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特別シンポジウムプログラム 13:30 開場 14:00~14:10 開会挨拶大島洋志 (NPO 地質情報整備活用機構会長 ) 14:10~14:50 基調講演 日本におけるジオパークの今後の活動について 斉藤清一氏 ( 日本ジオパークネットワーク事務局長 ) 14:50~15:00 休憩 15:0

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NPO 地質情報整備活用機構 企画 特別シンポジウム

「ジオパークを考える -地方創成という視点から-」

資料集

平成28年11月18日

(2)

特別シンポジウム プログラム 13:30 開場 14:00~14:10 開会挨拶 大島 洋志(NPO 地質情報整備活用機構 会長) 14:10~14:50 基調講演「日本におけるジオパークの今後の活動について」 斉藤 清一 氏(日本ジオパークネットワーク 事務局長) 14:50~15:00 休憩 15:00~17:00 意見交換 ・コーディネーター 永野 正展 氏(高知工科大学 教授 / NPO 地質情報整備活用機構 監事) ・パネリスト 長谷 義隆 氏(天草市立御所浦白亜紀資料館 館長) 柚洞 一央 氏(徳山大学 経済学部 准教授) 成田 賢 氏((社)全国地質調査業協会連合会 会長)

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NPO 地質情報整備活用機構 企画 特別シンポジウム 「ジオパークを考える -地方創成という視点から-」 資料集 目次 基調講演「日本におけるジオパークの今後の活動について」・・・・・・・・・・・ 1 斉藤 清一 氏(日本ジオパークネットワーク 事務局長) ・コーディネーター 「ジオパークを考える -地方創成という視点から-」・・・・・・・・・・9 永野 正展 氏 (高知工科大学 教授 / NPO 地質情報整備活用機構 監事) ・パネリスト 「ジオパークの活動に民間の力を取り組むには?」 -天草ジオパークの試み-」・・・・・・・・11 長谷 義隆 氏(天草市立御所浦白亜紀資料館 館長) 「ジオパーク活動の現場から -理想と現実の狭間で-」・・・・・・・・13 柚洞 一央 氏(徳山大学 経済学部 准教授) 「地質調査業の立場から見たジオパークと地方創生」・・・・・・・・・・14 成田 賢 氏((社)全国地質調査業協会連合会 会長)

(4)

The Japanese Geoparks Network

日本ジオパークネットワーク

構築と実践

目的

・地域資源の保全と地域住民の意識向上

・ジオツーリズムの普及啓発と

来訪者の誘客による地域振興

・日本ジオパーク認定制度による取組地域の品質向上

会員

・正会員:日本ジオパーク認定地域団体

43団体

・準会員:ジオパークを目指す地域団体

14団体

・協賛会員:ジオパークの理念に賛同し、

協賛金を寄附した個人及び企業等(募集中)

The Japanese Geoparks Network

国内ジオパークの歩み

2007年(平成19年)10月4日 日本ジオパーク連絡協議会発起人会(11地域) 2007年(平成19年)12月26日 日本ジオパーク連絡協議会設立(13地域) 2008年(平成20年)5月28日 「日本ジオパーク委員会」発足 2008年(平成20年)12月8日 日本ジオパーク決定(7地域) 2009年(平成21年)5月16日 日本ジオパークネットワーク設立(連絡協議会は発展的に解散) 2009年(平成21年)8月22日 世界ジオパーク誕生(3地域) 2010年(平成22年)8月21日 特定非営利活動法人日本ジオパークネットワーク設立(設立総会) 2011年(平成23年)7月16日 特定非営利活動法人として内閣府認証 2011年(平成23年)7月27日 法人登記完了により特定非営利活動法人として成立

(5)

JGN 加盟地域

9年間で約200市町村

(6)

The Japanese Geoparks Network

JGNの活動

全国大会

・毎年1回、ブロック単位で会場持回り

全国研修会

・毎年2回程度随時、開催希望地、テーマ設定

普及活動

・マガジン及びリーフレット発行、イベント開催

調査活動

・活動状況調査、国及び都道府県補助金等調査、

・専門員雇用状況調査など

申請審査活動

・日本ジオパーク申請手続き、認定審査(事務局)

The Japanese Geoparks Network

・調査手法 :インターネットリサーチ

・調査期間 :

2016.1.25~29

・有効サンプル数 :

10961

ジオパークを知ってる

?

(7)

The Japanese Geoparks Network

現在の課題

 認定(ブランド)が目標

・誰が、何のために、何をするのか不明

 品質確保が困難

・普及方法と制度的補完の取り組み

 人材不足

・専門知、地域地、経営のノウハウ

新規認定と再認定

申請 認定 見送り 認定率 申請 グリーン イエロー 認定率 2008 7 7 100.0% 2009 6 4秩父白滝黒曜石 66.7% 2010 3 3 100.0% 2011 6 6 100.0% 2012 5 5 100.0% 7 7 100.0% 2013 10 8美祢本部半島 80.0% 4 3 ふくい勝山 75.0% 2014 6 4下北半島筑波山地域 66.7% 3 1 白滝伊豆半島 33.3% 2015 3 3 100.0% 5 3 下仁田茨城県北 60.0% 2016 7 5 71.4% 計 53 45 15.1% 84.9% 19 14 26.3% 73.7% 新規申請 再認定 年度

(8)

The Japanese Geoparks Network

審査の視点

ジオパークを目指す地域は、

持続可能な地域社会の実現のために、

ジオパークとして、

その地域にあったやり方で、

住民、行政、研究者などの関係者が、

ともに考え続けているか。

また、そのために、

これまでのやり方を変える覚悟があるか。

観光

教育

研究

住民

防災

行政

協議会

相互

認知

(9)

The Japanese Geoparks Network

地域に必要なもの・人材

専門知

・地形地質の専門家の知見

地域知

・地域住民であり、地域特性を知る者の知見

経営のノウハウ

・経営戦略を持って持続可能な地域づくり

積極的な参加が相互の発展につながる

ジオツアー商品化

事業連携 など

The Japanese Geoparks Network

まとめに・・・

ジオパークは、地域資源の保全やその活用による

「地域振興」

を目的とした取り組みです。

自然災害などの影響もあり、地球や大地に向けられた

人々の関心、健康的な生き方、地域の自然や文化歴史

の価値を見直すまなざしなど、機運は高まっているとい

えます。

今、私たち「地域」が求めているのは、見せかけの「組

織体制や活動」ではなく、

地域を動かせる「産業」

その

「担い手」

なのです。

ジオパークを本物の

「協働」

で支えてくれる人材に、

この担い手としての

「大きな期待」

をしています。

(10)

地域名 構成市町村 都道府県 市 町 村 市町村計 アポイ岳 ★ 北海道様似町 1 1 1 洞爺湖有珠山 ★ 北海道洞爺湖町、伊達市、壮瞥町、豊浦町 1 3 4 糸魚川 ★ 新潟県糸魚川市 1 1 1 南アルプス 長野県飯田市、伊那市、富士見町、大鹿村 (山梨県韮崎市、南アルプス市、北杜市、早川町 静岡県静岡市、川根本町) 3 6 3 1 10 山陰海岸 ★ 兵庫県豊岡市、香美町、新温泉町、京都府京丹後市、鳥取県鳥取市、岩美町 3 3 3 6 室戸 ★ 高知県室戸市 1 1 1 島原半島 ★ 長崎県島原市、雲仙市、南島原市 1 3 3 恐竜渓谷ふくい勝山 福井県勝山市 1 1 1 隠岐 ★ 島根県隠岐の島町、西ノ島町、海士町、知夫村 1 3 1 4 阿蘇 ★ 熊本県阿蘇市、南小国町、小国町、産山村、高森町、南阿蘇村、西原村、山都町 1 1 4 3 8 白滝 北海道遠軽町 1 1 伊豆大島 東京都大島町 1 1 1 霧島 鹿児島県霧島市、曽於市、宮崎県都城市、高原町、小林市、えびの市 2 5 1 6 磐梯山 福島県猪苗代町、磐梯町、北塩原村 1 2 1 3 下仁田 群馬県下仁田町 1 1 1 茨城県北 茨城県北茨城市、高萩市、東海村、ひたちなか市、大子町、常陸太田市、常陸大宮市 1 5 1 1 7 白山手取川 石川県白山市 1 1 1 秩父 埼玉県秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町 1 1 4 5 男鹿半島・大潟 秋田県男鹿市、大潟村 1 1 1 2 箱根 神奈川県小田原市、南足柄市、箱根町、真鶴町、湯河原町 1 2 3 5 佐渡 新潟県佐渡市 1 1 銚子 千葉県銚子市 1 1 1 伊豆半島 沼津市、熱海市、三島市、伊東市、下田市、伊豆市、伊豆の国市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町、函南町、長泉町、清水町 7 8 15 八峰白神 秋田県八峰町 1 1 四国西予 愛媛県西予市 1 1 1 ゆざわ 秋田県湯沢市 1 1 三陸 青森県八戸市、階上町、岩手県洋野町、久慈市、野田村、普代村、田野畑村、岩泉町、宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市、住田町、陸前高田市、宮城県気仙沼市 3 7 6 3 16 おおいた姫島 大分県姫島村 1 1 1 おおいた豊後大野 大分県豊後大野市 1 1 三笠 北海道三笠市 1 1 桜島・錦江湾 鹿児島県鹿児島市 1 1 とかち鹿追 北海道鹿追町 1 1 南紀熊野 和歌山県新宮市、白浜町、上富田町、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町 1 1 7 1 9 立山黒部 富山県富山市、魚津市、滑川市、黒部市、舟橋村、上市町、立山町、入善町、朝日町 1 4 4 1 9 天草 熊本県天草市、上天草市、苓北町 *天草御所浦は2014.10.10合併により削除 2 1 3 苗場山麓 新潟県津南町、長野県栄村 1 1 2 栗駒山麓 宮城県栗原市 1 1 Mine秋吉台 山口県美祢市 1 1 1 三島村・鬼界カルデラ 鹿児島県三島村 1 1 下北 青森県むつ市、大間町、佐井村、風間浦村、東通村 1 1 3 5 筑波山地域 茨城県石岡市、笠間市、つくば市、桜川市、土浦市、かすみがうら市 6 6 浅間山北麓 群馬県嬬恋村、長野原町 1 1 2 日本ジオパークネットワーク 構成市町村数 (2016/09/09現在) □正会員 43地域 (★は世界GP)

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地域名 範囲 都道府県 市 町 村 市町村計 古関東深海盆 千葉県千葉市、市原市 2 2 島根半島 松江市、出雲市 2 0 2 蔵王 宮城県蔵王町(予定:宮城県白石市、川崎町、七ヶ宿町、山形県山形市、上山市) 3 3 6 高山市 岐阜県高山市 1 1 1 北九州 福岡県北九州市 1 1 1 土佐清水 高知県土佐清水市 1 1 秋川流域 東京都あきるの市、日の出町、檜原村 1 1 1 3 月山 山形県鶴岡市、庄内町、西川町、大蔵村、戸沢村 1 2 2 5 萩 山口県萩市 1 1 十勝岳 北海道美瑛町、上富良野町 2 2 三宅島 東京都三宅村 1 1 東三河 愛知県新城市、豊橋市、豊川市、田原市、蒲郡市、設楽町、東栄町、豊根村 1 5 2 1 8 中央アルプス (伊那市)、駒ヶ根市、辰野町、箕輪町、飯島町、南箕輪村、中川村、宮田村 1 3 3 7 那須烏山 栃木県那須烏山市 1 1 1 4 20 13 8 41 合計 37 92 76 28 196 地域名 範囲 都道府県 市 町 村 市町村計 中頓別 北海道中頓別町 1 1 旭川 北海道旭川市 1 1 鹿角市 秋田県鹿角市 1 1 輪島市 石川県輪島市 1 1 那須塩原市 栃木県那須塩原市 1 1 藤岡市 群馬県藤岡市 1 1 平塚市(相模川流域) 神奈川県平塚市 1 1 高津・錦川流域 山口県岩国市、島根県益田市、津和野町、吉賀町 2 2 4 讃岐 香川県高松市等 1 3 1 4 三好市 徳島県三好市、高知県本山町 1 1 1 2 大分県 大分県別府市付近 2 2 福江島 長崎県五島市 1 1 指宿 鹿児島県指宿市 1 1 薩摩川内市 鹿児島県薩摩川内市 1 1 本部半島 沖縄県名護市、国頭村、大宜味村、今帰仁町、本部町、伊江村、伊平屋村、伊是名村、与論町 1 1 2 6 9 □準会員 14地域 □関心のある地域 15地域(正式な調査等によるものでなく伝聞を含む。情報があれば随時更新する。)

(12)

「ジオパークを考える -地方創成という視点から-」

2016.11.18 地質情報整備活用機構監事 永野正展 1. はじめに わが国にジオパーク活動が紹介されたのが2004 年であり、その学習期間が数年間続いた 後、2007 年度に国土交通省からジオパークに関する調査が四国地方整備局で実施された。 その事業名は、四国圏域の総合交通ネットワークおよび地域資源を活用した地域振興策に 関する調査 「ジオ(地質遺産)を中心とするジオパーク形成に向けての調査」であった。 本格的にジオパーク活動が始まってから10 年の時間を経て、全国で 60 地域が活動を行 っており、参画自治体数は全国でほぼ 200 の自治体になっている。ゼロ状態から現状まで に進展した今日ではあるが、さらなる発展に向けた施策を講ずる必要性が認められる。 本来ジオパーク活動のあり方は、地域の多様な資源を活用して貴重な自然遺産や文化な どの保護保全を実施して行くことと、教材として地域資源を用いることなどで地域の活性 化を図り、持続可能な地域創りをして行くところにある。多くのジオパークでの現状は、 組織・資金・事業などの課題を有しており、順調に運営されているとは言い難い。同じよ うに地域資源をベースにして活性化を行い、地域の自立を目指した地方創成と題した国家 事業も進行している。 2. 日本におけるジオパーク活動の現状 筆者らは日本ジオパークとして認定を受けたジオパークからアンケート及び直接面談で、 現況と課題について調査を行っている。現時点での回答数は11 団体である。 調査内容は下記のポイントで行っている。 ・現状での課題と将来の課題 ・収入について ・支出について ・人用について ・運営について ・顧客について ・外国人客について ・他 GP との連携について・教育活動について ・他団体との連携について 現時点では調査結果の結論に至っていないが、次の点を取り上げる必要性のある事項と 考えている。 〇運営体のあり方 〇資金基盤 〇事業計画 〇地域との連携 〇新モデル構築 などである。中でも極めて重要でかつ急を要する事項は2004 年当時描いていたジオパーク のあり方と現状との違いを明らかにして、持続可能な新モデルの構築と社会実装である。 3. 地方創生とジオパーク 地方創生政策は2014 年に始まったが、その目的と方策は 2005 年に制定された地域再生 法が源流にある。同再生法に基づいて地域の活性化並びに自立を目指した計画を認可され た事業は今日までの間に2860 件にのぼり、すでに 1534 件はその事業を終了し、現在 1326 件の事業が全国で実施されている。 地域再生法、地方創生戦略の目的は地方の活性化にあり、省庁間の垣根を越えた総理大

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臣直結の地域支援策である。この事業の企画立案から認可、事業化へのプロセスは極めて わかりやすく企画されており、国民から賛同を得やすい構造を呈していると言える。 事業構築は地域の公共団体が軸になり、個人やNPO、民間企業から地域再生への考えや 提案を受けて、地域再生協議会を組織して計画をまとめ上げたものを内閣府で審査する流 れになっている。認可された事業は支援(交付金やその他)を受けて計画を推進して行く。 わが国におけるジオパーク活動と地域再生政策はほぼ同時期に始まっており、企画・計 画立案から事業認可へのプロセスがほとんど同じような流れであることや運営母体が推進 協議会という点に注目した。 地域再生事業に採択された事業の中からジオパークを事業の主軸あるいは脇役に位置付 けた事業は、現在進行中のプロジェクトが6 自治体 9 件、すでに計画期間が終了したプロ ジェクトが2 自治体 2 件あった。 これらのプロジェクトについての内容とその達成度等については、まだ調査中でコメン トを差し控えさせていただく。 4. 調査・研究成果の社会実装 地方創生戦略の実施における基本構想や計画書は分かりやすくまとめられている。幾つ かの計画書等に目を通したが記述内容や表現手法、使用言葉がほとんど似たものが多くあ り、だれもが反対をしない内容にまとめられている。 しかし、事業化や社会実装の観点から計画書の事業評価をした場合、実現性・目標目的 達成には厳しい判定を下すのが民間事業者や金融機関の答えではなかろうか。言い換えれ ば内閣府で認可された事業計画内容では、投資家や金融機関では事業への投資や融資案件 として採択に厳しいレベルと言えよう。その理由は具体的な数値やプレイヤーの顔が見え てこない点と、PDCA サイクルが機能するに至ってない計画書が多いことである。 一般化に至っていないような新しい考え方や新技術を用いた事業計画は前述の協議会な どでは意思決定のテーブルから外されることが多いと筆者の経験から言える。社会実装の 成否は、計画の完成度で決まると言える。具体的で実行可能な計画であることは言うまで もなく、そこには確実なニーズが存在することが大前提であり、運営して行くプロプレイ ヤーの存在、必要量を満たす資金供給などが成功・成長への基本である。 5. まとめ ジオパーク活動と地域再生プロジェクトにおける基本部分での共通点をまとめると、 ○意思決定・運営母体が推進協議会であること ○専従のプロプレイヤーが不在 ○事業資金が交付金や補助金主体になっている ○プロジェクトの認可・認定者の顔が見えにくい ○民間事業者は組織体の長になりにくい 現時点ではこのようなことが言える。

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NPO 地質情報整備活用機構 企画 特別シンポジウム

「ジオパークを考える — 地方創成という視点からー」

ジオパークの活動に民間の力を取り込むには? — 天草ジオパークの試みー

天草市立御所浦白亜紀資料館 長谷義隆

はじめに

ジオパークへの取組は、「天草」も含め、行政主導で始まる地域が多いようです。

天草の場合、地質の専門家が行政の中にいることもあり、地域におけるジオサイト

候補地の把握やその選定、ジオパークガイドの育成などへの対応は比較的スムーズ

に行われてきました。地方創成という視点で見ると、かつての「天草御所浦ジオパ

ーク」はまさにその言葉通りの活動内容と考えられ、それを「天草ジオパーク」に

広げたいとの思いをもっています。しかし、行政の枠内に留まっていては、より効

果的な活動はできにくいとの懸念があります。このことを解決するにはどのように

考え、どのように行動できるのか、その対応を探っております。

天草におけるジオパークへの取組

天草での経過について少し説明させて頂きます。天草諸島は九州の西部にあって、

島原湾(有明海 )

、 八代海(不知火海)および天草灘(東シナ海)に囲まれた大小

120 もの島々からなる風光明媚な多島海です。ジオパークへの取組は平成 19 年

12 月 GUPI で行われましたジオパーク連絡協議会発起人会にオブザーバー参加さ

せてもらったことに始まります。その後、平成

21 年 9 月「天草御所浦ジオパーク」

の認定、さらに「天草ジオパーク構想推進協議会」による申請に基づき、平成

26

8 月に「天草ジオパーク」が認定されました。地域の一部(御所浦町)から始ま

り、天草全体に拡大したという点では他の地域にはない経過を辿ったと言えます。

もともと天草全域を対象にしたジオパークをと考えましたが、天草全域をジオパ

ークにするには、認定申請までの準備に時間が掛かりすぎると判断したことから、

まずジオパークの理念にあう活動が行われていた「御所浦」を認定してもらうこと

にしました。それは、平成の大合併前の旧御所浦町では、平成

9 年に御所浦島から

恐竜の化石が発見されたことにより、恐竜やその他の化石を活かした町おこし、地

域振興策として「全島博物館構想」を打ち立て、「御所浦白亜紀資料館」(以下、

資料館と記す)を設立して、化石を展示、毎年夏には特別展を開催し、同時に応募

による「恐竜絵画コンテスト 」

、 化石セミナーなどの教育プログラムを実施してい

ました。さらに御所浦町の民間組織である「御所浦アイランドツーリズム推進協議

会」は小学校・中学校の修学旅行生を受け入れ、資料館との連携による島の地質・

化石についての教育および民泊による島の生活体験を展開していました。このよう

に、中生代の恐竜をはじめ古第三紀の大型哺乳動物などの化石という大地の恵みを

活用した御所浦地域の取組はジオパークの理念そのものと考えられたからでした。

「天草ジオパーク」へ

天草のジオパークの拠点として取り組んでいる資料館のスタッフは、天草の大地

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オパークになり、その上で、この活動を天草全体に広げていくべきとの思いでした。

ただ、この場合、御所浦の人々は天草全体をジオパークにすることには気持ちの上

では抵抗があったかと思います。ある意味、折角の「天草御所浦ジオパーク」が無

くなるのですから、その地域のことだけを考えれば、その思いは当然だと言えるで

しょう。それでも、資料館スタッフの考えを理解してもらい、天草全体をジオパー

クにということで取組が始まりました。

天草は行政上、上天草市、天草市、苓北町の2市1町からなっています。2市1

町が連携して「天草ジオパーク構想推進協議会」を立ち上げ、天草市にジオパーク

推進室を設けて、2市1町の担当者が定期的に事務局会議を開いて認定申請にむけ

ての努力がなされました。その結果、「天草ジオパーク」が認定されました。

取組と今後の展望

「天草御所浦ジオパーク」は行政と民間との連携によって地域振興としての役割

を果たしていました。この形を天草全域に広めることも「天草ジオパーク」として

の重要な役割と考えています。ジオパークの認定にあたっては、認定審査の折に不

足事項の指摘や改善事項が示されます。認定後の当該ジオパークはそれらへの対応

が必要です。そのため、天草ジオパーク推進室でもその対応を行っています。再認

定の時には、指摘されているところを改善することは当然として、さらに自らのジ

オパークのあるべき姿を目指して、そのための取組を確実に進めていることを見え

る形で示し、審査員に納得してもらえなければなりません。もちろん、これは審査

する側の視点ですが、同時に、ジオパークを標榜する組織としての視点でもなけれ

ばなりません。その意味で考えると、行政に基盤を置いている天草ジオパークの取

組は、ジオサイトの説明板の設置やガイド養成指導といった審査時に指摘された点

への対応を行うと同時に、自らジオパークとしての目標を持った取組を推進するこ

とにも及ばなければなりません。ところが、現在の行政枠内では、ジオパークとし

ての目標を達成する取組には速度感、充実感において懸念されるものがあるように

感じます。

そこで、行政の活動に加えて、民間の力を生かす活動手法として一般社団法人の

立ち上げを計画しました。その計画を天草の方々へ提案して立ち上がってもらえる

のはかなり難しいように思えますので、具体的な動きとして、本年7月、「一般社

団法人天草ジオパークサポート」を立ち上げました。その法人としての最初の実績

は、天草ジオパークを紹介する啓発書「海にうかぶ博物館 天草ジオパーク 海と

大地、自然と人が織りなす天草模様」を出版したことです。これまでに、天草ジオ

パーク推進協議会として、少年少女向けにマンガ本「天草ジオパーク大冒険」標準

語版と天草のことば版を出版しておりましたので、一般に向けてのこの出版物を通

して、天草の人達には勿論、全国的にも「天草ジオパーク」を知って貰うことを狙

っています。今後、法人は、行政側の天草ジオパーク推進協議会事務局と協力して、

行政枠に留まらず、民間の力を取り込んでジオパークに相応しい内容の活動をどの

ように進めればよいかを探り、努力していこうと思っています。

2016 年11月)

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2016 年 11 月 18 日 NPO 地質情報整備活用機構 シンポジウム資料

「ジオパーク活動の現場から -理想と現実の狭間で-」

日本ジオパークネットワーク現地審査員/ユネスコ世界ジオパーク現地審査員 Mine 秋吉台ジオパーク推進協議会委員/元・室戸ユネスコ世界ジオパーク地理専門員 徳山大学経済学部准教授 柚洞一央 ◆ジオパークの考え方を普及する困難さ ジオパークは社会思想運動である。ジオパークの理念を地域住民に広めることは簡単で はない。ジオパークという言葉を使わずにジオパークを説明できるようになることが重要。 キーワードは“Sustainable development(持続可能な開発)”。ジオパーク活動では、認定 を得ることを目的にしてはいけない。ヒトと地球が共存できる社会のあり方を考えるため にジオパーク活動はある。地域での普及活動で大切なことは、それぞれの人のありのまま に寄り添いながら、その人にわかる言葉に通訳すること。地質の話だけをしていても一般 の人々には伝わらない。NHK の番組「ブラタモリ」のような、大地の成り立ちと人の暮ら しのつながり(地理学的なジオストーリー)が必要。「ジオパークは大地の公園である」と いった概念的な説明だけでは、広く地域住民には伝わらない。 ◆ジオパークは地域住民のために存在する ジオパーク活動の主人公は、研究者や行政ではない。最終的には地域住民であるべき。 しかし、まずは行政の力で展開しているのが日本のほとんどのジオパークの現状。行政の ジオパーク担当部局やジオパークに熱心な一部の研究者が、ジオパーク活動を抱えて、他 者に任せないケースも多々見受けられる。地域住民・研究者・民間企業・行政がともに情 報を共有し、一緒に考え、試行錯誤しながら活動することが望ましい。 ◆ジオパークは地域に対する価値や人生観を変える 室戸やMine 秋吉台をはじめとして、全国各地のジオパーク活動にかかわる中で、さまざ まな人の「変化」を目の当たりにしてきた。ジオパークは、地域に対する新たな価値を高 める効果がある。また人生観をも変えうる。ジオツーリズムでは、地球の壮大な営みを体 感することによって、生きる原動力を得る観光客もいる。ヒトはどう生きるべきか。地球 の営みを知ることでさまざまなことに気づく人がいる。自然が安定しないことが安定状態 である変動帯としての日本において、どのような社会を構築すべきか。ジオパークはその 答えを導き出す可能性を持っている。

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パネルデスカッション「ジオパークと地方創生」

地質調査業の立場から見たジオパークと地方創生

一般社団法人 全国地質調査業協会連合会 会長 成田 賢 1、 はじめに 2014 年に閣議決定された地方創生は、地方の人口減少に歯止めをかけ、首都圏への人口集 中を是正し、地方の自律的な活性化を促すための取り組みを指す(人事労務辞典より※1)。 しかし、このためには、地方の良さをその地域に住む人たちが認識し、地方の良さをその地 域の活性化に活用する取り組みを行うインセンティブがなければいけない。 一方、2004 年から地質情報整備活用機構(GUPI)の設立と同時に日本で開始されたジオ パーク活動は、順調に展開しており、2016 年時点で 43 のジオパークが日本ジオパークに認 定されている(JGN HP※2より)。このジオパーク活動は、地域住民の主体的な保全・教育・ 持続可能な活動からなり、地方の自立的な活性化を促すための活動であり、地方創生と強く 関連する部分がある。しかも、この両者の取り組みがうまく連携して進行することは、我々 地質調査業界にとって次の展開に繋がるものである。 2、ジオパーク活動 ジオパーク(英: geopark)とは、地球科学的な価値を持つ遺産(大地の遺産、ジオヘリテ イジ(英: geoheritage))の保全を目的としたプログラムであり、その場所である。 ジオパ ークでは、大地の遺産を保全し、教育やツーリズムに活用しながら地域の持続可能な開発を 進める仕組みを構築しようとしている(JGN HP※2より) 私は、日本ジオパーク委員会のメンバーとして審査に関わってきたが、その中で常に感心 するのは、ジオパーク活動を牽引する人たちは、その地域の良さを本当に理解し、そのこと を訪問者に伝えようとしていることである。しかも、他のジオパークの良さも体験したいと いう意識を持っている。また、自ら被った自然災害について、今後自分たちと同様の災害を 被る人を無くするために自らの経験を伝えようと取り組んでいる。 このような実際の取り組みにより、自分の住んでいる地域を知り、その良さを知り、感動 し、他の地域の人にも伝えたいという活動になり、活動を通して、さらに自分も他の地域を 見たくなり、そして、それらを次世代の子供たちにも伝えたい、となるのである。 地域に住む人たちがその歴史の中で築き上げた文化・風習は、その地域の地球科学的な要 因に深く関連している。ジオパーク活動では、このことを学校・地域教育を通して地域の人 たちが知り、大地の遺産として活用しながら保全し、ジオツーリズムや特産物販売などの産 業創出を通じて、持続的な活動にしている。

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3、ジオパークと地方創生の鍵は「好さ」 ジオパーク活動を持続的に進めるためには、地域の住民が関わらなければならない。その ためには、その地域の良さを認識することが重要であり、更にその地域の良さを「好さ」に 変える、すなわち好きになることが重要である。 地方創生での是正事項とされている首都圏への人口集中は、地方より首都圏に良さと可能 性を感じるものがあるから発生してきたとみることができる。しかし、地質百選にもリスト アップされているように、日本には多くの良さがある。この良さは日本のすべての地域にあ ると言っても良い。ただ、その地域の人たちは、そのことに気付いていない場合が多いよう である。 ジオパーク活動では、地域の良さに気付くことから始まり、この地域の良さが「好さ」に 変わるのである。この地域の「好さ」こそ、地方創生のベースになるものと考える。したが って、ジオパーク活動の推進は、地方創生のべース活動となり得るものと考える。 4、 地質調査業とジオパーク 自然災害の多くは、直接的な雨量や地震動などの外力と地盤状況の掛け算で発生する。同 じ外力に対して、強い地盤と弱い地盤があるのである。ジオパーク活動の教育により地域住 民は地域の地盤状況を知ることができ、それに応じた防災対策にも参画できるようになる。 そして地盤と人間生活の関係にも気づき、ここに地質調査業に対するニーズが発生すると考 えられる。すなわち、ジオパーク活動が全国的に展開することにより、地盤に関する問題意 識を国民の多くが持つようになり、ジオパーク活動の進展が地方創生のベースをなすように なれば、地方活性化による地質調査業へのニーズの拡大が期待できる。 このために、地質調査業に関わる人たちは、ジオパーク活動と業の関連について、ジオパ ーク活動自体を市場とする観点ではなく、ジオパーク活動が地質調査業の市場のベースにな るものと受け止めた活動への参加が必要となると考える。 5、 終わりに 国民の地盤に対する理解を高めることは、国民の安全・安心の構築には重要なことであり、 地方創生もそのためにも必要である。その根幹をなすのがジオパーク活動という受け止め方 は重要であり、全国地質調査業協会連合会は、今後もジオパーク活動を強く支持協力してい かなければならない。 《参考資料》 ※1:

http://www.weblio.jp/content/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%89%B5%E7%94%9F

※2:http://www.geopark.jp/

参照

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