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国立大学附属病院における医療安全管理専従(専任)医師の実態と役割

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Academic year: 2021

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国立大学附属病院における医療安全管理専従(専任)医師の実態と役割

北海道大学病院 医療安全管理部

南須原康行

Ⅰ.国立大学附属病院においては、10年以上前から医療安全管理に従事する医師を配置する 病院が徐々に増加しており兼任を含めるとほぼすべての病院に医療安全管理を担う医師が配 置されている。国立大学附属病院医療安全管理協議会においては、平成22年に医療安全管理 に携わる医師(歯科医師を含むが、以下、医師とする)の実態と意識等についてアンケート 調査を行った。対象は、国立大学附属病院医療安全管理協議会に所属している施設において、

GRM として活動している医師。GRM の定義は、「医療機関の管理者から委譲された権限に 基づき、全病院的な安全管理業務や質改善策業務(1.体制の構築、2.指針作成等の参画・

周知、3.教育研修の企画・運営、4.インシデントの収集分析と防止対策の策定、5.情 報収集と事故防止、6.医療事故の対応・調査・要因分析と再発防止について中心的あるい は支援的な活動)を行っている者」とした。 医療安全に関る業務の割合により、専従(業務 の8割以上を医療安全管理に従事)、専任(5割以上を医療安全に従事)、兼任(5割未満を医 療安全に従事)とした。

国立大学附属病院42大学45病院中、41病院から回答があり、専従10名、専任7名、兼 任10名という結果であった。なお、平成28年10月の時点で調査したところ、専従16名、

専任32名、兼任53名と大幅に増加していた。

医師GRMと看護職を中心とした他職種のGRMの役割分担については、下表の通りであ った。

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意識調査の結果では、専従のGRMにおいて、臨床面の不安や業績・身分に対する不安を 有しない者が比較的多くみられたが、医師GRMの必要性、やりがいについては、ほぼ全て の医師GRMが肯定的な考えであった。

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Ⅱ.平成28年10月に北海道大学病院において行われたアンケート調査

1.北大病院医療安全管理部における看護師、薬剤師GRMが考える専従医師GRMの役割 と必要性

・インシデントを分析したり対応を協議する会議の招集がスムーズに行える。

・医学的な理解が高いレベルででき、検証の質が高くなるように思う。

・医師の立場での心情を理解できるので、先に医師GRMと看護師GRMが話すことで、不 用意な発言を減らすことができているように思う。

・医療過誤事例において、回復のための最善な治療を行う説明において、当該診療科ではな い第三者的な立場の医師から説明されることで、言い訳的な印象と捉えられず、患者の理 解が得られたと思われる。

・重大事案発生に伴う事故調査で調査委員を選定する際の、情報・人脈が豊富。

問題点

看護師GRMが医師GRMの判断に任せきりになる危険をはらんでいるかもしれない。

2.現場の医師(各診療科で科のリスクマネジャーとして働いている医師)からみた医師GRM の必要性など

・比較的相談しやすい同職種者が、医療安全のトップにいることで安心感がある(病院長や 副院長ではなく)。

・相談する際に、医学的な話(共通言語で)がしやすい。

・医療過誤において、謝罪の席に同席してくれるのが心強い。

・病院(長)との間に入ってもらえるのが良い。

・医師であるがゆえに、決断が早い(個人としてではなく、組織において、専従医師GRM に伝わると、そこから先は直ちに上層部に伝わり対応してくれる)。

・医師GRMというわけではないが、医療安全管理者がいることによって、インシデント発 生の際も、通常業務を続けることができる。

【まとめ】

国立大学附属病院では、早い時期から実務的に医療安全管理に従事する医師を配置してい る施設が多い。平成22年には45病院中、専従10名、専任7名、兼任10名という結果であ ったが、平成28年には専従16名、専任32名、兼任53名と大幅に増加していた。平成22 年の時点で、実際に医療安全管理に従事しているほぼすべての医師が、医師GRMの仕事の 必要性を感じ、やりがいを感じかつ続けていきたいと回答していたことは興味深い。また、

一施設のアンケートの結果からのみではあるが、他職種のGRMが、医師GRMがいること により多くの利点を感じていること、現場の医師が、自施設に医師GRMが配置されている ことにより、医療安全の面から診療を安心して行うことができると感じていることが伺えた。

(参考文献)

南須原康行、石川誠、兼児敏浩他:国立大学附属病院における GRM 業務への医師・歯科医師参 画の現状-医師GRMアンケートの結果より-、医療の質・安全学会誌7, 133-14, 2012

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参照

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