.
確率統計及び演習 II (2019年度 前期)小テスト1 2019.6.11
【1】何枚かのカードのはいった袋から,無作為にカードを引く。離散型確率変数X とY の値を X =
{
0 ; カードの数字が偶数
1 ; カードの数字が奇数 , Y = {
0 ; カードが赤札
1 ; カードが黒札 (exm19-1.1) とする。赤札がでる確率はfY(0) =2
3 ,黒札がでる確率はfY(1) = 1
3 である。また,赤の奇数のカードがで る確率,fXY(1,0),は1
5 であり,黒の奇数のカードがでる確率,fXY(1,1),は 1
15である。
(1)赤札がでるという条件のもとで奇数のカードが出る条件付き確率,fX|Y(1|0)を求めなさい。
(2)黒札がでるという条件のもとで偶数のカードが出る条件付き確率,fX|Y(0|1),を求めなさい。
【2】次の同時確率密度関数
fXY(x, y) = 4
πe−x2+4xy−20y2 (exm19-1.2) について,周辺確率密度関数fY(y)を求めなさい。
【3】2変数の離散型確率変数(X , Y)を考える。XとY はそれぞれ,0と1という値をとる。
同時確率の値は
fXY(1,1) = 3
7, fXY(1,0) = 2
7 (exm19-1.3)
であり,fXY(0,1) =aとする。
(1)fY(1)とfXY(0,0)の値をaを用いて表しなさい。
(2)X とY が独立になるように,aの値を定めなさい。
【4】ある工場で生産される製品には3パーセントの欠陥品が含まれる。ある検査法では,欠陥のある製品に対 しては99パーセントの割合で欠陥ありという結果がでる。ただし,欠陥のない製品に対しても10パーセン トの割合で欠陥ありという結果がでることがわかっている;
(1)確率変数X とY を考え,製品に実際に欠陥がある(ない)場合をX = 1 (X= 0)とし,この検査で欠 陥がある(ない)という結果が出る場合をY = 1 (Y = 0)とする。この場合に以下の確率を求めなさい:
fX(1), fX(0), fY|X(1|1), fY|X(0|0).
(2) 検査に選ばれた製品に対して欠陥ありという検査結果が出た場合,この製品が実際に欠陥品である確 率,fX|Y(1|1),を求めなさい。
【5】{0,2,4,· · · }という値をとる離散型確率変数X のモーメント母関数MX(t)が次式で与えられる:
MX(t) = p
1−(1−p)e2t. (exm19-1.4)
0< p <1は定数。このとき,X の母平均E[X]と母分散V[X]を求めなさい。
【6】Xi,(i= 1,2,· · · ,900)が母平均µ= 3,母分散σ2= 4の独立同分布に従う確率変数とする。
(1) 確率変数S=X1+X2+· · ·+X900が2670以上になる確率P の近似値は以下の積分で表される:
P(2670≤S) ≈
∫ ∞
a
√1
2πe−z2/2 dz . (exm19-1.5) aの値を求めなさい。
(2)「予備知識2」の数表を用いてP の値を求めなさい。
.
確率統計及び演習II小テスト1の予備知識1
・同時確率と条件付き確率との関係
fXY(x, y) =fX|Y(x|y)fY(y) =fY|X(y|x)fX(x).
統計学(7.24) (exm19-1.6)
・同時確率と周辺確率の関係
fX(x) = { ∑
yjfXY(x, yj) X,Y が離散型確率変数の場合
統計学(7.7)
∫∞
−∞fXY(x, y)dy X,Y が連続型確率変数の場合
統計学(7.8)
. (exm19-1.7)
・ガウス(Gauss)積分 ∫ ∞
−∞
e−z2dz=√
π .
桑村p.225
川薩四(8.7) (exm19-1.8)
・確率変数の独立性
確率変数X と Y が独立 ⇔ fXY(x, y) =fX(x)fY(y).
統計学(7.22)
前園(1.4)’ (exm19-1.9)
・ベイズの定理:XとY が離散型確率変数の場合 fX|Y(x|y) = fY|X(y|x)fX(x)
∑
xifY|X(y|xi)fX(xi).
統計学(4.17)
前園 定理1.7’ (exm19-1.10)
・モーメント母関数
統計学§5.3
数理統計p.20 MX(t) =E[etX] =
{ ∑
xifX(xi)etxi X が離散型確率変数の場合
∫∞
−∞fX(x)etxdx X が連続型確率変数の場合 , (exm19-1.11) d
dtlogMX(t) t=0
=E[X], d2
dt2logMX(t) t=0
=E[X2]−E[X]2=V[X]. (exm19-1.12)
・正規分布に従う独立な確率変数X と Y の和
前園p.35 (2.3)’
西川p.80定理3.8
統計学p.151 X∼N(µ1, σ12), Y ∼N(µ2, σ22) =⇒ aX+bY ∼N(
aµ1+bµ2, a2σ12+b2σ22)
. (exm19-1.13)
・中心極限定理
確統I L11
前園§3.4
西川p.87定理4.3
統計学§8.2
数理統計 定理6.12 確率変数X1, X2,· · · , Xn が,母平均µ,母分散σ2の独立同分布に従うとする。
Zn=
(X1+X2+· · ·+Xn
n −µ
) √ n
σ (exm19-1.14)
はn→ ∞の極限でN(0,12)に従う。すなわち
nlim→∞P(a < Zn < b) =
∫ b a
√1
2πe−12z2dz . (exm19-1.15)
.
確率統計及び演習II小テスト1の予備知識2
・ 母平均µ,母分散σ2 の正規分布N(µ, σ2)の確率密度関数とモーメント母関数MX(t) f(x;µ, σ2) = 1
√2πσ2e−(x−µ)22σ2 , MX(t) = exp (
µt+σ2t2 2
)
. (exm19-1.16)
特にµ= 0,σ= 1の正規分布,N(0,12),を標準正規分布と呼ぶ。
・ 確率変数X が正規分布N(µ, σ2)に従うとき,次の確率変数Z は標準正規分布N(0,12)に従う:
Z =X−µ
σ . (exm19-1.17)
・ 標準正規分布 N(0,1)に従う確率変数Z に対する上側確率 Q(z0) =P(z0≤Z) =
∫ ∞
z0
√1
2πe−z2/2 dz (exm19-1.18) の値の表。
前園 付表1
西川 数表B.1
統計学 付表1と同じ。
\
4 2 0 2 4
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
z0
( )0
Q z
z0 が負の値の場合は次の関係式を用いる:
Q(z0) +Q(−z0) = 1. (exm19-1.19)
数理統計 付表1の表の値,
I(z0) =P(0≤Z < z0) =
∫ z0 0
√1
2πe−z2/2dz , (exm19-1.20) とは以下の関係がある:
Q(z0) = 1
2−I(z0). (exm19-1.21)
確率統計及び演習II (2019年度 前期)小テスト1略解
【1】
(1) 同時確率と条件付き確率の関係式(exm19-1.6)より,
fX|Y(1|0) = fXY(1,0) fY(0) =1
5 3 2 = 3
10. (exm19-1.22)
(2) 同時確率と条件付き確率の関係式(exm19-1.6)より,fX|Y(0|1) =fXY(0,1)/fY(1)。fXY(0,1)を求 めるために同時確率と周辺確率の関係式(exm19-1.7),
fXY(0,1) +fXY(1,1) =fY(1) (exm19-1.23) を用いる:
fXY(0,1) =fY(1)−fXY(1,1) = 1 3 − 1
15= 4
15. (exm19-1.24)
従って,
fX|Y(0|1) = fXY(0,1) fY(1) = 4
15 3 = 4
5. (exm19-1.25)
【2】(exm19-1.7)より,
fY(y) =
∫ ∞
−∞
fXY(x, y)dx= 4 πe−20y2
∫ ∞
−∞
e−x2+4xydx= 4 πe−20y2
∫ ∞
−∞
e−(x−2y)2+4y2dx
= 4
πe−16y2
∫ ∞
−∞
e−z2dz= 4
√π e−16y2. (exm19-1.26)
上の式の4つ目の等式では,積分変数をxからz=x−2yに変換した。
【3】
(1) 同時確率と周辺確率の関係式(exm19-1.7)より
fY(1) =fXY(1,1) +fXY(0,1) =a+3
7. (exm19-1.27)
また,
fY(0) =fXY(1,0) +fXY(0,0) = 2
7 +fXY(0,0) (exm19-1.28) より,
1 =fY(1) +fY(0) =a+3 7 +2
7 =a+5
7 +fXY(0,0) =⇒ fXY(0,0) = 2
7 −a . (exm19-1.29) (2) (exm19-1.9)より,XとY が独立な場合は
3
7 =fXY(1,1) =fX(1)fY(1) = (
fXY(1,0) +fXY(1,1) ) (
a+3 7
)
=5 7
( a+3
7 )
(exm19-1.30) が成り立つので,a= 6
35 となる。
【4】
(1)
fX(1) = 0.03, fX(0) = 1−0.03 = 0.97, (exm19-1.31) fY|X(1|1) = 0.99, fY|X(0|0) = 1−fY|X(1|0) = 1−0.1 = 0.9. (exm19-1.32) 尚,上記以外の条件付き確率は以下となる:
fY|X(0|1) = 1−fY|X(1|1) = 1−0.99 = 0.01, fY|X(1|0) = 0.1. (exm19-1.33) (2)
fX|Y(1|1) = fXY(1,1)
fY(1) = fY|X(1|1)fX(1)
fXY(1,1) +fXY(0,1) = fY|X(1|1)fX(1)
fY|X(1|1)fX(1) +fY|X(1|0)fX(0)
= 0.99×0.03 0.99×0.03 + 0.1×0.97
= (
= 99×3
99×3 + 97×10 = 297
1267≈0.23 )
. (exm19-1.34)
となる。
【5】(exm19-1.12)より,
E[X] = d
dtlogMX(t) t=0
=− d dtlog
(
1−(1−p)e2t) t=0
= 2(1−p)e2t 1−(1−p)e2t
t=0
=2(1−p)
p ,
V[X] = d2
dt2logMX(t) t=0
= d dt
2(1−p) e−2t−1 +p
t=0
=−2(1−p) −2e−2t (e−2t−1 +p)2
t=0
= 4(1−p)
p2 . (exm19-1.35)
なお,X の確率分布は以下のようになる:
fX(x) = {
p(1−p)k (x= 2k , k= 0,1,2,· · ·)
0 (他のxの値) . (exm19-1.36)
【6】
(1) (exm19-1.14)より
Z= ( S
900−3 ) √
900
2 =S−2700
60 (exm19-1.37)
は標準正規分布に近似的に従う。従って P(2670≤S) =P
(2670−2700
60 ≤Z
)
=P(−0.5≤Z)≈ 1
√2π
∫ ∞
−0.5
e−z2/2dz (exm19-1.38) より,a=−0.5となる。
(2) (exm19-1.18)と(exm19-1.19)より
P(2670≤S)≈P(−0.5≤Z) =Q(−0.5) = 1−Q(0.5) = 1−0.3085 = 0.6915 (exm19-1.39) となる。