ミクロ経済学 I
(8) 消費者余剰
丹野忠晋
拓殖大学政経学部
2019 年 6 月 25 日
前から気に入っていた洋服がバーゲンで安く 売っていた!お買い得で嬉しい
洋服が 3000 円までなら買ってもよいと考える
バーゲンで 2000 円で販売で嬉しい!
満足度の残り 3000-2000=1000 が消費者余剰
人々は財に様々な満足を得る
しかし,支払う価格は同じ
価格を支払った後の各個人の満足度は?
お買い得感を需要曲線で表す
アイスショーへの支払意欲
3000 円を支払うつもりが支払意欲 ( 支払許容額 )
ある財の支払い意欲はそれ以下の価格なら一単位購 入.しかし,それを上回れば購入しない金額
支払い意欲と価格が同じならば買っても買わなくて も良いと考えている
イチローはアイスショーを見るか見ないか検討
イチローの一回のアイスショーの観覧に対する支払 い意欲は 8,000 円としよう
アイスショー価格が 6,500 円ならば見る
価格が 12,000 円ならば見ない
支払い意欲から需要表を作る
イチローが価格 6500 円でアイスショーのチケット を購入したら
8000-6500=1500
支払い意欲から購入価格を差し引いた 1500 円がイ チローが得る消費者余剰だ
イチロー以外にもダルビッシュ,マー君,大谷,藤 浪がアイスショーを見ようと考えている
ダルビッシュの支払い意欲は 7000 円,マー君は
6000 円,大谷は 5000 円,藤浪 4000 円.
買い手 支払い意欲 ( 円 )
イチロー 8000
ダルビッシュ 7000
マー君 6000
大谷 5000
藤浪 4000
支払い意欲を縦に並べたグラフ
支払い意欲 ( 円 )
8000 7000 6000 5000 4000
イチローの支払い意欲
ダルビッシュの支払い意欲 マー君の支払い意欲
大谷の支払い意欲
藤浪の支払い意欲
アイスショーのチケットは何枚売
れる 価格が低ければ沢山売れる
価格<支払い意欲 → 購入
価格>支払い意欲 → 購入しない
実際に売れる枚数 → 価格=支払い意欲
価格が 6500 円だったら何枚売れる?
支払い意欲のグラフ
支払い意欲 ( 円 )
2 枚目は売れる
3 枚目は売れない
価格は 6500 円
8000 7000 6000 5000 4000
支払い意欲のグラフ
支払い意欲 ( 円 )
枚数
価格は 6500 円
購入量
•価格 6500 円⇒ 2 枚購入
•支払い意欲イコール価格は購入量を表す
•支払い意欲の外側の線は需要曲線と同じ
8000 7000 6000 5000 4000
支払い意欲のグラフ
支払い意欲 ( 円 )
価格は 6500 円 イチローの支払い意欲
ダルビッシュの支払い意欲
需要量
8000 7000 6000 5000
4000 支払い意欲のグラフは需要曲線である
需要曲線(価格から数量へ)
価格
数量
需要曲線
P
需要曲線=支払い意欲曲線
最後の一個の支払い意欲と費用 ( 価格 ) が同じとき はそれを購入すると見なすことにしよう
価格と支払い意欲が一致している支払い意欲の個数
限界的な買い手は価格が高いと直ぐに買わなくな る買い手.彼までの購入量が需要量になる
価格=支払い意欲⇒購入量
価格に対して購入しようとする数量=需要曲線
支払い意欲曲線は各数量から 1 単位増えたときに
価格 ( 円 )
枚数
支払い意欲曲線と需要曲線
各棒グラフは個人の支払い意欲
需要曲線
8000 7000 6000 5000 4000
消費者余剰
消費者余剰は取引をした後の満足度を表す
実際に価格を支払ったときの財からの支払い意欲 の残り.残りを余剰ともいう
正確には支払ってもよいと考えている金額から実 際に支払った金額を差し引いた値が消費者余剰
消費者余剰=支払い意欲ー価格
消費者余剰を英語で Consumer Surplus と言う
消費者余剰を記号 CS と略す
7000
支払い意欲と消費者余剰
支払い意欲 ( 円 )
枚数
価格は 6500 円 イチローの消費者余剰= 8000-6500 = 1500 ダルビッシュの消費者余剰
= 7000-6500 = 500
需要量
6500 8000 6000 5000 4000
需要曲線と消費者余剰
価格 ( 円 )
価格は 6500 円 需要曲線
消費者余剰
8000 7000 6000 5000 4000 6500
消費者余剰
支払ってもよいと考えている金額から実際に 支払った金額を差し引いた値が消費者余剰
消費者余剰を表す面積= △ ABC の面積
需要曲線
C A
B
消費者余剰
価格
数量 価格
P
s
個別消費者余剰と総消費者余剰
市場全体の消費者余剰は総消費者余剰と呼ばれる
イチローやダルビッシュの消費者余剰は個別消費 者余剰と呼ばれる
各個人の消費者余剰は正確には個別消費者余剰
消費者余剰は個別消費者余剰と総消費者余剰の
両方の意味でしばしば使われる
価格の下落の効果
物の値段が下がると嬉しい
消費者余剰でどう表現できるか?
アイスショーの価格が 5500 円に下落した
イチローの CS = 8000-5500=2500
余剰は 1500 円から
1000円分増加した
ダルビッシュの CS = 7000-5500=1500
余剰は 500 円から
1000円分増加した
既存の買い手は価格下落分だけ余剰が増加
新たにマー君が購入する
マー君の CS=6000-5500=500
価格下落と消費者余剰
価格 ( 円 )
元の価格 6500
円 新しい価格 5500 円 イチローの消費者余剰の増加
ダルビッシュの消費者余剰の増 加 マー君の消費者余剰
新しい需要量
8000 7000 6000 5000 4000 6500 5500
価格の下落は既存と新規の消費者 への効果をもたらす
既に買っている人には均等に価格下落分だけの消 費者余剰が増える
価格下落によって新たな消費者を獲得できる
新たな消費者の消費者余剰は価格下落分よりは小
さくなる
価格下落と消費者余剰
A
需要曲線
C B
元の消費者余剰
価格
元価格 P
D E
新価格 P’
既存の買い手の消費者 余剰の増加
新たな買い手の消費者
余剰の発生
この価格ならば買っても良いと考える金額が支払い意欲
復習
消費者余剰は支払い意欲と実際に支払った金額の差
消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間
価格の下落によって消費者余剰は増える
元から買っている消費者は価格下落分だけ利益を得る
新たな買い手の消費者余剰は価格下落分よりも小さい
HW: 応用問題 4a,b(p.226) を行う.第 7 章を読む.予習は次回のスライドを読