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担当チーム:地質・地盤研究グループ(土質・

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Academic year: 2021

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(1)

重.6 ボックスカルバートの耐震設計に関する研究②

研究予算:運営費交付金(一般勘定)

研究期間:平 22~平 23

担当チーム:地質・地盤研究グループ(土質・

振動)

研究担当者:佐々木哲也,谷本俊輔,山木正彦

ボックスカルバートは,地震時に周辺地盤や盛土と一体となって挙動するため,地震の影響を受けにくいとさ れているが,ボックスカルバートの大型化が進み,構造的にも複雑なものが出現してきており,このようなボッ クスカルバートに対する地震の影響度合いについては,体系的な研究がまだなされていない.また,地中の道路 構造物としての,ボックスカルバートに要求される耐震性能を満足するための限界状態についても明確になって いないのが現状である.

本研究では,ボックスカルバートの耐震性能を満足させるために設定すべきカルバートおよびそれを構成する 部材の限界状態,ならびに地中におけるカルバートの地震時挙動の評価手法を提案し,耐震設計法として体系化 していくことを目的とするものである.平成 22 年度では,①ボックスカルバート供試体を用いた繰返し水平載荷 実験,②地盤内に設置したボックスカルバート供試体による遠心力載荷実験を実施することにより,ボックスカ ルバートを構成する構造部材の終局限界状態の確認およびボックスカルバートと地盤との相互作用の評価を行っ た.

キーワード:ボックスカルバート,耐震性能,限界状態,繰返し水平載荷実験,評価手法

1. はじめに

ボックスカルバートの設計,施工等の基準については

「道路土工-カルバート工指針」 (以下,指針)に示され ているが,その耐震設計に関しては一般的に省略されて いる.これは,指針において定められている適用範囲規

模(幅で 6.5m,高さで 5m 以下)のボックスカルバート

においては,地震時に周辺地盤や盛土と一体となって挙 動するため, 地震の影響を受けにくいためとされている.

また,これまでの地震においても,道路用のボックスカ ルバートで機能損失に至るような大きな被害が生じてい ないところである.

一方で,近年,ボックスカルバートの大型化が進み,

また,構造的にも複雑なものが出現してきているが,こ のようなボックスカルバートに対する地震の影響度合い については, 体系的な研究がまだなされていない. また,

そもそも,地中の道路構造物のひとつとして,ボックス カルバートが確保すべき耐震性能についても明確になっ ていないところである.

このような背景から,ボックスカルバートが地震に対 して確保すべき耐震性能を明確にするとともに,耐震性

能を満足するための部材の限界状態とその評価手法を提 案し,耐震設計法として体系化することが重要である.

本研究では,地中構造物であるボックスカルバートの 地震時での限界状態を適切に評価するため,①ボックス カルバートを構成する構造部材の終局限界状態の把握お よびボックスカルバート構造全体系での終局限界状態の 把握,②ボックスカルバートが地震時に受ける地盤から の相互作用力の評価,を行うものとし,最終的にはボッ クスカルバートの耐震性能の明確化および耐震性能の評 価手法の確立を行うものである(図-1) .

2. 動的実験で見られた大地震時のボックスカルバート の応答特性とその評価方法

ボックスカルバートの耐震設計に関する研究②では,

盛土とボックスカルバートの相互作用を把握するための 動的実験 (動的遠心力模型実験 ),実験結果を精度よく再 現できる解析手法の検討を行った.本報告書ではその研 究成果について報告を行う.

平成 22 年度に行った一連の動的実験では, 大地震時に

おける盛土とボックスカルバートの相互作用について,

(2)

次のような特徴が見られた.

1) 側壁・盛土間の剥離,底版の浮き上がりなど,相互作 用に著しい非線形性が生じる.

2) 地震動が強くなるにつれて,躯体のせん断変形よりも 剛体回転運動が顕著となる.大地震時には非線形相互 作用による地震エネルギーが逸散する効果が期待され,

結果として,大地震時においても大きな部材断面力が 発生しにくい.

3) 地震動が強くなるほど,躯体のせん断変形が最大値を 示す時刻は,ボックスカルバートの応答加速度がピー クを示す時刻と概ね一致し,地盤振動変位がピークを 示す時刻と一致しなくなる.つまり,ボックスカルバ ートの応答加速度と盛土の振動変位の挙動が一体的で なくなる.

4) 断面幅が小さいほど剛体回転運動が顕著となる.つま り,従来型ボックスカルバートのように断面寸法の小 さい場合ほど地震エネルギーの逸散効果により大きな 躯体の変形や部材断面力が発生しにくい.

5) 土被りが大きくなると,ボックスカルバート・盛土間 の相互作用における非線形性が発現しにくくなる.こ れは,カルバート周辺地盤の拘束圧が高いことや,カ ルバートの剛体回転運動が上載土からの鉛直反力によ って抑制されるためであると考えられる.

これらのイメージを図-2 に模式的に示す.

地盤振動変位 (ピークではない)

慣性力 (ピーク)

底版の浮き上がり 突き上げによる

上載土の破壊

慣性力 (ピーク) 剛体回転

運動 剥離

剥離

盛土 現地盤 せん断変形

地震動

図-2 大地震時における盛土とカルバートの相互作用に 関する模式図

地中構造物の地震時応答の評価するための実務的な解 析方法として, 応答変位法, 応答震度法の 2 種類がある.

過年度の実験で見られた挙動を踏まえ,両者の適用性に ついて検討する.

遠心実験結果の考察に基づけば,大地震時におけるボ ックスカルバートの応答を評価するにあたり,盛土と躯 体の相互作用における非線形性をいかに評価するかが重 要なポイントであると考えられる.応答震度法のような

地盤変位分布

盛土層

δ: 応答 変位

基盤

静的実験(正負交番繰返し載荷実験)

部材 および構造全体系での

損傷の進展過程および限 界状態の把握 数値解析モデルの提案

実験結果を精度良く再現できる 解析手法の提案

相互作用力 力

動的実験( 動的遠心力載荷 実験)

盛土とボックスカルバートの相互作用に ついて 把握

数値解析モデルの提案 実験結果を精度良く再現できる 解析手法の提案

図-1.2 研究フロー図

ボックスカルバートの 耐震性能の評価手法を確立

図-1 共同研究における研究内容

(3)

FEM でこの極限状態を再現することを考えると,①SH 波の伝達による地盤のせん断振動,②側壁の主働・受働 抵抗,③頂版の上載土の鉛直押し抜きせん断,といった 多方向せん断に対する土の非線形挙動を考慮することが 必要となり,複雑な構成モデルを選定することが必要に なる.

一方,応答変位法では,あらかじめ地盤反力係数と地 盤反力の極限値を求めておき,これをばねの反力特性に 反映することで,カルバート・盛土間の非線形相互作用 を比較的容易に表現することができる.このような解析 モデルの扱いの容易さから,応答変位法に基づき,動的 実験の結果を再現することを試みた.

3. 解析対象とした実験

解析対象としたのは平成 22 年度に実施した実験であ り,盛土内に設置されたボックスカルバートに大規模地 震動を入力した実験である.これらのうち,として,表

-1 に示すように,カルバートの躯体形状と土被りの大き さが異なる4 ケースを解析対象とした.

実験模型の例を図-3,カルバート模型の断面図を図-4 に示す.各ケースにおいて,カルバートの層間変形角が 最大を示した時刻を解析対象とし,同時刻におけるカル バートの応答加速度と盛土の地盤振動変位の計測値を解 析モデルに作用させることとした.

4. 解析モデル 4.1 解析方法の概要

表-1 解析対象とした実験ケース

Case 土被り厚 BOX 内空幅 盛土形状

2 0.5m 14m (1 連) 台形

5 0.5m 6.5m (1 連) 台形

6 0.5m 24m (2 連) 台形

7 10.0m 14m (1 連) 水平

加振方向

端部ブロック

AG-L1 AG-L2 AG-L3 AG-L4 AG-L5

AG-L6 AG-R6

AG-R5 AG-R1 AG-R2 AG-R3 AG-R4

AG-L2S AG-L3S AG-L1 AG-L2 AG-L3 AG-L4 AG-L5 AG-L6

AT AT

AC-TX AC-BX

AC-RZ AC-LZ

7.125

56.250

37.500

20.4375 15.375 20.4375

15.000 3.750@4=15.0003.3753.0000.750

19.875

8.250 19.875 8.250

7.125

28.500 10.6875 10.6875

14.250 7.500 6.750

土被り:0.525m

原地盤 盛土材:砂質土

中央ブロック

(a) Case2

56.25

28.5

37.5

19.3875 17.475 19.3875

1518.753.75

原地盤

9.75

AG-L3

AG-L4

AG-L5 AG-L6 AG-L7 AG-L8

AC-TX AC-BX AC-RZ AC-LZ

3.75@4=15

8.25 19.875

4.5

AG-L3

AG-L4

AG-L5 AG-L6 AG-L7 AG-L8 AT

14.25 14.25

AG-L2 AG-L1

AG-R8 AG-R7 AG-R3

AG-R4

AG-R5 AG-R6

8.25 AG-R2 AG-R1

AT

AG-L1 AG-L2

4.54.54.5

19.875

0.75

盛土材:細粒土 加速度計

土被り:9.75m 加振方向

(b) Case7

図-3 実験模型概要 (単位:m,実物スケール)

6.6

15.375 0.75

0.750.64.8

12.975 0.75

ひずみゲージ

GAI-TL GAI-TC GAI-TR

GAI-RU GAI-RC

GAI-RL GAO-RL GAO-RC GAO-RU

GAI-BL GAI-BC GAI-BR

GAO-BR GAO-BC GAO-BL

GAO-LU

GAO-LC GAO-LL

GAI-LU

GAI-LC

GAI-LL

GAO-TL GAO-TC GAO-TR

EL-1

ET-1 ET-2 ET-3 ET-4

ER-1

ER-2

ER-3

EB-1 EB-2 EB-3 EB-4

EL-2

EL-3

1.125

0.375

0.31.8750.152.0250.3750.75

1.2 3.675 2.4 2.475 3.675 1.2 0.375

土圧計

0.45

0.45 0.45

AC-TX

AC-LZ

AC-BX

AC-RZ

加速度計

(a) Case2

6.225

7.5 0.525

0.454.95

5.85

0.525

0.525

0.6

0.3 2.11.95 0.3

2.55 2.55 0.375

0.9

0.375

0.3

GAI-TL GAO-TL

GAI-LU GAI-LU

GAI-LC

GAI-LL GAI-LC

GAI-LL

GAI-BL GAI-BC

GAO-BC GAO-BL

GAI-BR

GAO-BR GAI-RU

GAI-RC

GAI-RL GAO-RL GAO-RC GAO-RU GAI-TC GAI-TR GAO-TC GAO-TR ET-1

0.3 0.525 0.5250.3

0.225 ET-3 EL-1

0.15

AC-TX

加速度計

AC-LZ AC-RZ

AC-BX

ひずみゲージ

土圧計

0.3

EL-2

EL-3

ER-1

ER-2

ER-3

EB-1 EB-3

(EB-2)

(ET-2)

(EB-2:b-b断面 側に0.6m奥)

(ET-2:b-b断面 側に0.6m奥)

(b) Case5

6.600

25.500 0.75

0.8250.754.575

11.025 0.45 0.75

0.751.21.8751.725

1.2 5.025 5.1

0.3

0.45

0.3

0.375

ET-1 ET-2 ET-3

0.375 0.9 0.9 5.100 5.025 1.2

0.45 11.025 0.45

ET-4 ET-5

EB-1 EB-2 EB-3 EB-4 EB-5

GAI-TLL GAO-TLL

GAI-TLC GAO-TLC 0.375 0.45

0.225

EL-1

EL-2

EL-3

ER-1

ER-2

ER-3 GAI-LU

GAI-LC GAI-LL GAO-LU

GAO-LC GAO-LL

GAI-RU

GAI-RC GAI-RL

GAO-RU

GAO-RC GAO-RL GAI-TLR

GAO-TLR

GAO-BLL GAI-BLL

GAO-BLC GAI-BLC

GAO-BLR GAI-BLRGAI-CLL

GAI-CLU

GAI-CRL GAI-CRU

GAI-TRR GAO-TRR

GAI-TRC GAO-TRC

GAI-TRL GAO-TRL

GAO-BRR GAI-BRR

GAO-BRC GAI-BRC

GAO-BRL GAI-BRL AC-TX

AC-BX AC-LZ

AC-CZ AC-RZ

b-b断面図 ひずみゲージ 土圧計

加速度計

0.15 0.15

(c) Case6

9

17.475 1.8

1.951.84.2

1.8 11.775

1.352.3251.725

2.925 2.925

1.275

1.05 1.05

0.9 ET-1

2.325 ET-2

2.55 2.625 ET-3

0.9 ET-4 2.325

0.9 EL-1

1.05 0.450.975

EL-2

EL-3 GAI-LU

GAI-LC GAI-LL GAI-LU

GAI-LC

GAI-LL

GAI-TL GAI-TC GAI-TR

GAO-TL GAO-TC GAO-TR

GAI-BL GAI-BC GAI-BR

GAO-BR GAO-BC

GAO-BL EB-4

EB-1 EB-2 EB-3

ER-1

ER-2

ER-3 GAI-RU

GAI-RC GAI-RL

GAO-RL GAO-RC GAO-RU AC-TX

AC-LZ

AC-BX

AC-RZ

ひずみゲージ 土圧計

加速度計

(d) Case7

図-4 カルバート模型の断面図

(単位:m,実物スケール )

細粒土

(4)

応答変位法による解析では,ボックスカルバートを梁 要素でモデル化し,次の 6 種類の地盤抵抗を考慮した.

・頂版の鉛直地盤反力

・頂版のせん断地盤反力

・側壁の水平地盤反力

・側壁のせん断地盤反力

・底版の鉛直地盤反力

・底版のせん断地盤反力 解析は次の手順で行った.

1) 初期応力解析により,解析モデルに躯体の自重と頂版 の上載荷重を作用させ, 地盤反力の初期値を再現する.

2) 躯体の慣性力と地盤振動変位を静的に漸増させなが ら作用させる.

以下,個々の地盤抵抗のモデル化方法について述べる.

4.2 頂版の鉛直地盤反力

頂版による鉛直押し抜き破壊,剥離を考慮したバイリ ニア型とする.鉛直方向地盤反力係数は,次式で与える こととした.

4 3

0

0 . 3



 

VV

V

k B

k

(1)

0 0

3 . 0

1

E

kV

 (2)

変形係数

E0

は実験で使用した盛土材の三軸試験結果 (E

50

) から設定することとし,頂版位置での拘束圧相当の 値を用いることとする.補正係数  は常時の値 (=4) と する.換算載荷幅

BV

は 10m を下限とした.

頂版の鉛直地盤反力の上限値

pVTU

としては,図-5 に 模式的に示す鉛直押し抜き破壊を考慮することとし,次 式により設定した

1)

   

2 45 tan

2

H

B BH

p

VTU

(3)

ここに,  は上載土の単位体積重量,

H

は土被り厚,  は せん断抵抗角である.この極限値は,上載土が主働崩壊 角 (45°+  /2) のすべり面を形成しつつ押し抜き破壊す る領域の重量に相当する. 地盤反力の下限値については,

剥離を考慮してゼロとした.

4.3 頂版のせん断地盤反力

滑動を考慮してバイリニア型の抵抗特性を与えた.せ ん断地盤反力係数

kS

は, ケーソン基礎の底面せん断地盤 反力係数を参考に,次式で与えた.

k

S

 0 . 3 k

V

(4) また,上限値は次式で与えた.

p

ST

c  

v

 t a n  (5)

4.4 側壁の水平地盤反力

受働破壊,剥離を考慮し,バイリニア型の抵抗特性を 与えた.水平方向地盤反力係数は,式 (1), (2)と同様に次 式で与える.

4 3

0

0 . 3



 

HH

H

k B

k

(6)

0 0

3 . 0

1

E

kH

 (7)

水平地盤反力の上限値は常時の受働土圧とした.下限値 については,剥離を考慮してゼロとした.

4.5 側壁のせん断地盤反力

滑動を考慮し,バイリニア型の抵抗特性を与えた.せ ん断地盤反力係数

kS

は,次式により設定した.

kS0.3kH

(8) また,せん断地盤反力の上限値

pST

は次式により設定し た.

pSTcht a n

(5)

ここに, 

h

は加振前に側壁に作用する静止土圧とした.

4.6 底版の鉛直地盤反力

鉛直方向地盤反力係数は,式(1), (2)により設定するこ ととし,変形係数

E0

は底版位置での拘束圧に相当する 値とした.

ボックスカルバートは底版幅が大きく,底面地盤が支 持力破壊することは考えにくいことから,底面の鉛直反 力については上限値を設けていない.一方,剥離の影響 を考慮するため,地盤反力の下限値をゼロとした.

4.7 底版のせん断地盤反力

滑動を考慮してバイリニア型とした.せん断地盤反力 係数は,ケーソン基礎の底面せん断地盤反力係数を参考

に,式 (1)により設定した.上限値は式(2)により設定した.

5. 解析結果

5.1 層間変形角  および剛体回転角 

層間変形角  および剛体回転角  について,動的遠心力

45°+/2 45°+/2

図-5 頂版上載土の押し抜き破壊の模式図

(5)

模型実験により得られた値(実験値)と解析結果(解析 値)を表 -2 に比較する.ここに,層間変形角  および剛 体回転角  は図-6 のように定義している.表中の tan  は カルバート頂版,側壁,底版の摩擦係数である.ここに 示す解析では, 静止土圧係数

K0

を, 土被りの小さい Case2,

5, 6 における計測値として,0.1 としている.

せん断地盤反力の上限値を求める際の摩擦係数を,豊 浦砂とアルミ板の一面せん断試験の結果に基づいて tan 

=0.3 としたところ, Case2, 5, 6 において  ,  ともに過 大な解析結果が得られたため, tan  = 0.15, 0 とした解析 も行った.tan  が小さくなるにしたがって,  ,  とも に小さくなる傾向が見られ,かつ, tan  = 0 とした場合で も土被りの小さい Case2, 5, 6 に関してはa > 1.0 であり,

安全側の計算結果となっている.しかし,土被りの大き

い Case7 に関しては解析値が実験値を大きく下回ってお

り,本解析により実験結果を再現することができていな い.そこで,土被りの大きい Case7 を中心に,地盤抵抗 に関するパラメータを種々変更し,解析結果に与える影 響を調べた.

(a) 層間変形角 (b) 剛体回転角 図-6 カルバートに関する 2 種類の変位モード

5.2 地盤抵抗パラメータが解析結果に及ぼす影響に関 する試算

まず, Case7 における加振前の静止土圧係数

K0

は概ね

0.3 程度であったため,これを修正した.摩擦係数に関し ては,実験により頂版,側壁での剥離が見られたことか ら,tan  = 0 とした.

ただし,摩擦係数をゼロとすることで,カルバート底 面のせん断地盤反力が得られないため,図-7 に示すよう に,解析結果として得られるカルバートの変位は水平方 向の剛体変位 (滑動) が卓越し,カルバートのせん断変 形や剛体回転が発生しにくくなっている.このため,底 版のせん断地盤反力については,摩擦係数を増加させた 計算を行った.これによって  の解析値は大きくなった ものの,実験値に比べると 1/2 程度までしか増加しなか ったため,静止土圧係数K

0

や各部の地盤反力係数につい ても種々変更した解析を行った.解析パラメータと解析 結果の一覧を表 -3 に示す.

図 -7 Case7 におけるカルバートの変位の解析結果

(L2 入力時,倍率 100 倍(tanφ=0.3) )

土圧係数,摩擦係数,地盤反力係数を上げることで  の比が 1 に近づく傾向が確認できる.本条件において層 間変形角  の比が1 に達する条件はケースC7L2-9 であっ た.

表 -2 解析で得られたカルバートの層間変形角  および剛体回転角 

tanφ=0.3 tanφ=0.15 tanφ=0 tanφ=0.3 tanφ=0.15 tanφ=0 α 3.14E-04 1.31E-03 4.45E-04 2.55E-03 2.22E-03 1.88E-03 1.42 1.95 1.69 1.43 β 7.63E-05 7.46E-04 1.40E-04 9.74E-04 8.47E-04 7.20E-04 1.83 1.31 1.14 0.97 α 2.87E-04 1.37E-03 2.08E-04 2.10E-03 1.89E-03 1.67E-03 0.72 1.53 1.38 1.22 β 8.75E-05 1.86E-03 2.20E-04 3.54E-03 3.21E-03 2.88E-03 2.52 1.90 1.73 1.55 α 2.51E-04 1.06E-03 4.04E-04 1.94E-03 1.84E-03 1.42E-03 1.61 1.83 1.74 1.34 β 3.97E-05 8.83E-05 6.40E-05 3.54E-04 3.44E-04 2.60E-04 1.61 4.01 3.90 2.94 α 3.47E-04 7.81E-04 1.52E-04 4.87E-04 3.38E-04 1.89E-04 0.44 0.62 0.43 0.24 β 2.13E-04 1.51E-03 2.04E-04 6.86E-04 4.80E-04 2.73E-04 0.96 0.45 0.32 0.18

L1 L2

解析値/実験値

ケース名 L1

解析値

L1 L2

実験値

Case2 Case5 Case6 Case7

L2

表-3 実験 Case7 に対して地盤抵抗パラメータを変更した場合の解析結果

頂版 側壁 底版 頂版 底版 側壁

C7L2-1 0 0 0.3 鉛直1、せん断1 0.4876 0.3707

C7L2-2 0 0 0.6 鉛直1、せん断2 0.5618 0.4294

C7L2-3 0 0 0.3 鉛直1、せん断1 0.5254 0.3999

C7L2-4 0 0 0.6 鉛直1、せん断2 0.6526 0.5012

C7L2-5 0 0 1.5 鉛直1、せん断5 0.6884 0.5297

C7L2-6 0 0 0.3 鉛直2、せん断2 0.6817 0.3059

C7L2-7 0 0 0.6 鉛直2、せん断4 0.8973 0.4083

C7L2-8 0 0 0.75 鉛直2、せん断5 0.9982 0.4572

C7L2-9 0 0 0.9 鉛直2、せん断6 1.0983 0.5062

C7L2-10 0 0 1.5 鉛直2、せん断10 1.1262 0.5197

α 比 β比

土圧係数 K0

鉛直1、せん断1 鉛直1、せん断1

鉛直1、せん断1 鉛直1、せん断1

解析ケース

鉛直2、せん断2 鉛直2、せん断2

0.3 0.5 0.3

地盤反力係数(基本値との倍率)

摩擦係数 tanφ

(6)

さらに,この試算結果を踏まえ,Case2,5,6 につい ても底版の摩擦係数と各部の地盤反力係数を C7L2-9 と 同様に設定した場合の解析を行った.その結果を表-4 に 示す.土被りの大きな Case7 については実験値と同程度 の層間変形角  が得られたが,土被りの小さい Case2 , 5,

6 については,層間変形角  を過大に評価する結果とな っている.つまり,土被りの大きいケースと小さいケー スについて,両者の実験結果と解析結果が一致するよう な地盤抵抗パラメータの設定方法を見出すことができな かった.

今後は,解析モデルも含め,ボックスカルバートの応 答を精度よく再現することのできる方法について,さら なる検討が必要である.

表-4 地盤抵抗を大きく設定した場合の各ケースの層間 変形角  および剛体回転角 

実験値 解析値 解析値/実験値

α 1.31E-03 3.34E-03 2.55 β 7.46E-04 1.16E-03 1.55 α 1.37E-03 2.97E-03 2.17 β 1.86E-03 3.55E-03 1.91 α 1.06E-03 1.86E-03 1.75 β 8.83E-05 3.08E-04 3.49 α 7.81E-04 8.58E-04 1.10 β 1.51E-03 7.64E-04 0.51 ケース名

修正後Case2 修正後Case5 修正後Case6 修正後Case7

5. まとめ

盛土内に設置されたカルバートの動的応答に着目し,

応答変位法による解析を行うことで,過年度に実施した 遠心実験結果の再現を試みた.

ボックスカルバートの断面形状によらず,土被りの小 さいケースについては実験結果を概ね再現することがで きたが,土被りの大きいケースについては実験結果の再 現が困難であった.試算として,カルバート・盛土間の 摩擦係数や地盤反力係数を増加させた場合の解析も行っ たが,土被りの異なる複数の実験結果を同時に再現する ことのできる地盤抵抗パラメータの設定方法を見出すこ とができなかった.

今後は,解析モデルも含め,ボックスカルバートの応 答を精度よく再現することのできる方法について,さら なる検討を加える必要がある.

参考文献

1) 谷本俊輔,杉田秀樹,高橋章浩,中島進:地震被害 を受けた樋門の解析,土木技術資料, Vol.51, No.4,

pp.34-39, 2009.12.

2) (社)日本道路協会:道路橋示方書 IV 下部構造編,

2002.2

(7)

Research on

seismic design method for Box culverts

Budged

:Grants for operating expenses

General account

Research Period:FY2010-2011

Research Team: Geology and Geotechnical Research Group

(Soil Mechanics and Dynamics Research Team)

Author: SASAKI Tetsuya

TANIMOTO Shunsuke YAMAKI Masahiko

Abstract

:It is generally known that box culverts exhibit the inherent seismic performance because these structures are constructed in the ground, which may result in less significant seismic effect on them. On the other hand, the size of the box culvert has recently increased and also been complex shape, so that such culvert may affect the seismic effect. However there are few researches on the seismic design for such culvert. Required seismic performance of the box culvert for road facility and the limit state to satisfy the seismic performance are also unclear.

This research has conducted for development of the seismic design for the box culvert based on the proposal of the evaluation method for the limit state and seismic behavior of the box culvert. In FY2010, both the cyclic lateral loading tests and the centrifuge tests to the scaled box culvert were performed, and the limit state of the structural member in the box culvert and the interaction between the ground and the box culvert were discussed through the experimental results.

Key words

:Box culvert, Seismic Performance, Limit state, Cyclic lateral loading test, Evaluation Methodology

参照

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