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労 働 価 値 に よ る価 格 形 成 論

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(1)

55

労 働 価 値 に よ る価 格 形 成 論

望 月 喜 市

1問 題

ソ連 邦 の価 格 形 成 論 争 は,1950年 代 の 後 半 か ら 多 くの経 済 学 者 を ま き こ み,こ れ に関 す る 多 数 の論文 が 発 表 され て きた 。1965年 の経 済 改 革 とそ れ に続 く57年 の工 業卸 売 価 格 体 系 の 全面 的 な改 訂 を も って,価 格 政 策 上 で は 一 応 の 帰 結 をみ た の であ るが ,新 方 式 の価 格 形 成 は理 論 的 にみ て決 して 満 足

(1)

で き る 性 質 の も の で は な く,問 題 は 今 後 に 残 さ れ て い る と い っ て よい 。

(2)

この 間 の 経 済 学 者 の 主 要 な 主 張 をB.ネ ム チ ノ フは,つ ぎ の よ うに5つ に

(3)

分 類 し て い る 。

(d)価 値 価 格 説:こ の グ ル ー プ に は,C.ス トル ミ リ ン,H.ク ロ ンn一 ド, M.ボ ー ル,n.ム ス チ ス ラ フ ス キ ー な ど が い る 。

(ロ)生 産 価 格 説:J【.バ ー グ,B.ソ ー ボ リ,B.ベ リ キ ン な ど 。

㊨ 社 会 的 必 要 労 働 支 出 を 基 礎 と す る,価 値 の 転 化 形 態 の 存 在 を 主 張 す る も の(ネ ム チ ノ フ,B.ノ ポ ジ ロ フ な ど)。

⇔ 価 値 の 独 自 の 概 念 を 発 展 さ せ た も の,「 客 観 的 必 然 的 評 価 」「誘 導 価 値 」 (刀.カ ン トロ ヴ ィ ッ チ.3.チ ュ ハ ノ フ)。

(1)B.n.AbfiqeHKo,HayqHbieocHoBblnnaHoBoroUeHoo6pa30BaHHq,M.1968.

CTP.311以 下 を み よ.

(2)B・ ネ ム チ ノ フ は,ソ 連 邦 科 学 ア カ デ ミ ・ 一 に も う け ら れ た 「社 会 主 義 経 済 に お け る 価 値 計 算 専 門 委 員 会 」 の 議 長 を つ と め,こ の と き の 同 委 員 会 で の 討 議 に も と つ い て こ の グ ル ー プ 分 け を 行 っ て い る 、

《CneuHaJlbHaHKoMHccHHnovacqHcJleHHIocToHMocTHBcoqHa"HcTHqe‑

cKoMxo3HticTBe》noI'locTaHoBJIeH}IK)npe3H八HyMaAKa,lleMHHHayKCCCP N9180T23月HBap月1959.

(3)B.C.HeMqHHoB,06r耳ecTBeHHaficToHMOCTbHnJlaHoBaHueHa,1>i.1970,

CTP.382‑3.

(2)

㈲ 原 価 価 格 説 も し くは 平 均 価 値 価 格 説,(JI.マ イゼ ンペ ルグ,m.ト レッツ キー,双.コ ン ドラシ ョフ)。

さ て,数 理 経 済 学 的 手 法 を 用 い て 価 格 問 題 に 接 近 した 著 名 な 学 者 と して, 上 記 の カ ン トロ ヴ ィ ッチ,ノ ポ ジ ロ フ,ネ ム チ ノ フが い る 。 こ の 三 者 は1965 年 に と も に そ ろ っ て レ ー ニ ン 賞 を 受 賞 して い る 。 カ ン トロ ヴ ィ ッチ は1939 年 段 階 で,は や くも 線 型 計 画 問 題 を とい て 工 場 の 資 材 配 置 問 題 に 応 用 した 学 者 と して 有 名 で あ る し,ノ ポ ジ ロ フは,投 資 効 率 問 題 か ら価 格 問 題 に 接 近 し,「 較 差 支 出 」 も し くは 「国 民 経 済 原 価 」 とい う価 格 概 念 を 打 建 て た 。 こ れ に 対 して,ネ ム チ ノ フの 場 合,価 格 形 成 問 題 に 関 す る 断 片 的 な 論 文 だ け で,彼 の 体 系 的 な ア プ ロ ー チ の 内 容 は よ くわ か らな か っ た し,わ が 国 に も あ ま り紹 介 され て い な い よ うに み え る。 岡 稔 氏 が 指 摘 して お られ た ネ ム チ ノ フ の 「国 民 経 済 費 」 概 念 とは どん な も の か よ くわ か らな か っ た 。1964年 の ネ ム チ ノ フ の 死 後,最 近 彼 の6巻 選 集 と他 に2〜3の 著 作 が 刊 行 され た 。

こ の 中 で,彼 は1965年 の 経 済 改 革 で 大 巾 に 導 入 され た 分 権 的 管 理 の 諸 装 置 に つ い て,67年 の 工 業 卸 売 価 格 の 全 面 改 訂 に 大 き な 影 響 を 与 え た と思 わ れ る 価 格 形 成 方 法 を か な り 体 系 的 に 展 開 して い る 。 本 論 文 は この 体 系 を 追 い,価 格 形 成 方 法 の 中 で 位 置 づ け を 試 み,若 干 の 問 題 点 を 提 起 す る も の で あ る 。

π 価 格 の 計 画 化 モ デ ル

本 節 で は,社 会 主 義 の も と で の 各 種 の 価 格 形 成 論 を0・ キ ー ン,B・ セ ケ ル

(4)

カ,L・ ヘ イ ル に 従 っ て 分 類 し,次 節 で 展 開 す る ネ ム チ ノ ブ の 価 格 形 成 論 の 一 般 的 位 置 づ け を 試 み る

n個 の 部 門 か らな る レオ ン チ=フ 型 の 国 民 経 済 モ デ ル を 使 用 し よ う(第1

(4)O.Kvn,B.SekerkaandL.Hejl,"AMode1forthePlanningofPrices亀'

C.H.Feinsten(ed.),Sociαlism,CapitalismanaEconomicGrowth,Cambridge,

1967.邦 訳,C.H.フ ェ イ ン ス テ ー ン 編 『社 会 主 義 ・ 資 本 主 義 と 経 済 成 長 』 水 田 洋 他 訳,筑 摩 書 房.お よ び,同 じ グ ル ー プ か ら な る 論 文,"Pricesystems

computablefrominput‑outputcoefficients",A.P.Carter&A.Br6dy

(ed.),ApPlicationsofinクut‑Ou4》UtAnα1ツsis・London・1970・ に よ る,

(3)

労働価値による価格形成論 57

図)。

餌 一(・ の 一(㌻)現 物轍 示の投入係

数行列

(・)κ 一㈲ 一(㌻)・ 所 与 の単 位 時 間 内 に ・ ブ 部 門 で 産 出 高1単 位 を 生 産 す る の に 必 要 な つ種 類 の フ ォ ン ド(資 本 ス トック)。

&ブ

毒 ブ

vノ zゴ Xj

yiXi

の 第1図

産 に 必要 な労 働 量(延 べ時間数)。 も し部 門 別 平 均 賃 金 の ベ ク トル ω(こ れ を一定とす る)が 与 え られ るな らば,こ の 労働 係数 をつ ぎの よ うな 賃 金 費

(5)

用 係 数 ベ ク トル で あ ら わ す こ と が で き る 。V・=lth

㊥e‑(2、,…,z。):各 部 門 の 利 潤 額 を 示 す 行 ベ ク トル 。

㈹ ρ一(ρ い …,ρ の:各 部 門 の 卸 売 価 格 行 ベ ク トル 。 価 格 モ デ ル の 基 本 方 程 式 は つ ぎ の よ う に な る 。

ρ=ρ!望 十"十 β

こ こ で ㍉ /■ ・=■

1十22十93

1。,‑ppA

卜 μ

(1.1)

LX3==ρlbK"(た だ し

,v,μ,ρ は 係 数) と し て,こ の 関 係 を(1)に 代 入 す る と,

く の

p=(1十v)PA十(1十tLt)v十 ρf)K(1.2) コ う{」E‑(1十 ン)A一 ρK}=(1十 μ)v

p{E一 ρK[E‑(1→ 一レ)A]}1}==(1十 μ)v[E‑(1十 ン)A]『1

∴P‑(1十 μ)v[E‑(1+v)A]‑i

{E一 ρ」K[E‑(1十 ン)A]剛1}‑1・ ・ ・…(1.3)

1.3式 よ り,パ ラ メ ー タ ー μ は 価 格 水 準 に 影 響 を 与 え る だ け で,価 格 関 係

(5)記 号 ・は 対 角 行 列 を 示 す た め に 用 い る,

(6)次 頁 に 掲 載.

(4)

に は 影 響 しな い が,ン と ρ と は 価 格 水 準 と 価 格 関 係(相 対価格)の 両 方 に 影 響 す る こ とが わ か る。 こ の 式 を 用 い て,キ ー ソ ら は つ ぎ の よ うに パ ラ メ 「 タ ー

の 値 に よ っ て 価 格 形 成 タ イ プ を 分 類 す る(第1表)。

第1表 各種 の価格 形成 タイ プ

N も

駆 o

F

ll o

価 N 型 2 径

Yi o 汐=(1十 μ)"(E‑A)‑1

路 格 距 一(1+v)・[E‑一(1+・)A]‑i

所 得 価 格 価 格 F 型 2 径 路

喰 11

も " O ㌃ " O

P[E‑(1一 レ)/1]=0

iP[E一 ρK(E‑A)‑1]=0

少==(1十 μ)v(E‑A)‑1

1ウ==V(E‑A)  1[E一 ρ、K(E‑A)‑1]‑10r

v[E‑A一 ρK]‑1

1価 値 価 格 費 用 価 格 (平均価値価格) N型 所 得 価 格 F型 所 得 価 格

価 値 価 格 生 産 価 格

注:O・KynandOthers,op.cit.PP.108〜113。(邦 訳PP.131〜138.)に 従 っ て, 筆 者 が ま と め た も の.な お,N型(F型)2径 路 価 格 はN(F)‑two‑channel Priceの 訳 で,Nは チ ェ ッ ク語 の 費 用(naklady),Fは フ ォ ン ド(fondy)

を 意 味 して い る.

第1表 の 各 種 の 価 格 形 成 タ イ プ に つ い て,数 式 上 の 若 干 の 特 徴 を 考 察 し よ う 。 ま ず 価 値 価 格 に お い て は,パ ラ メ ー タ ー μ の 変 化 は,相 対 価 格 関 係 に 全 く 影 響 し な い 。 そ れ に 対 し て,費 用 価 格 の ば あ い に は,パ ラ メ ー タ ー レ の 大 き さ が 価 格 水 準 に も 相 対 価 格 関 係 に も 影 響 す る 。 数 式 の 上 か ら は,こ の

(6)1‑2式 で 取 引 税 を 計 上 す る と,ρ は 小 売 価 格 体 系 に な る.

い ま δ=(δp…,δ の をPを ベ ー ス と す る 取 引 税 率 と す る と,(2)式 は つ ぎ の よ う に な る.

P=(1十)P14十(1十let)v十 ρt》 κ →‑f)δ iウ{」E‑(1一トレ)A一 ρK一 δ}=(1十Pt)v

iP{E‑(1+・)(A+丁 翁)一 ・κ}一(1+μ)・

こ こで ∠十 一=オ*と δ お く と1十 レ

2り{E‑(1十 ン)A*一 ρK}=(1十lt)"

∴P==(1十 μ)v[E‑(1+v)A*コ ー1{E一 ρK〔E‑(1+v)A*コ ー1}『1

(5)

労働価値 に よる価格形成 論5ρ

両 価 格 型 と も μ,レ を 正 の 範 囲 で 任 意 に 選 ぶ こ とが で き る。 と こ ろ が 所 得 価 格 の 場 合 に は,非 零 の ベ ク トル ρ が 存 在 す る た め に は,そ れ ぞ れ レ・ρ が つ

ぎ の 条 件 を み た す よ うに 定 め られ な け れ ば な らな い 。 lE‑(1+",)Al=O(1・4)

lE一 ρK(E‑!1)‑1t3昌0(1.5)

この よ うな 条 件 を み た す ン,ρ は つ ぎ の よ うに して 求 め る こ とが で き る。

ま ずN型 所 得 価 格 式 は, P[E‑(1+y)A]=・=O

∴[一.1E.̲A'1

十 レ]粛(た だ い 〉・)

こ こでA'〉 ・ で あ るか ら,毒 が行 列Atの 固有 値 の 最大 根 とな る よ

くの

う に き め れ ば,P'≧0を み た す ベ ク トルP'が 存 在 す る 。 つ ぎ にF型 所 得 価 格 式 は,

iP[E一 ρK(E‑A)‑1]==O

∴/‑li‑E'一[K(E‑‑A)一']'lp'=o(だ だ し ・ ・〉 ・)

こ こで 総 資 本 ・産 出 高 比 率 行 列[K(E‑A)‑1コ'>0で あ る か ら,こ の 行 列 の 固 有 値 の 最 大 根 を ⊥ に 等 し く とれ ば,P'≧0を み た す ベ ク トルP'が 存 在

ρ す る 。

皿 必 要 労働 生 産 物 に よ る価 値 計 算

い く つ か の 価 格 形 成 タ イ プ の う ち 価 値 価 格 型 がP=一(1十 μ)v(E‑‑A)"iと な る こ と を 前 節 で 示 し た わ け で あ る が,い ま(1十tt)V‑tと お け ば

ilb‑t(E‑‑A)‑1 (2.1)

とな り,こ の と き 診 一 α、,…,彦の を 各 産 業 部 門 で 支 出 さ れ る単 位 期 間 内 の 労

・働 時 間 量 に とれ ば ,ベ ク トル ρ は 労 働 時 間 で 表 わ さ れ た 評 価 額,も し くは

(η ダ ッ シ ュ記 号 は 転 置 行 列 を 示 す.

(8)二 階 堂 副 包 『現 代 経 済 学 の 数 学 的 方 法 』 岩 波 書 店,1960,P・120。Frobenius

の 定 理 を 参 照,

(6)

く ラ

労 働 の 外延 的尺 度(eKcTeHcvaBHaHMepaTpyAa)に よ る評 価額 を示 す こ とに な る。 そ の場 合 に は,労 働 の熟 練度,労 働 強 度,複 雑 度,重 筋 度 とい った 労 働 の 質 的 側 面 が考 慮 され て いな い。 周知 の よ うに,社 会 的 価値 量 は投 入 労 働 量 を単 純 労 働 に 還 元 した上 で(つ まり労働量を 等質化 した上で),そ れ を測 定 尺 度 と して 規定 され る。 そ の た め に は,(2.1)式 の 彦に 相 当す る部 分 に単 純 労働 量 に比 例 した 何 らか の大 き さを代 入 す れ ば よい。 この種 の最 も簡 単 で 便 宜 的 な 方法 は,現 行 賃 金 体 系 が労 働 の量 と質 とを反 映 した 大 き さで あ る と仮 定 し,各 部 門 で支 払 われ た 賃 金総 額 が そ の ま ま還 元労 働 単 位 を尺 度 とす る労

く  の

働 投 入 量 に比 例 して い る とす る考 え方 で あ る。 この方 法 は,ス トル ミ リンな ど価 値 価 格 論 者 に よって一 般 に用 い られ て きた 。 も っ と正 確 を 期 す な らぽ, 労働 科 学 な どを応 用 して 労働 支 出 の等 質化 係 数 な どを採 用 す る方 法 も考 え ら れ る。

この よ うな 方 法 に対 して,複 雑 労 働 の単 純 労働 へ の還 元 は,要 す るに 労働 力 の 再 生産 費 用 に比 例 した 大 き さを 捕 えれ ば よい とい う点 に着 目 し,現 実 の 実 質 賃 金 水準 を労 働 移 動 圧 力 を発 生 させ な い均 衡 賃 金 水 準 と仮定 して,そ の 賃 金 水準 の実 物 的 表示(一 種の必要労働量)か ら 社 会 的価 値 を 計 算 す る試 み が 存 在 す る。

い ま家 計 調 査 等 の 方 法 に よ って,物 的 生 産 部 門 に お け る労 働 者家 族 の消 費 財購 入 の実 物 的 内 容 が,大 枠 分 類 の レベ ル で 捕 え られ た とす る(第2表)。 貯 蓄 部 分 に つ い ては,耐 久 消 費 財 も し くは 資 本 財(非 生産的固定 フォン ド)の 部

(11)

分 的 購 入 の よ う な 形 で 実 物 化 し て 推 定 す る も の と 仮 定 し よ う 。

そ の 行 列 をD̀ゴ と し,そ れ を 各 部 門 の 生 産 高 で 割 っ た も のDtノ/笏 を(d・ 」)

(g)B.C.HeMqHHoB,TaM}Ke,cTp.275.446な ど.

(1ΦB.C.HeMgPiHoB,TaM}Ke,cTp.276.

(1D抽 象 的 な 理 論 モ デ ル と,実 際 の 統 計 モ デ ル と の 乖 離 は,貯 蓄 の 扱 い な ど で 困 難 を 生 む.普 通 は 貯 蓄 は ゼ ロ と 仮 定 し て 理 論 モ デ ル を 組 む こ と が 多 い(M.Mori‑

shimaandF.Setoパ̀AggregationinLeontiefMatricesandtheLabour

TheoryofValue,"Econometrica,vol.29,April,1961・p.207.な ど を み よ) .

社 会 主 義 の 場 合 に は,共 同 消 費 フ ォ ソ ドが 実 質 賃 金 の 中 に 加 算 さ れ る の が 普 通 で

あ る,,

(7)

労働価値による価格形成論61 とす ると,つ ぎの等式が成 立す る。

(・ 礁)+卿(乱)一(£)(2・2)

ここで 〆《 £)は 各部門生産物単位当 り社会的必要労謄 社会的価値量

を示 す 列 ベ ク トル で あ る。 またeoは 支 払 労 働 量 を 支 出労 働 量 に 結 合 す る一 一 種 の係 数 で,経 済 学 の カテ ゴ リーで示 せ ば

ら一 煮 諜 慰rγ 芳M(TeKy㎎HH?KvaBOHTPYA

Heo6XOIKvaMbltiTPYA)

である。

したが ってまた

(1)一 梱'(£)(2・3)

で も あ る。

(2.2)は つ ぎの よ うに 変 形 され る 。

{E・ ・ 一(aid)'‑eo(dif)}(£)一 ・(2・4)

1

[E‑一(ao')']‑1を 左 乗 す れ ば,

θo

伝E‑(E‑a'の 一・(aの'}(ll)一 ・(2・5)

(E‑a、 〆)‑1(d,」)'・=Bと す れ ば,こ の 式 は,

B(£)一禽(£)

とな るか ら,⊥ 60 は 行 列 β の 固有 方程 式 の最 大 根 と して決 定 され,そ の とき 列 ベ ク トル(τ)は そ れ に 対 応 す るBの 固有 ベ ク トルで あ る。 この ときB が 非 負 行列 で あれ ば,β は 非 負 の実 固 有 値 を もち,最 大 非 負 固有 値 に 属す る

く  ラ

非 負 の 固 有 ベ ク トル τ≧0が 存 在 す る。 つ ま り(2.5)式 は 有 意 解 を も つ わ

⑫ 二 階 堂 副 包,前 掲 書,p・120,

(8)

け で あ る。Bが 非 負行 列 で あ るた め に は,行 列 吻 が 分 解 不 可 能 で あれ ば

く  の

よい 。 そ うす れ ば(E‑a'ij)"i>0と な り,d'i」 ≧0で あ るか らBは 非 負 行 列 に な る。

(2.5)式 の もつ 経 済 学 的 意 味 を 考 え よ う。 この 式 は 投 入 係 数(aの と所 得 分 配 係 数(4の が 与 え られ る と,こ れ らの 係 数 関 係 が 上 述 した 一 定 の 関 係 を み た す 限 り θoと τ と が 一 義 的 に 決 定 さ れ る こ と を 意 味 して い る。e・ が き ま れ ば,一 国 全 体 の 平 均 的 な 剰 余 価 値 率C7=‑1‑e。)が M き ま り,か つ τ で 加 重 さ れ た 物 的 生 産 部 門 労 働 者 の 実 質 受 取 額(Σ4、 ゴ τの が 決 定 され る。 τ の 呼

称 単 位 が この場 合 賃金 の測 定 尺 度 とな り,同 時 に生 産 物 を 取 引 した り,異 種 生 産物 を 相 互 に加 算 す る測定 尺 度 に な る。 つ ま り,物 的 な再 生 産 構 造 や 分配 構 造 が与 え られ る と,そ れ らの投 入 ・産 出 ・分 配 を 相互 に バ ラン ス させ る よ

うな一 群 の評価 指標 を 計算 す る こ とが で き る。 この とき,物 的 生 産 部 門 の 労 働 者 の受 取 る消 費 財 が,客 観 的 にみ て労 働 力 の拡 大 再生 産 に丁 度 過 不 足 な い 分 量 で あ り,か つ 主 観 的 に労 働 者 がそ の 分 量 で 満 足 して い る(つ まり労働の部 門間移動が存在 しない)な らば,τ を 用 い て 計 算 され た 実 質受 取 額 全 体 が 社 会 的 必 要 労 働(v)そ の もの で あ り,τiσ 一L2,…,n)がi生 産 物 単 位 当 り

の社 会 的 価値 額 で あ る。

わ れ わ れ は前 節 で,各 部 門 の直 接 投 入 労 働 時 間 ち を与 え れば,τ,が 決 定 され る こ と示 した 。 この ときに は,分 配 関 係 が式 の 決 定 に 介 在せ ず,彦 → τ、

とい う決 定 関 係 だ け が存 在 す る。 第2に 貨 幣 賃 金(の を 測定 尺 度 とす る と σ と'を つ な ぐ何 らか の係 数 を 介 して τ を きめ る ことが で き る。 この場 合 に は1→V→e→ 彦 →Tと い う決定 関 係 で あ り,V/τ で実 質 賃 金 が き ま る。 この

1̲一 一一一H‑̲̲̲̲̲

関 係 で は,砂 を 所 与 とす れ ば θ を 変 化 させ る こ とに よ っ て τ の 水 準 が か わ り実 質 賃 金 水 準 が 変 化 す る 。 しか し θの 変 化 は 相 対 価 格 に は 影 響 しな い し, 分 配 の 相 対 関 係 に も影 響 しな い 。 第3の 型 は,分 配 関 係 を 実 物 的 に き め る タ

イ プ で

⑬(α の が分解 不可能 な らば,(E一 α'切 も分解 不可能で あ る,

(9)

j

・diゴ 「 → τ

}→ θo←

の よ うな 因 果 関 係 を もつ 。 第2の タ イ プ で は

労働価値による価格形成論

(£)一(E‑A')‑i(1)一(E‑A')'‑ie・(淘) (2.6)

63

の よ うに,τiとti(も し くはV、1)と が(E一4)変 換 を 介 して 結 合 して い る。 と こ ろ が,生 産 価 格

(1)一(E‑一 ・‑A'‑pK')‑i(1/e)(1)一(E‑A'‑pK')‑t(乱)(2・7)

の よ うに,τ とtの 両 者 が(E‑A'一 ρKt)を 介 して 結 合 して い る な らば,当 然 τ併 鑑 で あ る。 こ の 場 合,労 働 者 の 部 門 別 消 費 パ タ ー ン が 互 い に 相 違 す れ ば,(2.6)と(2.7)と で は 実 質 賃 金 の 変 化 の 大 き さ が 部 門 別 に 異 な り,

(14)

価 格 を通 じる受 取 価 値 額 の再 分配 が 行 なわ れ る こ とに な る。

本節 の代 数 式 を,数 値 例 で 例 解 す る とつぎ の よ うに な る。 まず 生産 物 の投 入 一産 出 バ ラ ンス原 表 が 第2表 の よ うに与 え られ てい る もの と しよ う。 この

とき,(aの,(aiブ)は 表 に示 した よ うに な る。

(14い ま 第1部 門 の 消 費 パ タ ー ソ をDil=(D"…Dni)で 示 し,第r部 門 の そ れ を D・・a・ ・一(D・r…Dnr)(㍗ ・.瀞 で 示 せ ば(2・6)式 お よ び(2・7)式 の 評 価 指標 体系 のも とで の実質所得 の両者 の相違 は,そ れ ぞれ

ハ バ

恥o漁 τ ・'動=必 璽 墨

,DiliiS1)ilτit

と な る,こ の 場 合 α1・=α2・=…=crnrな ら ば,両 部 門 の 消 費 タ イ プ は 同 一 と な

り,評 価 指 標 体 系 の い か ん に か か わ らず 両 者 の 実 質 所 得 の 相 違 は α 倍 で 変 化 し

な い(Y,=Y,・=α).と こ ろ が 一 般 に α、 痔 α2・… キ απ・ で あ る か ら,そ の 場 合 に

はYr≒Yrと な る.

(10)

第2表 生産物投 入=産 出バ ラ ンス表 (現物単位,仮 設数字)

圏 調辮 劇壷 謝癬唖 懲雛

… 墜 騰 犠{1響卸1…

li擬翻i:鞭:i即 蘇 「

*こ の数字 は社会 全体 の蓄積 と ,非 物的 生産部門 の勤労者 家族 の消費財供給可能 額 を示す.

一 一(i;i;iii

‑一(i

O.31469 1.37366 0.41032

0.04・017 0,03113 0.01379

⊥E‑(E‑・ 。i/)一 ・(αの'=・o l8

‑一 1 一 〇 .040170.82319 θ

1

00.03113‑一 θ 一 〇.70840

100.01379

⊥ ・2κ と す れ ば

θ

一x3十 〇 .33248x2十 〇.OOO38x=;O x(x‑0.33363)(x十 〇.00114)==0

こ こ でxの 最 大 根x・=O.33363を と る と, e=2・99734冨rr M

i擬i) i難i)

0.30135一 一1 θ

0 =

‑ ⊥ θ

(11)

労働価値による価格形成論 65 そ の とき の評 価 指標 体 系 τiは,

(ii)一(liiiii)

と な る 。

IV社 会 的 必 要労 働 量 の決 定

ブ なゴ

か の商 品 の生 産 に参 加 した 労 働 用 具 に 対す る実 際 の 労働 投 入 量 で は な く,当

(15)

該 労 働 用 具 の 再 生 産 の た め に 必 要 な 費 用 で 計 算 さ れ る。」 と い う マ ル ク ス経 済 学 の 命 題 に 立 脚 して,つ ぎ の よ うに 計 算 す る。

ま ず 固 定 フ ォ ン ド(設 備(L2,…,r),建 物(1,2,…,1)な ど)単 位 当 り (これ は現 物単位で も貨幣単位 で もか まわ ない)を 再 生 産 す る の に 現 時 点 の 技 術 条 件 の も とで 必 要 と さ れ る 原 材 料,労 働 力 の 投 入 行 列(わ 呂 ゴ)を 確 定 す る 。 つ ぎ

く  

に 「総 労 働 支 出 」(no∬HHe3aTpaTHTpyAa)

(17)

TゴiC=Σb,ゴ ち+ち 配

'

を 計 算 す る 。 こ こ で,ttはi原 料 部 門 の 「一 般 労 働 支 出 」(06mHe3aTpaTH

く の

TpyAa)で あ り,が は 当 該 固 定 フ ォ ン ド 生 産 部 門 の 「一一般 労 働 支 出 」 で あ 本 節 で は,社 会 的 必 要 労 働 量(τ ∂ を,各 物 的 生 産 部 門 の 直 接 的 労 働 投 入 量(ち)か ら 計 算 す る方 式(τi‑(E‑A')‑1ti)に つ い て,・ 一層 の 考 察 を 進 め る 。 こ こで の 主 た る問 題 は 第1に 減 価 償 却 部 分 の 取 扱 い と,最 適 生 産 計 画 の 導 入 問 題 で あ る。

ネ ム チ ノ フ は 減 価 償 却 部 分 の 取 扱 い に つ い て 独 自 の見 解 を 示 して い る。 通 常,ブ 部 門 で 使 用 され て い る ん 労 働 用 具(固 定 フ ォ ソ ド)に 関 す る製 品 単 位 当 り労 働 投 下 量 は,当 該 労 働 用 具 に 対 象 化 して い る 投 下 労 働 量 全 体(φ κ ゴ) を,グ 部 門 生 産 高(Xi)と 労 働 用 具 の 耐 用 年 数(5ん ブ)と の 相 乗 積 で 割 っ た も の,謙 し と して 考 え られ て い る.こ れ に対 して 「労 鯛 具 の費 用 は 洞 ら

⑯B.CHeMqHHoB,TaM>Ke,cTp.4・45.

⑳B.C.HeMqHHoB,TaM}Ke,cTp.445.

㈲ ⑱ こ の 概 念 に つ い て は,す ぐ 後 で 説 明 す る.

(12)

る。 固 定 フ ォ ン ド部 門 の 労 働 計 算 は,投 入 係 数 に か か る労 働 時 間 と して,一 般 の 産 業 部 門 の よ うに 「総 労 働 支 出 」(τ)を 用 い な い 。 と い う の は,こ の 部 門 の 生 産 物(設 備 ・建 造 物)は,他 産 業 部 門 に 単 年 度 で 原 材 料 の よ うに 全 額 消 費 さ れ て しま わ な い の で,自 己 の 評 価 額 が 他 産 業 の 評 価 額 に 波 及 し,そ れ が 再 び 自 己 の 評 価 額 に 影 響 を 与 え る と い う,波 及 効 果 を 考 え な くて よ い か ら で あ る。 した が っ て こ の 部 門 で は 「複 合 労 働 支 出 」(KOMnaeKCHHe3aTpaTH

Tpyaa)と い う概 念 は 成 立 しな い(第3表 をみ よ)。 こ う して 第k。 設 備,第kt 建 造 物 な どの 単 位 当 り 「総 労 働 支 出 」(Tノ リ が 確 定 す る と,つ い で 各 産 業 部

く ユ の

門 で 行 な わ れ て い る 第hr設 備,第ki建 造 物 に 関 す る 粗 投 資 額(Kゴ)を, そ の 部 門 の 生 産 高(渇)と 当 該 固 定 フ ォ ン ドの 耐 用 年 数(S彦 ゴ)を か け た も の で 割 っ た 係 数

角 砺 ゴ=蕩 函

を 計 算 す る 。 これ が 「製 品 単 位 当 り投 資 額 」(yAe■bHbieHOPMHIcallHTanbHNX BUtO}KeHMB)で あ る 。 こ の 係 数 に 先 に 計 算 したTtkを か け る こ とに よ っ て,

(20)〜

各 製 品 に わ りか け られ る 固 定 フ ォン ド部 分 の投 入 労 働量(Ti)が 確 定 す る。

この方 法 は,ネ ム チ ノブに よ る と,単 に固定 フ ォ ソ ドの減耗 部 分(減 価償却部 分 もしく 綜 補填取替部分)だ け で は な く 拡 大 再 生 産 のた め の 固定 フ ォ ン ド増 大 部 分 も また 投 入 量 と して 計上 す る こ とに な る。 測 定 の 問題 を別 に して,理 論 面 か らこの方 法 を説 明す れ ば,

〜(21)

Ti‑(減 価 償 却 額+固 定 フ ォ ソ ド増 大 額)×Tiic 一 ゴ製 品 単 位 当 り取 替 投 資 部 分+純 投 資 部 分

原 料 部 分 の 総 労 働 支 出 はTt=(E‑A)一1tiで 計 算 され る か ら,こ の 両 者 を

(22)

合 計 す れば,づ 部 門 の社 会 的 必 要 労 働 支 出 が 確定 す る。

⑲ こ の 測 定 単 位 は,TンiCの 測 定 単 位(た と え ば 時 間/台,時 間/ル ー ブ ル な ど)の 分 母 の 単 位 を 用 い る.

㈲ 総 労 働 支 出 に よ る 投 資 額(nonHbieKanHTanbHNe3aTpaTHTpy皿a).

⑳B.C.HeMqHHoB,TaM}Ke,cTp.445.

爾 た だ し,正 確 に は こ の 外,流 動 フ ォ ン ドの 増 大 に 関 す る 必 要 投 入 量(」 φ。・乃o)

(HeMqHoB,TaM}Ke,cTp.445.)お よ び 輸 入 原 料 投 入 高 を 考 慮 し な く て は な ら*

(13)

( . 契 ﹂ 懸 如 念 禦 沿 り ㌶ ゆ 麺 嚇 り 母 赫 蝋 e 櫃 ︑ 慰 V 司 ) .埋 賦 虚 ゆ 妬 思 撫 黛 廼 笹 懸 Q 便 ( ) . ρ 櫓 曽 器 偉 獄 慮 ① 灸 虞 ヤ ︾ マ ↑ .楚 浬 藩 Q ミ ゴ 裏 漫 . 外 ‑ 爪 謬 禦 ゆ 裏 憩 撰 尋 楚 紳 藩 へ 塾 ⊃ ヘ ヤ . ミ ム へ て 颪 ↑ 艇 如 R 亟 融 ︑鞄 慰 凝 際 .適 思 e ゆ ヤ 旭 酬 週 糾 8 一 冥 即 嶋 申 慧 笹 麺 e ﹁恩 醜 Q § 慧 ・ 選 離 皿 蔵 9 d , 即 ヤ 罰 野

思 臨 醗 潔 畷 .楚 § 魁 ギ 誕 畷 ︹ ﹁尽 卜 . ゆ ↑ 湘 皿 宵 心 ( ℃ ① 唱 ℃ ̀ ① ﹃ F︻ d ン ) 運 逼 = 員 ‡ 慧 § 欄 岬 擢 皿 に ひ . 蝿 ↑ 螺 [ ・有 心な 尽 芸 Q ﹂ パ 最 卜 癌 梶 郷 鼠 ぎ 皿 に ︒︒ . Q 柳 毅 の k 職 矯 柵 舗 楚 即 腱 e 理 ( ) .ひ 〜 ︒︒ 卜 寸 .臼 り .① 美 語 ト ︑︒= o 養 蓬 ㊤ = , 脇

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(14)

以 上 の こ と を ふ ま え て,社 会 的 価 値 計 算 の 具 体 的 数 値 例 を 示 そ う(第3表)。

この 表 で は イ タ リ ッ ク数 字 が 基 礎 デ ー タで,そ の 他 は 計 算 値 で あ る。 ま ず 中 間 財 の 投 入行 列(濁 馬)が フ 製 品1・・単 位 当 りで 与 え られ て い る・ 各 製 品 の測

(23)

定 単 位 は,現 物 単 位 で も貨 幣単 位 で もか まわ な い。 た だ 前 者 で あれ ば,第7 行,10行 の合 計欄 を とる こ とは不 可 能に な り(列 の合計ができないか ら),し た が っ て第9行 の 「純 生 産 物 」 の数 値 も記 入 で きな くな る。 しか し以下 の計 算 に と って この数 値 は 不 必 要 で あ る。 第8行 「半製 品 お よび在 庫 」 は 当 該 部 門 の 流動 フ ォン ド の 増 加分(在 庫 投 資)を 示 す 。 した が って こ この欄 の 数 字 は,く りか え し計 算 に参 加せ ず,直 接 当 該 部 門 の 「総 労 働 支 出」 で 評 価 され

(24)

る 。 第11〜13行 の 労 働 支 出 概 念 は つ ぎ の と お りで あ る。

(t)直 接 労 働 支 出(dti)(npnMHe8aTpaTHTpyAa)→ 当 該 労 働 対 象 に 直i接 投 入 さ れ る 生 き た 労 働 支 出 。

(ロ)一 般(061耶e)も し くは 経 常(TeKy叩e)労 働 支 出(1.の →(イ)の ほ か 補 助 部 門,一 般 工 場 費,共 通 管 理 費 な どに 相 当 す る 間 接 的 労 働 支 出 を 含

む 。

の 複 合 労 働 支 出(kti)(KoMn」leKcHble8aTpaTNTpyla)→(ロ)の ほ か に 投 入 さ れ た 労 働 対 象(原 材 料)に 対 象 化 さ れ て い る 労 働 支 出 量 を 計 上 す る 。 この 場 合,投 入 労 働 対 象 は そ れ を 生 産 した 工 場 の 一 般 労 働 支 出 で 評 価 さ れ る。

←)総 労 働 支 出(pti)(liO■HHe3aTpaTHTpyAa)→(ロ)の ほ か に 投 入 労 働 対 象 を 複 合 労 働 支 出 で 評 価 した 数 値 を 加 え た も の 。

以 上 の 計 算 は つ ぎ の よ うに 示 す こ とが で き る 。

。 ち=孟+間 接 労 働 投 入,

*な い .後 者 の 評 価 は,そ の輸 入 を可 能 な ら しめ た 輸 出 国 産 品 に含 まれ る投 下 労働 量 を も っ て す る(HeMqHHoB,TaM}Ke,cTp.273).し か し 国 民 経 済 全 体 の 物 的 生 産 活 動 に 必 要 な 労 働 投 入 量 を 確 定 す る見 地 か らい え ば,輸 出 部 分 に 投 入 され て い る 労 働 力 は 逆 に 差 引 か れ ね ば な ら な い.し た が っ て,長 期 平 均 的 に 貿 易 残 高 を 零 と考 え る な らば,貿 易 関 係 を 無 視 して か ま わ な い こ とに な ろ う.

㈱ た だ し,こ の 表 で は 貨 幣 単 位 で 測 定 され て い る.

⑳B.C.HeMqHHoB,TaM}Ke,cTp.35.あ る い はcTp.463.

(15)

68 商 学 討 究 第22巻 第2・3号

滝ち ㍉ ち+Σ ὰゴ 彦̀

〆̀一 。ち+Σ 吻(Σ α、 ゴち+。 ち)

̀ε

最 後 の 計 算 式 は

τゴー(E‑A')‑1。t、 ・='(E+A'+A'2+A'3+̲+A'n)。t。

の 第3項 ま で と っ た τゴ の 近 似 計 算 に 対 応 す る 。

@→ 。。)

こ う して 各 部 門 別 の 総 労 働 支 出(第13行)が 計 算 され る 。 労 働 の 単 純 労 働 へ の還 元 を 考 慮 した け れ ば, 第11行 に 一 般 労 働 支 出 に か え て 単 純 労 働 単 位 で 評 価 した 数 値 を 代 入 す れ ば

よ い 。

第14行 「半 製 品 ・在 庫 の 総 労 働 支 出 」 は8行 ×13行 で 計 算 す る。

つ い で,「 総 労 働 支 出 に よ る投 資 額 」(no■HNeKanvaTa.」[bHHe3aTpaTHTpYAa)

の 計 算 に 入 る 。 こ れ に は ま ず 第9,10列 の ベ ク トル が 用 い られ る。 こ の 数 値 は そ れ ぞ れh。,he設 備 ・建 物 に つ い て,製 造 ・構 築100単 位 当 りに 必 要 と さ れ る投 入 原 材 料 の 大 き さ を 示 して い る。 これ に 第11行 の 数 値 を か け 当 該 部 門 の 一 般 労 働 支 出 を 加 え れ ば,こ の 部 門 の 総 労 働 支 出 が 計 算 で き る。 この 数 値 を 第15,16行 の 行 ベ ク トル に か け れ ば,第17,18行 の 数 値 が 求 ま る。 こ う して 社 会 的 必 要 労 働 支 出 は,行 ベ ク トル(13)+(14)+(17)+(18)に ょ っ て 計 算 され る 。

第11列 は,通 貨 単 位 に よ る 国 民 所 得 の 生 産 物 構 成 を 示 す ベ ク トル で あ る 。 同 列 の 第1行 か ら第6行 ま で は 消 費 フ ォ ン ドを,第17,18行 が 蓄 積 部 分 を 表 示 して い る 。 これ を 労 働 時 間 評 価 に 換 算 す る に は,消 費 フ ォ ソ ド部 分 に は 各 部 門 の 社 会 的 必 要 労 働 支 出(第19行 ベ ク トル)係 数 を か け,蓄 積 部 分 に は 同 部 門 の 総 労 働 支 出 係 数 行 ベ ク トル(第13行 の9,10列)を か け る 。 こ の 列 を た て に 合 計 す れ ば 社 会 的 必 要 労 働 時 間 単 位 で の 国 民 所 得 総 額 が 計 算 さ れ,こ の 数 字 で 通 貨 単 位 国 民 所 得 総 額 を わ れ ば,労 働1単 位 が 何 ル ー ブル に 相 当 す る か(1.74)を 知 る こ とが で き る。 こ の 係 数 を12列 の 各 要 素 に か け れ ば 社 会 的 価 値 に よ る 国 民 所 得 構 成 が 計 算 され る 。

ネ ム チ ノ フ に よ る と,マ ル ク ス 経 済 学 に お け る社 会 的 必 要 労 働 量 と は,最

適 生 産 計 画 の も と で,し か も需 給 の 一 致 を 保 証 す る生 産 構 造 の も と で の 社 会

(16)

く の

的な 必要労働量で なければ な らない。 全国民経済 的規模 での 最適生産計 画

(26)

は,現 在 の社 会 主 義 で も実 馳 され て い るわ け で は ない。 い わ んや 資 本 主 義経 済 で は な お さ らそ うで あ る。 した が って現 在 の ソ連 経 済 で社 会 的 必 要 労 働量 の 計 測 とい う作 業 が 成 果 を あ げ るた め には,ネ ム チ ノフの この 言葉 を も っ と 巾 広 くと らね ば な らな い。 た とえ ば,社 会 的 価値 を決 定 す る労 働量 は,「 単 な る技術 的必 要 労 働 時 間 では な く,同 時 に 社 会 の 必要 とす る 分 量 に おい て

(27)

商 品 を 生産 す る の に社 会 的平 均 的 に 必要 な労 働 時 間 で あ る」 と考 え るの で あ る。 つ ま り最 終 需 要 構 造 を一 定 と した場 合,最 適 計 画 の も とで採 択 され る生 産 ベ ク トル の操 業度 と現 実 の(事 後的に)レ オ ンチ ェフ体 系 で 決定 され る生 産 構 造 とは 異 な る こ とが あ り うる とい うの が ネ ムチ ノブの 考 え方 の 前 段 で あ

(28)

り,需 要構 造 を 変化 させ れ ば,当 然 技 術 代 替 や 規 模 の経 済,限 界 企 業 の 出 入 な どが 生 じて,投 入係 数 ベ ク トル を 変化 させ るで あ ろ うとい うのが 後 段 の 考 え 方 で あ る。 この問 題 の 考 察 に つ い て,ネ ムチ ノ フの 最 適計 画論,投 資 効 率 論 との関 係 で別 に論 ず る こ とが 妥 当 で あ る と思 うので,こ こで は 問題 の指 摘 だ け に 止 め て お く。

V価 値 の転 化 過 程

ネ ムチ ノブに よ る と,価 値 の 転形 が発 生 す る一 般 的理 由は,分 業 の深 化 と 技術 進 歩 で あ る。 これ が,企 業 の経 済活 動 の収益 水 準 を 規定 す る労働 投 下条 件(フ ォン ド装備度,エ ネルギー 装備度 など)の 差 別 化 を生 み,そ れ が 労働 生 産 性 に 影 響 を与 え て,個 別 的 価 値 を 社 会 的価 値 に比 較 して 引 下 げ る。 た しか に 剰 余 生 産 物価 値 は,生 労 働 支 出 に 比 例 して生 産 され る。 しか しそ れ は商 品 単 位 当 り社 会 的 価 値 と個 別 価値 との差 に比 例 して,各 企業 段 階 で蓄 積 され る。

㈱B.C.HeMqHHoB,TaM》Ke,cTp.37.

㈱ そ の 上,最 適 計 画 に つ い て,共 通 した 見 解 が 存 在 す る わ け で も な い.

㈱ 白 杉 庄 一 郎r価 値 の 理 論 』 ミネ ル ヴ ァ 書 房,1955年,91,122ペ ー ジJな ど.

つ ま り こ こ に は,い わ ゆ る 技 術 説 と需 要 説 と を 統 合 した 立 場 が の べ られ て い る.

㈱ 産 業 連 関 分 析 に お け る 「代 替 定 理 」 と こ の 命 題 とが ど の よ う に 結 合 す る の 検 討

は 他 の 機 会 に ゆ ず る.

(17)

70 商 学 討 究 第22巻 第2・3号

た だ し社 会 主 義 の も とで はす べ て の価 値 要 素 が 各 企 業 に 固定 され るの で は な く,剰 余 生産 物 の利 用 は基 本 的 に は 国 家 の手 に 集 中 され る。

部 門別 の価値 価 格 水 準 に,生 産 物 価 値 は 固定 され る。 しか し賃 金 フ ォ ン ド の必 要 労 働 か らの乖 離 や 労働 投 下 条 件 の企 業 別 格差 に よっ て,一 方 で は価 値 構 成 要 素 間 の 比 率 を 変化 させ,他 方 で は部 門 内個 別 価 値 を ふ まえ た 「国民 経 済 費 」 価 格 を成 立 させ る。

価 値 構 成 要 素 比 率 を 変化 させ る第1の 契 機 は,賃 金 フ ォン ドの 自立 化 で あ る。 賃 金 とは 本 来 必 要 労 働(V)を 反 映 した 「形 態 」 な の で あ るが,そ の大 き さが 必 ず しも必 要 労働 量 に 比 例 しな い。 つ ま りそ れ は 経 済 的 カ テ ゴ リー と

して 自立 化す る ので あ る。社 会 主義 社 会 で,賃 金 と必 要 労働 とを乖 離 させ る 最 大 の原 因 は,物 的 生 産 部 門 の 労 働 者 に 分 与 され る 共 同 フ ォ ン ド部 分 で あ る。 この 部分 を 実 質 賃 金 に含 め て 費 用化 した 場 合 に は,こ の部 分 は労 働 に 応

(29)

ず る 支 払 部 分 で な い た め に,必 要 労 働 に 対 して 賃 金 部 分 が 歪 ん だ 大 き さ を も つ こ とに な る。 た だ し,こ の 部 分 は 本来 γ で は な くM部 分 に 含 め られ るべ

き で あ る とす れ ば,こ の 議 論 は 成 立 しが た い 。 この 点 ネ ム チ ノ ブ の 論 旨 は 曖 昧 で あ る。

さ て,ブ 部 門 全 体 を と り,そ こで の 労 働 投 入 量(雇 用 労働力 ×単位期間 当 り平 均延 労働時 間)を 五 人 ・時 と し,生 産 量 を 紛 台,単 位 期 間 当 り一・ 人 。時 平 均

く 

賃 金 率 を 吻 と しよ う。 製 品単 位 当 り平 均 利 潤額 を η と し,こ れ を つ ぎの 等 式 の残 差 項 目とす る と,つ ぎの 等式 が成 立す る。

L鍔 ブ

+(・ … … ・1… … ・)((aiノ)+(a・/)2+…) 一 ブ個 一 、

       π 個

'五1・ ω1/

Xll

五 ブ。ω ノ

ぞブ

Ll警/

㈲ それは必要 に応 じて支払われ る賃 金部分で あ る と考え られ てい る.

㈲ この ωゴは労働時 間で計 った 「自分 のため の労働」 とす る,つ ま り8時 間 労働

の うち5時 間が 「自分のため の労働」 であ るな らば 妨=5/8.

(18)

+η 一 皇+(・ … … ・Lα

∴r・ 一 身(1一 ω・)+(α α

… ・)(@ノ)+(砿 ノ)・+…)身 一i

∬π

!(1一 ω1)Ll

{1

… ・1… … ・)(S・・.)

,(ヒ 貯)L」

ロ  

≦1一舞)L弓

(た だ し 仰 ゴ=(α げ)十(at:〆)2十 …)

こ こ で も し 各 部 門 の 平 均 賃 金 率 が す べ て 投 入 労 働 量Lj(ブ ーL2,…,の に 比 例 し て い る も の と す れ ば,つ ま り,ω 、=ω2‑… 一 砺 一 … 一 ω,、 冨 ω と す れ ば

̲∴ 一 α 一矧

1烈

一 ト ー(礁)}

彦 π  の

∴r」 一(1一 ω)τゴ(グ ー1,2,…,の

(た だ し,τ ゴは 社 会 的 必 要 労 働 時 間)

と な り,各 部 門 の 製 品 単 位 当 り 利 潤 額7ノ は,社 会 的 必 要 労 働 時 間(τDに 比 例 す る こ と に な る 。

こ れ に 対 し て 先 の 仮 定 ω1一 ω2‑… 一 ω。一 ω が 成 立 し な い と す れ ば,η は

M

剛1‑・‑tOは 丁 度v+万 に 相 当 す る,

(19)

72 商.学 討 究 第22巻 第2・3号

もはや 社 会 的 必 要 労働 時 間 に比 例 す る もの とは な らず,直 接 的 に は当 該 部 門 の平 均 賃 金 率 の投 入 労働 量 か らの 乖 離 度 の影 響 を受 け,間 接 的 に は他 部 門で のそ れ ぞ れ の乖 離度 の影 響 を 受 け て,η が歪 み を もつ こ とに な る。

ネ ム チ ノフ体 系 で は,部 門 の製 品 単 位 当 り平 均 価 格 は 社 会 的 必要 労 働 時 間 に比 例 した 水 準 で 固定 され るか ら,賃 金 率 の歪 み は 残 差 項 目と して の η の 歪 み と してあ らわれ る。 部 門 の総 利 潤額 は η衿 な の で あ る。 この総 額 が,

(32)

部 門 内 で フ ォ ン ド(固 定 ・流動 フオ ン ド)に 比 例 して 配 分 され る こ とに な る。

そ うす る こ と の 根 拠 は ど こ に あ る の か 。 ネ ム チ ノ ブは そ れ を フ ォ シ ド装 備 度 が 上 が れ ば 一 般 に 生 産 性 が 上 昇 す る筈 で あ り,社 会 的 価 値(一 市 場 価 値) に 比 較 して 個 別 価 値 が 低 下 す る か ら,フ ォ ソ ドに 比 例 した 利 潤 分 配 を 可 能 な

ら しめ る余 地 が 発 生 す る の だ と 主 張 して い る 。

仮 説 例 で 説 明 し よ う。 ゴ 部 門 で 労 働 者 が500人 雇 用 され て お り,1,000台 の 製 品 が 生 産 され て い る も の と し,製 品 単 位 当 り社 会 的 価 値 を τゴル ー ブ ル, 一 人 当 り賃 金 率 を ω ル ー ブル とす る 。 部 門 平 均 の 製 品 単 位 当 り賃 金 比 率 は,

500ω ・/looo

‑・.5ω 、/。ゴ τブ

これ に 対 して,こ の 部 門 内 で1工 場100人 規 模 の 工 場 で は520台 の 生 産 高 が,1工 場50人 規 模 の8つ の 工 場 で は 全 部 で480台 の 生 産 高 が 可 能 で あ る と しよ う。 こ の 場 合,大 工 場 の 製 品 単 位 当 りに 占 め る 賃 合 の 割 合 は 塑 ω・/迦 一 ・.19ω 、/。,で あ り,5・ 槻 模 の 工 場 の そ れ は 璽 望 璽 一

τ ゴ ・ゴ

0,83ゴ ω/τゴで あ る か ら,あ き らか に 大 規 模 工 場 の 方 が 価 格 中 に 占 め る 賃 金 ウ エ イ トは 低 い 。 原 材 料 費 部 分 に つ い て も 同 様 な 傾 向 が み られ る と考 え られ る か ら,大 規 模 工 場 の 方 が 製 品 中 に 占 め る 個 別 利 潤 額 の 割 合 は 高 くな り う る。

こ の こ とは,フ ォ ン ド装 備 度 の 格 差 が 労 働 生 産 性 に 反 映 した も の と 考 え て よ い か ら,フ ォ ン ドに 比 例 した 利 潤 の 積 み 上 げ(フ ォ ン ド利用料)を 認 め,そ れ を 国 庫 収 納 ル ー トとす る と と も に,生 産 フ ォ ン ドの 有 効 な 利 用 を 刺 激 す る こ

働 さ らに つ け 加 え れ ば,こ れ に 差 額 レ ソ トが 加 わ る.

(20)

とが で き る 。

(e3)

そ こで,フ ォ ソ ド比 例 税 の よ うな も の で 部 門 利 潤(7〆Dを 確 得 す る と と もに,各 フ ォ ン ドご とに 国 民 経 済 的 規 模 で 一 律 の フ ォ ン ド単 位 当 り標 準 収 益 係 数 を 設 立 す る こ と を 考 え る 。

第4表 フォ ン ド標 準効率 係数決定表

フ オ ン ド

固 定

フ オ ン ド フ オ ン ド

流 動 の 種 類

フ オ ン ド 1 2 ・ : ‑

∫ s十1

ε十 彫

生 産 部 F

112

9iFl1

〜 ρ2F21

9tFti

92Ft2 92F22

geiF,2

!… …i

9「sOSl ψs+10s+1,1

ψs+mOs+m,1

9)、O・2

ψ ・+10,,・+1,2

ψ ・+mOs+m,2

PIFin 92F2n

geFtn

iPsO・n ψs+10s+1,n

ψ8+・rtOs+m,n

必 要

投 資 額

扇 ⁝ 茄

ム As+1

ム 轟

部 門 の 利 測 病 riX2 卜 一一 幡

い ま 第4表 に 示 した よ うに 固 定 ・流 動 フ ォ ン ドが 種 類 別 に 部 門 間 に 配 置 さ れ て い る も の と し,別 の 計 算 か ら確 保 す べ き 部 門 別 利 潤 額 と,フ ォ ン ド種 類 別 の 必 要 投 資 額 と が わ か っ て い る も の と しよ う。 こ の 場 合 フ ォ ン ド種 類 別 標 準 効 率 係 数(ql・ ∵・ 亨)Z,ψs.…ψs+nt)は つ ぎ の よ うに 定 め られ る。

Σ9ρKFiCd+Σψ、0、 ゴ=γ〆2(4.1)

Σ9iC・Fbブ 〉‑Kk・ Σ ψ 、0、ブ》 」 、

ノ ゴ

こう して企業段階で の個別 価値 一企業卸売価格は

̲(34)

ρド ωぢ(1+ω)+Σ ρ脈 汁 Σ ψ、・、i+渦 ブ

ん お

こ こ で 砺 は 製 品 単 位 当 り賃 金,ω は 無 償 支 給 の 共 同 消 費 フ ォ ソ ドの 割 合,

∫ ㊧q㊧ 。 1

(4.2) (4.3)

⑬ 全 額 を 国 庫 収 入 と す る か,一 部 を 企 業 の 手 も と に 残 す か と い う 刺 激 政 策 に つ い て は,こ こ で は 論 じ な い.

㈱B.C.HeMqMHoB,TaM》Ke,cTp.286,456.第4項 が つ く の は,天 然 資 源 採 掘

産 業 の み で,一 一 般 に は こ の 項 は つ か な い.

(21)

74 商 学 討 究 第22巻 第2・3号

秀乞̲聖

OSt=一 鷹 一

多̀

k==7L,/θ,訊:i部 門 の 資 源 採 掘 高

λ乞:づ 天 然 資 源 の 拡 大 ・保 護 ・更 新 の た め の 費 用 総 額 θ̀:部 門 の 所 有 して い る 登 録 資 源 評 価 額 全 体

γジ づ天 然 資 源 の 最 低 基 準 収 益 率 第4項 は 一 種 の 格 差 レ ン トで あ る。

ネ ム チ ノ ブ は こ の よ うな 価 格 形 成 を 「国 民 経 済 費 」 と よび,こ の 基 本 的 特

ロの

徴 を つ ぎの よ うに説 明 して い る。

α)生 産 主体 を して フ ォソ ドの有 効 利 用 に む け て刺 激 す る こ とが で き る。

(ロ)「平 均 価値 価 格 」(第1表 参照)に 比較 して,社 会 的 必 要 労働 量 を よ りよ く反 映 す る。 「国 民経 済 費」 は部 門 の社 会 的価 値 に 一致 す る。

㊨ 「平 均価 値 価 格 」 は 部 門 規 模 で のみ 決 定 可 能 で あ るが,「 国民 経 済 費 」 は,各 企 業 ・各地 域 の レベ ル に まで適 用 可 能 で あ る。

←)「 国 民経 済 費」 は,生 産 者 と消 費者 の双 方 を して,社 会 的必 要 支 出水 準 を指 針 と して行 動 せ しめ る。 そ の上 「価 格 」 中 の 固定 ・流 動 ・天然 資 源 利 用 の 評価 基 準 を,計 画 ノル マ と して企 業 に 与 え る こ とがで き る。

㈲ 企 業 の水 準 で,剰 余 価値 を 集積 させ,同 時 に そ の一 部 を 国家 に 集 中 す る こ とを可 能 に す る。

VI結

ネ ムチ ノフの価 格 形成 論 は,第2節 で 展 開 した価 格 形 成 方 式 の どれ に もあ て は ま らな い独 特 の もの で あ る。 しい て いえ ば,部 門別 の価 値 価 格 タイ プ と, 部 門 内 で の生産 価 格 タ イ プの混 合 型 とい え る。 それ に 価 格 形 成 過 程 で の 最 適 計 画 との結 合 な どを 考慮 す る とます ます そ の独 自性 が は っ き り して くる。

ネ ム チ ノフの価 格形 成 方 式 のね らい を再 検 討 しよ う。 第2図 で は横 軸 に 生

㈲B,C.HeMqHHoB,TaM>Ke,cTp.452,

(22)

価 値

o 爪

ネ桧 的価

1

国 民経 済

個 別

フ0 ♪

オ ン ド

Ψ

一 一 一 一 生 産 量

個lr川 昏 ミ価

第2図 国民経済費価格の形成

産 量 を と り,そ の 上 に フ ォ ン ド集 約 度(製 品単 位 当 り フオ ン ド利用 高)の 大 き さ の 順 に 工 場 (1,2,…,5)を な らべ た も の で,下 側 に 向 っ て 実 際 の そ の 大 き さ を 計 っ て い る 。 問 題 を 単 純 化 して,各 工 場 の 生 産 高 は 互 い に 同 一 で あ る と仮 定 し

よ う。 同 一 一生 産 高 を あ げ る の に 第5工 場 は 大 変 大 量 の 生 産

フ ォ ン ドを 利 用 して お り,第 1工 場 は最 も少 ない フ ォソ ドしか 利 用 して い な い 。 そ のた め 各 工 場 の単 位 当 り生産 原 価(減 価償却+原 材料費+労 賃)は 一 般 的 傾 向 と して右 下 りを示 して い る。 た だ第4工 場 だ け は フ ォ ン ドの利 用 効 率 が 悪 く,第3工 場 よ り個 別 原 価 が 高 い。 社 会 的価 値 は 全 国民 経 済 的 規 模 で 計算 され こ こで は所 与 の高 さ と し て与 え られ て い る。 個 別原 価 と社 会 的 価値 との 間 の空 白部 分 の面 積 全体 が こ の部 門 の利 潤 総額 で あ る。 これ を この部 門 の 各工 場 の手 持 フ ォン ド額 に比 例 配 分 して上 積 み した 大 き さを 太 い線 で示 して あ り,こ れ が 単純 化 した 「国民 経 済 費」 価 格 で あ る。 ネ ム チ ノ ブの狙 い は,フ ォン ド装 備度 の上 昇 の結 果 低 下す る個 別 原 価 の低 下 分 を,フ ォ ン ド利 用 料 を上 積 み す る こ とに よって 引 上 げ,個 別 企 業 卸 売 価 格 を で き るだ け社 会的 価 値 の水 準 に揃 え よ うとい う点 に あ る。 した が っ て フ ォン ド装 備度 を 引上 げ なが ら,そ れ相 当 の個 別 原 価 の 引 下 げ に失 敗 して い る工 場(3,4)で は,国 民 経 済 費価 格(転 化 した個別価値)が 社 会 的 価 値 を上 廻 って お り,社 会 的 価 値 で 取 引 す れ ば この分 だ け の企 業 欠 損 の 負担(も しくは企業利潤額の食いつぶ し)と い う犠牲 を払 うこ とに な り,そ れ を さけ るた めに フ ォ ン ドの 効 率 利 用 が 刺 激 され る こ とに な る。 差 額 レン ト は,こ の 図 の社 会 的 価 値 の他 に それ を 中心 と して分 布す る η本 の地 域 的 価 値

レベ ル を示 す 水 平 線 を ひ けば,全 体 と して両 者 の差 額 が η個 の差 額 レン トを

(23)

76 商 学 討 究 第22巻 第2・3号

形 成 す る。 そ して そ れ ぞ れ の地 域 的 価 値(地 域市場)内 で この図 の 関係 が成 立 す る。

第1図 に も どって 考 え る と,こ の方 式 で は産 業 部 門別 に対 フ ォン ド利 潤 率

(36)

が異 な らなけ れ ば な らな い。 つ ま りそ の点 が 生産 価 格 方 式 と決 定 的 に 相違 す る点 で あ り,部 門段 階 で価 値 レベ ル を保 持 す るた め に,異 種 生 産 物 間 の 相 互 取 引過 程 で価 格 が 価値 か ら 乖 離 す る こ とを 防 止す る。 これ に よって 等価 交 換,労 働 価 値 に よ る効 率 計算 な どの実 質 化 が保 証 され る。

つ ぎの よ うな難 点 が 発 生 しな い だ ろ うか 。 た とえば,あ る部 門 で オ ー トメ ー シ コン化 に よる 工 場 の無 人 化 が 進 行 した とす る 。 この場 合,こ の部 門 の 社 会 的 価 値 の レベ ル は,投 入 労 働 費 に比 例 したMの 計 算 に よ って設 定 され るか ら,対 フ ォン ド標 準 利益 率 は大 変小 さ くな る。 しか しこの先 進 部 門 で は 陳 腐 化 取 替 投 資 が急 激 で第3表 の 瓦 が大 量 に必 要 であ る と仮定 す る。 す る と この部 門 のriは 大 変 小 さい の に((4.Dの 制約)(4.3)式 の要 素 が 大 き く, 両 者 を両 立 させ る よ うな 似 の発 見 は 不 可 能 に な らな いだ ろ うか 。 この場 合 一 つ の逃 げ 路 は ,ネ ムチ ノフ方式 で は個 別 原 価 の 中に あ らか じめ そ の部 門 の 拡 大 生 産 費 用 を 計上 して い る こ とで あ る。 つ ま り,こ の よ うな場 合 に は 瓦 の投 資 必 要 額 が 当 該 部 門 の原 価 に組 み こまれ て 回収 され て くる仕組 み に な っ て い る。 とす る と,(4.1)の 制 約 条 件 は不 必 要 に な るの で は ない の か。 とに か くこの点 は こん ごに 検 討 され るべ き1つ の問 題 点 で あ る。

そ の 他 本論 文 で は省 略 した が,最 適価 格 と価 格形 成 の 問題,需 給 一致 を保 証 す る価格 変動 の問 題,動 的 価 格 形 成 問題 な ど論 ず べ き多 くの問題 が残 され て い る。

と もあれ,ネ ムチ ノブの価 格 形 成 論 は そ の マ ル クス経 済 学 的 思 考 と数 理 経 済 的 手 法,さ らに統 計 資 料 に も とつ くモデ ル の実 際 へ の適 用 性 な どを を 備 え た,多 くの示 唆 に とむ 価 格 形 成 論 の一 山脈 で あ る こ とに 間違 いな い。

(1971.8.31)

岡 ζの特徴を と らえて,こ れを 「社会 主義的生産価 格Jと よぶ こ とがあ る,

参照

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