 害 填 補

(1) 航空機の全損構成要因

(2)  修理作業,部品の取り替えおよび同種の内容に 関係する保険証券の条項 (以下次号)

(3)

2(2)  31巻 第 1

は じ め に

わが国の航空機保険証券は,英国の保険証券を範としているが,航空機の 使用目的が多様化しており,航空運送事業の最も発達している米国の機休保 険証券の内容を参照することも必要であると考える。特に,準拠法が当該国 の国内法規に従って解釈され,かつ支配される機体保険において,各州法が 適用される米国の機体保険証券に対する規定解釈の問題について論及するこ

とは意義があると思われる。

そこで,本稿においては,まず米国の航空機機体保険証券に的を絞り,そ の文言や約款の解釈を判例に基づいて分析・検討することにした。以下,具 体的に機体保険契約の内容について,米国の判例を中心に紹介し解説してい

くことにする。

I.機体保険証券解釈上の基本的原則

航空機機体保険証券は,付保の形態として,判例でもみられ,普通航空産 業界でも行われているように,オール・リスクス条件,すなわち免責条項に該 当しない限り包括的に全危険を担保する条件で引き受けられるのが建前であ

(1) 

るが,特定の状態における火災,窃盗,衝突などの特定危険のみについて担

(2) 

保する契約も可能である。いずれにしても,保険証券がオール・リスクス担 保であるかどうかにかかわらず,保険者は,通例規定された条件に基づいて 航空機の運航を制限することにより,あるいは,担保されない種々の条件を 明記することにより,担保範囲を制限して航空機保険を引き受けていること が,判例からも当然うかがえる。したがって,機休保険における多くの訴訟 が特定の機休保険証券の条件や免責条項の範囲,意味またはその適用に関す

(3) 

るものとなっている。

裁判所は,さまざまな種類の航空機機体保険約款を解釈するために,保険

(4) 

証券一般に適用される解釈原則を当てはめてきた。英国で行われている一般

(5) 

的な保険実務によれば,標準様式の航空機保険証券は,被保険航空機の減失

(4)

航空機機体保険約款に関する一考察(1)(羽原) (3)3  または損侮を担保しており,偶発的損害は担保されるが,自然の損耗 (wear and tear)および電気的または機械的損害もしくは故障 (electricor me‑

chanical damage or breakdown)に対する責任は,通常免責される。間接損 害も担保可能であるが,機体保険証券は,普遥航空機が飛行中 (inflight),  地上走行中 (taxiingon the ground)または碇泊中 (moored)の間におけ

(6) 

る危険を担保している。また,機体保険証券は,被保険者の通常の運航中 (during the normal course of  the  assured's  operations)を担保するだ けであり,このことは,おそらく当該航空機の耐空証明(airworthiness certificates)が効力を失ってしまっているか,または同機が売却されかか

っている場合に,その保険保護を排除しようとするものであると考えられ

前述のように,機休保険契約は,通常オール・リスクス担保の契約であ り,この保険を付された航空機自体が,偶然な事故によって損害を被むった 場合に,その原因のいかんを問わず,損害に対して保険金が支払われる。具 体的には,墜落,不時着,衝突,爆発,火災,盗難,風水災,地震等の危険 によって機体に生じた物的損害が填補されるものである。

(8) 

(1)航空機の損害と危険との間における因果関係

航空機機休保険証券により示されているように,保険会社は,いわゆる状 況的形態の条項 (statusclause)と結果的形態の条項 (resultclause)の二 種類の条項を選択的に用いながら,免責危険約款を構成している。すなわち,

最も一般的な状況的形態の条項の例は,「航空機が自力 (ownpower)また は推力 (resultingmomentum)によって移動 (in motion)  している間」

を担保から除外することが挙げられる。この場合,航空機の移動またはその 働き (momentum)と免責される減失または損侮との間の因果関係について

(9) 

は全く言及されていない。これと対照的なのが,結果的形態の条項である。

たとえば,「航空機の地面,水面,もしくは,他物との衝突または墜落に因 り生じるか,あるいは起因する火災」を担保から除外する条項などでは,免

(10) 

責となる特定の因から生じる滅失または損傷について明示されている。

(5)

4(4)  31巻 第 1

状況的形態の条項は,一般に機休保険約款で用いられ, I損害が発生した時 に,保険者が当該規定に基づき責任を回避するための禁止行為と結果として 生じた損害との間の因果関係を明示する必要はない。単に,被保険航空機 が,契約によって除外された状況下において運航中であるという理由だけ

(11) 

で,保険者は責任を免れると考えられている。

一方,結果的形態の条項は,一見したところ,機休保険約款ではあまり用 いられていないように思われるが,損害自体が,保険者が引き受けを拒否し

(12) 

た危険に因って生じない限り,保険者は責任を免れないと判断されている。

約款の形態に関して,状況的形態の条項については,それ自体が,保険会 社無責に対する条件とされているが,結果的形態の条項においては,保険者 は,航空機の減失または損侮が担保条件によって除外された危険の結果でな

(13) 

い限り,免責とはならない。

(14) 

(2)被保険航空機における被保険利益

財産の損傷または破壊を担保する保険において要件とされる被保険利益の 性質や範囲などについては,長年の訟訴や控訴を通じて確立されたかなりの

(15) 

法的規則がある。航空機機休保険約款における被保険利益に関して入手でき る判例は限られているが,確立された一般原則から逸脱しているとは思われ ない。米国のいくつかの州では,被保険利益に関する一般的な制定法上の定 義があり,その中に航空財産保険 (aviationproperty insurance)におけ

る被保険利益の内容が含まれている。

たとえば,被保険利益の原則およぴ当該制定法に従って,賃借人がリース 機に被保険利益を有していなかったため,同機を担保することができなかっ たという航空機休保険業者 (hullinsurer)の主張が退けられた事例があ

(16) 

White LibertyMut.  Ins.  Co.事件の場合には, リース契約また は取り決めの条件によると,賃借人が,賃貸人に対して,航空機を付保し,

同機を現在と同一の状態で賃借期間の終了時に返却する義務を課せられてい た。裁判所は,この点を強調し,これは,ニューヨークの制定法上被保険利 益という用語が,減失または破壊に対する財産の保護における一切の法律的

(6)

航空機機体保険約款に関する一考察(1)(羽原) (5)5  および実質的な経済的利益を含むとみなされる場合に,意味する内容と正確 に一致すると判示した。

(17) 

Bowman AmericanHome Assu.  Co.事件においては,財産の売主 は,その財産に被保険利益を有するという保険法の一般原則が,特定の事実 のもとに,航空機機体保険約款に基づき損害填補を受けられる航空機の売主

(18) 

に対しても適用されてきたことが示されている。すなわち,航空機に生じた 損害に対して保険金の支払を保険者に求める訴訟において,ネプラスカ最高 裁判所は,売主勝訴の判決を支持し,証拠は,売主が損害発生時に被保険利 益を保持していたこと,および陪審が,(1)売主が米国統一商法典 (UCC)

§ 2401に従って,航空機の現実的引渡しを完了していたこと,または(2) 故発生時には行われていなかった必要な事務処理の完了と同時に,権利が移 転する明示的契約があったこと,のいずれか一つの相当な証拠から正当に判 断されることを示すに十分であるとした。つまり,これらの事実認定のいず れかにより,§ 2401, uccに従って権利が買主に移転しておらず,したが って,§ 2501, uccにより,売主は被保険利益を保有すると,判決が下さ れている。

(19) 

(3)被保険者の注意義務に関する保険約款の効力

航空機財産保険証券 (aircraftproperty  insurance policy)の約款解釈 について,被保険者の注意義務に関係する判例はわずかしかない。他にあま り類のない航空機保険証券の約款が,明らかに被保険者の過失による運航 (negligent operation)に起因する航空機の損害を担保し,普遥保険約款に おいて,被保険者が相当なる注意をなし,被保険航空機の一切の減失または 損傷を回避,軽減するために合理的に実行可能なあらゆる事柄を行うに際し て,実施協力すべきであり,また航空機が損害を被る事故が発生した時に は,その安全を確保するために必要な手段を講じるべきであると規定されて いた場合の例として, UnitedStates EagleStar Ins.  Co.羞袢が挙げ られる。本件の再弁論時に,策 9巡回裁判区では,保険契約はできる限り被 保険者に有利なように解釈されねばならないという原則に従い,上記約款

(7)

6(6)  31巻 第 1

は,被保険者の過失による航空機の運航に起因する担保を除外するよりも,

むしろ事故の発生した時に,航空機の損害を軽減する被保険者の義務に当て はまると判断された。したがって,裁判所は,航空機が氷雪の堆積によって その上昇性能を減じられていた時に,危険な気象条件の下で離陸を操縦士に 試みさせた被保険者の過失の結果である航空機の偶発的損害に対する填補

(21) 

を,同約款は除外していない,と判決した。

(22) 

(4)他保険条項,比例分担条項,超過額条項等による保険者間の損害分担 複数の航空機休または物的損害の保険業者間における損害の分担に直接関 係する判例は,ほとんどみられないが,起こりうると考えられる問題であ

長い経験を積んだ保険法の実務法律家が隠識しているように,複数の保険 者間における損害分担の問題は,再保険の問題とは別であるとしても,かな り解決困難な問題や多くの訴訟およびさまざまな裁判所の判決を生んでき

(23) 

た。通常,所有者による回収額は,複数の保険契約が同一の財産に関して存 在し,その総合計額が当該評価額以上になる場合には,契約は損害填補契約 のみであるので,硯実損害に限られている。比例分担填補額について,複数 の保険証券上に何ら規定がない場合には,被保険者は制限されることなく,

いずれかー保険者から全額を回収することができる。そして,その場合には,

同保険者は,他の保険者に比例分担額を請求することができる。しかしなが ら,現在発行されている財産保険の多くの保険証券には,特に各保険者に対 する比例分担填補額を規定した,いわゆる比例分担条項 (prorata clause)  が挿入されている。また.保険証券のなかには,さらに特定の保険が存在す る場合の責任に対して,いわゆる,超過額保険条項あるいは約款 (excess insurance clauses or provisions)を含んでいるものもある。したがって,

このような場合には,複数の保険者の間で損害分担に関する特別の規則が定

(24) 

められている。

硯在発行されている財産保険の保険証券には,通例,保険証券に指定され た保険金額が財産の保険金額総額に対して負担する割合以上に大きな発生損

(8)

航空機機体保険約款に関する一考察(1)(羽原) (7)7  害額に対する責任は,負わないことを規定する,いわゆる比例分担条項が挿 入されている。同条項は,法的に認められており,保険会社の填補責任を単 独個別とし,責任限度額に影響を及ぼす制定法が存在しない場合には,規定 された比例分担額以上の額を保険会社から回収することを防ぐことが決めら れている。比例分担条項が保険者の有利なように作用するためには,保険証 券に基づいて,付保利益の同一性および危険の同一性がなければならず,危 険の同一性に関する要件は,損害の割り当て条項 (apportionmentclause)  が同時発生であるとないとにかかわりなく,他保険の存在という事実によっ

(25) 

て排除されないと一般に考えられている。

比例分担条項と対照区別して,保険証券は,しばしば特定の担保に関して は,超過額保険 (excessinsurance)のみとすると規定している。このよう な保険証券に基づき,同一の担保について保険証券を発行する保険会社は,

他の保険によって担保される減失または損傷部分に対して一切責任を負わな いのではなく,他の保険または複数の保険証券によって負担されている損害 填補額を超過した減失または損傷額に対してのみ責任を負うということにな る。たとえば,保険証券に基づき,契約上のひとつの義務が判決または和解 に寄与することである場合に,超過保険業者 (excessinsurer)が,訴訟を うまく抗弁するに際して,原告が被むった費用を負担する責任を負わない例

(26) 

がある。 Fireman'sFond Ins.  Co. UnderwritersIns.  Co.

は,ほぼ同額の航空機の機休損害を担保した二つの保険証券があり,一方の 保険証券における他保険条項が,もう一方の他保険条項の超過額担保条項 (excess provision)と両立しない比例分担条項を有していた。オクラホマ 法を適用していた第10巡回裁判区は,保険証券が超過額担保条項を含んでい た保険者の責任を免除し,当該保険証券が比例分担条項を有していた保険者 に対する責任を査定する判決を支持した。上訴裁判所は,比例分担条項を有 する保険証券を第一次保険者とし,他の保険証券における超過額担保条項を 完全に有効であるとする判決を適用した。

他の保険が付保されている場合に,特定の危険に対する責任を制限または

(9)

8(8)  31巻 第 1

回避することを意図する保険証券間の対立に関する事件が起っている。次に 述べるように,保険証券の一つが超過額条項を含んでおり,他の保険証券 が,危険が他の有効で填補可能な保険によって担保されている際には,責任 を負わないと規定している無責約款 (noliability clause)を含んでいる場 合には,填補責任は,多くの場合noliability clauseを含む保険証券を発行 している保険者に対して負わされてきた。この判示するところの論理は,超 過額保険を構成する保険証券は,他の保険証券の noliability clauseに関 する限り,他に填補可能な保険担保を提供していないというだけのことであ る。しかしながら,さらにかかる条項の間における不一致が,相容れられ ず,したがって,保険者がそれらの間で損害を分担せざるをえないという見

(28) 

解を持つ判例もある。

固有の事情のために,損害を被った航空機につき,二つの航空機機休保険 が存在したり,求償される場合の判例としては, AmericanFire & Casualty 

(29) 

Co. MarathonAviation Marathon Inc.事件がある。本件の場合,一 つの保険が,チャークーや空輸業務の一部として他の航空機を運航する操縦 士をも賃貸している航空機所有賃貸人を担保することができた。一方,他の 保険証券は,前者の操縦士を麗用している所有者の航空機を担保することが できた。航空機は,前者の操縦士の管理下にある間に損害を被むる事態が発 生した。操縦士提供者の保険証券に,保険が,他の保険証券によって特別に 付保された一切の航空機に関して適用されないことを規定した「航空機不担 (aircraftnot covered)」に関する条項, すなわち,同一損害に対して重 複した損害填補を防ぐことを意図した条項が挿入されていた場合には,かか る条項は,操縦士提供者の利益,危険または損害を担保していない第三者の 別個の保険証券を含まないと考えられた。したがって,控訴裁判所は,自分 の保険者に付保した操縦士提供者によって起こされて,同保険者の保険証券 が実際に損害を担保していると判決された確恩判決訴訟における判決を支持 した。これは,他保険の状態ではなく,本判例は,被保険者が寄託者として の第三者の保険証券に基き担保される事例ではなかったことになる。

(10)

航空機機体保険約款に関する一考察(1)(羽原)

(1)  88 ALR 2 1122.  (2)  48  ALR 3 1125, § 2.  (3)  Ibid. 

(4)  48 ALR 3d 11切§ (a

(5)  McGillivray Parkington, Insurance Law, 6th edn,  15,p. 984.  (9)9 

(6)  Banque Sabbag v.  Hope (19721 Lloyd's  Rep.  253 ; (19731LIyd's

Rep.  233 ; (197 2Lloyd's Rep.  301  H. L.本件は,一定領域上の運航航 路中にある間の担保は,当該航空機が空中にある間のみ有効であるが,地上に ある間は有効ではないとされた代表的な判例として挙げられる。

(7) Banque Sabbag v.  Hope973)1 Lyoyd's Rep.  233. 

(8)  Stuart M. Speiser,  Chales F.  Krause,  Alfred W. Gans,  Aviation Tort  Law Vol. 3,  The Lawyers Cooperative Publishing Co., BancroftWhitney  Co.  1980,  pp. 168169. 

(9)  一例として, Dillard v Continental Ins.  Co.  (1961,  La App) 130 So 2  489,  7 CCH Avi 17553,.48 ALR 3 1128,  1129 § 3(b)参照。

(10)  一例として, Paul Foshee Dusting Co.. v Byron  (1963,  La App) 158 So  345,  159 So 2 289. 

(11) e Roberts v Underwriters At Lloyds London  (1961,  DC Idaho)  195 F Sup  168,  7 CCH Avi  17671. 

Glades Flying Club v Americas  Aviation. & Marine Ins.  Co.  (1970 Fla  App D 3)  235 So 2 d 18,  11 CCH Avi 17557. 

Lineas Aereas Colombianas  Expresas v Travelers  Fire  Ins.  Co.  (1958,  CA 5 Fla)  297 F 2 212,  7 CCH Avi 17778. 

Electron Machine Corp v American Mercury Ins.  Co.  (1961,  CA Fla)  297 F 2 212,  7 CCH Avi. 17778. 

Grigsby v Houston Fire Casualty Ins.  Co.  (1966)  113  Ga App 572,  148 SE 2 925,  9 CCH Avi 18145. 

Kilburn v Union Marine & General Ins.  Co.  (1949)  326  Mich 115,  40  N W  90,  2 CCH Avi 15096. 

eDes Marai,Sv Thomas (1955,  Sup)  147 NYS 2 223,  4 CCH Avi 17838,  153 NYS 2 d,  532,  153 NYS 2 557. 

..Baker v Insurance Co.  of North America  (1971)  10  NC App 605,  179  SE 2 892,  11 CCH A vi  18166. 

Underwriters At Lloyd's of London v Cordova Airlines,  Inc.  (1960,  CA  Alaska) 283 F 2 659,  6 CCH Avi 18252,  48 ALR 3 d 1128, § Cb

(11)

10(10)  31 巻 第 1

(12)  Paul Foshee Dusting Co.  v Byron (1963,  La App) 158  So 2 d 345,  159  So 2 289;  James v Federal Ins.  Co.  (1950)  5 NJ 21,  73 A 2 d,  720,  3  CCH Avi  17220;  Andrews v Great  American Ins.  Co.  (1944)  223  NC  583, SE2 d 633,  1 CCH Avi 1116. 

(13)  48 ALR 3 d 1129, § (b J. 

(14)  Speiser,  Kraus Gans,  op.  cit.,  pp.169171. 

(15)  43 A m  Jur 2 d 507以下, INSURANCE, § 466,  § 467参照。

(16)  (1970)  62 Miss 2 d,  795,  309 NYS 2 d 819,  11 CCH Avi 17740.  (17)  (1973)  190 Neb 810,  213  N W  446,  13 UCCRS 783.  (18)  43 Am Jur 2 d 523,  INSURANCE, § 488参照。

(19)  Speiser,  Kraus Gans,  op.  cit.,  pp.171172.  (20)  (1953,  CA Wash) 201 F 2 d 764,  3 CCH A vi  18115. 

(21)  48 ALR 3 d 1156, § 28.  (CA 9 Wash) 196 F2d 317,  3 CCH Avi 17200.  (22)  Speiser,  Kraus & Gans,  op.  cit.,  pp.172175. 

(23)  44 A m  Jur 2 d 731以下, INSURANCE, §  1§ 8071817.  (24)  44 A m  Jur 2 731,  INSURANCE, § 1807. 

(25)  44 A m  Jur 2 d 731,  732,  INSURANCE, § 1808.  (26)  44 A m  Jur 2 740,  INSURANCE, § 1815. 

(27)  Fireman's Fund Ins.  Co.  v Underwriters Ins.  Co.  (1968,  CA 10 Okla)  389 F 2 d 767,  10 CCH Avi 17750.各保険会社は,その保険証券の文言によっ て拘束され,その責任は,当該引受け限度額を越えて拡張されることはできな い。損害を担保する他の保険がある場合には, 「他保険」条項で用いられてい る文言により,保険引受け業者は,超過額保険の範囲に対してのみ責任を負う義 務があった。 Fireman'sFundは,その文言によって,第一次保険を引受け,保 険証券の限度額が費消されるまで,保険引受け業者は, Fireman'sFundの保険 証券の比例分担条項の範囲内において有効かつ填補可能な保険を提供しなかっ

(28)  44 Am Jur 2 d 741,  INSURANCE, § 1817. 

(29)  (1967,  Fla App D 2)  196 So 2 d 782,  10 CCH Avi 17187,  9 Couch  2 d,  INSURANCE 14,  § 37: 1292,  43 A m  Jur 2 d 942,  INSURANCE, § §1004 下参照。

(12)

航空機機体保険約款に開する一考察(1) 11)11 

]I. 機 体 保 険 約 款 に お け る 物 的 損 害 の 担 保 に つ い て

(1) 

(1) 墜落 (crash)または衝突 (collision)に因る損害

航空機機体保険証券に関係する判決の中で,初期の判例より繰り返し発生 してきた問題の一つは,被保険航空機の損害が,墜落または衝突のいずれに

(2) 

起因するのかということである。

航空保険に直接関係するおそらく最も初期の判決であるとされる Gans

Columbia Ins.  Co事件により,航空機保険証券の規定が,提示された状 況に基づく衝突に因る損害を担保するものであると解釈され,一つの茜準を

(3) 

示す判例として参考になる。

本判例は,水上機 (seaplane)または飛行艇 (flyingboat)の保険を引 受け,「地表面 (earth)〔地面 (land)もしくは水面 (water)を含む]また は一切の移動中もしくは静止している物体との衝突」に因って生ずる航空機 の直接損害を填補する保険証券に基づく訴訟に関係するものであった。すな わち,海上を飛行中の航空機がエンジンの故障を起し,水面に着水して海岸 ヘ漂着した。そして,陸地へ引上げられると同時に,波の作用により,主翼 (wing)と操縦翼面 (controlsurface)に相当な損害を被むったと思われ た。裁判所は,衝突は激しい接触 (violentcontact)と同じ意味であり,衝 突の状態が結果として起きるためには,物体が移動状態にある必要はないと 指摘して,同損害が保険証券の担保条件の範囲内における衝突に起因すると 判決した。

衝突の担保条件が衝突の形態や原因について制限されている場合には,保 険証券による損害填補が,拒絶されることがある。例として, Cramer

(4) 

American Alliance Ins.  Co.事件によれば,被保険者が着陸操作をして,

航空機が着陸滑走中,雪の吹き溜まりに衝突した。しかし,火災も爆発も発 生しなかった。保険証券は,「CoverageCのオール・リスクス条件で,飛行 中の火災を含み,地上走行中を除く地上定置中のみ担保の条件であり,直接 損害および火災,落雷,爆発および自然発火の事由による飛行中に被むった

参照

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