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掲載雑誌名 日本関節病学会誌 2015 年 3 月下旬掲載予定

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論文内容要旨(乙)

人工膝関節置換術術後出血に対するトラネキサム酸関節内投与の有効性

—ドレーンクランプ法における無作為前向き研究—

掲載雑誌名 日本関節病学会誌 2015 年 3 月下旬掲載予定

医学研究科 外科系 整形外科学(藤が丘病院)専攻 淺井聡司

内容要旨

(はじめに)人工膝関節置換術(以下 TKA)の出血対策としてトラネキサ ム酸(以下 TA)の関節内投与とドレーンクランプ法(以下 DC)を併用し た成績は良好であると報告されている.しかし止血効果が DC によるタン ポナーデ効果によるものなのか,TA による薬理作用の効果なのかは分かっ ていない.(目的)TKA の DC における TA の関節内投与併用の有効性を無 作為前向き研究にて検討することである.(対象と方法)2011 年 11 月か ら 2014 年 7 月までに変形性膝関節症(以下 OA) に対して Navigation System を用いて施行した初回 TKA 72 例 72 膝(男性 11 膝、女性 61 膝),平均年 齢 74.5 歳を対象とした.ドレーンから TA 2g(40 ㎖)を関節内投与した T 群

(40 膝),生理食塩水 40 ㎖を投与した W 群(32 膝)に無作為に分けた.

手術は全例タニケットを使用し膝蓋骨置換を行い,すべてのインプラント をセメント固定した.全インプラント置換後タニケットを解放し.創縫合 後に TA もしくは生理食塩水を経ドレーン的に注入し,術後に 2 時間で DC を施行した.その後ドレーンを陰圧とし術翌日に抜去した.検討項目は術 後1日における Hb,Ht の減少値,術後 3 日,1 週,2 週の Hb 値,推定出血量と VTE の発生率(後半の症例 40 例に術後 4 日目に下肢静脈エコーと造影 CT を施行)である.(結果)T 群,W 群はそれぞれ Hb 減少値(g/dl )1.4,2.5,Ht 減少値(%)は 3.7,6.9 であり, T 群が有意に低い値であった. 術後 3 日,1 週,2 週の Hb 値は T 群 9.9,10.1,10.9,W 群 9.0,9.5,10.6, 術後 3 日目, 1 週目の Hb は T 群が有意に高い値を示した.術後 2 週目の時点では両群間に 差はなかった.推定出血量(㎖)は T 群 739.2,W 群 999.8 で T 群が有意に少 なかった.VTE は無症候性 DVT を T 群 21 例中 12 例(57.1%),W 群 19 例中 7 例(36.8%),無症候性 PE を T 群 17 例中 5 例(29.4%),W 群に 17 例中 2 例(11.8%)認めたが,VTE 発生率に関して両群間で有意差はなかった.

(考察)TKA における TA と生理食塩水を使用したドレーンクランプの比

較の報告は散見され、TA 群は有意に出血が少なかったとしている報告が

(2)

多い。今回の結果において T 群は術後推定出血量が約 25%, 約 250 ㎖有

意に減少しており, 同様な結果であった. VTE に関して、TA が線溶系を抑

制するが凝固系には作用しないため、発生には関与しないと考えられてい

る.今回の結果でも両群間に有意な発生率の差はなかった.(結語)DC に

おける TA の関節内投与はタンポナーデ効果だけでなく薬理作用を有する

と考えられ、TKA の出血対策として有効であると考えられた.

参照

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