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連 載 講 座 ―防災施策の優先順位(その4)―

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Academic year: 2021

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1.防災アセスメントや被害想定の結果を地域防災計画に反映させる

防災アセスメント(基礎アセスメント)や被害想定を実施したならば,その結果を地域防災計画 に反映させる必要があります。

復習になりますが,防災対策(≒地域防災計画)の検討に際して最も重要な情報は,災害が発生 したときに,「どこで」,「どのくらいの」危険や被害が予想されるかということです。

また,災害が「いつ」(あるいは,「どのくらいの頻度で」)発生するかも重要になります。

これまで 3 回にわたり述べてきた防災アセスメントや地震被害想定は,これらのうち特に,「ど こで」,「どのくらいの」危険や被害があるかを表 1 に示した内容と詳しさで把握する作業でし た。

地域防災実戦ノウハウ(21)

財団法人消防科学総合センター

日 野 宗 門

調査研究課長

連 載 講 座

―防災施策の優先順位(その 4)―

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表 1 を参考に,防災アセスメント結果等を地域防災計画へ反映させる際の基本的な考え方を示 したのが表 2 です。

表 3 には,表 2 の考え方をベースに防災アセスメント結果等の地域防災計画(震災対策編)での 活用方法を示しました(ただし,表 3 に示した震災対策編の構成は例示です)。皆さんのところで 防災アセスメントや地震被害想定を実施されたときには参考にしてみてください。

ところで,被害想定といえば通常は「地震被害想定」を意味しますが,水害や火山災害を対象と した被害想定もないわけではありません。しかし,実際には被害想定よりも災害履歴範囲や浸水 予想範囲,土砂災害危険箇所,火砕流到達予想範囲などを表示したハザードマップなどの作成が 中心となっています。それは,これらの災害では,影響範囲(浸水予想範囲,火砕流到達予想範囲な ど)や危険箇所に関する情報の方が被害想定結果よりも防災対策に役立てやすいという事情があ るからと思われます。

地域防災計画の風水害編,火山災害編への反映の仕方は,この点で表 3 とは少し異なりますが, 基本的な考え方に変わりはありません。

2.地域防災計画の見直しの視点

1 で述べたことは,地域防災計画を見直す際の重要な視点ですが全てではありません。筆者は, 地域防災計画の見直しに際しては,表 4 の視点がポイントになると考えます。

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これらの視点の全てについて解説すると,1 年分の紙幅が必要になりそうです。そこで詳細は筆 者の書いた「地域防災計画の現状と問題点」(京都大学防災研究所編:地域防災計画の実務,pp.9- 36,鹿島出版会,1997 年 4 月)にゆずることにし,ここでは筆者が最重要な視点と考える「普段の 業務において使う計画とする(災害予防計画)」について解説するに止めます。

さて,どんなに立派な内容が記述された計画であっても使われなければ意味がありません。

地域防災計画は発災時にはそれなりに使われているようですが,平常時においても使用してい る課は防災主管課と一部の課に限られるようです。

「災害に強い地域」は一朝一夕には実現しませんが,少しでも早く実現させるには防災主管課 や一部の課にのみ防災対策をまかせるのではなく,各課が行う日々の業務,日々の施策の中に「安 全」や「安心」を織り込み,それを 10 年,20 年と積み上げていくことが必要です。

厳しい財政事情の下では,時間を味方にしたこのような総力的な取組こそが対策の本道といえ ます。

そのためにも,地域防災計画は全課が日常普段から使うものになっていなければならず,また, そのことがさらに充実した内容を保証することになります。

「地域防災計画の抜本的な見直し」などと声高に言わなくても,日常的に使用していれば実践 的な地域防災計画が自然にできあがります。むしろ,そのような位置付けと運用がなされていな い現実があるならば,それを改めることこそが優先されるべきと考えます。この意味においては,

「地域防災計画を名実ともに地域防災行政の基本文書として位置づける(計画策定および計画実 効化の前提条件)」の視点も同じ趣旨です。

以下次号

参照

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