長崎市監査公表第 2 号
地方自治法第 199 条第 4 項の規定に基づき監査を執行したので、同条第 9 項の規定により、
その結果に関する報告を公表します。
平成 29 年 2 月 24 日
長崎市監査委員 溝 田 弘 人 同 手 塚 堅太郎 同 中 村 照 夫
平成 28 年度
監
査
報
告
工事監査(後期)
企 画 財 政 部
土
木
部
まちづくり部
理
財
部
‐ 1‐
第1 監 査 の 種 類
定期監査(工事監査) 第2 監 査 の 対 象
企 画 財 政 部(世界遺産推進室)
土 木 部(道路建設課、土木維持課)
ま ち づ く り 部(みどりの課、まちづくり推進室、建築課、設備課) 理 財 部(契約検査課、検査指導室)
第3 監 査 の 期 間
平成 28 年 9 月 1 日から平成 29 年 2 月 15 日まで 第4 監 査 の 範 囲
今回の監査は、平成 27 年 3 月から平成 28 年 2 月までに発注したもののうち、次の とおり請負工事 10 件と業務委託 4 件を抽出した。
請負工事(10 件)
件 名 所 管 名 1 市道虹が丘町西町 1 号線道路改良工事 道 路 建 設 課
2 左底滑石線道路照明灯設置工事 〃
3 端島海岸(51 号棟前)災害ほか復旧工事 土 木 維 持 課 4 上小島 1 丁目地区急傾斜地崩壊対策工事(その 2) 〃
5 黒崎永田湿地自然公園整備工事 み ど り の 課 6 北大浦地区(仮称)東山手町公園整備工事 まちづくり推進室 7 重要文化財 旧長崎英国領事館本館ほか保存修理工事 建 築 課
8 日見小学校屋外便所増築主体工事 〃
9 長崎ブリックホール照明卓改修工事 設 備 課
10 琴海文化センター空調設備改修工事 〃
業務委託(4 件)
第5 監 査 の 方 法
契約事務、計画、設計、施工等が適法、適正かつ効率的に行われているかについて、 関係書類等の審査、関係職員からの事情聴取及び現場実査を行った。
第6 監 査 の 結 果
法令等に沿っておおむね適正に処理されていると認められたが、次のとおり留意を 要すべき事項が見受けられた。
なお、軽微な事項については、口頭により指導した。 指摘事項
土 木 部
1 上小島 1 丁目地区急傾斜地崩壊対策工事(その 2) [土木維持課] (1)作業員はロープ高所作業において、身体保持器具を取付けたメインロープ以外
に、安全帯を取付けるためのライフラインを設けていなかった。適切な安全管理 の指導に留意されたい。
まちづくり部
1 重要文化財 旧長崎英国領事館本館ほか保存修理工事 [建 築 課] (1)ハンドブレーカー(さく岩機)を使用してコンクリート舗装などの破砕作業を
‐ 3‐
監査委員の意見
監査結果の報告に添えて監査委員として次のとおり意見を述べる。 1 適正見積りによる入札の促進について
長崎市においては、工事品質の維持向上と入札事務の透明性の確保を図る観点 から、予定価格の事前公表と最低制限価格制度を導入している。
最低制限価格については、一定の範囲内(建設工事は平成 26 年 4 月から最低制 限価格率を 89. 0%から 91. 0%まで)に設定し、電子システムによりランダムに決 定される方式となっているが、この方式では入札後でないと最低制限価格が決ま らないため、情報漏洩等の不正防止には効果がある。
ところで、最低制限価格は本来、原価割れ落札による不良工事を防止するために、 工事の設計内容に応じて一件ごとに算出されるものである。
この算出方式として、中核市の多くで「工事請負契約に係る低入札価格調査基準 中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル(公契連モデル)」を採用しているが、 長崎市の算出方法による最低制限価格はこの方式によるものよりやや高い傾向が 見受けられるほか、画一かつ広い範囲でランダム化して算出されるため、最低制限 価格の高止まりと最低制限価格未満による失格者が多数発生することが懸念され る。
また、長崎市では、最低制限価格率の決定に伴って落札者がランダムに決まるこ とに加え、予定価格及び最低制限価格率の範囲が公表されていることから、入札に 際し適切に積算をしなくても入札価格を算出できるため、技術力を持った地場業 者の育成という観点から懸念が生じているほか、下請業者及び労働者へのしわ寄 せを生じさせるなど不適正工事が発生しやすくなることも危惧される。
したがって、今後は入札時に提出される工事費内訳書の審査をより厳密に実施 することにより、入札時の見積りが適切に積算されているかどうかを検証し、その ことを通して、地場業者の育成と適正な工事施工の確保に努められたい。
2 北大浦地区斜面市街地再生事業について
(仮称)東山手町公園は、平成 11 年度に国の承認を受けた北大浦地区斜面市街 地再生事業において、当初、老朽住宅等の建替えの促進のために地権者により共同 住宅を建築する計画であったが、本事業が長期化する中で、共同住宅の建築ができ なくなったため計画を見直し、長崎市が地権者から土地を購入し公園として整備 したものである。
今回の計画見直しは、北大浦地区まちづくり協議会や地権者と協議を重ねた結 果、事業目的を達成するために行われたものでありやむを得ないと思われるが、近 隣にも公園があるなど施設配置のバランス面での妥当性には疑問が残る。
事業計画を見直す際には、施設配置のバランスや緊急性の有無、経済性等を総合 的に検討する必要があり、今回の場合では集会所の建築や民間への払下げなどを 含め検討することも考慮すべきであったと思われる。
今後は、事業を取り巻く環境の変化等に応じて適時事業計画を見直すなど、効率 的、効果的な取り組みに努められたい。
3 施工過程(プロセス)の適正監理について
公共工事の施工過程(プロセス)の監理を適正に行うため、県などにおいては工 事施工中の各段階における施工体制、工程管理、安全管理等(以下、「施工体制等」 という。)を主任監督員、監督員(以下、「監督職員」という。)が確認できる手段 として施工プロセスチェックリストを活用している。
しかしながら、現在長崎市では施工プロセスチェックリストによる工事監理は行 っていないため、監督職員の監理にばらつきがあり、施工体制等の確認が不十分な 事例が散見される。