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日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 5 : , 2013 ポジションペーパー 熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯 ( ノンメタルクラスプデンチャー ) の臨床応用 a,d b,c,e 笛木賢治, 大久保力廣, 谷田部 b,d,f 優, 荒川 b,c,g 一郎, 有田

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387

a (公社)日本補綴歯科学会診療ガイドライン委員会(平成 23–24 年度)

b (公社)日本補綴歯科学会ノンメタルクラスプデンチャーエキスパートパネル(平成 23–24 年度)

c (公社)日本補綴歯科学会有床義歯エキスパートパネル(平成 23–24 年度)

d 東京医科歯科大学部分床義歯補綴学分野

e 鶴見大学歯学部有床義歯補綴学講座

f 東京支部

g 日本歯科大学生命歯学部歯科補綴学第 1 講座

h 九州歯科大学顎口腔欠損再構築学分野

i 神奈川歯科大学附属横浜クリニック

ポジションペーパー

抄 録 本ポジションペーパーは,義歯床用の熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の呼称と定義を提案し,臨床適 用への指針を示すことを目的とした.(公社)日本補綴歯科学会会員から,熱可塑性樹脂を用いた部分床 義歯の臨床経験を有するエキスパートパネル 14 名を選出した.パネル会議で検討した結果,「義歯の維 持部を義歯床用の樹脂を用いて製作したパーシャルデンチャーの総称」をノンメタルクラスプデンチャー

(non-metal clasp denture)と呼称することとした.ノンメタルクラスプデンチャーは,樹脂と人工歯の みで構成される剛性のない義歯と,金属構造を有する剛性のある義歯とに区分される.剛性のないノンメ タルクラスプデンチャーは,金属アレルギー症例などの特別な症例を除き,現在の補綴臨床の原則に照ら し合わせ最終義歯として推奨できない.剛性のあるノンメタルクラスプデンチャーは,審美領域にメタル クラスプが走行することを患者が受け入れられない場合に推奨できる.ノンメタルクラスプデンチャーの 設計は,原則的にメタルクラスプを用いた部分床義歯の設計に則したものでなければならない.熱可塑性 樹脂の物性は材料によって大きく異なるため,各材料の特性を考慮して臨床適用する必要がある.全般的 な特徴としては,アクリルレジンよりも変色,面荒れしやすく,材料によっては破折しやすい.現時点で は,樹脂の理工学的性質と義歯の治療効果と術後経過に関する研究が不十分であり,今後これらの知見が 集積され本ポジションペーパーの改訂とガイドラインの策定が望まれる.

和文キーワード

部分床義歯,熱可塑性樹脂,ノンメタルクラスプデンチャー,レジンクラスプ,金属アレルギー

熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯(ノンメタルクラスプデンチャー)の臨床応用

笛木 賢治a,d, 大久保力廣b,c,e, 谷田部 優b,d,f, 荒川 一郎b,c,g, 有田 正博b,c,h, 井野  智b,i, 金森 敏和b,j, 河相 安彦b,c,k, 川良美佐雄b,l, 小見山 道b,l, 鈴木 哲也b,c,m, 永田 和裕b,n, 細木 真紀b,o, 鱒見 進一b,h, 山内 六男b,p, 會田 英紀a,q, 小野 高裕a,r, 近藤 尚知a,s, 玉置 勝司a,t, 松香 芳三a,o, 塚崎 弘明a,u, 藤澤 政紀a,v, 馬場 一美a,u, 古谷野 潔a,w

Clinical application of removable partial dentures using thermoplastic resin (non-metal clasp dentures)

Kenji Fueki, DDS, PhD

a,d

, Chikahiro Ohkubo, DMD, PhD

b,c,e

, Masaru Yatabe, DDS, PhD

b,d,f

, Ichiro Arakawa, DDS, PhD

b,c,g

, Masahiro Arita, DDS, PhD

b,c,h

, Satoshi Ino, DDS, PhD

b,i

, Toshikazu Kanamori, DDS, PhD

b,j

, Yasuhiko Kawai, DDS, PhD

b,c,k

, Misao Kawara, DDS, PhD

b,l

, Osamu Komiyama, DDS, PhD

b,l

, Tetsuya Suzuki, DDS, PhD

b,c,m

, Kazuhiro Nagata, DDS, PhD

b,n

, Maki Hosoki, DDS, PhD

b,o

, Shin-ichi Masumi, DDS, PhD

b,h

, Mutsuo Yamauchi, DDS, PhD

b,p

,

Hideki Aita, DDS, PhD

a,q

, Takahiro Ono, DDS, PhD

a,r

, Hisatomo Kondo, DDS, PhD

a,s

,

Katsushi Tamaki, DDS, PhD

a,t

, Yoshizo Matsuka, DDS, PhD

a,o

, Hiroaki Tsukasaki, DDS, PhD

a,u

,

Masanori Fujisawa, DDS, PhD

a,v

, Kazuyoshi Baba, DDS, PhD

a,u

and Kiyoshi Koyano, DDS, PhD

a,w

(2)

Ⅰ.緒  言

 口腔の審美は,患者にとって大きな関心事であり,

審美性について配慮することは,補綴治療に対する患 者の満足を得るために重要である.部分床義歯のメタ ルクラスプが審美領域を走行することは,患者にとっ て審美的,心理的に好ましくないものであり,部分床 義歯装着を嫌う原因の 1 つである.従来,審美性を重 視する症例に対しては,アタッチメントが適応とされ てきたが,歯質の多量の削除を必要とすることや専門 的技術が要求されることから,現在では一般的な選択

肢ではない.一方,米国には,1950 年代から,ポリ アミド系樹脂(ナイロン)のみを使用し,金属を使用 しない部分床義歯が存在してきた.2007 年以降,本 邦においても弾性を有する様々な義歯床用の熱可塑性 樹脂が認可を受けたことで,樹脂単体もしくは金属構 造を組み込んだ部分床義歯が,従来のメタルクラスプ を使用したものと比べて審美性と装着感の優れた義歯 として一般臨床医を中心に急速に普及している1).社 会的意識の変化に伴い,老化の象徴である可撤性義歯 の使用を忌避する患者が増加するなど,欠損補綴にお いて審美に対する患者の要求が強くなっていることか ら,歯科医師もこのような患者の要求に対応せざるを

j 東北・北海道支部

k 日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学講座

l 日本大学松戸歯学部顎口腔機能治療学講座

m 東京医科歯科大学口腔機能再建技工学分野 

n 日本歯科大学新潟病院総合診療科

o 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部咬合管理学分野

p 朝日大学歯学部口腔機能修復学講座歯科補綴学分野

q 北海道医療大学咬合再建補綴学分野

r 大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座(歯科補綴学第二)

s 岩手医科大学補綴・インプラント学講座

t 神奈川歯科大学有床義歯補綴学分野

u 昭和大学歯学部歯科補綴学講座

v 明海大学歯学部歯科補綴学分野

w 九州大学大学院歯学研究院インプラント・義歯補綴学

a Japan Prosthodontic Society, Clinical Guideline Committee

b Japan Prosthodontic Society, Non-metal Clasp Denture Expert Panel

c Japan Prosthodontic Society, Removable Prosthodontics Expert Panel

d Section of Removable Partial Denture Prosthodontics, Tokyo Medical and Dental University

e Department of Removable Prosthodontics, Tsurumi University School of Dental Medicine

f Tokyo Branch

g Department of Partial and Complete Denture, School of Life Dentistry at Tokyo, The Nippon Dental University

h Division of Occlusion & Maxillofacial Reconstruction, Department of Oral Function, School of Dentistry, Kyushu Dental University

i Kanagawa Dental University Yokohama Clinic

j Tohoku & Hokkaido Branch

k Department of Removable Prosthodontics, Nihon University School of Dentistry at Matsudo

l Department of Oral Function and Rehabilitation, Nihon University School of Dentistry at Matsudo

m Section of Oral Prosthetic Engineering, Tokyo Medical and Dental University

n Comprehensive Dental Care, The Nippon Dental University Niigata hospital

o Department of Fixed Prosthodontics, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima

p Department of Prosthodontics, Division of Oral Functional Science and Rehabilitation, School of Dentistry, Asahi University

q Division of Occlusion and Removable Prosthodontics, Health Sciences University of Hokkaido

r Department of Prosthodontics, Gerodontology and Oral Rehabilitation, Osaka University Graduate School of Dentistry

s Department of Prosthodontics and Oral Implantology, Iwate Medical University

t Department of Oral & Maxillofacial Rehabilitation, Removable Prosthetics, Kanagawa Dental College

u Department of Prosthodontics, Showa University

v Division of Fixed Prosthodontics, School of Dentistry, Meikai University

w Section of Implant and Rehabilitative Dentistry, Division of Oral Rehabilitation Faculty of Dental Science, Kyushu University

(3)

得ないことが,その要因として考えられる.

 熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯について,有床義 歯の専門家らによって問題点が指摘されている2–4).第 1 に,熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の中には,本 邦のスタンダードである義歯の設計原則5)から大きく かけ離れたものが存在し,このような義歯の使用は,

支台歯の歯周組織,欠損部の顎堤に対して重篤な影響 を及ぼすリスクがある.それにもかかわらず,術式も 簡単で保険外診療となるため,患者の審美性への要求 と期待を優先して,本来の適応範囲を越えて適用され れば,患者に大きな不利益がもたらされる.また,材 料によってはレジンクラスプの破折,義歯研磨面の粗 造化,色調の変化等の問題が生じやすく,リラインや 修理などの対応が困難であることも指摘されている.

実際,義歯装着後に様々な問題を生じている症例が少 なからず認められ,臨床研究によるエビデンスが乏 しい中,熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の不適切な 適用に基づく乱用は社会問題化する恐れがあると思わ れる.このような状況が放置されれば,今後,歯科医 療と歯科医師に対する社会的信用が低下する恐れがあ る.以上の背景から,(社)日本補綴歯科学会は,「い わゆるノンクラスプデンチャーについては外観の回復 についての有効性という光の部分と,適応をあやまっ た場合に生ずる顎堤の異常吸収,支台歯の移動という 重大な障害を惹起するという影の部分があり,その適 応については今後のさらなる科学的な検証が必要であ る.」との見解を示し6),2008 年に策定した診療ガイ ドラインでは,「前歯部の審美性だけを考えてフレキシ ブルデンチャーを装着させることは推奨されない」と し7),熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の安易な臨床 応用について注意喚起を促している.

 有床義歯の専門家らによって指摘されている第 2 の 問題点は,熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯に対す る定義と呼称が定まっておらず,フレキシブルデン チャー,ノンクラスプデンチャー,クラスプレスデン チャー,メタルフリーデンチャーなど様々な名称が氾 濫していることである.最近では「ノンクラスプデン チャー」が一般的な呼称になりつつあるが,米国の補 綴用語集 GPT-88)の定義に従えば,義歯床から延長し て支台歯を取り囲み維持を担う樹脂部分は,クラスプ と呼ばれるべき構成要素であり,ノンクラスプ(クラ スプのない)という用語は不適切と考えられる.

 このような状況を踏まえて,社会保険・医療問題委 員会からの依頼を受けて,診療ガイドライン委員会で はガイドライン改訂の検討を始めた.先ず,最新のエ ビデンスを知るために PubMed および医学中央雑誌で

文献検索を行ったところ,2011 年 8 月の時点で熱可 塑性樹脂を用いた部分床義歯について臨床研究に基づ く原著論文は 1 編のみであり9),エビデンスは不足し ている状況であった.一方,有床義歯エキスパートパ ネルを対象にガイドラインの策定方法(対象とする義 歯,欠損型,設計,熱可塑性樹脂材料を限定すべきか 否か)についてのアンケートを行った結果,現在使用 されている種々の熱可塑性樹脂を対象にして,適応と なる症例,義歯の設計についての指針を策定すること が望ましいとの意見が多数であった.しかし,エビデ ンスが不足している状況では,スタンダードな方法に よって多種多様な症例を対象にガイドラインを策定す ることは困難であると考えられた.そこで熱可塑性樹 脂を用いた部分床義歯の臨床経験を有する補綴学会会 員をエキスパートパネルとして選定し,臨床経験に基 づきコンセンサスを形成し,ポジションペーパーとし て示すこととした.本ポジションペーパーの目的は,

1)熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の呼称と定義を 提案する.2)本義歯の適応と禁忌,設計,臨床適用 に際しての留意点について,補綴専門医,一般歯科医 を対象に(公社)日本補綴歯科学会の指針を示すこと である.

Ⅱ.ポジションペーパーの作成方法

 (社)補綴歯科学会で平成 23–24 年度に選定した有 床義歯エキスパートパネル 21 名を対象にアンケート 調査を行い,熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の臨床 経験を数例以上有する 5 名を今回のエキスパートパネ ルとして選出した.次いで,学会会員を対象に熱可塑 性樹脂を用いた部分床義歯の臨床経験を年間 5 例以上 有する会員の情報を収集し,9 名をエキスパートパネ ルとして選出し,これら合計 14 名のエキスパートパ ネルにより本ポジションペーパーの草案作成を行うこ とにした.2012 年 8 月にパネル会議を開催し,熱可 塑性樹脂を用いた部分床義歯の呼称と定義,ポジショ ンペーパーの構成について協議を行い,コンセンサス を形成した.ポジションペーパーの草案は,エキスパー トパネル全員で分担執筆し,その内容をパネル全員で のメール協議で修正を行い,コンセンサスを得た.そ の後,診療ガイドライン委員会の査読を経て最終原稿 を完成した.文献検索には,PubMed と医学中央雑誌 のオンラインデータベースを利用し,ハンドサーチも 行った.システマチックな文献選択は行わなかった.

(4)

Ⅲ.義歯の呼称・定義

 1956 年,米国バルプラスト社はスーパーポリアミ ドというナイロンの一種を義歯用素材として開発し た.金属を使用せず人工歯以外の義歯構成要素をこの 熱可塑性樹脂により製作した義歯は,製品名そのまま にバルプラストと呼ばれるだけでなく,フレキシブル デンチャーあるいはナイロンデンチャーとネーミング され,世界各国に普及した(図 1)10,11).本邦でも厚生 労働省の認可前から個人輸入により臨床応用が試行さ れ12),いつの頃からか「ノンクラスプデンチャー」,「メ タルフリーデンチャー」等という名称が慣用されるよ うになった.2008 年 4 月の薬事認可以降,多くの熱 可塑性樹脂が開発されるとともに,製造販売元や技工 所により幾多の呼び名が濫用されることになるが,一 般的には臨床家の間でノンクラスプデンチャーが総称 として定着した.

 補綴用語集 GPT-88)によれば,クラスプは「その構 成要素が歯面の一部と嵌合し,維持のためにアンダー カットに入るか,拮抗腕として最大豊隆部上を走行す る.一般に可撤性義歯の維持,安定のために使用され る.」と定義されており,本文章中にクラスプは金属 製であるとの記述はない.したがって,アーム,フィ ンガー,ウイングなどと呼称されている樹脂による維 持部は,定義上アンダーカットを利用して義歯の維持,

安定を司る正真正銘のクラスプと考えられ,「樹脂クラ スプ」あるいは「エステティッククラスプ」とも呼ば れている13,14)

 すなわち用語上の解釈からすれば,ノンクラスプデ ンチャーといえばクラスプを含まない義歯を意味する

ことになり,アタッチメントデンチャーやミリングデ ンチャー,テレスコープデンチャーを指すことになる.

そこで,本ポジションペーパーでは,金属を使用しな いフレキシブルデンチャーだけでなく,メタルレスト や従来型フレームワークを併用したメタル混在型の義 歯(図 2,3)をも包括して「ノンメタルクラスプデン チャー(non-metal clasp denture)」と呼称すること とし,「義歯の維持部を義歯床用の樹脂を用いて製作し たパーシャルデンチャーの総称」と定義する.この定 義からすれば,維持部と義歯床を一塊として製作した 義歯だけでなく,異なる義歯床用樹脂を用いて製作し た義歯(図 4)も含むことになる.さらに,本ポジショ ンペーパーでは,ノンメタルクラスプデンチャーの樹 脂による維持部を「レジンクラスプ(resin clasp)」と 呼称することとした.

a b

c d

2

A non-metal clasp denture with metal rests メタルレストを併用した金属混在型のノンメタルク ラスプデンチャー

1

A non-metal clasp denture without metal elements 金属構成要素を全く含まないノンメタルクラスプデ ンチャー

3

A non-metal clasp denture with a framework (Reigning N)

a. Intraoral view without the denture, b. Basal surface of the denture, c. Intraoral view with the denture d. Metal rest and resin clasp

フレームワークを併用したノンメタルクラスプデン チャー(レイニング樹脂 N

a. 義歯非装着時口腔内,b. 義歯粘膜面,c. 義歯装着 時口腔内,d. メタルレストとレジンクラスプ

(5)

Ⅳ.ノンメタルクラスプデンチャーに用いられる

熱可塑性樹脂の理工学的性質

 ノンメタルクラスプデンチャー用の材料として,日 本で医療機器認証されている熱可塑性樹脂は,2012 年時点でポリアミド系,ポリエステル系,ポリカーボ ネート系 , アクリル系,ポリプロピレン系の 5 種類 14 製品ある(表 1).なお,本ポジションペーパーでは,

樹脂の一般名と製品名を容易に区別できるように,製 品名(例 バルプラスト)と表記する.

 2009 年に日本歯科理工学会では(社)日本補綴歯 科学会の要請を受け,弾力性のある熱可塑性樹脂の材 料学的特性を評価しているが,試験に用いられたノン メタルクラスプデンチャー用の材料はバルプラスト

エステショット,レイニング樹脂,の 3 製品のみで ある15).その後,2012 年までに次々に新しい材料が発 売されたが,それらの物性評価は十分なされていない.

 ノンメタルクラスプデンチャーの理工学的性質とし ては,曲げ強さ15–24),曲げ弾性率15–24),接着強さ15,24–28), 吸水性15,19–21,29,30),摩耗性15,20,31,32),表面硬さ19,33–35),耐衝 撃性22–24),色調安定性15,20,21,29,36),適合性30,37–39) などが調 べられている.しかし,材料の多さばかりでなく,臨 床に即した試験方法の多様性,試験機関ごとの結果の 差異などがあり,すべての材料を客観的に比較できて いるとはいえない.各製造販売元が公表している曲げ 特性値を表 2 および 3 に示すが,学術論文のデータと 大きく異なっている材料もある一方,評価されていな い材料も数多くある.また,同じポリアミド系であっ ても曲げ特性に大きな違いがあり,すべての材料につ いて,同一条件で客観的な評価をしなければならない ことがわかる.現時点では臨床が先行して,その中で 主観的に評価されているといわざるを得ない.

 本ポジションペーパーでは,現在報告されている 様々な理工学的性質から材料の特性をまとめるが,今 後,新しい材料,あるいは新しい評価がなされた時点 で改訂する必要がある.同じ系統の材料であっても物 性や特徴に違いがあるが,本項では,臨床応用の際の 選択基準となるようにそれぞれの材料の物性と理工学 的性質を列挙する(表 2–4).

1.ポリアミド系

 ポリアミド系のもっとも大きな特徴は,破折しにく いという点であるが,曲げ強さ,曲げ弾性率が最も低

a b

4

A non-metal clasp denture using different denture base resins for retentive elements and a denture basea. Resin clasp on working cast, b. Delivered denture

維持部と義歯床に異なる義歯床用樹脂を用いたノン メタルクラスプデンチャー

a. 作業模型上で組み込まれたレジンクラスプ,b. 完成 義歯

1 Thermoplastic resins available for non-metal clasp dentures in Japan (December 2012)

日本で認可されているノンメタルクラスプデンチャー用熱可塑性樹脂(2012年

12

月)

一般名 製品名 製造社名 所在地 国名 医療機器認証番号

ポリアミド系 バイオ・プラスト ハイデンタルジャパン 大阪 日本

223ACBZX00046000

バルプラスト ユニバル 東京 日本

220ADBZX00061000

フレックススター

V

日本デンタルサプライ 神奈川 日本

221AGBZX00202000

バイオ:トーン ハイデンタルジャパン 大阪 日本

223ACBZX00036000

ルシトーン

FRS

デンツプライ三金 東京 日本

221AGBZX00253000

アルティメット アルティメット 大阪 日本

222AKBZX00097000

ポリエステル系 エステショット ブライト アイキャスト 京都 日本

223AFBZX0010400

エステショット アイキャスト 京都 日本

221AFBZX00009000

ポリカーボネート系 レイニング樹脂

N

東伸洋行 新潟 日本

221AFBZX00081000

レイニング樹脂 東伸洋行 新潟 日本

219AFBZX00061000

ジェットカーボ-S ハイデンタルジャパン 大阪 日本

220ACBZX00096000

ジェット・カーボ ハイデンタルジャパン 大阪 日本

20800BZZ00194A01

アクリル系 アクリ

:

トーン ハイデンタルジャパン 大阪 日本

222ACBZX00039000

ポリプロピレン系

UNIGUM

ウェルデンツ 愛知 日本

223AFBZX00081000

(6)

いバイオ・プラストから最も高いアルティメットま で物性値は様々である.曲げ強さや曲げ弾性率の違い は,臨床的には歯の豊隆の程度でどの材料を使うかの 選択基準になっていることが多い.しかし,耐衝撃性 に関しては曲げ強さや曲げ弾性率と関係なく,材料ご とに大きな違いがある22,23).ポリアミド系は,常温重 合レジンとは接着しないため15),修理あるいはリライ ンは,原則的には技工所に預けて再成型する必要があ

るが,いくつかの方法も試みられている18,29).吸水性 については,それぞれの材料で違いがあるが,ルシトー ン FRSはアクリルレジン(アクロン,ジーシー,東京,

日本)より吸水量は多い21).カレー浸漬後の色差(ΔE)

は,バルプラスト,ルシトーン FRSでアクリルレジ ンより大きい15,21).適合精度に関する報告は少ないが,

バルプラストの熱収縮は大きいため,多数歯欠損症例 では注意を要する37).アルティメットの物性と理工学 表

2 Flexural strength of thermoplastic resins used for non-metal clasp dentures

各種ノンメタルクラスプデンチャー用熱可塑性樹脂の曲げ強さ

一般名 製品名 曲げ強さ (MPa)

製造販売元公表値 高橋15)

Takabayashi

21)

Hamanaka

22,24)+

Katsumata

18)++

ポリアミド系 バイオ・プラスト

27±10

バルプラスト

78〜98* 27〜42 35〜41 13.7±0.8

フレックススター

V 30以上

バイオ:トーン

57±10

ルシトーン

FRS 60〜65 70〜78 22.3±0.9 83.6±3.3

アルティメット

60**

ポリエステル系 エステショット ブライト

61.1 24.2±0.7

エステショット

76 65〜70 85〜92 30.4±2.1

ポリカーボネート系 レイニング樹脂

N 65以上

レイニング樹脂

76.8 70〜80 88〜95 29.6±1.0

ジェットカーボ-S

80±10

ジェット・カーボ

85±10 90〜100

アクリル系 アクリ:トーン

48 17.3±0.5

ポリプロピレン系

UNIGUM 65〜130

参考:アクリルレジン(アクロン)

90.7MPa(製造販売元公表値),90

110MPa

21)

, 38.2MPa

22,24)

* MPa

に換算,** 引張試験結果,+比例限でのデータ,++ 最大値(弾性限)を用いたデータ

3 Elastic modulus of thermoplastic resins used for non-metal clasp dentures

各種ノンメタルクラスプデンチャー用熱可塑性樹脂の曲げ弾性率

一般名 製品名 曲げ強さ (MPa)

製造販売元公表値 高橋15)

Takabayashi

21)

Hamanaka

22,24)

Katsumata

18) ポリアミド系 バイオ・プラスト

540±50

バルプラスト

1471〜1765* 800〜1400 826±111 1045±110

フレックススター

V 650以上

バイオ:トーン

1340±50

ルシトーン

FRS 1330〜1360 1639±88 1450±50 1380±70

アルティメット

1600**

ポリエステル系 エステショット ブライト

1493 1590± 21

エステショット

2069 2000〜2200 2826±193 1980±80

ポリカーボネート系 レイニング樹脂

N 2000以上

レイニング樹脂

2126 2300〜2400 2701±120 2190±110

ジェットカーボ-S

2110±50

ジェット・カーボ

2380±50 3097±234

アクリル系 アクリ:トーン

1360 1355±39

ポリプロピレン系

UNIGUM 2400〜6000

参考:アクリルレジン(アクロン)

2805MPa(製造販売元公表値),2917MPa

21)

, 2770MPa

22,24)

* MPa

に換算,** 引張試験結果,+比例限でのデータ,++ 最大値(弾性限)を用いたデータ

(7)

的性質について,現時点では製造販売元の情報に限ら れており,他施設での検証が必要である.

2.ポリエステル系

 ポリエステル系は 2 種類あるが,いずれも比較的新 しい材料である.エステショットは,曲げ強さ,曲げ 弾性率ともに義歯床用材料としての ISO 規格の要求値 を越えている15,19,21–23).しかし,耐衝撃性が弱く,破折 するリスクは高い22,23).一方,エステショット ブライ トは,製造販売元の公表値ではあるが,曲げ弾性率が 1490 MPa でポリアミド系に近い弾性率で,柔らかく 耐衝撃性がエステショットの 8 倍に向上している(表 4).ポリエステル系の大きな特徴のひとつは,常温重 合レジンとの接着が良好であることである15,29).すな わち,修理や増歯,リラインがチェアサイドで可能で ある.エステショットの吸水量はアクリルレジンより 少ないが,カレー浸漬後の色差はアクリルレジンより

大きい15,21).エステショットの適合精度は,他の樹脂

と比較して,最も良好である37)

3.ポリカーボネート系

 ポリカーボネート系は,従来保険導入されていた熱 可塑性樹脂をノンメタルクラスプデンチャー用に改良 したものである.曲げ強さ,曲げ弾性率ともポリアミ ド系,ポリエステル系と比較して高い15,19,21–23).製造販 売元の公表値によるとジェットカーボ-S,レイニング

樹脂 Nは,従来のジェット・カーボ,レイニング樹 脂よりも弾性率を低くしてアンダーカットが大きい 症例にも適用できるようにしている.破折のリスクに 関する文献は認められないが,レイニング樹脂の耐衝 撃性は高い19,22,23).実際,破折が起こるという報告もあ るため,臨床に即した物性評価が待たれる.適合性は エステショットよりも劣るがバルプラストよりも良 好である37).常温重合レジンとの接着は,アクリルレ ジンと同程度である15).ジェット・カーボ,レイニン グ樹脂の吸水量はアクリルレジンよりも少ない15,21). カレー浸漬後の色差はレイニング樹脂ではアクリル レジンとほぼ同等か少ない15,21)

4.アクリル系

 ノンメタルクラスプデンチャー用のアクリルレジン は,アクリ:トーンのみであり,保険適応の熱可塑性 樹脂であるアクリショットやアクリジェットと比較 するとかなり柔らかいアクリルレジンを使用している と思われるが,物性に関する詳細な情報は限られてい る24)

5.ポリプロピレン系

 新しく義歯床用熱可塑性レジンとして認可された樹 脂である.樹脂名である UNIGUMは発売元によって 多用途な修復材料として提案されているが,詳細な文 献情報はない.

4 Physical and mechanical properties of thermoplastic resins used for non-metal clasp dentures

各種ノンメタルクラスプデンチャー用熱可塑性樹脂とアクリルレジンの物性と理工学的性質

一般名 アクリルレジン ポリアミド系 ポリエステル系 ポリカーボネート系 アクリル系

製品名 アクロン

12,15,20,21,58,31) バルプラスト

12,15,20,21,58,31) ルシトーンFRS

17,18,37,39,40,61) アルティメット エステショット19,21) エステショット ブライト

24,28) レイニング樹脂

15,17,18,19,20,55) レイニング樹脂N

15,19,21,39,64) アクリ:トーン24)

比重(密度)(g/cm350)

1.16-1.20 1.04 1.02 1.06 ** 1.12 1.20* 1.15 **

射出成型条件(℃)

288 240 280* 230-240* 270-290* 300-340* 260-270 *

ガラス転移点(℃)

50 155 155** 67* 113* 150

成型収縮率(%)

0.8** 0.6 0.4-0.7 **

引張強さ(MPa)

90

60 70 60 * 45.5 57-76 56

溶解量(μg/mm3

0.3*

2 0 0* 0* 1.6

以下

* 0.3**

吸水量(μg/mm3

22.9*

17 28-30 10.7* 6.4* 22**

吸水率(%)

1.5* 0.303 0.24-0.31 0.23-0.29*

レジリエンス(J)

3.16 5.12

ロックウェル硬度(HRM)

21.8 59.9 56.7*

アイゾット衝撃強さ(KJ/m)

14.0 88.0* 5.2**

シャルピー衝撃強さ(kJ/m2 22,24)

1.1 6.9 30.2 NB** 4.1

(10*)

65.3

(80*)

21.3 6.5

表面粗さ(μm) 20)

0.9

0.24

0.21

アクリルレジンとのせん断接

着強さ(MPa) 24,28)

12.6 2.5 3.3 17.5 11.7 12.3 17.1

アクリルレジンとのせん断接

着強さ(表面処理後+(MPa) 28)

16.5 19.6 23.5 24.1

* 製造販売元公表値,** 製造販売元からの提供情報,+ silica coating + 4-META/MMA-TBB,NB: 破壊しない,※曲げ強さと曲げ弾性率は表 2,3

を参照

(8)

Ⅴ.ノンメタルクラスプデンチャーの適応症,

禁忌症,適用に注意を要する症例

1.適応症

 本ポジションペーパーでは,ノンメタルクラスプデ ンチャーの適応症について,金属構造の有無と樹脂の 曲げ弾性率にもとづいて義歯全体としての剛性のあり

/なしに区分した.表 5 にⅧ章で詳述する樹脂を用い た義歯の区分を記す.

 金属構造を含まず剛性のないノンメタルクラスプデ ンチャーの適応症としては,暫間義歯,スペア用の義歯,

金属アレルギー症例,前歯部少数歯欠損症例,咬合支 持のある少数歯欠損症例,エピテーゼ,義歯に機能力 の負担がかからない症例,審美性を最優先せざるを得 ない症例,支台歯の切削(前処置)に同意が得られな い症例が挙げられる(図 5).一方で,金属構造を含み 剛性のあるノンメタルクラスプデンチャーは,基本的 に広い範囲に適応可能である(図 2–4).

2.禁忌症,適用に際して注意を要する症例

 ノンメタルクラスプデンチャーの適用が困難な症例 について整理すると,欠損歯列の診断に係る因子であ る欠損様式と咬合関係,義歯の設計と製作に影響する 解剖学的因子,義歯補綴治療の維持管理に係る衛生状 態とにまとめられる.各因子について,ノンメタルク ラスプデンチャーの適用時に考慮すべき点を述べる.

 1)欠損様式と咬合関係

 ノンメタルクラスプデンチャーは,メタルレストや 従来型フレームワークを併用することによって機能時 の義歯の動揺を制御する設計が可能となることから,

金属混在型の設計であれば,ほとんどすべての欠損様 式に適応できると考えられてきている.しかしながら,

すれ違い咬合症例や少数歯残存症例など,一般的なク ラスプデンチャーでさえ良好な治療結果を期待するこ とが難しい症例への適用は困難である.特にすれ違い 咬合症例では,義歯床の回転沈下,咬合位の変化,顎 堤の吸収が生じやすく,結果として,レジンクラスプ に過大な応力が集中することが想定される40,41).レジ ンクラスプが早期に変形,あるいは破折する危険性が 高いことから,禁忌症であると考えられる.

 少数歯残存症例も,レジンクラスプに大きな負荷が かかりやすい41).残存歯の部位,対合歯列の状態にもよ るが,臼歯部咬合支持が失われている場合,咬合位が不 安定な場合,高度顎堤吸収や床下粘膜異常など欠損部 顎堤の支持能力が低い場合には,特に注意を要する.

 2)解剖学的因子

 ノンメタルクラスプデンチャーのレジンクラスプ は,上縁が歯面上,下縁が歯肉面上に設定されるため,

その外形は,支台歯の歯冠形態だけでなく,歯槽部の 形態にも影響される.臨床的歯冠長が短い症例,支台 歯のサベイラインから口腔前庭までの距離が足りない 症例,歯槽部に過大なアンダーカットがある症例では,

レジンクラスプの形態や幅を適切に設定することが困 難な場合がある41–43).レジンクラスプの維持力と強度 が不足する可能性があり,注意を要する.ノンメタル 表

5  Rigidity of non-metal clasp dentures using thermoplastic

resins

各種熱可塑性樹脂を用いたノンメタルクラスプデン チャーの剛性

一般名 製品名 樹脂の弾性率* 義歯の剛性 ポリアミド系 バルプラスト あり**

ルシトーンFRS あり**

アルティメット あり**

ポリエステル系 エステショット ブライト あり**

エステショット あり ポリカーボネート系 レイニング樹脂 あり レイニング樹脂N あり

* 曲げ弾性率 2000MPa

未満を低, 2000MPa以上を高とした

** 金属構造を併用した場合

a b

c

5

A non-metal clasp denture without metal framework replacing missing maxillary bilateral frontal teeth (Valplast)

a. Labial view on working cast, b. Palatal view on working cast, c. Intraoral labial view with the denture

上顎両側中切歯欠損に対して製作した金属構造を併 用しないノンメタルクラスプデンチャー(バルプラス ト

a. 唇側面(模型上),b. 口蓋側面(模型上),c. 唇側 面(口腔内装着時)

(9)

クラスプデンチャーの床用材料の多くでは人工歯との 化学的結合が期待できないため,人工歯に保持孔を付 与し,機械的に結合させる必要がある.欠損部におけ る対合歯とのクリアランス量が少ない症例では,人工 歯の脱落,亀裂,破折が生じやすいため,注意を要す る43–45)

 3)衛生状態

 メタルクラスプは歯肉縁に接触しないように設計さ れるが,ノンメタルクラスプデンチャーのレジンクラ スプは支台歯の歯頸部歯質,辺縁歯肉,唇頬側粘膜を 大きく被覆する.支台歯周囲が広い範囲で不潔域とな るため,齲蝕や歯周疾患を惹起あるいは増悪させる可 能性がある.十分なプラークコントロールが必要であ

ることが強調されており42,45,46),口腔衛生不良の症例 や定期的なリコールに応じない症例は禁忌症であると 考えられる.樹脂材料の劣化がプラークの付着を増大 させ,義歯の衛生状態を悪化させる懸念があることか らも,定期的なリコールの実施は必須であろう.また,

メタルレストによる支持がない症例では,義歯が沈下 した場合にレジンクラスプが辺縁歯肉を圧迫し,機械 的に障害する可能性がある.金属構成要素を全く含ま ないノンメタルクラスプデンチャーは義歯の沈下が生 じやすいと報告されている46)ことから,メタルフリー の症例では,より慎重な経過観察が必要である.

Ⅵ.ノンメタルクラスプデンチャーのメリットと

デメリット

1.メリット

 1)審美性

 装着者の審美性に対する評価は,男女を問わず好評

である12,47–49).欠損部位へのインプラント治療は有効

であるが,金属体を骨中に埋入することへの抵抗と外 科手術に恐怖感を持つ患者は多い.また費用も一般的 に高額となる.これに対する提案は可撤性部分床義歯

(パーシャルデンチャー)であるが,外観にふれるメ タルクラスプを考えると患者も術者も躊躇する場合が ある.部分床義歯ではマグネットおよびプレシジョン

(精密)アタッチメント,ミリングデンチャー,テレス コープデンチャーにおいて審美性を保障できるが,支 台歯が生活歯である場合はこれらの装置の適応が難し く,対応に苦慮する.ノンメタルクラスプデンチャー においては維持部を生活歯へ積極的に応用することが でき,患者と術者にとって部分床義歯を選択する機会 が増加した.

 2)装着感(軽量・薄床化)

a b

c

6

A non-metal clasp denture with a metal framework using EstheShot

a. Polished surface of denture, b. Intraoral view with a mandibular non-metal clasp denture and a maxillary complete denture using a heat-cured acrylic resin, c. Denture base of the posterior area fractured by falling at 9 months after placement and it was repaired using a cold-cured resin (indicated with arrow). No complications occurred on the repaired lesion for 6 months after the repair and adhesion with the repaired resin was well maintained. Although polished surface of the maxillary complete denture was good, surface of the mandibular denture base of posterior area has become roughened after a year and 6-month use.

フレームワークを併用しエステショットを用いたノ ンメタルクラスプデンチャー

a. 義歯研磨面,b. 口腔内装着時,上顎はアクリルレジ ンを用いた全部床義歯.c. 下顎義歯の落下により臼歯 後隆起部の義歯床が破折し(装着9ヶ月),常温重合 レジンで修理した(矢印).修理後6ヶ月では修理部 位に問題を認めず,良好な接着状況を維持している.

上顎全部床義歯の研磨面の性状は良好だが,下顎義歯 では最後臼歯後方の研磨面に面荒れを認める(装着1 年半).

a b

7

Deterioration of thermoplastic resin used for non- metal clasp dentures

a. Loss of burnish on polished surface (Valplast), b.

Discoloration and decolorization of thermoplastic resin (Lucitone FRS)

ノンメタルクラスプデンチャーの熱可塑性樹脂の劣化 a. 光沢の消失(バルプラスト),b. 熱可塑性樹脂の 変色と脱色(ルシトーン FRS

(10)

 現在応用されている樹脂で,アクリルレジンと比較 して曲げ弾性率の低い樹脂においては表面硬さも柔ら

かく19,33–35),装着感が良好に感じられている.また,適

合性にも問題はないようである30,37).樹脂単体による,

剛性のない弾力性に富んだ義歯では,破折の心配が少 ないために義歯床の厚さが薄く製作されている.この ため,従来のアクリルレジン,あるいはフレームワー クを併用して剛性を確保した義歯に比べると軽量・薄 床である.表 4 に樹脂の比重を示す50)

 3)金属アレルギー

 金属を全く使用しない義歯においては,金属アレル ギーへの懸念を排除できる.歴史的に,ノンメタルク ラスプデンチャーは1950年代のナイロン(Polyamide)

義歯から始まっているが,それはアクリルレジンの重 合後残留モノマーによるアレルギーへの対応のために 開発された51).その後,金属アレルギーについてもそ のメリットが生かされている52)

2.デメリット

 1)材料の着色・劣化

 一部の材料を除き,義歯装着後数か月での材料の表 面荒れが指摘されている53).アクリルレジンに比較し て表面硬さが低く,そのため研磨表面の光沢が消失す る.また,変色と脱色が見られる21,29,36)(図 6c, 7).義 歯のメインテナンスができるうちはカンジダの繁殖は 心配ないと思われるが,十分な清掃ができない状況で はアクリルレジンに比べると注意が必要であろう54).  2)研磨の難しさ

 ノンメタルクラスプデンチャーに使用される床用材 の歯ブラシ摩耗試験(体積減少量)ではアクリルレジ ンに比較すると 1/5 以下となっている15).しかしなが ら前述したように表面は傷つきやすいことから,これ らの材料は傷ついても剥落しにくい材料であることが うかがえる.その性質もあって,アクリルレジンと比 較するとチェアサイドでの研磨が難しい材料もあり32), 専用研磨材を必要とする.高分子材料の非結晶部分で はガラス転移点を超えるとゴム状態となることが知ら れており,研磨による加熱の影響も疑われる.表 4 に 各種熱可塑性樹脂のガラス転移点を示す.

 3)維持部の破折・維持力調整困難・修理困難  ノンメタルクラスプデンチャーの維持部について は,設計指針が示されていない.このため,幅,厚さ,

長さなどのデザインについては試行錯誤の下で行われ ているのが現状である.これについては,材料物性の 相違からみたデザイン指針が望まれる55).初期に多く 見られた維持部の破折に関しては,物性の改良が進め

られている.また維持部にクラスプワイヤーを埋設し,

維持力の継続と破折防止が図られている.常温重合レ ジンと接着する材料であれば維持力もある程度修復で きるが,そうでなければ調整はむずかしい.材料別に 見た修理・リラインにおける常温重合レジンとの接着 の可否についてはⅦおよびⅧ章を参照されたい.接着 しない材料では技工所へ依頼する必要がある.

 4)維持部デザインと歯周環境

 ノンメタルクラスプデンチャーでは,維持部を歯冠 側方向と歯根側方向に幅広くして支台歯の歯頸部を被 い,歯肉と一体化して見えるようにデザインする.こ のため維持部の被覆範囲が広くなり,アンダーカット やリリーフ域も死腔になりやすく,歯周疾患の増悪が 心配されており,清掃への注意は必須である.

 5)自費診療

 熱可塑性樹脂を用いたノンメタルクラスプデン チャーは保険外診療で行われている.樹脂のみで構成 される義歯と,フレームワークを併用して剛性を持た せる義歯で費用設定は異なる.自費診療として患者の 負担は増すが,本項の冒頭に述べたように,ノンメタ ルクラスプデンチャーを多くの人が選択しており,こ れは部分床義歯の審美性が改善されたことに依拠す る.

Ⅶ.ノンメタルクラスプデンチャーの

メインテナンス

 ノンメタルクラスプデンチャーの材料は多種多様で あり,その性質は材料ごとに異なった特徴を持つ.メ インテナンスの際にもそれらの特徴を十分に理解した 上で適切な方法で行う必要がある.表 6 に主な熱可塑 性樹脂におけるメインテナンスの注意点を列挙する.

 ポリアミド系樹脂を用いたノンメタルクラスプデン チャーの取り扱いは,一般的には,加熱重合レジン(ア クリルレジン)を用いた義歯とは大きく異なる.すな わち,義歯の機械的清掃には義歯用ブラシのような硬 毛は不適当で,柔らかい材質のブラシを用いる必要が ある56).傷がつきやすく変形しやすいため,短い期間 で定期的なリコールが必要である.ポリアミド系樹脂 を用いたノンメタルクラスプデンチャーでは,通法に よる診療室での常温重合レジンを用いた修理とリライ ンは困難であり,一般的には印象採得を行い技工所に 再射出による修理を依頼する必要がある.

 ポリエステル系またはポリカーボネート系樹脂を用 いたノンメタルクラスプデンチャーの取り扱いは,ポ リアミド系樹脂よりも加熱重合レジンを用いた義歯に 近く,診療室で常温重合レジンを用いた修理が可能で

(11)

ある.pH の高い強アルカリ性の義歯洗浄剤はポリエ ステル系樹脂には不適であるため,義歯洗浄剤の選択 の際に注意を要する(表 6, 7).

Ⅷ.各種ノンメタルクラスプデンチャー用

熱可塑性樹脂の特徴

 この章では,エキスパートパネルが臨床経験を有す る 7 つの市販システム(バルプラスト,ルシトーン FRS,アルティメット,エステショット,エステ ショット ブライト,レイニング樹脂,レイニング 樹脂 N)を用いたノンメタルクラスプデンチャーを 樹脂の曲げ弾性率と義歯の剛性の有無をもとに区分し

(表 5),それぞれの樹脂の特徴,適応症,義歯の設計,

臨床適用時の留意点を記載する(各樹脂の物性と理工 学的性質については表 2–4 を参照).

1.ポリアミド系

 1)バルプラスト

 ナイロンの一種の素材から開発したポリアミド系 樹脂であり,99.9%が化学式{CO(OH2)11NH}nのポ リラウリルラクタム(ナイロン 12)で構成されてい る20).アクリルレジンよりも弾性係数が小さく,曲げ 強さと曲げ弾性係数は約 1/3 である.したがって,柔 らかく変形しやすく,たわみが大きい.しかし,曲げ 変位量が大きく破断しないため,大きな咬合力や応力

が加わっても床が破折しない.優れた弾性力により,

大きなアンダーカットにも対応が可能である.色調は 1 色であるが,ピンク系の半透明であるため,歯肉の 色に溶け込み,歯肉と義歯床の境界が判別しにくい審 美的な利点がある12,48,52,56–58).アクリルレジンよりも床 を薄くすることが可能で12,52,58),比重がアクリルレジン よりも小さい12,50,57,58)ため,義歯装着時の違和感が少な

48,57,58).スペアとしての義歯,外出時にのみ装着する

義歯として有用である48).最大応力に達しても破折し ない強靭さと弾力性を有している15,20,58).無味無臭でア レルギーの心配がない48,52,57).耐酸,耐アルカリ性に優 れる.グルタールアルデヒドや,次亜塩素酸ナトリウ ムに浸漬しても表面粗さはほとんど変化しない20).義 歯床を顎堤のアンダーカットに入れて維持を図ること もある20)

 欠点としては,表面が傷つきやすく52,56,59),義歯装 着後,徐々に研磨面の光沢が消失し粗造感や黒ずみ が生じてくる12,56)(図 7a).これに対しては,バルプ ラストを扱う専門の技工所で研磨を行うことで一定 の改善が得られる48,56).切削や研磨が非常に困難であ

る48,52,56,57).維持力の調整が困難である48,57).アクリル

レジンよりも表面粗さが大きいためプラークが付着し やすく,着色もしやすい56,58).食品では特にカレーに 変色が大きい15,21,20,57,58).被覆する面積が大きい程,適 合が不良になる59).小さな応力でたわむため,欠損歯 表

6 Maintenance of non-metal clasp dentures using thermoplastic resins

各種熱可塑性樹脂を用いたノンメタルクラスプデンチャーのメインテナンス

一般名 製品名 義歯の機械的清掃 義歯洗浄剤 リコール期間 修理・リライン

ポリアミド系 バルプラスト 傷がつきやすいためスポ ンジブラシ・綿棒を使 56)

「Vパワークリーン」を

推奨 通常より短期間

常温重合レジンと接着しない(リペア使用によ り可能,プロビナイス

&

プロビスタは不可)

レジン補修材「M.U.Bond」は可能44,60) 技工所で再射出による修理が可能

「V―リペア」(義歯床用接着材料)あり ルシトーン

FRS

傷がつきやすいためスポ

ンジブラシ・綿棒を使用 中性の義歯洗浄剤を使用 通常より短期間

常温重合レジンと接着しない(レジン補修材

「M.U.Bond」は可能44,60)

シリカコーティング法(ロカテック)により修 理が可能25)

アルティメット 通法 中性の義歯洗浄剤を使用 通常期間 常温重合レジンと接着しない 技工所で再射出による修理が可能

ポリエステル系 エステショッ ト,エステ ショット ブライ

傷がつきやすいため硬い ブラシは禁忌

強アルカリ性(エステ ショット pH>11, エス テショット ブライト

pH>12)の義歯洗浄剤は

不可 通常期間

診療室で常温重合レジンによる修理が可能(ア クリルレジンと同程度の接着強さ24)

破折の危険性17)があるた め義歯洗浄時の落下に注 意(エステショット)

「フィジオクリーンきら

り錠剤」を推奨 加熱重合レジンによるリラインは不可 ポリカーボネート系 レイニング樹脂 通法 中性の義歯洗浄剤を使

通常期間64) 診療室で常温重合レジンによる修理が可能(ア クリルレジンと同程度の接着強さ24) レイニング樹脂

N

通法 義歯洗浄剤「洗ってク

リア」を推奨

水中保管の必要なし 通常期間64) 診療室で専用の「デンチャーベースレジン

P」

による修理を推奨

技工所で再射出による修理が可能

(12)

数が多く義歯床が大きい症例において,患者は義歯の 動揺を感じやすく,噛みごたえを感じにくい59).アク リルレジンとは接着しないため48,58),診療室でのリラ インと修理が困難である48,51,52,56,57).これに対しては,

レジン補修材を用いる方法44,60),サンドブラスト処理 後に 4-META/MMA-TBB レジンで表面処理を行うこ とでアクリルレジンを接着させる方法が報告されてい る26,48)

 バルプラストは,維持部と義歯床のみで大連結子 を必要としない前歯 1 ~ 2 歯の中間欠損症例が最も適 している59)(図 5).他には,臼歯の中間欠損症例(メ タルレストが必要)が適応症である48,57).バルプラス トは弾性率が低いため義歯の剛性はないが,フレーム ワークを併用することで剛性が得られ,適応症が拡大 する48,57,59,61).

 2)ルシトーン FRS

 ハイグレード微結晶性ポリアミド(トロガミド CX7323)を用いた安全性,審美性,機能性に優れた ポリアミド系樹脂である.ポリエステル系樹脂やポリ カーボネート系樹脂と比較すると,柔らかいという特 徴を有している.柔らかいことにより疼痛が生じにく く,装着感に優れる.また,落としても割れにくい.

同じポリアミド系樹脂であるバルプラストよりは少 し硬めの樹脂で,耐久性に優れる.適合性も良好で,

耐摩耗性は高く,研磨や切削作業も容易で,ステイン や歯石が付着しにくいなどの利点がある.

 一方,症例によって,義歯床の厚みが薄すぎた場合 には破折が生じることがあることや,色調安定性に欠

ける29,36)などの欠点もある(図 7b).また,維持力を

増強するためには唇頬側のデザインを考慮する必要が ある55).さらに,長期使用により緩みが生じる場合が あるため,金属によるレストやワイヤーによる頬舌的 な連結などにより緩みを抑制する対策を施した方が得 策である(図 8).最大の欠点は常温重合レジンが接着 しないことで,そのため,修理やリラインが困難であり,

特殊な器材を用いた方法も紹介されている44).また人 工歯も脱落しやすいことから,十分な機械的維持孔を 表

7 pH of denture cleaners

各種義歯洗浄剤の液性

液性 製造社名 製品名

強アルカリ性

*

サンデンタル ラバラック

D**

太平化学産業 ステリテクト

**

ロート製薬 入れ歯洗浄剤ピカ 赤色包装(pH 11.2以上)***

弱アルカリ性 アース製薬 グラクソスミスクライン 部分入れ歯用ポリデント

小林製薬 小林製薬のパーシャルデント

中性 アース製薬 グラクソスミスクライン 酵素入りポリデント,ホワイトポリデント,ニオイを防ぐポリデント

エムズワン 酵素入り 入れ歯洗浄剤

小林製薬 小林製薬のタフデント,小林製薬のタフデント強力ミント

シオノギ製薬 さわやかコレクト

東伸洋行 洗ってクリア

ニッシン フィジオクリーンキラリ錠剤

ユニバル

V

パワークリーン (pH7.0

7.5) ***

弱酸性 小林製薬 パーシャルデント洗浄フォーム

ロート製薬 入れ歯洗浄剤ピカ 青色包装(pH 5.6

6.1)***

酸性 和田精密歯研 入れ歯爽快

強酸性 ジーシー クィックデンチャークリーナー

**

* ポリエステル系樹脂(エステショット

,エステショット ブライト)での使用は不可

** 歯科医院・技工所専用

*** 製造販売元からの提供情報

8

A non-metal clasp denture connecting a metal rest and buccal-medial/lingual resin clasps with a wrought wire on maxillary left first premolar (Lucitone FRS)

メタルレストとレジンクラスプ 4 ⏌頬舌側近心部を ワイヤーで連結したノンメタルクラスプデンチャー

(ルシトーン FRS

(13)

付与しておく必要がある.メタルレストを併用するこ とで適応症は広がるものの,審美性の求められる前歯 部や小臼歯部を含み,維持部にあまり力のかからない 少数歯欠損症例が適応症となる.

 3)アルティメット

 アルティメットは,ポリアミド系樹脂であるバルプ ラストやルシトーン FRSに近い床用材料である.新 しい材料であり,不明な点も多く,取り扱う技工所も まだ少ない.アルティメットは弾性率の低い柔軟な材 料であるが,耐久性も高いのが特徴である.床を薄く,

軽くできるので,装着感が良好である.設計は,メタ ルレストや金属製の大連結子を用いて剛性を高め,レ ジンクラスプの破損防止および維持力の再調整を目的 にワイヤーを組み込む構造が望ましいと思われる.こ のような設計を行えば剛性が向上し,適応症例が拡大 する.クリアランスが不足して人工歯の保持や強度に 問題がある症例や口腔前庭が浅い症例(10mm 未満)

に適応する場合には注意が必要である.

 ポリアミド系樹脂の一般的な問題点として,経時的 な脱色,変色が挙げられる.個人差や義歯の管理方法 にもよるが,バルプラストやルシトーン FRSに比べ,

アルティメットは,義歯装着後の色調の変化が少ない と思われる.

 アルティメットもポリアミド系樹脂のため,診療室 での常温重合レジンを用いた修理とリラインが困難で ある.ただし,アルティメットを再射出することで,

間接リライン,増歯,レジンクラスプの修理は可能で ある.さらに,ルシトーン FRSを用いたノンメタル クラスプデンチャーに対しても,アルティメットを用 いて修理とリラインが可能である.

2.ポリエステル系(エステショット

,エステショッ ト ブライト

 エステショットは,ポリエチレンテレフタレート 共重合体を主成分とするポリエステル系樹脂であり,

いわゆる PET ボトルの成分として知られる.エステ

a b

c

a b

c d

9

A non-metal clasp denture using EstheShot Bright a. Denture design. Non-metal clasp dentures using EstheShot Bright as well as EstheShot should follow the design principles of conventional RPDs. Resin clasps should be used as retainers only for esthetic requirement, b. Intraoral view with denture, c. Roughened polished surface and fractures were not observed after 6-month use.

エステショット ブライトを用いたノンメタルクラ スプデンチャー

a. 義歯の設計.エステショットと同様に部分床義歯 の設計原則にしたがい,審美要件の必要な支台装置の みをレジンクラスプとする, b.口腔内装着時,c. 研 摩面の荒れや破折等は認めない(装着6ヶ月).

10 A non-metal clasp denture without metal element

used for an immediate denture (Reigning) in a patient with multi-tooth loss

a. Denture on working cast, b. Denture base view immediate after relining using a cold-cured resin, c. The relined resin was detached on connecting regions at a year and 7-month after relining, d.

Fracture of resin clasps after 4-year and 3-month use.多数歯欠損症例に対して,即時義歯としてレイニング 樹脂単体で製作したノンメタルクラスプデンチャー a. 作業模型上の義歯, b. 常温重合レジンによるリラ イン直後, c. レイニング樹脂と常温重合レジンとの 接合部に剥離が認められる(リライン後1年 7 ヶ月),

d. レジンクラスプが破折した(装着 4 年 3 ヶ月).

図 2  A non-metal clasp denture with metal rests メタルレストを併用した金属混在型のノンメタルク ラスプデンチャー
図 4  A non-metal clasp denture using different denture  base resins for retentive elements and a denture  base a
表 3 Elastic modulus of thermoplastic resins used for non-metal clasp dentures 各種ノンメタルクラスプデンチャー用熱可塑性樹脂の曲げ弾性率
表 4 Physical and mechanical properties of thermoplastic resins used for non-metal clasp dentures 各種ノンメタルクラスプデンチャー用熱可塑性樹脂とアクリルレジンの物性と理工学的性質 一般名 アクリルレジン ポリアミド系 ポリエステル系 ポリカーボネート系 アクリル系 製品名 アクロン 12,15,20,21,58,31) バルプラスト12,15,20,21,58,31) ルシトーンFRS17,18,37,39,4
+7

参照

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