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Investment in Italy

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2021

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イタリア投資ガイド

Investment

in Italy

(2)

Investment in Italy 2021

イタリア投資ガイド

はじめに

イタリア投資ガイドは、海外進出を検討されている、ま たは事業展開されている皆さまに有益な情報を提供する ことを目的として

KPMG

が発行している投資ガイドシ リーズの

1

つであり、

KPMG

イタリアが作成したもので ある。

本冊子に記載した情報は

2020

12

月末現在の情報に基づ いており、その正確性については細心の注意を払って確 認している。

本冊子の目的はイタリアにおける投資またはビジネスに ついて一般的なガイドラインを提供することであるが、

読者はその法律の一般的な枠組みおよびその基礎となる 詳細な制度が頻繁に変更される可能性がある点に留意す る必要がある。したがって、具体的な意思決定をする前 には専門家によるさらなるアドバイスを求める必要があ り、また、戦略を決定してからそれを実行するまでに大 きな時間の経過がある場合には、その戦略に基づき提案 するアドバイスをもとに判断する必要があることに留意 されたい。

なお、本冊子は、

KPMG

イタリアが

2021

5

月に発行し た「

Investment in Italy

」を翻訳したものである。翻訳 と英語原文間に齟齬がある場合は、リンク先の英語原文 が優先するものとする。

https://connect.kpmg.it/investment-in-italy-2020

KPMG

イタリア グローバルジャパニーズプラクティス

2021

10

COVID-19

シナリオ

現在の世界経済シナリオおける唯一の確実性は、それが 完全に予見可能ではないことである。パンデミックがい つ終わるのか、健康危機とその後の経済的混乱の影響が どうなるのかはまだ分からない。

不確実性は麻痺を意味する必要はなく、機会と捉えるこ ともできる。経済回復時期と道筋を予想するることは、

将来の意思決定を下す上で不可欠である。

IMF

によると、

2020

年に世界

GDP

-3.3

%縮小する一方 うで、

2021

年は

6

%成長をすると予測されている。世界 銀行は

2020

年に世界

GDP

4.3

%縮小する一方で、

2021

年には

4%

のリバウンドがあることを予測している。

イタリアはパンデミックの初期段階において中心にいた 国であり、強い経済的影響を受けたことから、ヨーロッ パの政治家は「

NextGenerationEU

」リソースのほぼ

30

%を我が国に捧げた。

COVID-19

後の経済成長を再構築するために、

EU

は回復

計画に合意し、全体

7,500

億ユーロのうち約

2,220

億ユー ロが我が国に割り当てられた。これらの目的は、

COVID-

19

による経済的および社会的影響を緩和し、ヨーロッパ の経済と社会をより持続可能で、回復力があり、将来へ 備えることができるように整えることである。

(3)

イタリア経済における 外国投資誘致の重要性

COVID-19

による経済への大きな影響にもかかわらず、

世界で

8

番目に大きな経済大国であり、ユーロ圏ではイ タリアはドイツとフランス に次ぐ

3

番目である1。人口は 約

6000

万人2

GDP

16,000

億ドル強である。

国の主要な資源の

1

つは家計貯蓄である。パンデミック による不確実性のため、家計貯蓄はさらに上昇し、家計 貯蓄率は約

15

%とヨーロッパで最も高い国の

1

つである3。 もともと低い水準にある家計債務は今年も低水準なレベ ルである(イタリアはヨーロッパの中で家計債務率が最 も低い国の

1

つである、ヨーロッパの平均

97

パーセント4 に比して、イタリアは

64

パーセントである)。

2020

年 の

ABI

(イタリア銀行協会)によると、イタリア人の口

座残高は

1

6,800

億ユーロ以上であり、リスクに対する

認識から支出の停滞があるものの、

GDP

とほぼ同等のこ の莫大な金額は潜在的に多額の支出と投資につながる ものである。

地理的には、イタリアは国際貿易をする上で重要な位 置にあり、ヨーロッパ市場の交差点であり、北ヨーロッ パと南ヨーロッパの間の架け橋であるだけでなく、北ア フリカと中東への玄関口でもある。イタリアには非常に 密集した輸送ネットワークがあり、約

180,000 km

に広が り、

7,000km

の高速道路と約

1,500km

の高速鉄道トラッ

5

7,000km

以上の地中海貿易のために戦略的に分散

された

300

以上の港および

130

の空港がある。

イタリアはヨーロッパではドイツに次ぐ第

2

位、世界で は第

5

位の製造大国である。イタリアの経済を牽引して いるのは中小企業であり、約

85

%が家族経営となってい る。これらの中小企業は、グローバルバリューチェーン のリーダーであり、高品質な半製品のサプライヤーであ る。

研究と革新は産業化プロセスに反映されており、イタリ アは工業意匠の国際登録の申請数が最も多い国の

1

つで

1

https://datacatalog.worldbank.org/dataset/gdp-ranking 2www.istat.it

3www.istat.it 4www.bancaditalia.it

5http://www.rfi.it/rfi/LINEE-STAZIONI-TERRITORIO/Istantanea-sulla-rete/La-rete- oggi

あり、農業および食品業界における商標出願の数は世界

3

番目となっている。

アイデアと革新は、特に現在のような重要な段階におい て国の復活と成長を支えるものである。

2020

年にイタリアから欧州特許庁(

EPO

)に送信された 特許出願の数は

3

%増加し(特に医療技術セクターで)、

前年の約

2

倍になった。イタリアの企業と発明家はこれ までに登録された中で最も多い数となる

4,600

件の特許

EPO

に出願した。

Global Innovation Index 2020

では、

イタリアの経済と企業が

28

6にランクインし、

2019

年 より

2

ランクアップしている。

文化は国の

DNA

の一部であり、経済の中核的な資産で ある。

イタリアの都市の芸術的遺産は比類のないものである。

最も多くの世界遺産を有し、パンデミックの前は世界で

5

番目に人気のある観光大国であった7。仮に

COVID-19

がないとした場合、

ISTAT

によると、

2020

年には約

8100

万人の観光客がイタリアを訪れていたと推定されている8。 高等教育も高水準である。

80

ヵ国で

1,000

の大学をラン ク付けしている

QS Worid University

9によると、イタリ アの

10

の大学が世界のトップ

400

にリストされている。

イタリアに投資することは、機械、自動化、ファッショ ンとデザイン、食品とワインの業界だけでなく、エネル ギー、流通、電気通信、輸送の各セクターにおけるノウ ハウとスキルを利用できることを意味する。外国からの 投資は、中小企業のイノベーションや国際市場での競争 力を維持するために必要となる資本を提供してもらえる ため、イタリアの成長にとって常に重要である。このよ うな複雑な時代において、外国投資を誘致することはイ タリアへの投資を刺激する絶好の機会であり、イタリア 政府の戦略的優先事項の

1

つとなっている。この計画で は、イタリアが次世代

EU

ファンドを通して、達成しよう

6https://www.globalinnovationindex.org/

7ENIT

8https://www.infodata.ilsole24ore.com/2020/06/10/turismo-2/

9 https://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university- rankings/2021

(4)

とする目的、改革、投資の概要を示し、外国人投資家に とって好ましい環境を作り上げる。

KPMG

のイタリア投 資ガイドは、一般的な経済の概要、利用可能なインセン ティブ、特別取引の法的枠組み、基本的な会計と税法を に関する情報を提供し、イタリアへの投資に役立つ情報 となることを目的としている。

イタリアはヨーロッパではドイツに次ぐ第

2

位、世界で は第

5

位の製造大国である。イタリアの経済を牽引して いるのは中小企業であり、約

85

%が家族経営となってい る。これらの中小企業は、グローバルバリューチェーン のリーダーであり、高品質な半製品のサプライヤーであ る。

研究と革新は産業化プロセスに反映されており、イタリ アは工業意匠の国際登録の申請数が最も多い国の

1

つで あり、農業および食品業界における商標出願の数は世界

3

番目となっている。

アイデアと革新は、特に現在のような重要な段階におい て国の復活と成長を支えるものである。

2020

年にイタリアから欧州特許庁(

EPO

)に送信された 特許出願の数は

3

%増加し(特に医療技術セクターで)、

前年の約

2

倍になった。イタリアの企業と発明家はこれ までに登録された中で最も多い数となる

4,600

件の特許

EPO

に出願した。

Global Innovation Index 2020

では、

イタリアの経済と企業が

28

位 にランクインし、

2019

年 より

2

ランクアップしている。

文化は国の

DNA

の一部であり、経済の中核的な資産で ある。

イタリアの都市の芸術的遺産は比類のないものである。

最も多くの世界遺産を有し、パンデミックの前は世界で

5

番目に人気のある観光大国であった。仮に

COVID-19

が ないとした場合、

ISTAT

によると、

2020

年には約

8100

万 人の観光客がイタリアを訪れていたと推定されている。 高等教育も高水準である。

80

か国で

1,000

の大学をラン ク付けしている

QS Worid University

によると、イタリ アの

10

の大学が世界のトップ

400

にリストされている。

イタリアに投資することは、機械、自動化、ファッショ ンとデザイン、食品とワインの業界だけでなく、エネル ギー、流通、電気通信、輸送の各セクターにおけるノウ ハウとスキルを利用できることを意味する。外国からの 投資は、中小企業のイノベーションや国際市場での競争 力を維持するために必要となる資本を提供してもらえる ため、イタリアの成長にとって常に重要である。このよ うな複雑な時代において、外国投資を誘致することはイ タリアへの投資を刺激する絶好の機会であり、イタリア 政府の戦略的優先事項の

1

つとなっている。この計画で は、イタリアが次世代

EU

ファンドを通して、達成しよう とする目的、改革、投資の概要を示し、外国人投資家に とって好ましい環境を作り上げる。

KPMG

のイタリア投 資ガイドは、一般的な経済の概要、利用可能なインセン ティブ、特別取引の法的枠組み、基本的な会計と税法を に関する情報を提供し、イタリアへの投資に役立つ情報 となることを目的としている。

Eugenio Graziani

International Tax Partner

KPMG

イタリア

Tax & Legal

(5)

目次

1. イタリアの概要 7

1.1

交通網

8

1.2

イタリア経済の概要

10

1.3

イタリア企業の民間投資

13

2. 投資家に対するインセンティブ 15

2.1

ヨーロッパが提供する主な資金および融資

15 2.2

イタリア政府から提供される主なインセンティブ

17

2.3

地域投資

19

3. 会社設立または企業買収:法律的側面 21

3.1

外国人投資家

21

3.2

会社法

21

3.3 M&A

取引

24

3.4

企業刑事責任(法令

231/2001

号)

25

4. 会計および報告 27

4.1

法的枠組みおよび規制

27

4.2

要件

27

4.3

必須となる帳簿

27

4.4

会計記録の言語

27

4.5

会計記録の海外での保管

28

4.6

財務諸表

28

4.7 IFRS

®基準

28

4.8

法廷監査要件

33

4.9

年度末財務報告および税務申告書の提出ならびに納税の期限

33

4.10

会計帳簿および記録の適切な作成を怠った場合

35

4.11

電子インボイス

35

5. 法人所得税制 36

5.1

国内税務

36

5.2

国際税務

45

5.3

租税回避防止策

51

6. 移転価格 55

6.1

一般原則

55

6.2

文書化の問題

55

6.3

罰則

56

6.4

国際的に事業を展開している企業に対する事前の税務合意

56

7. 個人所得税制 58

7.1

総則

58

7.2

課税所得

58

7.3

非課税項目および人的控除

60

7.4

税率

61

(6)

7.5

管理および申告要件

63

7.6

その他の税金

64

7.7

国際税務

64

8. 雇用法および入国管理 67

8.1

雇用法

67

8.2

入国管理

70

9. 付加価値税( VAT72

9.1

課税対象

72

9.2

税率

72

9.3

登録

73

9.4 VAT

グループ

73

9.5

申告書

75

9.6 VAT

の回収(還付/相殺控除)

76

9.7

商品およびサービスの国際取引

78

9.8

インボイス

78

9.9

小売業者による毎日の領収書の電子報告

81

9.10

事業譲渡

81

9.11 VAT

の選択

81

9.12

本支店間取引

81

9.13

不良債権

81

9.14

租税回避防止

82

9.15

罰則

82

10. 関税・間接税、輸入 VAT 84

10.1

欧州共同体法および関税制度

84

10.2

通関手続き

84

10.3

経済的影響を伴う停止措置および通関手続き(

UCC

に基づく特別な手続)

85

10.4

認定事業者(

AEO

85

10.5

拘束的関税分類情報(

BTI

)および拘束的原産地情報(

BOI

86

10.6

関税決定システム

86

10.7

輸出者登録システム(

REX

システム)

86

10.8

輸出管理と制裁

87

10.9

物品税

87

10.10

輸入

VAT 87

10.11

イタリアの税関当局との関係

88

10.12 EU-UK

貿易協力協定

88

10.13 EU

紛争鉱物規制

88

10.14

プラスチック税

88

10.15

砂糖税

89

11. 税務紛争の解決 90

11.1

税務当局との協議を可能にする公式手順

90

11.2

税務調査

92

12. イタリアへの投資方法 95

12.1

取引形態

95

12.2

イタリアでの上場

概要

98

用語解説 101

(7)

1. イタリアの概要

イタリアの人口はおよそ

5,960

万人で、

20

の州に分かれている。これらの州のう ち

5

つの州(ヴァッレ・ダオスタ州、トレンティーノ・ アルト・アディジェ州、フリ ウリ・ベネツィア・ジューリア州、シチリア州、サルデーニャ州)には特別自治権が あり、その地域独自の法律を自ら施行することが認められている。

イタリアはさらに

107

の県、

14

の大都市、およそ

8,000

の地方自治体に分かれている。

2020

年には、合併を通じて新たに

6

の地方自治体が誕生し、

14

の地方自治体が消滅し た。

ラツィオ州に位置するローマはイタリア最大の都市である(人口およそ

280

万人)。

ロンバルディア州のミラノ(

140

万人)、カンパニア州のナポリ(

100

万人)、ピ エモンテ州のトリノ(

90

万人)、シチリア州のパレルモ(

60

万人)もイタリアの大都 市である。

主な商業地域はイタリア北部に所在している(ロンバルディア州、ピエモンテ州、エ ミリア・ロマーニャ州、ヴェネト州)。イタリアの人口の大半(

64

%)は

15

歳から

64

歳の年齢層に属している。

65

歳以上の人口の割合は上昇しており、現在

23

%、残りの

13

%は

0

歳から

14

歳の年齢層である。

(8)

1.1 交通網

空港

イタリアにはおよそ

130

の空港があり、年間で

5,290

万人 の乗客と

80

万トンの貨物を取り扱っている。

旅行制限が大きく影響し、

2019

年の

1

9300

万人と比べ、

70%

以上減少した。

ローマ近郊にあるレオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港

(フィウミチーノ空港)はイタリア最大の国際空港の

1

つ であり、年間

4,400

万人の乗客に対応している(

COVID- 19

前)。

鉄道

年間

8

億人以上の乗客と

9,000

万トンを超える貨物輸送を 鉄道で取り扱っている。

イタリアはヨーロッパで最も安全とされる鉄道網のうち の

1

つを有し、総延長距離

16,779km

を誇る。ドイツ、フ ランス、ウクライナに次いでヨーロッパで

4

番目に大き な規模のネットワークを有している。

高速鉄道サービスが既にイタリアの主要都市を繋いでお り、さらに拡大を続けている。

(9)

港湾

イタリアにはおよそ

40

の主要な港があり、年間

5,300

万 人の乗客と

4

9,100

万トンの貨物を取り扱っている

COVID-19

前)。

その他に

309

の港がおよそ

7,400km

の海岸線に分散して いる。

道路

イタリアには国道道路網がおよそ

250,000km

にわたって 張り巡らされている。

高速道路網はおよそ

7,000km

以上におよび、ヨーロッパ の高速道路網のおよそ

10

%を占めている。

(10)

1.2 イタリア経済の概要

1.2.1 イタリアの主なマクロ経済指標: 2014 年から 2020

2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

実質GDP(10億ユーロ)

1,643 1,654 1,695 1,736 1,771 1,790 1,651

GDP (対前年比増減率) 0.2% 0.7% 2.4% 2.4% 2.0% 1.61% 0.8%

失業率(労働人口に占める割合)

12.6% 11.9% 11.7% 11.3% 10.6% 10.0% 9.3%

平均名目賃金上昇率

2.5% 2.5% 0.4% 0.6% 0.8% 0.8% 0.6%

消費者物価指数

0.2% 0.1% 0.0% 1.3% 1.2% 0.6% -0.2%

財とサービスの輸出(増減率)

2.4% 4.2% 2.3% 6.3% 1.0% 2.3% -9.7%

財とサービスの輸入(増減率)

3.1% 6.6% 3.9% 5.6% 2.0% 1.3% -12.8%

出典:

ISTAT

1.2.2 基幹産業の概要

イタリア経済は、

440

万の非常にダイナミックな企業が 数多くのさまざまな業界で事業を展開していることが特 徴である。その圧倒的多数が中小企業で、そのうち従業 員数が

10

名を超える企業はわずか

223,000

社であり、

250

名以上の従業員を雇用している大企業は

4,000

社のみで ある。ヨーロッパ諸国の多くは中小企業が圧倒的多数を 占めることが一般的であるが、イタリア産業の決定的な 特徴は小規模企業の数が多いことである。およそ

95

%が 従業員数

9

名以下の企業であり、

4

%は

10

名から

49

名、お よそ

0.6

%が

50

名以上の企業である(出典:

ISTAT, 2018

年)。イタリアは地理的に、民間企業に支配された産業 的に発展している北部地域と、開発途上であり失業率も 高い南部地域に分かれている。

サービス産業はイタリア経済に大きく貢献しており、

GDP

のおよそ

74

%を占める最も成長しているセクターで ある。観光業、小売業、金融サービス業がサービス産業 の大部分を占めている。

工業は

GDP

19.4

%を占めており、自動車、ファッショ ン・高級消費財、ライフサイエンス、航空宇宙、化学、

情報通信技術、物流、再生可能エネルギー、精密機械は イタリアの重要な製造業セクターである。

残りは農業である(出典

: ISTAT, 2019

年)。

イタリアの主要セクターの一部を以下に記載する。

観光

2019

年における観光業の

GDP

に占める割合は

13%

である。

2018

年の宿泊施設数は

EU

全体の

30%

を占め、外国人観

光客の割合は第

2

位である。イタリア全土には

32,000

軒 以上のホテルがある。

最新のデータに基づくと、観光業はイタリア経済の原動 力の

1

つとなっている。

2019

年の外国人旅行客の消費額 はおよそ

440

億ユーロであった(前年比

6.2

%増)。芸術 的、歴史的、文化的に有名な遺産や国際的に高く評価さ れているワイン、食品、自然風景も加わり、イタリアが 成長と特別な投資機会を得る可能性は大きいと言える。

宿泊施設、インフラストラクチャー、輸送・受入施設

(レストラン、ショップ、レジャー施設)などのサービ スには優れた投資機会があると考えられる。

自動車

2020

年は

COVID-19

の影響を大きく受けた。

2020

年の乗 用車の販売登録台数は

130

万台以上で、国内市場は前年 に比して

27.9

%減少した。乗用車の売上のおよそ

39

%が ステランティスグループ(

FCA

PSG

グループの合併に より)製で、最もよく売れた高級ブランドはアウディ

(フォルクスワーゲングループ)であり、

2019

年にイタ リアで最も売れたモデルはパンダ(フィアット)、イプ シロン(ランチア)、フィアットト

500

(フィアット)

3

車種であった。

依然としてガソリン燃料の需要が最も高く、

2020

年に登 録された車両の

37.8

%がディーゼル車であった(

2019

年 は

44.5

%)。一方で、代替燃料が増加しており、

2020

年 の販売台数は、ハイブリッド車が

221,929

台(販売台数 の

16.1

%、

2019

年の

5.7

%から増加)、電気自動車

(

プラ グインハイブリット含む

)

59,898

台(

2019

年の

17,153

台 か ら 増 加 ) で あ っ た 。 さ ら に 、 圧 縮 天 然 ガ ス

(11)

LPG/CNG

) 自 動 車 の 登 録 は 減 少 し た (

2019

年 の

174,117

台に対して

125,085

台)。

ファッション・高級消費財

2019

年の収益がおよそ

900

億ユーロと

2016

年に比して

2.8

%増加、イタリアではファッション・高級消費財業界 の活動が世界で最も盛んであり、この業界がイタリア経 済に大きな影響を与えているセクターのうちの

1

つであ ることに間違いはない。

2020

年は

COVID-19

の影響を大きく受け、

29.7%

の減少 が想定される。

市場を独占している一流ブランド(例えば、高級ファッ ションのアルマーニ、グッチ、プラダ、ドルチェ

&

ガッ バーナ、カヴァリ、フェラガモ、エルメネジルドゼニア、

ボッテガ・ヴェネタ、時計と宝石のブルガリ、眼鏡のル クソティカ、サフィロ、ヨット事業を展開しているペ リーニ、アジムット、フェレッティなど)の他に、多く の中小企業(高級ファッションのキートン、カナーリ、

コルネリアーニ、ブリオーニ、高級家具のミノッティ、

B&B

など)が存在することがこの市場の特徴である。こ

れ ら の 企 業 に は 創 造 力 に 加 え て 製 造 技 能 が あ り 、

Made In Italy

(イタリア製)」という商標の世界的な イメージに貢献している。

薬品

COVID-19

の厳しい環境下において、

2019

年と比較し、

6%

の成長となった。イタリアの製薬業界には

340

億ユー ロ以上の価値があり、イタリアは

EU

最大の製薬業者であ ると言える。生産された医薬品の

80

%は輸出されている

260

億ユーロ)。イタリアの薬品会社の

60

%は外資系企 業(例えば、グラクソ・スミスクライン、ノバルティス、

バクスター)、残りの

40

%はイタリア企業(例えば、レ コルダッチ、ザンボン、アンジェリーニ、ブラッコ、シ グマ・タウ)である。

2019

年のこのセクターへの試験研 究投資総額は

16

億ユーロ、労働人口は

66,500

人(

90

%は 大卒)であった。

このセクターにおける輸出の好調な業績は、世界中に輸 出されている医薬品およびワクチンの質が向上したこと に因るものであり、

2009

年から

2019

年の間に平均輸出 額は

168

%(

EU

全体では

86

%)増加した。

情報通信技術(

ICT

経済が低迷している中で、

ICT

分野へ影響は限定的であ り、

2021

年には回復する見込みである。イタリアの

ICT

10 Information based on the latest available data

市場は

2019

年に

2.1

%成長して

720

億ユーロとなり、前年 の

2.5

%を下回る結果となった。

2019

年の市場はクラウ ド(

21.5

%増)、

IoT

18.3

%増)、携帯電話サービス

7.5

%増)に牽引され、通信事業サービスは全体では

2018

年に

2.1

%減少した。プラス成長であったその他の セクターには、デジタルコンテンツおよび広告(

8.4

% 増)、ソフトウェアおよび

ICT

ソリューション(

7.8

%増)

が含まれる。

化学品

イタリアの化学品業界はおよそ

550

億ユーロであり、

ヨーロッパの市場シェアの

10

%以上を占める第

3

位の化 学品製造国となっている。多くの大手外資系企業が安定 して存在していることがこの業界の特徴であり、イタリ アの調査の質および広く認められている科学的専門知識 は、特にファインケミストリーおよび特殊化学の分野に おいて重要な魅力である。メーカーはさまざまな規模の 企業がうまく組み合わせており、中規模および大規模の イタリア企業(ベルサリス、マペイグループ、ラディチ グループ、ブラッコグループなど)が化学品製造全体の

27

%、多国籍企業(例えば、

BASF

、バイエル、エア・

リキード、リンデ)が

24

%、中小企業が

38

%を占めてい る。

航空宇宙および防衛

従業員を

5

万人(製造チェーン全体の推定従業員数は

20

万人)以上抱えている航空宇宙企業は、

2017

年に総額

155

億ユーロの収益を生み出した(輸出額は

80

億ユーロ)

10 10。高い労働力の生産性、高い資本集約度、長い投資

サイクル、高水準の研究開発費支出がこのセクターの特 徴である。イタリアの研究開発費総額の

21.9

%を占める 航空宇宙および防衛分野における研究開発費は、

OECD

平均の

18.2

%を上回っている。イタリアは、生産では世 界の上位

10

位以内、

2007

年から

2016

年の防衛輸出額で は米国、英国、ロシア、フランスに次いで世界で第

5

位 と、この分野をリードしている。

イタリアにはレオナルド、フィンカンティエリ、

GE

ア ヴィオ、イヴェコ、ピアジオ・エアロスペースなどさま ざまな多国籍企業の本社がある。国内の製造チェーンの

80

%が中小企業によって形成されており、それらは主に ピエモンテ州、ロンバルディア州、ラツィオ州、カンパ ニア州、プーリア州に所在している。

(12)

再生可能エネルギー

イタリアは、

EU

加盟国の中でも再生可能エネルギーに関 する政策や法令について非常に道義的な国の

1

つであり、

2013

年までに

2020

年の省エネ目標である

1

5,800

万ト ンを既に達成し、

2019

年には国内最終エネルギー消費量 の

20%

を以上が再生可能資源からなるエネルギーとなっ ている。さらに、イタリアの風力発電の総設備容量は ヨーロッパで

5

番目に大きい(およそ

10.5

ギガワット、

ヨーロッパの容量のおよそ

5.5

%)。設備容量が

54.3

ギガ ワットに及ぶ

835,000

の設備が稼働することで、

2018

年 の再生可能エネルギーの国内生産量は

114

テラワット時

39.5

%)にのぼった。水力発電は依然として最も広く 利用されている再生可能資源であり、再生可能エネル ギーによる発電は

43

%を占めている。

EU

2020

年以降にエネルギー需要を満たす上で、再生 可能エネルギーは今後も中心的な役割を果たすことにな るため、これらの数字は重要な意味を持つと言える。

EU

加盟国は既に、

2030

年に向けた

EU

のエネルギーおよび 気候に関する目標の一環として、

EU

全体の最終エネル ギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を

2030

年 までに少なくとも

27

%にするという新たな目標に合意し ている。

1.2.3 産業クラスターの役割

イタリアには

158

の産業クラスターがあり、イタリアの 産業システムの戦略的機能の

1

つで、一部の産業におけ る「

Made in Italy

(イタリア製)」の要、かつ製造セク ターの本質である。国や州の制度やイタリア企業が平均 的に小さな規模であることに恵まれ、ここ

15

年間で産業 クラスターの数は漸進的かつ著しく増加し、それがイタ リア企業にとって同じサプライチェーン/産業の中に有 機的かつ地理的に近い複合企業を創出する追い風となっ ている。

イタリアの産業クラスターのネットワークは、特定の地 域に所在している中小企業の相互依存や協力に基づいて おり、歴史的にイタリア経済の強みの

1

つとなっている。

また、そのネットワークは所得の増加および雇用の拡大 に大きく貢献し、最高品質で独創性の高い製品を保証し ている。

出典:

ISTAT, Distretti Industriali Italiani, Osservatorio Nazionale Distretti Italiani

1.2.4 イタリアの中規模企業

企業のさまざまな法的形態

イタリアの法律ではさまざまな法的形態(例えば、会社、

パートナーシップ)が定められており、それらは特定の 税制および会社法の対象となっている。パートナーシッ プは通常、零細または家族経営の事業に対して用いられ、

それらの事業が拡大したり新たな株主が現れたりした場 合に会社に変更されることから、中規模企業の法的形態 は事業の発展度合を反映していると言える。また、イタ リアの税制の変更および株主/所有者が想定する個人的 リスクの度合いも法的形態の選択に影響する。

事業会社と持株会社の分離

イタリアの中規模事業では、企業家は自己の事業資産を 別の事業体や持株会社を利用して、金融投資または不動 産などのその他の資産と分けて保有する傾向がある。こ うしたストラクチャーは、リスク管理の役割を果たすも のの、大抵は税制に左右される場合が多い。潜在投資家 は、買収のターゲットに、例えば不動産または会社が含 まれているかどうか、それによって資本要件が大きく異 なる可能性があるということを慎重に検討すべきである。

(13)

事業に関与している主な株主/所有者

イタリアの中規模企業は同族企業であることが多く、株 主/所有者の関与に大きく依存していることが多い。

財務諸表の監査要件

監査要件は会社の規模による(資本、資産、売上、従業 員数によって判断される)。したがって、多くのイタリ アの中規模企業は財務諸表監査を受けていない。また、

中規模企業の会計処理は、頻繁に改正される税制のもと、

その制度に左右されることが多い。

潜在投資家は、財務、税務、法務に関する徹底した デューデリジェンス調査書を必ず入手し、偶発債務を特 定するためにタックス・ストラクチャリングのサポート を利用すべきである。

言語

財務、法務、税務に関する情報は、通常イタリア語で作 成され、イタリア

GAAP

に基づいている。潜在投資家は、

レポーティングが他の管轄区域の

GAAP

に基づいて行わ れた場合には、財務情報が変わる可能性があることを考 慮すべきである。

従業員に関わる問題

イタリアには社内に見習い制度や職業訓練などのシステ ムがあることから、従業員は通常見識が高く、経験が豊 富で技能が高い。従業員の報酬は一般に強力な労働組合 によって執行される団体交渉協約の対象となっている。

潜在投資家は、特定の企業またはグループ再編が、関連 する労働組合との協約の対象であることを十分認識して おくべきである。

1.3 イタリア企業の民間投資

2011 年から 2020 年までにおけるイタリアの M&A :取引額および件数

出典:

KPMG Corporate Finance

COVID-19

の影響により、

M&A

市場は取引件数が劇的に 減少した。

COVID-19

の影響により、特にクロスボーダー取引に大

きな遅れが生じた。

2020

年は

取引件数(

882

件)に減少し、取引額(

440

億ユー ロ)も減少した。

イタリアから国外へのアウトバウンド

M&A

取引は

193

件に増加し、取引額は

230

億ユーロであった

2019

年の取引額は

210

億ユーロであった)。

イタリアへの外国企業によるインバウンド

M&A

の取 引額は

54

億ユーロと大幅に減少した。(

2018

年のイ タリアへの外国企業によるインバウンド

M&A

取引額 は

180

億ユーロであった。

28 26 31 50 56 58

46

94

52 44

329 340 381

543 583

829 817

991 1.085

880

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

N. of deals

€ bn

€ bn Nr. of deals

(14)

2020

年業界別

M&A

取引額(対象会社)

総取引額

:440

億ユーロ

2020

年業界別

M&A

取引件数(対象会社)

総取引件数

: 880

出典:KPMG Corporate Finance

(15)

2. 投資家に対するインセンティブ

2.1 ヨーロッパが提供する主な資金 および融資

2.1.1. ユンケル・プランから回復プランへ

当初の欧州投資計画(「ユンケル・プラン」11としても 知られる)では、

3

年間(

2015

年から

2018

年)にわたっ て官民投資に

3,150

億ユーロ以上の投資を促進すること を目標としていた。ユンケル・プランの目標は以下の

3

つからなる。

投資の促進

競争力の強化

• EU

における長期的経済成長の支援

当初の欧州投資計画は以下を視野に入れ、

3

つの部分で 構成されていた。

戦略的投資を目的とした欧州基金の設立(

EFSI

実体経済への投資支援

投資環境の改善

いわゆる「

EFSI 2.0

」は、基金の期間を延ばし、その投 資目標を引き上げるものである。

2020

7

月、

EU

首脳は、

2021

年から

2027

年分として

1

8,240

億ユーロの総予算に合意した。このパッケージで

は多年度財政枠組み(

MFF

)と次世代

EU

NGEU

)と呼 ばれる特別な回復基金を組み合わせることで、

EU

COVID-19

パンデミック後の対応を支援し、グリーンお

よびデジタル移行への投資をサポートする。

2.1.2. 次世代 EUNGEU

NGEU

は、

COVID-19

によって引き起こされた差し迫っ

た経済的および社会的被害を支援するための

7500

億ユー ロの一時的な回復手段である。

COVID-19

後のヨーロッ パは、より環境に優しく、よりデジタルで、より回復力 があり、現在および今後の課題により対応できるように なる。

新たな長期予算は、予期しないニーズに対応する能力を 保証するための柔軟性のあるメカニズムを強化すること である。これは、今日だけでなく、将来の不確実性を見 据えた予算である。

長期

EU

予算は、

2020

12

17

日に合意に至った。

11 この欧州委員会による投資計画は、2014年11月に欧州委員会委員長のジャン=ク ロード・ユンケルによって公表されたものである。

合意の主な内容は以下の通りである。

予算の

50

%以上が以下の近代化の支援となる。

研究と革新を支援する

公正な気候とデジタル移行を促進する

新しい健康プログラム(

EU4Health

)の準備

気候変動との戦い

生物多様性とジェンダー平等を保護する

共通農業政策を推進する

NGEU

はさまざまなに構成されている。

回復と回復力のファシリティ:

EU

諸国が実施する改 革と投資を支援するために利用可能な

6,725

億ユーロ の融資と助成金

結 束 と ヨ ー ロ ッ パ の 領 土 の 回 復 支 援 (

REACT- EU

):グリーン、デジタルかつ経済回復に貢献する ための

475

億ユーロ

その他

2.1.3. 多年度財政枠組み( MFF

2021

年から

2027

年の

MFF

は、

1

740

億ユーロの長期

EU

予算となり、これには欧州開発基金が組み込まれている。

新しい

MFF

には、以下の主な支出が含まれる。

単一市場、イノベーション、デジタル:

1,328

億ユー ロ

結束力、回復力、価値:

3,778

億ユーロ

天然資源と環境:

3,564

億ユーロ

移民と国境管理:

227

億ユーロ

セキュリティと防衛:

132

億ユーロ

近隣と世界:

984

億ユーロ

ヨーロッパ行政:

731

億ユーロ

2.1.4. 欧州戦略投

EFSI

は追加の民間投資を呼び込むために公的資金を用い ており、その公的資金によって欧州投資銀行(

EIB

)お よび欧州投資基金(

EIF

)からの融資に対する信用が供 与されている。本基金は

EIB

がその口座の管理を行うも のとして設立された。

EFSI

は、インフラ、エネルギー、研究・イノベーション、

ブロードバンド、教育など幅広いセクターへの投資に取

(16)

り組んでおり、中小企業の支援も行っている(そのほと んどが

EIF

を通じた支援である)。

EFSI 2.0

の規則12は、

EFSI

の期間を

2018

年半ばから

2020

年末まで延長し、以下のとおり拡大するものである。

投資目標を

3,150

億ユーロから少なくとも

5,000

億 ユーロまで拡大(基金全体で

15

倍の乗数効果を実現 することで総額

5,000

億ユーロの投資を生み出すこと が期待されている)

• EU

予算からの保証を

260

億ユーロまで拡大(内

160

億ユーロは

2018

年半ばまでの保証要求に対して利用 可能)

• EIB

からの資金拠出を

75

億ユーロまで拡大(以前の

50

億ユーロから)

EFSI 2.0

規則に含まれる

EFSI

の改善事項は以下のとおり である。

透明性の向上:新しい

EFSI

の下で、投資委員会は委員会 による決定をオンラインで公表し、なぜ

EU

予算の保証か ら支援を受けるプロジェクトとして選択するのかについ て説明する。指標のスコアボードは、各

EFSI

プロジェク トの署名後に公開される。新しい規則はまた、プロジェ クトが

EFSI

支援の対象となる理由、いわゆる「追加性」

についてより詳細な定義を示す。

持続可能なプロジェクトが大半を占める:

EFSI

のイン フラストラクチャーおよびイノベーションプロジェクト の少なくとも

40

%が、パリ協定に沿った気候変動対策へ の貢献を目指す。

EFSI 2.0

はまた、持続可能な農業、林 業、漁業および水産養殖ならびにその他のバイオ経済の 分野といった新たな分野を明確にターゲットとする。

小規模プロジェクトへの重点的な取組み:小規模企業を サポートする

EFSI

の成功例に鑑みれば、拡大された

EFSI

による中小企業に対する保証の割合は

26

%から

40

%に増 加することが見込まれる。新しい

EFSI

はまた、投資家を 引き付けるために、各国のプロモーション銀行がテーマ 別または地域別にいくつかの小規模プロジェクトをまと めるための投資プラットフォームを構築することを支援 するよう

EIB

グループに呼び掛けている。

地方レベルでのより技術的な支援:欧州委員会と

EIB

が 共同で管理する欧州投資アドバイザリーハブは、プロ ジェクトを開始するための技術サポートを必要とする企 業にとって有用なリソースを提供している。

EFSI 2.0

で は、ハブの作業は現場でよりカスタマイズされた支援を

122017年12月、欧州議会と加盟国がEFSI 2.0の規則に同意し、2017年12月30日に法

律化されている。

提供し、各国のプロモーション銀行と緊密に協力して作 業することによって強化される。

2.1.5 実体経済への投資支援

実体経済への投資ファイナンスを支援するために、欧州 投資プロジェクトポータルと欧州投資アドバイザリーハ ブが構築された。

ハブは技術支援とサポートを提供しており、

EIB

の既存 の技術支援プログラムを一つに取りまとめ、これらが対 応していない事例に対して追加のアドバイザリーサービ スを提供している。

プロジェクトポータルは、潜在投資家に対して各プロ ジェクトおよび投資機会に関する情報を提供している。

2.1.6. 投資環境の改善

ビジネス環境を改善するとともに、特に中小企業に対し て、資金調達を容易にすることによって投資を促進する ことが目的である。

全体的な目標は、投資の障壁をなくし、

EU

の規則をさら に簡潔で優れた予測可能なものにすることであり、特に、

投資が数年または数十年に及ぶインフラ事業が対象となる。

ユンケル・プランは、

EU

の資金調達条件を改善するため、

金融市場の断片化を減らして事業・投資プロジェクトへ の資本供給を拡大させる資本市場同盟(

Capital Markets Union

13)の構築を構想している。

2.1.7. イタリアが利用した EU からの資金調達

の事例および実績

EFSI

は、最初の

2

年半のうちに

28

の加盟国において

3,712

億ユーロの新規投資を導き、現在は

2020

年までに

5,000

億ユーロの資金を調達することを目指している。およそ

1,125,000

社の中小企業および中規模企業が恩恵を受け、

資金調達が改善されることが見込まれている。

2020

12

月までのイタリアにおけるユンケル・プ ランの実績

EFSI

によるイタリアへの総融資額は

119

億ユーロで、今 後

702

億ユーロまでの追加投資を受けることになっている。

インフラおよびイノベーションプロジェクト

• EFSI

から支援を受けて、

EIB

から融資を受けた

96

の 承認済プロジェクト

総融資額およそ

79

億ユーロ

総額

332

億ユーロの投資を予定

13欧州委員会がヨーロッパの資本を動員する方法として構想している連合

(17)

中小企業

• EFSI

から支援を受けて、

EIF

から融資を受けた仲介 銀行または仲介ファンドとの

96

の承認済契約

総融資額

35

億ユーロ

資金調達手段の改善によって恩典を受けると見込ま

れる

300,435

社の中小企業および中規模企業とおよ

370

億ユーロの投資を予定

EFSI

がイタリアで支援しているプロジェクトの例

ASA Livorno

• EFSI

が支援している融資額:

0.3

億ユーロ

投資予定総額:

1

1,500

万ユーロ

EIB

は、

1

1,500

万ユーロの投資プロジェクトのうち、

3,000

万ユーロを

Azienda Servizi AmbientaliSpA

に提供 している。このプロジェクトは、

2018

年から

2022

年に かけて、イタリアのリボルノ、ピサ、シエナ(トスカー ナ州)の上下水道インフラへの投資である。これにより、

総人口約

37

万人の

32

の自治体に利益がもたらされ、既存 の水生産、移送、配水システム、および廃水収集と処理 作業が最適化される。

Piedmont – Savoy

イタリアとフランスを結ぶ「ピエモンテーサボイ」電力 相互接続装置を支援するため

1

3000

万ユーロが提供さ れる。イタリアのピョッサスコとフランスのグランドイ ルの間の高電圧電力相互接続は、

1,200MW

の全体的な 国境を越えた容量を提供する。長さは

190km

で、世界最 長の直流ケーブル電力線となる。プロジェクトプロモー ターである

Terna

は、持続可能性に重点を置き、環境へ の影響を最小限に抑えている。作業は

2019

年末までに完 了する予定であり、両国間の交換容量は

40

%増加する予 定である。

Newron Pharmaceuticals

Newron Pharmaceuticals

は、中枢神経系および末梢神 経系の疾患を持つ患者のための新しい治療法の開発に焦 点を当てたバイオ医薬品会社である。

4,000

万ユーロの 融資は、希少疾患の新しい治療法を探すためのニューロ ンの研究開発活動を支援している。

Treviso

EIB

は、トレヴィーゾの

Ca

Foncello

病院内の新しい

Cittadella della Salute

の設計、建設、運用をサポートす る た め に 、 ユ ン ケ ル ・ プ ラ ン に 基 づ い て

Ospedal Grando S.p.A

7,000

万ユーロを提供している。このプ ロジェクトでは、既存の建物の一部を改修し、新しい建 物を建設する。これには、約

1,000

床の拡張医療セン ター、新しい研究および物流施設が含まれる。建物はよ

り高いエネルギー基準を満たし、節約と

CO

2排出量の削 減を可能にする。

Italgas smart merering

EIB

は、イタリ アでガスメ ーターを展開 するために

Italgas

3

億ユーロを提供する。このプロジェクトは、

遠隔読み取りを容易にしながら、ガス分配システムの効 率を改善することを目的としている。

その他

A&C Network

D-Orbit

がプロジェクト例として 挙げられる。

2.2 イタリア政府から提供される主 なインセンティブ

2.2.1 開発契約

開発契約(

contratti di sviluppo

)では、製造業(農産物 の加工・販売事業を含む)、観光、環境保護、研究開 発・イノベーションへの大規模投資に対してインセン ティブが与えられる。必要最低投資総額は、インフラ費 用を除いて

2,000

万ユーロである。農産物の加工販売事 業の場合はその額は

750

万ユーロに減額される。この投 資プログラムは、融資の申請が承認された日から

48

ヵ月 以内に完了しなければならない。

開発契約はイタリアおよび外国の大中小企業を対象とし ており、補助金の受領対象は以下のとおりである。

申請企業(契約の技術・財務上の遵守義務があり、

インビタリアの正式な連絡先で、関係するその他の 企業を代表する企業)

開発契約に基づいて投資プロジェクトを実施する企業

リサーチ・開発・イノベーションプロジェクトの参 加者

開発契約による財務上の恩典は以下のとおりである(複 数が組み合わさることもある)。

設備に対する返済義務のない補助金

費用に対する返済義務のない補助金

融資補助

金利補助

補助金の規模はプロジェクトの種類(投資またはリサー チ、開発またはイノベーション)、取組みの場所、企業 の規模に応じて変わる。環境プロジェクトに対しては異 なるインセンティブが存在する。

(18)

2.2.2 イタリアのインダストリー 4.0 計画

「インダストリー

4.0

」という表現は、いわゆる「第

4

次 産業革命」のことを指す。低コストのセンサーや無線接 続の利用によって可能となったこの新しい産業革命は、

データと情報のより広範な利用、コンピュータ化された テクノロジーとデータ分析、新しい素材、完全にデジタ ル化され相互接続されたコンポーネントとシステム

IoT

)が特徴である。

イタリアで策定されたインダストリー

4.0

計画には、さま ざまな実践的措置が含まれている。経済開発省の主な目 的は以下のとおりである。

あらゆる種類の先進技術を同様にかつ公平に推進

水平的活動を実施、すなわち垂直的なもしくはセク ターごとの活動を回避

実現要素への取組み

技術的飛躍および生産性を促進する現行手段の舵取 り

責任者、意思決定者ではない主要ステークホルダー の調整

この計画には、以下の

4

つの戦略がある。

革新的な投資:インダストリー

4.0

計画におけるテク ノロジードライバーへの民間投資の刺激、研究開発 とイノベーションにおける個人消費の増加

インフラの実現:適切なネットワークインフラ、

データの安全ならびに保護の保証、

IoT

、オープンス タンダード、相互運用基準の確立に対する協力

専門知識およびリサーチ:その場その場のトレーニ ングコースを通じたスキルの開発およびリサーチの 活性化への注力

意識およびガバナンス:インダストリー

4.0

計画に 対する関心の創出、ガバナンスに関する共通の官民 政策の策定

2.2.3 イタリアのリサーチ・イノベーションに

関する運用プログラム

このプログラムは、「成長への投資と業務の目標」の下 でイタリアの特定の地域に

EU

の資金を提供しており、移 行地域(アブルッツォ州、モリーゼ州、サルデーニャ州)

および開発途上地域(バジリカータ州、カンパニア州、

カラブリア州、プーリア州、シチリア州)に総額

11

9,000

万ユーロを割り当てることによって、同地域の経

済成長を促進することを目的としている。

Smart Specialisation Strategy

S3

)および

National Programme for Research Infrastructure

PNIR

)の戦 略的枠組みの中で、次の

12

の分野で構成されている。

航空宇宙、農業食品、海洋に基づく成長(海洋経済)、

環境に優しい化学、デザイン、創造性と「

Made in Italy

(非研究開発)、エネルギー、スマートマニュファク チャリング、持続可能なモビリティ、健康、安全かつあ らゆる人を受け入れる地域社会、生活環境のためのテク ノロジー、文化遺産のためのテクノロジー

このプログラムは、以下に重点が置かれている。

教育および訓練に関わるインフラを整備することに よる教育、訓練および職業技能訓練、生涯教育への 投資

リサーチ、技術的開発およびイノベーションの強化 このプログラムで支援される投資の主な領域には以下が 含まれる。

リサーチ・イノベーションへの事業投資の促進(リ ソース全体の

74

%)

教育および訓練に関わるインフラを整備することに よる教育、訓練および職業技能訓練、生涯教育への 投資(

22

%)

このプログラムの実施をサポートする技術支援の提 供(

4

%)

2.2.4 イタリア投資誘致・事業開発公社(イン

ビタリア: Invitalia

インビタリア(

Agenzia nazionale per l'attrazione degli investimenti e lo sviluppo d'impresa SpA

)は、イタリ アでの事業の立上げまたは事業拡大を目指す外国人投資 家にとってのパートナー的存在であり、既存および新規 の投資家に対して信頼性が高く一元化された照会先を提 供することをミッションとしている。インビタリアは、

各々のニーズに合わせたコンフィデンシャルなサービス を外国人投資家に無料で提供しており、それには以下の ものが含まれる。

投資前情報

事業立上げ支援

アフターサービス

インビタリアは、地方自治体、法人パートナー、国内銀 行および外資系銀行(例えば、中国国家開発銀行、中国 輸出入銀行、三菱

UFJ

銀行、みずほ銀行、ウニクレディ ト、

BNL

BNP

パリバグループ)、ポポラーレ・ディ・

ソンドリオ銀行、インテーザ・サンパオロ銀行)などの

(19)

組織的、専門的パートナーとの安定した体系的協力を通 じて、このサービスの提供を行っている。

インビタリアは、優先度の高いセクターへの投資機会を 奨励する世界的な活動計画をサポートし、企業がビジネ スソリューションおよび戦略的パートナーシップを構築 する支援を行っている。また、政府に代わって企業の開 発契約書を管理し、プロジェクトの計画立案およびその 評価、手順の導入を行っている。

投資最低金額

産業:

2,000

万ユーロ(農業食品は

750

万ユーロ)

観光:

2,000

万ユーロ

環境保護:

2,000

万ユーロ インセンティブの種類

資本投資およびリサーチ・実験開発に関わる投資に対す る助成金およびソフトローン。

2.3 地域投資

地域政策は数多くの分野に大きな影響を与えている。地 域投資は、教育、雇用、エネルギー、環境、単一市場、

リサーチ・イノベーションにおいて、数多くの

EU

政策の 目標の達成およびそれらに付随する施策の実施に役立っ ている。

イタリアの全地域では以下のようなインセンティブを提 供する法律が発表されている。

中小企業の資本支出および事業創出に対する助成金 および奨励金付きローン

サービス業界、貿易、観光に対する援助

地域ビジネスセクターに対する援助

これらのインセンティブは、地域ごとの支援およびコン サルティングサービスと組み合わせられることが多く、

国内または国際的な事業開発機関または各地域の金融企 業のいずれかによって提供される。

2014

年から

2020

年に、イタリアは

EU

の結束政策の下で 約

50

の運営プログラムを管理する予定である。その期間 にイタリアには、結束政策の総資金のうち、約

322

億 ユーロ(現在価値)が割り当てられている。

開発途上地域(カンパニア州、プーリア州、バジリ カータ州、カラブリア州、シチリア州)に対して

222

億ユーロ

14ヨーロッパのデジタルアジェンダを実行するためにイタリアが取ったイニシアチ ブと対策に関する文書

移行地域(サルデーニャ州、アブルッツォ州、モ リーゼ州)に対して

13

億ユーロ

先進地域(ヴァッレ・ダオスタ州、ピエモンテ州、

ロンバルディア州、リグーリア州、ヴェネト州、ボ ルツァーノ県、トレント県、フリウリ・ベネツィ ア・ジューリア州、エミリアロマーニャ州、トス カーナ州、マルケ州、ウンブリア州、ラツィオ州)

に対して

76

億ユーロ

欧州地域協力機構に対して

11

億ユーロ

青少年雇用イニシアチブに対して

5

6,750

万ユーロ また、以下に記載のとおり、欧州地域開発基金(

ERDF

) および欧州社会基金(

ESF

)から利益を受けることを目 的に絞った地域ごとのプログラムも実施されている。

2.3.1 欧州地域開発基金( ERDF

ERDF

の目的は、インフラおよび生産設備に対する資金 提供を行うことならびに持続可能な雇用を創出し保護す ることである。特に中小企業を対象として、ベンチャー キャピタル、債務保証ファンドなどさまざまな資金手段 を提供している。

投資分野には、工業立地の開発、リサーチおよびテクノ ロジー、

IT

、環境保護、エネルギー、教育、機会均等お よび多国籍間・クロスボーダー・域内の協力などが含ま れる。

ERDF

は主に優先度の高い以下の分野への投資に注力し ている。

イノベーションおよびリサーチ

イタリア版デジタルアジェンダ14

中小企業支援

低炭素経済

優先度の高いこれらの分野に割り当てられる

ERDF

のリ ソース額は、地域のカテゴリーに応じて異なる。

先進地域(

1

人あたりの

GDP

EU27

ヵ国平均の

90

% 超):優先度の高い分野のうち最低

2

つの分野に資 金の

80

%以上を割当て

移行地域(

1

人あたりの

GDP

EU27

ヵ国平均の

75

% から

90

%):その割合が

60

%まで減少

開発途上地域(

1

人あたりの

GDP

EU27

ヵ国平均の

70

%未満):その割合が

50

%まで減少

(20)

さらに、

ERDF

のリソースは、以下の割合が特に、低炭 素経済に関わるプロジェクトに割り当てられなければな らない。

先進地域:

20

移行地域:

15

開発途上地域:

12

欧州地域協力プログラムでは、少なくとも資金の

80

%以 上が前述の優先度の高い

4

つの分野に用いられなければ ならない。

また、

ERDF

は地域の特徴を特に注視している。

ERDF

の 活動は、特に持続可能な都市開発に取り組みながら、都 市部の経済、環境、社会に関わる問題を減少させること を目的としている。複数の都市によって一元化された活 動を通じて、

ERDF

のリソースの内、少なくとも

5

%以上 がこの分野のために確保されている。

地理的に元々不利なエリア(遠隔地域、山岳地帯または 人口が少ない地域)は、特別な待遇を受けている。また、

最も外側のエリアについては、遠く離れていることに よって生じる可能性のあるデメリットに対応するために、

ERDF

から特別な支援を受けることができる。

2.3.2 欧州社会基金( ESF

ESF

は、雇用を支援するヨーロッパの主要機関であり、

人々がより良い仕事に就けるように支援を行い、

EU

市民 全員に対して公平な雇用機会を保証している。

ESF

は、

ヨーロッパの人的資本(労働者、若年層、求職者)に投 資を行うことによって機能している。

ESF

による年間

100

億ユーロの融資は、何百万人ものヨーロッパ市民

(特に、仕事を得ることが困難な人々)の雇用の見通し を改善している。

EU

は、より多くのより良い雇用の創出ならびに社会的に あらゆる人々を受け入れる社会の創出に取り組んでいる。

これらの目標は、

EU

のスマートで持続可能で包括的な経 済成長に向けた戦略「欧州

2020

」の中核であるが、現在 抱えている経済危機によってさらに深刻な課題となって いる。

ESF

は、ヨーロッパの目標達成、経済危機(特に 失業率や貧困レベルの上昇)から受ける影響の軽減にお いて重要な役割を果たしている。

ESF

による雇用促進は、すべてのセクターおよび利益を 享受できる人々のすべてのグループを対象としているが、

暮らし向きが悪い人々または以下の領域において

ESF

の 融資から多大な利益を享受できる人々のグループに特に 重点が置かれている。

就業斡旋

若年層の雇用機会創出

事業促進

キャリアサポート

参照

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